侑「それで、今日はどうしたの?」

夕暮れ刻。歩夢に呼ばれて歩夢の部屋へ訪れた。
歩夢はベッドに腰かけたままこちらを一瞥し、再び視線を下ろす。
カーテンの隙間から差し込んだ夕日が部屋の中を暗く照らしていた。

歩夢「...」

私の問いに答えることなく、沈黙する歩夢。いつもより少し難し気な表情をして、うつむいている。
部屋に訪れる静寂。
昼間の喧騒はどこへやら、外は静まりかえっていた。

侑「...」

歩夢「...」

歩夢も私も言葉を発さずにいるため、微かな吐息ですら意識してしまう。
こうしていると世界に二人きりになったように感じる。

歩夢「...ねぇ」

ようやく口を開く歩夢。
ただならぬ様子に少し身構える。

歩夢「今日って何の日か知ってる?」

何の日...? 何かの記念日だったか。
記憶を辿るも、心辺りはない。

侑「知らないけど...」

歩夢「そっか、じゃあ知らない侑ちゃんにはお仕置きが必要だね」

歩夢がベッドから立ち上がる。