璃奈「かすかす、お手」 かすかす「わんっ」
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彼方「こんばんは璃奈ちゃん。かわいい犬さんだね〜」
エマ「散歩中だったの?」
璃奈「そうなの。ね、かすかす?」
かすかす「ぅわん!」
璃奈「ふふ、かすかすいいこいいこ」
かすみ「待てこらりな子。おかしいでしょ」 璃奈「え、何がおかしかった……?」
かすみ「なにもかも! だいたいどこの世界に、愛犬にかすかすなんて名前つける飼い主がいるの!」
彼方「まあまあ。命名センスは人それぞれだから〜。ほら、しずくちゃんは演劇にちなんだ名前を付けてるし、ポチとかハチとか付ける人もいるし」
エマ「ていうかその子は璃奈ちゃんの家の犬なの?」
璃奈「ううん。親戚の人が急に出張に出ることになって、それで昨日から預かってるんだ。今は散歩中。かすかすは、毎日の運動を欠かさない頑張り屋さんだから」
かすみ「こっち見て言うのやめてくんない?」 璃奈「別に変な意味はない。人の目を見て話せって言われて育ってきたから」
かすみ「明日からボード付けてるとこ見かけたら引っぺがすからね」
璃奈「かすかす、かすみちゃんがいじめてくるよ。璃奈ちゃんボード『くすん』」
かすかす「くぅ〜ん」ペロペロ
璃奈「ふふっ、くすぐったいよ、かすかす。かすかすは優しいね」
彼方「うんうん。微笑ましい光景だねえ」
エマ「心がぽかぽかしてくるよ〜」
かすみ「わたしの心は少しもぽかぽかしてないんですけど!?」 璃奈「仕方ない。かすかす、かすみちゃんにもぽかぽかを分けてあげて」
かすかす「わんわん!」
かすみ「かすか……じゃなかった。この犬がかわいいのは認めるけど! そうじゃなくておかしいでしょって! だいたいどうしてかすかすなのっ」
璃奈「それは……かすかすの色が黄色っぽい茶色だから」
かすみ「だから?」
璃奈「カステラみたいな色。それから、カスタードクリームみたいな色。それで二つの言葉の先頭を取ってかすかす」
エマ「そっかあ。美味しそうな名前つけてもらってよかったね、かすかす」
彼方「なるほどねえ。そういうことなら完全に納得だよ〜」
かすみ「一ミリも納得いかないですけど!?」 璃奈「かすみちゃん。そんなにカリカリしないで、かすかすと遊んであげてほしい。とっても優しくて良い子だから」
かすみ「うっ、それはなんていうか、見てればわかるけどさ……」
かすかす「はっはっ……」キラキラ
彼方「かすみちゃん、かすかすも期待のまなざしで見つめてるよ」
エマ「撫でてあげたらどうかな?」
かすみ「うう……噛んだりしない?」
璃奈「しない。かすかすは良い子だし、撫でられるのも好き。それに、撫でてるとこっちまで心地良くなってくる」
かすみ「まあ、りな子がそこまで言うなら……」ナデナデ かすかす「わん! わん! きゃふう!」
彼方「ふふっ、かすかすも大喜びだね〜」
エマ「本当に見てるだけで楽しくなってくるよ〜。かすみちゃんの手を舐めたりして、すっかり通じ合ってるね」
璃奈「かすみちゃんはどう? かすかすにぺろぺろされるとうれしくない……?」
かすみ「そ、そうは言ってないでしょ……かすか、このわんちゃんはかわいいって思うし」
璃奈「良かったね、かすかす。かすみちゃんもかすかすのことかわいいって。わたしもそう思うよ」
かすみ「だからこっち見て言うなっての」 エマ「それにしても、璃奈ちゃんとかすかすはとっても仲良しさんなんだね」
彼方「昨日からってことは、まだ一日くらいしか一緒にいないんでしょ?」
璃奈「うん、昨日の夜にはじめて会った。かすかすのこと、すぐに大好きになった」
かすみ「あっそ//」
璃奈「わたしたち、会えて良かった。ね、かすかす」
かすかす「わん! わん!」スリスリ
彼方「運命の出会い、だね〜」
エマ「ほんとロマンチックだよ〜」
かすみ「ネーミングセンスのせいで台無しですけどね」 璃奈「かすかす、今日は一緒に寝ようね」
かすかす「わん!」
璃奈「かすかす、かわいいよ」
かすかす「わふん」
璃奈「かすかす、大好きだよ」
かすかす「きゅぅん……///」
かすみ「わざとやってるだろお前ら」 璃奈「……かすみちゃんは考えすぎ。わたしはかすかすを可愛がってるだけ――」
??「あっ、いたいた。璃奈ちゃーん」
璃奈「え、えっ? 叔母さん、どうしてここに……?」
璃奈叔母「それが出張が急遽取りやめになっちゃってね。ほら、最近の事情を鑑みてってことらしいんだけど」
璃奈「あわ、あわわわ。そ、そうなんだ。それじゃわたしたちはこれで――」
かすかす「わんわん! わんわん!」
璃奈叔母「まあリオンったら、璃奈ちゃんに散歩してもらってはしゃいじゃって。よっぱど楽しかったのね」
エマ「あれ?」
彼方「おやぁ?」 かすみ「リオン……?」
璃奈「ち、違うの」
璃奈叔母「あ、そうそう。それでせっかく散歩してくれた璃奈ちゃんには悪いんだけど、わたしたち家に帰ることになって。リオンもこのまま連れていきたいんだけどいいかしら?」
璃奈「う、うん。家族と一緒にいるのが一番だと思うから、それはいいけど……」
璃奈叔母「ごめんなさいね。近くに寄ったら遊びに行くから、ぜひまたリオンと遊んであげてちょうだい」
璃奈「わかった。ばいばい、かすか……リオン」
彼方「認めた」
エマ「認めたね」
かすみ「…………」 彼方「行っちゃったね。かわいい犬さんだったな〜」
エマ「そうだねえ。かわいい犬さんだったね」
かすみ「……」ジーッ
璃奈「違うから。今のはそういうのじゃないから」
かすみ「……」ジーッ
璃奈「みんな、絶対勘違いしてるから」
彼方「……かすかす、いいこいいこ」ボソッ
璃奈「〜〜っ///」 エマ「ま、まあまあみんな。璃奈ちゃんにもいろいろ理由があったんだよ。ね、璃奈ちゃん」
璃奈「そっ、そうなの。いろいろあったの」
エマ「ふふっ……だからその誤解を解くためにも、どうしてリオンをかすみちゃんのあだ名で呼んでたか、ちゃんとわたしたちに教えてくれないとね?」
彼方「悪魔かな」
かすみ「ていうかそれは断じてわたしのあだ名じゃないですけどね」
璃奈「り、理由なんて別にない。ちょっとかすみちゃんをからかっただけ」
彼方「……かすかすは頑張り屋さんだから」ボソッ
璃奈「〜〜〜〜〜っっっ//////」 エマ「璃奈ちゃん」ポンポン
璃奈「かっ、肩に手を置かれても絶対違うから」
彼方「言いたいこと、たくさんあったんだね〜」ナデナデ
璃奈「違うの……違うんです」
かすみ「直接言ってくれればよかったのに……//」プイッ
璃奈「か、かすみちゃんに言うことなんて、何もないし」
かすみ「へえ、そうなんだ――わたしもりな子のこと、優しくていい子だって思ってるのになあ?」
璃奈「も、じゃない! それはリオンに言っただけ!」
かすみ「……よかったね、かすかす。かすみちゃんもかすかすのことかわいいって。わたしもそう思うよ」ボソッ
璃奈「あああああああああああ」ゴロゴロゴロゴロ エマ「ちょ、璃奈ちゃん落ち着いて。ここ屋外だよ!?」
彼方「ほら立って。かわいい服が汚れちゃってるよ」
璃奈「……わかった」ムクリ
かすみ「お、急に素直になった」
璃奈「今のは全部幻。わたしがみんなに幻覚を見せるスイッチを作って、侑さんが悪戯で押した。みんなが悪い夢から覚めることが出来て本当によかった」キリッ
かすみ「とんでもないこと言いだしたな」
彼方「けどスケールがめちゃくちゃすぎて理詰めで反論しにくいのは確かかも」
エマ「璃奈ちゃん璃奈ちゃん」
璃奈「なに?」 エマ「ごめんね。これなんだけど……」ポチッ
『かすかすのこと、すぐに大好きになった』
『あっそ//』
『わたしたち、会えて良かった。ね、かすかす』
璃奈「なんで撮ってるの…………消して……その動画、消してください……」 エマ「本当にごめんね。わんちゃんと戯れる璃奈ちゃんが本当に可愛かったから、これは撮らなきゃ! って思って」
彼方「ふふ〜、璃奈ちゃんお顔が真っ赤っかだね〜」
エマ「素直なのが一番だよ、璃奈ちゃん」
璃奈「ううううううう」
かすみ「まあまあ先輩たち。あんまりりな子をいじめないでやってください」
彼方「お、かすみちゃんが優しいぞ」
エマ「心なし表情もイケメン風なような」
璃奈「かすみちゃん……! わかってくれた……!?」パァァッッ
かすみ「うん、よくわかった。りな子を困らせたりして、かすみんたちちょっと意地悪だったかもしれないね」
璃奈「よかった。さすがかすみちゃん!」
かすみ「だからお詫びに…………今日は一緒に寝てあげよっか?」
璃奈「わかってない! なんにもわかってない! 」ポカポカポカポカ 彼方「もう璃奈ちゃんってば可愛いんだから〜。かすみちゃんに渡したくなくなっちゃうな〜」ナデナデ
璃奈「ち、ちが……」
かすみ「……」
エマ「新しい犬さん連れてきたら、今度はエマってあだ名つけてもいいよ?」
璃奈「だからそういうのじゃなくって」
かすみ「あっ、いけない。さすがにかすみんそろそろ帰らないと――」
璃奈「そ、そう! みんな帰らないと家族が心配する!」
彼方「あーたしかに。遥ちゃんのお夕飯作らなきゃ……」
璃奈「それじゃまたね。みんな、おやすみなさい。ばいばい」ダダッ
エマ「逃げた」
彼方「逃げたねえ」 かすみ「ま、まあいいじゃないですか。帰らないといけない時間なのは本当ですし」
エマ「そうだね。わたしも帰って課題やらなくちゃなあ」
彼方「彼方ちゃんも、帰ったら予習復習だよ〜」
かすみ「…………」
エマ「かすみちゃん、スマホがどうかしたの?」
かすみ「うえっ、な、なんでもないですぅ。ちょっと時間を確認しただけで」
彼方「うわ、もう七時前だよ〜。本当に帰らないとだね〜」
かすみ「ですね。それじゃ今日もありがとうございました、また明日ですっ//」
エマ「? そうだね、また明日ね、かすみちゃん、彼方ちゃん」
彼方「またね〜。明日も頑張ろうね〜」 ・
・
・
璃奈「はぁ……はぁ……これだけ離れたら大丈夫だよね……」
璃奈「それにしても、はぁ……大変な目にあった……」
璃奈「まあ、自業自得だけど……」
璃奈(……まさか出張が取りやめになるなんて思ってなかった)
璃奈(もうこういうのはやめよ……急に思いついてやっちゃったけど、慣れないことをするのはよくない)
璃奈(それにしても……)
璃奈(かすみちゃん、わたしのこと嫌な子だって思わなかったかな……)
璃奈(明日、どんな顔して会えばいいか、全然わからないや……) ピロン♪
璃奈「スマホ? なんだろ……?」
从|| ˶╹ヮ╹˶||从
[ ○ ]
璃奈「わたしのスタンプ……? かすみちゃんから?」
璃奈「○……?」
璃奈「まるってなに……?」
璃奈「OKってこと……? なにが……?」
璃奈「…………」
璃奈「……」
璃奈「!」
おしまい >>29
お泊り○でも交際○でも怒ってないよでも自由に解釈してくださいのつもりだったんですけどちょっとわかりにくかったですね
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