0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
2021/08/05(木) 23:17:16.29ID:gXvsngTU夕暮れ刻。歩夢に呼ばれて歩夢の部屋へ訪れた。
歩夢はベッドに腰かけたままこちらを一瞥し、再び視線を下ろす。
カーテンの隙間から差し込んだ夕日が部屋の中を暗く照らしていた。
歩夢「...」
私の問いに答えることなく、沈黙する歩夢。いつもより少し難し気な表情をして、うつむいている。
部屋に訪れる静寂。
昼間の喧騒はどこへやら、外は静まりかえっていた。
侑「...」
歩夢「...」
歩夢も私も言葉を発さずにいるため、微かな吐息ですら意識してしまう。
こうしていると世界に二人きりになったように感じる。
歩夢「...ねぇ」
ようやく口を開く歩夢。
ただならぬ様子に少し身構える。
歩夢「今日って何の日か知ってる?」
何の日...? 何かの記念日だったか。
記憶を辿るも、心辺りはない。
侑「知らないけど...」
歩夢「そっか、じゃあ知らない侑ちゃんにはお仕置きが必要だね」
歩夢がベッドから立ち上がる。