かすみ「降り注いだきれいなそれは」
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私は桜坂しずく、高校2年生です。今日は日曜日で、私の家にかすみさんが遊びに来ています。
かすみ「ねえしず子、しず子にお手紙書いたからあげる」
かすみさんは私の部屋に入るなりそう言うと、封筒を渡してきました。なんだろう。
しずく「えっ、なになに?……開けていい?」ワクワク
かすみ「……うん、いいよ」
しずく「やったぁ!…ええっと何々……?」ガサガサ ピラッ しとしとと雨が降る
いずれは止むだろう
でもこの雨粒、キラキラしてて
私はかがやくこの粒が
とってもすばらしく感じる
降り注いだきれいなそれは、私の宝物
しずく「…………」
かすみ「…………」
しずく「かすみさんってポエマー?」
かすみ「ポエマー言わないで!」
しずく「……これ、私にくれるの?」
かすみ「まあ、きまぐれに思い浮かんだものだけど」
しずく「ふふっ、そういうことにしておくね。ありがとう♪」ニコッ かすみ「ねえ覚えてる?しず子」
しずく「いきなり歩夢さんみたいなこと言いだしてどうしたの」
かすみ「去年かすみんがしず子に発破をかけた言葉、あるじゃん」
しずく「かすみさん、『発破をかける』なんて言葉知ってたんだ。偉い偉い」ナデナデ
かすみ「えへへ〜♡かすみん、しず子に頭なでなでされるの好きぃ〜♡」ニコニコ
しずく「私もかすみさんの頭なでなでするの好きだよ♡」ナデナデ かすみ「──じゃなくて!失礼だよしず子!」クワッ
しずく「いまさら何言ってるの。私とかすみさんの仲でしょ?」
かすみ「話が脱線したと思ったら戻ってきた!……そう、覚えてるんだ」
しずく「あの時のことは一言一句違わず全て覚えてるけど」
かすみ「…そうなんだ//それもなんか恥ずかしいけど、嬉しくもあるかも」
しずく「それで?どうしたの?」
かすみ「気になる?」
しずく「何が?」 かすみ「エル・アイ・ケー・イーなのかエル・オー・ブイ・イーなのか」
しずく「…………」
かすみ「…………」
しずく「かすみさん、どっちも綴り間違えなかったね♪偉い偉い♡」ナデナデ
かすみ「えへへ〜、そんな〜っ♡」ニコニコ
かすみ「……ちっがーう!さっきから馬鹿にし過ぎだよしず子ぉ!」ムキーッ
しずく「ごめんごめん」テヘッ
かすみ「……でも、頭撫でてくれるのは嬉しい。いつもありがとね」ニコッ
しずく「ふふっ、よかった♪」 かすみ「ねえ、しず子」
しずく「何?」
かすみ「女性同士での恋愛ってどう思う?」
しずく「……え?」
しずく「…………」
しずく「本当に好きだったら異性でも同性でも関係ないんじゃないかな」
かすみ「しず子的にはいいってこと?」
しずく「まあ、そうかな」
かすみ「さっすがしず子、分かってるじゃん♪」 しずく「ねえ、どうしてそんなこと聞……」
かすみ「じゃあさじゃあさ、本当に好きな人だったら相手が女の子でもキスするのは問題ない?」
しずく「それって私のこと?かすみさんのこと?」
かすみ「しず子はどうなのかなって」
しずく「かすみさんはありなの?」
かすみ「私?私はいいと思うよ」
しずく「へえ……そうなんだ」 かすみ「しず子は?」
しずく「恋愛と同じでしょ。キスだって、それ以上の関係だって、同性でも恋人同士なら良いんじゃないかな」
かすみ「そっか。よかった」
しずく「……ねえ、かすみさんって好きな人いるの?」
かすみ「……いないよ」
しずく「何その間」
かすみ「じゃあそういうことで」スクッ
しずく「かすみさん、せっかく遊びに来てくれたのにもう帰っちゃうの?」
かすみ「……」スッ しずく「はぁ……侑先輩かぁ…」
かすみ「ううん、侑先輩は好きだけどそういう好きじゃないよ」
しずく「……ふーん、意外」ホッ
かすみ「じゃあそういうことで」スクッ
しずく「待って」ガシッ
かすみ「何?」
しずく「一々立ち上がらなくていいから。大人しく座ってて」
かすみ「ちぇー、しょうがないなぁ」スッ しずく「その人は私の知ってる人?特徴は?」
かすみ「だからいないって」
しずく「特徴!」
かすみ「……仕方ない」
かすみ「優しくて、面倒見がよくて、かすみんのこと大事にしてくれて、髪を括ってて、とっても綺麗な、私の大好きな人」
しずく「……やっぱり侑先輩じゃん!」
かすみ「どうしてそうなるの!?確かに両サイドで髪を括ってるけど!」
しずく「はい!質問!」 かすみ「…なんですか」
しずく「かすみさんに大好きだと言ってもらった人から、もしもキスしたいと言われたら」
しずく「かすみさんはどうしますか」
かすみ「……いいの?」
しずく「……」コクン
かすみ「……」
しずく「……」 かすみ「じゃあするけど……その前に言っておくよ」
かすみ「私は桜坂しずくのこと、大好きだから」
しずく「うん」
かすみ「LikeじゃなくてLoveだから」
しずく「うん」
かすみ「もしもしず子がよかったら、受け入れてくれると嬉しいな」
しずく「うん……分かった」
チュッ かすみ「……しちゃったね///」モジモジ
しずく「そうだね…///」テレテレ
かすみ「受け入れてくれて嬉しいよ、しず子…」
かすみ「しず子とキスしたいって、ほんとはずっと思ってたんだ」
しずく「私からも言わせてくれる?」
かすみ「うん」
しずく「かすみさん。私もかすみさんのこと、大好きだよ。よかったら、私とお付き合いして頂けませんか?」
かすみ「〜っ!///しず子ぉっ!!」ギュー-ッ
しずく「きゃっ!?//ちょっと、かすみさん//」
かすみ「もちろんだよしず子!大好きっ!」
おしまい 〜おまけ〜
かすみ「ちなみに今日が何の日か、しず子は知ってた?」
しずく「キスの日でしょ?」
かすみ「うぐっ、さっすがしず子……」
しずく「今日5月23日は昭和21年に、日本で初めてキスシーンが登場する映画があって──」ペラペラ
かすみ「ストーップ!よくできましたー、偉い偉いっ」ナデナデ
しずく「ちょっと!人がまだしゃべってるでしょ!」プクーッ かすみ「しず子はどんな顔してても可愛いよ〜、よしよし♡大好きっ♡」ナデナデ
しずく「……たまにはなでられる側に回るのもアリだね……!♡」フニャリ
かすみ「……ふっふっふ〜、ちなみに今日は、もう1つ…」ナデナデ
しずく「ラブレターの日でしょ?」
かすみ「しず子、映画関連強すぎ!」
しずく「恋文の語呂合わせで、浅田次郎原作の映画『ラブ・レター』の公開初日で──」ペラペラ かすみ「じゃあ、かすみんが最初に渡したあれも……気付いてた?」
しずく「雫がキラキラしてて、輝いてて、素晴らしくて、奇麗な、かすみさんの宝物だって?」ニヤニヤ
かすみ「あああ、恥ずかしいぃ!///」バタバタ
しずく「ついでに斜め読みで、『し・ず・こ・が・す・き』♡」
しずく「ふふっ、嬉しかったよ♡かすみさん♪」ニコッ
かすみ「全部バレてたぁ!?///」カァァァ
しずく「単純すぎて丸わかりだよ」クスクス
しずく「でも、ありがと♪」
──私も、そんなかすみさんのことが、大好きだよ。
おしまい 展開は読めてたけど良かった
日付ネタしずかすありがとう ₍₍ jΣงミイ˶^ ᴗ^˶リว ⁾⁾ 💙
₍₍ 从cงι˘σᴗσ˘ว ⁾⁾ 💛 よかったわ乙
キスの日とラブレターの日が同じとか妄想の捗る日だな かすみなりに一生懸命考えて紡いだ言葉なんだから例え単純で丸分かりでもしず子からすりゃ嬉しいに決まってるよなぁ >>26
これ外人のイリーガル翻訳じゃなくて公式なの? これは良いしずかす
癒やされる
>>34
公式だよ
BD5巻8話の英語字幕 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています