穂乃果「彼方さんのお家に、お泊まりに行っても良いですか!!?」
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「あの。彼方さんのお家に、泊まりに行っても良いですか!?」
μ'sと虹ヶ咲の合同ライブが終わった後で突然、穂乃果ちゃんにお願いをされた。
「あ、あのっ。別に、今日って訳じゃなくて……彼方さんの、都合が良い時に」
らしくも無い、控えめな頼み方。
「別に良いけど〜……うちに来ても、あんまり楽しく無いかもよ〜?」
「そんな事ないです!それに、彼方さんの手料理が美味しいって、にこちゃんから前に聞いて」
「おや、なるほど」
彼女には一度、誕生日の際に手料理を振舞ったことがあったので、どうやらそれを聞いたらしい。 「いつか食べてみたいなぁって、ずっと思ってたんです」
本当にずっとそう思っていたらしく、穂乃果ちゃんは羨ましがるような顔を浮かべた。
なんだか大袈裟な話になってしまったが、自分の料理の腕を褒められるのは悪い気分では無い。
「じゃあ、今日来ちゃう?」
今日の夕食には、カレーを作るつもりでいた。カレーならば一人増えたところで対して変わらない。
それと今日は母親が、夜勤で家を開ける日であった。それも、都合が良い。
「はいっ!」
穂乃果ちゃんは嬉しそうに頷いた。そんな感じで、即日決行のお泊まり会が決まったのだった。 彼女は一度家に帰ってから、実家のお饅頭(なんと三箱!)を携えて、息を切らしながら我が家のチャイムを鳴らした。必死に走ってきたらしかった。
ちょうどその時カレーから目を離せなかったので、遥ちゃんが玄関で出迎えた。
「あ!遥ちゃん、だよねっ?」
「初めまして。お姉ちゃんがいつも、お世話になっています」
「ううん!穂乃果の方こそ、お世話になって……あ、私は高坂穂乃果って言います。よろしくね!」
「はい。穂乃果さんのことは、お姉ちゃんから聞いてますよ」
どうやら二人はすぐに仲良くなったようで、安心した。 「穂乃果ちゃん、いらっしゃ〜い」
「彼方さん!今日はお世話になります」
「まぁ、くつろいでいってね〜」
「はい!」
大きな声で彼女は返事した。くつろいで、という言葉に満面の笑みで「はい」と答えられるのが、彼女の良いところだなぁと思う。
「あっ、これは穂乃果の家のお饅頭です。つまらないものですが!」
「おや。三箱も貰っちゃって、悪いね〜」
「どうせ迷惑かけてるだろうからって、持たされちゃいました……多かったら、虹ヶ咲や藤黄の皆さんにも分けてください」
穂乃果ちゃんは自分の頭を掻きながら、「えへへ」と苦笑いを浮かべた。可愛い。 それで早速、夕食にすることにした。
我が家に人が泊まりに来ることなど滅多に無いので、穂乃果ちゃんには母の食器を使ってもらう。
「わ〜、美味しそうなカレー!!」
穂乃果ちゃんは目を輝かせて言った。
「はい。すっごく、美味しいんですよ」と遥ちゃんも褒めてくれた。 普段家族に褒められている時は何も感じないが、穂乃果ちゃんもいる前だと少し気恥ずかしい。
そもそも、市販のカレーなので大した味の違いは出せないはずなのだが。
「何これ!美味しい!」
一口食べるごとに美味しい、美味しい、と彼女が感想を言うのが可笑しくて、私と遥ちゃんはつい笑った。
彼女は、遥ちゃんとは少し違ったベクトルで良い子なんだなぁと思う。 もしかしてこの前ほのかなたでおせっせしたやつ書いた人? 楽しい夕食が終わり三人ともお風呂に入った後、リビングでくつろぐ。
「穂乃果ちゃん、この後どうしよっか」
「良い機会だから勉強を教えてもらいなさいって……海未ちゃんに言われちゃって」
そう言って彼女は、数学の教科書をカバンから取り出した。
「え。別に良いけど〜……せっかくのお泊まりなのに〜、穂乃果ちゃんは良いの?」
「はいっ。たまには穂乃果も、勉強します!」
これは、少し意外であった。大変失礼なことだが、彼女が勉学に熱心なイメージはあまり無いからだ。
「じゃあ私も、一緒に勉強しようかな」と遥ちゃんも言ったので、三人揃ってリビングの机で勉強することになった。 「彼方さん、ここなんですけど……」
「ふむふむ。この問題はね……」
「うーん。分かったような、分からないような……」
穂乃果ちゃんは、驚くほど真面目に勉強していた。
驚く、なんて言ったら失礼かもしれないが……μ'sの皆から聞いていた彼女のイメージとは大きくかけ離れていた。
これは、ひょっとすると。 >>10
やっぱりか、あれ良かったわ
こっちも楽しみにしてるぜ 「もしかして穂乃果ちゃん……彼方ちゃんの為に、遠慮してる?」
「え?」
穂乃果ちゃんが不意を突かれたように聞き返した。
「遠慮、って?」と遥ちゃんが尋ねる。
「ほら、私けっこう勉強する方だからさ……穂乃果ちゃん、それに気を遣ってくれてるんじゃ無いかなって」 まぁ、勉強する時間を作ってくれるのは、実際ありがたいんだけど。
でも穂乃果ちゃんと一緒に遊ぶ時間だって、彼方ちゃんにとって大事なのだ。
「せっかくのお泊まり会なんだから〜、何か楽しいことでもしない?」
そう提案すると、「お姉ちゃんも、たまには息抜きしなきゃね」と遥ちゃんも賛同してくれた。
「……はいっ。そうですよね!」
穂乃果ちゃんはそう言うと、カバンの中からトランプやらUNOやらを取り出し始めた。
なんだ、最初から遊びたかったんじゃないか。 一度遊び始めると、穂乃果ちゃんは止まらない。
「穂乃果、またドベだ〜……」
よく笑い、負けた時はガーンと落ち込み、楽しそうになんでも遊んだ。遥ちゃんも、すごく楽しそうに彼女と時間を過ごしていた。
時には流行りのスクールアイドルの動画を見て、それを即興で踊ったりもした。
穂乃果ちゃんは別にそういうのが得意な方では無いのだろうが、それでもいつも楽しそうに、画面の中のスクールアイドルの真似をするのだった。
人を惹きつける資質とは必ずしも、下手とか上手じゃないのだなと思う。遥ちゃんも同じことを感じていたんじゃないかな。 主のおかげでほのかなが来ると喜ぶ体になったよ 期待 それでハッと気がついたら、もうそれなりに遅い時刻になっていた。三人で過ごす時間は本当に楽しかったのである。
遥ちゃんは明日の朝早く家を出ないといけないらしく、先に寝ると言って自分の部屋に向かった。
「じゃあ、おやすみなさい。穂乃果さん、お姉ちゃん」
「おやすみ、遥ちゃん!」
穂乃果ちゃんはもう、家族みたいな感じで遥ちゃんに接しているのであった。彼女と同じ屋根の下に暮らすとしたら、きっと楽しいだろうなと思う。 ほのかなセッ部屋閉じ込めの方か
あれ素晴らしかったので今回も楽しみ 「さて、我々はどうしようか」
そろそろ良い時間なので、寝るのもありかなと思っていた。勉強は、朝早く起きてすればいい。
「せっかくだから、もう少し勉強しませんか」と穂乃果ちゃんは言ってくれた。
あれ。こんなに真面目な子だったっけ。
けっこう不思議に思ったものの……こちらとしても助かる話には違いないし、その提案を快諾することにした。 カリカリと、シャープペンシルの音だけが響く。
たまに穂乃果ちゃんは、知ってか知らずか「うーん」と口に手を当てて考えるような仕草を見せた。そして、おおよそ数十秒後に、彼女は分からない問題について自分に尋ねてくるのだった。
ずっとその同じような仕草を繰り返すものだから、なんだか可愛く見えてくる。
「穂乃果ちゃんは、勉強熱心で偉いねぇ」
本当にそう思わされたので、ある時ぽつりと呟いた。
「えへへ」
彼女は、少しほっぺを赤くして嬉しそうに笑った。 それである時彼女は、机に肘をついて考えるような仕草をしたまま、ばったり動かなくなってしまった。
よく見ると、すやすや寝息を立てていた。
あまり眠そうな様子を見せることなく、ある時バタッと夢の世界に落ちる。
穂乃果ちゃんは実は、自分と似ているところがあるかもしれない。そう思った。
もう夜も遅いことだしベッドで寝させようと、ゆさゆさと彼女を優しく揺らして起こす。
「……はっ。ごめん海未ちゃん」
目覚めて早々、寝ぼけた彼女は自分に向かってそう謝った。
すぐに”海未ちゃん”で無かったことを視認すると、彼女はひどく恥ずかしそうに、もう一度謝った。
可愛い。 それである時彼女は、机に肘をついて考えるような仕草をしたまま、ばったり動かなくなってしまった。
よく見ると、すやすや寝息を立てていた。
あまり眠そうな様子を見せることなく、ある時バタッと夢の世界に落ちる。
穂乃果ちゃんは実は、自分と似ているところがあるかもしれない。そう思った。
もう夜も遅いことだしベッドで寝させようと、ゆさゆさと彼女を優しく揺らして起こす。
「……はっ。ごめん海未ちゃん」
目覚めて早々、寝ぼけた彼女は自分に向かってそう謝った。
すぐに”海未ちゃん”で無かったことを視認すると、彼女はひどく恥ずかしそうに、もう一度謝った。
可愛い。 「付き合ってくれたお陰で、無事に彼方ちゃんの勉強も終わったよ〜」
「それは、良かったです」と穂乃果ちゃんは言った。
お互いに眠気もすごいので、ベッドに移動することにする。遥ちゃんが二段ベッドの上で寝ているので、こっそりと。
「彼方ちゃんは布団敷いて寝るから〜、穂乃果ちゃんベッド使ってよ」
「そんな。悪いですよ」
「でも流石に、お客さんを下に寝かせてベッド使う訳にはいかないし〜……」
「あの……どうしましょうか」
穂乃果ちゃんは少し顔を赤くしていた。 >>6 すまん藤黄→東雲だったわ
そして>>27 誤爆 「どうしようかね」と取り敢えず呟く。
二人とも解決手段は分かり切っていた。数十秒後に、彼女がそれを口にした。
「同じベッドに二人は、流石に狭いですよね……?」
「うん。狭いと思うけど……別に、気にしない?」
そう言うと、穂乃果ちゃんは少し嬉しそうな顔をしてくれた。
「穂乃果は、大丈夫ですよ」 その純粋な表情は、小さい頃の遥ちゃんをどこか思い出させる。
「彼方さんと同じお布団なんて、嬉しいくらいです」
どきりとする。こういう事を平気で言ってくるから、彼女はすごい。
「じゃあ、お布団入ろっか」
「はい」
そもそも二段ベッド自体が狭いものなのに、二人も横たわると驚くほど狭い。
仰向けやうつ伏せで寝られるほどのスペースは無い。必然的に、腕を下にして横向きに寝ることになる。
それで互いに背を向けて就寝するわけも無いので、必然的に、お互いの顔を見つめながら床に入ることになる。
目の前で穂乃果ちゃんが、堪えきれずに小さなあくびをした。可愛い。 「……彼方さん」
こちらを見つめながら、彼女は眠さをこらえて話しかけてくれる。
「どうしたの、穂乃果ちゃん」
「すきです」
「うん。私も、穂乃果ちゃんのこと好きだよ〜……」
「えへへ……」
彼女はだらしなく微笑んだ。
して欲しそうに見えたので、隣で横たわる彼女の体を小さく抱きしめてあげた。
布団の中が、いっそう暖かくなったように感じる。 それから、ずっと気になっていたことを尋ねる。
「ねぇ、穂乃果ちゃん」
「なんですか」
「なにか不安なことでも、あるの〜……?」
「・・・」
「無理して彼方ちゃんの勉強に〜、付き合ってくれたでしょ?」
彼女は少し目を細めた後に言った。
「無理なんて、してないですよ〜……」 「でも穂乃果も、もう少ししっかりしないと」
ギュッと力を強めて、穂乃果ちゃんが私の体を抱きしめてきた。
「彼方さん……どこか行っちゃうんじゃないかって、たまに思うんです」
「そうなんだ」
できるだけ優しく、その頭を撫でてあげる。
「かなたさん、好きです」
小さな声で彼女はもう一度呟いた。
「穂乃果ちゃん、好きだよ」と私も再度ささやいた。 確かその後は、「好き」とか「大好き」とかを互いにまた何度か言い合って。
夢の世界に落ちかけていた穂乃果ちゃんの、あどけない唇にキスをしてあげたような記憶がある。
それで心底ホッとしたように彼女は、私に可愛く微笑んでくれたのだ。
ホッとしたように、である。彼女も人並みに、恋愛沙汰に関して不安を感じるのだなと思った。
私は、心から穂乃果ちゃんの事を包んであげなくてはいけないのだ、と決意した記憶がある。それで多分だが、もう完全に寝入った彼女の顔に、おまじないの如く再び唇をつけたような気がする。
そこから先は、あまりよく覚えていない。 翌朝、穂乃果ちゃんは自分のパジャマ姿を少し恥ずかしそうにしながら、リビングへと起きてきた。
「彼方さん。おはようございます」
「おはよう。穂乃果ちゃん」
ぽぅっと彼女はそこに佇んでいた。なんとなく、彼女の思っていることが分かる。
「なんだか、新婚夫婦みたいだねぇ」と言った。
「はい……そうですねっ」
穂乃果ちゃんが嬉しそうなので、こちらも嬉しくなる。 「遥ちゃんは、もう朝ごはん食べて朝練習に行っちゃった」
「さすが東雲は、大変ですね」と言いながら彼女が味噌汁を運ぶ。
「私たちも、ご飯食べたら行かないと」
近江家にとって、いつも通りの朝ごはんが並ぶ。でも今日は穂乃果ちゃんと一緒に食べられるのが、いつもと少し違う。
「そうですね。……いただきます」
「近江家の味が、穂乃果ちゃんに合うと良いんだけど」
「ずずずっ……あ。すごく美味しいです!!」
「そっか〜。それは良かった」 「それで……昨日のこと、覚えてる?」と尋ねた。
「さ、さぁ」
穂乃果ちゃんは、とぼけたフリをした。普段見せないところを見せてしまったという自覚はあるらしい。
「安心して、いいよ〜……」
「何がですか?」
持っていたご飯茶碗から目を離し、彼女は自分の方を向いた。
「彼方ちゃんは、ずっと穂乃果ちゃんと一緒だから」と勝手に断言した。
「……はいっ」
穂乃果ちゃんは再び茶碗に目を戻した。 そういえば、と前置きして話を変える。
「ふふふ。今朝、遥ちゃんが言ってたんだけどね」
「?」
「穂乃果ちゃんといる時の私って、凄く幸せそうな顔してるんだって」
「は、はぁ……/// そうなんですか?」
「自分じゃ分かんないけど、そうらしいよ〜……」
穂乃果ちゃんはなるべく平静を装っていたが、口元がかなり緩んできていた。見ていれば、彼女の思うところは全部分かる。 「しっかりしてないとしても、私は穂乃果ちゃんのこと好きでしょうがないんだね」
「へ、へぇ〜……」
あくまで顔に出さないように努める穂乃果ちゃん。ご飯をパクパクと、必死に口へ運ぶ穂乃果ちゃん。可愛い。
よく見ると彼女の口元に、ご飯粒が一つ付いていた。
可愛い。 「穂乃果ちゃん、こっち向いて」
私は椅子から立ち上がり、彼女の顔に付いた米粒を取ってあげた。
「ふふっ、取れた」
「あっ、ごはんつぶ……」
彼女が顔を赤らめたついでに、もう少し可愛いところを見たくなる。
「ねぇねぇ」と耳元で呟く。
「なんですか?」 「穂乃果ちゃん、今度はえっちしようね」
ボッと燃えるように、彼女の顔は真っ赤になった。
終わり なんだか取り留めの無い話になってしまったが読んでくれてありがとう
ほのかな万歳 少しずつ育まれるエモみ、盆栽を愛でるような穏やかな気持ちになれたよ〜
...育ててないけど! この絶妙な距離感がたまりませんね……
単独の話としても前回のセッ部屋閉じ込めの話の続きとしても見られるしで素晴らしいです!!!!!
また書いてくださるの楽しみにしてますね!!!!! 乙、ほのかな素晴らしい
しかし二段ベッドの下で好き好き言い合ってちゅっちゅしてたの、遥ちゃんにバレてないかが気になる 遥ちゃんと同じ部屋でイチャコラするのは難しいわね
妹置いて高坂家に行くのも考えにくいし、どこですれば良いのかしら 和菓子屋バイトで穂乃果ちゃん頑張っちゃうネタもあるぞ! 翌日泊まりに来ちゃう穂乃果ちゃん
しばらく泊まりに来れない穂乃果ちゃん
どっちだろうねえ 前作のURLをどなたか教えていただけないでしょうか このSSのおかげで幸せな気持ちですやぴ出来そうです
ありがとう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています