テニスの王女様#2
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リ`・ヮ・)ここまでのラブオープン! 从c・ヮ・§ラブオープン出場に向けて動き出した音ノ木坂、浦の星、虹ヶ咲 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ各校とも厳しい大会を勝ち抜けポイントを重ねてラブオープンへと出場を決める リ`・ヮ・)前回大会優勝のUTXの欠場により、三校によるラブオープンが始まる 从c・ヮ・§まずは音ノ木坂と浦の星の試合 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リシングルス5はまさかの矢澤にこさんと黒澤ダイヤさんの主力対決 リ`・ヮ・)にこちゃんがPSYCHIC FIREを使いなんとか勝利! 从c・ヮ・§続くシングルス4も曜ちゃんが穂乃果ちゃんを追い詰めるも浦の星が負けてしまう @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リダブルス2では音ノ木坂ゴールデンペアの花陽ちゃんと凛ちゃんが強力な果南さん、梨子ちゃんペアに勝利 リ`・ヮ・)追い詰められた浦の星のシングルス3 从c・ヮ・§鞠莉ちゃんが希ちゃんにギリギリで勝利 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リダブルス1では花丸ちゃんルビィちゃんペアによる花丸ちゃんのSPスキル発動 リ`・ヮ・)海未ちゃんことりちゃんペアが負けてしまう 从c・ヮ・§そしてシングルス2では善子ちゃんが覚醒して真姫ちゃんに勝利! @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ迎えたシングルス1は絵里さんと千歌ちゃんの試合 リ`・ヮ・)タイブレークまで粘るも絵里ちゃんが勝利し、音ノ木坂がこの試合勝利する 从c・ヮ・§続く二日目、音ノ木坂と虹ヶ咲の試合 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ私と真姫ちゃんによる試合は真姫ちゃんの新技が決まり負けてしまう リ`・ヮ・)シングルス4では海未ちゃんとかすみちゃん、最後にかすみちゃんがきっかけを掴むも海未ちゃんが勝利 从c・ヮ・§ダブルス2はゴールデンペアに対して愛ちゃん璃奈ちゃんペアが追い詰める @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ花陽ちゃんと凛ちゃんがシンクロを発動させるも惜しくも届かず敗北 リ`・ヮ・)シングルス3ではせつ菜ちゃんと絵里ちゃんの試合 从c・ヮ・§お互いSPスキルである百錬自得を切り札に最後は絵里ちゃんが限界を迎えせつ菜ちゃんの勝利 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リダブルス1では果林さんのサーブとエマさんのコピーの超攻撃ダブルス リ`・ヮ・)にこちゃんがコピーに苦しみ希ちゃんの判断で次に繋がる敗北を選ぶ 从c・ヮ・§シングルス2ではしずくちゃんの完璧な演技を見せるもことりちゃんが撃破 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リそしてシングルス1、穂乃果ちゃんと彼方さんの試合 リ`・ヮ・)技を完封されてしまい、私はSPスキル天衣無縫を掴むも追いつけず負けてしまう 从c・ヮ・§そして浦の星と虹ヶ咲が三日目でいよいよぶつかる @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ虹ヶ咲は勝てば優勝、勝敗で並ぼうとする浦の星 リ`・ヮ・)从c・ヮ・§@cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リラブオープンはいよいよ終盤を迎える!! 選手紹介(得意技紹介) 音ノ木坂学院 高坂穂乃果 ライジングリターン:サーブの跳ね上がりを狙う高速リターン 穂乃果☆オンステージ:回転を使い相手のショットの方向を限定させ無理に逆らうとミスをさせる Happy maker:どんなボールもアウトにならずに入る ???:天衣無縫 園田海未 ラブアローシュート:超高速のパッシングショット ラブアローシュート改:ジャイロ回転するラブアローシュート 勇気のreason:失敗を恐れずにどんなタイミングでも挑戦する 南ことり スピカテリブル:驚異的なボディバランスによる打ち方(阿久津のあれみたいな) バード・ジェイル:相手の足元を狙い機動力を奪い釘付けにする Wonderful Rush:相手の回転を利用としてラリーが続くごとにボールが重くなる 西木野真姫 ツイストサーブ:跳ね上がったボールが相手の近くに飛ぶサーブ(リョーマのあれ) ドライブ♭:ネット際の相手に向かって叩きつけるドライブボレー ドライブ♯:ボールが急激に落下するドライブボレー ドライブカンタービレ:打った本人もわからない軌道を描くドライブボレー ローズカーニバル:ツイスト回転するスマッシュ Daring‼︎:いわゆる無我の境地、経験した技を無意識に打てる 小泉花陽 控えめな天使:ダブルス中存在感を消して必要な時に現れる 孤独なheaven:ダブルスパートナーが動けない時に自身の限界を超えたプレーが出来る ムーンボレー:ムーンボレー クレセントムーンボレー:急激に曲がりフォアコートに落ちるムーンボレー ニュームーンボレー:太陽を使い見えなくなるムーンボレー フルムーンボレー:上空で一回転して急激に落下するムーンボレー 花陽の領域:花陽が前衛に出て試合をコントロールする 星空凛 逃がさないにゃ:アクロバットプレーで前衛の相手を徹底マークする 星空バズーカ:ダイビングしながらのスマッシュ 恋のシグナルRin rin rin:凄まじい速さで横移動する、分身したような残像が見える 花陽&凛 同調(シンクロ):お互いの情報、思考が共有できる 東條希 全部お見通しよ:スピチュアルな力による予感(実際は相手の表情、動きを観察してコースなどを予測する) Dancing stars on me:ラケット回転させて掬い上げるように打つことで予測のつかない回転をかけたボールを打つ 絢瀬絵里 絵里はバレエをやってるからね:無駄のない綺麗な動きでテニスをする ホワイト・スワン:落ちた後一切跳ねないドロップショット Angelic Angel:横方向に高速で動くステップ、また打ったボールは軽く感じるも実際には回転がかかり重いボールを打つ 矢澤にこ にっこにこにー:観客の声援が大きいほど強くなり、スーパープレーが出来る PSYCHIC FIRE:打ったボールが戻ってきたり、必ずアウトになったりする(手塚ゾーンと手塚ファントム) 浦の星女学院 高海千歌 プレッシャー:プレッシャーがかかるほど強くなる ギリギリなラインを攻めてみる?:あえてライン上を狙うショット MIRACLE WAVE:原曲通りの動きをしてボールを打つ、大きく揺れたボールは的確に打たない限りラケットが弾かれる 桜内梨子 Strawberry Trapper Trap in Night:わざとスマッシュを打たせて無効化して返す Trap in Dice:拾えるドロップショットを打って急激に落ちるロブを打つ Trap in Heart:チャンスボールを打って相手のトップスピン回転を利用して超スライスボールを打ち弾まないボールを打つ 渡辺曜 全速前進ヨーソロー!:前後への高速移動(縮地) Beginner‘s Sailling:風を読み切りあらゆるショットを打つ 曜ちゃんはすごい:両手打ち、逆手打ちなどのプレーが出来る 他のがすごすぎて曜ちゃんはすごいのすごさがいまいちわからないw 津島善子 ダークネス〜:全て基本通りのショット ダークネスサーブ:クイックサーブやスライスサーブ 高まる闇の力:トップスピンとスライスを交互に打ち相手を麻痺させる Daydream Warrior:ゾーンに入った状態 国木田花丸 未体験HORIZON:ポール回し 未体験HORIZON(サーブ):大きく曲がるほとんど跳ねないスライスサーブ 描いていたミライ:ルビィとのダブルスにより発現する才気煥発 黒澤ルビィ データテニス:データを収集し相手のコース、セリフまで全て予測する Charming Lollipop:浮き上がったボールが急激に落ちる 黒澤ダイヤ 風林火山:いわゆる真田の風林火山 内浦の神楽舞:神楽の舞を踊るようにプレーする風林火山の構えが読み取れない GALAXY HidE and SeeK:相手がコースを予測するのを逆手にとり直前でコースを変えてあるはずのない打球を見せる 松浦果南 HAPPY PARTY TRAIN:打つ度にパワーを増すフラットショット 夏色メロディー:空中で体勢を変えたりリズムに乗ったフェイント 小原鞠莉 New winding road:手元で曲がりラケットを避けるボール トリック・オア・トリック:急激に上にバウンドすることで消えたように見える 虹ヶ咲学園 上原歩夢 Awakeing Promise:試合の流れを読み切り相手の攻めるタイミングがわかる 宴が始まるよ:全く同じフォームから回転を自由に打てるためボールの重さが自由に変える ナックルサーブ:本来は殺人サーブだが現在は相手の位置と逆の方向にバウンドさせるサーブ デビルモード:侑への想いが強すぎて闇堕ちした歩夢 優木せつ菜 CHACE:強い踏み込みの片足スプリットステップ DIVE:ほぼ全てのボールをなんでもスマッシュで返す せつ菜☆スカーレットストーム:百錬自得 宮下愛 サイコーハート:常人離れしたスタミナで走り回る ダンクスマッシュ ジャックナイフ 中須かすみ it's かすみんタイム:強打するボールをアウトやミスショットにする ???:相手が打ったボールがネットを超えない 桜坂しずく 理想のヒロイン:完璧な演技で相手になりきり周りからもそう見える(仁王のイリュージョン) 天王寺璃奈 天才的妙技:ポールに当てたりネットの上を転がすなどの天才的妙技 ドキドキニャンニャン:不意をつく攻撃 ツナガルコネクト:ダブルスパートナーの動き、思考が読み取れるようになる 朝香果林 Firebird:超高速サーブ、バウンド後ほとんど跳ねない ついてこられるかしら?:超攻撃的プレースタイル エマ・ヴェルデ evergreen:純粋な心で相手の技をそのままコピーする 近江彼方 そのボール消えるんだぜー?:急激に曲がることで消えるアンダーサーブ butterfly:どんな姿勢、どんなボールでも予期せぬ場所にドロップボレーを打てる Märchenstar:相手の回転を全て無効化してボールを返す(彼方覚醒時のみ) 完全版Märchenstar:無効化した上でボールの勢いすら無にするボール 高咲侑 NEO SKY,NEO MAP:相手の実力を見抜き相手が対処できないボールを打ち返す SPスキル 基本的にはダブルスにおいて異なる属性の二人の相性がよくボルテージが高まる時に使えるダブルスの奇跡 一人でも無我の境地にたどり着いた者が属性を二つ極めることで使えるようになる 百錬自得:腕にオーラを纏い相手のボールを倍の力で打ち返す 使用者 絢瀬絵里(Force on me)、優木せつ菜(せつ菜☆スカーレットストーム) 才気煥発:試合をシュミレートして、何手でポイントを決めれるかがわかる 使用者 ルビィとのダブルス時の国木田花丸(描いていたミライ) 天衣無縫:全てのボールを返せる、どんなボールも決まるような状態になる 使用者 高坂穂乃果 新スレだし自分はまとめもありがたいかな。元ネタあまり詳しくないから全然把握できてなくて そういえば越前が天衣無縫で勝ってから読まなくなったな〜 その日の夜 音ノ木坂学院宿泊ホテル 穂乃果「あー!もうー!今考えたらフットワークとかもっと序盤は使えばよかったー!!」 穂乃果「穂乃果オンステージとか、使う場面でもそこまでなかったのにー!!」 穂乃果がベッドの上で枕に顔を埋めて足をバタつかせています 真姫「いったい何の騒ぎよ……」 海未「穂乃果は昔から試合で負けるとこうなるんです」 ことり「穂乃果ちゃんなりの反省会なんだけど、今日はちょっと派手かなー」 絵里「穂乃果ー?そろそろ終わりにしなさいよ?」 穂乃果「うぅ……」 にこ「さてと、とりあえずお疲れ様って言いたいんだけど、明日のことを考えないといけないわ」 希「結局明日どういう……」 そこに花陽と凛がダッシュで部屋に入ってくる 花陽「う、運営から連絡来ましたっ!」 凛「一勝一敗で並んだ場合、サドンデスになるから、シングルス3人は出せるようにってことにゃ!」 にこ「3人……」 花陽「形式としては、仮に並んだ場合、うちと浦の星が試合をして、その後うちと虹ヶ咲が試合をするらしいです」 海未「2勝すればその時点で優勝、2敗は3位、一敗だったら、また浦の星と虹ヶ咲どちらかともう一試合ですか」 穂乃果「私!私でるよ!そんなに疲れてないし!」 希「とすると、後は……、あ、わかってると思うけど、にこっちとえりちはダメやからね」 にこ「う……まあそうね」 絵里「仕方ないわね……」 真姫「……」 凛「あれ?真姫ちゃんは手をあげないの?」 真姫「や、やりたいけど、ことりの方がとも思うし……」 にこ「とりあえず穂乃果は決まり、あとは海未、ことり、希、真姫、4人とも出る準備はしとくこと」 希「あれ?うちも?」 にこ「当たり前でしょ、三年生の意地見せなさいよ」 海未「とにかくすべては明日の結果次第ですね」 虹ヶ咲学園内宿泊施設 歩夢「だーめー!」 侑「いーやーだー!」 せつ菜「ど、どうしましたか!?」 果林「いちゃついてるだけだから気にしなくていいわよ」 エマ「彼方ちゃんも寝ちゃったよ」 彼方「すやぴー……」 せつ菜「で、ですが……」 愛「明日の試合にゆうゆが出たいって騒いでて」 歩夢「侑ちゃんは一試合しか出れないんだから、サドンデスで出た方がいいの!」 侑「もういい加減試合したいんだよー!サドンデスは大丈夫だって、なんとかなるって!」 歩夢「だーめ!」 かすみ「もうずっとやってます……」 しずく「それよりもサドンデスにならないようにした方がいいのでは……」 璃奈「負けるの前提は良くない」 せつ菜「そうですよ!!」 歩夢「う……向こうは休みもあったし、私達のデータも取られてるし、絶対簡単にはいかないというか……」 侑「もうー……、えー、じゃあオーダーどうしようかなー、彼方さんはこの感じじゃ、もう覚醒状態見れなそうだけど……」 愛「それよりさー、ダブルス1は、いいよね?」 璃奈「そこは決まり」 侑「本当は愛ちゃんシングルスにもしたかったんだけど……、あれだけ大きく宣言しちゃったらなー」 果林「私たち悪者みたいになるわね」 かすみ「かすみんとしてはー、序盤に戦力集中させて一気に四勝でもいいんですけどー」 せつ菜「そんなに上手くいくとは思えないです、音ノ木坂の試合での粘り……」 エマ「手負いの獣は危険だよ」 しずく「け、獣って……」 彼方「いろいろ踏まえて、璃奈ちゃんの予想はー?」 愛「あ、起きた」 璃奈「正直予測不可能なんだけど、歩夢さんが」 歩夢「シングルス3がすごい危険な気がする」 かすみ「え?それはどういう?」 歩夢「えっと、なんとなくなんだけど……」 歩夢の様子を見てせつ菜が侑に耳打ちする せつ菜「侑さん、歩夢さんってもしかして才気煥発……」 侑「んー、どうだろ、いまいちあと一歩踏み込めてないような気もするんだよね」 せつ菜「そうですか……」 浦の星女学院宿泊旅館 善子「優勝目指したいかどうか?」 花丸「それは、せっかくここまで来たら……」 果南「どうしたのさ、急にそんな」 ダイヤ「明日のサドンデスルール、確かにチャンスですが、それよりも明日の一勝に全力を注ぐオーダーにするべきか迷っています」 ルビィ「そんなにオーダー変わっちゃうの?」 鞠莉「サドンデスを考慮するなら、うちはシングルス5にサドンデスに出る子を置きたいわよね」 善子「あー、なるほど」 花丸「えっと、つまりそれは……」 ダイヤ「サドンデスまだ考えるなら千歌さんをシングルス5にしたいと、私は考えてますわ」 善子「だから二年生だけ買い出し行かせたの?」 ルビィ「んー、気持ちはわかるけど……」 果南「待った、曜や梨子じゃなく、千歌にかけるってこと?」 ダイヤ「……」 鞠莉「ダイヤの千歌っちへの期待、インフィニティねー」 ダイヤ「そうじゃありませんわ、千歌さんで仮に負けるなら納得出来る、ただそれだけですわ」 花丸「納得……」 善子「確かに千歌が最後に負けたら、あー仕方ないかーって気持ちにはなるけど」 鞠莉「私たちを集めてラブオープンの夢を始めたのも確かに千歌っちだもんねー」 果南「……ダイヤ、千歌に全部の責任とか負わせようとしてない?」 ダイヤ「……!」 −−−−− −−− − 千歌「やっと全部買えたねー」 曜「早く戻って明日のオーダー決め会議出ないと」 梨子「明日、サドンデスもあるんだよね」 曜「勝つこと前提だけどね?」 千歌「えー、勝つよー、そしてサドンデス!そして優勝!」 梨子「千歌ちゃんならそう言うと思った」 千歌「絶対勝つよ、だから私は明日シングルス5!」 曜「サドンデス出る気満々!?」 千歌「もちろん!必ず私が出る!」 梨子「それなら……」 曜「うん……」 千歌「どうしたの?」 梨子「私達は必ずサドンデスまで繋げるから」 曜「そうそう、絶対最後に千歌ちゃんが優勝決めてくれるようにね!」 千歌「梨子ちゃん、曜ちゃん……」 曜「さて、会議は盛り上がって……」 曜が部屋の襖を引く ダイヤ「私はそういうつもりではなく!」 果南「ダイヤはずっと千歌に負担をかけすぎ!」 善子「ちょっと、やめてよ!二人とも!」 ルビィ「そ、そうだよ……」 梨子「これは……何の騒ぎ……?」 花丸「あ、千歌ちゃん達帰ってきたずら」 ダイヤ「こ、これはその……」 果南「えーと……」 千歌「明日は私、シングルス5!それでサドンデス待つからね!」 ダイヤ「え、あ……」 果南「え……」 鞠莉「結局周りが騒ぐよりも本人の強い意思ね」 そして、翌日を迎える 从c・ヮ・§いよいよ @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ最終日! これで虹ヶ咲が勝ったら笑うが1勝1敗になった時の話をここまでやるなら浦の星が勝つんだろうな ラブオープン3日目 試合会場 絵里「穂乃果たちは?」 凛「軽くアップしてから来るそうにゃ」 にこ「今からしても仕方ないわよ、どうせ長引くんだから」 希「まあ落ち着いてられないんやと思うよ?」 にこ「って、なんであんたはいるのよ!?」 希「いや、それこそ今からアップしても仕方ないなって」 花陽「落ち着きすぎてる……」 希「あと、うちとしては試合を見といた方がええかなって」 絵里「お互いすでに試合を見てるから今日の試合は対策してるはず、どう戦略を立てるか楽しみね」 凛「出てきたにゃ」 浦の星と虹ヶ咲のメンバーが会場へとやってきます 千歌「よーし!まずは一勝いくぞー!!」 花丸「ち、ちょっと!声が大きいずら!」 善子「オーダー発表前に丸わかりじゃない!」 鞠莉「あれ、ダイヤツッコミは?」 ダイヤ「もう諦めましたわ」 果林「シングルス5はあの子なのね」 エマ「予想だとシングルス3だったけど」 璃奈「あくまで予想」 侑「むー」 かすみ「どうしたんですか?侑先輩静かになって」 歩夢「私がシングルス5だったらなーってことみたいだから気にしないで良いよ」 せつ菜「心の中を読んでいるなんて!これはまさか……!」 彼方「単なる幼馴染補正だと思うよー?」 梨子「……」 曜「梨子ちゃん、お笑い担当うちだけでなくてよかったみたいな顔してるよ」 梨子「よ、曜ちゃんっ、そういうのは言わないでっ!」 ルビィ(思ってたんだ……) 「それではラブオープン3日目の試合を始めさせていただきます」 「本日一勝一敗で並んだ場合、サドンデスを行う予定です」 愛「なんかうちが負けるの想定されてるの面白くないなー」 「それではシングルス5のオーダーを発表します」 千歌「よーし!」 ダイヤ「だからまだ発表されてません!」 果南「あ、突っ込んだ」 会場が暗くなり液晶モニターにオーダーが映し出される シングルス5 高海千歌VS上原歩夢 鞠莉「昨日に引き続き、シングルス5……、サドンデス想定して?それとも関係なく?」 歩夢「まずは一勝、頑張るね」 しずく「ここで取れたら相手にかけるプレッシャーは大きいです」 せつ菜「頑張ってください!」 歩夢「そ、そんなにプレッシャーかけられちゃうと……」 果林「急に頼りなくならないの、ほらいってらっしゃい」 ダイヤ「千歌さん、一言だけです、絶対勝ってきてください」 千歌「……!プレッシャーかかるなー!よーし!!」 鞠莉「千歌っちにはあれで十分ね」 千歌と歩夢以外がベンチへと下がります 歩夢「よろしくお願いします」 千歌「よろしくね!」 从c・ヮ・§暴れるのだ 歩夢はダブルスでも負けてたけど、あれは練習試合だっけ 希「えりちが苦戦した子やね」 絵里「そう言われるとあれだけど……、嫌な強さがあるわ、穂乃果タイプね」 にこ「それだと私は苦手だわ」 絵里「隙をつくなら調子に乗る前になんとかするとか……」 にこ「長期戦苦手なのよね、PSYCHIC FIRE使わずになんとかした方がいいかしら」 花陽「絵里ちゃん、にこにゃん、二人は今日試合出ないからね?」 にこ「わ、わかってるわよ!」 絵里「ちょっとしたシミュレーションよね!」 希(隙あればサドンデス出ようとしそう……) 凛(急にオーダー変えてきそうにゃ) 「ザベストオブワンセットマッチ、上原サービスプレイ」 歩夢「……はっ!」 歩夢が打った力強いサーブは千歌とは真逆の方向へとバウンドする 千歌「うわぁぁ!」 千歌は想定してなかったのか慌てた様子でボールを追いかけるも空振ってしまう 千歌「あー、ビックリした」 梨子「千歌ちゃん、昨日見てたよね?あのサーブ」 曜「どうやって打つんだろーって感想付きで」 歩夢(あまり連続で打たない方がいいかな……) 千歌「えーと、あれは跳ねたところかな、やっぱり」 侑「対照的な二人だなー」 せつ菜「歩夢さんは戦略的なテニスですからね、対して相手の千歌さんは」 果林「私はああいうテニス好きよ?」 千歌「っりゃ!」 歩夢「っ!」 千歌の力強いボールを受け流すように徹底的に歩夢がスライスショットで返す 千歌「ああっ……!」 弾道の低いボールを打ち返すと千歌がネットにかけてしまう 「ゲーム上原、1-0」 歩夢「ふぅ……」 千歌「いつの間にか取られてた……」 善子「まあここまでは」 花丸「いつも通りずら」 千歌「っりゃ!」 歩夢「えいっ!」 千歌のサーブを歩夢が返すとすかさず千歌が攻め始める 千歌「そこだ!」 千歌が両手で力強いショットを打つと歩夢は追いつけずにポイントが入る 千歌「よし!」 歩夢「……」 千歌「なんか今日調子いいかも!」 千歌はサーブからの速攻でどんどんポイントを奪っていき、サービスゲームをキープする 「ゲーム高海、1-1」 千歌「おー、やったー!」 果南「千歌がいきなりサービスゲームを取る?」 曜「ルビィちゃん、そんなデータある?」 ルビィ「……え、えーと……、あ、あった、あんまり強くない学校の一年生と試合した時に一度……」 果南「なんかいーやな予感が……」 千歌「あっ、取られた……」 「ゲーム上原、2-1」 歩夢「……よし」 千歌「切り替え切り替え!」 その後も順調にお互いサービスゲームをキープし合う流れが続いていく 千歌「よっ!」 「15-0」 千歌「せやっ!」 「30-0」 千歌「おー、これも決まったー!」 調子良く速攻でポイントを重ねていく千歌 梨子「試合展開が早すぎる……」 曜「そりゃ、千歌ちゃんのサービスゲームがラリー3回以内で全部終わってるからね……」 果南「あー、もうー!気付けー、千歌ー!」 「40-0」 歩夢(これで、3ゲームオール、この辺りかな) 千歌「てやっ!」 千歌のサーブに歩夢が触ることもなく見逃す 「ゲーム高海、3-3」 千歌「やった!」 嬉しそうにガッツポーズを取る千歌を浦の星のベンチ一同が頭を抱えて見ている ダイヤ「完全にやられましたわ……」 鞠莉「考えたことはあるけど、意外と上手くいかないものなんだけど……」 歩夢(準備は出来た、このまま流れに乗るだけ) 歩夢がナックルサーブを連発してポイントを重ねる 歩夢「もう一回!」 千歌「っ、そこだ!」 千歌も目が慣れてサーブを取り始めるも歩夢が素早く対応する 歩夢「愛ちゃん式のジャックナイフ!」 歩夢がネット際に飛び出しながらジャックナイフを打つ 千歌「このっ!」 千歌はなんとか追いつくも力強い打球にボールを入れることは出来ずにアウトになる 愛「おー、歩夢いつの間に」 侑「多少強引だけどいい攻めだね」 「ゲーム上原、4-3」 千歌「っと、でも次もキープして……」 千歌がスコアボードを確認する 千歌「……あれ!?これブレークされたらピンチじゃん!」 果南「今頃気付くなー!!」 曜「千歌ちゃんがキープし合ってゲーム進むなんて滅多にないからなぁ……」 善子「でも調子良さそうだから、大丈夫なんじゃ?」 梨子「あのボールのキレが調子良さそうに見えた?」 善子「え……」 千歌「せいっ!」 千歌が先ほどのサービスゲームと同じようなサーブを打つ 千歌(さっきはこれでエースっ!) 歩夢「……」 歩夢はそのボールをコートの奥深くを狙ってリターンする 千歌「へ?」 「0-15」 千歌「あ、あれ……?」 ダイヤ「ベストコンディションの、半分くらいですか、あのサーブは……」 ルビィ「うん、千歌ちゃんは基本的にゲームが進むごとにサーブが速くなるんだけど、今は1ゲーム目並み」 千歌「っ、狙うよ!」 ラリーを続けている千歌がライン上を狙って強打する 歩夢「アウトかな?」 歩夢は追うことなくボールを見送るとボールがアウトになる 千歌「そ、そんな……」 鞠莉「コントロールも最悪ね……」 花丸「でもあそこまで違ったら自分でも気付くような……」 曜「例えば花丸ちゃんがボールを打って相手がラケットに触れずにポイント取ったらどう思う?」 花丸「それは、今のショット良かったのかなって……え、じゃあ……」 果南「調子の悪いショットを良いと思い込ませてる」 千歌「こ、これで!」 千歌の決めようとするショットをことごとく歩夢が完璧に返球する 歩夢「それは返せるよ!」 千歌「っ!」 かすみ「歩夢先輩の戦略がハマり過ぎてて怖いです……」 侑「Awakeing Promiseで相手の攻めたいタイミングを掴めるのを逆に利用して、決め球が来る前にわざとポイントを取られ続けたからね」 果林「単にわざと落とすだけじゃないってことね」 せつ菜「しかも、ポイントが決まるときは少しだけ軽いボールを打つと、応用が効いてますね」 歩夢(一度狂ったリズムと感覚を取り戻すのにもすでにゲーム終盤っ) 千歌「わざと落とすなんてずるい!」 歩夢「プレッシャーに強いのはわかってるから、こういう戦略だよ!」 歩夢が千歌のボールをしっかりと返してポイントを奪う 歩夢「ごめんね、騙して」 「ゲーム上原、5-3」 @cメ˶ˆ ᴗ ˆ˵リ 満足だよ 逆にここで負けるとタイブレーク勝つフラグだしいいんじゃない? 多分相手穂乃果だろうし 絵里「上手い攻め方ね」 希「わざとゲーム落としてるだけじゃバレるか調子に乗らせて自爆する可能性もあるからね」 にこ「でも、あの感じはここからみたいよ」 千歌「これはかなりのピンチ……、ここから逆転っ!」 千歌は仕切り直すようにその場で軽くジャンプして歩夢を見る 歩夢(そう、問題はこのゲーム、取れればもちろん勝ちだけど、落とすと多分厳しい試合になる……) 歩夢がトスをあげてサーブを打つ 千歌「これは、普通のやつ!」 千歌はサーブを返すと歩夢も後方でボールを待ち構える 歩夢「はっ!」 打ち返されたボールを千歌が回り込む 千歌「っ、お、重っ!?」 ボールの重さに打ち返したボールの勢いがなくなる 歩夢「チャンスっ」 歩夢が浮いたボールを見逃さずにスマッシュを打つ 「15-0」 歩夢「よしっ」 エマ「今のスマッシュ、なんだかせつ菜ちゃんみたいだねー」 せつ菜「確かに私のDIVE‼︎みたいです!」 千歌「ギリギリのラインっ!」 千歌のショットがライン上を狙えるようになってくる 歩夢(これが入りだすとまずいっ!) 歩夢はなんとか追いかけて返球するも千歌が徐々に前に詰めてくる 歩夢「流れを変えないと!」 歩夢が慌ててロブを打つも甘くなってしまいチャンスボールになる 歩夢(スマッシュ来るっ、……だけどなんだろ、この違和感) ボールに対して千歌がジャンプし、スマッシュを打とうするも空中で体勢を変えてドロップボレーを打つ 歩夢「!?」 歩夢は不意を突かれて対応出来ずにポイントを奪われる 千歌「わ、わわっ!」 体勢を崩した千歌が着地をミスって転んでしまう 千歌「うー、これ難しい……」 果南「私の技……、あれって無我でやってるわけじゃないんだよね?」 ダイヤ「ええ、あくまで千歌さんが考えて打ってます、無我ならあんな着地ミスなんてしませんわ」 歩夢「やっぱり長引くとまずい……」 歩夢が気を取り直してサーブを打とうとすると千歌の構えを見て目を見開く 歩夢「あれは……」 千歌は居合抜きのような構えで歩夢のサーブを受けようと待ち構える 鞠莉「リターンで風林火山の風を使う気なの!?」 ダイヤ「出来なくはないですが……サーブのコースを読み切らないと……」 ルビィ「というより、あのナックルサーブ打たれたら……」 歩夢(ナックルサーブなら、それの意味は……) 歩夢(でも、ここで逃げの選択すると後に影響でる?後も何もここでのポイントの方が大きい?) 歩夢(ってことよりも……) 歩夢が千歌を見ると構えたまま挑発的に笑っている 歩夢「……なんか嫌だ」 歩夢(逃げたと思われたくないっ!) 歩夢が千歌に向けて思い切りサーブを打つ かすみ「な、なんで普通のサーブを!?」 侑「あー……悪い癖……」 千歌「ドンピシャ!」 狙ったように千歌がラケットを振り抜く 歩夢「っ!」 歩夢はボールになんとかラケットが触れるも速い打球に対応出来ずポイントを奪われる 「15-30」 しずく「ナックルサーブで確実に取れたのに……」 璃奈「もったいない」 果南「徐々に風、ダイヤのに近づいてない?」 ダイヤ「まだまだですわ、ただ……私ではリターンで使うということは出来ませんでした」 千歌「なんか今のは良かったはず!」 歩夢「ここで取る、ここで決めるんだ!」 千歌は今度は普通にサーブをリターンして前に出る 歩夢(ここでは決めてこないはず) 歩夢は千歌の動きを見てわざと取らせるようなボールを打つ 千歌「よっと!」 千歌の返球に対して歩夢は同じフォームでボールを打つ 千歌「そこだ!」 千歌が歩夢のボールを打つも打った瞬間に違和感を感じボールは想定よりも飛んでしまいアウトになる 千歌「か、軽いっ……」 歩夢「よし」 「アウト、30-30」 千歌「これかー、軽いのも重いのも自由に打てるって……」 彼方「歩夢ちゃん、さすが上手いねー」 かすみ「そうなんですけどー、今のかすみんのit'sかすみんタイムに似てるような……」 侑「……」 千歌「気をつけないと……」 歩夢「……」 歩夢が千歌の様子を窺いながらサーブを打つと千歌と反対方向へバウンドする 千歌「ま、まずいっ!」 千歌が慌ててボールを返すも歩夢がすでにコースを捉えてボレーで返す 歩夢「油断禁物、だよ?」 千歌「〜〜〜っ!」 「40-30」 果林「これで、マッチポイント」 愛「歩夢ー!キチッと決めちゃえー!」 千歌「諦めないっ!」 歩夢(……すごい、ここに来てどのタイミングでも決めて来る気だ……) 歩夢(長引かせない方がいいっ!) 歩夢がサーブと同時にダッシュする 千歌「えっ!」 歩夢「もう一回!愛ちゃん式ジャックナイフ!」 歩夢が飛び出すようにジャンプしてラケットを両手に持ちジャックナイフを打つ 千歌「それならっ!」 千歌が片足でジャンプして歩夢のボールに対してラケットを両手に持ち替える 千歌「聖良さんのやつ!」 歩夢のジャックナイフに対して千歌もジャックナイフでボールを返す 歩夢「そんなっ」 「デュース」 千歌「やった!」 善子「ね、ねえ、あれって本当に無我じゃないの!?」 ダイヤ「ですから違います、表現するなら……千歌さんのモノマネと言いますか、それも違うような……」 鞠莉「あー、わかったわ!パクリね!」 梨子「ぱ、パクリ……?」 ダイヤ「言い方は悪いですが、そんな感じですね」 花丸「つまりー、他人の技を参考して自分の技みたいにして使ってるってことずら?」 千歌「りゃっ!」 歩夢「っ!」 千歌と歩夢が激しいラリーを繰り返す ダイヤ「千歌さんにいろんな選手を見せた甲斐がありましたわ、最もテクニカルすぎる技は合わなかったみたいですが」 千歌「そこだっ!」 歩夢「何か来るっ」 千歌が自信あり気にボールを打つも歩夢はなんともなく打ち返す 歩夢「え、えっ?」 千歌「あ、あれー?痺れないよ!?善子ちゃん!?」 善子「結構コツがいるのー!雑な人には高まる闇の力は無理!」 千歌「ええ!?トップスピンとスライス打てばいいんじゃないの!?」 歩夢(ここに来てそんなこと試す!?) 曜「好き勝手やるなー、この場面で」 歩夢「っ!」 歩夢の走りながらのパッシングショットに千歌が追いつけずポイントを奪われる 「アドバンテージ、上原」 千歌「あちゃー……」 歩夢「攻めるタイミングわかっても、なんか意味がない……」 −−−−− −−− − 歩夢「はあはあ……」 千歌「んー、また取られたぁ!」 何度もアドバンテージを取るもその度に千歌に追いつかれ、デュースを繰り返す 果林「もう何度目?」 璃奈「これで9回目のアドバンテージ」 侑「歩夢もここで落とすのはまずいって思ってるから必死だね」 歩夢「っ!」 千歌「そこだっ!」 歩夢のサーブに対して千歌はライン際を狙うリターンを返す 歩夢「それは読んでたよっ!」 歩夢もサーブ後にすぐに走っていて、余裕を持ってボールに追いつく 千歌「お、重いっ!」 千歌がボールを返すも重たいボールにショットがずれてネットへとボールが向かう 歩夢「!」 歩夢はそれを見て即座にネット際へと飛び込む 歩夢(あれは、入るっ!) ボールはネットの上に当たると軽く浮いて歩夢のコートへと落ちていく 歩夢「届いてっ!」 歩夢がなんとかボールに飛び込むとボールはまたしてもネットに当たり今度は千歌のコートに落ちていく 千歌「っ、りゃあああっ!」 千歌も歩夢と同じように飛び込むもギリギリでラケットに当たらずにボールがコートに落ちてしまう 「ゲームセット、ウォンバイ上原、6-3」 歩夢「か、勝てた……」 千歌「えぇー……もう終わり?」 歩夢「最後のゲームだけで20分くらいかかったんだけど……」 歩夢が力尽きたように仰向けになる かすみ「終わってみれば勝ちは勝ちです!」 侑「うーん、そうなんだけど……」 歩夢「バク転のショット、使わせられなかった……」 歩夢がフラフラとベンチへと帰ってきます エマ「体力温存?」 果林「みたいね、相手の方が崖っぷちなのに、サドンデス考慮するなんて」 歩夢「やっぱりあの子、粘らせるとまずいかも……」 彼方「これは、さっさと四勝しちゃった方がいいかなー」 千歌「あー!負けたー!」 ダイヤ「よく我慢しましたね、MIRACLE WAVEを打つのを」 千歌「だってー、それは約束だから……」 鞠莉「予想以上に上手く打たれたし、相手を消耗させる作戦も中途半端になっちゃったのが残念だけと」 果南「ま、それはそれ、千歌はしっかり休み過ぎない程度に休んどいて」 千歌「わかったー」 「続けてシングルス4のオーダーを発表します」 しずく「かすみさん、頑張ってきてね」 かすみ「ちょっと!発表前に言ったら盛り上がらないじゃん!」 しずく「え」 かすみ「液晶モニターに、バーンって出てかすみんが決めの一言でコートに向かう場面でしょー!」 璃奈「もう出たよ」 かすみ「え」 シングルス4 小原鞠莉VS中須かすみ 鞠莉「シャイニー!」 かすみ「あー!向こうの方が目立ってる!!」 从cι˘σ ᴗ σ˘試合で目立つのはかすみんですからねー! 鞠莉(確か最後にとんでもないことやろうしてた子ね、一年生はどこも未知数ね) かすみ(いろいろ派手です……これじゃかすみんが目立ちませんよー……) しずく「かすみさん絶対余計なこと考えてる……」 璃奈「それが通常営業」 鞠莉「よろしくね」 かすみ「世界一可愛いかすみんのスーパーテニスを見せてあげますよー」 かすみが鞠莉にラケットを向けて宣言する 菜々「かすみさん!マナー違反ですよ!礼節はしっかりと!」 かすみ「っ、え、な、なんで生徒会長モードに……、あ、よ、よろしくです」 かすみが慌てて頭を下げる 歩夢「わざわざメガネ持ってきたんだ……」 菜々「いざと言うときのためです」 エマ「いざってなんだろー」 鞠莉「オー、ザッツナイス!レッツハブグッドマッチ☆」 かすみ「はえ!?え?」 鞠莉「♪」 鞠莉は余裕そうに笑って位置につく 侑「なんかペース乱されてる……」 愛「というか、いつもエマっち見てるのに今更何をビビってるだろ」 エマ「多分ー、金髪とか?」 果林「エマ?突っ込まないわよ?」 「ザベストオブワンセットマッチ、小原サービスプレイ」 鞠莉「いくよー!」 開始と同時に強烈なサーブを鞠莉が打ち込む かすみ「ひぅ!?」 かすみは鞠莉のサーブを打ち返すも力負けしてネットにかけてしまう かすみ「き、聞いてないですよー、こんな強いサーブ……」 鞠莉「ちょっとうちにビーストみたいなパワーの子がいてね、ボール受けてる間に勝手にパワーついちゃった」 果南「鞠莉、戻ってきたら覚えてなよ……」 花丸「ひ、ひぃ……」 かすみ(打ち返せないボールじゃないですけどー……、とにかくサーブだけはなんとか返さないと) 鞠莉「サーブで終わらせちゃうよ!」 かすみ「そうは、させませんっ!」 かすみはブレないように両手でしっかりとサーブを返す 鞠莉「おっと!」 かすみ「そこです!」 かすみがコートを奥に狙いを定めてラケットを振ろうとする 鞠莉「気をつけないとボールがエスケープしちゃうわよ?」 ボールはかすみの手元付近で曲がり空振りしてしまう かすみ「っ!?」 鞠莉「New winding roadよ」 かすみ「昨日はやたら速いボールだし、今回は曲がるってどうなってるんですかー!もー!」 鞠莉「割とそんな人ばかりな気がするけど?」 かすみ「普通にテニスをしてくださいよー!」 かすみが鞠莉のサーブを返しながら叫ぶ 鞠莉「っと」 鞠莉(もう私のサーブに難なく対応してきてる……) かすみ「せいっ!」 鞠莉「すごいのいくよ!」 かすみ「……!」 鞠莉は思い切りスイングするも直前で減速させドロップショットを打つ かすみ「えぇ!ずるいっ!」 かすみはダッシュしてボールを拾うも鞠莉に打ち上がったボールを叩きつけられる 鞠莉「ふぅ、シャイニー☆」 かすみ「うぅ……」 ルビィ「うん、ちゃんと対策出来てる!」 曜「強打するとアウトになるんだもんね、でも鞠莉ちゃんのテニスなら対応は大丈夫だよ」 梨子「それは別に考えても相手も対応が上手い……」 かすみ「っ!」 「ゲーム小原、1-0」 鞠莉(ちょっとちょっと、さっきのドロップで決まると思ったのに届いちゃうの?) 鞠莉(気が抜けない……) かすみ「ここからです!」 かすみがゆったりとした動きでサーブを打つ 鞠莉「スライスサーブっ!」 鞠莉が角度のついたサーブを打ち返す かすみ「そんなに思い切り打っていいんですかー?」 鞠莉「えっ!?」 鞠莉のリターンショットはコートに入らずにそのままアウトになってしまう かすみ「it'sかすみんタイムです!」 鞠莉「それ、サーブでも出来ちゃうの!?」 かすみ「ふっふっふ、かすみんは常に成長してるんですよー!」 彼方「絶対あれは後半に使った方がいい気がするんだけど」 侑「いやー、早くやりたくてうずうずしてたんだろうなー」 歩夢「」 璃奈「戦略型の歩夢さんが放心してる」 鞠莉(まあそれならそれで……) 鞠莉は続くサーブをコートのセンターに向けて打ち返す かすみ「ここはチャンスボールです!」 かすみが打ち返そうとするもバウンドしたボールが手元で曲がってしまう かすみ「ええっ!?」 鞠莉「ソーリー、マリーもこれリターンで打てちゃうんだよねー」 かすみ「ぐぬぬ……」 鞠莉はit'sかすみんタイムを警戒しつつ、かすみを上手く翻弄してこのゲームもブレークする 「ゲーム小原、2-0」 かすみ「いきなりブレーク……」 鞠莉「順調!」 海未「どうですか、試合は」 にこ「あら?戻ったの?」 海未「ええ、ことりと真姫はまだ穂乃果に付き合わされてますが……」 花陽「え、軽いアップじゃ……」 海未「……」 凛「なんで黙るにゃ!?」 海未「鞠莉の相手はかすみですか」 にこ「話逸らしたわね……」 希「昨日試合した海未ちゃん的にはどう?」 海未「そうですね……、普通にやれば鞠莉が勝つと思いますが……」 かすみ(なんとかしたいけど、あの曲がるボール、かすみんタイム聞かないし……) かすみ(それに……、消えるのも打てるはず……) 鞠莉「さ、どんどん攻めちゃうよー!」 かすみ「来るなら来いです!」 鞠莉(とは言いつつ、トリック・オア・トリックを警戒して低いボールを心掛けてるのは偉いわね) 鞠莉(正直やりづらいんだけど……) かすみ「攻めますっ!」 かすみは徹底してコート深くを狙うスライスショットを打つ 鞠莉「あんまりこれ好きじゃないんだけど!」 かすみ「好きなボールなんて打ちませんよーだ!」 鞠莉「もー意地悪ね!」 鞠莉が冗談を言いつつNew winding roadを打つ かすみ「!」 かすみは気付いたようにダッシュするとボールがバウンドする前に打ち返す 鞠莉「あら、もう癖に気付いた?」 かすみ「当たり前です!それを打つときのスイングなんとなくつかみましたよ!」 鞠莉「それはすごいわ!」 かすみが返したボールが軽く浮いたのを見逃さずに鞠莉はボールを上から叩きつける かすみ「っ、こ、これはまさかっ」 鞠莉「残念、全部マリーのハンドの上でーす☆」 叩きつけられたボールはかすみの視界から完全に消えてしまう かすみ「消え……」 鞠莉「トリック・オア・トリック」 果林「攻め方が上手いわね」 侑「……ハンドの上……あ、手のひらの上ってことか」 しずく「気になるのそこですか……?」 千歌「んー……」 果南「どうしたの?千歌」 千歌「なんかこっちが圧倒してるはずなのに、向こうのベンチ余裕だなーって」 善子「この試合捨ててるとか?」 ダイヤ「そうは見えませんが……、確かに危機感があるようには見えませんわね」 −−−−− −−− − かすみ(出来れば、2ゲームくらいは普通に取りたいんですけど……!) 鞠莉「ほらほら、曲がるよ!」 かすみ「っ、そこですっ!」 かすみがボールが手元に曲がるのを予測してなんとかボールを返す 鞠莉「ワオ!でもこれは?」 返されたボールをトリック・オア・トリックで打ち返す かすみ「こ、ここ!」 かすみはなんとなくラケットを振るもボールに当たることはなく消えたボールを見失ってしまう 「ゲーム小原、4-0」 かすみ「だ、ダメですか……」 鞠莉「マリーのテニスに追いつけないみたいねー」 鞠莉(New winding roadはついに曲がった後も捉えてきてる……) 鞠莉(トリック・オア・トリックも時間の問題じゃないかしら、これ……) 愛「かすかすー!そろそろやらないと本当に負けちゃうよー!」 かすみ「かすみんです!愛先輩言わないでくださいよー!ここからかすみんの逆転劇なんですからー!」 侑「よかった、一応忘れてはないみたい」 しずく「逆転劇って言っちゃってますけど……」 鞠莉(やっぱり何かしてくるよね……) かすみ「かすみんが驚かせたいのに、もうー!」 鞠莉「それで?何をしてくるのかしら?」 かすみ「秘密です!」 鞠莉「じゃあその前に勝っちゃおうかしら!」 鞠莉がサーブを打つとかすみがそれをしっかりと打ち返す 鞠莉(何かしようとするなら出来ないようにする!) かすみの様子を窺いながら鞠莉はNew windng roadを打つ かすみ「それは返せますよー!」 かすみは曲がり方を予測してラケットを振る かすみ「そしてここからが、かすみんのパーフェクトショットです!」 かすみはボールをラケット面で転がすと反対の面でもラケットを転がしていく 鞠莉「それ、まさか完成して……」 かすみ「いっけえー!!」 ラケットを離れたボールが鞠莉の元へと向かう 鞠莉「っ!」 鞠莉が慎重にボールを返す かすみ「……」 かすみはボールの行方を見ることなく後ろを振り返る 鞠莉「え、ちょっと!」 かすみ「ボールはもうこっちに来ませんから」 宣言通り鞠莉の打ち返したボールはネットに当たって落ちる かすみ「かすみんの無敵級★ビリーバー破れますか?」 从cι˘σ ᴗ σ˘かすみんだってすごい技出来ちゃうんですよー 鞠莉「その言い方、まさかとは思うけどネットを越えさせない気?」 かすみ「そのまさかです!かすみんのコートにはボールはもう届きません」 鞠莉「サーブやリターンは?」 かすみ「そ、それは例外です」 鞠莉「ふーん、それじゃマリーがその技崩しちゃう!」 かすみ「っ、さ、させません!」 かすみのリターンを鞠莉が返すとかすみが再びラケットの両面を使って回転をかけてボールを返す 鞠莉(とにかく返せばいいなら!) 鞠莉が高くロブを打ち返す 千歌「あ、なるほど、それならネット越える!」 ダイヤ「かなり無理矢理ですが、あれなら……、えっ!?」 舞い上がったボールは急ブレーキがかかったように失速して落下してネットを越えずにコートに落ちる 鞠莉「う、嘘っ!?」 かすみ「言ったはずです、もうボールがこっちに来ることはありませんよー」 鞠莉(ま、待ってよ、どう回転かけたらそうなるの!?) かすみ「さあどうしますかー?」 鞠莉「それならこれでっ!」 続けて鞠莉はネット際へとダッシュしてボレーで返そうと試みる 鞠莉「っ!?」 しかしボールがラケットに当たると回転が加えられたボールを制御出来ずにボールが前に落ちずに跳ねて鞠莉のコートに落ちてしまう かすみ「ど、どうですか!」 鞠莉「クレイジーすぎるショットね……」 エマ「今ちょっとかすみちゃん焦ったよね」 彼方「だねー」 歩夢「でもあれでも返せないって……かすみちゃんとんでもない技を……」 希「海未ちゃんの時はあそこまでの技じゃなかったはず」 海未「昨日最後に完成したあれをここまでのレベルにするとは……」 絵里「練習する時間がどこにあったのかしら」 鞠莉「随分、仕上げてきたわね……」 かすみ「天才のかすみんにはこんなの簡単なんですよー」 しずく「また調子に乗って……」 璃奈「後でお説教」 昨夜 しずく「かすみさん、もう休まないと明日に響くよ?」 かすみ「も、もう少しだけ……」 璃奈「明日はサドンデスもあるから無理しすぎると」 かすみ「……かすみんは出れないよ」 しずく「かすみさん?」 かすみ「うちのメンバーで上位3人、怪我とか考えても5人のうちに私は入れない……」 かすみ「侑先輩だけじゃない、シングルスなら三年生はとんでもないし、二年生も全員化け物揃いだもん……」 かすみ「だったら明日の試合、私は必ず勝てるようにしないと!」 しずく「かすみさん……」 かすみ「っ、か、かすみんは、1試合で一番目立たないといけないの!」 璃奈「……ラケットの返しのスピード、もっと速く」 璃奈ちゃんボード[鬼コーチ] かすみ「えっ?」 しずく「せっかくやるなら徹底的にやろう!」 かすみ「りな子、しず子……、よし!かすみんスペシャル必ず完成させる!」 璃奈「まず名前変更」 しずく「だね」 かすみ「なんでよー!」 −−−−− −−− − かすみ(ここで確実に一勝することが私の役目、絶対に返させない……) 鞠莉「……無敵級ビリーバーだったっけ?」 かすみ「それがどうしましたー?可愛い名前でしょー?」 鞠莉「絶対に返してあげるわ」 かすみ「さ、させませんよっ!」 鞠莉はトップスピンやスライスなど試しながらボールを打つもすべてネットに阻まれる かすみも気を抜かずに無敵級ビリーバーを打ち続けていく 鞠莉「っ!この!」 かすみ「無駄ですよー!」 鞠莉が無理矢理力で押し込もうとするとボールがネットに当たる 「ゲーム中須、4-4」 鞠莉「追いつかれた……」 かすみ「ど、どうですか……」 かすみはフラフラになりながら得意げにラケットを鞠莉に向ける 果林「あのショット、あんなに連発出来るものなの?」 璃奈「……無理、本当は2ゲームは普通に取ってこの辺りで終わらせる作戦だった」 しずく「……正直そろそろ限界のはず……」 璃奈としずくが心配そうにかすみを見るとその視線にかすみが気付く かすみ「かすみんはまだまだ元気ですよー、このままあと10ゲームくらい打てちゃうんですからねー!」 鞠莉「そんなに打つ必要はないと思うけど?」 かすみ「そ、それくらい元気ってことです!」 鞠莉(そうは言っても疲れてきてる、あとは回転を少しでも相殺するように打っていけば……) かすみ(あと、8回、それだけで勝てる……!) かすみ「っ、無敵級ビリーバー!!」 かすみはボールを打ち返すも表情は険しく歯を食いしばる 鞠莉「これで回転をっ!」 鞠莉はスライスショットで回転を相殺させてボールを打つもやはりネットにかかってしまう 「0-15」 鞠莉「……ダメね」 かすみ(あと7回……) 「0-30」 かすみ「はあはあ……」 鞠莉「これで、どうかしら!」 「0-40」 かすみ「あ、あと、5回……」 歩夢「なんとかこのまま……」 侑「……」 果林「侑も気付いたわよね」 侑「……ボールが」 曜「大丈夫、少しずつネットの上に当たってきてる」 梨子「ほ、本当?」 千歌「うん、最初の頃から徐々に上がってるよ」 善子「ど、どういう目してるのよ……」 鞠莉「このっ!!」 続く鞠莉のショットが明らかにネットの上部に半分かかるような形で引っかかり落ちていく 「ゲーム中須、5-4」 かすみ「っ……!」 ルビィ「今のは確実に!」 花丸「もうちょっとずら!」 鞠莉(今は正直、自分でも完璧に打てたのにそれでもダメ……か) かすみ「サーブを……」 かすみがトスをあげてサーブを打とうとするもサーブがあらぬ方向に飛んでしまう 「フォルト!」 かすみ「あ……」 せつ菜「まさか、肩が……」 愛「上がらないの……?」 かすみ「かすみんちょっとミスっちゃいました、改めていきますよー!」 かすみは恥ずかしそうに笑ってトスをあげる かすみ「っ!」 なんとかサーブを打つと鞠莉はNew winding roadでリターンを打つ かすみ「それは、もう返せるんですよ!」 かすみはボールの曲がりを見極めながらラケットの両面を使ってボールを打つ 鞠莉(返せるけど集中力は使うはず、ずるいけどもう疲れさせるしかないっ!) 返ってきたボールを先ほどと一緒にスライスショットで鞠莉が打ち返す かすみ「あっ!?」 ボールはネットの上に跳ねるように当たって鞠莉のコート内に落ちる 「15-0」 鞠莉「……もう少し」 かすみ「っ……」 かすみ(ここで踏ん張らないとっ) かすみ「無敵級、ビリーバー!」 鞠莉「そこっ!」 今度は先ほどよりもネットの下に引っかかる 「30-0」 鞠莉「今のはミス……」 かすみ「あと、2回です……」 エマ「……1回でも返されたら、私試合を止めるよ?」 しずく「エマさん……」 果林「かすみちゃんに恨まれるわよ?」 エマ「かすみちゃんはここで怪我していいテニスプレーヤーじゃないよ」 侑「……」 かすみ「かすみんは、負けませんっ!」 鞠莉「それはマリーもよ!」 鞠莉がかすみのボールを打ち返すと、ボールがネットの上に軽く当たる 鞠莉「っ、いけ!」 かすみ「ま、まずい……」 ボールはわずかに鞠莉のコートへ落ちてしまう 「40-0」 かすみ「ひ、ヒヤヒヤさせちゃうのもかすみんの演出ですからねー!」 璃奈「これで、マッチポイント」 ダイヤ「どちらにせよ、これで決まりますね」 果南「うん、返せないならもちろん負けだけど、返したら向こうは棄権だろうね」 かすみ(よかった、ここまで来た……) かすみ(腕が痛い…….もう泣きそう……、こんなの私の可愛いテニスじゃないのに……) かすみ(あと一球っ!) 鞠莉「カモン、かすみ!」 かすみ「いきます!最後の無敵級ビリーバー!」 ラケットの両面で限界まで回転をかけたボールをかすみが打つ 鞠莉「入れぇー!」 鞠莉はスライスショットで回転を打ち消すようにして打ち返す ボールはネットをわずかに越えてかすみのコートへと侵入する かすみ「そ、そんなっ!」 かすみは慌ててボールを返すもフラフラと勢いなく相手コートに返る 鞠莉「これで終わりっ!」 鞠莉はそのボールを思い切りスイングして返す 鞠莉(こ、この感覚、まさか……) 侑「……みんな、かすみちゃんのケア、すぐ行くよ」 ボールはコートに入ることなくそのままアウトになる かすみ「it'sかすみんタイムっ、……忘れちゃ嫌ですよ?」 「ゲームセット、ウォンバイ中須、6-4」 審判のコールと共に虹ヶ咲ベンチから数人が飛び出してかすみを支えてコートに戻る 愛「かすかす無茶しすぎだよ!」 かすみ「か、かすみんです……っ」 せつ菜「よく頑張りましたねっ」 エマ「かすみちゃん運ぶよー!」 エマがかすみを抱えながらベンチへと下がり、せつ菜がかすみの代わりに鞠莉に一礼をする 鞠莉「……やられた、油断してた……」 鞠莉が悔しそうに上を向いてラケットで自分の足を叩く ダイヤ「相手の意地が上回りましたか……」 果南「うん、返されても最後まで諦めなかった」 鞠莉がゆっくりとベンチに下がる 鞠莉「……負けちゃったけど、一昨日勝ったから許してね?」 果南「……」 果南が黙って鞠莉を抱きしめる にこ「とんでもないわね、あの一年」 海未「次やったらちょっと勝てる自信が……」 絵里「虹ヶ咲二連取、ちょっとまずいわね……」 「続きまして、ダブルス2のオーダーを発表します」 かすみ「も、もう大丈夫ですよ、冷やしておけば……」 エマ「ダメ、いいから大人しくしてて」 エマが嫌がるかすみの腕のケアを無理矢理している しずく「かすみさんの一勝無駄にしないからね」 かすみ「任せたよ、しず子」 彼方「それじゃ、出陣ー!」 ダブルス2 津島善子・国木田花丸ペアVS桜坂しずく・近江彼方ペア 花丸「よ、よりによって回転消しちゃう人が来ちゃったずら……」 善子「む、無理っ!あんなの勝てないわよ!」 ダイヤ「ここに来て弱気なこと言わないでください!ほら、さっさと行く!」 花丸「ええぇ……」 善子「無理ぃ……」 梨子「だ、大丈夫かな……」 `¶cリ˘ヮ˚)|棄権していい? 鞠莉ちゃん前回は意地で勝ったけど今回は相手の意地で負けたな しずく「彼方さん、今日は目は……」 彼方「んー、ちょっとすやぴかなー」 しずく「そうですか……」 彼方「大丈夫だよー、彼方ちゃん、あれ使わなくても強いんだぜー?」 しずく「それは知ってますけど……」 彼方としずくの会話を聞いて花丸と善子が小さな声で会話をする 善子「ら、ラッキーよ、回転消すのは使わないらしいわ」 花丸「まるたちにそんな回転を使うショットないずらっ、あんまり変わらないし、あのどこでもボレーの方が厄介ずら!」 善子「わ、私の高まる闇の力で……」 花丸「あれも途中で相方にカットされたら終わりずら、そもそもシングルス専用……」 善子「……じ、じゃあどうするのよ、なんか急に昨日私たちで行くって言われたけど……」 花丸「ま、まさか、捨て試合……っ……」 善子「なっ!?」 しずく「あ、あのー、試合始めたいんですけど……」 花丸「あっ、は、はいっ!」 善子「位置につくわよ!ズラ丸!」 曜「んー、なんであの二人ダブルスなの?ダイヤさん」 ダイヤ「なんでとは?」 曜「いや、善子ちゃんの技はシングルス向きな気がするし……」 千歌「もしかして花丸ちゃん、善子ちゃんとでも才気煥発が!」 ダイヤ「無理でしょうね」 ルビィ「う、うん、あれは私と組んでるからこそだったし……」 梨子「じ、じゃあ、なんであの二人でダブルス……?」 ダイヤ「それは見てればわかりますわ」 彼方「とりあえず、才気煥発もなさそうだし、無理せず攻めればいいかなー」 しずく「うん、頑張ろうね、お姉ちゃんっ」 彼方「ん?おぉ、遥ちゃーん!」 果林「なるほど、彼方の妹になりきるのね」 璃奈「あれで彼方さんのやる気がかなりアップ」 「ザベストオブワンセットマッチ、近江サービスプレイ」 彼方「二人とも近江だよー?」 「え、あの……」 しずく「お姉ちゃんのサーブだよ」 彼方「そっかそっかー」 歩夢「す、すごい、完全に遥ちゃんになってる……」 侑「姉の目ですら誤魔化すレベル……」 彼方「お姉ちゃん格好いいところ見せちゃうよー!」 彼方がアンダーサーブではなく普通にトスを上げてサーブを打つ 花丸「っ、は、速い!」 スピードのあるサーブを花丸がなんとか返すもボールが浮いてしまう しずく「よしっ、チャンス……」 彼方「彼方ちゃんスマーッシュ!」 しずくが取ろうとするも彼方が後方からダッシュしてスマッシュを打つ 善子「ち、ちょっとっ!」 突然のスマッシュに善子はボールに触れられずにポイントを許してしまう しずく「お、お姉ちゃん、今のは私が打てるんだけど……」 彼方「ごめんごめん、ちょっと張り切りすぎちゃったよー」 しずく(彼方さんのフットワークが明らかに上がってるけど、これまさか……) 彼方「彼方ちゃんサーブいくよー!」 善子「は、速っ!」 しずく「いける、ツイストスピンショット!」 しずくが身体を捻るようにしてボールを打つ 花丸「わわっ!」 バウンドしたボールはスピンしながら跳ね上がり花丸は取ることができない 愛「あれって、確か負担かかるショットじゃないの?」 璃奈「すでに改良済み、実際に会いに行ったら改良してるのを打ってた」 彼方「遥ちゃんやるねー」 花丸「姉妹だから息も合っててやりづらい……」 善子「いや、実際には姉妹じゃないけどね」 花丸「でも……」 善子「狙いはあるわね」 彼方「どんどんいくよー!」 花丸「ずら!」 花丸がしずくに向けてリターンを打つ しずく(これはちょっと厳しいかな) しずくはボールを返すだけになってしまい善子がすかさずにボールを拾う 善子「ダークネスボレー」 しずく「っと……」 花丸(やっぱり) 善子(こっちはそこまで驚異的じゃない!) しずく「ま、まずいっ……」 しずくがボールを逸らしてしまいポイントが入りそうになると後衛の彼方がカバーに入る 彼方「遥ちゃんをいじめるのは許さないよ」 善子「そっちがら空きじゃないっ」 彼方が返したボールを善子が空いたスペースに打ち込む 彼方「うおおおおっ!」 しずく「お、お姉ちゃん!?」 彼方がダッシュしてボールに追いつくと強烈なショットが返ってくる 花丸「え、えぇっ!?」 予想外のショットに花丸も動けずにポイントを許す 彼方「は、はぁ……はぁ……」 しずく(こ、これ逆効果かも……) 果林「彼方、練習だってあんなダッシュしたことないじゃない」 侑「軽く自己記録更新してるかな……」 エマ「遥ちゃんパワー恐るべしだねー」 続くポイントも彼方のフットワークでボールを拾いゲームを取る 「ゲーム近江桜坂ペア、1-0」 彼方「はあはあ……」 しずく(ん、んー……これじゃ彼方さんが無理してるだけで覚醒しそうもない……) しずく「彼方さん、一旦作戦変更です」 彼方「あ、あれ?遥ちゃんは……?」 しずく「落ち着いてください、私です」 善子「ここは落としたけど、このまま行けば隙はあるわね」 花丸「うん、狙いながら疲れさせれば……どうしたずら、善子ちゃん」 善子「あ、あれ……」 花丸「え?」 しずく「彼方さん、油断せずに行きましょう」 彼方「りょうかーい」 花丸「だ、ダイヤさんずら」 果南「おー、本当にダイヤだ」 鞠莉「うちの誰かになる予想はしてたけど、まあ順当かしらね」 千歌「ダイヤさんが二人って……うわぁ……」 善子「最悪……」 花丸「善子ちゃん、焦らずプランDずら!」 善子「まさか私たちがやることになるとはね……」 しずく(そこまで動揺してない……?おかしいな、あの二人にこの人はかなり怖いイメージがついてるはずだけど……) 花丸「よっ!」 花丸がサーブを打ち、彼方がボールを拾う 善子「任せて!」 善子がすぐさまネット際へと出てボレーを打つ しずく「させませんわ」 ルビィ「本当にお姉ちゃんが打ってるみたい」 ダイヤ「なんだか複雑ですが、あそこまで一致なら……」 花丸「よしっ!」 花丸がしずくの打ったボールをしずくに向けて打ち返す しずく「なっ!?」 しずくは咄嗟にボールをラケットに当てるも善子がしっかりとそのボールを叩き込む 善子「よしっ」 花丸「ナイスずら、善子ちゃん」 彼方「あれー?」 しずく(まさか……) 彼方「ダイヤちゃん、任せていいかなー?」 しずく「もちろんですわ!」 善子「ダークネスショット!」 善子が真っ直ぐ打ったボールをしずくが居合いのように構える 花丸「来るよ!善子ちゃん!」 善子「わかってるわ!」 しずく「疾きこと、風の如く」 ボールをギリギリまで待ってしずくがラケットを振り抜く 花丸「ここっ!」 花丸がボールをしっかりと打ち返す しずく「え!?」 彼方「わっ、と……」 彼方の方にボールが飛ぶも反応出来ずにポイントを奪われる 花丸「か、返せたずら……」 善子「いいわよ!ずら丸!」 しずく「これは……やられましたわ……」 梨子「昨日の作戦上手くいったね」 千歌「だね!」 侑「対策されちゃったか……」 歩夢「対策……もしかして……」 ダイヤ「演じるとすれば私か曜さん、梨子さんあたりと踏んで弱点からすべて教え合いましたからね」 曜「おかげでみんなと次試合したら勝てる気しないよ……」 梨子「私も……」 しずく「っ!」 しずくのグランドスマッシュに対しても善子がしっかりと打ち返す 善子「本当に教えられたら打てるもんね……」 「ゲーム国木田津島ペア、1-1」 彼方「しずくちゃん、ちょっとまずいかもよー」 しずく「ですね……浦の星のメンバーになるのは厳しいかも……」 彼方「演じずに、プレーしてみるのはどうかなー?」 しずく「……無理ですよ、それは」 しずく誰になるかと思ったら近江姉妹を再現してきたか 花丸「とりあえずこれで対応は……あー……まずいずら……」 善子「ダブルス特化で来たわね……」 しずく「私が後衛でサポートしますっ……!」 彼方「よろしくねー、花陽ちゃん」 花陽を演じ始めたしずくがサーブの構えを取る 凛「かよちんになったにゃ……」 希「やっぱり虹ヶ咲のメンバーになる気はもうなさそうやね」 花陽「あのダブルスなら私よりも……」 絵里「そうね、適任は愛のはず」 にこ「後衛で広くカバーリングした方がいいはずだけどね、まあ何か考えあるんでしょうけど」 果林「愛にだったら別になっても問題は起きないと思うんだけど」 かすみ「んー、なんかしず子、自分が勝つよりも他の人が勝つ方を選んでるというかー……」 侑「サドンデスのことまで考えたら気持ちはわかるけどね、ちょっと勝ちにこだわらなすぎるというか……」 しずく「む、ムーンボレーです」 しずくが後方から山なりのボレーを決める 善子「綺麗に決めるわね……」 花丸「かと言って後ろを意識しすぎると……、前でどこからでも飛んでくるボレー……」 彼方「拾っちゃうよー」 善子「面倒だけど」 花丸「食らいつくずら」 花丸と善子ペアは相手のサービスゲームは簡単に取られていくも自分たちのサービスゲームは粘りつつキープしていく 善子「ずら丸そっち!」 花丸「これは善子ちゃん取って欲しいずら!」 花丸が文句を言いながらボールを拾う 善子「私はその後処理!」 善子が言う通り花丸のボールは彼方に拾われてるも善子がしっかりカバーして彼方のボレーを拾う 善子「よしっ!」 「ゲーム国木田津島ペア、4-4」 せつ菜「決めきれませんね……」 璃奈「彼方さんが覚醒してないけど、あの二人でここまで苦戦するのはおかしい」 エマ「そう?」 璃奈「え?」 エマ「だって、あの二人はちゃんと一つになってダブルスをしてるよー?」 彼方「そのボール消えるよー」 彼方がアンダーサーブに対して花丸が構えると善子が様子を見て声をかける 善子「虚構に惑わされずに右の翼を翻すように打つのよ」 花丸「わけわかんないけどっ、こう!」 花丸が急激にバウンド後に曲がるサーブを捉えてリターンする 彼方「あれー?」 しずく「私が!」 彼方の横を擦り抜けるボールをしずくがカバーする 花丸「善子ちゃん!もっと下がって、パーンって飛んでドーンずら!」 善子「意味わかんないわよっ!」 しずくが打ったボレーは高く上がると急激に落ちる しずく「クレセントムーンボレー」 善子「っと、こうねっ!」 善子は数歩後ろに下がりつつジャンプしてスマッシュで返す しずく「そんなっ!?」 「0-15」 花丸「それずら!」 善子「感覚的すぎてわかりづらいのよ!」 千歌「二人ともすごい……」 ダイヤ「あの二人はゾーンや才気煥発など確かに潜在能力は高いですが相手と比べたらまだまだ発展途上、ですが……」 彼方「butterflyいくよー」 彼方のボレーに善子が飛び込みながら追いつく 善子「っ、たー……」 しずく「チャンスっ!」 存在感を消していたしずくが現れてそのボール真っ直ぐ返す 花丸「そこは読めたずら!」 花丸が横に飛び込むようにラケットを振り抜くとボールがアウトからポールの横を抜けて相手のコートに曲線を描いて入っていく 花丸「未体験HORIZONっ!」 「0-30」 しずく「コースを読まれた……?」 彼方「んー、多分読んだのは……」 花丸「善子ちゃんならあのあたりにボールが返すのが精一杯ずら」 善子「う、うるさいわねっ」 曜「二人ともお互いを知り尽くしてる……」 ダイヤ「ええ、お互い出来ること出来ないこと、考えてること、それをしっかり理解してる、ただそれだけなら単なる息のあったダブルス」 鞠莉「息のあった?なんかあの二人正反対というか……」 果南「それがいいのかもしれない、あの二人もしかして何もかも正反対だから……」 ルビィ「……そ、そっか、確かに花丸ちゃんと善子ちゃん得意不得意のコースとかショットとか全部真逆」 ダイヤ「そうです、お互いがそれを理解して完璧に補ってます」 花丸「あわわ、これ善子ちゃんお願いっ!」 善子「了解よっ!」 善子が綺麗なストレートのボールを返す ダイヤ「あれはあれで奇跡的ですわ、直線的なショットが得意な善子さんに曲がるショットが得意な花丸さん、他にも挙げるとキリがないですが」 梨子「それでもあんなに上手くいくものじゃ……」 千歌「梨子ちゃん、二人ともなんか楽しそうに活き活きテニスしてるよー」 梨子「もしかしてそれも……」 ダイヤ「伝わらなそうな指示もお互い理解して、取りたくないボールは遠慮なしに頼んで、だんだんと楽しくなるのは当然ですわ」 曜「ダイヤさん、ここまで予測して組ませたの!?」 ダイヤ「この大舞台でどこまで出来るか賭けでしたが、名付けて天使と悪魔ダブルス、大成功ですわ!」 善子「悪魔じゃなくて堕天使っ!そこは間違えないで!」 花丸「ツッコんでないで前見るずら!」 ダイヤ「……」 侑(なるほど、ダブルスは奥が深いなー、うちではちょっと誰にも真似できないけど) 侑(彼方さんも昨日で燃え尽きちゃってる感じだし、しずくちゃんもいまいち……、これはまずいかな……) かすみ「大丈夫ですよ、侑先輩っ……」 侑「え?」 かすみ「しず子は、しず子はもっと出来る子ですっ……!」 しずく「っ!」 しずくがミスをしてボールを高く打ち上げる 善子「これ、多分アウトになるわよっ」 花丸「なるわけ、ないずら!」 花丸は善子の言葉を信じずにボールを追い、ラインギリギリに落ちたボールを未体験HORIZONで返す 「ゲーム国木田津島ペア、5-4」 善子「な、なんでそんな自信満々に追うのよ!」 花丸「善子ちゃんの運の悪さでアウトになるわけないずら」 善子「ぐぬぬ……」 彼方「んー、参ったなー、ダブルスとして相手の方が上かも」 しずく「……やっぱりここはダメ元で高坂穂乃果さんや、矢澤にこさんに……」 彼方「……しずくちゃん、演じるの禁止ー」 しずく「えっ!?」 彼方「そのままでこの後試合すること」 しずく「そ、それじゃ、負けて……」 彼方「そもそもしずくちゃん、絶対勝とうとしてないよねー?」 しずく「っ、し、してますよ!」 彼方「それなら、愛ちゃんや果林ちゃんになれば多分もっと楽だったはずだよー?」 しずく「そ、それは……」 彼方「しずくちゃんはそのまま、本気で勝とうとしないならここからは彼方ちゃん一人でやるよー」 しずく「っ……、ダブルスですよ!?」 善子「何よ、なんか揉め出してるけど……」 花丸「サーブ打ちますよー?」 彼方「ごめんねー、今構えるよー」 しずく(なんでそんなこと……彼方さん……) ノレcイ´=ω=)彼方ちゃんは時に厳しいんだぜー 彼方「抜かせないよー」 善子「急に動きがっ」 花丸「機敏に……!」 善子と花丸が交互にコースを変えながらボールを返すも前衛の彼方がボールを拾っていく 善子(ずら丸を後衛にしたいけど……、butterfly警戒しないといけないし……) 花丸(かと言ってあんまり前だと……) 彼方「そこだよー」 前衛に張り付く二人の間を抜くように彼方がbutterflyでボールを落としていく 善子「っ!」 二人がボールを追うも綺麗に間に落ちてポイントを奪われる 花丸(これが打たれ続けるとまずい……) 果林「彼方は本当あのむらっ気がなければすごいんだけど」 エマ「このゲーム取れても続くとは限らないし……、やっぱりしずくちゃん次第かな……」 侑「……」 花丸「えいっ!」 しずく「っ、ひっ!」 花丸の普通のサーブをしずくがやっとのことでラケットに当てふらふらとボールが返る 善子「う、嘘でしょ、なにそれ!?」 善子がツッコミつつボールを打ち返してポイントを取る しずく「ご、ごめんなさい……」 彼方「しずくちゃん、やっぱりその状態だとダメ?」 しずく「……」 歩夢「あれだけいろんなプレーヤーになりきれるからテニス技術は高いはずなのに」 璃奈「なぜか演じてないと急に初心者レベル」 しずく(や、やっぱり誰かにならないと……、このまま負けて……) 彼方「ダメだからね、しずくちゃん」 しずくのボールにもフォローするように彼方が前衛でボールを拾い続けていく 善子「そっちがその気なら……!」 彼方「あっ、しまった……」 彼方が一瞬麻痺したように腕が動かなくなり振り遅れる 善子「高まる闇の力」 花丸「善子ちゃん、いいスポットずらー」 善子「高まる闇の力っ!」 彼方「マッチポイント……」 しずく「彼方さん、このままじゃ負けちゃいますよっ、私演じないと……!」 彼方「しずくちゃん、勝ちたい?」 しずく「え?」 彼方「本当に勝ちたいならいろんなもの全部捨てるしかないんだぜー?」 善子「ずら丸決めるわよー!」 花丸「任せて!」 しずく(負けてもまだ問題ない……でも……) 花丸がトスをあげる しずく(皆が必死に頑張ってるのに、私が必死にならずに負けるなんて……) しずく「それは嫌っ!!」 サーブに対してしずくが跳ね際を叩くリターンを打つ 善子「ライジングっ!?」 速いリターンに善子も間に合わずにポイントを許す 「デュース」 しずく「で、出来た……」 しずくは自分で打ったボールに驚き腰を抜かしている 彼方「しずくちゃん、新しい自分おめでとうー」 彼方がしずくに笑って手を伸ばす −−−−− −−− − しずく「たああっ!」 花丸「よ、善子ちゃんお願いずら!」 善子「っ、急に振らないでよ!」 しずくが後方から鋭いボールを飛ばし続け、彼方が隙を見てボレーを取るパターンでポイントを稼いでいく 彼方「はい、ざんねーん」 善子「あ……」 花丸「ついにリードされたずら……」 「ゲーム近江桜坂ペア、6-5」 彼方「いいよー、しずくちゃんー」 しずく「ま、まだドキドキしてます……」 善子(あれからずっとあのまま、怖さは別にないんだけど……) 花丸「……!善子ちゃん!しっかり見て!」 しずく「愛さん、これは届いちゃうよー!」 善子のボールに難なくしずくが追いついてボールを返す 善子「っ、ちょっと!やめたんじゃないの!」 しずく「これも私の強さですから!頼り切ることはやめました!!」 花丸「また変わって……」 しずく「DIVEです!」 しずくが軽く浮いたボールを見逃すにスマッシュする 果林「なりふり構わずになったわね」 侑「多分、完璧に演じるんじゃなくて都度演じ分けしてる……、あれを極めたらすごいことになりそう……」 しずく「誰かを演じるのも、自分自身のテニスをするのも、全部私のテニスです!」 にこ「随分派手にいろいろやるわね……」 希「あれは演じ分けは驚異的やねー」 絵里「にこの言ってるのはそっちじゃないと思うわ」 にこ「……完全にコートの主役になってる、長い時間であの子の成長物語見せられてるような」 絵里「意識的なのか無意識なのかわからないけど、会場が虹ヶ咲の味方になってるわね」 しずく「さあこのまま……最後まで!」 善子「ダークネスサーブ」 善子が不意をついたクイックサーブを打ちしずくにラケットを振らせずにポイントを奪う 善子「深淵の闇に再び飲まれなさい」 花丸「まる達は引き立て役じゃないずら!」 果南「こんな空気ぶっ飛ばしちゃえ!」 千歌「やっちゃえー!」 梨子「声援がちょっと悪役っぽいけど……」 善子「雰囲気に油断してると!」 花丸「食らいついてやるずら!」 彼方「よーし、彼方ちゃん、そろそろ目が覚めたから暴れようかなー」 しずく「今ですか!?……ここは私に任せてください」 彼方「並ばれたら動くよー?」 しずく「はいっ!」 善子「動いてほしくないけどこのまま終わらせないわよ」 しずく「っ!」 しずくがロブを打ち上げる 花丸「ほっ!」 花丸がボールを打ち返すと再びしずくがロブを打ち返す 善子「またロブ……?」 花丸「善子ちゃん、なんか嫌な予感が……」 善子と花丸がボールを返すも何度もしずくが追いついてロブを打ち返す 善子「それじゃいつまで経っても、……っと」 善子が打ち返すタイミングが遅れる しずく「まだまだいきます!」 花丸「……善子ちゃん!落下スピードどんどん速くなってる」 善子「見りゃわかるわよ!」 急激に落下していくロブに花丸と善子の対応が遅れ始める しずく「これが私の最初のオリジナルショットです!」 花丸「は、速いっ!」 しずく「Solitude Rain!」 しずくの打ち上げたロブは打ち上がり終わると高速で落下し花丸と善子がラケットを向けてなんとか追いかける 善子「っ、いっけーー!」 花丸「届けーー!!」 体勢を崩しながら二人のラケットはボールを捉えるもネットへとかかってしまう 「ゲームセット、ウォンバイ近江桜坂ペア、7-5」 彼方「しずくちゃん、偉いよー」 彼方がしずくを抱きしめます しずく「か、彼方さんっ……」 彼方「しずくちゃんのテニスはここからだよ」 しずく「……はいっ」 善子「あー……負けたー……」 花丸「ずらー……」 ルビィ「あともうちょっとだったのに……」 梨子「流石に落ち込んで……」 善子「もう!なんで才気煥発使わないのよ!」 花丸「あれはルビィちゃん限定!善子ちゃんこそゾーンは!?」 善子「そんなホイホイ出来るならやってるわよ!」 鞠莉「元気そうね」 ダイヤ「お二人とも!戻ってきなさい!」 穂乃果「ただいまー」 ことり「戻ったよー……」 花陽「あ、おかえりなさい、って、穂乃果ちゃん以外ボロボロ!?」 真姫「理由は後で話すわ……」 穂乃果「今どんな……、って、虹ヶ咲リーチ!?やばいじゃん!」 希「せやねー、でもこれで終わる浦の星やないと思うよ?」 果林「さてと、ここで終わらせてもいいわよね」 璃奈「果林さん、それは……」 せつ菜「負けフラグですよ!完全に!」 果林「え、えっ!?」 愛「言っちゃいけないワードだよねー」 侑「でも勝ったら告白するんだよりはマシかな?」 果林「な、なによ、も、もう!」 エマ「果林ちゃん、任せたよー」 せつ菜「負けても大丈夫です!」 果林「っ、絶対出番回してあげないからっ!」 ダイヤ「……なんだかこの前も見たような状況ですわね……」 果南「いつも崖っぷちというか……」 「続きましてシングルス3のオーダーを発表します」 曜「まあ、千歌ちゃん的に言うなら……、プレッシャーかかるなー」 シングルス3 渡辺曜VS朝香果林 おつおつ 普通だとサドンデスいくだろうしここから浦の星が三タテするんだろうね まだ1度も勝ってないメンバーもいる訳だし 今のところ決勝で一度も勝ってないのは希と千歌か 正直千歌ちゃんは善戦するけどこのまま一度も勝てないほうがらしいっちゃらしいよな ルビィ「と、とにかくあのサーブ、気をつけて」 曜「んー、昨日見たからなんとかなるとは思うけど、行ってくるね」 梨子「み、見ただけでなんとかなるものかな……」 曜がすでに果林の待つコートへと向かう 果林「よろしくね」 曜「よろしくお願いしますっ!」 果林(浦の星の中では一番フットワークがある、相手が相手だけに負けたけど、危険な相手) 曜(昨日はサーブばっかり目立ってたし、ダブルスだったけど、なんか危険な気がするんだよねー) 「ザベストオブワンセットマッチ、渡辺サービスプレイ」 曜(ここは確実に取っておかないと!) 果林「攻めていくわよ!」 果林が曜のサーブを返すと前へとダッシュする 曜「それなら!」 前に出てくる果林に対して厳しい角度のコースのボールを曜が返す 果林「いいボールね」 果林が腕を伸ばしてボールを返し、曜は一気にネット際まで飛び出してボールを叩き込む 曜「全速前進ヨーソロー!」 果林「速い……」 「15−0」 曜「この調子でいくよー!」 果林「させないわよっ!」 果林のリターンに再び曜が縮地を使って前にダッシュする 曜「えいっ」 果林「はっ!」 曜のボールを果林がトップスピンをかけてネット奥を狙う 曜「それ届くよ!」 曜は軽くジャンプしてラケットを伸ばすと勢いを殺してボールを落とす 果林「っ!」 果南「上手いあれは追いつけな……」 果林は即座にネット際に現れるとボールを拾い上げて返す 曜「嘘っ!?」 曜は完全に逆をつかれるもラケットを左手に持ち替えて腕を伸ばしボールを返す 果林「そういうのも出来るのね」 ネット際の果林がロブをあげると曜が後方へダッシュする 曜「危ないっ、なんてねっ」 曜は身体を後ろに向けたままボールに追いつくとラケットを使い上手くボールを打ち上げつつ果林のコートへ返す 果林「届くっ」 果林が高くジャンプしてボールに届くと空いたスペースにスマッシュを叩き込む 曜「せつ菜ちゃんだっけ、借りるよー!」 せつ菜「え?」 曜「DIVE!」 曜はスマッシュに対して跳ね際をグランドスマッシュで打ち返す 果林「甘いわよっ」 すかさず果林は身体を反転させながらスマッシュの勢いを殺してボールを打ち上げると曜の後方へと落とす 曜「あれは、ちょっと無理かな」 「15−15」 長く激しい攻防に観客席が盛り上がる せつ菜「私のDIVE……」 梨子「私のショットなんか色んな人に真似される……」 歩夢「す、すごい……」 かすみ「な、なんですか、あの二人は……」 侑「怖いのは、二人とも無我とか使ってなくて素でやっちゃってるとこだね」 曜「決まるポイントたくさんあったんだけどなー」 果林「こっちもよ、油断できないわね」 曜(リターンからエース狙う気満々、すごいなー……) 果林(少しでも甘いボール打ったらそこで終わりね……) 曜「……気を取り直してサーブいくよ!」 曜がジャンプサーブを打つと果林が跳ね上がりを待って力強いリターンを打ち返す 曜「っと!」 曜がボールを返すとネット際に縮地で飛び込む 果林「だと思ったわ」 いつの間にか果林もネット際に陣取り至近距離でラリーが始まる 曜「っ!りゃ!」 果林「くっ!」 今度は先に曜がロブをあげると果林が後ろにダッシュしながらジャンプして背面でラケットを伸ばしてボールを返す 曜「え、ええっ!?」 曜は驚きながらも返ってきたボールをドロップショットで前に落とす 果林「返せるっ!」 果林は再びネット際へとダッシュしてボールを拾うも曜は冷静に空いたスペースにボールを返す 「30−15」 曜「ポイント取るのがきついなー……」 千歌「よ、曜ちゃん並みにすごい動き……、というかあのネット際のダッシュって曜ちゃんのやつじゃ」 ダイヤ「若干曜さんよりも遅いですが、かなり近いスピードですね……」 善子「あの野生児みたいな動きに」 花丸「都会のシティガールがなんで追いつくずら!?」 曜「好き勝手言ってるなー……」 曜(でも、確かにここまで動けるのはびっくりかも……) 果林「まだまだこんなものじゃないでしょ?」 曜「もちろんっ」 再び二人の激しいラリーが続く 果南「曜の縮地は砂浜で鍛えたからこそなのに、まさか似たようなことできるなんて……」 花丸「プロフィール見ても東京都出身ずら」 花丸が紙の資料を見ながら言う 曜「これも厳しいっ!」 曜がネット際に駆け上がりボールを拾う 果林「これは貰うわね」 浮いたボールを見逃さすにネット際に詰め寄った果林がスマッシュを打つ 曜「っ、このっ!」 曜がなんとか食らいつこうとするもラケットが届かずにポイントを許す 「30−30」 曜「最初からそんな飛ばして、スタミナは大丈夫?」 果林「もちろんよ」 曜(本当に平気そう……) 侑「愛ちゃんと果林さんの驚異的フィジカルお化けダブルスも見たかったなー」 愛「それねー、お互い守備範囲広くてあんまり上手くいかなかったんだけど」 エマ「果林ちゃんはシングルス向きだよ、昨日は遠慮してたみたいだけど、今日はいつも通りイキイキしてるよー」 果林「はっ!」 強烈なストロークを果林が打つ 曜「このー……」 曜がラケットを逆手に持ってギリギリまで引きつけ振り上げるようにボールを打つ 果林「それくらい私も出来るわよ!」 果林もラケットを逆手に持って同じような動きで打ち返す 曜「もういちいち驚かないよっ!」 前に飛び出しながら曜がジャックナイフを使ってボールを返す 果林「っ」 「40−30」 千歌「さ、逆手打ちまでやってるよ!?」 梨子「……東京出身って、もしかして……」 梨子が花丸の持ってる資料を覗き込んで確認する 梨子「は、八丈島っ……」 ダイヤ「な……」 千歌「え?島?東京って島があるの?」 果林「砂浜は少ないけど、岩場で随分鍛えられてるのよ」 曜「これは、なかなか大変かも……」 (ζル ˘ ᴗ ˚ ルヘ最近判明して助かったわ 曜「っ、りゃ!」 曜が高速のパッシングショットを打つと果林がラケットに当たるのみでネットは越えずに落ちてしまう 果林「なんでもありね、まったく……」 「ゲーム渡辺、1-0」 穂乃果「海未ちゃんのラブアローショットじゃない!?」 ことり「んー、打ち方とか違うからあくまでラブアローショット並みのパッシングショットかな……」 海未「ラブアローの方が速いです」 穂乃果「え、でも」 海未「速いです」 穂乃果「……はい」 曜(やりきってようやくキープ、飛ばしすぎかなー) 果林「今度はキープさせてもらうわよ」 果林がサーブを打つ体勢に入る ルビィ「後はあれをどれだけ早く攻略出来るかなんだけど……」 果南「速いだけのサーブじゃないから、かなり厄介だよね」 果林「いくわよ!Fire Bird!」 果林がトスをあげ身体を反らしバネのような動きでサーブを打つ 曜「……」 サーブはバウンド後、低く滑るような軌道を描く 果林「……どういうつもりかしら」 曜はサーブを打とうともせずにじっとボールの動きを 眺めている 曜「……」 ブツブツと何か言いながら曜は逆サイドへと移動する 果林「……」 続くサーブも曜はボールの軌道を眺めるだけで打とうとする動作が一切ない かすみ「諦めちゃったんですかねー」 歩夢「そんなことは……」 果林(打つ素振りもしないっていうのは……) 曜「パンッ、っ、ターンっ、ギュルンッって感じかな……」 果林が3度目のサーブを打つもそれも曜は見るだけで動こうとしない 鞠莉「このゲームは捨てるのかしら?」 千歌「んー、……それは曜ちゃんっぽくないかな」 果林「これで、とりあえずキープっ!」 サーブが高速で曜のコートに入ると狙っていたように曜が動き跳ね際を捉えるようにサーブを返す 果林「なっ」 「40-15」 曜「スピードはなんとなく目が慣れたんだけど、ほとんど跳ねず動くのに苦労しちゃったよー」 果林「もうタイミング掴んだのかしら……」 曜「うん、バウンド後のギュルンの前が打ちやすいからっ、ターンっ、に合うようにターのところで振ればいいかなって」 果林「……はい?」 梨子「わ、わかる?千歌ちゃん?」 千歌「あれは曜ちゃんしか理解できないから無理」 善子「と、とりあえず打ち返せるのよね?」 果林「そう簡単にはっ!」 果林がトスをあげサーブを打つ 曜「……そこだ!」 完璧なタイミングで曜はリターンショットを打ち果林に反応する余裕もなくポイントを奪う 果林「まぐれじゃないのね……」 曜「同じサーブばっかりだったら、もう返せるよ」 にこ「私たちがあのサーブ苦労してたのが馬鹿らしくなってきたわ」 希「しかも3回じっくり見ただけって……」 海未「穂乃果、よく勝てましたね」 穂乃果「いやー、大変だったよ?実際」 果林「っ!」 果林は納得できないのかFire Birdを打ち続けるも 曜「せいっ!」 曜は何度も完璧なタイミングでボールを打ち返す 花丸「なんかいろいろ自信なくすずら……」 ダイヤ「あんまりこういう言葉は使いたくないのですが、曜さんに関しては使わざるを得ないですわね……」 ダイヤ「……彼女は天才ですわ」 「ゲーム渡辺、2-0」 曜「さあ、どんどんいくよ」 果林「参ったわね……」 エマ「果林ちゃん、今のはムキになっちゃったね」 侑「必殺サーブ、あんなに完璧に返されちゃうとね」 彼方「次はいろいろと変えると思うけどー、いきなりブレークは痛いねー」 しずく「大丈夫ですよ、果林さんにはまだ一番の武器がありますから」 曜「よーし、このまま全速前進ヨーソロー!」 果林(悔しいけど、テニスセンス、身体能力、相手の方が上) 果林(それでも勝てるとは限らないことを教えてあげるわ) 曜「せやっ!」 果林「はっ!」 曜のサーブを果林が足元を狙うような位置にリターンを返す 曜「おっと!」 曜はそのボールも上手く捌いてボールを返す 果林「……そこ!」 曜「っと」 曜(そこ取りづらい……けど!) 曜は高くボールを打ち上げる 果林「……ミス、じゃないわねっ!」 果林は一瞬足が止まるも会場に風が吹いてることに気付くとすぐにボールを追いかける 果林「っ!」 風により戻されるボールに果林は何とか追いつくもボールはネットにかかる 曜「Beginner’s Sailing!」 果林「やられた……」 せつ菜「やはり強いですね、渡辺曜さん」 愛「愛さんとやった時はまだまだ本気じゃないって改めてわかるよー、あー!もう一回やりたーい!!」 曜「えーい!」 果林(風を利用した速いスライス、いいショットねっ!) 鞠莉「ちょっと心配だったけど、絶好調みたいね」 梨子「これなら、大丈夫そう……、どうしたの?二人とも?」 曜の様子を果南と千歌が真剣な表情で見つめる 果南「やっぱり、変だよね……?」 千歌「うん……」 善子「どうしたのよ、いったい」 千歌「曜ちゃん、さっきから打ちづらそう……」 花丸「あ、あれが?」 曜(さっきから攻め方がなんか変わってきてる、こっちの様子見てるというか……、観察されてる……?) 曜「はっ!」 「ゲーム渡辺、3-0」 果林「次は私のサーブだけど、もうFire Birdだけ打つことはしてあげないわよ?」 曜「了解であります!」 果林「あんまり好きじゃないんだけどね!」 果林はトスをあげ高速サーブを打つ 曜「っ!」 サーブば普通にバウンドするも速さに曜が追いつけずにポイントを許す 果林「これ、単に速いだけのサーブだから」 曜「それでも十分すぎるんだけど……」 曜(ここからは複数のサーブ警戒しないと、簡単にキープされる……) 果林(それでもすぐに対応するんだろうけど、ここからよ) 果林(あなたのことはほぼ見えたわ) 果林のサーブに曜は苦戦するもギリギリで曜は対応してこのゲームもブレークする 「ゲーム渡辺、4-0」 曜(ブレーク出来たけど、なんだろ、この感じ……) 璃奈「そろそろ来る」 歩夢「……ここからが果林さんの怖いところ……」 曜(このままいくとは思えないけど、考えても仕方ないっ) 曜は頭を切り替えてサーブを打つ 果林(流石ね、普通はもっと輝くんだけど、本当に数カ所しかないみたい) 果林「見えたわ」 果林が何かを狙ってボールを打つと曜は身体が止まりボールを返せない 曜「え……」 ダイヤ「今のは……」 ルビィ「身体が動けなかったみたい……」 曜「あ、あれ、おかしいな……」 曜は違和感を感じるも続いてサーブを打つ 果林(そのうち気付くかしら、気付いても無駄だけどね) 果林「はっ!」 曜「せやっ!」 曜が逆手でボールを返すと果林が追いかけながら曜のコートを凝視する 果林(青く輝いてきたわね、そこよ) 果林が狙い打つようにボールを返す 曜「っ!」 曜はボールに反応しようとするも動くことが出来ない 曜「そんな……、反応できない……」 果林「あなたに破れるかしら、私のVIVID WORLDは」 テニスの王子様知らなくても跡部様の名前は知ってる人わりと多そう 曜「ま、また……」 果林のボールに曜が動けずに次々とポイントを奪われていく 果林「無駄よ、そこは動けないでしょ?」 曜「あー……、これちょっとまずいかな……」 千歌「やっぱり、さっきから打ちづらそうにしてたけど……」 梨子「多分、死角だと思うけど……、でもあんな的確に……」 エマ「果林ちゃんの最大の武器があの目、前は相手の動きづらそうなところとかがわかるくらいだったけど」 侑「今は観察することで相手の死角が完全に見えるというか、輝いて見えるって言ってたっけ?」 しずく「一応、私もやってみたんですけど、青く光る感じでしたよ?」 かすみ「でしたよ、って言われても……」 果林(極端に少ないけど、あなたにも死角はあって安心したわ) 果林がコート上に青く輝く部分を的確に狙ってショットを打ち続ける 曜「っ……」 善子「苦手なコースとかそういうのとも違うのよね?」 ルビィ「うん……、死角はその人が本当に反応できないところだから……、あんな感じで動けないんだと思う」 曜「なんとかしないと……」 果林「無理よ、あなたはもう私の鮮やかな世界の中にいるもの」 果林「どう足掻いても逃げられないわよ」 せつ菜「……格好いいです!まるで漫画の主人公みたいです!」 愛「どっちかというと悪役じゃない?」 璃奈「ライバルキャラ」 彼方「それだと負けちゃいそうだよねー」 歩夢「み、みんな、果林さんが恥ずかしそうにしてるからやめてあげて……」 果林(つ、つい気持ち良くなって言ったけど……恥ずかしいわね……、かすみちゃんのメンタル見習わないと……) かすみ「……なんかとっても失礼なこと考えてる気がします」 −−−−− −−− − 曜「まいったなー……」 「ゲーム朝香、4-4」 曜(んー、追いつかれた……、ここで取らないと次の相手のサービスゲームはきつい……) 曜(相手も4ゲームかかったんだから……、きっと……) 果林(ここまで一方的な展開になっても目が死んでない……まだ諦めてないみたいね) 果林「なら徹底的にっ!」 果林がサーブを打ち返してコートを凝視する 果林(問題ないわ、疲れてるみたいね、死角が増えてきている) 曜「せやっ!」 果林「そこよ!」 果林が青く輝く箇所を狙い打つが、コートに届く直前に輝きが失われる 果林「えっ!?」 曜「いっけぇーー!」 曜が果林のボールを打ち返していく 果林「な、なぜ……」 曜「簡単には教えてあげないよー」 果林は何度も曜の死角を打ち続けるもコートに届く前に輝きは消えて曜はボールを返していく 果林「っ!」 「40-0」 果林「どうして……、むしろ死角は増えていて……、まさか」 曜「そのまさかだよー」 歩夢「何をしたんだろう……」 彼方「んー、多分、死角をわざと増やしたねー」 愛「なにそれ、そんなこと出来ちゃうの?」 せつ菜「普通は無理です、あり得ません」 侑「でも、ちょっとずつバレないようにわざと動きを悪くして果林さんの目を誤魔化したんだと思うよ」 曜「これで、どこが本当の死角かわかんなくなってるよね」 果林「やってくれるわねっ!」 曜「あ、ここも違うよー」 果林のショットを簡単に弾き返す 「ゲーム渡辺、5-4」 千歌「曜ちゃん復活!」 花丸「このまま勝利ずらー!」 曜「よーし!このまま……」 「15-0」 曜「あ……」 果林「誰がこのまま勝たせると思うのかしら……」 鞠莉「い、今のサーブ見えた……?」 エマ「あれが果林ちゃんの最速だよー、Fire Birdじゃないけど、シンプルな速いサーブ」 果林「あんまり甘く見ないでもらいたいわね」 曜「っ……」 果林のトスの動きを曜が集中してみる 果林「はっ!」 曜「っ、ま、まずいこれはっ」 先ほどよりも速度が落ちたサーブはバウンド後に滑るような軌道を描く 果林「Fire Birdを打たないわけじゃないわよ?」 曜「わ、わかってるよ……」 果林はサーブを曜に取らせることなくサービスゲームをキープしていく 曜も果林のVIVID WORLDの死角を騙しながら自分のサービスゲームをキープする 曜「っ、このっ!」 曜のリターンがコースを外れてアウトになる 「ゲーム朝香、6ゲームオール、タイブレーク」 曜「タイブレークか……」 果林「疲れたんじゃない?」 曜「まさか、まだまだ元気一杯であります!」 果林「……そう、私もようやくウォーミングアップが終わったところよ」 −−−−− −−− − 果林「いくわよ!Fire Bird」 果林のサーブは滑るような軌道ではなく高くバウンドし、曜が慌てて返すも果林にネット際に詰め寄られてポイントを奪われる 曜「嘘つき!」 果林「正直に打ったら取られちゃうでしょ?」 確実にサーブでポイントを入れていく果林に対して 曜「よっと!」 果林「左……っ」 曜「危ない危ない……」 左手に持ち替えたりと果林を翻弄しながらポイントを奪っていく曜 「8-8」 かすみ「いつまで続くんでしょうか、このタイブレーク……」 果林が単なる高速サーブを打つも曜はラケットに当てて返してくる 果林(そろそろサーブでポイントするのも限界っ……) 曜(いい加減死角もバレちゃうかなっ……) 曜の動きを見逃さないように凝視しながら果林がボールを打ち込むも曜は苦戦しつつもボールを返していく 果林(もっと確実に筋肉や骨の動きまでわかれば、騙されないはずっ!) 果林「ここはどうかしら!」 曜「っ」 「9-8 朝香」 果林「よし……!」 曜「その場所は、正解……」 果林「ここで終わらせる」 曜「……させないよっ!」 曜が助走をつけながらボールを高くあげて自身も高くジャンプする 曜「せやっ!!」 果林「なっ」 高い打点から振り下ろされたサーブに果林は不意を突かれて反応できない 「9-9」 曜「ふぅ……」 果林「ここでそんなこと試すなんて……」 曜「簡単には終わらせないよっ」 その後もお互いポイントをキープしつつゲームが進んでいく 「21-20 渡辺」 果林「はあはあ……」 曜「よしっ!」 梨子「す、すごいタイブレーク……」 果南「なんとか繋いでくれれば……」 果林「もう限界じゃないかしら?」 曜「……昔からさ、負けても負けても諦めない子とずっとテニスをしてたんだよね」 果林「え?」 曜「スタミナもおかげでついたし、何より諦めないって気持ちをたくさんもらったから、こんなところで終われない……」 曜「100ポイントまで続けてもいいよ、タイブレークっ」 果林「なっ……」 花丸「あ、あれは本気でやるつもりの目……」 善子「それギネス記録とかになるんじゃ…….」 果林「……いいわね、200くらいまでやろうかしらっ」 果林も曜も疲れてる中、笑みを浮かべて構える 果林「いくわよ!」 果林の渾身のサーブを曜がリターンで返す 果林(VIVID WORLD!) 果林の目にコートに青く輝く部分がぼやけて映し出される 果林「違うっ!」 曜「全速前進ヨーソロー!!」 曜がネット際に縮地で飛び出しながらボールを返す 果林(絶対に打てない場所を、見つけるっ!) 曜のコートに一際青く輝く部分が見える 果林「そこよ!」 果林はそこを的確に狙ってショットを打つ 曜「っ、……りゃ!!」 曜は身体を回転させるように逆手に持ったラケットでそのボールを返す 果林「そんなっ!」 スピードの乗ったボールを果林が飛び込むもラケットはあと一歩届かない 果林「……そこは死角じゃ」 曜「そうだね、死角だったよ、さっきまでね」 果林「……なによ、それ……」 果林がコートに倒れ込む 「ゲームセット、ウォンバイ渡辺、7-6(20)」 曜「ちなみに、あと100ポイントくらいは実際いけたよ」 果林「……私も余裕よ」 千歌「勝ったー!曜ちゃーん!」 千歌がコートに飛び込んで曜に抱きつく 曜「わわっ、まだようやく一勝だよ」 鞠莉「なんとか、繋いでくれたわね」 果南「うん、うちの最強ダブルスも準備できたみたいだよ」 ダイヤ「いけますわね、ルビィ」 ルビィ「うんっ……!」 果林「ごめんなさい、決められなかったわ……」 愛「あとは任せといてー!」 璃奈「次で終わらせる」 果林「ふぅ……」 エマ「あと100は無茶じゃない?」 果林「……出来たわよっ」 「続きまして、ダブルス1のオーダーを発表しま……」 会場アナウンスの前にすでに4人はコートへと向かう ダイヤ「逃げずに来ましたわね」 璃奈「もちろん」 ルビィ「ま、まだ、浦の星は終わらせない……」 愛「いいねぇ!愛さんもワクワクしてきた!」 ダブルス1 黒澤ダイヤ・黒澤ルビィVS宮下愛・天王寺璃奈 |c||^.- ^||負けませんわよ 花粉症外来でかなり軽減できることもあるらしいけど、自分に合った治療法や薬を見つけるのはなかなか大変だそう 鼻にワセリン塗るの試したら今シーズンは症状出てないな 元々そんな酷くもなかったけど 穂乃果「わ、わぁ……」 海未「噂には聞いてましたが、このままでとは……」 にこ「昨日の試合から考えてもこのダブルスの試合はレベルの高いものになるとは思ったけど」 絵里「ちょっとこの展開は……」 花陽「やっぱりすごい……幻の最強ダブルス……」 「ゲーム黒澤ペア、4-1」 愛「あっと驚くなー……、圧倒されてるだけに……」 璃奈「愛さん、もしかしてまだ余裕?」 愛「体力的にはね、……展開的には余裕ないけど」 ダイヤ「このままいきますわよ、ルビィ」 ルビィ「うん」 愛(最初のゲームがいい感じに取れたから油断した……、というかあのゲームだけで) 璃奈(データを取られた) かすみ「あんな速さでデータ取られるなんて、あれはちょっと反則じゃないですかー……?」 せつ菜「昨日から試合見られてたせいもあるとは思います、ただデータ取られてもそれを即座に活かすことの方が……」 侑「そこが最強ダブルスって言われてる理由、かな」 愛「りなりー、向こうほとんど指示とか出してないけど同調なのかな」 璃奈「多分違う、あれは……」 ダイヤ「姉妹なのですから意思疎通など簡単ですわ、同調など必要ないのです!」 ルビィ「あ、あはは……」 璃奈(そうは言うけど、あれは黒澤ルビィさんがいるからこそのコンビネーション、短い時間で的確にデータを伝えて動きも邪魔にならないように上手く動いてる) 愛「結論としては?」 璃奈「すごい厄介」 愛「だよねっ!」 愛が後衛で走りながらボールを拾う 愛(とりあえずその速いのが的確に……!) 愛が返したボールをダイヤが狙うように風林火山の風でボールを返す 愛「っと!」 愛はなんとかボールを返すも前衛のルビィがわかっていたようにボールの軌道上で待ち構える ルビィ「返してくる確率100%、このコースも92%」 ルビィがボールを叩きつけるも璃奈もそれを読んだようにボールを打ち返す 璃奈「させない」 璃奈がポールを狙ってボールを打つもダイヤがすでにネット際へと詰める ダイヤ「ここまでがデータ通りですわ」 愛「やばっ!」 ダイヤ「静かなること、林の如く」 ダイヤはポールにあたり跳ね返ったボールを回転を和らげネット付近に落とすようにボールを返す 愛「っ……!」 愛もそのボールに飛び込むも届かずにポイントを奪われる 璃奈「愛さん」 愛「風林火山、聞いてた以上にきついなー、まあでも、やるしかないっ」 ルビィ(お姉ちゃんの風と林で宮下愛さんは上手く封じてる、おかげで私は前衛にのみ集中出来る) 愛「りなりー!次任せた!」 体勢を崩された愛が璃奈に声をかける 璃奈(マークされてるなら、逆に……) 璃奈がルビィに向けてドロップショットを打つ ルビィ「……!」 意表を突いてきた攻撃にルビィが戸惑いながらボールを返すも ルビィ「ドキドキニャンニャンって言いながらコーナーを狙うトップスピンショット……」 璃奈「ドキドキニャンニャっ……え」 ルビィの予想通りに璃奈がボールを打つとすでに狙った先にダイヤが待ち構える ダイヤ「流石ですわ、ルビィ、疾きこと風の如く!」 居合い抜きのようなスイングで打たれたボールが璃奈の横を通り抜ける 璃奈(は、速い……) 愛「りゃあっ!!」 愛がカバーに入りボールを返すもネットにボールがかかってしまう 愛「ダメかー……」 「ゲーム黒澤ペア、5-1」 璃奈「全部読まれてる……」 愛「ただでさえ風林火山厄介なのに」 璃奈「データテニスのせいで的確に打ってくる」 ダイヤ「ここまでは順調ですわね」 ルビィ「うん、でも…….、予想以上に順調すぎるかも……」 ダイヤ「何かまだやってきますわね」 愛「ダブルスっぽく上手くやりたかったけど」 璃奈「やっぱり私たちには向いてなさそう」 愛「りなりーは出来そう?」 璃奈「……もう少しかかる」 愛「それじゃ、なんとか凌ぐしないね」 璃奈「でも、この作戦は愛さんに負担が……」 愛「なーに言ってるのさ、私たちのダブルスはそれでいいんだよ」 璃奈「愛さん……」 愛「ここまで温存してたから正直体力あり余ってるんだよね、大丈夫いけるよ」 璃奈「……うん」 愛と璃奈はお互いのラケットを交差させて頷く ダイヤ(さあ一体何を……) 璃奈がサーブを打つとそのまま璃奈はコートの外へと出てしまう ルビィ「えっ」 ダイヤ「な、何を……」 戸惑いながらダイヤがサーブを返すと愛がセンターに陣取りボールを追いかける ダイヤ「まさか……」 愛「暴れるよー!」 歩夢「あ、愛ちゃん、まさか……」 かすみ「いやいやいや!!無理ですよー!そんなのー!」 璃奈はコートの外に立ち愛が一人でコートの中でボールを返していく ルビィ「そ、そんな無茶なこと出来るわけが……!」 ダイヤ「あまり舐めないで欲しいですわ!」 ダイヤが怒りながらボールをコーナーに打つも愛はコートを走り回りボールを返していく 愛「よっ!」 ルビィ「……」 ルビィはすかさず返ってきたボールをドロップショットで返す 愛「間に合えーー!!」 ルビィ「えぇっ!?」 愛は即座にダッシュしてボールを拾っていく ルビィ(動きがさっきまでと違う……) ダイヤ「侵略すること、火の如く……!」 愛の動きを牽制するようにダイヤが強烈なスマッシュを打つ 愛「効くー!」 スマッシュを愛が無理矢理ラケットを両手に持ち打ち返す 「15-0」 ダイヤ「本気で一人でダブルスをやるつもりですか……」 愛「正統派ダブルスじゃ、二人には勝てそうもないからさ」 愛「見せるよ、愛さんの本気っ!」 卓球とかと違ってコートが広いからダブルス側がずっと有利そうだけど、テニプリの世界なら何とかできちゃうのか 元ネタ詳しくないけど、歩夢が最初にしてたのは処刑テニスとはまた違うのかな 愛「愛さん式、ジャックナイフっ!」 愛が前に飛び出しながら体重を乗せてジャックナイフを打つ ダイヤ「!?」 ダイヤは対抗するようにそれを無理矢理返そうとするも予想以上のボールの重さにラケットが弾かれる ダイヤ(これもデータ以上のボール……) ルビィ「お姉ちゃん!?」 ダイヤ「大丈夫ですわ……、それにしても」 ルビィ(さっきから全部データ以上のことをされてる……) ルビィ(いくら幅を考えてもここまで動けるなんて、昨日の試合からは考えられない……) ルビィ(それよりも……) ダイヤ「ダブルスコートすべて守備範囲なのは反則ですわねっ!」 歩夢「まさか、練習で遊んでただけかと思ったのに……」 せつ菜「実戦で使うとは……」 侑「ん?なになに、それ私知らないかも」 歩夢「前に愛ちゃんが私たちと二人相手にどこまで出来るか試したいって言って練習したんだけど」 せつ菜「てっきりディフェンス強化練習かと思ってたのですが……」 侑「……それで、その時の結果は?」 せつ菜「ディフェンス重視だったので、参考にならないかもしれませんが、……1ゲーム取るのに15分くらいかかりました」 ダイヤ「打てる場所が……!」 ダイヤ(前後のスピードは曜さんより遅かったはずですのに、今のスピードは全方向で全選手最速……) 愛「ほらほらー!いくよー!」 ダイヤも角度をつけてボールを返すも愛が次々にボールを返してくる ルビィ(さっき凌ぐって言ってたから……、とりあえずここは様子見を見ながらボールを返していけば……) 愛「いっくよー!」 愛のジャンプショットをルビィが無理をせずに返す 愛「チャンスっ」 愛はルビィの打ち方を見て一気にネット際へと詰めてボールを叩きつける ルビィ「ぴぎぃっ!?」 「40-0」 ダイヤ「ルビィ!守ろうとしたら一気にやられますわよ!」 ルビィ「ご、ごめん……」 ダイヤ(ルビィは確かに天性のダブルスプレイヤーとして優秀ですが、メンタル面がまだまだ幼い……) ダイヤ(この状況に混乱して立て直せてませんわ) ダイヤ「相手は一人ですが、ダブルスをしている気持ちで攻めないと一気にやられますわよ!」 愛「さすがー!わかってるー!」 愛が回りながら遠心力を使ってボレーを打つ ダイヤ「それくらいでは!」 対抗するようにダイヤも舞うように動きボールを返していく ルビィ(神楽舞……、お姉ちゃんがこの試合で初めて使う……、それだけ警戒して攻めないといけないってこと……) 愛「ほらほら!油断しちゃダメだよ!」 ルビィの様子を見て愛はルビィに向けてボールを返す ルビィ「っ、Charming lollipop」 咄嗟にルビィがボールを打ち上げる 愛「あれは、落ちるんだっけっ!」 ルビィ(ネット際に出てるからあれは間に合わないはずっ) 愛「せーの!!」 勢いをつけて愛が思い切りジャンプをする ルビィ「えっ!?」 愛「これが愛さんの最大飛距離!」 ダイヤ「なっ……!?」 愛はバスケットゴールくらいの高さまで飛び上がりそのままボールを叩きつける 愛「ダンクスマッシュっ!!」 ボールは音を立ててコートに叩きつけられ高くバウンドしコート外へと出てしまう 「ゲーム宮下、天王寺ペア、2-5」 千歌「ひ、ひとりでゲーム取った……」 善子「しかもあの二人のダブルス相手に……」 愛「まだまだ暴れたりないよっ!」 穂乃果「す、すごい……」 海未「花陽みたいなタイプなのでしょうか……明らかに動きも何も違いすぎるような気がしますが……」 にこ「多分違うわ」 花陽「私は限界以上の力を出してるけど、あれは……」 絵里「あれがあの子の本来のポテンシャルってことね、普段はなぜかセーブしちゃってるのを発揮してる感じ」 璃奈(愛さんはああ見えて周りのことを見てるし、合わせたりする、やっぱり本来愛さんはシングルスプレイヤー) 璃奈(それでもダブルスを選んでくれた、今は愛さんを信じて私に出来ることを……) ルビィ「お姉ちゃん、やっぱり焦って攻めない方が……」 ダイヤ「ダメです、ここで速攻で終わらせなければ嫌な予感がしますわ」 ルビィ「……嫌な予感……」 ルビィがコート外に出ている璃奈を見る ルビィ(でもここから何を……) 愛「余所見してていいのかな!」 ルビィ「っ!」 愛は二人のボールをコートを走り回りながら返していきつつ、隙を見ればサイドを狙うなど攻めていく ダイヤ「っ、侵略すること火の如く!」 ダイヤも攻めの手を緩めずにスマッシュを連発していく 愛「っ!らぁ!」 無理矢理力で押し込むようにボールを返す愛だが 果林「確かにすごいけど、……愛らしくないわね」 侑「……全然笑ってない」 愛「っ、このっ!」 ダイヤ(もう少しで攻め落とせるはず、まるで手負いの獣ですわねっ……!) 愛(流石に真っ向勝負してられないかっ) ダイヤを避けるようにルビィに愛はボールを打つ ルビィ「RED GEM WINK」 ルビィがラケットを傾けギリギリまで回転をかけてドロップショットを打つ 愛「それは追いつける!」 愛がドロップショットを拾うもボールの重さにネットを越えることが出来ずに落ちてしまう 愛「お、重い……っ」 ルビィ「私も攻めるよ、お姉ちゃん」 愛「まだそんなの隠し持ってたか……」 ダイヤ(ルビィの回転をかけて限界まで重くしたドロップショット、ここぞで決める時にいつもとっておいてるショットですわね) 愛「まだまだ終わらせない……!」 璃奈「愛さん」 璃奈が愛の頭に腕を伸ばしてラケットを乗せる 愛「……りなりー」 璃奈「私はテニスの時は笑ってる愛さんが好き」 愛「……準備OKってことでいいのかな?」 璃奈「うん、ありがとう、ツナガッタよ」 从[>ᴗ<]从反撃開始 ごめん、気力が出てこない もう少し待ってもらえますか すみません、異動がとんでもないことになって気分が沈んでてまだ書けてない うわ大変ですね…。無理せずまた落ち着いたら書いてくれたら ちょっとコロナ関係のところになってしまって なんとか休みの日とかに書くようにしたいと思ってるので なるほど。大変だけど重要な仕事ですね。頭が下がります ごめんなさい コロナ対応で多忙すぎて更新出来そうもないです 落ち着いたら立て直して最初から始めるので、とりあえず落としてください あらら…お疲れ様です、ご自愛ください 再開楽しみにしてます お疲れさまです。コロナが落ち着いて再開できる日を楽しみにしてます 再開を楽しみにしています。ひとまずお疲れさまでした。 お疲れさまです 続き楽しみにしています お身体にお気をつけて ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.0 2024/04/24 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる