エマと彼方とは知り合って長い訳じゃないけど、今じゃすっかり仲良しの友達で。
そんな二人と島に帰るのは、少し恥ずかしい気持ちもあるけど、それ以上に嬉しさや楽しみに思う気持ちもあったり。

「本当にびっくりしたんだから。次はやめてよね?」

「ごめんなさ〜い」と笑いながらぺこぺこ謝る二人。
二人の顔に反省の色は全く見られないけど……まあ、もういいわ。
ここで怒ったりしても仕方ないしね。

「さ、そろそろ時間だし行きましょ?」

「うん!」

「彼方ちゃん船なんて久々だよ〜。ワクワクしちゃう」

ターミナルを抜けて埠頭に行くと、いつもの船が待ち構えていた。
船は二人よりは慣れてると思うけど、それでも乗船する瞬間は私もワクワクする。
夜だし、どことなく非日常感があって好きなのよね。
それが私が船で島に帰る理由の一つ。