かすみ「天使と悪魔」
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かすみ「ふんふんふ〜ん。ん?………あ、あれは…1000円札…」
キョロキョロ
ササッ
かすみ「ふう…」
かすみ「思わず拾ってしまった」 かすみ「どうしようかな。落として困ってる人が居るかもしれないし交番に……」
悪魔かすみん「そんなもん届けたって持ち主は現れないよ」
かすみ「だ、誰?」
悪魔かすみん「私は悪魔かすみん」
かすみ「悪魔かすみん!!?」
悪魔かすみん「ネコババしちゃえば良いんだよ。有意義に使った方が持ち主も浮かばれるって。それで美味しい物でも食べに行こう」
かすみ「そうだよね。どうせ届けたって持ち主は現れないよね。それなら貰っちゃった方が…」
天使かすみん「ダメだよ。きっと持ち主は必死に探してるよ」
かすみ「ええ…今度誰?もしかして天使?」 天使かすみん「そう。私はあなたの心中に潜む天使。ネコババは絶対にダメ。ちゃんと交番に届けるべきよ」
かすみ「う〜ん。確かに」
悪魔かすみん「うるさいなぁ。貰ってしまえばいいんだよ。好きなもん買おうぜ。な?貰っちまえよかすかす」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんなんだけど。う〜ん…欲しいものを…」
天使かすみん「言いなりになっちゃダメよかすかす。本当に欲しい物は自分の力で手に入れるの」
かすみ「だからかすかすじゃないって。え?なんで自分の心にまでかすかすって言われるの?」 悪魔かすみん「お前は引っ込んでろよ」
天使かすみん「そっちこそかすかすを悪の道に誘わないで」
かすみ「うぅ…喧嘩しないで。頭が痛くなる」
天使かすみん「だいたいネコババは犯罪よ」
かすみ「え?犯罪…」
悪魔かすみん「見つかりっこないさ」
天使かすみ「けど見つかったら捕まるわよ」
法律家かすみん「その通りです」
かすみ「新しいのが来た!!?」
法律家かすみん「私は法律家かすみん」
かすみ「法律家!!?なにそれ?」
法律家かすみん「ネコババは刑法第254条の規定により遺失物横領罪にあたり捕まれば1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料に処されます」 かすみ「ええっ!?懲役…罰金…」
天使かすみん「そんな事になったら退学よ。届けるべきよ。何より持ち主の為に」
法律家かすみん「その通り。法律は守るべきです」
かすみ「そ、そうだよね。うん。届けよう」
悪魔かすみん「バカ。見つかりっこないって言ってるだろ?だいたいネコババしたって名前が書いてある訳じゃないから証拠もないし」
かすみ「確かに。持ち主だって自分のお金だって分からないよね」
悪魔かすみん「そうそう」
天使かすみん「見つからないから良いって訳じゃないでしょ。困ってる人が居るんだから」 悪魔かすみん「知ったこっちゃないよ」
天使かすみん「ネコババなんてして胸を張って友達や家族と付き合う事が出来る?きっと皆んな軽蔑する」
かすみ「軽蔑…それは…」
天使かすみん「あなたはネコババなんて出来る人間じゃない」
せつ菜「その通りです」
かすみ「えっ!!?」
せつ菜「私はかすみさんの心の中に住むせつ菜」
かすみ「なんでせつ菜先輩が私の心の中に住んでるんですか!!?」 せつ菜「かすみさんはネコババなんてしません。私は信じています」
天使かすみん「その通り」
かすみ「ちょっと待って下さい。なんでせつ菜先輩…」
ネガティブかすみん「ふっ…きっとネコババして捕まればいいんだ。そして世界が滅びればいいんだ」
かすみ「また新しいの来た!!?何人居るの?」
アホかすみん「1000円あれば一生遊んで暮らせるよ〜あはは〜」
悪魔「そうだそうだ。ネコババしちゃえ」
天使かすみん「そんな訳ないでしょ」 ネガティブかすみん「悪魔を心に宿すなんて私はなんてダメな人間なんだろう」
せつ菜「ダメな人間なんて居ません。顔を上げて下さい」
おじさん「そうやお前ダメな人間なんてこの世には存在せえへんやんけ。お前その1000円を100倍にしてやるからちょっと貸してくれやあ」
かすみ「いやぁぁぁぁぁぁ。かすみんの心の中にあんなおじさん住んでいないです!!!!」
おじさん「なんやお前俺のことえへへ」
かすみ「絶対違う。絶対違う」 かすかす「もう普通に貰っちゃおう」
かすみ「今度誰なの!!?」
かすかす「私はかすかすだよ。良いじゃん貰っちゃおうよ」
悪魔かすみん「そうだそうだ」
かすみ「悪魔との違いがわからない!!?」 悪魔「さあどうするかすかす」
かすみ「だからかすかすじゃなくてかすみんだって」
かすかす「かすかすは私だよ」
せつ菜「ややこしいですね」
かすみ「それはかすみんのセリフです」
おじさん「おめぇ酒買って来てくれや」
法律家かすみん「未成年へのアルコールの販売は法律で禁止されています」
おじさん「うるせぇな」
かすみ「嫌だ。あの人だけは絶対に違う」 帝王かすみん「ふふっ。気に入らない奴は皆殺しだよ。綺麗な花火にして差し上げましょう」
かすみ「なんか物騒なの来た」
天使かすみん「そんな事しちゃダメだよ」
かすみ「しないよ!!?」
法律家かすみん「殺人は刑法199条…」
帝王かすみん「ふふっ…まったく人をイライラさせるのが上手い奴らだ」
おじさん「そんな事よりおめぇ誰だぁ?」
かすみ「それもかすみんのセリフ…」 アホかすみん「あはは。なんだか楽しくなって来た〜」
かすみ「全然楽しくない」
ネガティブかすみん「全然楽しくない…死にたい」
せつ菜「そんな事言わないで下さい。私のライブを見に来てください。きっと楽しいと言わせて見せます」
かすみ「かすみんの心の中で何を言ってるんですか」 学級委員長かすみん「ちょっと皆んな。落ち着いて。かすかすが困ってる」
天使かすみん「委員長…」
かすみ「だからかすみんだって。てか委員長って…」
かすかす「かすかすは私」
委員長「こう言う時は多数決にしましょう」
アホかすみん「何を決めるの〜?」
かすかす「そう言えばなんだっけ?」 おじさん「うっ…うぅ…」
かすみ「へ?」
せつ菜「ど、どうしました?大丈夫ですか?」
おじさん「うぅ…く、苦しい…」
かすみ「えぇ…」
学級委員長かすみん「どなたかこの中にお医者様は居ませんかーーー」 かすみ「えぇ…急展開…けどこの流れなら…」
シーーーン
かすみ「居ない!!?医者かすみんは居ないの?」
せつ菜「はい!!!」
かすみ「へ?」
せつ菜「私は医者です」
かすみ「いやいや。せつ菜先輩はお医者さんじゃないでしょ」
せつ菜「じゃあここで手をこまねいているのですか!!?そんな事してる時間はないでしょう」 法律家かすみん「無資格での医療行為は医師法に反します」
せつ菜「なっ…」
法律家かすみん「しかし。今の私はバッジを外してる。だから今は法律家じゃあない」
せつ菜「法律家かすみんさん…」
天使かすみん「だったら白衣の天使も必要だよね」 帝王かすみん「ふっ、そいつを始末するのは私の役目です。勝手には死なせません」
悪魔かすみん「右に同じく」
アホかすみん「じゃあ私は皆んながリラックス出来る様にお歌を歌うよ」
かすかす「私も」
かすみ「え?それ必要?」
せつ菜「皆さん。ありがとうございます」
かすみ「ええ…せつ菜本当に大丈夫なんですか?」 せつ菜「ブラックジャックが私の愛読書です」
かすみ「ええ…それって漫画ですよね」
おじさん「うぅ…」
せつ菜「もう時間がありません。早く」
かすみ「早くって言われても。どうすれば良いんですか?せつ菜先輩ーーーー」 せつ菜「何ですか?」
かすみ「へ?」
せつ菜「いや…どうしたんですか?」
しずく「かすみさん…大丈夫?」
かすみ「あれ?しず子まで…おじさんは?」
せつ菜「おじさん?誰か居たんですか?」
かすみ「いや……あっ!1000円拾いました。ラッキーですね!」
せつ菜「交番に届けなきゃダメでしょ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています