しずく「愛しいだなんて言い慣れてないけど」
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2025年7月 東京・お台場のとある結婚式場
〜それでは、本日の主役のお二人の入場です!!〜
パチパチパチパチパチ
しずく「わぁ…歩夢さんキレイだなあ…」
淡いピンク色のウェディングドレスに身を包み、溜息が漏れてしまいそうになるくらい美しい歩夢さんの姿を見て思わず声が出てしまいました。
かすみ「侑先輩も素敵…」
隣に座るかすみさんも、純白のウェディングドレスとヴェールを纏い歩夢さんの横を歩く侑さんの姿に見惚れているようです。 かすみ「いいな〜私もウェディングドレス着てみたい」
不意にかすみさんが呟きます。かすみさんの一人称が「かすみん」から「私」になったのはいつごろだったでしょうか。
昔は「かすみん」と呼んでくださいと怒ったのに、今は「かすみん」と呼ぶと怒ってしまいます。
しずく「かすみさんなら絶対似合うし可愛いと思うよ」
大人になっても喜怒哀楽がコロコロと移り変わる表情が魅力のかすみさんが微笑みを浮かべウェ
ディングドレスを纏った姿を想像し心から出た言葉でした。 かすみ「……しず子は私のウェディングドレス姿、見てみたい?」
しずく「えぇ!?いきなり何を…///」
私がお願いすれば見せてくれるの!?
それって私のために見せてくれるってことなの!?
〜それでは只今より、上原歩さん、高咲侑さんの結婚披露宴を…〜
しずく「…///ほら、式始まるよっ!」
かすみ「…うん、そうだね」
かすみさんはいつもこう。
私が5年間心の奥底にずっと仕舞い込んできた気持ちも知らないで私の心を揺さぶるようなことを簡単に言ってきます。本当にずるいです 虹ヶ咲学園卒業後も同じ大学に進み、お互い学部や部活は違えど毎日のように会うたびこういうことを言ってくるので、私の心はずっとあなたの方を真っすぐ見つめたまま。
本当は今すぐあなたにこの気持ちを伝えたい、でも拒絶されるのが怖い…
しずく(って何を考えてるの私は!)
今日は大切な先輩方の晴れの舞台。
悶々としながらも視線は本日の主役の二人の方へ戻します。
〜それではお二人のご友人を代表して、中川菜々様よりご挨拶をいただきたいと思います〜 せつ菜「ただいまご紹介にあずかりました、中川菜々と申します」
せつ菜「歩夢さん、侑さん、並びに両家の皆様本日は誠におめでとうございます」
せつ菜「お二人と出会ったのは…」
せつ菜さんが主賓としてスピーチをしています。流石元生徒会長だけあって堂々としていますね。
そんなせつ菜さんのスピーチに聴き入っていましたが…
せつ菜「ちょうど1年前、歩夢さんから相談を受けました」
せつ菜「侑さんとずっと一緒に居たい。大好きな人と生涯を共に歩みたい。と」
せつ菜「しかし昨日まで一緒に居たからと言って、明日からも一緒に居られるなんて保証は誰もしてはくれません」 しずく(………!!!!!!)
せつ菜「侑さんとずっと一緒に居られるようにするには、直接その想いを言葉にして伝えるほかない」
せつ菜「私はそう歩夢さんの背中を押し、その想いを伝えるお手伝いをすることになりました」
雷鳴が胸に鳴り響き、全身を電流で貫かれたかのような衝撃を受けました。
昨日まで隣に居た人が明日からも隣に居る保証なんてない…
私とかすみさんも大学3年生。
再来年には社会に出ることになるという未来から目を背けていた私にとっては身につまされる言葉でした。
高校1年からずっと私の隣に居てくれたかすみさん、大好きなかすみさん。私の愛おしい人…
かすみさんが隣に居ない日々なんて…考えられないや。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
愛「それでは皆様、御唱和をお願いいたします」
愛「お二人の新しい門出を祝して、乾杯!!」
愛さんの笑顔全開の乾杯の音頭と共に宴が始まりました。
モヤモヤした感情はひとまず置いて、目の前の御馳走とワインを堪能したいと思います♪
かすみ「見て見てしず子〜見たことないお料理がたくさん!」
しずく「もうっ。そんなにお皿一杯に盛り付けたらみっともないよ」
かすみ「いいのいいの♪」
にししっという擬音がぴったりな屈託のない満面の笑みのかすみさんにつられてついつい口角が上がってしまいます。 亀速度って言ってたから来月か数ヶ月後くらいかと思ってた
もう書いてくれたなんて嬉しい 璃奈「しずくちゃんとかすみちゃんはまだなの?」
しずく「り、璃奈さんっ!?まだって何のことかな??」(すっとぼけ)
愛「しずくがかすみんを見つめる時の表情を見てれば誰だってわかるよ〜」
愛「ってこのやり取りもう100回はやったよね?」
璃奈「しずくちゃん、今日こそは逃がさないよ」
璃奈さんと愛さんには私がかすみさんに抱いている想いを見透かされています。
璃奈さんは一緒に居る時間が長かったからわかるけど、まさか愛さんにまでなんて…
そして私が自分の気持ちに素直になれないまま年単位で足踏みしているので最近は事あるごとにせっつかれています。 しずく「ちょ、ちょっと二人とも…かすみさんに聞こえちゃいます…///」
しずく「それに今日は歩夢さんと侑さんの晴れの舞台ですよ?」
璃奈「むぅ…」
愛「それを言われちゃうと愛さん強く出れないな〜」
かすみ「あっ、りな子!!それに愛先輩も!!」
かすみ「しず子と何話しててんですか〜?」
璃奈「しずくちゃんのお尻にどうやったら火がつけられるかって話かな」
愛「そうそう、どうやってかすみんに向かってけしかけようかなってね」
かすみ「火をつける?私が消しかける?よくわからないです…」 >>14
5行目訂正
かすみ「しず子と何話してたんですか〜?」 かすみ「っていうかかすみんじゃなくてかすみって呼んでくださいよ愛先輩!」
かすみ「『ん』はいらないです〜!」
愛「え〜昔は『かすみんです!!』(声マネ)ってずっと言ってたのに」
かすみ「もうそんな歳じゃないんですよ〜」ポカポカ
しずく(ふふっ…変わらないな、昔からずっと)
一人称が変わったり、ボードを使わなくても表情を出せるようになったり、ダジャレを言う頻度が減ったりとみんながそれぞれ大人になって変わってしまったこともあるけれど、昔と変わらない光景を見ると暖かな気持ちになりますね。
しずく(せっかくだし他の同好会メンバーの皆さんところにも行ってみようかな) 彼方「おっ、しずくちゃん〜こっちこっち〜」テマネキ
果林「久しぶりね、しずく」
しずく「彼方さん、果林さんお久しぶりです!」
エマ「しずくちゃ〜ん!」トテトテ
しずく「エマさんもお久しぶりですっ!」
果林「エマ、そのお皿欲張りすぎじゃない?」
彼方「あらら、山盛りだぜ」
エマ「えへへ、どれも美味しそうでつい…ね?」
彼方「ところでしずくちゃん、聞いちゃってもいい?」
しずく「?」
彼方「かすみちゃんとの結婚式にはいつ呼んでくれるの?」
しずく「は…?………ええっ!?彼方さんいきなり何を…!!///」
今までかすみさんとの関係について璃奈さんと愛さん以外に言われたことは無かったので彼方さんの言葉を脳が処理しきれていません。 彼方「おっ、しずくちゃん〜こっちこっち〜」テマネキ
果林「久しぶりね、しずく」
しずく「彼方さん、果林さんお久しぶりです!」
エマ「しずくちゃ〜ん!」トテトテ
しずく「エマさんもお久しぶりですっ!」
果林「エマ、そのお皿欲張りすぎじゃない?」
彼方「あらら、山盛りだぜ」
エマ「えへへ、どれも美味しそうでつい…ね?」
彼方「ところでしずくちゃん、聞いちゃってもいい?」
しずく「?」
彼方「かすみちゃんとの結婚式にはいつ呼んでくれるの?」
しずく「は…?………ええっ!?彼方さんいきなり何を…!!///」
今までかすみさんとの関係について璃奈さんと愛さん以外に言われたことは無かったので彼方さんの言葉を脳が処理しきれていません。 果林「隠したって無駄よ。誰が見たってすぐわかるもの」
エマ「顔、赤くなってるよ?しずくちゃん可愛い〜」
顔が赤くなってるのは脳の処理落ちでオーバーヒートしてるからであってかすみさんは関係ない…と思いたいです///
しずく「…私ってそんなにわかりやすいですか?」
彼方「とってもわかりやすいよ〜」
果林さんとエマさんもうんうんと頷いています。一体いつから見透かされていたんでしょうか…穴があったら入りたい気分です。 果林「ま、そういうことだから想いを伝えるのに私たちの力が必要ならいつでも協力するわよ」
彼方「むしろ早く伝えちゃってほしいよ〜」
エマ「ファイトだよしずくちゃん!」
しずく「はい…ありがとうございます///」ウツムキ
私の恋路の手伝いの前に果林さんとエマさんは一体どこまで進んでいるの!?
流石にこの二人がただならぬ関係なのは私だってわかっているんだから!
と思いましたがおそろいのネックレスにイヤリング…指輪こそしていませんでしたが次に式を挙げるのはこのお二人かもしれませんね。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
しずく「歩夢さん、侑さん、ご結婚おめでとうございます!」
しずく「お二人ともウェディングドレス姿がとっても素敵です!!」
最後に歩夢さん、侑さんとせつ菜さんのところへやってきました。
侑「しずくちゃんありがとう!」
歩夢「ありがとう!しずくちゃんもきっと近いうちに着られるんじゃないかなあ♪」
せつ菜「そうですよ!かすみさんに大好きを伝えたらあっという間です!!」
しずく「」
ゆうぽむせつ「^^」 3年生の皆さんに聞かれた時から何となくそんな気はしていましたが、知らぬ間にかすみさん以外の同好会メンバー全員に見透かされていたようです…
私ってそんなにわかりやすいですか!?
まさか本日の主役の方々にまで晴れの舞台の話題を差し置いてかすみさんのことを言われるなんて…
しずく「…いつから気が付かれていたのですか?///」
歩夢「う〜ん、高校2年のスクールアイドルフェスティバルの後くらいだったかな?」
せつ菜「確かそれくらいでしたよね」
侑「そうそう、せつ菜ちゃんが『大好きを伝えるお手伝いをするべきではありませんか!?』って暴走しそうで止めるのが大変だったなぁ…」
せつ菜「あはは…お恥ずかしい」 しずく「そんな前から気が付かれていたのですね…」
歩夢「たぶんかすみちゃん以外全員気が付いてるんじゃないかな?」
しずく「その通りです…///」」
歩夢「それでね、今日この話をしずくちゃんにしようと思ったのは後悔してほしくないからなの」
しずく「後悔…ですか?」
歩夢「そう、かすみちゃんはいつまでもしずくちゃんの隣に居るとは限らないってことだよ」
しずく「…っ」
しずく「それってさっきせつ菜さんが仰っていた…」
せつ菜「はい、歩夢さんを告白へと突き動かした大きな不安ですね」 伝家の宝刀「あの時大好きって言ってくれたよね?」を使用すればOK 侑「歩夢は大学卒業後に進路がバラバラになって私と離れ離れになるのが怖かったんだよね?」
侑「涙で顔をくしゃくしゃにしながら…
『ずっと私の隣に居てほしいの!』
『友達や幼馴染としてじゃなく、最愛の人として!!!』
って叫ぶ歩夢…可愛かったなぁ…?(cV?^ ? ^V?」
歩夢「おーい侑ちゃん?帰ってきてー?あと恥ずかしいからあの時のことはあんまり言わないで…///」
侑「はっ…ごめんごめん。あんまりにもあの時の歩夢が可愛かったから」
歩夢「話が逸れちゃったけど」
歩夢「しずくちゃんが去年の私と重なって見えちゃうんだ」
歩夢「しずくちゃんも同じような不安、抱え込んでない?」 侑ちゃんの顔文字が文字化けしてしまった…
文字化けするくらい告白する歩夢が可愛かったということで大目に見てください 本当に私ってわかりやすいんでしょうね…かすみさんに対する想いから抱えている不安まで全部見透かされてしまいました。
しずく「……はい、その通りです」
しずく「でも、私怖いんです」
しずく「かすみさんにこの想いを伝えて、関係が壊れてしまうのが!」
しずく「それならいっそ、伝えずに会えない日々が続いても友達としている方がいいんじゃないかって思うこともあります」
関係が壊れてしまうのも怖いですが、何よりも一番怖いのはかすみさんに拒絶されること… せつ菜「本当に…あの時の歩夢さんと重なりますね」
歩夢「私もね、今のしずくちゃんと全く同じことをせつ菜ちゃんに相談したんだ」
歩夢「そしたらね…」チラッ
せつ菜「侑さんは人から向けられた好意と向き合わないような方ですか?」
せつ菜「それが他でもない歩夢さんならなおのことです」
せつ菜「それは私よりもずっと一緒に居た歩夢さんが一番わかっているんじゃないですか?」
せつ菜「告白が上手く行くかはわかりませんが、侑さんは絶対に歩夢さんの想いから逃げたりはしません」
せつ菜「それにこのまま想いを伝えずに距離ができ、いつの日か侑さんの隣に他の人が…なんてことになったら絶対後悔すると思います」
歩夢「って私の背中を押してくれたの」 しずく「……」
せつ菜さんの言葉が私の胸に突き刺さります。歩夢さんに向けられた言葉のはずなのに、私の抱える不安に対する答えになっていて、全力で背中を押されているような気がしてなりません。
侑「しずくちゃん、かすみちゃんに想いの丈、ぶつけてみない?」
彼方「私たちも」
璃奈「全力でサポートするよ」
しずく「えっ、皆さんいつの間にっ!?」
しずく「かすみさんは…っ!!」
璃奈「大丈夫、かすみさんはあそこで愛さんのダジャレ100連発で引き留めてもらってる」
しずく「あはは…」
流石璃奈さんと愛さん、きちんと配慮してくれています。でもダジャレ100連発を聞かされているかすみさんはぐったりしていますね…かすみさんご愁傷様です。 侑「どうかな、しずくちゃん?」
しずく「……まだ想いを伝えるのは怖いです」
しずく「でも、このまま何も伝えずにいつかかすみさんの隣に他の人が居たらと思うと…」
しずく「もっと怖いです…!!」
しずく「私は…かすみさんの隣にずっといたい!」
しずく「かすみさんが隣で笑っていてくれるならそれ以上は何も要りません!!」
しずく「皆さん…私やります!」
少し勢いに身を任せてしまったような気もしますが、ずっと踏み出せなかった一歩をようやく踏み出すことができそうです。
かすみさん、必ず振り向かせて見せますからね!! 本日はここまでとします。
ここから先速度はガタ落ちしますが頑張りますのでよろしくお願いします。
>>36
個人的に大人果林さんがちゃん付けするのに違和感を感じて呼び捨てにしてしまいました
。 しずかすは最高だな
↓このゴミSSと違って素晴らしいSS
かすみ「しず子ってさー、彼方先輩とどこまでしたの?」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1624876976/ しずかすとかなしず以外の競合カプ推し対立煽りお疲れ様です アニガサキから5年後ならゆうぽむは大学卒業してすぐ結婚かな jΣミイ˶º ᴗº˶リ 気長に待ってるのでゆっくり書いてください💙 >>38
ここのセリフ歌詞からの引用だね
ぴったりだわ ゆうぽむ結婚式の翌日
しずく(ん…あさ?)
カーテンの隙間から漏れる光と行き交う車のエンジン音が目覚ましになりました。
しずく(うぅ…頭がズキズキする…)
昨日は何があったんだっけ…そうだ、歩夢さんと侑さんの結婚式があって、それで…
しずく(場の雰囲気に流されて私はなんて宣言を…///)
昨日同好会メンバーの皆さんの前で高らかにした宣言、思い返すだけで恥ずかしくなり布団を頭まで被ってしまいます。 あの後ダジャレ100連発から解放されてゲッソリしたかすみさんが合流したので私の話はあそこで終わってしまったけど…
しずく(それ以降の記憶が…ない!)
いつ式が終わってどうやって自宅まで帰ってきたのかもさっぱりわかりません。
かすみ「あ、しず子やっと起きた!」ムクッ
しずく「か、かすみさん!?どうして私の部屋にいるの!?」ガバッ
かすみ「しず子やっぱり覚えてないんだ」ジトッ かすみ「昨日の結婚式でしず子途中から妙にテンション高くなってきて…」
かすみ「ワイン三本を一人で丸々全部飲んじゃったんだよ!!」
しずく「えぇ!?」
かすみ「みんなが止めときなよって言っても
『覚悟を決めた自分へのご褒美〜』
とかなんとか言ってグビグビ飲んで案の定酔いつぶれちゃうし」
かすみ「フラフラなしず子をわざわざ家まで連れてきたんだからね!!!」
しずく「なんていうかその…大変ご迷惑をおかけしました」 今まではお酒なんて全然飲まなかったのに…昨日は何でそんなに羽目を外して飲んでしまったんでしょう。
…なんて、原因はわかりきっています。かすみさんへ告白すると宣言したことで私の中の何かが吹っ切れてしまったんでしょうね。
案外私自信も知らない私の一面には大酒飲みという可能性も秘められているのかもしれません。
かすみ「もーっ千鳥足の酔っぱらいを連れて歩くの本当に大変だったんだからね!!」
しずく「返す言葉もございません…」 かすみ「そういえば覚悟を決めたって何のことなの?」
しずく「えっ、えっと〜大したことじゃないから!」
かすみ「む〜っ私はその覚悟とやらのせいで酔っ払いの介抱する羽目になったんだよ!?」
かすみ「教えてもらう権利があると思うんですけど!!」プンスカ
しずく「えっ、えっと〜ほら、あれだよ!ウェディングドレス!!」
かすみ「ウェディングドレス?」
しずく「私も昨日のお二人を見ていつか絶対着るぞ〜!って覚悟したんだよ」 間違ったことは言ってないですよね?
包み隠さず言うとかすみさんといつか二人でウェディングドレスを着て並びたい…になりますけど。
かすみ「しず子のウェディングドレスかぁ…絶対可愛いと思う!!」
かすみ「でもしず子って和風美人だし白無垢も捨てがたい…」
やっぱりかすみさんはずるい人です。
私のことを大好きだからと言ってくれたあの時からずっと変わりません。
しずく「と、とりあえず顔洗ったり色々してくるね!」
かすみ「じゃあ先にリビングに行っとくね」
かすみ「しず子のお母さん、ご飯もう少しでできるって言ってたから」
しずく「うん、すぐに行くって伝えといて」 しずく(……)バシャバシャ
また逃げてしまいました。
あそこであの話題を続けていたらみるみるうちに顔が真っ赤になってしまうことは目に見えていたし、何よりかすみさんはいつもいきなりすぎます!!
もう少しいい雰囲気であの話題を出してくれれば私ももうちょっとは続けられる…かもしれないです!
今度ああいう空気になったらもう少し頑張ってみて告白まで一気にしてしまうのもアリなのかもしれませんね… しずく(朝ごはん食べに行く前にスマホの充電見ておこうかな)
しずく(…?璃奈さんと愛さんと私でグループトークが始まってる?)
しずく(なになに…)
璃奈さん『しずくちゃん二日酔いは大丈夫?』
愛さん『大丈夫じゃなくても何とかして!!』
愛さん『かすみんとのデートだよ!大チャンスだよ!!』
璃奈『昨日の勢いがあればきっと上手くいく』
しずく(かすみさんとデート…?昨日私が酔いつぶれていたうちに何か仕込んだのでしょうか) デートとは言ってもただのお出かけ。かすみさんと二人で出かけたことなんて数えきれないくらいあるので呼び方が変わったって大丈夫…大丈夫…
しずく(まだかすみさんからは何も話しが無いので待つのみですね)
かすみ「しず子ー!?トースト冷めちゃうよー!!」
幸いにも二日酔いの頭痛は収まりつつあるので問題は無さそうです。
昨日の今日でかすみさんに告白をするかはさておき、二人でのお出かけはいつも楽しみです!♪ しずく「かすみさんお待たせ〜」
かすみ「いいよいいよ待ってないから〜」モグモグ
しずく「もうっ食べながらしゃべるなんて行儀悪いよ?」
かすみ「いいのいいの、しず子しかいないし♪」
またにししっという擬音がぴったりな屈託のない満面の笑顔で開き直ります。
かすみさんのこの表情も本当にずるいなと思います。
楽しい時はさらに楽しい気持ちにしてくれるし、悲しい時や気が立っている時は浄化してくれるような…魔法の笑顔です。 かすみ「そうだしず子!」
かすみ「今日特に用事とか無いよね!?」
しずく(来た…!)
しずく「今日は何もないよ」
かすみ「じゃあさ、水族館行かない!?」
かすみ「昨日りな子と愛先輩からペアチケット貰っちゃったんだよね」
かすみ「期限が明後日までなんだけど用事があって行けないんだってさ」
このペアチケット…たぶん私のためにわざわざ期限ギリギリのものを用意してくれたんでしょうね。
後でちゃんといくらかかったのか聞いとかないと。 しずく「水族館かぁ〜しばらく行ってないし楽しみ!」
かすみ「それじゃあ朝ごはん食べたら早速行こう!」
水族館…定番のデートスポットですね。
行く前にどんな展示があるのか調べておこうかな。
しずく(二人でイルカの餌やり)
しずく(二人でアザラシの赤ちゃんをだっこ)
しずく(二人で…)
しずく(この水族館…カップル向けのイベントがたくさんある!!///)
〜〜♪
しずく(あ、またLINEだ) 璃奈さん『言い忘れてたけど、かすみさんにはカップル向けイベント参加券も渡してある』
愛さん『どれに参加しても距離がぐっと縮まること間違いなし!!その勢いで言っちゃえ!』
璃奈さん『今日私たちは特に用事も無いのでしずくちゃんのサポート体制を敷いておく』
愛さん『困ったことがあったらりなあいテレフォンをいつでも頼ってね??』
しずく(テレフォンか…あれって使っても間違った答えを言われて『ざんねーん!!』ってなった人がたくさんいたような…) かすみ「しず子ー?そろそろ準備できた?」
しずく「もうちょっとで終わる!!」
ここまでお膳立てをしてサポートまでしてくれる璃奈さんと愛さんには申し訳ないですが、
流石に昨日の今日で告白をするのはちょっと荷が重い気がします…
でも昨日の宣言に嘘偽りはありません!
もう一昨日までの私とは違うんです!!
雰囲気次第では想いの丈をぶつけてしまおうという気概は持って水族館デートを楽しみたいと思います♪ 本日はここまでとします。
昼間の保守ありがとうございます。 しず子がかすみのこと大好きすぎて脳が回復する
かすみは思わせぶりなこと時々言うけどどう思ってるんだろうね
精一杯のアピールなのかジャブなのか無意識なのか
楽しみ かすみ「それじゃあしゅっぱーつ!!」
しずく「行ってきます♪」
目的の水族館までは私の家からバスと電車で1時間ほどの距離。
かすみさんと二人でゆっくり話ができますね。
かすみ「水族館なんて何年ぶりかなぁ」
しずく「私も小学校の遠足で行ったっきりかも」
かすみ「一人で先走って迷子にならないでよ?」
しずく「それは私のセリフ!!」
しずく「いつまでもお子ちゃまなかすみんが迷子になっちゃって」
しずく「神奈川県からお越しの桜坂しずく様…お連れ様の中須かすみんちゃんがお待ちです」
しずく「なんて呼び出し受けたら恥ずかしいもん」 我ながら中々強烈な煽りをしてしまいました。
それもこれも大人になってからも時折子供っぽい笑顔を見せるかすみさんが悪いんです!
かすみ「この〜!!そんなこと言うしず子にはもっと恥ずかしい思いさせちゃうからね!!」
しずく「へぇ〜どんな恥ずかしいことなの?」
私がこんなにも軽口を叩けるのはかすみさんくらいしかいません。
かすみさんならこれくらいの冗談を言っても笑ってネタとして受け止めてくれる。
そう心から信頼してるからこそ他の人には言えないような煽りでも言えちゃいます。
そう、かすみさんなら信頼できるんです。
それはそうと、どんな恥ずかしいことになるんでしょう? かすみ「それは今は言えないね!」ニシシ
またあの笑顔をしています。
でもこの笑顔は…
しずく「かすみさんの笑顔が怖い…」
ちょっと悪だくみをしている顔です。
そんな他愛も無い話をしているうちに水族館の最寄り駅に到着しました。
駅直結なのであっという間に入り口です。
かすみ「入場券に引き換えてくるからちょっと待ってて!」
ペアチケットもイベント参加券もかすみさんが持っているので手続きは全部お任せです。
しずく(なんだかエスコートしてもらってるみたいかも♪)
…なんて、ちょっと浮かれているかもしれませんね。 かすみ「お待たせ〜…ん?どうかしたの?」
しずく「ううん!なんでもない!!」
かすみ「それじゃ行こうか!」
はい、と渡された入場券はハートの中で二頭のイルカがキスをしているペアチケット専用のデザインでした。
ペアチケットって友達同士で使うこともあると思うんですが…カップル前提でいいんですか!?
かすみ「この入場券、カップル専用なんだってさ」
しずく「えぇ!?そんなことどこにも書いてなかったような…」 かすみ「いいからいいから!」
そう言ってかすみさんは私の手から入場券を取り上げて…
空いたその手を掴まれてしまいました。
しずく「ちょっと、かすみさん!?」
スクールアイドルとして舞台上で手を繋いだことはあったかもしれないけれど、
二人きりのお出かけで手を繋いだことなんてなかったので何が何だかもうわけがわかりません! かすみ「カップルじゃないって思われてチケット没収されても困るし」
かすみ「ほら、行こ?」
かすみさんに手を引かれ入場口までやってきました。
かすみ「二人分です、お願いします」
係員「はい、お二人様分ですね。」
係員「どうぞごゆっくりお楽しみください!」
うぅ…係員のお姉さんに『あらあらうふふ』見たいな笑顔で見られてた…
私の顔今どうなっちゃってるのかな… しずく(そういえばさっき言ってた恥ずかしい思いをさせちゃうって…)
なんだかかすみさんに負けた気分です。
そういえばさっきこの水族館を調べたとき…
関東でも最大級でその気になれば夜までずっと過ごすことができるって書いてあったっけ…
しずく(朝からこんな状態で一日持つのかな…///)
無自覚なかすみさんの攻撃に先が思いやられます。 短いですが本日はここまでです。
引き続きよろしくお願いします。 しずかすって社会人になると攻め受けが逆転するイメージ かすみ「しず子〜北極圏だって〜」
しずく「……///」
かすみ「しず子?」
しずく「えっ、どうかした!?」
かすみ「なんかボーっとしてたからさ」
しずく「ううん、お昼どこで食べようかな〜って考えてただけ」
かすみ「そう?なら行こっか」
しずく「うんっ!」
入場口から階段を上り最初の展示エリアに到着しました。
最初は北極圏コーナーみたいです。 それよりもかすみさんがまだ手を離してくれないので顔の熱が治まる気がしません。
…離してくれないなんて、まるで離してほしいみたいですね。
そんなわけがありません。
てのひらから伝わるかすみさんの体温と鼓動が私のそれと交わる感覚がとても幸せです。
私から握りしめたこの手は離しません。
この温もりは常に堪能しつつ心を落ちつけてデートを楽しまなくては!!
かすみ「あーアザラシだ〜可愛いなぁ…」
しずく「まんまるなお腹に眠そうな顔に癒されるね」 かすみ「なんか彼方先輩が布団ぐるぐる巻きになったらこんな感じになりそうじゃない?」
しずく「ふふっ確かに眠たそうな顔が似てるかもね」
かすみ「なんかみんな眠たそうだね」
しずく「すやぴの邪魔しないように次行こっか」
かすみ「そうだね」 そして次にやってきたのはクラゲの水槽でした。
暗い部屋の中で水槽だけを柔らかい光が照らしています。
水槽の中でゆらゆらと浮かぶクラゲの姿はとても幻想的ですね。
しずく「綺麗…」
かすみ「なんでこんなにカラフルに光るんだろう…」
しずく「まるで宇宙に来たみたいだね」
かすみ「こっちのクラゲはなんかドーナッツみたいな輪っかになってる…」
かすみ「地球の生き物じゃないみたい…」 しずく「奥にはきのこみたいなのやひまわりの種みたいな形のもいるね」
しずく「地球って不思議な生き物がたくさんいるんだね…」
かすみ「さっきの流れで誰かクラゲと似てるとこないかなーって考えたけど」
かすみ「流石に誰にも似てなかったや」
しずく「私に似てるなんて言い出したらどうしようかと思ったよ」
かすみ「言ったらどうなるの?」
しずく「うーん…」
しずく「考えておくね!」
かすみ「何それ〜」 高1じゃなくてJDの2人が手繋ぎデートってガチな感じしていいね 恥ずかしい思いさせちゃうからね!なんて言えればよかったんですが、
今の私はてのひらから伝わる胸いっぱいの幸せを抱えながら平常心を保つことで精いっぱい。
とても攻めに転じる余裕はありません。
かすみさんの手…本当にあったかい。 クラゲが綺麗ならば似てると言ったら褒め言葉になるな 階段を上がり次のフロアは南極大陸コーナーでした。
やっぱり南極といえばペンギンですよね。
かすみ「お腹もこもこ〜触りたい〜」
しずく「確かに、あのお腹は…もふりたい」
かすみ「しず子知ってる?」
かすみ「ペンギンって氷の上を腹ばいになって滑って移動するんだって」
しずく「知ってるよ?」
しずく「だってさっき入り口横に大きく説明書きがあったもん」 かすみ「む〜…そこは
『へぇ〜知らなかった!かすみさんって物知り!!』
っていうところでしょ!!」
しずく「どうしたの?いきなり物知りキャラなんてかすみさんらしくない」
かすみ「む〜私だってたまにはしず子にカッコいいところ見せたいんだよ?」
しずく「っ…//」
また来ました。無自覚攻撃です。
今の私の状態ではとても対処しきれません。いつもいきなりなんだから!! しずく「も、もうすぐお昼時じゃない?」
しずく「ちょっと早いけど混みあってくる前に行かない?」
かすみ「…うん、そうしよっか」
同じ階のレストランまでやってきました。
幸いにもすぐ席に通してもらえたので午後もたっぷり時間が使えそうです。
…また逃げちゃいましたね。かすみさんがいきなりすぎるのが悪いんです!!
…なんて、ちっとも進歩しないなぁ。
小さいことでも何か覚悟を決めなきゃ! かすみ「ちょっと私お手洗い行ってくるね」
しずく「うん、じゃあ注文考えておくね」
しずく(そうだ、今日この機会を作ってくれた璃奈さんと愛さんに状況報告しないと)
桜坂しずく『かすみさんのいきなりの無自覚攻撃に対処しきれません』
愛さん『かすみんそういうとこあるもんね〜』
璃奈さん『しずくちゃんもいい加減慣れないと』
桜坂しずく『頑張ってはいるんですが…今日は午前中ずっと手を繋がれてしまって…』
璃奈さん『顔が赤くなってるしずくちゃんが目に浮かぶ』
愛さん『めっちゃイー感じじゃん!!』 桜坂しずく『いきなり今日告白は難しいかもしれませんが』
桜坂しずく『せっかく今日こんな素敵なデートを用意してもらったので』
桜坂しずく『かすみさんを赤面させて私のことを意識させるくらいのことはしたいと思います』
璃奈さん『うん、まずはその辺りからだよね』
愛さん『ガンバレ!!』
かすみ「おまたせ〜」
かすみ「ん?LINE?」
しずく「うん、璃奈さんと愛さんにお礼をと思ってね」 しずく「じゃあ私もお手洗行ってくるね」
かすみ「おっけ〜何注文しとけばいい?」
しずく「これで!」
かすみ「りょうかい〜」
まずは現実的なところから、無自覚かすみさんのようにサラッとは言えないでしょうが
私もかすみさんを赤面させられるような一言をぶつけたいです!!
目標の下方修正はあまりよくないような気もしますが、
素人がいきなり富士山に登るのは無理です!まずは高尾山あたりから始めるべきですよね!? 本日はここまでです。
保守やコメントありがとうございます。引き続きよろしくお願いします。 全部しずく視点だからかすみも同じくらい照れながら好き好きアピールしてるのにしずくがそれどころではなくて気付いてないだけかもしれないな
よき 今日と恐らく明日もお休みとさせていただきますm(__)m
日曜と月曜はたくさん更新できるかと思いますのでお待ちいただければと思います。
引き続きよろしくお願いします。 まじか…まあ、無理せずに頑張ってくれ
楽しみにしてる! かすみ「ふぅ〜食べ過ぎちゃった」
しずく「欲張ってあんなおっきなのお菓子を頼むから…」
かすみさんが頼んだのはデニッシュパンの上にソフトクリームが乗ったあまり見かけないデザート。
名前は忘れちゃいましたが、ものすごい大きさでした。
美味しそうに頬張るかすみさんは可愛かったんですけどね。 かすみ「大丈夫大丈夫♪」
かすみ「さあ、まだまだ見てないとこあるし行こっか!」
しずく「うん!!」
さあ、もうかすみさんにドキドキさせられっぱなしの私じゃありません!
告白という富士登山はまだできませんが、高尾山くらいは登りたい!
今度は私からかすみさんの手を掴みにいっちゃいます…!
しずく(……///)オソルオソルドキドキ
ギュッ かすみ「………っ!!」
しずく「か、かすみさんが迷子になったら大変だから!!」
しずく「だいぶ混雑してきてるし…///」
かすみ「そうだね、はぐれちゃうのは嫌だし」
かすみ「ありがとっ!」ニコッ
手を掴んだ瞬間、一瞬びっくりした表情をしたように見えましたが、
それからすぐに満面の笑みを見せてくれました。
かすみさんはこれくらいのことでは動じないようです。
それなら… しずく「午前中も思ってたんだけど…」
しずく「かすみさんの手、あったかいよね///」
演劇のセリフではなく、本心で好きな人にこういうことを言うのがこんなに緊張することだったなんて…
声がひっくり返ってなかったか心配になってしまいます。 かすみ「…!」
かすみ「そうかな?しず子の手もあったかくて好きだよ」ニコッ
一瞬の間があってかすみさんがまた笑顔になりました。
照れさせるまではいかなくても、ちょっとはかすみさんの心を揺さぶれているでしょうか…
しずく「あ、ありがとう…///」
しずく「それじゃ、今度こそ行こうか」
流石にこれ以上は持ちません、ここは一旦退却です。
心臓が破裂しそうですが、何とかかすみさんを照れさせたい!! かすみ「あ、そうだ!」
しずく「どうしたの?」
かすみ「色々体験できるイベント参加券も貰ってるんだけど」
かすみ「事前にどれに参加するか選んで予約しきゃいけないんだった」ゴソゴソ
かすみ「どれにする?」
かすみさんの持ってるリストには楽しそうなイベントがたくさん書かれています。
二人でアザラシの赤ちゃんをだっこして写真撮影
二人でペンギンのつがいをだっこして写真撮影
二人でイルカの餌やり体験
二人でアシカショー体験
完全にカップル向けって感じです。 しずく「う〜ん…私が選んじゃっていいの?」
かすみ「いいよ〜私はどれも楽しそうで決められそうにないから」
しずく「じゃあアシカショーにしようかな」
かすみ「ほう、その心は?」
しずく「一番かすみさんと気が合いそうなのがアシカさんだからかな?」
かすみ「…う〜ん?」
かすみ「時々しず子ってよくわかんないこと言うよね」
しずく「いからいいから」
しずく「予約してまだ見てないとこに行こ?」
何となくアシカさんって誰かさんと同じで喜怒哀楽がはっきりしているような、そんな気がしただけです! 階段を上がったフロアはグレート・バリア・リーフでした。
かすみ「ぐれーとばりありーふってどこらへん?」
しずく「どこかに書いてないかな…」
しずく「あっ、オーストラリアだって」
かすみ「どれどれ…世界最大のサンゴ礁地帯、クジラやイルカ、ウミガメの楽園…
しずく「南の海って感じだね」
かすみ「プッ…見てしず子!」
かすみ「この魚の名前!」 しずく「なになに?…オジサン?」
しずく「そんな名前の魚いるんだね」クスクス
しずく「下あごにヒゲが生えているからオジサンなんだ」
かすみ「オジサンって言えば昨日のしず子」
かすみ「フラフラで何かよくわからないことブツブツ言ってて酔っ払ったおじさんみたいだったなあ」
しずく「お恥ずかしい…」
かすみ「普段のしず子はTHE女の子って感じだから新鮮だったよ〜」 かすみ「そうだ、シラフの今何かおじさんっぽいこと言ってみてよ!」
しずく「えぇ!?いきなりそんな無茶ぶり!」
かすみ「演技力も鍛えられるしいいじゃん〜」(適当)
舞台は台本通りに演じるから芸人みたいなアドリブは要らないと思うんだけど…
かすみさんが期待に満ちた目で見てくる…
しずく「か、かすみちゃ〜ん」
しずく「おじさんと一緒にデートしない?」
……………
かすみ「なんかごめん…次行こうか」
しずく「うぅ…そのフォローは逆に傷つく〜」
完全にスベってしまいました。うぅ… あちこち見て回っているうちに夕方に差し掛かってきました。
その間にも頑張ってかすみさんを照れさせようとしましたがどうもうまくいきません…
展示もほぼ見尽くしたので、残すはイベントのみです。
かすみ「うーん!楽しかったね〜」
しずく「うん、大人になっても十分楽しめるね!」
かすみ「さて、あとはアシカショー体験に参加するだけだけど集合時刻までまだちょっとあるね」 しずく「じゃあちょっとお手洗い行ってくるね」
かすみ「うん、ここで待ってる」
しずく(璃奈さん愛さんに報告しとこうかな)
桜坂しずく『色々やってみましたがかすみさんが照れてくれません!』
愛さん『どんなことしたの?』
桜坂しずく『私から手を繋ぎました』
桜坂しずく『かすみさんの手があったかいって言ってみました』
璃奈さん『かすみさん、なかなか手ごわい…』
愛さん『やっぱり素直な気持ちを伝えるしかないのかもね』 >>70
>>135
璃奈はかすみちゃんって呼ぶとわかっていながらかすみさんと書いていました。
訂正します。 桜坂しずく『やっぱりそれしかないんでしょうか…』
桜坂しずく『かすみさんを照れさせることができれば告白する自信も湧くかなと思ったんですが…』
璃奈さん『照れさせてなくても今日のしずくちゃんはかなり前進してると思う』
愛さん『そうだよ!自分から手を繋ぐとか前は絶対できなかったでしょ?』
璃奈さん『今日のデートの収穫としては十分』
愛さん『たぶん時間的にこの後イベントでしょ?』
桜坂しずく『はい、アシカショー体験にしました』
璃奈さん『最後は目一杯楽しんで欲しい』
愛さん『かすみんも顔に出さないだけできっと照れてるからさ!!』
桜坂しずく『そうですね、最後は無理せず楽しみたいと思います!』 しずく「お待たせー」
かすみ「じゃあ行こっか」
今度はほぼ同時、どちらから言うでもなく自然と手を取り合いました。 飼育員「ではアシカショー体験の説明をさせていただきます」
しずかす「よろしくお願いします!」
今日のメインイベント、アシカショー体験が始まりました。
各ペアに対しアシカさん一頭、飼育員さん一名が付き、
飼育員さんがアシカさんに魚をあげて私たちはボールや輪投げでふれあうようです。
アシカさんの名前はモモちゃん!可愛い名前ですね。
かなり楽しみです!! 飼育員「では早速やってみましょうか」
しずく「じゃあ私から!」
飼育員「ではこのボールをモモちゃんに優しめにふわっと投げてみてください」
しずく「…こんな感じでしょうか?」フワッ
しずく「わっ、すごい…!」
アシカショー自体は何度か見たことはあるので知識としてはありましたが、
自分が投げたボールをモモちゃんが鼻で受け止めてくれると感動しちゃいます。 飼育員「今度はモモちゃんがボールを投げてくるのでキャッチしてあげてください」
モモちゃんが首を使ってふわっとボールを投げ返してくれました。
しずく「おっとっと…」
これ…楽しい!!
かすみ「しず子〜私もやりたい!!」
しずく「あっごめんなさい、楽しくてつい」 かすみ「モモちゃんよろしくね〜」
かすみ「えいっ!」フワッ
かすみ「ナイスキャッチ!!」
かすみさん、すごくいい笑顔をしています。
こういう子供っぽいところが残っているのも可愛らしいです。
かすみ「ばっちこい−!!」
かすみ「うわっと!」
モモちゃんの投げたボールをかすみさんが取り損ねてコロコロと転がっていってしまいました。
かすみ「ああ〜待って待って!」
坂道の方に転がって行ってしまいかなり遠くまで行ってしまいましたね… 飼育員「あのお嬢さんに片思い中なんですか?」
しずく「えっ!?」
飼育員「突然ごめんなさいね」
飼育員「あなたがあのお嬢さんを見る目があまりにも恋する乙女って感じで」
しずく「やっぱりわかっちゃいますか…?」
飼育員「このイベントに参加するのって大抵カップルかあなたみたいな片思い中の相手を連れてくるかどっちかですからね」 飼育員「ずっと見てきたお姉さんの目はごまかせませんよ?」
飼育員「コロコロと表情の変わる可愛らしいお嬢さんですよね」
しずく「…はい。ああやって喜怒哀楽を全力で表現できるのって素敵だなって思います」
しずく「それにかすみさんはいつも私が辛い時、悩んでいる時に私の傍に来てくれて」
しずく「励ましてくれたり、大好きだって言ってくれたり…///」 飼育員「ふふっ…本当にあのお嬢さんのことが大好きなんですね」
かすみ「おまt」
しずく「はい、かすみさんはずっと一緒に居たい、そう思える大切な人です」
かすみ「…………」
かすみ「………おまたせ///」
しずく「あれ?かすみさん顔が赤いけど大丈夫?」
かすみ「走ってきたから…///」
しずく「じゃあちょっと休む?」
かすみ「うん、そうするね…」
その後は輪っかをモモちゃんに向かって投げて首に通す形でキャッチしてもらったり、
餌の魚をあげてたりととっても楽しいイベントでした! しずく「それじゃあ今日はありがとね、楽しかった!」
かすみ「うん、また遊びに行こうね」
水族館の最寄り駅からかすみさんの自宅は私の自宅とは逆方向になるのでここでお別れです。
今日は色々ありすぎて心が揺さぶられすぎてとっても疲れてしまいました。
かすみさんを照れさせることはできなかったけど、
今まで自分からはできなかったことがドキドキしながらもできるようになりました!
かすみさんに想いを伝えられる日はそう遠くない未来にやって来そうな気がします。 本日はここまでです。
2日間保守していただきありがとうございました。 癒やされる
しずくの方が球技苦手だけど2人の性格的にはこっちの方が違和感ないね かすみさんとの水族館デートから4日が過ぎ、8月に入りました。
あれからかすみさんとは連絡を取っていません。
いくら仲が良くても4日間くらい連絡が無いのは普通。
そんなことは今までもあたりまえだったけど、今の私にはとても長く感じる時間でした。
しずく「かすみさんに会いたいなあ…」 頭の中がかすみさんのことでいっぱいで何も手に付きません。
今日も1日エアコンの効いた部屋でベッドに寝転がってあれこれ思考を巡らせいたら夜になってしまいました。
しずく「かすみさんにどこか行こうって誘おうかな…」
〜〜〜〜♪
しずく「LINE?」
誰からだろう? 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(10)
侑さん『突然だけど明後日花火見に行こうよ!』
歩夢さん『このお祭りなんだけどどうかな?』
歩夢さんの貼ったURLの先には毎年行われている海辺の花火大会のHPがありました。
近くの商店街で大規模な夏祭りも併せて開催されるので毎年多くの人で賑わうそうです。 せつ菜さん『行きます!!』
璃奈さん『花火楽しみ』
彼方さん『行くよ〜』
愛さん『行く行く!!』
果林さん『もちろん行くわ。エマも行くって言ってる。』
桜坂しずく『私も行きます!』
かすみさん以外あっという間に参加となりました。かすみさんも来てくれるといいな…
それにしても、果林さんとエマさんは平日のお仕事の後にまで会ってるだなんて。 そういう関係なのを全く隠す気も無いみたいですね。
むしろわざわざエマさんの分まで言うなんて、一緒に居ることを見せつけてるみたいです!
〜〜〜♪
かすみさん『もちろん行きます!』
よかった、かすみさんに会えます!
侑さん『もちろんみんな浴衣着てくるよね!?』
侑さん『みんなの大人になってからの浴衣姿見たことないから楽しみ〜!!』
侑さん…そんなことを言ったら。 歩夢さん『私と侑ちゃんは』
歩夢さん『ちょっとすることができたからまた連絡するね』
歩夢さんに引きずられていく侑さんの姿が脳裏に浮かびましたがきっと気のせいでしょう。
かすみさんの浴衣姿…最後に見たのは高校生の時かな。
好きな人と夏祭り、頑張らないと!! 〜〜〜♪
またLINEです。今度は誰からだろう。
歩夢さん,侑さん,彼方さん...(9)
せつ菜さん『今回は私たち全員でサポートします!!』
彼方さん『しずくちゃんはかすみちゃんの事だけ考えててね〜』
璃奈さん『徹底的にやるから任せて』
ここまで皆さんが後押しをしてくれるんです。
私も覚悟を決めてかすみさんと向き合いたいと思います。 いよいよ花火大会当日、お気に入りの浴衣でメイクもばっちり決めました!!
混雑した電車で浴衣が崩れないように早めに会場最寄り駅に到着、抜かりはありません!
かすみさんから『着いた』とついさっきLINEがありました。
かすみさんはどんな浴衣を着てくるのかな。
かすみさんに早く会いたくて、つい小走りになってしまいます! ガクッ
しずく「あっ…!」
しまった…
小さな段差があることに気が付きませんでした。
転んじゃう… ???「しず子!!」ガシッ
誰かが後ろから肩と腕を掴んでくれて転ばずに済みました。
誰か、なんて言いましたが私のことをしず子って呼ぶのはかすみさんしかいません。
それにずっと聴いてきたかすみさんの声はすぐにわかります。 しずく「かすみさん!!」
かすみ「慣れない下駄で走ったら危ないでしょ」
しずく「ごめんなさい…助けてくれてありがとう」
かすみ「まあ…私も走るしず子を見つけて追いかけてきたから人の事言えないんだけどね」
かすみ「でも私は下駄風のサンダルだからまだ大丈夫だったよ」
しずく「私も歩きやすさを考えてサンダルにすればよかったかも…」 かすみ「ううん、やっぱり浴衣姿には下駄のカランコロンって音が似合ってるよ」
かすみ「あ、もちろんしず子の浴衣姿も似合ってて可愛いよ」
かすみ「黒髪で顔立ちの綺麗なしず子に浴衣が似合わないはずないよね」
しずく「……!」
しずく「ありがとっ」ニコッ
しずく「かすみさんの向日葵の浴衣も可愛いよ」
しずく「かすみさんの元気なイメージにぴったり!」 かすみ「ありがとねっ」
かすみ「それじゃ、行こっか」
かすみさんが手を差し伸べてくれました。
ドキドキはしちゃうけど、もう動揺はしません。かすみさんの手を迷わず取ります。
また転ばないようにというかすみさんの優しさを感じ、今まで以上に温かったです。 侑「あっ、二人ともこっちこっち〜!!」
歩夢「今日は来てくれてありがとう〜」
しずく「お待たせしました!」
エマ「あついねぇ〜」
果林「えぇ、本当にあついわね?」
彼方「あつあつだね〜」
皆さん何を言ってるんでしょう…
しずく「……………?」 しずく「……………」
しずく「…………!!///」
手!!
かすみさんと手を繋ぎっぱなしでした!!!///
皆さん私のことを応援してくれているとは言ってもやっぱり恥ずかしい… しずく「かすみさん…」ヒソヒソ
かすみ「………」
かすみ「絶対離してあげないからっ」ボソッ
しずく「えっ今なんて…」
かすみ「なんでもない!」
よく聞き取れませんでしたが、手を離す気は無いみたいです。
仕方ありません。
こうなったら皆さんにこの前の水族館デートの成果を見せつけちゃいます!/// 花火大会、夏祭り。
周りを見渡せばカップルや気になる人とデートと思しき人たちがたくさんいます。
絵に描いたような甘酸っぱい青春の1ページといった感じの光景です。
私の恋はそんな青春時代からずっと抱えてきたもの。
ここは決着をつけるには相応しい場所のような気がします。
しずく(雰囲気に乗せられているだけかもしれないけど…)
それでも
今日ならかすみさんに想いを伝えることもできそうな気がします。 璃奈さん、愛さん、せつ菜さんもすぐに合流し無事全員揃いました。
花火大会が始まるまで早速夏祭りの屋台を回ります!!
しかしかなり混みあっていてまっすぐ歩くこともままならない中で10人で固まって動くのは難しいです。
そうなると自然と数人のグループに分かれてきますが、私とかすみさんは手を繋いでいるのでもちろん一緒です。
そして同じく手を繋いで歩いていた歩夢さんと侑さんと一緒に回ることになりました。 かすみ「先輩、今日はありがとうございます」
歩夢「え、どうしたの?」
かすみ「先週結婚式したばかりで忙しいのにこうしてお祭りに誘ってもらって…」
侑「やっぱりかすみちゃんは昔からいい子だよね〜」
歩夢「ふふっ、大人になっても変わらないね」 侑「結婚したって言っても大学卒業までは今まで通りお互いの実家で暮らすから特に何も変わらないよ」
歩夢「婚姻届とかの手続きは全部済ませちゃったから何もすること無いんだよね」
しずく「卒業したら一緒に住むんですか?」
歩夢「うん、今二人でゆっくり探してるところなんだ」
侑「結婚したんだもん、これからは歩夢と一緒に生きていかないとね」 かすみ「素敵ですね…」
未来を語る歩夢さんと侑さんの目はキラキラと輝いています。
好きな人とずっと一緒に居られる未来はどれだけ眩しいんでしょう。
私もかすみさんと二人で一緒に未来を語るような関係になりたいです。
かすみさんに想いを伝えるタイミングは来るのかな…
どういう言葉で想いを伝えようか、緊張しちゃうからまだ考えていないけど
かすみさんが昔教えてくれたことを思い出し、自分を曝け出して素直な言葉で言うしかないよね。 侑「それとね」
侑「今日お祭りにみんなを誘ったのは壁を感じて欲しくなかったからなんだ」
しずく「壁、ですか?」
歩夢「うん、私たちが結婚したことでみんなが遠慮しちゃうのは悲しいから」
歩夢「これからも今まで通り遊びに行こうねって意味があるんだ」
かすみ「先輩がものすごく大人に見えます…!」
しずく「これからもたくさん遊びに行きましょうね!!」 侑「あっ!!」
侑「射的だ〜懐かしい〜」
歩夢「ふふっ、侑ちゃん子供の頃は射的全然当たらなくて泣きべそかいてたよね」ニコニコ
侑「もうっ、今はスナイパー侑ちゃんが何でも撃ち抜いちゃうんだから!」
侑「二人もやる?」
しずく「私も久しぶりにやってみようかなと思います!」
かすみ「じゃあしず子、勝負ね!!」
しずく「負けないからね!!」
結局この間の水族館デートではかすみさんを赤面させることができず
ずっと負けっぱなしだったのでこのあたりで一矢報いたいと思います!! かすみ「じゃあ1発ずつ撃っていこっか」
しずく「私から撃っていい?」
かすみ「いいよ〜ノリノリだね」
しずく「だってお祭りだもん…」ジャキ
銃の撃ち方なんてよくわからないけど…
片手で持って手を伸ばしてなるべく前の方で撃ったほうがいいのかな? かすみ「しず子〜それじゃたぶん当たらないよ」
しずく「えっ、そうなの?」
かすみ「片手で持ったら狙いが定まらないからさ」
かすみ「こうやってこの太いところを肩につけて」
かすみ「左手で銃の先の方を持って…」
かすみさんが後ろから持ち方をレクチャーしてくれています。
かすみさんの胸の感触が直に背中に伝わってきます…
それにうっすらレモンの制汗剤の混じった女の子特有の甘い匂いも… かすみ「しず子、聞いてる?」
しずく「う、うん!教えてくれてありがとう///」
かすみ「これでようやくフェアな戦いになるんだよ桜坂くん」
しずく「誰のマネ?それ」フフッ
さて、ドキドキしちゃったけど仕切り直しです。あのまま浸っていたら危なかったかもしれません…
かすみさんに教わった通りに銃を構えて狙いを定めます。 銃の構え方はよく知らなかったけど、こういう射的の銃は威力が弱いことは知っています。
つまり、狙いは軽そうな景品ということ!!
しずく(そこだー!)パァン
狙い通りコルク弾が真っすぐ飛んでお菓子の箱に当たりました!!
かすみ「おっやるじゃん!」
しずく「やった!」ピョンピョン
かすみ「私も負けてられないね!!」 かすみ「さて、どれを狙おうかな…」
侑「しずくちゃん、しずくちゃん」チョイチョイ
しずく「侑さん?」
侑「私と歩夢は隙を見てひっそり消えるからかすみちゃんと二人で楽しんできてね」ヒソヒソ
しずく「気を遣っていただいてばかりで…」
歩夢「いいのいいの♪」
歩夢「はい、この後花火大会の集合場所はここだけど」
歩夢「もちろんかすみちゃんと二人っきりで見てもいいからね?」 歩夢さん、いつも通りとっても優しい顔と口調だけど何となく『二人で見てこい』という圧を感じます…
かすみ「しず子〜次しず子の番だよ」
しずく「あっ、ごめんなさい」
かすみ「外しちゃったから頑張らないと…」
結局私は最初に撃った弾以外全部外してしまい、
かすみさんはここまで全て外し次が最後の弾です。 かすみ「ぐぬぬ…このまましず子に完敗するのは…」
侑「かすみちゃん負けず嫌いなのも相変わらずだね〜」
しずく「はい、こういう子供っぽいところもかすみさんも可愛いですよね」
歩夢「しずくちゃん、随分素直になれてきたんじゃない?」
しずく「はい…今日なら言える気がするんです」
侑「そっか…頑張ってね!」
しずく「……はい!!」
かすみ「おりゃー!!!」パァン かすみ「むぅ〜」
しずく「まぁ…あれは仕方ないよ」
かすみ「だって〜ちゃんと弾は当たったのに跳ね返されるって…
かすみ「威力弱すぎ〜」
射的は私の勝利と言う結果に終わりました。
かすみさんに負けっぱなしのここ1週間でしたがようやく勝てた気がします!! かすみ「あれ、そういえばさっきから先輩たちが居ない?」
しずく「本当だ…どこ行っちゃたんだろう?」
〜〜〜♪
歩夢さん,侑さん,彼方さん...(9)
歩夢さん『私たちは退散するね♪』
侑さん『しずくちゃん、頑張ってね』
しずく「歩夢さんと侑さん逆方向に行っちゃったみたい」
しずく「人の流れに逆らうのも難しいから後で合流しようだって」 かすみ「確かにすっごい混んできたね」
かすみ「それじゃはぐれないように…ね」スッ
しずく「うん」ギュッ
かすみ「さっきみたいに転びそうになった時も守るからね」
しずく「ありがとう…///」
何でこう簡単にカッコいいセリフが出てくるの?
ついにかすみさんと二人きりになりました。夏祭りはまだまだ始まったばかりです。 駆け足の投下となってしまいましたが、本日はここまでです。
いつも保守やコメントありがとうございます。 こちらこそ良質なしずかすをありがとう
更新楽しみにしてる ゆうぽむは学生結婚だったんか。しずかすはどうするのか楽しみ かすみさんと二人で手を繋ぎ、夏祭り。
繋いだ手から伝わるかすみさんの体温と私の体温が交じり合い、心臓の鼓動が重なり合う感触が幸せです。
1週間前の結婚式。
あの時はかすみさんに想いを伝えたら拒まれるんじゃないか、と思うととても行動に起こす勇気が出ませんでした。 でも、歩夢さんと侑さんの愛する人と一緒に未来を歩んでいこうとする希望に満ちた目は本当にキラキラと輝いていて…
私もかすみさんと二人で並んで未来へ歩んでいきたい。
その想いがどんどん強くなっていきます。 『私は、桜坂しずくのこと、大好きだから!!』
5年前、自分を曝け出すことに怯えていた私を目覚めさせてくれたあの言葉。
思えばこの時から私はかすみさんに対して友達への好きとは違った好きの感情を持ってしまったのかな。 もちろんかすみさんが言ってくれた大好きに恋愛的な意味が無いことはわかってる。
それでも、本当の私を知ってなお私のことを大好きと言ってくれたかすみさんなら、
私の違った好きも、愛してるも受け止めてくれる、そう信じられる気がします。
今は早くかすみさんに想いを伝えたいです。 かすみ「しず子?」
しずく「えっ、何かあった?」
かすみ「何もないけど、なんかじーっと私の方見てたからさ」
しずく「ううん、何でも…」
しずく「嘘。やっぱりかすみさんは可愛いなって思って見てた」
かすみ「えっ!?」 かすみ「よ、ようやくしず子も私の可愛さを素直に褒められるようになったんだね!!///」
あっ、もしかして照れてる?
思ったことを素直に口に出すという長年かすみさんに対してできなかったことがスッとできました。
照れてるかすみさんを見るのも久しぶりだな…やっぱり可愛い。 かすみ「5年遅いんだから!!!」
しずく「ふふっ、珍しくムキになっちゃって」
かすみ「そっ、そういえば花火何時からだっけ!?」
しずく「えっと…あと1時間後だね」
かすみ「じゃあもうちょっと屋台見て回れるよね」
あ、逃げた。
ずっと無自覚かすみさんから逃げてきた私だからすぐにわかります(笑) 花火まであと1時間。
少女漫画や舞台ではロマンチックな場面で愛を告白することがよくあります。
色とりどりの花火の打ちあがる下で告白なんて、クサすぎるかな…
それに告白が花火の音で聞こえなかった、なんて残念な結末もありがちです。
それでも早くかすみさんに5年貯めこんできたありったけの想いを伝えたい!! かすみ「あっ、輪投げだ」
しずく「輪投げだね」
かすみ「さっきのリベンジさせて!!」
しずく「いいよ」
しずく「今日の私に勝てるかな?」
今度は輪投げで勝負することになりました。
やっぱりかすみさんの負けず嫌いっぷりは昔から変わっていませんね。
大人になっても変わらない子供っぽさも可愛いです。 かすみ「それじゃ私から投げるね」スッ
しずく「あっ…」
繋いでいた手が離れてしまいました。
かすみさんは右手を繋いでいたので仕方ありません。
空いた私の左手からどんどん熱が引いていきます。
それと同時にどんどんと不安が込み上げてきました。
かすみさんにずっとそばに居て欲しいよ… ちょっと手が離れただけで不安になるの乙女すぎて可愛い 告白直前になるとちょっとしたことでアツく燃えたり嫉妬したり寂しくなったりするのわかる かすみ「えいっ」ポイッ
かすみさんの放った輪っかが綺麗な弧を描いて棒に吸い込まれていきます。
かすみ「入った〜!!」
かすみ「ふふっ、今度は勝たせてもらうからね?」
しずく「すごいじゃん!」
しずく「さて、次は私だね」
しずく「それっ」ポイッ
しずく「あれっ、全然違うとこ行っちゃった」
かすみ「まずは1個リードだね!!」 その後かすみさんは何が起きたのか、8個の輪っかを8本の棒に1つずつ入れるという神業を発揮してしまいました。
かすみ「あと1つ…これを右上に入れればパーフェクトだよね!?」
しずく「かすみさんすごい…!」
かすみ「おりゃー!!」ポイッ
カランカラン… かすみ「は、はいったー!!!」
かすみ「怖い…自分の腕前が怖いよ」
しずく「かすみさんすごいじゃん!」
しずく「私はここまで1つも入らなかったから完敗だよ」
やっぱり球技が苦手なので細かいコントロールを付けて何かを投げるのは向いて無いみたいです。 屋台店主「お嬢ちゃんすごいね〜」
屋台店主「まさか全部を1か所ずつ入れちゃうなんて」
この輪投げは3×3の配置の棒に輪っかを入れて1列揃ったら景品が貰えるゲームだったみたいです。
かすみさんは9か所に全部輪っかを入れるというパーフェクトゲームをしてしまったので景品が8列分も貰えてしまうみたい。 かすみ「お、おもい〜〜」
かすみ「しず子も持って…」
流石におもちゃの詰め合わせは辞退しましたが、お菓子は全部貰ってしまいました。
子供っぽさの残るかすみさんらしい欲張りっぷりですね。
でも、かすみさんも私も両手が塞がってしまい手が繋げなくなってしまいました。 かすみ「さて、そろそろ花火見やすい場所に移動しよっか」
しずく「うん、そうだね」
かすみ「…しず子、何か元気ない?」
しずく「えっ、そう見える?」
かすみ「うん、何かさっきまでの勢いが無いなーって」
しずく「……うん、ちょっと寂しいなって」 かすみ「寂しい?」
しずく「かすみさんと手を繋げなくてちょっと寂しい…かな」
かすみ「今日のしず子…やけに素直じゃん…///」
しずく「うん、自分に素直になろうって決めたの」
しずく「かすみさん、後で聞いてほしい話があるんだ」 かすみ「しず子のその目…大事な話なんだよね?」
しずく「うん、とっても」
かすみ「わかった、待ってるね」
しずく「ありがとう」
かすみ「あっここ右に曲がらないと」
放送「あと10分で花火大会が開始となります。海辺及び高台で観覧をご希望の方はご移動をお願いいたします。繰り返します…」 ドドドッ
しずく「わっ」
かすみ「しず子っ!」
さっきの放送で一気に人の波が押し寄せてきました。
私とかすみさんの間にも人の波が入り込みあっという間に引き離されてしまいました。
しずく「かすみさんっ!!」 かすみさんはあっという間に人の波に飲まれ姿が見えなくなってしまいました。
この波の中で無理に動くとケガや事故に繋がりかねません。
今はこの波に乗って動き、どこかで抜け出すしかなさそうです。
しずく(やっと抜け出せた…)
かすみさんと引き離された場所から数百メートルは流されてしまったでしょうか。
ようやく脇道に抜け出すことができたのでかすみさんに連絡をしようかと思いましたが… しずく(嘘…!圏外!?)
あまりにも人が密集しすぎているせいでしょうか。
インターネットも電話もどっちも繋がりそうにありません。
しずく「かすみさん…」グスッ
かすみさんが私の前から居なくなってしまった… 一時的なことで、きっと1〜2時間後には会えるはず。
そう頭では分かっていても、冷静でいられません。
かすみさんの隣にずっと居たい。私の隣にずっと居て欲しい。
この想いを伝えようとしているのに引き離されてしまうなんて…
いつかかすみさんが私の前から居なくなってしまう暗示なんじゃないか…
そう思えて涙が出そうになります。 しずく「…ダメ!!」グッ
かすみさんを信じて想いを伝えるって決めたんです。
花火が上がる中で告白するんです!
しずく「探さなくちゃ…!」
しずく「かすみさん…!!」
ヒューーーーーーーーーーーーーードォン!!! 日を跨いでしまいましたが本日はここまでです。
最後までお付き合いいただければ幸いです。 今夜はお休みさせて頂きますm(__)m
お知らせが遅くなって申し訳ないです。 しずく「かすみさん…どこ?」ハァハァ
逸る気持ちで歩調が速くなってしまいます。
慣れない下駄で歩く足は徐々に重くなっていきます。
ですが止まるわけにはいきません…!
花火が上がり始めて人の流れも緩やかになったので、まずはかすみさんと引き離された場所まで戻ってみようかな。
しずく「かすみさん…は、いない…か」キョロキョロ そうなると来た道を戻ったとは考えにくいので、花火が観覧できる海辺か高台のどっちかに行っているはず。
まずは海辺の方から探してみようかな。
花火が打ち上る音と歓声が聞こえます。
かすみさんと一緒に見られるといいな。 しずく「かすみさんは…」
海辺にやって来ました。
家族連れ、友達同士、そしてカップルと思しき人たち。
皆さんそれぞれ大切な人と並んで花火を楽しんでいます。
どうしてこんなことになっちゃったのかな。
なんてこの状況を呪ってしまいそうになりますが、今はとにかく探すしかありません。 彼方「あれっ、しずくちゃん?」
果林「どうしたの、こんなところで」
エマ「すごい汗…かすみちゃんはどうしたの?」
しずく「皆さん…うっ」ジワッ
しずく「ううっ…」
璃奈「しずくちゃん!?」
せつ菜「どうしたんですか!?」
心細いところに同好会メンバーの皆さんの姿を見て思わずうるっときてしまいました。
ダメ、泣いちゃダメ… しずく「実は…人混みでかすみさんとはぐれてしまって」
璃奈「それは一大事」
愛「かすみんを探さないと!」
エマ「とりあえず涙と汗拭いてあげるから座って?」
果林「浴衣も直さないとね」
彼方「しずくちゃんが落ち着いたらみんなで手分けして探そっか」
せつ菜「そうしましょう!」
しずく「ありがとうございます…」
しずく「でも、せっかくの花火が…」 愛「大丈夫!今日も徹底的にサポートするって言ったじゃん!」
璃奈「そう、こうなることも読んで色々準備はしてきた」
しずく「準備…?」
エマ「璃奈ちゃんにお願いして色々用意してもらったんだ〜」
果林「ほら、次は浴衣直してあげるから少し落ち着いて?」 どんな準備をしてきてくれたんでしょう?
そして涙と汗を拭いてくれたエマさん。
浴衣を直してくれている果林さん。
せっかくの花火よりも私を助けてくれるとすぐに言ってくれた彼方さん、せつ菜さんに璃奈さん、愛さん。
皆さんの優しさが本当に心に響きます… 璃奈「しずくちゃん泣かないで」
璃奈「準備できた」
しずく「これは…?」
愛「りなりーとっておきのドローンだよ!」
せつ菜「ドローンを使って空からかすみさんを探すということですね!?」
璃奈「そう、まだ高台の方は探してないんだよね?」
しずく「うん」
璃奈「じゃあ私はドローンで高台の方を探すから」
果林「私たちは海辺ってことね」 璃奈「まだ電波が通じないからこのトランシーバーで連絡を取り合ってほしい」
愛「りょーかい!」
彼方「必ずかすみちゃんを見つけるからね」
エマ「しずくちゃんはここで待っててね?」
せつ菜「もうちょっとの辛抱です!」
しずく「皆さん…ありがとうございます」ウウッ
果林「ほら、もう泣かない」フキフキ
本当に優しすぎます… 璃奈「彼方さん、そっちはどうですか?」
彼方「う〜ん、この辺りは居ないみたいだね」
璃奈「果林さんはどうですか?」
果林「こっちもダメね」
璃奈「高台の一番人の多いところには居ないみたい」
璃奈「かすみちゃん…どこにいるの?」
璃奈「高台までの間の道はどうだろう」
皆さんが全力でかすみさんを探してくれていますがなかなか見つかりません…
かすみさん、どこにいるの…? エマ「璃奈ちゃん、私の方面にも居ないみたい」
せつ菜「こっちにも居ませんね…」
愛「こっちもダメみたい」
璃奈「海岸には居なさそう…?」
璃奈「となると残るは高台へ続く道だけ」
璃奈さんが起用にドローンを操作して高台へ続く道を捜索していきます。
そして画面に小さな神社が映し出されました。 璃奈「あっ、しずくちゃん!」ユビサシ
しずく「かすみさん!」
かすみさんが神社にあるベンチに座っています。
足を気にする素振りをしているのでくじいてしまったのかもしれません。
しずく「璃奈さん…」
璃奈「早く行ってあげて?かすみちゃんきっと待ってる」 璃奈「あ、私はこのままかすみちゃんがどこかに移動しないか見てるから」
璃奈「もし動きがあったらこれで連絡するね」
そう言って璃奈さんはトランシーバーを渡してくれました。
受信ボタンを押さない限り声は伝わらないから安心して、とも言われちゃいました。
璃奈さんには私が告白しようとしてることもバレちゃってるのかな? しずく「璃奈さん、本当にありがとう!」
しずく「皆さんにも後で直接言うけどありがとうって伝えておいて!!」
璃奈「うん、気を付けてね」
逸る気持ちを抑えて、ペースを守って歩かなきゃ。
私まで足をくじいちゃったらどうにもならなくなっちゃう。
焦らずに…でも早くかすみさんに会いたい。
かすみさんの隣に行きたい。
この想いを伝えたい! しばらくラ板来てない間に結構更新きてた!楽しみに待ってる かすみさんの居る神社へ慌てずゆっくり、でも速い歩調で向かっています。
持っていたお菓子の袋は璃奈さんに預けてきたので、歩みを阻むものはありません。
かすみさんに早く会いたい。
かすみさんの声を早く聴きたい。
もう離れ離れになんてならないように、ずっと私の隣に居て欲しい、手を離さないし離さないでって言いたい。 しずく「あっ…神社…!」
視線の先に、花火の光に照らされた薄暗い神社が映りました。
璃奈さんのドローンの映像で見た神社に間違いありません! しずく「かすみさん…!!」
もう歩いてなんかいられません!
会いたくてどうしようもない愛しい人が助けを待っているんです。
全速力で走り始めると下駄の音が辺り一面に響き渡ります。
しかしその音もすぐ大きな花火の音にかき消されていきます。 しずく「かすみさんっ!!!」
かすみ「しず子……?」
かすみ「しず子…うぅ…うぅ〜」ポロポロ
しずく「かすみさん…泣かないでよ…」グスッ
かすみ「そんなこと言って、しず子だって泣いてるじゃん!」ボロボロ かすみさんの姿を見た瞬間泣かないようにと思ってたんだけど、やっぱり涙が出てきてしまいました。
まさかかすみさんまで泣き出しちゃうなんて。
でも足をくじいて独りでこんなとこに居たら誰だって心細いよね… しずく「ほら、涙拭いてあげるからじっとしてて?」
かすみ「うん…」
しずく「足、くじいちゃったの?」フキフキ
かすみ「あの人混みに流されてるときにくじいちゃった」
かすみ「あとお菓子も落としちゃって、探したけどどこにもなかったんだよね…」
しずく「すごい人混みだったからね…きっと散り散りになっちゃったんだよ」 かすみ「……しず子」
しずく「?」
かすみ「手、繋いで…」スッ
しずく「……っ!」キュン
今までずっとカッコいいかすみさんにやられてきただけに、
ちょっと弱ってるかすみさんが新鮮で可愛い…胸キュンってこういうことを言うのかな。 しずく「独りでこんなところ、寂しかったよね…」ギュッ
かすみ「うん…寂しかった」
かすみ「しず子の顔見たら安心しちゃって、ぶわぁ〜って泣けてきちゃった」
しずく「うん…私も早くかすみさんに会いたかった」
しずく「ここに来る前にせっかくの花火をかすみさんと見られないのが悲しくて泣いちゃった」 しずく「璃奈さんや皆さんに手伝ってもらってかすみさんがここに居ることがわかって来たんだよ」
かすみ「もしかしてさっき上を飛んでたドローンって…」
しずく「うん、璃奈さんの」
かすみ「ふふっ…さすがりな子だね」
しずく「あっ、やっと笑ってくれた」
しずく「かすみさん、肩貸すから向こうで花火見ない?」
しずく「かすみさんと一緒に花火が見たいな」 かすみ「大丈夫、ゆっくりなら歩けるよ」
かすみ「でも手は離さないでね?」
しずく「うん、離さないよ」ギュッ
だいぶ遅れてしまいましたが、かすみさんと一緒に花火を見るとことは叶いそうです!
ちょっと木が邪魔だけど、周りに誰も居ない特等席です。 ヒューーーーーーーーーーーーーードォン
ドォン!!
しずく「綺麗だね…」
かすみ「うん…綺麗」
かすみさんと手を繋ぎ、二人隣り合って花火を見るなんて幸せすぎます。
早くかすみさんに想いを伝えたいけど、今はもう少しこの状況を味わっていたいかな… しずく「………」ドキドキ
かすみ「………」
5分くらい経ったでしょうか。
かすみさんも私も無言で花火をずっと見ています。
かすみさんにいよいよ想いを伝えるかと思うと心臓が破裂しそうなくらいドキドキしています。
この鼓動、かすみさんにも伝わっちゃってるかな。 かすみ「しず子」
しずく「なぁに?」
かすみ「しず子、すごいドキドキしてるね」
しずく「うん、さっきからずっとドキドキしちゃってる」
もうかすみさんに対して気持ちを隠すことはしません。
素直に想いを伝えなくちゃ。 かすみ「しず子は気付いてないかもしれないけど、私もすっごいドキドキしてるんだよ?」
しずく「そうなの?」
かすみ「うん、さっきしず子が大事な話があるって言ってからずっと」
かすみ「しず子、その話…聞かせて?」ギュッ
かすみさんが握った手を強く握り直してきました。
いよいよかすみさんに想いを伝えるんだ。 しずく「かすみさん」ギュツ
しずく「前からずっと思っていたけど、歩夢さんと侑さんの結婚式の時の二人を見て強く思ったの」
しずく「そして今日こうしてかすみさんと離ればなれになって、もう溢れそうなの」
しずく「私はかすみさんの隣にずっと居たい。離れたくない」 しずく「大学を卒業しても、おばさんになっても、おばあちゃんになってもずっと一緒に居たいの!」
ついに…言っちゃった。
ドキドキが止まらないよ…
かすみさん…なんて答えてくれるかな。 かすみ「…しず子の言いたいこと、伝わったよ」
かすみ「でも、もっと素直な言葉でも言って欲しい」
かすみ「もっとストレートな言葉も聞かせて?」
伝わったみたいだけど、不器用な私の言葉はやっぱり回りくどいみたい。
想いを伝えるのに邪魔にならない素直な言葉…私のかすみさんに対する素直な気持ち… しずく「こんなこと言い慣れてないけど…///」
しずく「かすみさんのためなら言えるよ」
しずく「私はかすみさんのことが大好き」
しずく「誰よりもかすみさんが愛おしいの!」
しずく「私が困ってる時、一人で泣いている時、いつも見つけくれた」
しずく「本当の私を見ようとしてくれた」 しずく「そんなかすみさんのことが大好き!」
しずく「ずっと私の隣で笑っていて欲しい。これ以上は他に何も要らないよ!」
かすみさんに対する気持ちの全部を言っちゃった…
あとはかすみさんの答えを待つだけだよね。
やっぱり拒まれたらどうしようって怖いけど…それでも… かすみ「やっと言ってくれたね」
かすみ「私もしず子のことが大好き」ニコッ
かすみ「しっかりしてるようで実は子供っぽくて、意地っ張りで、恥ずかしがり屋で、自分に自信が持てない」
かすみ「でも私のことを信じてくれた。私のことをずっと想ってくれていた」
かすみ「そんなしず子が大好き!」
かすみ「ずっと私と一緒に居て欲しい」 ……聞き間違いじゃないよね?
かすみさんも私と同じ気持ちだったってことで…いいんだよね?
しずく「本当に…本当に私でいいの?」ポロポロ
かすみ「もう…今日のしず子は泣き虫なんだから」
しずく「だって…」
かすみ「しず子じゃなきゃダメ」
かすみ「しず子じゃなきゃ考えられないよ」 かすみ「ほら、涙拭いてあげるから」
しずく「うん…」
かすみさんがハンカチで涙を拭いてくれようとハンカチを目にあててくれました。
でも両目を同時に抑えるのってなにかおかしいよね?
しずく「かすみさん…?両目を抑えられちゃうと…」
かすみ「しず子…」チュッ
しずく「〜〜〜〜!?」 急に唇に温かい感触が訪れて何かに塞がれてしまいました。
かすみさんの匂い、息遣い、体温の全部が一気に流れ込んできます。
もしかしなくても…キスされちゃってる!?
かすみ「…………///」スッ
視界が開けるとそこには茹蛸のように真っ赤なかすみさんが居ました。
私も負けず劣らず真っ赤だと思うけど… しずく「か、か、かすみさん!?い、いま…!!」
かすみ「私のことを好きって言ってくれるしず子が可愛すぎて……///」
かすみ「愛しいって気持ちが溢れてしちゃった」
しずく「…私、ファーストキスだったんだよ?」
しずく「もうちょっと見つめ合ってロマンチックな状況でしたかったよ…」
かすみ「でも、これで私がしず子のこと大好きって信じてくれた?」
しずく「うん、伝わったよ…///」 繋いだ手を引き寄せられて顔がかすみさんの方に近づいていきます。
かすみさんの唇に視線が向かってしまいます。さっきキス、したんだよね…///
かすみ「しず子、こっち見て」
しずく「うん…///」
かすみ「しず子のこと好きになって本当に、本当にうれしくて幸せ」
かすみ「例えばこの先しず子が挫けそうになったり、辛いことがあったりしてもこの手はもう絶対離さないから」 しずく「うん…///」
かすみ「しず子…大好き」
そう言ってかすみさんは静かに目を閉じました。
またキス…しちゃうんだよね。
しずく「私も…大好き。絶対離さない」チュッ
セカンドキスは花火が上がる中、永遠にも思えるくらい長く続きました。 本日はここまでです。
もう少しだけ続きますのでお付き合いいただければ幸いです。 2人ともかわいすぎる。キスの仕方も映画っぽくていいね 素直に想いを伝えあえて良かった…
二人ともかわいい かすみ「ね、もう一回しよ…?」
しずく「うん、私もしたい…」チュッ
サードキス、フォースキス…何回かすみさんとキスしたかな。
いつの間にか花火の音も聞こえなくなってしまいました。
かすみさんとのキス…幸せ。何回でもしたいよ。 〜〜〜〜♪×2
しずかす「!!!」
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(10)
璃奈さん『お楽しみ中かもしれないけど』
璃奈さん『花火も終わったし合流しよ』
愛さん『歩夢とゆうゆも合流したよ』
しずく「あはは…びっくりしちゃった」
かすみ「みんなのところに行こっか」
しずく「そうだね。歩ける?」
かすみ「うーん…ちょっと厳しいかも」 何歩か歩いてみてかすみさんの顔が痛みで歪んでいます。
ずっと立ちっぱなしで無理させちゃったかな。
しずく「じゃあ…おんぶするしかないね」
かすみ「えぇ!?さすがにそれは恥ずかしいよ!」
しずく「お互い顔真っ赤にして何回もキスしたのに…?」
かすみ「そ、それとこれは別問題なの!!///」
かすみ「しず子の前ではカッコよくいたいの…」
しずく「…っ!」キュン かすみさん…可愛すぎ!!
今までの無自覚かすみさんももしかしてカッコよくあろうとしてたのかな?
しずく「かすみさん」
しずく「これからずっと一緒に居るんだよ?」
しずく「お互いいっぱい恥ずかしいところやカッコ悪いところも見せあうことになるんだし…」
しずく「私をもっと頼って?」
かすみ「そっか…そうだよね」
かすみ「しず子…おんぶして」
しずく「うん、乗って」
おんぶして…おんぶして…可愛すぎ!! かすみ「しず子…私重くない?」
しずく「そんなことないよ、むしろ軽くてびっくりしちゃった」
背中にかすみさんを乗せてゆっくりと下り坂を歩いています。
高校生の頃から少しだけ背が伸びて、私とほとんど同じ身長なのかな?
相変わらずスタイルが良くて、細いウエストやヒップが羨ましいよ。 かすみ「しず子…」
しずく「今度はどうしたの?」
かすみ「私の胸のドキドキ…感じる?」
しずく「うん…感じるよ」
かすみ「もっと感じて…?」ギュッ
そう言ってかすみさんは胸を私の背中にギュッと押し付けてきました。
さっきよりもドキドキは感じるけど、それ以上に柔らかい感触が伝わってくるよ…/// 侑「おーい!!しずくちゃーん!かすみちゃーん!」
しずく「あっ、侑さん!」
璃奈「無事にかすみちゃんに会えてよかったね」
しずく「ありがとう…璃奈さんが見つけてくれたおかげだよ」
しずく「探してくださった皆さんもありがとうございました!!」
かすみ「ご心配をおかけしました…」
彼方「大したことはしてないよ〜」 果林「ええ、それにいいもの見せてもらえてるしね」
エマ「その様子だと二人とも、何かいいことあったみたいだね」
せつ菜「かすみさん、おんぶというよりも後ろからしずくさんを抱きしめているみたいです」
愛「何かあったよね」ニヤニヤ
歩夢「しずくちゃん、よかったね」ニコッ
もう言っちゃってもいいよね…
あれだけ助けてもらったんだもん。
ちゃんと報告とお礼をしなくちゃ! しずく「みなさ…」
かすみ「皆さんありがとうございました!」
かすみ「おかげでしず子に大好きって言ってもらうことができました!!」
しずく「え…?」
あれ…なんでかすみさんがお礼を言ってるの?
皆さんに後押しをしてもらってかすみさんに告白したのは私なのに…?? 侑「かすみちゃん、しずくちゃんが困惑しちゃってるよ?」
歩夢「もう言っちゃってもいいんじゃないかな」
かすみ「そうですね」
かすみ「しず子が私の事好きなんて高校生の頃から一目瞭然だったけど」
しずく「ええっ!?」
しずく「ええええええええええええ!?」
かすみさんは何を言ってるの!?
一目瞭然!?
高校生の頃からっ!? かすみ「しず子、いつまで経っても告白してきそうにないからさ」
かすみ「私に告白するように後押ししてって皆さんに頼んじゃった」
しずく「ちょ、ちょっと待って!!」
しずく「皆さんからの後押しはかすみさんの依頼!?」
かすみ「だってしず子…私がずーーっとしず子のこと好きだよってアプローチし続けても顔赤くして逃げちゃうだけだったじゃん」 しずく「だったら好きって言っちゃえば…!!」
かすみ「そんなこと言ったらしず子絶対逃げちゃうと思ったし…」
う、確かにちょっと前までの私なら逃げてたかも…
かすみ「それに…」
しずく「それに?」 かすみ「告白する側よりも告白される側でいたかったの…///」
侑「乙女だね…」
エマ「乙女だね〜」
しずく「かすみさん…それはずるいよ…///」
無自覚かすみさんは自覚かすみさんだったみたい。
でもやっぱり完敗ですね。 楽しかった夏祭り。かすみさんと想いが通じ合った花火大会も終わってしまいました。
あの後皆さんから質問攻めに合い大変だったけど何とか茶を濁せたかな?
でも璃奈さんが『キスしたの?』なんて突然言って私もかすみさんも黙り込んじゃったのは…
バレたよね。絶対に。
かすみ「ね、しず子」
しずく「どうしたの?」
すっかりいつもの調子を取り戻したかすみさんが背中から語りかけてきました。 かすみ「おばさんになっても、おばあちゃんになっても一緒に居たいってことはさ」
かすみ「結婚したいってことだって思っていいんだよね?」
しずく「かすみさんが隣に居てくれれば形は何でもいいって思ってたけど」
しずく「やっぱり…結婚したいね」
しずく「花嫁さんになりたいし!」 かすみ「じゃあ決まりだね」
かすみ「しず子、私と結婚してください」
しずく「はい、不束者ですがよろしくお願いします!」
かすみさんと婚約しちゃった…
形よりもずっと一緒に居るって気持ちが大事だと思ってたけど、やっぱり形も大事だよね。 かすみ「しず子と出逢えて本当によかった」
かすみ「5年前、出逢えたことから全ては始まったんだね」
しずく「まさか結婚の約束をするなんて思ってなかったけどね」
かすみさんと出逢えたことは運命だと思う。
こんなに好きになる人と出逢えたことは奇跡としか言いようがないよ。 しずく「かすみさん」
しずく「これから色んなことがあると思う」
しずく「喧嘩して傷つけあう日もあるかもしれない」
しずく「それでも私はかすみさんとずっと一緒に居たいって思ってるから!」
しずく「だから、これからもよろしくね!!」
しずく「大好きだよ、かすみさん」
かすみ「私もしず子のこと大好き」
かすみ「これからもよろしくね!」 かすみさんとこれから歩んでいく未来が楽しみで仕方ありません!
明日はどんなことが待っているのかな?
かすみさんが隣に居てくれれば色んな楽しいことが待っているし、どんな辛いことだって二人でなら乗り越えられる気がします。
かすみさんと一緒に居たい、この気持ちがまだ知らない明日へと繋がっていくんだよね。 >>281
日本語がおかしかったので訂正します。
かすみさんが涙を拭くためにハンカチを目にあててくれました。 拙作に最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
少しでも皆様の脳回復に貢献することができていたら幸いです。
ぜひエンディングとして一部セリフやモノローグに引用させてもらったEvery Little Thingのfragileの原曲や、この曲でSSを書こうと思ったきっかけになった百合アニメ「フラグタイム」のカバーバージョンをお聴きください。 あなたは最高です!!!
特にしずくのモノローグ悶えたし癒やされまくった、実によかった しずくちゃんのモノローグがすごく可愛くてよかった
かすみちゃんの方もところどころ読んでみたいくらい しずくもかすみもめっちゃ可愛かった
これで成仏できる、ありがとう ここまでモノローグ多用する人ってあまり見かけない気がするよね
会話だけじゃ表現しきれないJDしずくの可愛さとかすみへの愛が伝わってきた
他に書いた作品ないのかな 同じ人かはわからないけど、モノローグ多めで雰囲気のあるSSを覚えてるな。それもしずくちゃんだった もんじゃ様まだ居るかな?
過去作あったら教えて欲しいです。
あとどこかのシーンの抜粋でいいのでかすみ視点書いてくれませんかね‥?
もっと言えばえっちな後日談見たいです(強欲) しずかすの結婚式もめちゃくちゃ見たい
それはそれとして最高だったよ、すごいニヤニヤした SSは4年ほど前に1本短いようちかを書いたっきりでしたので過去作と言えるようなものは無いです。
次は何を書こうかなと色々考えていましたが、かすみ視点、結婚式やえっちな後日談もいいですね。
全てを取り入れるかはわかりませんが、そのうちひっそりと書くと思いますでお付き合いいただければ嬉しいです。 直近の過去作無かったんだ、意外
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