菜々「愛されるより」せつ菜「愛したいんです!」
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〜放課後、生徒会室〜
ガララ
愛「こんにちは〜!生徒かいちょーいますかっ」
菜々「……こんにちは」
愛「お、いたいた」
菜々「……宮下さん、入ってくるときは毎回ノックをしてください」
愛「あーごめんごめん、ついつい忘れちゃってさ〜」
菜々「まったく、仕方のない人ですね……」 愛「……他の人はいない感じ?」キョロキョロ
菜々「えぇ、今は私だけです」
菜々「もう大した仕事も残っていませんし、皆さんには先に帰っていただきました」
愛「ふーん……そっかそっか」スタスタ
菜々「それで、宮下さんは一体どのようなご用件でこちらに?」
愛「用がなきゃ来ちゃダメなの?」スタスタ
菜々「……一応、生徒会の仕事をする場ですから」
菜々「宮下さんは生徒会のメンバーではないですし、特に用もないのに来られるのは────」
ガシッ
菜々「!」ビクッ ヽ`
´
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´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´ ────いつの間にか背後に回り込んでいた宮下さんの両手が、私の両肩を掴んでいて
愛「さっきからさぁ」
────そこから、宮下さんの左手が私の顎にそっと添えられ
愛「宮下さん宮下さん、って」
────そのまま、クイっと宮下さんの方を向くように持ち上げられ
菜々「ぁっ……」
愛「……いつもみたいに、"愛さん"って呼んでほしいな」
────意地の悪そうな笑みを浮かべた……愛さんと、バチンと目が合う 菜々「……っ」
愛「ダメ?」
菜々「こ、ここでは私は生徒会長なんです……!」
菜々「だ、だから」
愛「でも」ズイッ
愛「今は……他に誰もいないよ?」
菜々「っ!」ドキッ ────いつの間にか、作業をする手は完全に止まっていて
愛「ね、かいちょー……」
────私の視線は、愛さんの唇の動きに釘付けで
愛「……いや、せっつー」
────互いの吐息を感じられるくらいに、詰められた距離が
愛「……もう、我慢しなくてもいいんだよ?」
────私の理性を、跡形もなく破壊しに迫っていた 菜々「────ッ」
ドンッ
愛「わっ」ヨロッ
菜々「だ、ダメです!それ以上は!」
菜々「からかうのも、たっ大概にしてくださいっ!」
愛「……ごめんね〜」
愛「かいちょーモードのせっつーが可愛くてつい、ね?」
菜々「つい、じゃないですよ……っ」
菜々「まったく、愛さんは本当にもう……!」
愛「おっ」
菜々「な、なんですか?」
愛「今、"愛さん"って呼んでくれたね?」
菜々「ぁ……」 愛「かいちょーモードせっつーの愛さん呼びいただき〜」
菜々「……っ」カァァァ
愛「あはは、せっつー顔だけじゃなくて耳まで真っ赤だよ」
菜々「も、もうっ、いい加減にしてください!」
菜々「これが終わらないと帰れないんですから!宮下さんはそこで大人しくしててくださいっ」
愛「あ〜また宮下さん呼びに戻っちゃった〜、残念……」
菜々「っ」
菜々「……ぃさん」
愛「ん?」
菜々「……愛さん、ってちゃんと呼びますから」
菜々「だから、そこで大人しく待っててください……!」
愛「……はーいっ」 〜しばらくして〜
菜々「……ふぅ」
愛「終わった感じ?」ガタッ
菜々「えぇ、後はこれをまとめて職員室に出しに行くだけです」
愛「そっかそっか〜」スタスタ
愛「どれどれ」ズイッ
菜々「!」
菜々(な、なぜ私の後ろから書類を覗き込むような体勢を……)
愛「ふーん、いっつもこういうの作ってんだね」
菜々「えぇ、まぁ……」
愛「って、アタシが勝手に見ていいやつだったのかなこれ」
菜々「まあ、今日のは別に見られても問題ない資料ですよ」
菜々「本当に見られてマズイものだったら、そもそも生徒会室から出ていってもらってますから」
愛「そうなんだ、じゃあ今日はラッキー……ん?」
菜々「!い、いきなりこっち見ないでくださいっ」フイッ
愛「え〜?ダメだった?」
菜々「だ、だって、その……」
菜々「……あ、あまりにも近すぎて」
愛「……へぇ〜?」 愛「近いとダメなの?」
菜々「だ、ダメです」
愛「なにがダメなの?」
菜々「な、なにがって」
愛「……教えてよ」
菜々「!み、耳元で囁かないでくださいっ」
愛「ありゃ、せっつーって耳弱かったっけ?」
菜々「よ、弱くありません!ただびっくりしただけですっ」
愛「ふーん……?それなら」
グイッ
愛「……ふー」
菜々「ぁ、っ」ゾワッッ 愛「どうだった?今のは……?」
菜々「っ、だ、だから、囁くのは……っ」ゾクゾクッ
愛「ふふ……耳元で囁かれてゾクゾクしちゃってるせっつー」
愛「……可愛いよ」
菜々「っ」ドキッ
菜々「……は、離してくださいっ」ジタバタ
愛「おっと、そう簡単には逃がさないよ〜?」
愛「わかってるでしょ?せっつーより愛さんの方が力強いんだよ」
愛「……だから」グイッ
ドサッ
菜々「ぁっ」
愛「押し倒すのだって、簡単にできちゃうんだよ?」
菜々「……!」 ────机に押し倒されて、両腕はがっちり掴まれているこの状態で
愛「……ねぇ、せっつー」
────心臓の鼓動がやけにうるさいのは、身体の自由を奪われた故の緊張でしょうか
愛「身動き、取れなくなっちゃったけど」
────それとも、これから起きるかもしれない出来事を想像して胸の高鳴りを抑えきれなくなっているのでしょうか
愛「せっつーは……」
────いずれにせよ、私は
愛「……愛さんに、どうされたい?」
────目の前で不敵な笑みを浮かべる彼女に、抗う術など持っていませんでした すみませんごはん食べたら続きを書きますのでしばらくお待ちください!!!!! 菜々「っ……私、は」
愛「……」ジーッ
菜々「……っ」ブルブル
愛「……ぷっ」
菜々「……?」
愛「ふっ、ふふ……せっつー、顔赤くなりすぎでしょ……」
菜々「な、ぁっ……!?」
愛「目閉じて、ぶるぶる震えてて……ふふ」クスクス
菜々「っ……ぁ、愛さん!あなたは」
愛「まあでも」スッ
チュ
菜々「ん……っ!?」 菜々「ん、む……っ」
愛「……っは」
菜々「……ぁ……っ」
菜々「はぁ……はぁ……」
愛「……ふふ、せっつーさ」
菜々「なん、ですか……?」
愛「キス……してくれないんだって、最初ガッカリしてたでしょ?」
菜々「っ!」 愛「どう?当たってるんじゃない?」
菜々「そん、な……こと、は……っ」
愛「ホントに?」ジッ
菜々「うっ」
愛「せっつ〜?」
菜々「……」フイッ
菜々「……ずるいですよ、愛さんは」ジト
愛「ん〜?何が?」
菜々「そうやって、いつもいつも私にばかり言わせようとして……っ」
愛「……」
菜々「愛さん自身がどう思ってるのかは、言ってくれなくて……!」
愛「いいの?」
菜々「……え?」 愛「アタシがどう思ってるか、言っていいの?」
菜々「……っ、ど、どうぞ!言えるものなら言ってみてくださ」
愛「せっつーとキスしたい」
菜々「なっ」
愛「だってせっつーのこと好きだもん」
愛「だからたくさんキスしたいんだ」
菜々「なっ……ぁ……っ」カァァァ
愛「……愛さんはちゃんと言ったよ」
愛「だからさ」
愛「せっつーのキモチも、ちゃんと聞かせてよ」
菜々「……っ」 菜々(愛さんは、本当にずるいです)
菜々「私、は……」
菜々(私がどう思ってるかなんて、わかってるはずなのに)
菜々「っ……」
菜々(それでも、わざわざ私にその言葉を言わせようとするなんて)
菜々「……私も」
菜々「愛さんと、キスしたい……です」
菜々(本当に、ずるい人) 菜々「私だって、愛さんのこと……」
菜々「好き、ですから……っ!」
愛「……っ」ゾクゾクッ
菜々「〜っ!」フイッ
愛「……せっつー」
菜々「な、なんですか……?」
愛「ありがとう、ちゃんと言ってくれて」
愛「それと、ごめんね」ズイッ
愛「ちょっともう、我慢できそうにないや」 菜々「愛、さん……」
愛「せっつー……」スッ
菜々「っ……」ゴクリ
菜々「……」
菜々「ダメですよ」フイッ
愛「……え!?」 愛「ウソ!?この流れで断られるの!?」
菜々「だっ、だって、その……作った資料をまだ職員室に届けてませんし」
菜々「それに、ここ生徒会室ですよ……?」
愛「ダメなの?」
菜々「だっダメに決まってるじゃないですか!私明日もここで普通に仕事するんですよ!?」
菜々「もしここで、その……そういうことを、したら……」
菜々「きっと、ここに来る度にその光景を思い出してしまって……」
菜々「仕事が、手につかなくなってしまいます……っ」
愛「……!」 愛「せっつー」
菜々「だ、だから……え?」
愛「今のせっつー、めっっっちゃ可愛かった」
菜々「なっ」
愛「だからさ」
愛「愛さんと、しよ?」
菜々「ダメです」フイッ
愛「んな!?」ガーン 愛「な、なんで」
菜々「さっきも言ったじゃないですか!ダメなものはダメですっ」
愛「そんなぁ」
菜々「そ、それに!私達まだ、その……」
菜々「キスまでしか、したことないじゃないですか……っ」
愛「……ん?」
菜々「わ、私初めては、その……ちゃんと雰囲気作りをしてからちゃんとした場所でしたくて、だから」
愛「ちょっと待って」
菜々「な、なんですか!?」
愛「せっつーはさ、愛さんが────」
愛「────キス以上のこと、すると思ってたの?」
せっつー「……!!」 菜々「なっ……あっ……」
愛「あ、ひょっとして図星だった?」
菜々「〜っ!」カァァァ
愛「いや〜そっかぁ、まさかせっつーがそこまで考えてたなんて思わなかったな〜」
愛「さすがの愛さんでも、学校内でそこまでの行為に及ぼうとは……」
菜々「あっ愛さんの言い方が紛らわしいんですよ!」
愛「そうかな?」
菜々「そうです!」
愛「そっか〜」
菜々「まったく愛さんは……」
愛「ふふ……なんか、あれだね」
愛「そういう雰囲気でもなくなっちゃったし」パッ
菜々「あっ……」
愛「今日はもう帰ろっか」
菜々「……」
愛「……ん?せっつーどうかした?」
菜々「い、いえ……」
菜々「……なんでも、ないです」 >>49
すみません、以下訂正です
×せっつー「……!!」
◯菜々「……!!」 〜下校中〜
菜々(その後、無事資料を提出し終えた私は愛さんと一緒に下校することにしました)
菜々(生徒会室のときと違って、下校中の私達の距離感は恋人ではなく同級生のそれに戻ることとなります)
菜々(この関係はまだ他の人には隠しているので、バレないようにする為です)
菜々(そのせいと言うのもあれですが……)
菜々「……」チラ
菜々(……手を繋いで帰ったりすることも、なかなかできないでいるのが実情です)
菜々(愛さんに迫られるとつい照れ隠しで断ろうとしてしまう私ですが、本当は……)
菜々「……はぁ」
愛「ん?どしたのため息なんてついて」
菜々「い、いえ、なんでもないです」
愛「そう?……おっと、もう別れるとこに着いちゃったか」
菜々「あっ……」
愛「じゃあまた明日!せっつー、帰り道気をつけ」
菜々「……っ」
グイッ
愛「……て?」 ────気がつけば、私は愛さんの服の袖を掴んでいました
菜々「……ぁ」
────自分でも意識してなかった行動に驚いて、思わず体が硬直してしまいます
愛「せっつー……?」
────不思議そうな表情を浮かべる愛さんと目が合わせられず、咄嗟に地面へと視線を落としてしまって
菜々「えっ、と……」
────それでも、掴んだ袖を離すことはできなくて
菜々「あの……」
────愛さんを、このまま離したくない私がいて
菜々「……ぅ」
────思わず、口から飛び出た言葉は
菜々「ウチに……っ!遊びに、来ませんか……?」
────自分でも、わけのわからない提案でした 愛「え、せっつーの家?」
菜々「……!?」
菜々(わ、私は何を言って!?)
菜々「あ、ああああの、愛さん今のは……!」
愛「……いいの?」
菜々「えっ」
ガシッ
菜々「わっ」
愛「せっつーんち!行っていいの!?」 ────引き寄せられるように掴まれた、二の腕に感じる力強さと
菜々「えっ、と」
────こちらを見つめる、愛さんのキラキラとした瞳を見ながら
菜々「そう、ですね……」
────そういえば今夜は両親が帰って来ないんだった、と都合のいい事実をふと思い出して
菜々「……愛さんが、よければ」
────思わず飛び出た提案は、そのまま実現してしまいました 〜中川家、お風呂場〜
菜々(……あの後、愛さんの快諾を得られた私はそのまま自宅に愛さんを上げ)
菜々(一緒に夕食の準備(なぜか愛さんの監視っぷりが凄まじかったですね)をし、そのまま一緒に食卓を囲むこととなりました)
菜々(愛さんには『お風呂も一緒に入らない?』と誘われましたが、さすがにそちらは恥ずかしかったのでお断りして先に入ってもらいました)
菜々(愛さんは不満げでしたが、裸を見るのも見られるのも……恋人となった今では軽々しくできるものではありませんから)
菜々(そして今は私の番、ということで一人湯船に浸かっているのですが……)
菜々「……この後、どうしましょう」ブクブク 菜々(だって、両親不在の自宅で恋人と二人っきり!しかもお泊まりですよ……!?)
菜々(こんな状況、ゲームやアニメ、漫画やラノベなどでしか見たことありません……!)
菜々(わ、私一体どうしたら……)
───────
愛「せっつーはさ、愛さんが────」
愛「────キス以上のこと、すると思ってたの?」
───────
菜々「……ぶはっ!?」ザバッ
菜々「げほっ、ごほっ……!」
菜々(ど、どうして生徒会室での出来事を、今ここで思い出してしまうんですか……っ)
菜々「はぁ……はぁ……」
菜々(……ひっひとまず、のぼせる前にもう上がりましょう)
菜々(これ以上一人でいると、どんどん余計なことを考えてしまいますから……!) 〜中川家、菜々の部屋〜
ガチャ
菜々「……上がりました」
愛「お、せっつーやっと上がってきた」
菜々「すみません、お待たせしてしまいましたか?」
愛「んーん、ちょっと長いかな?って思ったからさ、のぼせてないかな〜って」
菜々「!だ、大丈夫ですっ!私ちょっと長風呂癖がありまして!」
愛「へぇ〜そうなんだ?」
菜々「そ、そうです」
愛「じゃあさ、今度温泉とか行ってみよーよ!」
菜々「温泉、ですか?」
愛「そーそー!泊まりはムズかしいかもだけどさ、せっつーとゆっくりお喋りしながら温泉浸かるのもいいかな〜って」
菜々「な、なるほど……それは確かに良さそうですね」
愛「今日だってホントはお風呂でダラダラお喋りとかしてみたかったんだよ〜?」
菜々「そ、それは」
愛「まあお風呂は一人で入りたい派の人もいるし無理強いはしないけどね」アハハ
菜々「……」 菜々(愛さんは私と喋りたくて一緒にお風呂を……でも、私は恥ずかしいとかそういうことばかり考えていて)
菜々(なんだか、悪いことをしたような気が……)
菜々「あの……」
愛「そ〜れ〜に〜」
菜々「?」
愛「えいっ」バッ
ドサッ
菜々「……え?」 愛「お風呂上がりせっつーゲット〜」ギュッ
菜々「なっ」
菜々(私、ベッドに押し倒されて……!?)
愛「わ〜すっごいぽかぽかであったかい!」ギューッ
菜々「あ、愛さんっ」
愛「それに……」スンスン
菜々「ちょ」
愛「……ふふ、シャンプーかな?めっちゃイイ匂いだね」
菜々「……っ」カァァァ
愛「あ、でも今日はアタシも同じの使ってるのか」
愛「ならアタシも同じ匂いだったりするのかな?」
菜々「……」スンスン
愛「わっ、せっつー!?」
菜々「……私と同じかはわかりませんが」
菜々「でも、良い匂いだと思います……」ギュッ 愛「あはは、そうかな?」
菜々「はい……」
菜々「私の好きな、安心するけど……ドキドキする匂いです」ギュッ
愛「せっつー……?」
菜々「……愛さん、聴こえますか」
愛「何が?」
菜々「私の……心臓の音です……」
ドッドッドッ
愛「……!」 菜々「普段だったら聴こえないと思いますが、こうして向かい合って抱き締め合ってると……聴こえてしまうものなんですね」
愛「それって……」
菜々「……はい」
菜々「ちゃんと聴こえてますよ、愛さんの心臓の音も」
愛「っ!」
ドッドッドッ
菜々「……ふふ、普段は余裕そうですし今もそうですけど」
菜々「もしかして、いつもこんな風にドキドキしてくれてたんですか?」
愛「それ、は……」
ドッドッドッ
菜々「……はい、ってことでいいんですかね?」クスクス
愛「っ……!」カァァァ 菜々「こうしてると、愛さんもちゃんと女の子なんだなってわかって……なんだか嬉しいですね」
愛「ど、どういう意味?」
菜々「……普段の愛さんは、私に恥ずかしい思いをさせたがる意地悪な感じで」
愛「……」
菜々「でも、私のことをちゃんとリードしてくれるカッコいい一面もあって」
菜々「だから、少女漫画に出てくるヒーロー役の男の子みたいだなって思ってたんですよ」
愛「男の子?愛さんが?」
菜々「そうです」
菜々「……主人公の女の子が好きだけど、素直になれなくて意地悪ばかりしちゃう男の子です」
愛「う……そんなに意地悪してるかなぁ」
菜々「してますよ、今日だって恥ずかしかったんですから!」
愛「そっか〜」
菜々「……でも」
菜々「そういうところも含めて、私は」
菜々「愛さんのこと、好きですよ」
愛「……っ!」 菜々「私の気持ちは、ちゃんと伝えましたよ」
菜々「愛さんは……どうですか?」
愛「……なんか、急にカッコよくなったねせっつー」
菜々「ふふ、そうですか?」
愛「生徒会室のときは顔真っ赤にしてアワアワしてたのに」
菜々「あ、あれは……愛さんがいきなりするからですよ……!」
愛「はは、だいじょーぶだいじょーぶ、ちゃんとわかってるよ」
菜々「本当ですか?なら、いいんですけど……」
愛「……」
愛「好きだよせっつー」
菜々「!」 愛「愛さんは……アタシは、せっつーのことが好き」
愛「だから」
チュ
愛「!」
菜々「……ぁ」
愛「せ、せっつー……今……」
菜々「……ふふ、自分からキスするのって、こんな感じなんですね」
菜々「いつも愛さんからしてもらってばかりで、自分からはしたことがなかったので思い切ってしてみましたけど」
菜々「どう……でした?」
愛「……〜っ!!」 愛「せっつー……!」ガバッ
菜々「っ」
愛「……今度は、ちゃんと言うよ」
菜々「!」
愛「アタシと────」
愛「────キス以上のこと、しよ?」
菜々「────」
菜々「────はい」 菜々「あの……私、初めてなので……その……」
菜々「優しく……してください、ね?」
愛「……うん、優しくするよ」
愛「というか、愛さんだって初めてだからね」
菜々「そ、そうなんですか?」
愛「……意外だった?」
菜々「その……愛さんは人気ありますし、そういう経験も豊富なのかなってイメージがありまして……」
愛「そっか〜そういう風に見えるか〜」
菜々「……でも」
菜々「愛さんも初めてで、私嬉しいです……」グスッ
愛「わっ、せっつーどうしたの!?」
菜々「いえ、その……」ゴシゴシ
菜々「こんな風に、愛さんと一緒に初めてを迎えることができて」
菜々「とても、嬉しいんです」
愛「!」
愛「……うん」
愛「アタシも、嬉しいよ」 ────アタシにとってのせっつーは、凄く可愛い子だった
「せっつー、綺麗……」
「あ、あんまりジロジロ見ないでください……恥ずかしいので……」
「じゃあもっとよく見るね」
「ちょっと愛さん……!」
────スクールアイドルとして振る舞う姿こそ、カッコいいイメージがあるけど
「あ、愛さん、そんなとこキスしちゃ……」
「ん……ダメだよ……今日は余すとこなく……せっつーを……」
「んっ……っぁ……」
────実際に付き合って恋人となったせっつーは、とってもウブな子で
「はぁ……なんだか、そうしてると……赤ちゃんみたい、ですね……っ」
「……どこらへんが?」
「んっ……必死に、吸い付いてて……ぁ……可愛いな、って……」
「……」
「ちょっ、そんなに強く……んんっ」
────顔が近いとか、たまたま手が触れたくらいで真っ赤になったり
「触るよ……」
「……はい」
「大丈夫……優しく、するから……」
────かと思えば、一緒に歩いてると手を繋ぎたそうにアタシの手に視線をチラチラと向けてたりして
「ぁ……んっ、ぁ……っ」
「どう……?痛くない……?」
「ん……んっ……」
「……じゃあ続けるね」
────とにかく、付き合って仲良くなればなるほど……どんどんせっつーを可愛く思うようになっていった ────そんなせっつーが今、アタシの目の前で生まれたばかりの姿で嬌声を上げながら乱れている
「ぁ、ぁいさ……っ」
────じっくり馴染ませた甲斐あってか、ナカに入れる際の痛みはある程度抑えられたようだけど
「っ……ぁ……」
────それでも、せっつーのナカは相当狭いように感じる……少なくとも、アタシよりは
「ぅ……ぁっ、っ……ぁ」
────ひょっとして自分でシたことなかったりするのかな?なんて下衆な想像をしながらも、手は休めずにせっつーを攻め続ける
「ぁ……あぃさ……っ」
────アタシの名前を呼びながら乱れるせっつーはとっても可愛くて、アタシ自身も高まっていくのを感じる
「っ……ぁ、き、きちゃいま……っ」
────指を締め付けられる感覚が強くなってきたので、そろそろかな?と動かすペースを激しくしていくと
「ぁっ、ぁ、ぁあ────ッ」
────びくんっ、とせっつーの体が跳ね上がると同時に、アタシの指が今までで一番の締め付けを感じて
「────ぁ」
────プツン、と……突然糸が切れたように、せっつーの体がベッドへと沈み込んだ ────そっと優しく、傷つけないようにせっつーのナカから指を引き抜く
「ぁっ」
────それすらもせっつーには刺激があったようで、再度せっつーの体が跳ねる
「はぁ……はぁ……」
────乱れた呼吸が整うのを待つ間、せっつーを気持ちよくさせるのに使った手とは逆の手で頭を撫でてみる
「んっ……」
────びくっ、と反応されたので反射的に手を引っ込めてしまったけど、せっつーの潤んだ瞳がアタシの手を求めていることを懸命に伝えているように見えて
「これでいい……?」
────こくり、とせっつーが小さく頷くのを確認して一安心、傷つけないように……今までで一番優しく丁寧にせっつーに触れていく
「……ん」
────安心したのか、そのまま瞼を閉じたせっつーはついでに意識も手放してしまったらしく、すーすーと小さく可愛い寝息を立て始めてしまった
「……寝ちゃったか」
────アタシは小声でそう呟くと、せっつーの体綺麗にしなきゃとかそういえば明日も学校だった……などと脳味噌が先を見据えて冷静に回り始めるのを感じつつ
「おやすみ……愛してるよ」
────愛だけにね、というお決まりのフレーズを今はそっと胸にしまって……眠るせっつーの額に口づけを一つ落とした 一旦ここまでです!!!!!
あともうちょっとだけ続きます!!!!! ほー いいじゃないか
こういうのがいいんですよ
こういうのが @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リζd‖òヮóリ⁄/*イ`^ᗜ^リ 〜翌日、放課後〜
愛(あの後、せっつーは明け方くらいに目を覚ましたようで)
愛(目覚めてすぐに、自分が裸なことと同じく裸のアタシが隣で寝てたことにめっちゃ驚いたみたいで)
愛(せっつーの叫び声が、今日のアタシの目覚ましだった)
愛(その後、昨夜の出来事を思い出し赤くなって悶えるせっつーに対して湧き上がる欲望を抑えつつ、二人で軽くシャワーを浴びて)
愛(朝食を一緒に済ませてから、学校へ向かったんだけど)
愛(……登校中もせっつーは終始ボーっとした感じで『それじゃまた放課後に』と交わした挨拶もなんだが気が抜けている感じだったので、ちょっと心配してたんだけど……)
せつ菜「さあ!今日もはりきっていきますよー!!」
愛(放課後、練習で会ったせっつーはいつも通りのせっつーで)
愛(安心すると同時に……ちょっと拍子抜けしているアタシがいた) 愛(せっつー……朝のボーっとした感じはどこにいったんだろ?)
愛「……」
せつ菜「……愛さん?」
愛「わっ、な、なに?」
せつ菜「ストレッチ一緒にやりませんか?って話をしてたんですけど……大丈夫ですか?」
愛「あ……あーストレッチね!オッケーオッケー、じゃあやろっか!」
せつ菜「はい!お願いします!」
愛「じゃあ……せっつー先座って、アタシが後ろから押すから」
せつ菜「はい!」
愛「よっ……!」グッ
せつ菜「うおおおおググッと伸ばしますよ!!」
愛「あはは、ストレッチから凄いやる気だね〜」
愛(……こうしてると、本当に普段通りだなぁ)
愛(なんかアタシだけ意識してるみたいでハズかしーな……ん?)
せつ菜「うおおおお!!」
愛(……せっつーの耳、赤くなってる?) 愛(……そういえば)
せつ菜「うおおおお!!」
愛(いつもより声も大きいし)
せつ菜「伸びしまくりますよ!!」
愛(やたら気合いが入ってるように見えるのも)
愛(もしかして……)
愛「……ふふ」クスッ
せつ菜「おおおお……どうかしましたか?」
愛「んーん、なんでも?」
愛「それより!ググッと伸ばすんだよね?愛さんも協力しちゃうよー!」ググッ
せつ菜「ぐっ、こ、これは効きますね……!」
愛「頑張れせっつー!」
せつ菜「頑張ります!!」 〜練習終了後、生徒会室〜
コンコンコン
菜々「どうぞ」
ガララ
愛「こんにちは〜!」
菜々「……宮下さんでしたか」
愛「今日もかいちょーだけ?」キョロキョロ
菜々「……元々、今日は活動の予定はない日ですから」
愛「あれ、そうなの?」
菜々「えぇ……それよりも、今回はちゃんとノックしてくれたんですね」
愛「へへ、何回も言われてるからさすがにね〜」スタスタ
菜々「今後も続けてくれるとありがたいんですが……いつまで続きますかね」クスッ
愛「あ、今愛さんのことバカにした?」スタスタ
菜々「馬鹿にはしてませんよ、心配しただけです」
愛「まあ別にいいけどさぁ」スタスタ
愛「……それより」ズイッ
菜々「!」
愛「練習終わってすぐに生徒会室に用事が〜って逃げるように走っていっちゃったけど」
愛「なんで?」
菜々「……っ」 ────覗き込んだせっつーの横顔は、いつの間にか赤く染まっていて
愛「それに、朝は凄いボーっとしてる感じだったのに」
────囁くように話すアタシの吐息が耳にかかる度に、せっつーの体が反応しているのがわかる
愛「練習のときは、やたら気合い入ってる感じに変わっててさ」
────きっと今のアタシは、せっつーの言う意地悪なアタシなんだろうな
愛「けど、愛さんはちゃんと見てたよ」
────でも、しょうがないよね
愛「せっつーの耳が」
────だって
愛「アタシに反応して、赤くなってるとこ」
────照れ隠ししてるせっつー、サイコーに可愛すぎるんだもん……! 菜々「なっ……!?」
愛「ふふ、口では『うおおおお!!』って言ってるのに照れてるのを隠せてないせっつー」
愛「……めっちゃ可愛かったよ」
菜々「っ……!」カァァァ
愛「あ〜もう……せっつーは本当にもうっ」ナデナデ
菜々「なっ、み、宮下さん!まだ仕事中ですから……!」
愛「あっ、まーた"宮下さん"呼びになってる〜」
菜々「こ、ここは生徒会室ですし、それに今の私は……」
愛「……生徒かいちょーだから、ダメってこと?」
菜々「そ、そうです!」
愛「ふーん……」
愛「なら、今日はやめとこっか」パッ
菜々「ぁ……」 愛「せっつーがそこまで言うなら、ね」
菜々「え、っと……」
愛「仕事の邪魔してごめんね?今日はアタシ先に帰るよ」
菜々「ぁ、いや……」
愛「それじゃね」ヒラヒラ
菜々「み、宮下さ……っ」
愛「……」スタスタ
菜々「……っ」
菜々「愛さんっ!」
愛「……なぁに?」 菜々「ぁ、あの……」
愛「……」
菜々「し、仕事中とは、言いましたけど……」
菜々「でも……」
愛「……でも?」
菜々「その……」
菜々「……いっ」
菜々「一緒に!帰りたい、ので……」
菜々「だから……っ」
菜々「……まだ、帰らないでください……っ」
愛「……〜っ」ゾクゾクッ 菜々「あ、あの……愛さん……?」
愛「……」
愛「しょーがないな〜!」クルッ
菜々「!」
愛「せっつーがそこまで頼むならしょうがないよね!」スタスタ
愛「よっ、と」ドサッ
愛「じゃあ愛さんはここでのんびり座って待ってるからさ!終わったら教えてよ!」
菜々「は、はい……」
愛「ふふ〜ん」
菜々「……」
菜々「あの、愛さん」
愛「ん?どしたの?」
菜々「……ごめんなさい」
菜々「本当は、仕事なんてないんです……」
愛「……へぇ?」 菜々「やろうと思えば、やることはあるんですけど……でも、今やる必要はなくて」
愛「……つまり、どういうこと?」
菜々「……」
菜々「……わかって言ってますよね?」
愛「んー?なんのこと?」
菜々「……」ジト
愛「せっつーがちゃんと言ってくれないと愛さんわからないな〜」
菜々「……はぁ」
菜々「……愛さんは、本当にずるいです」
愛「へへっ、そうかな?」 菜々「……今朝、起きたときに愛さんが隣にいて本当にびっくりしたんです」
菜々「昨日の出来事が、夢じゃなかったんだなって……本当に、愛さんと、その……」
菜々「……そういうことを、してしまったんだな、と」カァァァ
愛「……」
愛(今は我慢しろアタシ)
菜々「今朝もお話しましたけど、私、その……今まで自分で、そういうことをしたことがなくて……」
愛「言ってたね」
菜々「はい……元々そういうことが苦手だったので、漫画や小説でもそういうシーンが来ると、つい読み飛ばしたりしてしまっていて……」
菜々「……でも、愛さんと恋人になってからは、ちゃんと勉強しなきゃって思って……少しずつ目を通すようになって」
愛「せっつーはホントに真面目だなぁ」
菜々「真面目すぎるのも、良くないですけどね……」
菜々「……それで、半ば知識だけはついてたんですけど」
菜々「その、経験はなかったので……あの……」
愛「?」
菜々「想像以上に、その……」
菜々「気持ち、よくて……」カァァァ
愛「!」ドキッ 菜々「もちろん、始めは……怖い気持ちとか、痛みとか色々ありましたけど」
菜々「でも、それ以上に……愛さんにたくさん触ってもらえて、好きって囁いてもらえて……」
菜々「心が、満たされたと言いますか……気づいたら、その……」
菜々「き、気持ちいい、って、こういうことなのかなって……」
愛「……」
菜々「それで、あの、凄く……凄く良かったんですけど……」
菜々「でも、愛さんの顔を見る度に、昨日のことを思い出してしまって、それで……」
愛「ボーっとしてた、ってこと?」
菜々「……はい」
菜々「でも、いつまでもそれじゃいけませんから……練習のときはいつも通りでいよう!と思って振る舞ってたんですけど」
菜々「……それでも、隠しきれてなかったみたいですね」
愛「……そっか」 菜々「……すみません」
愛「謝ることじゃないよ」スタスタ
愛「だって」ポン
愛「……愛さんも、意識してたからね」ナデナデ
菜々「!ほ、本当ですか?」
愛「ウソだと思う?」
菜々「いえ……ただ、愛さんは私に比べたら全然いつも通りだな、って思っていたので……」
愛「……確かめてみる?」
菜々「え?」
ギュッ
菜々「!」
愛「……聴こえる?」
ドッドッドッ
菜々「!は、はい……」
愛「……せっつーと同じでさ、愛さんも初めてだったんだよ」
愛「意識、してないわけないじゃん……」カァァァ
菜々「……!」 ────アタシの心臓は、ウソをつけない
愛「ね、せっつー」
────抱き締めていた腕を解いて、せっつーの顎をクイッと持ち上げる
愛「アタシ今、すっごくドキドキしてる」
────アタシの視界に、頬を赤く染めて惚けた表情をしたせっつーが映る
愛「せっつーが、あんな話するからだよ」
────きっと、アタシも同じような顔をしてるんだろうな
愛「だからさ」
────だったら、もう
愛「責任、取ってよね」
────我慢なんて、必要ないよね ────返事を待たずに、そのまませっつーの唇を奪う
菜々「ん……っ!?」
────見開かれたせっつーの目を視界の端で捉えて、不意討ちが成功したことを確認
「ぅ……ん……」
────顎に添えていた手をそのまませっつーの後頭部へ滑らせ、もう一方の手は背面へ
「ん……んんっ……!」
────椅子に座っていたせっつーを抱き寄せるように立ち上がらせ、そのまま腰に腕を回してホールド
「ぁ……ぁいさ……っ」
────僅かに唇が離れた瞬間にアタシの名前を呟くせっつーの吐息が妙に艶かしくて、アタシの身体はせっつーを求めて燃え上がるように熱を帯びていく
「ふ……んむ……っ」
────最初は強張っていたせっつーも徐々に緊張が解れてきたのか、段々とアタシに身を委ねるように体重を預けてくる
「……ぁ、せっ、つ……っ」
────そうしてアタシ達は、しばらくの間互いの唇を貪ることに没頭していた 愛「……はっ」
菜々「……ん、ぁ」
愛「はっ……はっ……」
菜々「はぁ……はぁ……」
愛「……ふふ、せっつー涎凄いよ」
菜々「ら、らって、ぁいさんが……!」
愛「舌も回ってないじゃん」クスッ
菜々「〜っ!」ポコポコ
愛「あは、痛い痛い」ポンポン
菜々「ぅぅ……」
愛「……」ナデナデ
愛(もう少し、というかもっとしていたいけど)
愛(さすがに、学校でこれ以上はね……)
愛「……さ、そろそろ帰ろっか」
菜々「!」
愛「これ以上残ってると」
ギュッ
愛「……せっつー?どうしたの?」
菜々「……ぁの」
愛「?」
菜々「……キスだけで、終わりなんですか?」
愛「!?」ドキッ 愛「キスだけ、って……」
菜々「愛さん……」
菜々「私……」
菜々「……もっと、愛さんに触ってほしい、です」ギュッ
愛「!!」
愛(えっ何このせっつー可愛すぎない!?というかもっとしていいの!?ホントに!?)
愛(……じゃなくて!)
愛「せ、せっつー……!」
菜々「なんですか……?」
愛「愛さんもね、もっとしたいけど、でも!」
愛「ここ、学校だから……!」
菜々「……あっ」 菜々「す、すみません!私なんてことを……!」
愛「いや……いいんだよ」
愛「正直、アタシももう少ししたいなって思ってたし」
愛「せっつーにも、そう思ってもらえてたのは嬉しいよ」
愛「……だって、それだけキモチよかったってことだもんね?」
菜々「……っ」カァァァ
愛「ふふ、せっつーは可愛いなぁ」ナデナデ
菜々「ぅぅ……」ギュッ
愛「……キス以上のことはさ」
愛「また今度、ちゃんとした場所で……ね?」
菜々「……はい」 愛「よしよし……」ナデナデ
菜々「……」ギュッ
愛(……いやぁ、まさかせっつーがここまで求めてくれるようになるとは)
愛(正直、めっちゃ可愛いし今すぐにでもしてあげたいけど)
愛(でも、最低限の節度は守らないとさすがに、ね……)
愛「……それじゃ、そろそろ帰ろっか」パッ
菜々「ぁ……」
愛「はは、そんな悲しそうな顔されると離しづらいな〜?」
菜々「ご、ごめんなさい……」
愛「い、いや謝ってほしいわけじゃないんだけどさ」
菜々「はい……」
愛「……」
愛「ね、せっつー」
菜々「……なんですか?」
愛「今日はさ」
愛「手、繋いで帰ろっか」
菜々「……えっ」 菜々「い、いいんですか?」
愛「ほら、愛さんも今日はその……なんか名残惜しい感じがあるというか」
菜々「で、でも……」
愛「……大丈夫だよ」
愛「たとえそれで誰かにせっつーと付き合ってることがバレたとしても」
愛「アタシはそれでも、せっつーと手を繋いで歩きたい」
菜々「!」
愛「……もし何か言ってくるやつがいたら、そのときは愛さんがどうにかするから」
愛「だから、ね?」
菜々「……」
愛「あっ、もちろんせっつーが良ければだけどさ」
菜々「……はい」
ギュッ
愛「!」
菜々「私も、愛さんと手を繋いで歩きたい……です」
愛「……よし!じゃあ帰ろっか」
菜々「はいっ」 〜エピローグ〜
愛(その後も、せっつーとアタシの交際は順調に進んでいた)
愛(生徒会室で隠れてキスして、たまに手を繋いで帰って)
愛(せっつーの両親が家にいないときは、キス以上のことをして……たまにいるときでもこっそりしたりしたけど)
愛(そんな感じで過ごすことにも慣れ始めたある日のこと────)
菜々「あの、愛さん……」
愛「?」
菜々「愛さんは、今までたくさん私のことを……愛してくれましたよね」
菜々「だから……今日は、私がしてもいいですか……?」
愛「……?何を?」
菜々「……っ」
菜々「私が!愛さんを気持ち良くさせてみたいんです……!」
菜々「だから!今日は私が……!」
バッ
せつ菜「私が!愛さんを気持ち良くさせてみせます!!」
愛「……へ?」 ────ついさっきまでかいちょーモードだったせっつーは、いつの間にかメガネを外し三つ編みも解いていて
せつ菜「私は、今までたくさん愛さんに愛していただきました」
────気づけば、目の前にはスクールアイドルモードのせっつーが現れていて
せつ菜「ですが!やはり愛してもらうだけでは足りません!」
────いつものしおらしいせっつーはどこへやら
せつ菜「大好きを貫くことを信条としている私としては!」
────目の前には、メラメラと燃え盛る情熱を瞳に宿したせっつーが
せつ菜「愛さんを愛さねば!気が済まないんですよ!」
────真剣な表情で、アタシのことを見つめていた 愛「……ふふ」
愛(『愛さんを愛さねば』……愛だけにねって思ったけど、せっつーはきっと無意識に言ったんだろうな)
せつ菜「?あ、あの、私何か変なことを言いましたか……?」
愛「……ううん、大丈夫だよ」
せつ菜「な、ならよかったです!」
せつ菜「……これまで愛さんにしていただいたことや、自分でもその……きちんと勉強をしてきましたので!」
せつ菜「今日は!私がしてもいいでしょうか……!」
愛「……そっか」
愛「ねぇ、せっつー」
せつ菜「な、なんですか!?」
愛「こういうときはね」
愛「……ちょっとくらい強引に迫っても、いいんだよ?」
せつ菜「えっ……」 愛「まあ真正面から真面目にしっかり宣言するのもせっつーらしいというかなんというか」アハハ
愛「愛さんはそういうのも好きだよ?」
せつ菜「う……」カァァァ
愛「ふふ、ホントにせっつーは可愛いなぁ」ポンポン
せつ菜「……っ!」
ドサッ
愛「……ありゃ?」
せつ菜「……ごっ」
せつ菜「強引に迫ってもいいって言ったのは、愛さんですからね……!」 ────どうやら、アタシはせっつーに押し倒されてしまったようで
愛「……せっつー、力強くなったね」
────両腕は、せっつーにがっちり掴まえられていて
せつ菜「愛さんに負けないように、毎日しっかり鍛えてますから……!」
────簡単には、抜け出せそうになくて
愛「……ふふ、そっか」
────余裕そうな態度は、そのまま崩さずに繕おうとするけど
せつ菜「愛さん……!」
愛「なぁに?」
────これから起こることを、想像しちゃったのかな?
せつ菜「キス、しますよ……!」
────それとは裏腹に、心臓の鼓動は徐々に速まっていく
愛「……せっつーさぁ」
────やっぱり、アタシの心臓は
愛「そういうのは、わざわざ言わなくていいんだよ?」
────ウソ、つけないみたいだね ──────
────
──
愛「……ん?」パチ
菜々「ぁ……起きましたか?」
愛(せっつーに、膝枕されてる……?)
愛「……アタシ、寝ちゃってたの?」
菜々「えぇ、それはもう気持ち良さそうに」
愛「……」
愛(そっか、アタシせっつーに何回も……)
愛「……」ゴロン
菜々「愛さん?」
愛「ごめんせっつー」
愛「……今ちょっと、顔見せらんない」カァァァ
菜々「そうですか」クスッ 菜々「あの……どうでしたか?」
愛「……なにが?」
菜々「その、私は……」
菜々「愛さんみたいに、上手くできていたでしょうか……?」
愛「……うん」
愛「だって、そうじゃなきゃ」
愛「……気絶してそのままぐっすりなんて、ならないでしょ」
菜々「それもそうですね」クスクス 菜々「……私、気づきました」
愛「?」
菜々「愛さんに、愛されるのも大好きですけど……私自身は」
菜々「愛されるより」
せつ菜「愛したいんです!」
愛「……そっか」
愛「でも」
愛「愛さんだって、せっつーのこと愛したいから」
愛「だから、負けないよ」
せつ菜「望むところです!!」
愛「……でも今はもうちょっとこのまま寝かせて?」
せつ菜「はいっ!ゆっくり満喫してください!」
おしまい えっちな描写をここまで真面目に描いたのはこのSSが初めてです……
ここまで読んでくださりありがとうございました!!!!!
あいななもせつあいももっと流行ってほしいですね!!!!! ちなみにこのSSを書こうと思ったのはこちらのスレを見たのがきっかけです
愛「あははー!せっつー力よわ〜い!」せつ菜「ちょ、ちょっとどいてください!」
http://itest.5ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1611201883
あとたくさんの方がせつあいSSを描いてくださってる素晴らしいスレがこちらです(一部自分も描いてます)
愛「せっつーさぁ...愛さんと付き合って見ない?」せつ菜「なっ!?」
http://itest.5ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1609841407 おつおつ、三十路のおっさんに刺さるタイトルも善きかな 愛さんのカッコ良さもせつ菜の熱血さも菜々の可愛らしさも味わえて最高
今日はしうまい食べるわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています