かすみ「宝くじ」
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かすみ「るんるんる〜ん。ん〜良い天気だな〜今日も一日頑張る…ん?」
ヒラ〜
かすみ「なんか飛んで来た…。なんだろう……宝くじ?」
キョロキョロ
かすみ「誰も居ない。どこから飛んで来たんだろう」 部室
かすみ「ん〜どうしようかな。届けるって言ってもな〜………まさか当たってたりしないよね?」
ピッピッピッ
かすみ「えっと……うん…うん…………………いやいや………うん…………嘘……」 かすみ「3億円当たってる………間違いじゃない。確かに当たってる……どうしよう…かすみん…私…億万長者…」
ガチャ
しずく「あっ!かすみさんこんな所に居た!」
かすみ「あっ…し、しず子…」
しずく「も〜探したんだよ」
かすみ「どどどどどうしたの?」
しずく「どうしたのはこっちの台詞だけど…何かあったの?」 かすみ「なななな何もないよ〜」
しずく「何かある人の反応だと思うけど…」
かすみ「本当に何もないから…」
しずく「へ〜…じゃあそれ…何?」
かすみ「え?あれ?」
しずく「ほら〜何か隠してる」
かすみ「へ?あ…かまかけたなぁ…」 ガチャ
彼方「何やら盛り上がってるね〜」
侑「何かあったの?」
しずく「侑さん、彼方さん。珍しい組み合わせで来ましたね」
彼方「さっきそこで会ったんだよ。そんな事より…何盛り上がってたの?」
かすみ「何でもないですよ」
しずく「かすみさんが何か隠してるんです」 彼方「へ〜何やらかしたの?」
かすみ「何もやらかしてませんから」
侑「一緒に謝りに行ってあげようか?」
かすみ「だから何もしてないですってば」
彼方「じゃあ何を隠してるの?」
かすみ「それは……」
彼方「それは?」 かすみ「しず子…もしかすみんが遠く行ってしまっても…しず子は友達で居てくれる?」
しずく「かすみさん…?まさか……」
かすみ「うん」
しずく「やっぱり留年しそうなの?」
かすみ「違わい!!!」
しずく「え?」
かすみ「かすみんは留年なんてしないよぉ」
しずく「でも赤点あったし」
かすみ「ちゃんと補習受けてるから大丈夫なの」
彼方「偉そうに言う事じゃないよね」 しずく「じゃあ…どう言う意味なの?」
かすみ「だから…その…せつ菜先輩には言わないって約束してくれますか?」
侑「せつ菜ちゃん?」
彼方「やっぱり何かやらかしたんだ?」
かすみ「違います」
侑「じゃあなんでせつ菜ちゃんに秘密なの?」
かすみ「それは…」
彼方「も〜早く言っちゃいなよ」 かすみ「実は…これを拾ったんですよ」
しずく「え?これって…」
侑「宝くじ?」
かすみ「そうなんです。でも…ただの宝くじじゃないんです」
彼方「まさか一等当選してるとか?」
しずく「まさか」
かすみ「………」
侑「そのまさかなの?」
かすみ「……へへ」 しずく「いくら?」
かすみ「3…」
彼方「3千万…?」
かすみ「違う」フルフル
侑「3億?」
かすみ「……」コクリ
しずく「ええ…」 かすみ「どうしよう。かすみん明日から億万長者になっちゃうよ。どうしようどうしよう」
しずく「見間違いじゃないの?」
かすみ「見間違いじゃない。ほら見て」
しずく「どれ………あ……」
かすみ「ね?」
しずく「うん」 彼方「あの〜かすみさん」
かすみ「はい?」
彼方「いえ…かすみ様。肩とかお揉みしましょうか?」
しずく「露骨…」
侑「待って…3億円って…0がいくつ?」
かすみ「分からないです。とにかく沢山です」 侑「えっと…ひい…ふう…みい……なんか数字に酔いそう…」
かすみ「かすみんも若干気持ち悪いです」
彼方「人間大金を目の前にするとそんな事になるんだね」 かすみ「3億あったら一生遊んで暮らせますかね?」
侑「それは無理じゃないかな?」
かすみ「え〜3億あってもダメですか?」
侑「ちょっと心許ないよね」
かすみ「そうですか…思ったより大した事ないんだなぁ」
彼方「代わりに貰ってあげようか?」
かすみ「ダメです。これはかすみんのですから」 しずく「あの…」
かすみ「どうしたの?しず子にはちゃんと美味し物をご馳走…」
しずく「それ…交番に届かなきゃダメじゃない?」
かすみ「え?」
しずく「拾ったんでしょ?」 かすみ「……そうだっけ?」
しずく「さっき拾ったって言ってたよ。ネコババはダメだよ」
かすみ「ネコババなんて人聞きの悪い…」
しずく「だってそうでしょ?だからせつ菜さんにさ内緒って…」
かすみ「うっ…それは…」 しずく「一緒に行ってあげるから」
かすみ「よく考えてしず子」
しずく「え?」
かすみ「こんなの交番に届けた所で持ち主見つからないよ」
しずく「そんなの分からない」
かすみ「分かるよ」 しずく「ネコババは犯罪だよ?」
かすみ「犯罪!!?そんな大袈裟な…」
しずく「大袈裟じゃないと思うけど。3億なんて大金、すぐに足がつく」
かすみ「え…」
しずく「そしたら同好会も…と言うか大学だよ」
かすみ「大学…」 しずく「何より良心が痛まない?」
かすみ「良心?」
彼方「正しく動こうとする心の働きの事だよ」
かすみ「良心の意味は分かってます。そこまでおバカじゃないです」
侑「確かに。本来なら落とした人が大金を手に入れてるはずなんだもんね」
しずく「そうですよ。かすみさんが届けるかどうかでその人の人生が変わるかもしれないんだよ?」
かすみ「うっ…」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています