【SS】もしもニジガクメンバーに弟がいたら
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代行
もしニジガクメンバーに弟がいたらという妄想SSです
同人音声形式でニジガクメンバーが一方的にこちらに語りかけ、弟は一切しゃべることはありませんが、男性キャラに少しでも拒否感を覚える方はご注意ください
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:: EXT was configured 代行ありがとうございます
自分は歩夢編から書かせていただきます 『寝ぼすけさん』
──弟'sルーム前──
歩夢「○○くーん、朝だよ! まだ寝てるのー?」コンコン
歩夢「……もう、朝はいつもだらしないんだから」
歩夢「お姉ちゃん、入るよー」ガチャ
歩夢「あ、やっぱりまだ寝てる! まったく、すっぽり布団にくるまっちゃって」
歩夢「……ふふっ、なんだかミノムシさんみたい」
歩夢「○○君、起きて? そろそろ支度しないと遅刻しちゃうよ?」ユサユサ
歩夢「むー、強情なのは小さい頃から相変わらずなんだから」
歩夢「うーん」
歩夢「……もしこのまま遅刻しちゃってもいいなら、ベッドにもぐったままでもいいよ? でも、もしお姉ちゃんの声が聞こえてるのに聞こえてないふりしてるなら……」
歩夢「お姉ちゃん、一緒のベッドに潜り込んじゃうぞ」コソッ…
バッ!
歩夢「わわっ! ……ふふっ、おはよう」
歩夢「朝ごはんできてるよ。早く顔洗ってきなさい♪」 『一緒に登校』
歩夢「あ、○○君! これから学校行くの? そうなんだ、気をつけてね!」
歩夢「ん? 私?」
歩夢「あはは……侑ちゃん、実はお寝坊しちゃったみたいで。先に行っててって言われたんだけど、待っててあげようかなって」
歩夢「そうなの! あれだけ夜更かしはよくないよって言ってるのに、昨日の夜スクールアイドルの動画見てたら朝の四時過ぎちゃってたみたいで。もう、早くしないと遅刻しちゃうのに」
歩夢「うーん……」
歩夢「そうだ! ○○君、たまには途中まで一緒に登校しない?」
歩夢「んー? 『お姉ちゃんと歩いてるところを見られたら恥ずかしい』?」
歩夢「だーめ、お姉ちゃんの言うことは絶対だよ! ほら、レッツゴー♪」 こういうの嫌いじゃないけどもうなんか違うな
名前だけって感じ ……
歩夢「でね、その時のかすみちゃんすっごく可愛くて! みんな変な顔ーって言ってたけど、どんなことも自分の強みに変えちゃうところが本当かすみちゃんらしいなって」
歩夢「せつ菜ちゃんもね、どこまでも一生懸命自分の大好きを追求してて、そういうところが本当にかっこいいの。私、せつ菜ちゃんのああいう姿に憧れちゃう!」
歩夢「でね、愛ちゃんと果林さんは──」 男を出す時点で糞確定
わざわざワッチョイまでつけてダセえし まぁ誰も弟がいる歩夢なんて知らないから仕方ないね
しっくりくるこないは ……
歩夢「あははっ! そうなんだ。○○君もちゃんと学校楽しんでるんだね?」
歩夢「ふふっ、よかったぁ……」
歩夢「……ん? 『今日のお姉ちゃん、ちょっと強引じゃないか』って……?」
歩夢「……うん」
歩夢「実はね、お姉ちゃん……○○君のこと心配だったんだ」
歩夢「ほら、君が中学生になってから、なかなかこういうお話することなかったでしょ。だから本当はどうしてるのかなって、気になってたの」
歩夢「けど、久々に君からお話聞けて、お姉ちゃん安心した」
歩夢「ちょっと過保護だったかな。えへへ」
歩夢「あ! もうバス来ちゃった!」
歩夢「ごめんね、お姉ちゃん先に行くね?」
歩夢「……!」
歩夢「うん、行ってきます!」 『聴こえた声は』
──バス停──
歩夢「あ、○○君!」タッタッタッ…
シャカシャカ♪
歩夢「……そっか、イヤホンしてるから聞こえないんだ」
歩夢「あっ……ふふっ、気づいてくれた?」
歩夢「んー? お姉ちゃんがなんて言ってるかわからないー?」
歩夢「そりゃそうだよ。音楽聴いてたら聞こえるものも聞こえないよ」クスッ
歩夢「……そっか、この声も聞こえないんだよね」
歩夢「……閃いちゃった♪」
歩夢「世界で一番弟思いの優しいお姉ちゃんは、どこの誰でしょう?」ニコニコ
歩夢「かわいいかわいい幼馴染がお隣さんの、まごころ系スクールアイドルは一体誰でしょう?」ニコニコ 歩夢「あははっ。もう、首傾げちゃって」
歩夢「……本当に、聴こえてない……んだよね?」
歩夢「もしかして、イヤホンしてるだけで音楽聴いてない……なんてことないよね?」アセアセ
歩夢「○○君ごめん! イヤホン片っぽ借りるよ!」スポッ
歩夢「……!」
歩夢「この曲……」
歩夢「……あ、やっと聞こえるようになった? うん、おかえり○○君」
歩夢「ん? まだ家についてないからおかえりじゃない?」
歩夢「いいの。そんな細かいこと気にしなくて」
歩夢「それよりお姉ちゃんから問題だよ」
歩夢「世界で一番お姉ちゃん思いの、優しい弟はどこの誰でしょう!」 『深夜のココア』
──リビング──
歩夢「あっ……○○君、こんな夜中にどうしたの?」
歩夢「『早く寝たら目が覚めちゃって、そのまま眠れなくなっちゃった』?」
歩夢「ふふっ、実はお姉ちゃんも一緒。なんだか目が冴えちゃって……」
歩夢「ねえ、どうせ眠れないんならお話でもしよ? 学校のこととか聞かせてほしいな」
歩夢「そうだ、ココアでも作ってあげよっか。ちょっぴり身体も冷えてきたし。あ、でもこんな時間にキッチン使ってたなんてお母さんには内緒ね?」
……
歩夢「はい、どうぞ。上にマシュマロトッピングしてみたよ。熱いから気をつけて飲んでね」
歩夢「お味はいかがですか、○○君?」
歩夢「甘くて、あったかくて、美味しい? ……ふふっ、よかった」
歩夢「じゃあ、聞かせて? 最近学校であった楽しかったこと」 ……
歩夢「……」ニコニコ
歩夢「……ねえ、なんだかこうしてると、いけないことしてるみたいだね」
歩夢「夜中にこっそり抜け出して、二人だけでお話して……」
歩夢「え、迷惑だったかなって? そんなことないよ、全然。むしろ特別な時間って気がして私は好きだな」
歩夢「お姉ちゃんと○○君、二人だけの秘密って感じ♪」
歩夢「……ふわぁ」アクビー
歩夢「……」
歩夢「あははっ、君にもあくびうつっちゃったね。じゃあ、そろそろ寝よっか」
歩夢「うん、それじゃあ電気消すね」
歩夢「おやすみ、○○君」 『玉子焼きの味』
歩夢「……♪」
歩夢「あっ、おはよう寝ぼすけくん。今日はすっごくいい朝だね!」
歩夢「これ? ふふーん……じゃーん! お姉ちゃんお手製の玉子焼きだよ!」
歩夢「昨日、侑ちゃんにお弁当作ってあげるって約束したんだ♪ あの子、玉子焼きの味にはうるさいから、いつもより気合い入れて作ったの♡」
歩夢「喜んでくれるといいなぁー♫」
歩夢「それより○○君、すごい寝癖だよ? お味噌汁あっためておいてあげるから、その間にお顔洗ってきなさーい」
歩夢「……ん? どうしたの? 頬っぺた、膨れてるよ?」 歩夢「あ、そっか。○○君も玉子焼き好きだったね♪」
歩夢「はい! 出来立て!」
歩夢「ってこら! 素手で食べないの! お行儀悪いでしょ!」
歩夢「わっ、大丈夫!? 口の中やけどしちゃった!? ご、ごめんね? まだ熱かったよね!」
歩夢「いま冷ましてあげるから…」箸スチャ…
歩夢「ん……髪じゃま……」サラッ…
歩夢「ふー……ふー……」
歩夢「ふー……」
歩夢「……はい、もう大丈夫だよ。お口あーんして? お姉ちゃんが食べさせてあげる♪」
歩夢「……って、あれあれ? お顔真っ赤だよ? どうしたの!?」
歩夢「あっ、なんで逃げるの!? ちょっと待ってー!」
歩夢「もう! ○○君は玉子焼き好きなの嫌いなの? どっちなの!?」 『傍から見たら』
歩夢「えっ、今日はお夕飯作るの手伝ってくれるの?」
歩夢「『最近お姉ちゃんがスクールアイドル始めて疲れてるだろうから』って? もう、そんな心配してくれなくても大丈夫なのに」
歩夢「でも、嬉しいな。○○君がお姉ちゃんのこと気遣ってくれて。じゃあ今日は久しぶりに一緒にお料理しよっか♪」
……
歩夢「あ、そんな包丁の持ち方じゃ危ないよ! お姉ちゃんが教えてあげる!」
歩夢「そのまま動かないで? 包丁は危ないからきちんと握ったまま。お姉ちゃんが手を添えながら上手な切り方教えてあげるね」
歩夢「はーい、後ろから失礼しますよー……ふふっ、抱きついちゃった♪」
歩夢「あっ、こら。危ないから抵抗しないの! 怪我しちゃったらどうするの?」
歩夢「メッ! だよ?」 歩夢「……なんだかこうしてると、昔を思い出しちゃう。小さい頃の○○君、可愛かったなぁ」
歩夢「あ、もちろん今の○○君も可愛いよ?」クスッ
歩夢「だけど、それが今はこんなに大きく育ってくれて、私も一緒に成長して……」
歩夢「ねえ、今の私たちがこうしてるとこ誰かに見られたら……カップル……に、思われちゃうのかな……」
歩夢「……」
歩夢「ふふっ、なーんて」
歩夢「今、ちょっとドキッとした? わかるもん。ちゃーんと君の手はお姉ちゃんが握ってたんですからねー」
歩夢「ごめんごめん。じゃあ早くお夕飯作っちゃおっか」
歩夢「ね♪」 『温泉へ泥酔旅行』
歩夢「はー……いいお湯だった///」
歩夢「料理もすごく凝ってて美味しかったし、観光もできてすっごく楽しかったね。○○君はどうだった?」
歩夢「……ふふっ、よかったぁ。久々の家族旅行だもん、○○君の思い出になってくれてお姉ちゃん嬉しい♪」
歩夢「また来ようね?」
歩夢「……ヒック」
歩夢「ん? なになに? 『お姉ちゃん酔っ払ってないか』って……?」
歩夢「んっふふー……そんなわけないじゃーん///」
歩夢「だぁれも酔っ払ってなんかないよ〜/// 私、上原歩夢はぁ……ヒック……こっそりお母さんのお酒にぃ……興味本位で口つけたりなんかしませーん♪」
歩夢「でもぉ、お姉ちゃんのことそうやってちゃーんと見てくれてる○○君、好きだぞー///」 歩夢「パパもママもいないしぃ……布団に押し倒しちゃえ! えい!」ダキッ!
歩夢「むっふふー……お姉ちゃんお酒くさい? ひどいなー、たったの一口しか飲んでないのにぃ」
歩夢「困った顔しちゃって……かーわいい♪ もう、抵抗してもダメだよー。今のお姉ちゃんは何があっても○○君につきまとう獣のうさぴょんなんだから♪」
歩夢「ねーえ……このまま一緒に、温泉はいろ?」ウルウル…
歩夢「いいじゃーん、幼い頃はよく一緒に入ってたでしょー? なんで今さら嫌がるの〜?」
歩夢「やーだ! はいろーはいろー! お姉ちゃんのわがまま聞いてくれない○○君きら〜い」
歩夢「……ああっ、もう嘘だよ〜! そんな悲しい顔しないで〜!」
歩夢「むふふー……○○君しゅきしゅき〜/// 胸に顔こすりつけちゃえ〜///」
──翌朝──
歩夢「ああああっ!!!!//////」 『相合傘』
──雨 弟の学校──
歩夢「おーい、○○くーん!」タッタッタッ…
歩夢「はぁ……はぁ……よかった、まだ学校にいてくれたんだ」
歩夢「え、どうしたのって……もう、どうしたもこうしたもないよ! 朝、傘持ってくの忘れてったでしょ? だから校舎の前で困った顔して雨宿りしてたんじゃないの?」
歩夢「お姉ちゃん、○○君のことなら何でも見逃さないんだから」フンスー!
歩夢「はい、こっちが君の傘だよ。一緒に帰ろ!」
歩夢「こーら、恥ずかしがらないの。今日、困ってる弟を助けてあげたのはどこのお姉ちゃん?」
歩夢「……ふふっ、よろしい♪」 ……
ザアアアアアッ…
歩夢「結構降ってきたね……濡れちゃわないように、ちょっと急ごうか」
ビュウウウウッ!
歩夢「きゃあ! うぅ……ひどい風」
歩夢「あ……○○君! 大丈夫!? 傘折れてるよ!?」
歩夢「怪我は? どこも痛くない!?」
歩夢「……よかったぁ。でも、せっかく持ってきたのに台無しになっちゃったね……今すぐ雨宿りできそうな場所もないし……」
歩夢「あ、そうだ」
歩夢「ねえ○○君、お姉ちゃんの傘に一緒に入ろ?」
歩夢「ちょっと狭いかもだけど、おうちまであと一息だから!」ニコッ
歩夢「……そういう問題じゃ、ない? でもこのままだと風邪ひいちゃうよ! こうしてる間も髪が濡れて──」
歩夢「……」 歩夢「──だめ。入りなさい」
歩夢「お姉ちゃん、君が目の前で辛い思いをするのだけは許さない」
歩夢「今だけは、お姉ちゃんの言うこと聞いて」
歩夢「……はい、ちゃんと傘の中に入って? お姉ちゃんはちょっとくらい肩はみ出ちゃっても平気だから」
歩夢「……ごめんね、きつい言い方になっちゃって。でもね?」
歩夢「うん……うん……ありがとう」
歩夢「……ほ、ほら! もっと詰めて! え、肩触れ合うのが恥ずかしいの?」
歩夢「ふふん、だったらもっと押し付けちゃう! 君とお姉ちゃんの相合傘だもん♪」ピター
歩夢「……ねえ、○○君」
歩夢「こんなお姉ちゃんだけど、困った時はいつでも頼ってね」 『主導権』
──リビング テレビ──
歩夢「わあっ! やっぱり猫ちゃんかわいいな〜!」
歩夢「ちっちゃくてふわふわなところとか、すぐ甘えてくるところとか。見てるとつい飼いたくなっちゃうんだよね」
歩夢「ふふっ、猫ちゃんって誰かに似てる気がするなー……」
歩夢「あ、○○君お風呂上がったんだ! うん、そうだよ。奇想天外アニマル特集二時間スペシャル! このために早く宿題終わらせてお風呂も済ませたんだー♪」
歩夢「え!? ホラー映画の方が見たいの!?」
歩夢「そ、そっか……ホラー、映画かぁ……」
歩夢「で、でもお姉ちゃん、このために頑張ったんだし……他の番組に変えられるのは嫌だなー……」 歩夢「え? 君も映画を見るために頑張ったの? う、うーん……」
歩夢「こ、こほん……い、いいですか○○君、私たちは姉弟です。私がお姉ちゃんで、君が弟。私の方が年上で、人生経験も豊富なんです」
歩夢「つまり、こういうときはお姉ちゃんである私の方が優先されるべきなのです!」
歩夢「なっ……『どうせホラーが苦手なだけなんでしょ』って!? 違うもん! 私はお姉ちゃんなんだよ!」
歩夢「そんなに言うなら証明してあげる! 私がちゃんとお姉ちゃんだってこと! 泣いて後悔しても知らないよ!」 ……
歩夢「う……うぅ……」グスッ……
歩夢「きゃっ!」ダキッ!
歩夢「お……終わった……の……?」
歩夢「うぅぅ……ぐすっ……こわかったよぉ〜……」
歩夢「……はっ! じゃなかった!」
歩夢「こ、こんなの全然怖くないもん! 泣いてる? こ、これは最後に成仏する女の子の霊に感動しただけで──」
歩夢「え? いいかげん腕を放してほしいって? ……あっ///」バッ
歩夢「も、もう! さては全部わかっててこの映画見せたでしょ!」
歩夢「○○君のいじわる! 私がお姉ちゃんなんだからね! 絶対許さないんだからー!」ポムポム! 『もしも誰かに見られたら』
歩夢「今日はお買い物に付き合ってくれてありがとう。でも珍しいね。君がお姉ちゃんと一緒に買い物行きたいって言い出すなんて」
歩夢「ちょっと前までお姉ちゃんと一緒に歩いてるだけでクラスメイトにからかわれるーって意地張ってたのに。なんだか新鮮」
歩夢「あっ、もう〜そんなに拗ねないで? お姉ちゃん、ちょっと嬉しくなっちゃって。ごめんね、お願いだからちゃんと目合わせて話してよー!」
──店内──
歩夢「カート、押してくれるの? ふふっ、ありがと」
歩夢「あ、こら! いまカゴの中にこっそりお菓子入れたでしょ! お姉ちゃんの目は誤魔化せません」
歩夢「……なんだかこういうところは昔から変わらないね。少し子供っぽいところも、やんちゃなところも」
歩夢「……はいはい、わかりました。一個だけだからね?」 ──帰り道──
歩夢「荷物も持ってくれるの? 今日の○○君はなんだか紳士みたいだね」
歩夢「え? お姉ちゃんの分も寄越してって?」
歩夢「だ、ダメだよ! 大切な弟にそんなに重い荷物一度に預けられないもん」
歩夢「わっ……だからダメだって! こっちはお姉ちゃんが持ってあげるの! ○○君はこれ以上無理しちゃダメ!」
歩夢「か、過保護!? 違うもん! お姉ちゃんはただ君が大変だろうなって……」
歩夢「……はぁ、本当に君は頑固なんだから。負けました。じゃあ、お姉ちゃんは右手で、君は左手で、半分ずつ一緒に持とっか」
歩夢「えへへっ、こんなところクラスメイトの子に見られたら、今度こそからかわれちゃうかもね」 『ファッションセンス』
──アパレルショップ──
歩夢「うーん、これなんてどうかな? ○○君、スラッとしてるようで意外としっかりしてるから、こういうのが似合うと思うよ」
歩夢「あはは、謙遜しないの。自分は服のセンスがないからーって、わざわざお姉ちゃんを付き合わせたんでしょ。もっと自信持って?」
歩夢「うん! これと、これ……あとこれも! 試着してみて? 近くで他のお洋服見てるから、着替え終わったら教えてね」
……
歩夢「はーい、聞こえてるよ。ちょっと待ってね」
歩夢「ふふっ、お姉ちゃんの目に狂いはないもん。どんなふうに仕上がったか楽しみだな♪」シャー
歩夢「……!」
歩夢(こ、これは……///) 歩夢「…………へ? あ、ああ……うん、す、すっごく似合ってるよ? 自分で選んでおいて、びっくりするくらい……///」
歩夢(ど、どうしよう……こんなの、かっこよすぎるよ……/// 一瞬、意識飛びそうになっちゃったもん……///)
歩夢(さすが私の弟だね……で、でもこんなにかっこよすぎちゃ、他の女の子に取られちゃうかも!?)
歩夢(ある日突然……ううん、明日にでもさっそく家に彼女を連れてきちゃうかも!?)
歩夢(もしそうなったらお姉ちゃんは……お姉ちゃんは……!)
歩夢「あー……あのね○○君、やっぱりその服はまだ君には早いんじゃないかなぁ……ほ、ほら、少し大人っぽすぎるというか……」
歩夢「『大人っぽい方がいい』……? だ、だめ! こんな格好お姉ちゃん許さないよ!」
歩夢「まだ○○君は私だけのものなのー!!」 今日はもう寝ます!
おやすみなさい
他のニジガクお姉ちゃん概念も見てみたいな…なんて 前歩夢に兄妹がいたらそっちに依存しそう的なスレ見たけどまさにって感じ
基本的に好きなものに対して独占欲強そう 歩夢お姉ちゃん、
実際は弟を◯◯君呼びより◯(名前の一部)ちゃんって呼びそう
(この場合は妹設定補完もできる) 『ハッピーエンドの映画館』
歩夢「ふふっ、○○君と映画館♪」
歩夢「なんだか久しぶりだね。一緒に映画館に来るの」
歩夢「そうだよ? テレビでDVDを見たり、ドラマを一緒に見ることはよくあるけど、こうやって大きなスクリーンで見にくることなんてあんまりなかったから」
歩夢「うん! だから今日がとっても待ち遠しかったんだ♪」
歩夢「○○君に前に無理やりホラー映画見させられたんだから、今日はお姉ちゃんが見たい映画に付き合ってもらうんだからね。もう、あの時は本当に怖かったんだよー!」ポムポムッ
歩夢「わあっ、券売機の前すごい行列できてるね。みんな男の人と女の人で連れ立って……」
歩夢「みんな、カップルさんたちなのかな?」
歩夢「今から見る映画? もー、事前に調べてなかったの?」
歩夢「ミュージカル風のラブストーリーでね、すっごく泣けるって前から評判だったんだー」
歩夢「もしかしていま並んでるカップルさんたちも、同じチケットを買うのかな?」
歩夢「あははっ、なんかちょっと緊張してきちゃうね。たくさんのカップルに囲まれて、姉弟なのはたぶん私たちだけ。ひょっとしたら勘違いされるかもだよね」
歩夢「恋人同士の列の中に、私たちも混ざってる」
歩夢「……ん? ど、どうしたの○○君!? 顔赤いよ?」
歩夢「気のせい? うーん、ならいいんだけど……」
歩夢「あ、ようやく私たちの番だよ! 一緒に席えらぼ?」
歩夢「もちろん♪ ほとんど席埋まっちゃってるけど、お隣同士がいいな♪」 ……
歩夢「ちょっと早く着きすぎちゃったかな。上映までまだ時間あるよ」
歩夢「それにしても混んでるね」
歩夢「あ、そうだね。○○君のポップコーン、お姉ちゃんが預かってるんだった。はい、どうぞ」
歩夢「そうだ! お互い違う味のポップコーン選んだんだし、せっかくだから少し交換しようよ」
歩夢「うん。お姉ちゃんのはストロベリーミルク味だよ。○○君は塩キャラメルだったよね。私、どっちも甘くて大好き!」
歩夢「え? 『最初から交換し合う魂胆で別々の味にしたんでしょ』って?」
歩夢「ふふっ、バレちゃった。だって、久しぶりの君との映画館なんだもん。ついはしゃいじゃったんだ」
歩夢「はい、あーん♪ お姉ちゃんのイチゴ味だよ?」
歩夢「ん? 恥ずかしいの? 周りにお客さんも大勢いるから?」
歩夢「大丈夫。みんな恋人同士だもん。食べさせ合いっこしたって、誰も私たちがお姉ちゃんと弟だなんて思わないよ?」
歩夢「……だから、恥ずかしいの?」
歩夢「あははっ、変な○○君」
歩夢「ほら、あーん……」
歩夢「どう? 美味しい? ……よかったぁ」
歩夢「次は○○君の番だよ? 君のキャラメル味、お姉ちゃんにちょうだい?」
歩夢「んー? くれるの? くれないの?」クスッ
歩夢「あーん……はむっ」
歩夢「んんー……! とっても甘くて、お口のとろけちゃいそう!」
歩夢「ねえねえ、上映までまだちょっと時間あるし、もっと食べさせ合いっこしようよ?」
歩夢「えー、いいじゃーん! ○○君のケチー!」
…… 歩夢「うーん! 映画すっごくよかったねぇ」ノビー
歩夢「最後に二人が結ばれるシーンなんて、本当に泣いちゃったよ……」グスッ
歩夢「身分の違いを乗り越えようとあの二人が頑張る姿……感動的だったなぁ」
歩夢「あ、さっきのカップルのお客さんたち、みんな帰ってく……」
歩夢「……」
歩夢「ねえ、よかったらまた一緒に来よっか。映画館」
歩夢「え、今度はどんな映画を見るのかって?」
歩夢「……もちろん、ハッピーエンドのラブストーリーだよ♪」 『天使と悪魔』
──歩夢’sルーム──
歩夢「調べ物しようっと」
歩夢「あっ……スマホ、バッテリー切れだ」
歩夢「そうだ!」
──リビング──
歩夢「○○君、調べ物したいから、よかったらお姉ちゃんにちょっとスマホ貸してくれないかな?」
歩夢「えー、いいじゃん。ちょっとの間だけだよ?」
歩夢「あ、それとも……見られたら困るものとか、入ってたりする?」クスッ
歩夢「わわ! 急にムキにならないでよぉ!」
歩夢「……スマホ、貸してくれるの? ロックは解除したからって? うん、あ、ありがとう」 ──歩夢’sルーム──
歩夢「調べ物終わり! あんまり待たせちゃ悪いし、そろそろ返さなきゃ」
──『あ、それとも……見られたら困るものとか、入ってたりする?』クスッ
歩夢「!」
歩夢「……いやいや、何考えてるの私! お姉ちゃんとしてそれはどうかと思うよ!?」
歩夢「でも……」
歩夢「……いやいや、だからダメだって!」
歩夢「だけど……○○君のスマホ貸してもらえるチャンスなんて滅多にないし……」
歩夢「○○君の、スマホ……」
歩夢「○○君の、プライバシー……」
歩夢「○○君の、見られたくない……秘密///」
歩夢「……」
歩夢「そうだよ上原歩夢! ここはお姉ちゃんとして、弟が間違った方向に進まないように厳しくチェックしないと!」
歩夢「これは教育……そう、これは教育なんだ……えいっ!」ポチー
歩夢「……」
歩夢「はああああああぁぁぁあ!!!!//////」 遥ちゃん抹消と実際に弟複数持ちのエマを無視するのは許されざるよ いつの間にかSSスレができとる!
ニジガク弟概念はいいぞ…! 一応言っておくと、↓のスレでニジガク弟概念の怪文書を連投してたおにぎりです。SSも何個かこっちで書いてあるのでもし良ければ(ダイマ)
もし歩夢に弟or妹がいたらそっちに依存してそう
https://itest.5ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1622454577 なんというかほんとに同人音声みたいだな
いまいちこんな風に弟に接してる歩夢がイメージしづらい 一応
既に弟がいるキャラはそのまま、遥ちゃんや侑ちゃんもきちんと存在する世界線です
理想の歩夢お姉ちゃんとの妄想として、弟のためにパーソナライズされている部分がある点は否めないため、ご容赦を 『どっちのお姉ちゃんの方が大事なの?』
ガチャッ
歩夢A「あ、おかえり○○君!」
歩夢B「あ、おかえり○○君!」
歩夢A「もう、真似しないでよ!」
歩夢B「もう、真似しないでよ!」
歩夢A・B「「むー!」」
歩夢A「……あ、あのね○○君。びっくりしちゃっただろうけど、これにはわけがあって……」
歩夢B「お姉ちゃん、今日はだいぶ疲れちゃったから同好会の練習特別に休ませてもらったの」
歩夢A「それで帰ったらすぐベッドで寝ちゃったんだけど……」
歩夢B「しばらくして目が覚めたら……」
歩夢A・B「「隣にもう一人の偽者の私がいたの」」
歩夢A・B「「は?」」 歩夢A「いやいや、違うよね? 偽者の私って、あなたのことを言ってるんだよね?」
歩夢B「何おかしなこと言ってるの? 偽者はあなたでしょ?」
歩夢A「もう、何度も言わせないで! 私にはちゃんと○○君と共有した大切な思い出がたくさんあるもん!」
歩夢B「私だって! 侑ちゃんと育んできた宝物みたいな大事な記憶がいっぱいあるもん!」
歩夢A・B「「○○君はどっちのお姉ちゃんが本物だと思う!?」」
歩夢A「○○君、私だけを選んでよ!」ポムポムッ
歩夢B「一人だけを選んでよ!」ポムポムッ
歩夢A・B「「……ねえ、ひょっとして今の状況楽しんでない?」」
歩夢A・B「「お姉ちゃんが二人いて、お得だとか思ってない?」」 右腕ガシッ!
左腕ガシッ!
歩夢A「離して! ○○君は私だけのものなの!」ギギギ…
歩夢B「あなたこそ離したらどうなの! ○○君は絶対に譲ってあげないんだから!」ギギギ…
歩夢A・B「「くーっ!!」」ギギギギギ…
歩夢A・B「「あっ……」」テバナシー
歩夢A「ご、ごめんね○○君。痛かったよね」アセアセ
歩夢B「ひ、ひどいことしちゃってごめんね。○○君のこと、困らせちゃったよね」アセアセ
歩夢A・B「「……」」シュン…
歩夢A「あははっ……ねえ、もしかして私たち」
歩夢B「うん……同時に手を離したってことは」
歩夢A「お互い本当に○○君のことを大切に思ってるってことかもね」
歩夢B「○○君が困っちゃうようなことも、痛いことも、したくないもん」
歩夢A・B「「ふふっ」」 歩夢A「あのね○○君、今日からは二人のお姉ちゃんと一緒に暮らさない?」
歩夢B「二人のお姉ちゃんに囲まれて、○○君はちゃんと平常心でいられるかな?」
歩夢A「私の方を大切に思ってくれる君は、もちろんオーケーしてくれるよね?」
歩夢B「誰より君を大切に思ってる私の方に、甘えてくれるよね?」
歩夢A・B「「は?」」
歩夢A「また同じやりとりを繰り返すの?」
歩夢B「済んだ話を蒸し返したいの?」
ガチャ
歩夢C「○○君、ただいま!」
歩夢A・B・C「「「……は?」」」 『嫉妬』
ピピピピピピ…バタン!
歩夢「もう、いい加減起きなさい! また遅刻しちゃうよ? どうしていつも時間ギリギリまで寝ぼすけさんなの?」
歩夢「スマホのアラーム鳴らしっぱなしにして……これで起きなかったら本当に○○君のせいだからね? 止めるよ」ピッ
歩夢「え……どうして……待ち受けの画像……」
歩夢「侑ちゃん……?」 ──朝食──
歩夢「……」
歩夢「え、『なんだか今日のお姉ちゃん不機嫌そうだね』って……?」
歩夢「ふん、そんなことないもん!」プイッ
歩夢「……ねえ、○○君の……スマホ、なんだけど…」
歩夢「『自分が尊敬してる人だから、写真を送ってもらった』……?」
歩夢「……そっか……じゃあ、お姉ちゃんのことは尊敬してないんだ……」シュン…
歩夢「な、なんでもない! ごちそうさま!」
歩夢「行ってきます!」 ──帰宅 リビング──
歩夢「はあ……今日はなんだか気分が晴れなかったや……侑ちゃんに聞いても○○君との約束だからって教えてくれなかったし」
歩夢「ん? これ……○○君のノート? 『日記帳』って書いてある……あの子、日記なんてつけてたの?」
歩夢「知らなかった……こんなことも知らなかったなんて、そりゃ○○君も侑ちゃんの方を尊敬するよね……」
歩夢(私、お姉ちゃん失格だ……世界で一番大切な弟の、一番頼れるお姉ちゃんでいたかったのになぁ……)
歩夢(あっ、ノート落ちて……ん? このページって、最近のやつだよね)
歩夢(えっ……///) ──翌朝──
ピピピピピピ…バタン!
歩夢「おはよ、寝ぼすけくん! 早く起きないと置いてっちゃうよ!」
歩夢「んんー? 『今日は昨日より機嫌が良さそうだね』って?」
歩夢「ふふっ、今日は久しぶりに一緒に登校したいなーって」
歩夢「……『侑さんに負けないくらい、お姉ちゃんにとって世界で一番頼れる弟になりたい』んでしょ?」
歩夢「んっふふー、何で知ってるのかって? だーめ、ないしょだよ!」
歩夢「でも、強いて言うなら……お互い最初から考えてることは一緒だったってことじゃないかな♪」 『誰の記憶だろう?』
歩夢「○○君、一緒にゲームしよう」
歩夢「え、お姉ちゃんの勧めるゲームはアレから嫌だ……? やるならせめて自分のゲームにしてほしい……?」
歩夢「う、うーん……なんだかそこはかとなく失礼なことを言われた気がするけど……とにかく○○君の好きなゲームならいいんだね!」
歩夢「ふふん、言質はちゃんと取ったんですからね」
歩夢「だーめ。もう反論は許してあげませーん」
歩夢「それじゃあ一緒にゲーム、しよ♪」 ……
歩夢「ふふーん、やっぱりお姉ちゃんの圧勝だね! 自分の得意なゲームなら勝てると思ったら百年早いよ」
歩夢「じゃあ次! 今度はお姉ちゃんが持ってきたゲームだよ!」
歩夢「だめでーす。お姉ちゃんに負けっぱなしの敗者の言うことなんて知りませーん」
歩夢「さっそくプレイするよ! これはね、火星を植民地にしようと侵略してきた他の惑星の宇宙人と、地球からロケットで飛び立ったヘビさんの大群が戦うゲームなんだよ!」
歩夢「両者を衝突させて全滅させられたらクリアなの!」
歩夢「ちなみに火星が舞台だけど宇宙人にとっくに絶滅させられて、火星人も地球人も一切出てこないよ!」
歩夢「え? じゃあ誰がプレーヤーで、どっちを応援して、何を楽しめばいいんだって?」
歩夢「……」
歩夢「そういうところが面白いの」
…… 歩夢「ふふ……クソゲークソゲー」
歩夢「サスケよしよし。サスケよしよし」
歩夢「ああっ! だめ! サスケ死なないで!」
GAME OVER
歩夢「調子こきやがってよ〜! くそ〜〜!!」
歩夢「え? 『この蛇サスケって名前なんだね』って? ううん、名前なんてついてなかったはずだよ? 設定にも載ってなかったし……」
歩夢「私さっき、サスケって呼んでたの? あのヘビさんのことを……?」
歩夢「それがあの子の名前なの?」
歩夢「サスケ……サスケ……」
歩夢「……わからない。誰の記憶だろう?」 ひたすら誰なのか分からない独り言書いてて可哀想に思えてきた 『カップル限定』
──カフェ店内──
歩夢「どうかな、美味しい?」
歩夢「よかったぁ。このお店ね、ハーブティーがすっごく美味しいお店なの。リラックスできるし、内装もおしゃれで落ち着いてるし、一度君を連れてきたかったんだ」
歩夢「うん、そうだよ。同好会のみんなと前に来たことがあるの。みんなでワイワイお茶するのもいいけど、君とこうして二人きりでお喋りするのも楽しいな♪」
歩夢「……」
歩夢「……あの、えっと……それでね?」
歩夢「実は、○○君にお願い事があるんだけど……///」モジモジ 歩夢「このお店には、その……限定の……」
歩夢「か、カップりゅ限て──」
歩夢「!」
歩夢「……///」カアアッ
歩夢(う、うぅ……恥ずかしい……噛んじゃった……!)
歩夢「……へ?」
歩夢「あ、うんっ! そうそう!」コクコクッ
歩夢「カップル限定スイーツっていうのがあってね!」
歩夢「だから、そのぉ……」
歩夢「私と、○○君……か、カップル……って、いうことで……//////」
歩夢「限定スイーツ、注文してみたいんだ!!」
歩夢「……どう、かな?」
歩夢「う、うん! あくまで形式上だよ!」コクコクコクコク
歩夢「形式上……」 歩夢「う、ううん! なんでもない! えへへ……じゃあさっそく注文しちゃおっか♪」
歩夢「店員さん、すみませーん!」
歩夢「私たち、カップルです──」
──帰り道──
歩夢「ふう……結局食べきれなかったね」
歩夢「○○君は、どうだった? おいし……かった?」
歩夢「……!!」パアア
歩夢「そっ、そっかぁ〜甘酸っぱかったか……///」
歩夢(○○君ったら! もうどんな味だったか思い出せないよ……//////) 『カッコつけさせて』
ザアアアアア…
歩夢(はあ……傘、忘れてきちゃった。天気予報ちゃんと見てきたのになぁ……)
歩夢(でも、おかげで侑ちゃんと同じ傘に入れてもらえることになったし、結果オーライだよね♪)
ザッザッザッザッ…ピタ
歩夢「あれ、えっ!? ○○君!? どうしたのこんなところまで?」
歩夢「その傘……貸してくれるの? 私が朝持ってくの忘れちゃったから?」
コク…ザッザッザッザッ…
歩夢「って、おーい○○君! どうして逃げるの!? 一緒に帰ろう? ずぶ濡れになっちゃうよー!」 ──翌日 弟’sルーム──
歩夢「もう、雨の中うちまで一人で走り出すからだよ……食欲、まだ湧かない? お熱は……うーん、まだ辛そうだね」
歩夢「お姉ちゃんのために傘貸してくれたのは嬉しいけど、そのせいで○○君が風邪ひいて、辛い目に遭っちゃったら……お姉ちゃん、悲しいよ」
歩夢「嬉しいって気持ちよりも……ずっと、辛い」
歩夢「……え、看病はもういいって……? なに言ってるの! こんなにお熱もあってフラフラなんだよ? ほっとけるわけないよ!」
歩夢「ほら、ベッドで横になって安静にしてて? 眠くなるまで、お姉ちゃんずっと手握っててあげるから」
歩夢「ひゃっ──」パシンッ!
歩夢「あ……ぅ……」
歩夢「……」
歩夢「うん……ごめんね……私、鬱陶しかったよね……」
歩夢「何かして欲しいことがあれば呼んで。私、リビングにいるから……」
歩夢「じゃあ、行くね……」 歩夢「……」
歩夢「……っ…グスッ……」
歩夢「……!」
歩夢「やっぱり……手、握っててほしいの……?」
歩夢「……ふふっ」
歩夢「いいよ。君が眠るまで、ずっと握っててあげる」
歩夢「ううん、いいんだよ。謝らなくて。ちょっと、昔の話でもしてよっか」
歩夢「ねえ、覚えてる? 幼い頃もこうやって、看病してあげたよね」
歩夢「『お姉ちゃん、お姉ちゃん』って君が悪夢にうなされながら、私のことを何度も呼んで、私はそんな君の手を握りながら、『大丈夫、大丈夫だよ』って励まして……」
歩夢「あの頃から君は変わらない。私の大事な可愛い弟だよ」
歩夢「……それが、嫌だったの? 恥ずかしいところを、見られたくなかった……?」
歩夢「昨日傘を貸してくれたのも、本当は私にカッコつけたかったの……?」
歩夢「ぷっ……あははっ! なーんだ、そういうことだったんだ」
歩夢「よしよし……いい子いい子……やっぱり○○君は、お姉ちゃんの可愛い弟のままだ♪」ナデナデ
歩夢「もー、照れなくてもいいのに。お姉ちゃんにカッコいいところ見せたいんでしょ? 耳まで真っ赤にしちゃって」ニコニコ
歩夢「……お耳、ちょっと貸して?」ヒソッ
歩夢「…………頼りにしてるよ、○○君♪」 『君だけの甘い特等席』
歩夢「あ、○○君お帰り。今日は遅かったんだね」
歩夢「……そっか、大変だったんだ」
歩夢「……うん、わかった。それなら手洗いうがいしておいで」
トコトコ…
歩夢「……○○君、ぜったい疲れた顔してた」ボソッ…
──夕食後 ベランダ──
歩夢「みーつけた」
歩夢「ふふっ、やっぱりここにいた。何か悩み事があると夜空を眺める癖、昔から変わらないね」
歩夢「ねえ、ちょっとお耳貸して」
歩夢「……今日の夜、寝る前にお姉ちゃんのお部屋においで?」コソッ… ──夜 歩夢’sルーム──
ガチャ…
歩夢「いらっしゃい。待ってたよ」
歩夢「んー? どうしてベッドに座ってるのかって?」
歩夢「それはねー」
ぽん、ぽん……
歩夢「お姉ちゃんのお膝、○○君に貸してあげるためだよ?」
歩夢「ほら、おいで? 膝枕してあげる!」
歩夢「あ! こーら、逃げようとしないの。遠慮しないでいいんだよ?」
歩夢「お姉ちゃんのお膝は、君だけの特等席なんだから」
歩夢「……○○君、帰ってきたとき疲れた顔してたでしょ。だから、少しでも癒してあげられることができたらなって思ったの」
歩夢「……すごく、辛そうだったから」
歩夢「……うん。いいんだよ。我慢しないで」
歩夢「お姉ちゃんに、思いっきり甘えちゃお?」
…… 歩夢「いい子……いい子……」ナデナデ
歩夢「大丈夫……もう大丈夫だよ」
歩夢「たくさん頑張ったんだね。いっぱい、辛い思いもしたんだもんだね」
歩夢「それでもこうして、お姉ちゃんに素直に甘えられてるんだもん。偉いよ」
歩夢「他の誰かが見てなくても、お姉ちゃんだけは見てあげる。君が他の誰より一生懸命なこと、お姉ちゃんだけはわかってあげる」
歩夢「うん。お姉ちゃんの自慢の弟だもん」
歩夢「だからもっと、自信を持っていいんだよ」
歩夢「……あはは! もう、くすぐったいよ〜」クスクス
歩夢「……お姉ちゃんのお膝、すべすべでやわらかい? 守られてるみたいで、安心する?」
歩夢「そ、そっか……急にそんなこと言われると、なんだか照れちゃうなぁ」クスッ
歩夢「え? 『でも一番は、お姉ちゃんにこんなに近くで見守られてることが嬉しい』……?」
歩夢「『お姉ちゃんを独り占めしてるみたいで幸せ』……?」
歩夢「……うん、お姉ちゃんもだよ。○○君を独り占めできて、幸せ」ギュウ…
歩夢「ん? 息苦しい? お顔が近すぎて、目を逸らせないから恥ずかしい?」 ……ぎゅううっ
歩夢「いいの、逸らさなくて。こうやって、すぐ近くからお互いの視線を送り合うの」
歩夢「こうやって、お互いの気持ちを交換し合うの」
歩夢「君に笑顔が戻るまで、辛い気持ちを受け止めてあげるから」
歩夢「だから君も、お姉ちゃんの甘い気持ちを受け取ってね?」
歩夢「……ふふっ、もう眠たそうな顔してる。お姉ちゃんの膝枕の誘惑には勝てなかったかな?」
歩夢「おやすみ、○○君」
歩夢「かわいい笑顔だよ」 明日の朝また投稿します
明日で書き溜めが尽きる…かも
歩夢お姉ちゃんに甘えたい欲が出たらまた書きます!
他の人も書いてくれておk スレタイ的に1人数レスかと思ったのに歩夢だけで完走させるのか 『トレーニングの秘訣』
歩夢「へー、○○君って最近筋トレしてるんだ!」
歩夢「どおりで最近体つきがたくましくなってきたなぁって思ったよ! 健康的だし、すっごくいいことだと思う♪」
歩夢「ねえねえ、今度○○君が筋トレしてるところ見せてほしいな。お姉ちゃんも何かアドバイスできるかも」
歩夢「だって、スクールアイドルだもん」ドヤッ
歩夢「え? ちょうど今からしようと思ってたところなの? それじゃあお部屋にお邪魔するね♪」 ──弟’sルーム──
歩夢「た、たくましいなぁとは言ったけど……///」
歩夢「な、なにも半裸でやることないじゃない……///」
歩夢「え? いつもこのスタイルでやってるの? ……ふ、ふーん、その方が自分の筋肉の成長が実感できて、やる気が湧くんだ」
歩夢「お姉ちゃん、前から思ってたけど……君って、けっこう形から入るタイプだよね……あはは……」
歩夢「腹筋が、うっすら割れて……胸板も、子供の頃よりだいぶ厚くなって……」
歩夢「そ、それに……上半身を伝う汗が、すごく艶めかしい……///」
歩夢「は! な、なんでもない!!」アセアセ
歩夢「こ、こほん! ○○君、真面目にアドバイスするとね? トレーニングは正しいフォームでやることが重要なんだよ? あと、鍛えたい筋肉を具体的に意識すること。それだけでトレーニングの効率がぐんと上がるんだよ?」
歩夢「今の君はとにかく回数をこなすことばっかり囚われて、それができてないように思うな」
歩夢「うん、お姉ちゃんが手取り足取り教えてあげるね!」ニコッ
…… 歩夢「お疲れ様! お姉ちゃんがいつも飲んでるプロテインだよ」
歩夢「○○君、飲み込みが早くてすごいね! よく頑張ったよ♪」
歩夢「ふう……ちょっと休憩しよっか。お姉ちゃんもけっこう汗かいちゃった」
歩夢「あっ、そうだ。トレーニング後はね、ストレッチも重要なんだ」
歩夢「筋肉がつきすぎても身体が強張るから、本当は柔軟もできるくらいがちょうどいいんだって。お姉ちゃんはスクールアイドルだからストレッチは丁寧にやってるんだ。怪我の予防にもなるしね」
歩夢「さっそくお姉ちゃんがお手本見せてあげる!」
歩夢「ほら、見て! お姉ちゃん、両足を広げても身体が床にぴったりつくようになったの!」ノビー
歩夢「えへへ、すごいでしょ。○○君も一緒にやらない?」
歩夢「え? 見てるだけでいいの? むしろ、見ていたいの……?」キョトン
歩夢「な、なんか○○君……視線がちょっと怖いよ……」
歩夢「もう! どこ見てるの! ○○君のえっち!///」 >>83
最初は仲間内で色んなメンバーを書く予定だったんですがなかなか難しいジャンルみたいですねぇ…
僕は今のところ歩夢お姉ちゃんしか書けません
普段誰かに思いっきり甘えたい願望があって迷子気質な果林お姉ちゃんが弟を甘やかすギャップに早くもだえたいあんですが!!!!! 『知らない女と歩いてる』
歩夢「ふふっ、思い切ってアリの巣観察キット買っちゃった」
歩夢「○○君、喜んでくれるかなぁ?」
歩夢「? あれって、もしかして○○君かな」
歩夢「噂をすればってやつだね」クス…
歩夢「○○くーん、どこに行──」
ブロロロ…
歩夢「……一緒にいるの、誰……?」
歩夢「私、あんな子知らない……」
歩夢「○○君が、知らない女の子と歩いてた……」
…… 歩夢「おかえり」
歩夢「今日は何しに出かけてたの」
歩夢「男友達と遊んでた……」
歩夢「ふふ、そうなんだ」
歩夢「……」
歩夢「……」
歩夢「……」
歩夢「嘘」
歩夢「○○君、女の子と歩いてたよね」
歩夢「楽しそうに話してた」
歩夢「私の知らない女の子と」
歩夢「うん、たまたま見かけたんだ」
歩夢「赤信号がね、そこで止まれって私に言ってくれたの」
歩夢「……」
歩夢「あの子は、誰?」
歩夢「……」 歩夢「え……同じクラスの学級委員長……」
歩夢「お姉ちゃんにプレゼントをあげたくて、女子ならどんなものをもらったら喜ぶか、相談に乗ってもらってた……」
歩夢「だけど、結局ちゃんと自分で考えて選びたくて、お姉ちゃんなら何をもらったら嬉しいか自分の意思で買った……」
歩夢「だから、申し訳ないことをしたけれど、あの子とは別に特別な関係でもなんでもない……?」
歩夢「……ぷっ……あははっ!」
歩夢「なぁんだ、そういうことだったんだね!」クスッ
歩夢「お姉ちゃん、勘違いしちゃった」アセアセ
歩夢「え、何の勘違い?」
歩夢「な、なんでもない! ただの独り言だよ!」
歩夢「そ、それで……君はどんなプレゼントを選んでくれたの?」モジモジ
歩夢「!」
歩夢「……ふふっ、やっぱり君はお姉ちゃんと一緒だね」
歩夢「どこにいても繋がってる……お姉ちゃんと君の絆」
歩夢「実はね……はい! お姉ちゃんもアリの巣観察キットを買ったんだぁ♪」
歩夢「○○君なら絶対に喜んでくれると思って」
歩夢「ところで、今日は何の日なのか覚えてる?」
歩夢「……!」
歩夢「うん! 今日はお姉ちゃんが○○君に初めてプレゼントをあげた──」
歩夢「プレゼント記念日だよ!」 『夏の記憶』
ジリジリ……
歩夢「ふう、だんだん汗ばむ季節になってきたね」
歩夢「日差しも強いし、じめっとした空気にやられちゃいそう」
歩夢「ん? お休みの日にずっとおうちの中にいるのはもったいない?」
歩夢「ははっ、確かにそうだね」
歩夢「……まあ、お姉ちゃんは君と一緒ならどこにいても嬉しいけど」
歩夢「……なんでもないよ。それじゃあ外出しよっか」 歩夢「ちょっと待って、その前に日焼け止めを忘れずにね?」
歩夢「○○君、けっこうズボラだから、お姉ちゃんが代わりに塗ってあげる」
歩夢「またそうやって恥ずかしがるんだから。後でお肌ヒリヒリしても知らないよ?」
歩夢「うん、いい子」
歩夢「え? お姉ちゃんには、君が塗ってくれるの?」
歩夢「『スクールアイドルのお姉ちゃんに、自分の都合で日焼けなんてさせられない』?」
歩夢「ふふっ、それじゃあお願いしちゃおうかな」
歩夢「あ、でも、女の子の肌は男の子より弱いんだから、優しく触らないとだめだよ?」
…… 歩夢「暑いねー」トコトコ
歩夢「結構汗かいちゃった」
歩夢「あ、○○君も汗だくだよ。帰ったらすぐシャワー浴びなきゃだね」
歩夢「うそ!? お姉ちゃん、お洋服透けちゃってる?」
歩夢「も、もう。またそうやってからかって……」
歩夢「悪い子にはアイス買ってあげないもん」
歩夢「いつか仕返ししちゃうんだからね?」
…… 歩夢「うわー! 風鈴がいっぱいぶら下がってるよ!」
歩夢「都会にもこんな屋台があるんだねー」
歩夢「ちょっとこじんまりしてるのが、秘密の場所って感じがして好きだな」
歩夢「一つ買って帰ろっか。窓の前に飾って一緒に涼しんでみない?」
歩夢「どれがいいかなぁ。お姉ちゃんはねー」
歩夢「……君はそれがいいの? えー、もっと可愛いのにしようよ」
歩夢「あははっ、なんだかこういう時はバラバラだね、私たち」
歩夢「ん? お金半分ずつ出し合って、同じ風鈴を買おう?」
歩夢「大丈夫だよ! これくらいお姉ちゃんが──」
歩夢「……ふふっ、こんな時ばっかり強情なんだから」
歩夢「ありがとう。それならお言葉に甘えちゃうね、○○君」
歩夢「じゃあ、お互い一つずつ指差していこう? それで一致したのを買うの」
歩夢「せーの──」
…… 歩夢「結局一番シンプルなやつになっちゃったねえ」トコトコ
歩夢「でも、まさに夏って感じがするね」
歩夢「小さい金魚鉢の中で、赤と青の金魚が気持ちよさそうに泳いでるみたい……」
歩夢「帰ったら早く飾りたいな」
歩夢「あ、○○君アイス溶けちゃってる。棒からこぼれ落ちそうだよ?」
歩夢「……あははっ、間一髪だったね。急にがっついちゃって子供みたい」
ジリジリ…
歩夢「……」シャクシャク
歩夢「暑いねー」
…… 歩夢「ふう……シャワー浴びて、さっぱりしちゃった」
歩夢「あ、もう風鈴飾ったの?」
歩夢「へえ……実際に飾ってみるとこんな感じなんだ」
チリーン…
歩夢「……落ち着く音色だね」
歩夢「ずっと聞いていたいくらい」
歩夢「赤い金魚も青い金魚も、空が背景になってなんだか広々としてるみたい」
歩夢「気持ちいいねー」
歩夢「……風鈴ってね、音色でリラックスできるのもそうだけど、記憶で涼しくなるものなんだって」
歩夢「ほら、風鈴って夏の風物詩ってイメージがあるでしょ? それって日本とか、アジア特有の文化みたい」
歩夢「夏に風鈴を飾って、風が吹いて、涼しくなって……心地いい音色が聞こえる」
歩夢「それが今度は逆に、風鈴の音色を聞くだけで涼しいって感じるようになるんだって」
歩夢「風の記憶が涼しさを思い出させるみたい」 歩夢「……もしそれが本当なら」
歩夢「私たちが今日暑いなぁって愚痴ったり、一緒に風鈴を選んだり、帰り道にアイスを食べたりしたことも……」
歩夢「夏の記憶になって、この音色を聞けば思い出すようになるのかな?」
歩夢「……」
チリーン…
歩夢「……うん。そうだね」
歩夢「来年も、その次の年も、またこうして飾ろっか」
歩夢「私たちの夏の記憶」 『ベッドの下を掃除したら』
歩夢「○○君、入るよー」コンコン
歩夢「って、うわぁ! 何このお部屋!? すごい散らかってる!」
歩夢「え? ノックする前にドア開ける癖いい加減やめろって? もう、今はそんなお話してる場合じゃないでしょ!」
歩夢「お部屋の乱れは心の乱れだよ。こんなに汚いお部屋じゃ勉強も何も集中できなくなっちゃうよ。お姉ちゃんも手伝うから、一緒に片付けよう?」
歩夢「こーら、逃しません! お掃除をサボった罰として、今日はとことんお部屋を綺麗にさせちゃうんだから」
歩夢「うん、よろしい♪」
…… 歩夢「ふぅ……大方終わったかな。あの子は飲み物持ってくるって出てっちゃったし、あとはベッドの下だけ……って、えええ!??」
歩夢「こ、これって……え、えっちな本……だよね?///」
歩夢「○○君、こんなの隠し持ってたんだ……」
歩夢「で、でも……うん、しょうがないよね。もう年頃の男の子だもん。お姉ちゃんに隠れて、えっちなことくらい……///」
歩夢「……」ジー…
歩夢「ちょ、ちょっとだけ……ちょっとだけなら、見てもいいよね……」ペラ
歩夢「なっ……!!////////」
歩夢「は、裸の女の人がいっぱい!」
歩夢「しかも私よりおっぱ……お胸がおっきい!!!!」 ガチャッ
歩夢「なっ、○○君!!????」
歩夢「お、お姉ちゃん、君にはまだこういうのは早いと思うな!! こういうのは!!!!」
歩夢「え? 勝手に人のプライバシーを覗き見るな?」
歩夢「そういう問題じゃないの!! お姉ちゃんよりえっちな本の方が大事なの!!!???」
歩夢「こ、今回だけは見逃してあげるけど、こういう女の人たちは○○君に似合いません!!!!」
タッタッタッ…ガチャ!
歩夢『うへぁああああぁぁああああん!!!!!』 『三月一日の思い出』
歩夢「ただいま! あ、○○君帰ってたんだ!」クツヌギー
歩夢「うん、そうだよ。さっきまで同好会のみんなにたくさんお祝いしてもらってたの」
歩夢「お姉ちゃんの誕生日!」
歩夢「でも、○○君も来なくてよかったの? みんな大歓迎って言ってくれてたのに」
歩夢「『百合の園を汚しては決してならない』……?」
歩夢「よくわからないけど、そんなことでムードが台無しになったりなんかしないよ? むしろ、お姉ちゃんは君が来てくれなくて……」
歩夢「ううん、なんでもない! もうお母さんがお夕飯作ってくれた頃だもんね、一緒に食べよ」
歩夢「わわっ! ……急にどうしたの、後ろから目隠しなんかして……」
歩夢「このまま、○○君の言う通りに歩けばいいの?」
歩夢「な、なんか……エスコート、みたいだね……///」
歩夢「なんでもない!」 ──ダイニング──
歩夢「わあああっ!!」キラキラ
歩夢「美味しそうなお料理がたくさん……!」
歩夢「え、これ全部君が作ってくれたの?」
歩夢「『ほとんどお母さんに手伝ってもらったから、たいしたことはしてないけどね』って……」
歩夢「そんなことない! お姉ちゃん、すっごく嬉しいよ!」
歩夢「お部屋の飾り付けも凝ってて、豪華なケーキまで用意してくれて……まるで夢みたい!」
歩夢「こんなに嬉しいお祝いが一日に二回もしてもらえるなんて……しかも君の手作りなんて……!」
歩夢「○○君、ありがとう!」 ──ベランダ 夜──
歩夢「夜風が心地いいね……」
歩夢「今日は本当にありがとうね、○○君。本当に……夢みたいな時間だった」
歩夢「え? 夢なんかじゃないよって? ふふっ、ごめんごめん。ちゃんとわかってるよ」
歩夢「君がお姉ちゃんを祝うために一生懸命頑張ってくれたことも、お姉ちゃんをこんなに大事に想ってくれてるんだってことも……全部本当のことだって、知ってるよ」
歩夢「でも、肝心なところで嘘が下手なのは小さい頃から相変わらずだなぁ。ふふっ」
歩夢「そんなにモジモジしてたら、何か隠し事があるんだなってすぐわかっちゃうよ?」
歩夢「弟に生まれてきてくれた時からずっと君のことを見てきたんだもん。お姉ちゃんの目は誤魔化せませーん」
歩夢「……何か、渡したいものがあるんじゃないの?」 歩夢「わあっ! これってカメラ!?」
歩夢「結構ずっしりして……うわ! 夜景まで綺麗に撮れるよ!?」カシャ!
歩夢「こんなに高そうなカメラ、どうしたの!?」
歩夢「バイトでコツコツお金をためて、買った……?」
歩夢「そ、そんな! 私のためにそこまでしてくれなくてもいいのに!」
歩夢「え? そんなこと、せっかく頑張ったのに言わないでほしい……?」
歩夢「……うん、そうだね。ごめん。お姉ちゃん、このカメラ一生大事にするね?」
歩夢「でも、どうしてカメラなの?」
歩夢「『二人の思い出を、きちんと形に残るように記録してほしかった』……」
歩夢「……ふふっ、○○君もそんなふうに思ってくれるんだね」
歩夢「うん、お姉ちゃんもだよ。二人の思い出をこれからもたくさん作って、いつでも見返せるようにしたいな」
歩夢「だーかーら♪」ダキッ
歩夢「この夜空は君が私にくれた、新しい思い出の1ページ目だね!」
歩夢「ほら、もっと寄って!」
歩夢「いくよ? 3、2、1──」 『中二病とA・ZU・NAランド』
──弟’sルーム──
歩夢「何してるの?」
弟「……」
歩夢「ブラザー・ダークネストルネード……」キリッ
歩夢「ってやってたよね? いま」
歩夢「ねえ?」
弟「……」
歩夢「え!? やってたよね!?」
せつ菜「……」
歩夢「二人とも今の見たよね!? お姉ちゃんはちゃんと見てたよ!?」
しずく「……ええ、そうですね。けれど……まあ、それは……」
歩夢「ほら! やってたよ○○君! 今のは何だったの!?」
歩夢「もし悩み事があるならお姉ちゃん何でも聞くよ!?」
弟「……」
歩夢「聞くよ!!???」 せつ菜「も、もういいでしょう歩夢さん……弟さんはもう○○生ですよ? そ、『そういう時期』ぐらい誰にでもありますって……はは……」アセアセ
せつ菜「そ、そう……誰にでも……」ガタガタ
歩夢「え、なんなの『そういう時期』って? 誰もいないところで鏡に映った自分を見ながら『ブラザー・ダークネストルネード』なんてポーズ決める時期私にはなかったよ?」
しずく「歩夢さん……弟さんの前ではもう……ね?」
しずく「あまりにも……酷です……」
歩夢「酷ってどういうこと!? せつ菜ちゃんならわかる!?」
せつ菜「さ、さあ……ど、ど、ど、どうでしょう。あ、後でしずくさんが教えてくださるのでは……」ガクブル
しずく「……せつ菜スカーレットストーム」ボソッ
せつ菜「……!!???!??!??!?!??」ビクッ! 歩夢「あ、そうだ。そんなことより」
しずく(そんなことより……)
せつ菜(そんなことなんですね……)
歩夢「今日はA・ZU・NAのみんなと遊園地に行くんだよ! 君も一緒に行こう♪」
せつ菜「私のオススメは断然これです! 大人気のジェットコースター!!!」
しずく「シアターもオススメです♡」
歩夢(ふふっ……みんな○○君と仲良いなぁ)
歩夢(……)
歩夢(………………)
歩夢(…………………………)
歩夢「ねえ、ホラーハウスもあるんだよ」
せつ菜・しずく「ひっ……!」 『本当にあった怖いホワイトデー』
歩夢「ねえ○○君……今日、何の日か覚えてる?」
歩夢「!」パアア
歩夢「うん、そうだよ! 今日はホワイトデー!」
歩夢「バレンタインにチョコをもらった男の子が、女の子にお返しをあげる日!」
歩夢「本当は貰う方がこんなこと言うの反則なんだけど……どうしても待ちきれなくって///」モジモジ
歩夢「だ、だって! 君がお姉ちゃんに、どんなお返ししてくれるのか……早く知りた買ったから……」 歩夢「わああっ!!」キラキラ
歩夢「ありがとう! 一生大切にするね!」
歩夢「え? せっかく時間をかけて選んだんだから食べてほしい?」
歩夢「ふふ、そうだね! じゃあさっそく開けるね!」
歩夢「でもすごくおしゃれな箱……デザインも凝ってて……うぅ……やっぱりお姉ちゃん開けるのもったいないよ」
歩夢「は! そうだね、ごめんごめん。それじゃあいただくね!」
ガサゴソ……
歩夢「うわあっ! おしゃれなチョコがたくさん!」キラキラ
歩夢「へー……生姜とか、梅とか、いろんな珍しい味のがあるんだ!」 歩夢「ね、ねえ……もしよかったら、お姉ちゃんに食べさせてほしいなー……なんて」テレテレ
歩夢「……だめ?」
歩夢「やったぁ!」
歩夢「ふふーん♪ お姉ちゃん、最初はこの味が……ううん、やっぱり○○君が選んで食べさせて!」
歩夢「あ、あーん……///」
歩夢「んっ……///」
歩夢「はむっ……クチュ……れろ……(チョコを咀嚼する音)」
歩夢「んくっ……っ……ゴクン……(チョコを飲み込む音)」
歩夢「ぷはっ……はぁ……はぁ……」
歩夢「えへへ……飲んじゃった///」
歩夢「はい、ごちそうさまでした♡」
歩夢「と〜っても甘くて、ほろ苦くて」
歩夢「どろっとしてて、お口の中がとろけちゃうくらい粘ついてて……」
歩夢「大人の味って感じだった///(チョコを食べた感想)」 歩夢「……」
歩夢「え、終わり?」
歩夢「あ、ううん違うの! ○○君のチョコすっごく美味しかったよ!」
歩夢「君のお姉ちゃんを想う気持ち、熱いほど伝わってきた……///」
歩夢「けど……ね?」
歩夢「もっと、他に何かあるのかなー……って」モジモジ
歩夢「……そっかぁ」シュン…
歩夢「え? お返しはこれくらいにとどめておかないと、次もらう時が怖い?」
歩夢「えー! それどういうこと!?」
歩夢「教えてくれなきゃわかんないよ! こらー! 逃げないのー!」 ではまた明日
おそらく明日、明後日で完全にストックが尽きるので、シチュエーションリクあれば募集します 『弟と幼馴染』
──侑ちゃんがプリンを食べた時──
歩夢「あっ……冷蔵庫からプリンなくなってる」
歩夢「結構高かったやつだから、楽しみにしてたのに……」
歩夢「え? 侑ちゃんが食べたの?」
歩夢「『悪いとは思ったんだけど、誘惑に負けちゃってつい』……?」
歩夢「も、もう侑ちゃんったら。言ってくれれば全然あげたのに……///」
歩夢「!」パアア
歩夢「うん! 今度の日曜日、一緒に並ぼう?」 ──弟がプリンを食べた時──
歩夢「あっ……冷蔵庫からプリンなくなってる」
歩夢「結構高かったやつだから、楽しみにしてたのに……」
歩夢「え? ○○君が食べちゃったの?」
歩夢「『悪いとは思ったけど、誘惑に負けてつい』……?」
歩夢「もう! あれはお姉ちゃんが一時間も並んでようやく手に入れたプリンなんだよ!」
歩夢「どうして勝手に食べちゃうの!?」
歩夢「○○君なんて知らない!」プイッ ──侑ちゃんのマグカップを傷つけた時──
歩夢「きゃっ!」ゴトッ
歩夢「あ……」
歩夢「た、大変! 侑ちゃんのお気に入りのマグ……!」
歩夢「よかった……どこも割れてないみたい」
歩夢「あ……でも、持ち手のところに小さい傷が入っちゃった……」
歩夢「あっ……侑ちゃん」
歩夢「あの、えっと……ごめんね。侑ちゃんが大事にしてたマグカップ、私の不注意で傷つけちゃって……」
歩夢「え……? 『それくらい平気だよ』って……」
歩夢「だめだよ! どんなに小さな傷でも、侑ちゃんの綺麗な指が怪我しちゃったら大変!」
歩夢「……大きな声出しちゃってごめんね。でも、私のせいで侑ちゃんが怪我するなんて許せなかったから……」
歩夢「今度一緒に、二人の新しいお気に入りのマグ探しに行こう?」 ──弟のマグカップを傷つけた時──
歩夢「きゃっ!」ゴトッ
歩夢「あ……」
歩夢「ど、どうしよう! ○○君のお気に入りのマグ……!」
歩夢「よかった……どこも割れてないみたい」
歩夢「あ……でも、持ち手のところに小さい傷が入っちゃった……」
歩夢「あっ……○○君」
歩夢「あの、えっと……ごめんね。○○君が大事にしてたマグカップ、お姉ちゃんがうっかりしてたせいで傷つけちゃって……」
歩夢「え……? 『それくらい大丈夫』って……」
歩夢「大丈夫じゃないよ! どんなに小さな傷でも、君に怪我なんてさせられないもん!」
歩夢「お姉ちゃんのせいで君に痛い思いなんてさせたくないし、もしそうなったらお姉ちゃん悲しいよ……」
歩夢「そうだ! こんなので○○君が許してくれるかわからないけど……」
歩夢「お詫びにお姉ちゃんが前に使ってた、お気に入りのマグカップ……君にあげるね?」
歩夢「シンプルなデザインで、男の子が使ってもおかしくないやつだよ?」
歩夢「ええっ? それだけは絶対に嫌なの?」
歩夢「ど、どうして? もう、ちゃんと謝るから、お姉ちゃんのせめてもの気持ち受け取ってよー!」 ──侑ちゃんが怪我した時──
歩夢「た、大変! 侑ちゃん大丈夫!?」
歩夢「ああ……膝、擦りむいちゃってる……」
歩夢「え? 『これくらい一人で何とかなるよ。歩夢は早く同好会の練習に行ってきな』って……もう、侑ちゃんの頑固!!」
歩夢「こんな状態の侑ちゃんをほったらかしにして、私が練習なんてできるわけないでしょ!」
歩夢「ほら、私のハンカチ使って? 傷口、縛ってあげる」ギュッ
歩夢「大丈夫? …………立てる……?」
歩夢「そっか。なら、保健室まで私が──」
歩夢「…………肩、貸してあげるから」
歩夢「やっぱり痛かったよね。涙出ちゃってるもん……」
歩夢「さっきは怒鳴ったりしちゃってごめんね、侑ちゃん」
歩夢「……ふふっ、侑ちゃんこそ気にしないで。私たち、幼馴染でしょ?」 ──弟が怪我した時──
歩夢「だ、大丈夫? ○○君!?」
歩夢「ああ……膝、擦りむいちゃってるね……」
歩夢「え? 『これくらい一人で何とかなる。お姉ちゃんは早く朝練のランニングに行ってきて』って……もう、○○君の馬鹿!!」
歩夢「こんな状態の○○君を放っておいて、お姉ちゃんが朝練に行くわけないでしょ!」
歩夢「ほら、怪我見せて? お姉ちゃんがハンカチ巻いてあげるから」
歩夢「また! いいわけないでしょ!」
歩夢「……はい、これで少しは出血抑えられるから」
歩夢「大丈夫? 立てる?」
歩夢「そっか、ならおうちまでお姉ちゃんがおんぶしてあげる」
歩夢「どうせ膝、本当は痛むんでしょ? 目、ちょっと赤くなってるよ?」
歩夢「うん。今は意地なんて張らないで、お願いだからお姉ちゃんの言うこと聞いて?」
歩夢「……ふふっ、今更なに言ってるの? 君とお姉ちゃんの間に遠慮なんか要らないんだよ?」 いまどれだけ同士が残っているかわかりませんが、今夜の投稿で終わりにします
ニジガクお姉ちゃん概念が浸透しなかったのは無念ですが… 浸透するかどうかの前に少量でも全キャラ書くほうが先なんだよなぁ…
歩夢だけ大量に書いてそれはない すごいROMっちゃってたけど好きよ
SS書く才能ないから助かる 『心音に寄り添って』
歩夢「……♪」シャカシャカ
歩夢「あ……偶然だね、○○君」スポッ
歩夢「帰りのバス待ってるの?」
歩夢「そっか、じゃあお姉ちゃんとお揃いだね」
歩夢「隣、座ってもいい? ……うん、ありがとう」ヨイショ
歩夢「ん? 何の音楽聴いてたのって?」
歩夢「他校のスクールアイドルの曲を色々聴いてたんだ。今度またライブをやることになってね、新曲のために勉強中なの」
歩夢「え? ○○君も、聴いてみたいの?」
歩夢「いいよ。じゃあ一緒に聴こっか」
歩夢「はい、イヤホン片っぽ貸してあげる。片耳ずつだけど、これなら同時に聴けるから」
歩夢「あ、ケーブル引っ張られちゃうから、もうちょっと詰めてもいい?」
歩夢「お隣失礼しまーす」
歩夢「ふふっ」
歩夢「……どうか、した?」
歩夢「そっか、じゃあ再生するね」ポチッ 歩夢「……♪」シャカシャカ
歩夢「……綺麗な曲」
歩夢「……」ポチ
歩夢「どうだった?」
歩夢「ドキドキする曲、だったの……?」
歩夢「うーん……そうかなぁ。お姉ちゃんは、だいぶ落ち着いた曲だと思ったけど……」
歩夢「○○君がそう思ったんなら、そういう風にも聞こえなくもないかな?」クスッ
歩夢「っ……夕日、まぶしい」
歩夢「待って! ……あ」
歩夢「イヤホン……できれば、まだつけたままにしといてほしいな」
歩夢「うん。このまま、音楽を流さない状態で」
歩夢「……なんだか、不思議」
歩夢「こうしてると、○○君の鼓動が聞こえてくる気がするの」
歩夢「ほら、イヤホンしてる時って、自分の心臓の音がこもって聞こえることがあるでしょ?」
歩夢「とくん、とくん、って」
歩夢「今ね、その音が聞こえてくる気がするの」
歩夢「ケーブルを伝わって、○○君のかすかな鼓動が……」
歩夢「少し激しくて、でも優しい鼓動」 歩夢「……って、お姉ちゃんちょっと恥ずかしいこと言っちゃったかな? 変だよね、あはは……」
歩夢「……ん? もう少し、このままでいたい……?」
歩夢「……うん、いいよ。実はお姉ちゃんも、もうちょっとだけこのままでいたいなって思ってたの」
歩夢「夕日、まぶしいね……」
歩夢「……」
歩夢「……お姉ちゃん……なんだか、眠くなってきちゃった……」
歩夢「もし寝ちゃったら、起こしてね……? バス……乗り過ごしちゃう、から……」
歩夢「○○、くん……」
歩夢「ん……」コテン
歩夢「すう……すぅ……」 『本当に見つけてほしかったのは』
弟「──!」
母「──!」
歩夢「ふ、二人とも落ち着いて! 言い争うのはよくないよ──」
弟「──!」バタンッ
歩夢「あっ……」
歩夢「○○君……」
──夕方 住宅街──
歩夢(弟が家出した)
歩夢(きっかけは些細なことだった)
歩夢(○○君が学校の行事でお母さんに伝えなきゃいけないことを忘れてて、それを知ったお母さんに叱られた)
歩夢(○○君はそこで素直に謝ることができなくて、そのうち口論に発展していった)
歩夢(弟が家出をするのは初めてのことじゃない。けれど、それが放っておける理由にはならなかった)
歩夢(私はお姉ちゃんなんだから) ──夕方 公園──
歩夢「!」
歩夢「○○君……何してるの? こんなところで……」
歩夢「泣いてるの……?」
歩夢「……ふふっ、そっか。帰りたくないか」
歩夢「それなら、お姉ちゃんが隣にいてあげる」
……
歩夢「でも、まさかこの遊具の中に隠れてたなんて」
歩夢「ねえ、覚えてる? 幼い頃もこうやって、君はこのドームの中で泣いてたよね」
歩夢「そんな君をいつもお姉ちゃんが見つけて、泣き止むまで隣にいてあげて……」
歩夢「お姉ちゃん、最初はてっきりお小遣いでホテルにでも泊まってるのかと思ったよ。中学生にもなってこんな場所に家出するなんて、やっぱり君は変わらないなぁ」 歩夢「もう、そんなに拗ねないで? 昔みたいに、ずっと隣にいてあげるから」
歩夢「ほら、涙も拭いてあげる」スッ
歩夢「……手、つなぐ? ……うん」
歩夢「いいよ、そのまま肩にもたれかかっても。誰も見てる人なんかいないから」
歩夢「いまはここに、君とお姉ちゃんの二人きりだから」
歩夢「……髪の毛、くすぐったい」クスッ
歩夢「けど、あったかくて、○○君をそばで感じることができて……嬉しいな」
歩夢「ん? お姉ちゃんの身体も、柔らかくて居心地がいい?」
歩夢「もー。そんなこと他の女の子の前で言ったらいけないんだからね?」クスクス
歩夢「……静かだね。まるで世界中の時間が一斉に止まっちゃったみたい」
歩夢「……眠くなってきちゃった?」
歩夢「ふふ、そっか。おねむになっちゃったか」
歩夢「いいよ、お姉ちゃんがずっとそばにいてあげる」
歩夢「お姉ちゃんが君を、ずっと守ってあげる」
歩夢「……」
歩夢「○○君……っ」ギュッ…
…… 歩夢「……あ、起きた? おはよう寝ぼすけさん。すっかり夜だよ」
歩夢「うん。私は起きてたよ。君の寝顔、すっごく可愛かった♪」
歩夢「……どうしよっか。このまま朝まで、二人で二度寝しちゃおっか」
歩夢「帰る……?」
歩夢「ふふっ、そうだね。今度こそお母さんにごめんなさいって言うんだよ?」
歩夢「え……私、ちょっと寂しそうな顔してる……?」
歩夢「あはは、何言ってるの。そんなこと──」
歩夢「……」
歩夢「……やっぱり、君は私のことどこまでもよく見てくれるなぁ。君には嘘、つけないや」
歩夢「実はね、君が眠ってるあいだ考え事してたの」
歩夢「私、君のこと独占してるのかもしれないなって」
歩夢「君を見つけて、本当ならすぐおうちに連れ帰るべきだった。早くお母さんを安心させて、謝らせるべきだった」
歩夢「だけどそうできなかった……ううん、そうしなかった」
歩夢「本当は、私がただ君と一緒にいる時間を求めてただけなのかもしれない。君が心細いから私を求めてるんじゃなくて、私の身勝手なワガママなのかもしれない」
歩夢「そう思ったら、私……」
歩夢「……だから、君を見つけたのがお母さんじゃなくて、私でごめんね」 歩夢「……え?」
歩夢「そう……なの?」
歩夢「だから昔みたいに、このドームに隠れてたの……?」
歩夢「……っ」
歩夢「うっ…… うぅ……」グスッ
歩夢「そういうとこ……ずるい、よ……」
ぐぅ〜……
歩夢「あ……」
歩夢「えへへ……安心したら、なんだかお腹空いてきちゃった///」
歩夢「うん、もう泣いてないから大丈夫。一緒に帰ろ」
歩夢「何があっても、○○君のことは必ずお姉ちゃんが見つけてあげる!」 『見ているよ』
歩夢「あ、また宿題サボってゲームしてる! もう、自堕落な弟はお姉ちゃん許さないんだから」
歩夢「罰として、今日は一日お勉強会です。○○君のお勉強はお姉ちゃんが責任をもってしっかり見てあげます」
………
歩夢「ここはこうして……ほら解けた」
歩夢「……! ご、ごめんね! ちょっと顔近づきすぎたね。教えるのに夢中になっちゃって……///」
歩夢「?」
歩夢「○○君。どうか、した?」
歩夢「お勉強してるあいだ、どこかずっと変だったよ?」
歩夢「もう、姉弟なんだから隠し事はなしだよ。何か悩んでることがあるなら、ちゃんと話して? じゃないとお姉ちゃん…ちょっぴり、寂しいな」
歩夢「……え? 『久しぶりにお姉ちゃんが自分のことを見てくれて嬉しい』……?」
歩夢「……」
歩夢「ふふっ♪」
歩夢「なにおかしなこと言ってるの。お姉ちゃんはいつだって○○君のこと見てるよ。世界でたった一人の、大切な弟なんだもの……」
歩夢「……ほら、まだ宿題残ってる。さっさと終わらせちゃお♪」 『夢の世界へ旅立つプリンセス』
歩夢「──君」
歩夢「──君!」
歩夢「あ、やっと起きてくれた」
歩夢「もう、今日だけは絶対寝坊しないって約束だったのに……もう──時だよ?」
歩夢「ん? どうしたの、そんなにキョロキョロして」
歩夢「『ここはどこ?』って……」
歩夢「ふふっ、昨日の夜は深酒でもしちゃったのかな」
歩夢「ここはお城だよ。お姉ちゃんと──君の」
歩夢「こんなに立派なベッドと家具に囲まれて、広いお部屋を見ても思い出せないなんて、よっぽどお姉ちゃんと離れるのが悲しかったんだね……」
歩夢「それより、早く朝食摂って、支度済ませて? お母さまも心配してる」
歩夢「急がないと間に合わなくなっちゃうよ」
歩夢「え、どこにって」
歩夢「それはもちろん」
歩夢「お姉ちゃんの晴れ舞台だよ!」 ……
歩夢「ねえ、覚えてる? ──君、子供の頃はこうやって馬車に揺られると、よく馬車酔いしてたよね」
歩夢「そのたびに止めてもらって、進んで、また止まって……」
歩夢「あ! あの大きな木、覚えてる?」
歩夢「君とお姉ちゃんが内緒でお城を抜け出して、城中で大騒ぎになった日のこと」
歩夢「お母さまと珍しく大喧嘩して、二人で家出っていうものをしてみたんだよね」
歩夢「最初は知らない世界ばかりが広がっていて、まるで冒険みたいでワクワクしたけれど、結局帰り道がわからなくなってあの木の下で夜を越して」
歩夢「怖くなって泣いちゃった君を必死に宥めて、『怖くない、怖くないよ』って励まして……結局そのうちお姉ちゃんも寝ちゃったんだ」
歩夢「捜索隊に保護されてお城に連れ帰されたときには、お母さまにこっぴどく叱られたっけ」クスッ 歩夢「……もう、覚えてないって顔してる。私にとってはすごく大切な思い出なのに」
歩夢「なんでだろう、流れていく風景の一つ一つが懐かしくて」
歩夢「──君との思い出が蘇って」
歩夢「寂しくなる」
……リーン…ゴーン…
……リーン…ゴーン…
……
……ピピピピピピ…
歩夢「もう、どうしたの○○君。今日はずいぶん甘えん坊さんだね」
歩夢「怖い夢を見ちゃったの?」
歩夢「大丈夫、お姉ちゃんはここにいるよ。ほら、怖くない、怖くない……」 『いつでも君の味方だよ』
──夕食──
歩夢「それでねお母さん、今日同好会でね!」
弟「……」モグモグ…
歩夢「……?」チラッ
──リビング──
歩夢「あはは! やっぱりこの芸人さん面白いね、○○君!」
弟「……」コクリ…
歩夢「……○○君?」 ──夜 ベランダ──
ガララッ
歩夢「あ、やっぱりここにいた」
歩夢「そんな薄着で夜風に当たってたら、身体冷えちゃうよ?」
歩夢「ふふっ、お隣失礼するね」
歩夢「わあっ……星空、綺麗だねー」
歩夢「ん? なんでベランダにいるのがわかったかって?」
歩夢「……○○君、帰ってきてからずっと様子おかしかったでしょ。それで、何か学校で嫌なことでもあったのかなって」
歩夢「○○君、何か悩み事があるといつもベランダで夜空を眺めてるから」
歩夢「……ねえ、もし本当に辛いことがあったのなら、お姉ちゃんに話してほしいな」
歩夢「どれだけ力になれるかはわからないけど、君の苦しい気持ちや嫌な思いを受け止めてあげることならできるから」
歩夢「お姉ちゃんは、いつでも君の味方だからね」 歩夢「……うん……うん」
歩夢「……そっか、それは辛かったね」
歩夢「今までずっと一人で抱え込んで、苦しかったね」
歩夢「話してくれて、ありがとう……」
歩夢「…………うっ……うぅ……ひっぐ……」
歩夢「ご、ごめんねっ……君が一番苦しいのに、お姉ちゃんが泣いちゃダメだよね……っ……」
歩夢「で、でもねっ……君の気持ちを想像したら、それだけで……涙が、溢れてきちゃって……っ!」
歩夢「……っ…………ん」ゴシゴシ
歩夢「……ふふっ、もう大丈夫だよ。逆に心配させちゃってごめんね」
歩夢「ねえ、○○君」
歩夢「今日は、お姉ちゃんと一緒に寝よっか」
歩夢「うん。お姉ちゃんはいつでも君の味方だよ」 ──歩夢’sルーム ベッド──
歩夢「君がお姉ちゃんの部屋に来てくれるの、久しぶりかも」
歩夢「んー? どうしたの、急にモジモジして。恥ずかしくなっちゃったの?」
歩夢「照れなくていいんだよ。君はいっぱい頑張ったんだから。これはお姉ちゃんから君へのご褒美」
歩夢「だから……全部、受け止めてあげる」
歩夢「ほら、おいで」
ぎゅっ……
歩夢「ん……よしよし……いい子……いい子」ナデナデ
歩夢「大丈夫……大丈夫だよ」ナデナデ
歩夢「あったかい? 甘い匂いもする?」
歩夢「ふふっ、ならよかったぁ」
歩夢「このままベッドに横になろっか……お布団もかぶっちゃお?」ゴロン
歩夢「こうして抱き合ってると、幼い頃を思い出しちゃうね。君はお父さんかお母さんに怒られるといつも私のところに来て、こうやって抱きついてきたっけ」
歩夢「うん、いいんだよ……今だけは、子供の頃に戻って」
歩夢「お姉ちゃんのお胸に甘えて」 歩夢「嫌なことも、辛かったことも全部吐き出して……すっきりしちゃおっか」
歩夢「ねえ、聞こえる? お姉ちゃんの心臓の音……トクン、トクンって、落ち着く音が聞こえるでしょ?」
歩夢「私は安心しているよって、○○君が甘えてくれてとっても嬉しいんだよって伝えてるの。君の思いが伝わって、お姉ちゃんの中に流れ込んできて……君はもう一人じゃないんだよって、安心していいんだよって……そう伝えてるんだよ」
歩夢「……ふふっ、かわいい顔」
歩夢「うん。いいんだよ、泣いても。お姉ちゃんの前では弱いところも、他の人には見られたくない恥ずかしいところも見せていいの」
歩夢「だからいっぱい泣いてもいいんだよ」
歩夢「……」ギュッ…
歩夢「お背中……とん、とん、ってしてあげるね」
歩夢「君が泣き疲れて寝ちゃうまで、ずっとこうしててあげるから」
歩夢「君が寂しくならないように、ずっと抱きしめててあげるから」
歩夢「おやすみ、世界でたった一人の……お姉ちゃんの大切な○○君」
歩夢「大好きだよ」 『お祭りよりも花火より』
歩夢「わああ! ○○君見て見て! すっごい屋台!」
歩夢「どれくらいあるんだろう……遠くまで見渡してもまだ続いてるよ!」
歩夢「ねえ、どの屋台から覗こっか? あ、でも急がないと行列ができちゃう!」
歩夢「ん? あそこの射的でお姉ちゃんと競争したいの? よーし、お姉ちゃん負けないよ!」
……
歩夢「んー! やっぱりお祭りと言ったらわたあめだよね!」
歩夢「このチョコバナナも美味しい!」
歩夢「ふふっ、○○君は肉巻きおにぎりとかアメリカンドッグとか、肉っぽいものばっかりだね♪」 歩夢「お母さんからもらったお小遣いはもう底を尽きそうだけど……あはは」
歩夢「えっ? 今日の私、いつもよりはしゃいでて子供っぽい?」
歩夢「もう、すぐそうやって馬鹿にしてー!」ポムポム!
歩夢「でもそうかも。こんなに楽しいお祭りで、いっぱい美味しいものが食べられて、パレードとか他校のスクールアイドルのステージも見られて……」
歩夢「それに……」
歩夢「う、ううん! なんでもない! それよりほら、金魚すくいでもしよ! お姉ちゃん、今度こそ負けないんだから♪」
…… 歩夢「そろそろ花火の時間だね。はぁ、なんだか今日一日はあっという間だったなぁ……」
歩夢「え? 君もそう思うの? 花火なんか始まらないで、ずっとこの時間が続いててほしい……?」
歩夢「も、もう! 急にらしくないこと言っちゃって……別にカッコよくなんかないぞ///」
ヒュ〜……ドンッ! パパン!
歩夢「わああ……! 綺麗……!」
歩夢「……ねえ、お姉ちゃん本当はね、今日は侑ちゃんや同好会のみんなと一緒に回──」
ドン! ドドン!!
歩夢「でも断ったの。だって、私にとっては君──思い出──大事──」
ドドン! パパン!!
歩夢「だから、君がお姉ちゃんの誘いに──って答えてくれたとき、私……!」 歩夢「って、聞いてる○○君!? 『花火の音がうるさくて、聞こえなかった』……? もう! 真剣なお話してたのに!!」
歩夢「……けど、まあいっか。こうして一緒に花火が見れるだけで、私、すっごく嬉しいもん」
歩夢「本当に、綺麗……」
歩夢「ん? どうしたの? お姉ちゃんの顔に何かついてる?」
歩夢「もう、変な○○君」
歩夢「えっ……?」
歩夢「それ、本当……?」
歩夢「……!」パアア!
歩夢「うん! 今度は君から誘ってね!」 『いつかきっとこの宝物を』
歩夢「うわぁー! すごく立派な桜の木!」
歩夢「大きいねー」
歩夢「他に人もいないし、お花見するには最適だね」
歩夢「それじゃあ、レジャーシート広げよっか」
……
歩夢「それにしても、よくこんな穴場知ってたねえ」
歩夢「サイクリングしてたら、たまたまここを見つけたの?」
歩夢「そうだったんだ」
歩夢「そっかぁ……てっきりお姉ちゃん、君が私のために穴場のお花見スポットを探してくれたんだと思ってたよ」シクシク 歩夢「ふふっ……なんちゃって。ちょっとふざけてみました」
歩夢「サイクリングで君がこんなに高い山に登るわけないもんね」クスクス
歩夢「○○君のことなら、お姉ちゃんなんでもお見通しなんだよ?」
歩夢「『桜の樹の下には死体が埋まっている』……? も、もう! いきなりそんな怖いこと言わないでよぉ!」
歩夢「昔の小説でしょ? お姉ちゃんだってそれくらい知ってるんだから」
歩夢「ちょっとからかっただけなのに……○○君の意地悪!」
……
歩夢「はい、お酒お注ぎしますねー」
歩夢「なんて、冗談だよ。ただのサイダーだから安心して?」
歩夢「はぁい、乾杯♪」
歩夢「……ふぅ」
歩夢「本当に綺麗だねー」
歩夢「ひらひらって、桜の花びらが雪みたいに降ってきて……」 ヒラリ…ポチャ
歩夢「……あ」
歩夢「あははっ、○○君のコップの中に落ちた! こんなことって本当にあるんだね」
歩夢「わわっ、私のコップにも!」
歩夢「……綺麗」
歩夢「……って、花びらがたくさん落ちてくるよぉ!?」
歩夢「もう……風が吹いたせいかな?」
歩夢「ふふっ、せっかくの風情が台無しだね」
歩夢「でも、せっかくだから撮ろっか。記念写真」
歩夢「もちろん! 忘れたりなんかしないよ?」
歩夢「君からもらった、このカメラ……」
歩夢「お姉ちゃんの大事な宝物だもん!」
…… 歩夢「……」ボーッ
歩夢「楽しかったね……」
歩夢「さっきの……桜の樹の下には死体が埋まってるって話」
歩夢「ちょっとロマンチックだなって思った」
歩夢「こんなに立派な桜の木の下で、ずっと美しい景色を眺めながら……」
歩夢「思い出の瞬間を、ずっとここに閉じ込めたまま……」
歩夢「……あははっ、ごめんね。お姉ちゃん、浸りすぎちゃった」
歩夢「お姉ちゃんはどこにも消えたりなんかしないよ」
歩夢「だってこの思い出は、ずっとお姉ちゃんと君の心の中に仕舞っておくんだから」
歩夢「大事な宝物は埋めるんじゃなくて、いつでも取り出せるように大切に、そっと仕舞っておくの」
歩夢「それで、大人になったらまた来よう? 一緒にお酒でも飲みながら」
歩夢「酔っ払ったり、色んなお話をしながら」
歩夢「ああ、こんなこともあったなぁって、そのとき二人で語り合おうよ」
歩夢「この桜の木を見上げながら」 ここまで付き合ってくださってありがとうございました!
歩夢お姉ちゃんの夢を見ながら寝ます ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています