愛「『攻略してほしい女がいる』……?」璃奈『無理なら絶対に返信しないように』
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愛「面白いじゃん、愛さんに落とせない女の子なんていないよ!」ポチッ
璃奈「愛さんなら、そう言ってくれると思ってた」
愛「りなりー! 何ですぐ近くにいるのに、わざわざLINEしたの?」
璃奈「こっちの方が、カッコいいと思ったから」
愛「確かに……。これから何かが始まる! って感じはしたけどー」
璃奈「うん。それで、LINEで送った通り、愛さんには、これからある女の子たちを攻略してほしい」 愛「どうして?」
璃奈「昨日作った心の隙間センサーを使って校内を歩き回ってみたら、どうやら数人の女の子の心に隙間があって、そこに何か悪いものが入り込んでいるみたいなの」
愛「悪いもの? それってほっとくとどーなっちゃうの?」
璃奈「鬱状態になったり、自傷行為に走ったり……。最悪死ぬ可能性もある」
愛「! 早く何とかしないと!」
璃奈「うん。愛さんには皆の心の隙間を埋めて、悪いものを押し出してほしい」
愛「わかった! 任せて!」
璃奈「それじゃあまずは、スクールアイドル同好会の中州かすみちゃんを攻略してほしい」 ※※※かすみ編※※※
かすみ「ふんっ! ふんっ!」
かすみ「……。こんなんじゃ駄目。ちっとも可愛くない!」
かすみ「せつ菜先輩よりもすごいスクールアイドルになって、皆に戻って来てもらおうと思ったのに……」
かすみ「やっぱり、せつ菜先輩には努力しても追いつけないのかな……」
愛「中須かすみちゃんだよね?」
かすみ「ひゃー!!!」ビクッ >>6
かすみん推しなのにありえんミスしてしまったエタりそう
>>7
かみのみパロです かすみ「だだだ、誰ですかあなた! あ〜! さては、世界一可愛いかすみんのファンですねぇ? ふっふっふ、残念ながら今日はプライベートなので、サインならまたの機会にしてもらえますかぁ?」
愛(元気な子だな……。でも、何だか寂しそうにも見える。よぉし!)
愛「あはは、そうなんだ! アタシ、宮下愛! かすかすの大ファンで」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんですー!」
愛「ごめんごめん。ところでかすみん、プライベート中もダンスの練習してるんだ?」
かすみ「こ、これは、趣味でやってるだけです! 別に練習とかでは……」 愛「そうなんだ! じゃあアタシも一緒にやっていい? 愛さんもダンス大好きなんだー! あ! ダンスだん好き! なんつって笑」
かすみ「え!?(パァ) ……! い、嫌ですよぉ! かすみんは一人で踊るのが好きなんですぅ!」
愛「そうなの? じゃあいいや」クルッスタスタ
かすみ「え? えっと、あの……」
愛「じゃ、アタシはここでかすみんを応援してるから」ジメンストン
かすみ「! じゃ、邪魔はしないでくださいね?」
愛「うんうん! かすみん頑張れ〜」 ※※※
愛(それからアタシは、運動部の助っ人を断って、毎日かすみんの歌やダンスの練習を見に行った。それはつまり、かすみんは毎日練習してるってことで――)
かすみ「愛先輩、今日も来たんですか……」
愛「もちのろんっ! 愛さんはかすみんのファン第1号だからねー!」
かすみ「かすみんには既にファンが沢山います! 愛先輩は多分500号くらいです〜」 >>18
多分そんなに長くは書かないと思われ
ゆっくり書いていくから、長編になりそうだったらスレ分かる 愛「そうなんだ、でも、アタシほどかすみんを可愛いと思ってるファンはいないよ?」
かすみ「……///な、何言ってるんですか! かすみんは世界一可愛いんですから、皆同じくらい可愛いと思ってくれてますぅ!」
愛「そっかそっか〜。ねね、かすみん。ライブとかはしないの?」
かすみ「……そのうち見せてあげますよ」
愛「うんうん、楽しみにしてるよ!」
かすみ(愛先輩と話してると、調子狂うなあ……) ※※※
璃奈「……」ムスッ
愛「おーっすりなりー!」
璃奈「愛さん」
愛「取り敢えず、かすかすとは接触できたよ! 多分友達にもなれると思う!」
璃奈「流石だね愛さん。でもちょっと時間かけ過ぎじゃない?」
愛「そうかな? あ、そうそう。心の隙間を埋めるって、具体的に何すればいーの?」
璃奈「……キス」 愛「!?」
璃奈「人間の心の隙間を埋めるのに1番手っ取り早いのは、愛情で頭がいっぱいになった瞬間に、心と身体に大きな衝撃を与えること。だから、キスが最適」
愛「そ、そうなんだ。じゃあ愛さんは、かすみんがアタシを好きになってくれた後、キスをする必要があるんだね?」
璃奈「うん。余計なイチャイチャはしなくていいから、サクッと決めてほしい」
愛「あいあいさー!」
愛(キスかぁ……。案外ハードル高いね。りなりーはサクッとなんて言ってくれちゃってるけど、人間の心は難しいんだよ……) ※※※
かすみ「愛先輩」
愛「ん? どしたん?」
かすみ「たまには……、一緒にやりませんか?」
愛「……! かすみーん!」ダキッ
かすみ「ちょっ! かすみん今汗かいてますからぁ!///」
愛「汗かいてない時は良いんだ?」
かすみ「だめです!」
愛「えー、ケチー。こんなに可愛かったら、すぐ抱きつきたくなっちゃうよ」
かすみ「むぅ……」
愛「あはは! じゃ、一緒に踊ろっか!」 〜♪
かすみ「……って、愛先輩ダンス上手すぎませんか!? 何かやってたんですか?」
愛「んー、まあダンス部の助っ人に行ってたことあるし、かすみんの練習をずっと見てて、家でも真似してたからかなー?」
かすみ「ぐぬぬ……」
かすみ(どうしよう……。また手強いライバルが現れちゃった……。やっぱり私って才能ないのかな……)
愛「楽しいね、かすみん!」ニコッ
かすみ「そ、そうですね……」
かすみ(あ! そうだ! 皆が戻ってくるまで一人で頑張ろうと思ってたけど、まずは愛先輩と二人でやっていくってのもありかも! 私一人だけじゃ厳しくても、二人でならせつ菜先輩にだって……!)
かすみ「愛先輩、私と二人でスクールアイドルやりませんか? 特別に、かすみんの引き立て役にしてあげます!」
愛「んー、それは良いけど……」
かすみ「けど?」
愛「い、いや何でもないよ! 一緒に頑張ろーね、かすかす!」
かすみ「だから〜! かすかすじゃなくてかすみんです!」
愛「あはは」 ※※※
璃奈「……何してるの」ムスッ
愛「ええっと……。やってるうちに愛さんも楽しくなってきちゃって……」
璃奈「ターゲットと必要以上に仲良くなる必要はない」
愛「そーだよね、もしかすみんを攻略した後、次の子の攻略に支障がでちゃうし」
璃奈「……それは、心配いらない」
愛「?」
璃奈「ちゃんと攻略が完了したら、私の機械で記憶だけなら多少いじれる。心は満たしたまま、攻略中の愛さんの記憶だけ消すこともできる。流石に最初から心の隙間を埋めるような機械はまだ作れなかったけど……」
愛「す、すごいねりなりー! ……でも、それって悲しいことだよね」
璃奈「うん。だからサクッと攻略してほしい」
愛「なるほどね、そーゆーことだったんだ」
璃奈「だからもうそろそろ決めてきてほしい」
愛「おっけ! 任しといて!」タッタッタッ
璃奈「……愛さんの、馬鹿」 ※※※
愛「ライブの日程が決まった!?」
かすみ「はい! かすみんは生徒会に睨まれているので校内は無理でしたが、近くの公園でやることにしました! ちゃんと許可も得ましたよ〜!」
愛「すごいねかすみん! 愛さん最前列で応援しちゃう!」
かすみ「何言ってるんですか、愛先輩も一緒に出るんですよ」
愛「えぇ!?」
かすみ「当たり前じゃないですか、かすみんたちは二人で活動するスクールアイドルになったんですから」
愛「そ、そうだよね……!」
愛(ま、楽しそうだしいっか! それにしても……)
愛「ねね、かすみん。何か疲れてる?」
かすみ「え? そんなことないですけど……」
愛「ふーん、ならいーけど」
愛(私と二人で練習を始めてから、かすみんは疲れているように見える……。前とそんなに練習量は変わってないはずなのに) ※※※
愛「まずいまずい、りなりーと話してたらかすみんとの練習の時間に遅れちゃった」
愛「おーい! か」
愛(……!)
かすみ「届け! 届け! 地球の果ての果てまで〜♪」
愛(かすみん、私と組む前に練習してた一人曲を……?)
かすみ「はぁ、はぁ……。ううん、大丈夫。これは戦略なんだから! かすみんはいつかきっと一人でもNo.1スクールアイドルに……!」 愛(かすみん、やっぱり本当は一人で……。でも、これは……)
かすみ「ちょっとだけ休憩しよ……」ゴロン
愛(アタシと初めて会った時よりも、格段に上手くなってる……! すごいよかすみん!)
愛「かーすみーん!」
かすみ「あ! 愛先輩! 遅刻は駄目ですよぉ!」プンッ
愛「あはは! ぷんぷんしてるかすみんも可愛いよ!」ナデナデ
かすみ「なっ! 勝手に撫でないでくださいー!///」
愛「このこの〜!」
愛(決めた。やっぱり今度のライブは……!) ※※※
ザワザワ
愛「すごいねかすみん! 結構人来てるよ!」
かすみ「20人くらいでしょうか? ま、ほとんどゲリラライブみたいなものですし、こんなもんでしょ」
愛「よぉし、じゃあ頑張ろっか!」
かすみ「はい!」
〜♪(前奏中)
かすみ(なんだかんだで初めてのステージ。そういえば、同好会のお披露目ライブってどうなるんだろう? 場所はもう予約してたはずなのに、皆バラバラになっちゃって……)
かすみ(……。今はそんなこと気にしてる場合じゃないか! とにかくこのライブ、成功させなきゃ!)
愛「」ピョンッ
かすみ「……!? 愛先輩!?」
愛「ごめんねかすみん。私やっぱ、かすみんとは組めない」
ザワッ かすみ「ななな、何言ってるんですか!? もう曲始まっちゃいますよ!」
愛「ずっと見てたよかすみん! 本当は自分の力だけで1番になりたかったんだよね! 最近疲れてたのも、私との練習が終わった後でソロの練習もしてたから。そーでしょ?」
かすみ「……はい。 でも」
愛「大丈夫! 愛さんずっと見てた! 強がりだけど本当は臆病で、自分に自信が無くて、それでも前に進むことを絶対にやめない頑張り屋なかすみんを!」
かすみ「でもでも……、かすみんは……。私は!」
愛「折角お客さんが来てくれてるんだよ? 皆に見せてあげて、私の最高のスクールアイドル、世界一可愛いかすみんを! りなりー!」
璃奈「おーけー」
〜♪(Poppin'Up!)
かすみ「……! この曲は」
愛「もちろん、愛さんは最前列で応援してるからね!」ブイッ
かすみ「あ、愛せんぱぁい……」グスッ
かすみ「……。皆がかすみんに惚れちゃっても、後悔しないでくださいよ!」
〜♪
かすみ(いける……! 今までに無いほど喉も身体も調子が良い! もう私はめげない! 絶対誰にも負けない!)
愛(すごい、すごいよかすみん! どんどん人が集まってきてる!)
愛「良かった……!」
???(あれは……。かすみさん?) ※※※
かすみ「も〜! 一時はどうなることかと思いましたよ!」
愛「あはは、ごめんって」
かすみ「まあ、結果的に大成功でしたけどぉ〜? やっぱりかすみんは世界一ですね!」
愛「うん、間違いないね! 愛さんが保証する!」
かすみ「それってあんまり効力ないんじゃ……」
かすみ「でも、ええっと、その……。愛先輩、ありがとうございました」
愛「愛さんは何もしてないよ! かすみんが自分を信じられた結果だし!」
かすみ「……愛先輩」ダキッ
愛「!? どうしたのかすみん!?」 かすみ「あんまり上手く言えないんですけど……。私、愛先輩が見ててくれたら、もっともっとすごいライブが出来ると思うんです……。だから――」
かすみ「これからも、一緒にいてくれますか?」
愛「かすみん……」
愛(上目遣いにアタシを見上げるかすみんの瞳。それはとっても綺麗で……)
愛(ずっと眺めていたいのに、かすみんはゆっくりと目を閉じる。駄目、絶対に逃さない! ……そう思って追いかけたら――)
スッ
愛(かすみんとのキスは、少しだけ汗の匂いがした) ※※※
璃奈「お疲れ様」ムスッ
愛「かすみんは私のこと、忘れちゃうんだよね……」
璃奈「うん。面倒なことが起きないように、絶対に、完全に、間違いなく忘れてもらう」
愛「そうだよね……」
璃奈「……。でも」
愛「?」
璃奈「きっとかすみちゃんの埋められた心の中には、愛さんがいる……。と思う」
愛「そっか……!」
かすみ編 完 かすみ編終わりです。
次はせつ菜編の予定です。書けたらまた投下します。 期待しとる!
あとssでありがちなりなえもん設定なのか原作準拠の悪魔設定なのかが分からん >>44
りなえもん設定寄りですね。仮に「悪いもの」の正体が原作と同じでも、りなりーはそれを知る術はないので、悪魔や女神は出てきません。 女神編マジで神アニメだろ
アニメ全編通して曲も好きだった 声が伊藤かな恵のサポート役が可愛かったのは覚えてる >>49
後半に行くほどどんどん面白くなる、長編アニメでは稀有な作品でしたね。 ※※※せつ菜編※※※
愛「それで、次はどの子を攻略すればいいの?」
璃奈「次は、生徒会長」
愛「急に難易度上がってない!? いや、かすみんがチョロかったってわけじゃないんだけど」
璃奈「実際かすみちゃんはチョロかった。あんなに頑張らなくても落とせてたと思う」
愛「そんなことはないでしょ……」
璃奈「私のシミュレーションだと、ほぼ全員チョロいはずだから大丈夫。一人とんでもないのがいるけど」
愛「?」
璃奈「大丈夫。その子はすぐには問題起こさないだろうから、最後に回す予定」
愛「結局攻略はしないと行けないのね……」
璃奈「爆発した時1番危ないのは間違いない。死人が出るかも」
愛「ええ……」 ※※※
生徒会室前
愛「はぁ……。生徒会長なんてほとんど関わりないよ……。ま、とにかく突撃してみますかっ!」ガチャ
菜々「ノックくらいしたらどうなんです? 情報処理学科2年、宮下愛さん」
愛「へぇー! 名前覚えてくれてるんだ!」
菜々「生徒会長として当たり前です。それで、何の用ですか?」
愛「いや、特に用ってほどじゃないんだけどさ。ふとかいちょーの顔が見たくなっちゃって」
菜々「は? 意味がわかりません」 愛「良いじゃん良いじゃん、もっとよくお顔見せて」ズイッ
菜々「……! やめてくださいっ!」パァン
愛「うおっ!?」
愛(メガネを取ろうとしたら、すっごい拒否された……。何かコンプレックスでもあるのかな?)
愛「ちぇー」
菜々「全く、何なんですかあなたは! これ以上居座るようなら、私にも考えがありますからね!」
愛「ふーん、結構大きい声も出せるんだね。大人しい子かと思ってたのに」
菜々「……。次はないです。早く出て行ってください」
愛「あいよー」ガチャ ※※※
璃奈「何がしたかったの」
愛「まあ、まずは顔合わせってことで」ニコッ
璃奈「とても警戒されてた」
愛「そうだね。でもねりなりー、たとえ悪い方向だったとしても、第一印象はインパクトが大事っしょ!」
璃奈「私には、そういうのはわからない……」
愛「ま、取り敢えず愛さんに任せといて!」
璃奈「うん。信じてる」
璃奈「あとね愛さん」
愛「ん?」
璃奈「いきなり顔近づけちゃ駄目。生徒会長、怖がってたと思う」
愛「ま、普通に考えたらそっか。んー、でもあの感じは……」
璃奈「?」
愛(何かを隠したがってた……?) ※※※
💻〜♪(せつ菜過去ライブ)
菜々「……」
菜々(もう考えないようにしていましたが……)
――――――
――――
かすみ「ありがとうございました〜!!」
――――
――――――
菜々(あんなライブを見せつけられたら、また大好きを抑えられなくなってしまいます……!)
愛「おっすー!」ガチャ
菜々「!? またあなたですか!」パソコントジー
愛「おー、今日は最初から元気じゃん!」
菜々「いい加減にしないと」
愛「待って待って! 今日はちゃんと用事があって来たんだってば!」
菜々「?」 愛「同好会についてなんだけどさ、かいちょーはスクールアイドル同好会って知ってる?」
菜々「……!」
菜々(まさか、私の正体を知っている?)
菜々「え、ええ。生徒同様、私は生徒会長として校内の部活および同好会は全て把握しています」
愛「あはは、流石だね! じゃあさ」
愛「なんでスクールアイドル同好会を目の敵にしてるの?」
愛(かすみんは、自分は生徒会に目をつけられてるって言ってた。カマかけてるみたいで悪いけど、他に生徒会長との話題がない……!)
菜々「……。あの同好会は、人数も少ないですし、真っ当に活動をしていないからです」
愛「でもでも、この間中須かすみちゃんって子が一人でライブしてたよ?」
菜々(……! そうかこの人、先日かすみさんのライブで一番前にいた……)
菜々「それは知りませんでした」
愛「えー! もったいない! すっごく良いライブだったんだよ?」
菜々(知っています。あれは、もはや私の知らないかすみさんでした。あの子があんなに素晴らしいパフォーマンスを出来るとは……)
菜々(知りたい。あの子が強くなれた理由) 菜々「あまり関心がないもので。まあ、きちんと活動しているなら何よりです」
愛「……ん? ちょっと待って」
菜々「?」
愛「かすみん確かさ、ちゃんと許可取れたって言ってたんだよね。てことは、ライブ前に生徒会に申請書を提出してるはず……。どうしてかいちょーはライブがあるってこと知らなかったの?」
菜々「……。それは、会場が学校ではなかったからでしょう。中須さんは、公園の管理者に許可をとったのでは」
菜々「……!」
愛「あれ? 何で会場が公園だったって知ってるの?」
愛(かかった! まさか見に来ていたとは思わなかったけど!)
菜々「……。白状しましょう。私は中須さんのライブを見ていました」
愛「やっぱりそーなんだ! すごかったよね!」
菜々「はい、正直感動しました」
愛(よしよし! 共通の話題が出来た! このまま会話を続けていけば……!) 菜々「先程私が同好会を目の敵にしているとのことでしたが、あのライブを見て、もう少し様子を見てみようとは考えています」
愛「へー! じゃあかいちょーもかすみんのファンになったってこと?」
菜々「……そういうわけではありません。単純に、わざわざ頑張っている生徒の邪魔はしないというだけです……」
愛「ふ〜ん……」
副会長「会長、間もなく会議の時間です」コンコンコンガチャ
菜々「わかりました、すぐに向かいます。宮下さん、申し訳ありませんが、今日はここまでということに」
愛「ちょ、ちょっと待って!」
菜々「何ですか?」
愛「かいちょーはさ! ……スクールアイドル、好き?」
菜々「……! 私は――」
菜々「そんなもの、興味ありません」 ※※※
璃奈「お疲れ様」
愛「うぃーっす」
璃奈「すごいね愛さん、少しだけだけど、ちゃんと生徒会長と話せてた」
愛「うーん、確かに会話時間自体は伸びたんだけどね〜」
璃奈「?」
愛「何か壁を感じるよね。かいちょーは何か隠してる」
璃奈「……スクールアイドル」
愛「確かに、スクールアイドルについて話す時、かいちょーの目は輝いてるよね……」
璃奈「スクールアイドルと言えば、こんなの見つけたよ」
愛「ん、どれどれー? あ、これうちの学校のスクールアイドル同好会じゃん! かすみんも載ってる! 5人もいたんだー!」
璃奈「これは、今度同好会がやる予定のライブのチラシ」
愛「へー、やっぱりちゃんと活動してたんじゃん! でも、かすみんは一人で練習してたよね?」
璃奈「同好会は、メンバーの方向性の違いで解散したらしい。だけど、会場に問い合わせたら、このライブが中止になったという情報はないの」
愛「じゃあ、ライブ自体はある?」
璃奈「うん。流石にドタキャンはしないんじゃないかな」
愛「……ねえ、りなりー」
璃奈「何?」
愛「既に攻略した子と接触するのって、アリ?」
璃奈「ナシ」
愛「そーだよねー。かすみんに聞いたら、同好会がどうなってるのかわかりそうなんだけど」
璃奈「じゃあ、私が聞いてみる。同じ学年だし、話せないわけじゃない。記憶もすぐ消せるし」
愛「物騒だね……」 ※※※
璃奈「ええっと、中須さん」
かすみ「何〜? 中須さんって可愛くない呼び方だよねぇ。かすみんって呼んでよ!」
璃奈「……。かすみさん」
かすみ「か、す、み、ん!」
璃奈「……。かすみちゃん」
璃奈(私、今どんな顔してるんだろう。かすみちゃん、気持ち悪がってないかな?)
かすみ「う〜ん。まあ、いっか。あなた誰?」
璃奈「情報処理学科1年の、天王寺璃奈」
かすみ「ふーん、顔は可愛い……。いやいや、かすみんほどじゃないけど〜。何の用? りな子」
璃奈「り、りな子?」
かすみ「かすみんは〜、呼ばれ方もだけど、呼び方も可愛くしたいの」
璃奈「そうなんだ」ソワソワ
璃奈(あだ名つけてくれたの、二人目。嬉しい) かすみ「何? 照れてるの?」
璃奈「……!? わかるの?」
かすみ「わかるよ、りな子とってもわかりやすいじゃん」
璃奈「え? 私、気持ちを表情に出すのが苦手で」
かすみ「りな子さぁ……。表情って、何も筋肉の動きだけじゃないんだよ? ほら、見てみ?」テカガミパカッ
璃奈「……!」
かすみ「ね、顔赤くなってるでしょ? かすみんはアイドルとして、ファンの表情の全てを読み取れるんだから!」
璃奈「……すごい」
かすみ「ふっふーん! もっと褒めても良いんだよ?」
璃奈「私は、かすみちゃんのファン……ではないけど」
かすみ「ええ!? じゃあ何で声かけたの!?」
璃奈「えっと……あの……」
璃奈(スクールアイドル同好会の情報を引き出すため……情報を引き出すため……)
璃奈「……お友達になりたい」
璃奈(……!)
かすみ「なーんだ! いいよ! りな子は今日からかすみんのお友達ね!」
璃奈「!」
かすみ「そ、そんなに嬉しそうにしなくても!」
璃奈「うん、嬉しい」
璃奈(かすみちゃん、すきかも) ※※※
愛「へー、良かったじゃん!」
璃奈「うん。かすみちゃん、良い子だった」
愛「うんうん! もう一回攻略したいくらい!」
璃奈「……」ムスッ
愛「? りなりー?」
璃奈「ねぇ、愛さん。かすみちゃんがね、私はとってもわかりやすいって言ってた」
愛「……うん?」
璃奈「今、私が考えてること当ててみて」
愛「ええっと……。かすみんともっと仲良くなりたい……とか?」
璃奈「愛さん、きらい」
愛「りなりー!?」
璃奈「まあ、それは置いといて」
愛「置いとかないで!」
璃奈「同好会のこと、ちゃんと聞いてきた」
愛「ねえりなりー!」 ※※※
愛(結局、10分間頭を撫で続けてりなりーの機嫌は治った。それにしても……)
愛「思ってたより、厄介なことになってるみたいだね……」
愛(同好会が解散状態になった原因、それはどうやら、優木せつ菜というメンバーにあるらしかった)
愛(運動部の助っ人に行った時も、勝ちにこだわりたい子とただ部活動をエンジョイしたい子、何となく入部した子で温度差が出来て揉めるのはよく見るけど……)
愛「よし! 取り敢えず、その優木せつ菜って子を探そー! 何かフルネームだと長くて呼びづらいし、せっつーで良いかな?」
愛「せっつーもこの学校の生徒なんだよね……。じゃあやっぱり、ここは生徒会長に聞いてみるか……」 ※※※
菜々「はい。はい。ですので、急で大変申し訳無いのですが……」
愛「おーっす!」ガチャ
菜々「わ!? ……あ、すみません。また後ほどかけ直します」ポチッ
愛「あ! ごめーん! 電話中だった?」
菜々「まったくです。ノックをしろと何度言えば分かるんですか」
愛「あはは、ごめんよー!」
菜々「それで、今日は何の用ですか?」
愛「あれ? 今日はすぐに追い出そうとしないんだ?」
菜々「……今日は偶々、仕事が早く片付いたんです」
愛「そっかそっか。じゃあ早速なんだけど、優木せつ菜って何学科の何年何組かわかる?」
菜々「!?」 菜々(どういうことですか!? やっぱりせつ菜の正体に気付いて……? でも、それならこの間聞けばよかったはずですし……)
菜々「何が目的ですか?」
愛「んー? スクールアイドル同好会の、今度のライブについて聞きたいことがあってさ」
菜々「そ、そのライブなら、中止にすると優木さんは言っていましたが……」
愛「あれ? かいちょー、せっつーと話したことあるんだ?」
菜々「せっつー?」
愛「ああ、勝手にアタシがそう呼んでるだけだから気にしないで」
菜々「……。優木さんはスクールアイドル同好会の部長なので、話す機会はあります」
愛「そーなんだ! じゃあさ、どうして中止にするかとか聞いてる?」
菜々「単純に、メンバーが揃わないからと言っていました」
愛「ふーん……。かすかすはちゃんと今も公園で練習してるみたいなんだけどなあ」
菜々「かすみさ……中須さんは、ライブについて何か言っていましたか?」
愛「えと、これは私の友達が話した時に聞いたらしいんだけど、どうやら中止になったと思ってるらしいよ」
菜々「……じゃあ、ちゃんと部員間で連絡は取れているようですね」
菜々(良かった。かすみさんの中では既に中止ということになってるんですね……。恐らく他の3人も同じでしょう。何しろ私以外の4人はまだ交流があるようですから……) 愛「でもねでもね! 会場に問い合わせてみたら、まだ予約は取り消されてなかったんだよ!」
菜々「……そうなんですか。同好会がキャンセル手続きを忘れているのでしょうね。仕方ありません、このままでは迷惑がかかるでしょうし、私から連絡しておきましょう」
愛「ちょっと待ってよ! もしかしたら、同好会の子たちは諦めてないのかもしれない! ちゃんと確認したいから愛さんは、優木せつ菜本人と話してみたい!」
菜々「……! 宮下さん、あなたは同好会とは何の関係もない生徒なはずです。どうしてそこまで」
愛(そうだよね〜、それ言われちゃうとどうしようも無いんだわ……。でもここは多少無理筋でも)
愛「んー、アタシにも正直分からないんだ! でも何だろう、今まで色んな部活を経験してきたけど、スクールアイドルは愛さんにとって未知な世界で……。もっともっと見てみたいって思えた!」
愛「それが自分の学校にあるってんだから、応援するに決まってるっしょ!」
菜々「……その、大好きなんですね、スクールアイドルが」
愛「うん! 愛さん、スクールアイドル大好き!」
菜々「! そう、ですか」
菜々(ここまでストレートな『大好き』を、私が否定できるはずないじゃないですか……。でも……)
――――
――
かすみ「こんなの全然可愛くないです!」
――
――――
菜々(私の大好きは、あの子たちの障害になる……) >>72
正直入り以外はそんなに原作準拠じゃないから大丈夫 菜々「……では、あの子たちをよろしくお願いします」
愛「任せといて……って、生徒会長、同好会の保護者みたいだね!」
菜々「っ! 私は生徒会長として」
愛「うんうん! わかってるわかってる!」
愛「じゃ、早速せっつーのクラス教えて! 会いに行ってくる! 愛だけに!」
菜々「ええっと……」
愛「……? ああ、流石の生徒会長も、これだけ生徒数が多かったら忘れちゃうこともあるよね! おっけー、愛さん自分で調べるよ」スタスタガラッ
愛「生徒名簿、ちゃんと今年のやつだね!」
菜々「ちょっ! ま、待ってください!」ガタッ
菜々(まずいです! 流石に生徒名簿を見られると、優木せつ菜が架空の生徒だとバレてしまいます!)
菜々「そんな勝手に……あっ!」ツマヅキー
愛「うわっ!?」ドンガラガッシャン
愛「……ててて。かいちょー大丈夫!?」
愛「……!」
菜々「え? あ、はい……。すみません」
菜々(……メガネが……ない!?)
愛「優木……、せつ菜?」 ※※※
愛「……なるほどね、また聞きではあるけど、かすみんの言ってた通りの経緯だ」
せつ菜「はい……。私は自分の大好きを押し付けるだけで、他のメンバーの大好きを分かろうともしていませんでした」
せつ菜「きっと、私が戻っても同じことを繰り返してしまう……」
愛「原因分かってるんじゃん、もうせっつーは大丈夫だと思うけど……」
せつ菜「駄目なんです。先日のかすみさんのライブを見て確信しました。実際に参加したら、やっぱり私は自分の大好きを抑えきれないと」
愛「抑えなくていーんじゃない?」
せつ菜「?」
愛「アタシが色んな運動部の助っ人やってるの知ってる?」
せつ菜「はい。話は時々聞きます」
愛「運動部って、個人競技と団体競技に分かれてるじゃん? 愛さんは団体競技をやることが多いんだけどね、個人競技は自分の力を存分に試せるし、負けた時の責任は自分だけってのが好き。団体競技は仲間と協力するのが楽しいし、失敗しても悲しみを分け合えるから好き」
せつ菜「個人競技……」
愛「うん。でも全てのスポーツがどっちかって訳じゃないよね? 陸上のリレーやテニス・卓球に、武道の団体戦……。個人競技と団体競技の両方の魅力が楽しめる競技だってあるんだ」
愛「スクールアイドルは、どっち?」
せつ菜「……!」
愛「皆違う大好きを持ってるなら、全員違うアイドルになればいーんだよ! それでも、個人個人の活躍は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の評判に繋がる!」
愛「せっつーは、せっつーの大好きを信じて良いんだよ」
せつ菜「本当に……良いんでしょうか?」
愛「いーんだよ! まだ抵抗あるなら、愛さんが先にお手本見せてあげる!」
せつ菜「お手本……?」 愛「アタシ、せっつーのこと大好きだよ」
チュッ
せつ菜「!?///」
愛「えへへ、チキってほっぺにしちゃったけど、ドキドキした?」
せつ菜「ななな、何をしているんですか!? びっくりはしましたけど、別にドキドキなんて」
愛「じゃあ、ここは?」オデコチュッ
せつ菜「〜〜っ///」
せつ菜「べ、べつに」
愛「じゃあここ」テノコウチュッ
せつ菜「あわわわわ」
愛「まだ? じゃあ次」クビチュッ
せつ菜「も、もうやめてくらさい///」
愛「ドキドキしてる?」
せつ菜「し、してましぇん!」
愛「手強いね〜、じゃあこういうのは?」
愛「菜々、大好きだよ」ミミモトデボソー
せつ菜「ひぃんっ!」
愛「次は〜」
せつ菜「うおぉぉぉおおお!!!」ドンッ
愛「うわっ!?」 せつ菜「いい加減にしてください!」
愛「ご、ごめんせっつー! やりす」
せつ菜「伝わりましたから」
愛「?」
せつ菜「……あなたの大好きは、ちゃんと伝わりましたから」
愛「せっつー……!」
せつ菜「だからええっと、あの……」
せつ菜「今度のライブは、試しに一人で出てみようと思います」
愛「……!」
せつ菜「私のことが大好きなら……、見に来て、くれますよね?///」
愛「絶対行くよ!」
せつ菜「なら――」
チュッ
愛「!?」
せつ菜「私の大好きも、ぶつけておきますね///」
愛(え!? 愛さん、落とされた!?) ※※※
璃奈「……」ムスッ
愛「いやー、正直ゴリ押しだったけど、何とかなるもんだね!」
璃奈「キスは、口に一回で良い」
愛「何かいざその時になると照れちゃって///」
璃奈「ターゲットの方から口にキスされて、愛さんは自分が情けなくならないの?」
愛「ごめんなさい……」
璃奈「まあ、ちゃんと心の隙間は埋まったみたいだし、一応成功。お疲れ様」
愛「ありがとうりなりー!」ナデナデ
璃奈「頑張ったのは愛さん。何で私が撫でられてるの」
愛「可愛いりなりーをナデナデするのは、愛さんにとって一番のご褒美だからね―!」
璃奈「……座って」
愛「?」
璃奈「座って」
愛「う、うん」ストッ
璃奈「……よしよし」ナデナデ
愛「ちょっ! りなりー!?」
璃奈「可愛い私にナデナデされるのは、愛さんにとってご褒美?」
愛「……はい」
せつ菜編 完 せつ菜編完結です。
続きは書き終わって、明日の夜までスレが残っていれば投稿します。 ※※※エマ編※※※
璃奈「ねえ愛さん」
愛「どしたのりなりー?」
璃奈「スクールアイドル同好会に入ろう」
愛「ん!?」
璃奈「心の隙間センサーに反応が出た子たちが、続々とスクールアイドル同好会に集まってるみたいなの」
愛「そ、そーなんだ。やっぱり惹かれ合っちゃうのかな?」
璃奈「そうかも。だから、近くにいた方が攻略しやすいかなって」
愛「うーん、まあそれはそーなんだけど、不味くない?」
愛「同好会には、かすみんやせっつーだっている訳だし、これから攻略する子たちとも接触し続けることになるんじゃ……」
璃奈「うん。でも、かすみちゃんやせつ菜さんを見る限り、私の記憶操作は有効。それに」
璃奈「私も入部するから」
愛「ええ!?」 エマ編投下します。
これまでと違ってまだ最後まで書けていない状態での投下なので、今日完結するかは微妙です。 ※※※
エマ「ようやく復活だね〜」
かすみ「それじゃあ、スクールアイドル同好会、始めま〜」
愛「やっほー!」
「「「???」」」
愛「もしかして、スクールアイドル同好会の人たち?」
せつ菜「そうですが……。お二人は確か」
愛「情報処理学科2年、宮下愛だよ!」
璃奈「1年、天王寺璃奈……です」
愛「私たち、この間のせっつーのライブ見てドキドキしちゃってさ! 同好会に入りたいなって!」
侑「わかるよ! ときめいたんだね!」ガシッ
愛「うん! そうそう!」 璃奈「本当に、すごかった」
せつ菜「あ、ありがとうございます!」
かすみ「ほんとですよぉ、前に見た時より更にレベルアップしてましたよね。実はせつ菜先輩、活動休止中もこっそり練習してたんですかー?」
せつ菜「ええっと……。もちろん練習はしていたのですが、ある方に励まされたのがきっかけと言いますか……」
かすみ「?」
愛「ねえ、りなりー」ボソッ
璃奈「大丈夫。愛さんとのイベントは、他の記憶と齟齬がないように、別の誰かとの思い出として、分割して置換されてる。せつ菜さんの『ある方』は愛さんじゃない」ボソボソッ
愛「……そう、なんだ……」ボソッ
愛「というわけで、二人とも入部希望です!」
かすみ「おーっ!」
エマ「大歓迎だよお!」
愛「やるからにはバッチリ頑張るし、皆のことも手伝うよ!」 ※※※
侑「てな感じで、一応うちの同好会では、それぞれソロアイドルとして活動していく方針なんだ!」ホワイトボードトントン
愛「なるほどねー!」
侑「でも、もしユニットとか組みたかったら、是非やってみてほしいな!」
愛「おっけー!」
愛(良かった。全員ソロなら、せっつーも上手くいってるみたいじゃん。かすみんも元気そうだし、アタシも多少は役に立ったのかな?)
璃奈(恐らく、同好会がソロ活動主体になっているのは、せつ菜さん攻略時の愛さんの発言が影響を与えてる……。こういう風に残るんだ)
※※※
エマ「璃奈ちゃん、同好会はどう?」
璃奈「楽しい」
エマ「ん?」
愛「こんなにウキウキなりなりー始めてみたよ! 愛さんも楽しい!」ダキッ
璃奈「ごめんなさい。私、上手く気持ち出せなくて」
璃奈(愛さん、こういう時だけ表情読めてる。というか、私が不機嫌な時だけ読めない)ムスッ
エマ「ううん。楽しんでくれてるなら良かった」ニコッ ※※※
〜♪📳
愛「ん?」
かすかす『明日のランニング、朝9時にレインボー公園に集合ですよー!』
りなりー『ラジャーv(・・)』
りなりー『😺😸😼YEAAAA!!』
りなりー『😸OK』
カナちゃん『おっけー』
※※※
愛「……。早く起きちゃったな……」ガサゴソ
📱
愛「1時間前かぁ……。ちょっと先に走っとこ」タッタッタッ
〜
愛「……。あれは」
エマ「ふぅ〜」
愛「エマっち!」
エマ「あ! 愛ちゃん!」
愛「どうしたの?」
エマ「ちょっと早起きしちゃって……。愛ちゃんは?」
愛「一緒」ニコッ エマ「昨日はソロアイドルって聞いて、驚いた?」
愛「う、うん。ずっと団体競技の助っ人ばかりやってきたし……」
愛(かすみんやせっつーにソロ活動を促したのは私なんだけど……。いざ自分がやってみるとなると、案外ハードル高いかも……)
エマ「私だって不安だよ。でも、同じくらい楽しみなんだ!」
エマ「今はまだ一歩を踏み出す勇気がないだけ……。でもね、愛ちゃんが来てから、同好会に笑顔が増えたんだよ!」
愛「エマっち……!」
愛「よーし、学校まで競走しよ!」
エマ「え!? ま、待ってよ愛ちゃ〜ん!」
愛(エマっち、良い子だなあ) ※※※
愛「りっなりー!」
璃奈「どうしたの」
愛「同好会には慣れた?」
璃奈「うん。皆優しい。同好会、すき」
愛「そっかそっかー! 愛さんも入って良かった!」
璃奈「……ところで」
愛「?」
璃奈「目的を忘れてない?」
愛「……!」
愛「わ、忘れてないよ?」
璃奈「嘘」
愛「忘れてました……」 璃奈「えほん。次は、エマさんだね」
愛「エマっち?」
璃奈「ん?」
愛「エマっちってとっても強くて、まるで同好会のママって感じだよねー」
璃奈「うん」
愛「心の隙間が見えないというか……。ちょっと意外」
愛(かすみちゃんは自分を信じきれないこと、せっつーは自ら課した大好きへの抑圧……。だけどエマっちは、特別何か悩みがあるようには見えない……)
璃奈「でも、センサーにはしっかり反応が出てる。何か悩みはあるはず」
愛「そっか、そうだよね……」
璃奈「しばらく接触を続けてみて」
愛「わかった!」 ※※※
昼休み
果林「それで? 私に何の用かしら?」
愛「エマっちと仲良いって聞いてさ! 愛さんエマっちともっと仲良くなりたくて、色々教えてほしーんだ!」
果林「そんなの、エマ本人に聞けばいいじゃない」
愛「それはそーなんだけど、客観的に見たエマっちのことも知っときたくて!」
果林「なるほどね?」
愛「カリンって、エマっちと一番仲良いんだもんね! 親友なんでしょ?」
果林「……分かってるじゃない。いいわよ? エマのことなら何でも聞いて」
愛「ありがと!」 愛(カリンは本当にエマっちのことなら何でも知ってた。スクールアイドルになるためスイスから来たこと、地元には子ヤギや兄弟がいて、やっぱり昔からお姉さんだったということ)
愛「本当に、隙がないなー……」
果林「そうね、エマは優しくて包容力があって……」
果林「何より、何事も一生懸命頑張れる良い子だわ」
愛「うんうん! よく分かったよ! ありがとう、カリン!」
果林「良いのよ。エマの良さが分かる子が増えて嬉しいわ」フフフッ
果林「……最後に一つ、私からも質問して良いかしら?」
愛「? いーよ!」
果林「……ここから三年生の教室には、どうやって戻れば良いのかしら?」
愛「え」 ※※※
朝
愛(昔からお姉さんで、今は同好会のママ……。確かにエマっちの母性はすごいもんね……)タッタッタッ
愛「うーん」
エマ「愛ちゃ〜ん!」
愛「……エマっち!」
エマ「えへへ、昨日と同じ時間に会えたね〜!」
愛「うん! エマっちも毎日この時間走ってるの?」
エマ「ううん、私も早くライブがしたくて」
エマ「せつ菜ちゃんやかすみちゃんに追いつけるよう、昨日から早く起きて自主練することにしたの!」
愛「へー! そーなんだ! 私も準備はしてるんだけどね、まだイマイチ勇気が出なくて」 エマ「この間入ったばっかりなのに、もう準備してるんだ〜! 愛ちゃん頑張ってるね〜」ナデナデ
愛「え、えへへ///」
愛(アタシのは、ほとんどかすみんと練習してた二人曲の流用なんだけどね……)
愛「ね、ねえエマっち! お互いに早くライブが出来るよう、今度からこの時間に二人で特訓しない?」
エマ「わあ! それはとっても素敵な提案だね〜! やろうやろう!」
愛「やった! じゃあ早速……」
愛(それからアタシたちは、お互いの曲を見せ合い、振り付けや表情、ライブのテーマなどについて意見を交換した)
愛(エマっちのテーマは『皆の心をぽかぽかにしたい』。とってもエマっちらしい、優しいテーマだと思う)
※※※
部活
せつ菜「侑さん、次からの練習なんですが……」
侑「ああうん、それならこの本が参考になると……」
ペラペラ
かすみ「どーしてしず子は、かすみんのこと可愛いって言ってくれないのぉ〜?」
しずく「え? かすみさんは可愛いよ?」
かすみ「何か心がこもってなーいー!」
ワイワイ
愛(皆頑張ってるなあ。早く皆のライブが見たい!) 今のところアニガサキの愛回とほとんど変わらないけど、エマっちの隙間の原因がわからない...
アニメにしろ、スクスタにしろ、そこまでメンタル崩すキャラじゃなかったからなぁ ※※※
朝
愛「エマっちおっはよー」
エマ「おはよう愛ちゃん!」
愛「よぉし、今日も張り切っていきますかね」
エマ「うん!」
愛(エマっちとの自主練習を始めてから一週間。未だエマっち攻略の光は見えない……。というか、本当に攻略する必要があるのかな……?)
エマ「……愛ちゃん、何か悩み事でもあるの?」
愛「え!? な、ないよ!」
エマ「嘘。愛ちゃん、日に日に元気なくなっていってる……」
エマ「私は愛ちゃんの力になりたい。お願い、何かあるなら話して?」
愛「ホントに何も無いってー!」アハハ
愛(『エマっちをどうやって落としたら良いか悩んでるんだ』なんて言えないでしょ!)
エマ「そっか……。愛ちゃんも、私を頼ってくれないんだね……。ごめん、今日はもう学校行くね」スタスタ
愛「エ、エマっち!」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています