「ランジュちゃんに勝つ」

「果林ちゃんはそう言ったけどそれは本心じゃないよね」

「御高説の中のランジュちゃんに負けた時のくだり、
恨み募る過去のはずなのに果林ちゃんはうすら笑っていた」

「それでピンと来たの」

「果林ちゃんは勝つことをあきらめている」

「部に入って自分は強くなったと思った」

「でも、再会したランジュちゃんはトレーニングを重ねそれ以上に強くなっていた」

「もう一度戦ったところで敗北は必至」

「そして負ければそれまでの学生生活が全部無駄になる」

「そこで果林ちゃんは、機会があればいつでもランジュちゃん挑戦するという条件付きでバックダンサーに加わることを受け入れたの」

「そうやってランジュちゃんに勝つと
虚勢を振りまいて、狙うふりをしていれば、
少なくとも周囲には敗北を悟られずに済むから」

「どう?当たらずとも遠からずでしょ?」