ダイヤ「ないしょ、ないしょ」
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朝、生徒会室
ダイヤ「ふぅ。朝の仕事は捗ると言いますが、こうも数が多いと一苦労ですね。やるべきことが山積みで、もっと効率よく進めたいものですが…」
ダイヤ「あら、廊下にいるのは…ふふっ。どうぞ、お入りください」
ガラッ
千歌「えへへ、バレてた?」 ダイヤ「おはようございます。見つけてくださいと言っているようでしたよ?」
千歌「じゃあ作戦成功だね!おはようございます、ダイヤさん!」
ダイヤ「どうしたのですか、こんな朝早くから」
千歌「実は、ダイヤさんにプレゼントを渡しにきたんだ!」 ダイヤ「あら、私にですか?」
千歌「うん!受け取ってもらえる?」
ダイヤ「もちろん。謹んでいただきますわ」
千歌「よかった!はい、これ!」 ダイヤ「ありがとうございます。中を見てもよろしいですか?」
千歌「もちろん!」
ダイヤ「まあ、クッキー。しかも、お砂糖を纏わせたこの作りは、ディアマンクッキーですね」
千歌「おおっ、流石ダイヤさん!そうなんだよ、普通のクッキーじゃなくて、ディアマンクッキーなんだよ!」 ダイヤ「見たところ手作りのようですが、千歌さんが?」
千歌「頑張ってみたんだ!クッキー作りは初めてだったけど、ディアマンがフランス語でダイヤモンドの意味だって知ったら、いてもたってもいられなくて!」
ダイヤ「ふふっ、それでお菓子作りに挑戦するなんて、千歌さんらしいです」
千歌「味はプレーン、ココア、それに抹茶の3種類!沢山あるから、お仕事の合間に生徒会の人たちと食べてもらえたらなって!」 ダイヤ「お気持ちは嬉しいですが、お断りいたします」
千歌「えっ…」
ダイヤ「私のためにと千歌さんが手作りしてくれたクッキーです。他の誰にも渡したくありません、独り占めさせてもらいますわ」
千歌「あ…!えへへっ、ダイヤさんって欲張りなんだね?」 ダイヤ「これで欲張らない方が無理というものです。それと、欲張りついでにお願いがあるのですが」
千歌「お願い?」
ダイヤ「よければ放課後、二人で一緒に食べませんか?」
千歌「クッキーは独り占めするんじゃなかったの?」 ダイヤ「しますわ。作ってくださった千歌さんともども、ね」
千歌「ふぇっ…!?」
ダイヤ「ん、どうかしましたか?」
千歌「な、なんでもない!」 ダイヤ「そうですか?心なしか顔が赤いようですが」
千歌「なんでもない、ほんとにほんとに、なんでもないから!」
ダイヤ「なら良いのですが…」
千歌(うう、びっくりした。私のことも独り占めするって意味じゃなくて、単にクッキーを二人だけで食べるってことだよね。紛らわしい言い方して、ダイヤさんの鈍感…) ダイヤ「念のため言っておきますが」
ぎゅっ
千歌「!」
ダイヤ「どちらも、ですわ」
千歌「えっ…えっ!?」 ダイヤ「言ったはずですよ、私は欲張りだと」
千歌「あ、あぅ…!」
ダイヤ「照れてる千歌さん、可愛いです」
千歌「も、もうっ、ダイヤさんの意地悪…」 ダイヤ「ふふっ、まだまだこうしていたいところですが、もうすぐ授業が始まってしまいます。お楽しみは後にとっておきましょうか」
千歌「むぅー」
ダイヤ「どうかしましたか?」
千歌「なんか今日のダイヤさん、手強い」 ダイヤ「そうですか?」
千歌「そうですっ」
ダイヤ「朝だから、かもしれませんね」
千歌「んー、朝?」 ダイヤ「千歌さんが可愛らしいってことです」
千歌「すぐはぐらかす、やっぱり手強い…」
ダイヤ「さ、お話はこのくらいにして、放課後にまたお越し下さい。くれぐれも他のみなさんには――」
千歌「ないしょ、ないしょ、だね!」
ダイヤ「ええ。ないしょ、ないしょ、です」 ……………………………………
放課後、生徒会室
千歌「ダイヤさん、お邪魔しまーす」
ダイヤ「お待ちしていました。すぐお茶を用意しますので、どうぞおかけください」
千歌「ありがとうございますっ。あ、今日は紅茶なんですね」
ダイヤ「クッキーには緑茶より紅茶だと思いまして」 千歌「んー、いい香り。ダイヤさんの紅茶飲むのって初めてかも」
ダイヤ「言われてみれば、そうだったかもしれませんね」
千歌「そーうですっ」
ダイヤ「となると、なおさら手は抜けませんね――はい、どうぞ」 千歌「わあ、綺麗な色…」
ダイヤ「お口に合えば良いのですが。千歌さんのクッキーにも」
千歌「合う合う、間違いないよ!」
ダイヤ「では、その予想が正しいかどうか」 千歌「答え合わせ、だね!」
ダイヤ「ええ。では早速」
ちかダイ「いただきます」 千歌「まずはお茶から。んんっ」
ダイヤ「どうでしょうか?」
千歌「結構なお手前で…じゃなかった、大変、美味しゅうございます」
ダイヤ「ふふっ、茶道じゃないんですから。一つ目は正解だったようですね」 千歌「うん、すごく美味しいです!」
ダイヤ「それはなにより。では、二つ目の答え合わせは私が。まずは抹茶のクッキーからいただきましょうか」
千歌「じー」
ダイヤ「千歌さん、そんなに見つめられては食べにくいですわ」 千歌「ご、ごめんなさい。美味しくできてると思うんだけど…」
ダイヤ「いただきます。んっ」
千歌「ど、どうですか?」
ダイヤ「大変、美味しゅうございます」 千歌「本当に?」
ダイヤ「はい。とても上品な甘さで紅茶との相性もばっちりですし、千歌さんの頑張りが伝わってきて、それがなにより嬉しいのです」
千歌「わあっ、良かった!」
ダイヤ「さあ、千歌さんもどうぞ」 千歌「じゃあ私も抹茶から!あむっ。ん、美味しい!よかったぁ、昨日は何度か試食したけど、時間が経ったら味や食感が変わっちゃうんじゃないかって心配だったんだー」
ダイヤ「なるほど、そういうことでしたか」
千歌「えっ?」
ダイヤ「今日の千歌さんは、朝からどことなく緊張したご様子でしたから」 千歌「ドキドキしてたの、わかっちゃった?」
ダイヤ「いつもよりなんとなく敬語が多いですし」
千歌「ええっ、そうなの?自分じゃ気付かなかったけど…もしかしてよそよそしかった?」
ダイヤ「そんなことはありません、話しやすい話し方で大丈夫ですわ。敬語で話す千歌さんも可愛らしいです」 千歌「ま、また可愛いって言った」
ダイヤ「事実ですからね」
千歌「やっぱり、今日のダイヤさんはつよつよダイヤさんだ…」
ダイヤ「おかしなことを言ってないで、せっかくの美味しいお菓子をいただきましょう」 千歌「お菓子だけに、だね!」
ダイヤ「あらあら、千歌さんたら」
千歌「あははっ、先に言ったのはダイヤさんの方だよ?」
ダイヤ「うふふっ」 ――――――――
ダイヤ「ご馳走さまでした。とても美味しく頂戴しました」
千歌「ダイヤさんに喜んでもらえてよかった!こちらこそ、美味しくいただきました」
ダイヤ「私はお茶を淹れただけですから。美味しいクッキーをご馳走になったお礼を考えなければいけませんね」
千歌「そんなのいいのに。でも、楽しみにしてますっ、えへへっ。ところでダイヤさん」 ダイヤ「なんでしょうか」
千歌「えっと、あのね、朝、言ってたことなんだけど…」
ダイヤ「朝?」
千歌「その、ええっと…」
ぎゅ
ダイヤ「!」
千歌「欲張り、しないの?」 ダイヤ「ち、千歌さん」
千歌「…」
ダイヤ「…私は今、とても幸せです。千歌さんが作ってくれたクッキーを一緒に食べることができて。二人きりの時間を共有することができて」
千歌「うん…」 ダイヤ「ですから、あまり欲張りすぎてもいけないと思っていたのですが…」
千歌「え…わわっ!」
ダイヤ「予定変更です。このまま、千歌さんを独り占めさせていただきます」
千歌「だ、ダイヤさん、ハグしてるところ、誰かに見られたら…」
ダイヤ「今日は生徒会活動の日ではありません。現に、お茶している間に誰も来なかったでしょう?」 千歌「そ、そうだけど…」
ダイヤ「他の人にはないしょ、ないしょ、です」
千歌「…欲張り。欲張りダイヤさん」
ダイヤ「私をこんな風に欲張りにさせたのは、千歌さんなのですよ」
千歌「んぅ…」
ダイヤ「いつも側にいてくださってありがとうございます。大好きです、千歌さん」
終わり 内緒のティータイムちかダイでした。ありがとうございました。 宣伝となり恐縮ですが、ちかダイの過去作です。よろしければ併せてお願いします。
千歌「チョコレートの距離」
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1573480057/
ありがとうございました。 .γ"⌒ヽ,
.んヘ/Vヘ
|c||^.ө^|| グェッグェーですわ!
( ’ヘ/Vヘ)
ゝ、._,ノ. 美味しいチカダイをありがとうございます
欲張りダイヤさんの風味が鼻腔を心地よくそよいでくれました
ご馳走さまです。 久々にちかダイ補給できてたすかった
是非また何か書いてくれ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています