栞子「ここが二週目の世界ですか……」
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栞子「ぅ……ここは……」
栞子(目の前にスーツを着た女性……理事長……?)
栞子(ぼやけた視界に、だんだんとその姿が浮かび上がる……)
栞子(私は一体、何を……。どうして理事長室に?)
栞子(何か喋っているのは分かるけど、上手く聞き取れない。ノイズ交じりの声が耳を素通りしていく)
栞子(立ち眩み……貧血でしょうか? 目を閉じて深呼吸すると、だんだんと落ち着いてきました)
栞子(声のノイズが消え、視界も一段とクリアになって――)
???「栞子〜〜!!」ガチャ 栞子「……ランジュ?」
栞子(理事長室に飛び込んで来たのは、上機嫌な幼馴染の姿)
栞子「……どうしました? そんなに大きな声を出して」
ランジュ「あら? 驚かないのね? アタシの計画だと栞子の慌てふためく顔が見られるはずだったのに……むぅ、つまらないわ」
栞子「えっと……? どこに驚く要素があるのでしょうか」
ランジュ「このアタシがこんな狭っ苦しい国に来てあげたのよ? 充分なサプライズじゃない!」
ランジュ「それにしても懐かしいわね、栞子。ビデオ通話こそたまにしていたけど、こうして顔を合わせるのは何年ぶりかしら」
栞子「……? 今日も会いませんでしたか?」
ランジュ「何を言っているのよ? ……あぁ、そういうこと。アタシをからかっているのね。栞子にそんなお茶目な一面があったなんて」 ランジュ「……まあ良いわ。それより、紹介したい子がいるの。ミア、挨拶して。アタシの幼馴染で大親友の栞子に」
ミア「……Hai.I`m Mia」
栞子(ランジュの背に隠れていた女の子が、気だるげに顔を覗かせる)
栞子「ミアさん?」
ランジュ「あら、知っているのね。ニューヨークから連れて来たの。すごいでしょ」
栞子「知っているも何も……」
栞子(薄々気づいていましたが、この既視感は……あの時の。まるで時間が巻き戻ってしまったかのような……。これがランジュの言うサプライズだったり?)
栞子(半信半疑のままスマホを取り出して、カレンダーのアプリを立ち上げる)
栞子(嘘……。本当に、時間が……っ)
栞子(ランジュが何か話しているけど、言葉が耳から抜けていく。スマホを持つ手が震える)
栞子(信じられません……こんなこと) ランジュ「栞子? どうしたのよ。今はスマホよりランジュの話を聞く方が重要でしょ?」
栞子(ランジュの不満そうな声を受け、生返事に終始していた顔を持ち上げる)
栞子(……あぁ、彼女が何を話そうとしているのか、手に取るように分かってしまう)
ランジュ「いい? ここからが大事よ。アタシはこの虹ヶ咲学園で――」
栞子「スクールアイドルを始める……そう言いたいのではないですか?」
ランジュ「え? そ、その通りだけど……どうして分かったの?」
栞子「……ミアさんは世界に名を轟かせる音楽一家の次女で、稀代のヒットメーカーです。そんな方を伴ってこの学園に転入するということは、ただの気まぐれではなく何か目的があるはずです」
栞子「作曲といえば、虹ヶ咲学園にはスクールアイドル同好会があり、先のスクールアイドルフェスティバルでは国内外問わず大きな注目を集めました。当然、ランジュの耳にも入っているはずです」
ランジュ「……驚いたわ。そこまで推察できるなんて……さすがアタシの大親友ね!」
栞子「それほどでもありませんよ」
ランジュ「もっと自分を誇りなさい! そんなに謙虚だとアタシまで大したことないように思われちゃうわ!」
栞子「……ふふ、相変わらずですね」 栞子(それからも私の知っている通りに会話は進み、スクールアイドル部を作ると宣言してランジュは理事長室を後にしました)
栞子(なるほど。やけにリアルな夢ですね。知っていますよ、こういうのを明晰夢と言うんです)
栞子(本当に夢……ですよね? こういう時はアレです、試しに頬を……)ムニィ…
栞子「痛ふぁい……」ズキズキ…
栞子(それから数日ほど過ぎましたが、残念ながら記憶と寸分違わない日々の繰り返しです。月日も変化なし。どうやら認めるしかないようです……)
栞子(私は、過去に戻ってしまった……!) 〜栞子の部屋〜
栞子「はぁ……」
栞子(着替える気力も湧かず、制服のまま畳に寝転んで、胸元のリボンを緩めます)シュル…
栞子(天井をぼーっと見上げながら…………『見上げる』で合っていますよね? まあそれはともかく)
栞子「最後の記憶は……確か、その日も生徒会の仕事をこなしていて……」
栞子(靄がかかった記憶を、ゆっくりと手繰り寄せていきます……) 〜回想 生徒会室〜
栞子「ふぅ、こんなところでしょうか。お二人ともご苦労様です」
栞子「普段より早く雑務を終えることができましたね。……あぁ、お二人が監視委員の任を解かれたおかげですか」
右月・左月「…………」
栞子「今後は生徒会の仕事も捗りますね。本当に良かったです」
右月「……あの。それだけ、ですか?」
栞子「はい? 監視委員会は解散しましたし、お二人は同好会の皆さんを自由に応援することができますけど……」
右月「そういうことではなくて。私たちに何か、ないんですか?」
栞子「何か……とは?」
左月「……あの場では黙っていましたけど。謝罪、とか……」 頭痛が痛いなんて言葉なぁいから!頭痛がするでしょ!? 栞子「え。目論見通り、同好会の皆さんは極力活動を妨害されることなくゲリラライブも成功を収めました。監視委員も解散しましたし、むしろ感謝されていたではないですか。私も本当に良かったと思いますよ」
左月「本気で、言っているんですか? そんな、他人事みたいに……」
栞子「……?? 監視委員が解散するのは良いことですよね?」
左月「そういうことでは、なくて……っ!」
左月「私たち……あのオンラインライブで素性が割れていますし。もう、応援なんてとても……」 右月「そもそも、三船会長の指示では被害を最小限に抑えられていません」
栞子「……そうでしょうか? 徹底した監視ではないですし、ゲリラライブという手段も予想はつきましたが、予防策を張ることはしませんでした」
栞子「練習に関しても同様です。学内での活動であれば、見かければ取り締まるよう指示は出しましたが、監視委員はあくまで学校内の組織です。学外での活動を制限する権限は持ち合わせていません。聞いた話によると、音ノ木坂で練習していたそうですよ。音ノ木坂に限らず、別に近所の公園でも構わないんです」
栞子「加えて監視委員の人員はたったの二名。広大な敷地を有する虹ヶ咲学園であれば、部室が使用禁止にされていたとしても練習場所の一つや二つ確保できるはずです。毎度のように見つかる可能性は低いと思います」
栞子「繰り返しますが、私は徹底した監視及び練習の妨害は行わないよう指示を出したつもりです」
栞子「私は現場にいませんでしたし、取り締まりの裁量は与えていたつもりです。各々の判断で見逃せば良かったのではないですか……?」
左月「自分で指示を出しておいて、そんな言い方……っ」
栞子「えっと……事実を言っているだけなんですが」
右月「……もう良いです」
左月「……さようなら」バタン
栞子「行ってしまいました……。もう仕事もないですし、私も帰りましょう」
栞子「……あの二人、結局何が言いたかったのでしょうか?」バタン 監視委員会だけスクスタけら知能上げるのやめろ
あいつら絶対そんなこと考える頭ないからな 栞子「……監視委員会を発案したのはランジュですし。私も別に、好んで同好会の邪魔をしたいとは考えていません。むしろ応援したいと思っています」テクテク…
栞子「ランジュの行動を封じ込められていないのは事実ですが、それでも同好会はライブを成功させ、最近では部よりも精力的に活動できていますし、ファンの数も順調に増えているじゃないですか」テクテク…
栞子「監視委員による妨害も決して乗り越えられない困難ではなかった……」テクテク…
栞子「理解に苦しみますね。同好会にしても、元同好会のお二人との良好な関係は続いているはずですし、現時点で大きな問題はないはず……むしろ状況は良くなっています」テクテク…
栞子「なのに……書記のお二人、泣いていました。もしかして、私のせいで……っ!?」ズルッ
栞子「しまっ――!」
栞子(考え事をしていたせいで、段差に足を……っ!)
――ドサッ!
……………………
…………
……
… お前らも指示に従わないって選択肢があったんだぞ 甘えんな 指示に従わなかったら栞子がランジュにチクって退学だろ 〜回想終わり〜
栞子「……あぁ、全て思い出しました。というか、私…………っ」
栞子「どうしてこんなに人の気持ちが分からなかったんですか!!?」
栞子「空気も読めていないし無神経っ!」
栞子「あり得ないわ……。活動を極力妨害させない目的のためとはいえ、同好会のファンである彼女たちを監視委員に任命して……そもそもかなり妨害していましたし!」
栞子「彼女たちの協力がなければ、ランジュの指揮下でより徹底した監視委員会が設立されていたはず。心優しい彼女たちが断れるはずもありません……苦渋の決断だったのでしょう。断腸の思いで引き受けてくれたのでしょう……っ! 同好会のために!」
栞子「にも関わらず私は平然とした態度で謝罪の一つもなし。ランジュが作ってランジュが解散させたのだから我関せずといった感じで……。任命した責任は私にあるのにっ!」
栞子「盛大に頭を打ったせいでしょうか……目が覚めたような気分です。視界もとびきり明快、問題ありません」
栞子「……この事態は不可解ですが、なにも別の世界へ飛ばされたというわけでもありませんし、むしろ好都合です」
栞子「同じ轍は踏みません。書記のお二人を……大切な同好会の皆さんを悲しませないよう、私が行動しなくては!」
栞子「今日この瞬間から、あんな最低な未来とは決別です……っ!」 流石に退学にはならんだろうが内申はボロボロにされそう いやまずランジュに逆らえよ、友人として正せよ、従わないと死ぬのかよ 〜生徒会室〜
栞子「とは言ったものの、どうすればランジュを止められるのでしょうか?」
栞子(……まず、目標を決めておく必要がありますね)
栞子(最終的にはランジュが同好会誘致から手を引く、諦めさせるのが大目標です。部として活動するのは同好会の刺激にもなりますし、廃部まで追い込まなくても良いでしょう)
栞子(次点として、監視委員会の設立阻止、同好会メンバーの転部を防ぐ……といったところでしょうか)
栞子(しかしどうすれば……) 友達が泣いている時は一緒に泣いてあげればイイ
友達が悩んでいる時は一緒に頭かかえて悩んであげればいい
友達が脱糞した時はあなたも脱糞しなさい新ちゃん
どんな痛みも友達なら分け合うことが出来るのよ
そしてもし友達が間違った道を進んでしまった時は
その時は友情を壊してでも友達を止めなさい それが真の侍の友情よ レズレイプだな
同好会でどれだけ成長したかをわからせてやれ ランジュ「栞子〜! 部室ができたわ!」ガチャ
栞子「ノックもなしに……まあ、言っても聞きませんよね。それで、部室が完成したのですか?」
ランジュ「完成ではないけどね。まだまだ改良の余地はあるけど、とりあえず形になったというところかしら」
ランジュ「生徒会の仕事は終わったの?」
栞子「はい、今しがた片づけました」
ランジュ「ならちょうど良いわ、部に来て。アタシの指示通りに作った、素晴らしい環境を見せてあげる」
栞子「分かりました。では行きましょうか」
ランジュ「その後はトレーニングルームで練習ね!」
栞子「……はい?」
ランジュ「ん? 何よ」
栞子「えっと、私は同好会に……」
ランジュ「栞子は部に入るんでしょ?」 >>31
死ぬより酷い目にあうかも
日本はレールから脱線すると悲惨やぞ
お前らなんて積極的に同好会の妨害するやろなぁ 栞子「…………あ」
栞子(そうでした、この問題が残っていました!)
栞子(過去の私はランジュが来た途端あっさりと同好会を抜け、スクールアイドル部側についたのです)
栞子(あくまでランジュの横暴を止めるためでしたが……その成果は芳しくなく、同好会メンバーからの心証は良くありませんよね)
栞子(同好会を抜けず、ランジュと徹底抗戦すれば、私の本気を分かってくれるでしょうか)
ランジュ「……栞子??」 栞子「…………あ」
栞子(そうでした、この問題が残っていました!)
栞子(過去の私はランジュが来た途端あっさりと同好会を抜け、スクールアイドル部側についたのです)
栞子(あくまでランジュの横暴を止めるためでしたが……その成果は芳しくなく、同好会メンバーからの心証は良くありませんよね)
栞子(同好会を抜けず、ランジュと徹底抗戦すれば、私の本気を分かってくれるでしょうか)
ランジュ「……栞子??」 栞子(部への所属は、こんな私を誘ってくれたあの方を裏切るような行為です。これは、やり直すチャンスではないでしょうか?)
栞子(……あぁ。短い間ではありましたが、同好会での日々はとても楽しいものでした)
栞子(人の温かさに触れ、愚かな私を受け入れてくれて……)
栞子(同好会で過ごした時間が、走馬灯のように頭を流れて……)
栞子(………………。決めました)
栞子「はい。私は、ランジュの幼馴染ですからね。部に入りますよ」
ランジュ「当然よね! 早速部に案内してあげる!」
栞子「……ですが、その前に同好会を抜けることを皆さんに伝えないと」
栞子「私は後で顔を出しますので。……あ、場所は突き当りのところですよね?」
ランジュ「え? そうだけど……」
栞子「これも記憶通りですか。……ああ、いえ、こちらの話です。では失礼します」バタン
ランジュ「……あれ? 部室の場所って、ランジュ伝えたかしら?」 栞子(…………はぁ、やってしまいました。これで二度目の裏切りですね)テクテク
栞子(……でも、これで良いんです。悔いはありません)テクテク
栞子(だって私は、ランジュの幼馴染ですから)
――コンコン
栞子「失礼します」ガチャ
歩夢「あ、栞子ちゃん」
かすみ「しお子遅いよ〜。って、また律儀にノックしてるし」
せつ菜「あれ、今日は制服のまま来たんですね?」
栞子「……はい。今日は、皆さんにお話があって来ました」 栞子「先日、虹ヶ咲学園に鐘嵐珠という生徒が転入してきたのはご存知ですか?」
歩夢「あ、聞いたことある。ハーフの女の子だよね?」
せつ菜「噂になっていましたね。廊下を歩いていただけで、かなり人目を引いていました」
栞子「そのランジュなんですが、実は私の幼馴染でして……。言いづらいんですが、今後、同好会の皆さんにご迷惑をお掛けするかと思います」
歩夢「幼馴染かぁ……良いよね、幼馴染。でも、迷惑って?」
栞子「はい。そのランジュが、転入早々スクールアイドル部を立ち上げることになりまして……」 かすみ「スクールアイドル部? でも、うちの学園にはこの同好会があるよね。しお子、似たような部を承認しちゃうの?」
せつ菜「確かに、類似した部活は生徒会の審査で弾くことになっていますね。栞子さん、活動内容はこの同好会と同じなのですか?」
栞子「はい、同じだと思います」
せつ菜「でしたら、部の設立は難しいですね……。そもそも新規に部を立ち上げなくても、ランジュさんが同好会に加入すれば良いのでは? 私たちと同じくスクールアイドルが大好きな方なんですよね?」
栞子「それは、はい。スクールアイドルフェスティバルを見て同好会のファンになったと言っていました」
かすみ「えへへ、かすみんのファンに? まあかすみんの可愛さはグローバル級だからねぇ。分かってるじゃん、そのランジュって子」
しずく「同好会の、だからね?」
せつ菜「なるほど、ランジュさんは箱推しというわけですねっ!」
栞子「……ええと」
――ガチャッ!
ランジュ「もしかしてランジュの話をしてるの?? アタシも混ぜなさいよ!」
栞子「ランジュっ!?」 ひょっとしたらランジュちゃんも頭を強く打てばまともになるのでは 栞子(前の世界では、私がランジュとミアさんを同好会に連れて行きましたが……そうきましたか。話がこじれそうです)
ランジュ「きゃーっ、生で見る同好会の皆は最高に可愛いわねー!」
かすみ「可愛い……えへへ」
ランジュ「可愛いわよ、かすみ❤」
かすみ「はうぅぅっ」
璃奈「かすみちゃん……璃奈ちゃんボード『ちょろ〜ん』」
しずく「かすみさん、可愛いって言われ慣れてないから……」
かすみ「毎日のように言われてるって! 失礼な!」 ランジュ「それで、もう話は済んでいるの?」
せつ菜「ええと、ランジュさんがスクールアイドルを始めたいと……」
かすみ「かすみんの可愛さを理解してくれる人なら大歓迎ですよっ」
エマ「あのね、わたしも海外から来て、心細く思うこともあったけど……同好会の皆は本当に優しくて、温かい人たちだから、安心してね」
栞子(……あぁ、胸が……。締め付けられるように痛みます……っ)
エマ「ランジュちゃん、これから同好会で一緒に頑張ろうね?」
ランジュ「……? それは違うわよ。あなたたちがランジュのスクールアイドル部に入るの」
エマ「え……」 ここで同じ流れになるようだと結局この後もずるずるといくだけになりそう せつ菜「あの、言いづらいんですけど、既存の同好会と活動内容が重複している以上、たとえ規定人数が揃っていても生徒会の認可は下りなくてですね……」
ランジュ「そうなの? もう作っちゃったけど」
せつ菜「はい?」
栞子「その、ランジュは理事長の娘なので……」
せつ菜「そ、そんな滅茶苦茶な……まるでラノベじゃないですか!」
ランジュ「らのべ? とにかくもう活動場所はできているの。あとはあなたたちが部に移るだけよ!」
かすみ「ええと、そもそもどうして部を作る必要があるんでしょうか? 同好会に入れば良いじゃないですか」
栞子「それはですね――」
ランジュ「それは却下よ。見たところ、この同好会は成長できる環境が整っていないわね。最新の設備も一流のスタッフも何もかも足りていないわ」
ランジュ「でも安心しなさい。最高のスタッフ、最高の環境を整えたスクールアイドル部で同好会にできなかったことをさせてあげる! だから同好会なんて捨ててきなさい」
歩夢・エマ「…………は?」 彼方「今の話……さすがに眠気が覚めちゃったなぁ」
愛「うーん。それは言いすぎじゃないかな」
果林「あなた、同好会のこと何も知らないのよね?」
ランジュ「見れば分かるわよ? 何もないじゃない。あ、素敵なメンバーだけは揃っているけどね」
歩夢「……取り消してよ」
ランジュ「ん? 何か言った?」
歩夢「ここは、あの子と一緒に育んできた大事な場所なの。かけがえのない思い出がいっぱいあるの」
歩夢「……私たち、同好会でできなかったことなんてないよ。同好会だったからこそ、できたことばかりだもん」
かすみ「歩夢先輩の言う通りです! 黙って聞いていれば一体何なんですかっ! かすみんたちが大切に守り抜いてきた同好会を、そんな自分勝手な理由で悪く言わないでください! そんなの、廃部だって言ってるようなものじゃないですか!」
栞子「……」ビクッ ランジュ「そうは言っても、部に移った方が着実にレベルアップできるわよ。それも飛躍的にね。この同好会で活動を続けるメリットって具体的に何かあるの? 馴れ合うことが目的じゃないでしょう?」
かすみ「むきーっ! 何も知らない癖に、それ以上同好会を語るなぁっ!」
せつ菜「か、かすみさんっ、落ち着いてくださいっ!」
しずく「かすみさんどうどう❤」
かすみ「ウマじゃなーいっ! これが落ち着いていられますかっ! 大体、部に移るような裏切り者、うちの同好会には一人としていませんから! 残念でしたねっ! べーっ、だ!」
しずく「そうです、同好会は固い絆で結ばれているんです!」
ランジュ「……でも、栞子は部に移るんでしょ?」
栞子以外の同好会メンバー「………………え?」
栞子「……………………」 栞子(え、え。こんなはずでは……え)
栞子(脂汗が……止まりません。これほどの殺気……もといプレッシャーを感じたのは初めてです……)
かすみ「……しお子? 嘘だよね?」
歩夢「一緒に頑張ろうって、あの子とも約束し合ったよね?」
せつ菜「……栞子さん? 昨日の敵は今日の友、ですよね?」
栞子「……………………」
栞子「……………………ごべんなざいっ」ポロポロ…
栞子以外の同好会メンバー「!!!!!???」
栞子「わ、私は……ヒック、グス……ど、同好会を……抜けますっ!!!」ポロポロ…
栞子以外の同好会メンバー「!!!!!???」
ランジュ「ほらみなさい」
栞子「キッッ!!」
ランジュ「……っ!?」ビクッ
栞子「交渉は決裂しましたっ! ランジュ、帰りますよっ!」グイグイ
ランジュ「ちょっ、何っ、まだ話は終わっていないわよっ、栞子っ!? 押さないでっ!」バタン
栞子以外の同好会メンバー「………………え?」 〜部室〜
栞子(うぅ、最悪です……。ランジュのせいで、私の信用は地に落ちたようなもの……)
栞子(……いえ。もう決めたじゃないですか。私は同好会の皆さんと仲良くなるためにこの二週目を歩んでいるんじゃない)
栞子(全ては同好会の皆さんを守護るために行動しているんです!!)
栞子(なら、同好会側につくことは不利です。ランジュの所属している部に諜報網を敷けなくなりますし、余計な反発を招いてしまいます)
栞子(仮に敵対したところで、ランジュが大人しくなるわけがありません。ランジュの言う大親友の言葉を素直に聞くような性格じゃないということは、私が一番良く知っています)
栞子(……今後の私の役割は、ランジュの横暴を止めつつ、同好会側に危害が及ばないよう上手く立ち回る)
栞子(三船の家に生まれた私です……。スパイだって何だって、やってやります!!) 2週目だろうが栞子は栞子でしかないってのがよくわかる 一旦ここまでとなります
結末まで書いていないので、また書き溜めてきます 楽しみにしてるぞ
栞子メインだから荒れるかもしれないけど頑張って欲しい >>62
浪人生の合格率が必ずしも高くないのと一緒の理屈かな 栞子抜いたら総員2名でしかない部の創部を認めて多額の部費を割り振った生徒の責任者…
一体何者なんだ? 塩餡がアホみたいに荒らしにくると思うがめげずにがんばれ メインストーリーもうこんな風にタイムリープするくらいしか解決策なくない? 二週目の世界は初めてです……
の方がタイトル良かったかも… いうてワンピの手生える人も似たようなもんじゃなかったか? >>75
手生える人で例えるなら栞子のムーブはアラバスタで加入した直後にW7で離脱するような感じじゃね
栞子にも空島編みたいにちゃんと仲間やってる期間が必要だった 1週目の愛と果林は一体どういう誘い文句で部に行こうと思ったんだ 栞子は自分が悪だと認識していないプッチ神父みたいなドス黒さ >>80
というかほとんどのキャラがそんな感じ
加害者も被害者も悪いことを悪いとも思わないから悪びれないし謝らないし怒らない あの世界って悪の定義がねじ曲がってる気がする
俺らにとってはその行為は許されない極悪なんだけど、向こうでは軽く済まされるような
だからあれだけの仕打ちを受けても怒らないし感謝さえしたりするから理解のズレが生まれて心底気味が悪い 栞子(私にもっと権限があれば良いのですが……理事長の鶴の一声で部は作られましたし、それを生徒会でどうにか阻止できるはずもなく、その逆もまた然り……無い物ねだりをしても意味はありませんね)
ランジュ「…………むぅ」
栞子(……さて。ランジュはよほど納得がいかないのでしょう、頬を膨らませることで不満を表明しています。子供ですか)
栞子(呆れ交じりの視線に気づくと、ランジュは椅子から腰を上げ、大股で近づいて来ました)
ランジュ「ねえ、どういうこと? 報酬に糸目を付けず最新の設備を用意して、スタッフも各業界からトップクラスのプロを呼び寄せたわ。ランジュの部では、スクールアイドル活動をする上で申し分ない環境を提供できる……それはあの子たちにとって大きなメリットとなるはずよ」
ランジュ「専門スタッフの指導を受け、計算し尽された練習メニューに従って鍛錬を重ねれば、必ず今よりも成長できる。ランジュは見る目があるもの。あの子たちね、素晴らしい才能を秘めているのよ! なのに、あぁ……見ていられないわ。あんなお粗末な環境で練習しても時間と才能の無駄じゃない」
ランジュ「アタシの部に来ればもっと輝ける……もっと多くの人を魅了する一流のスクールアイドルになれるの! ……にも関わらず、断られた。意味が分からないわ」
栞子「それは……」 ランジュ「誰もが恵まれたバックアップを受けられるわけじゃないの。アタシは何も凡百のスクールアイドルを見境なく育てたいわけじゃない。魅力的なあの子たちだからこそ、このランジュが全力でサポートすると言ってあげたのに……」
ランジュ「同好会でできなかったことなんてない、とか何とか……」
栞子「同好会に愛着があるんですよ。そもそも急な話でしたし、もっと仲良くなってから説得を続けてみてはどうでしょう。初対面の相手に大切な同好会を捨ててくださいなんて言い方をされたら、普通は警戒されますよ」
ランジュ「……んー、それもそうね。お近づきの印に、今度ビュッフェに誘ってみようかしら」
栞子(よし、良い流れです。このまま機先を制して攻め切らないと……!) 栞子「そもそも、同好会の皆さんはランジュの実力を知りません。本当にレベルアップできるかの確証がないのでは?」
ランジュ「それは確かに! ランジュのパーフェクトなライブパフォーマンスをまだ見せていなかったわね!」
栞子(愛着とか、仲間の絆だとか、そういう感情論は説得材料になり得ません。一見無茶苦茶な思考の持ち主のようでいて、その実、ランジュは現実的な物の見方をしますからね。理路整然と説明するのが効果的です)
栞子「では、ライブに招待しましょう。スクールアイドルたるもの、正々堂々とライブで魅了すれば良いんです」
ランジュ「良いアイディアね! そうと決まれば早速ライブの準備に取り掛かるわよ!」
栞子(……ふぅ、とりあえずこの場は切り抜けられました)
栞子(ただ、時間稼ぎにしかなりませんよね……。ランジュの圧倒的なパフォーマンス力を見せつけられたとして、同好会の皆さんがあの人のいる同好会を捨てるでしょうか?)
栞子(おそらく、可能性は低いでしょう。野心のある果林さんは興味を示すかもしれませんが……転部を強いられるほどの決定打にはなり得ません)
栞子(私としても同好会の皆さんが部に流れるのは望ましい展開ではありませんし……どうすれば同好会メンバーの誘致を諦めてくれるでしょうか?)
栞子(早くも頭が痛くなってきました……けれど、私が考えなくちゃ!) やり方はともかく一理あるんだよな。妨害とか無理矢理勧誘とか小物臭いことしなければ 自分の魅力だけで惹きつけようとしないで親の力使って釣ろうとしてる時点でかなり小物だぞ スクスタで薄情な振る舞いを続けてきたメンバーを見てきてるから良心や愛着を信じることができないのがつれぇ >>90
親の力でも何でも良い環境を整えようとすること自体はそんな間違ってないと思うんだよな。それで他の妨害とかしなければな このssの結末は分からんがまともな人間なら一周目にここまで考えるんだよな
あいつ普段何考えて生きてんの? ぶっちゃけ妨害さえなければランジュはかなり擁護できる立場だった… 監視委員がなければそういうやり方もあるってだけだからな
まあプロの環境を揃えるならスクールアイドルなんてやらずにプロアイドルになれよと思うけど 環境の整った高校野球部みたいなものでそこで結果出せばプロへの道も開けると考えれば
ランジュのやり方もありだと思う。妨害さえなければな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています