海未「紙芝居屋さんです」3
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/cVσ_VσV 皆さん、お越し頂き有難う御座います
コチラは前スレッドのpart3です。
もし、初めてお越しになった方で
このお話に興味を持って頂けたならば
下記の順番よりご覧下されると幸いです。
私自身も仰天の長さとなりましたが、
引き継ぎ、どうか宜しくお願いします。
part1↓
海未「紙芝居屋さんです」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1601463098/
part2↓
海未「紙芝居屋さんです」2
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1606052649/ 真姫ママ「……あぁ、なるほどねぇ。」
ここあ「あ、あのぅ」
真姫ママ「ん?なぁに?」
ここあ「わたし、お姉ちゃんたちに優しくして貰ったので……」
ここあ「このお姉ちゃんのこと、あんまり怒んないであげてくださいっ」
真姫ママ「……」
ここあ「〜っ」 真姫ママ「……ふふふっ。」ナデナデ
ここあ「わっ!」
真姫ママ「大丈夫。ちょっと叱るだけだから♪」
ここあ「うん!」
真姫ママ「それじゃあ、私はこの子を送ってくるからね。」
真姫ママ「貴方たちも、ちゃんとごめんなさいしておくのよ?いい?」
あんじゅ「は、は〜い。」
絵里「……」 ここあ「バイバーイ!」
真姫ママ『っ』グッ
シュンッ!
絵里「……」
あんじゅ「……ハァ、」
希「」
あんじゅ「このっ!」ゲシッ
希「んぉう!?」 希「な、なに!?地震!?地震なん!?」
あんじゅ「……」
希「なべ!なべのふた!」
希「ねぇあんじゅ!なべのふた!」
あんじゅ「……長があとでお説教するって、」
希「!!?」 亜里沙「……あ、あの、お姉ちゃんっ」
絵里「なに」
亜里沙「うっ、さっきはそのっ、」
絵里「……ごめんね。」スッ
亜里沙「!」
絵里「私がどうかしてたわ。亜里沙は何も悪くないのよ」
亜里沙「で、でもっ」
絵里「ふふ、もう大丈夫。いつもの私だから」ナデナデ
亜里沙「あ……えへへ。」 凛「はぁ。一時はどうなるかと思ったよ」
あんじゅ「まぁ、私も悪かったわ。希とケンカしててつい気が立っちゃってね」
希「ウチもなぁ、この間あんじゅと決闘してから、なぁ〜んかケンカっ早くなっててなぁ」
凛「け、決闘!?」
絵里「ぇええっ!!?あ、貴方たち何やってるのよ!?」
希「いやいや、あんじゅが勘違いしたのが全ての始まりだったんよ?ウチは悪くないんよ?」
あんじゅ「……その話はもういいから。」 凛「で?どっちが勝ったの?」
希「ウチっ!!」
あんじゅ「わたしっ!!」
亜里沙「……あの、どっちなんですか?」
希「ウチだからぁ!!」
あんじゅ「私だってばぁ!!」
希「ウ・チッ!!!」
あんじゅ「わ・た・しっ!!!」
絵里「ね、ねぇ。それより授業の続きしない?」 凛「そうにゃそうにゃ。早く教えてよぉ〜」
あんじゅ「あ……そ、そうね。それじゃあ続きを始めましょうか」
希「あんな?実はあんじゅ反則技使ったんよ」コソコソ
亜里沙「は?反則?」
あんじゅ『フンッ!!』ボゥッ!!!
希「アッチイィィッ!!?」
あんじゅ「授業妨害よ。次やったらあたま丸焦げにするから」 希「り、凛ちゃん!お尻!お尻冷やして!」
凛「はいはい」ヒュォオオオッ
希「お、おおぉぉっ///……トレビア〜ン♡」
あんじゅ「凛。始めるわよ」
凛「はいはいにゃー」
希「っ///ッッッ///」ビクビクッ
亜里沙(うわぁ……) あんじゅ「えっと、どこまでやったんだっけ?」
絵里「アレよ。オリジナルの呪文」
あんじゅ「……あぁ。」
希「ヘヴンや……っ」♡
あんじゅ「んん、それじゃあ次は私のオリジナル呪文ね」
凛「あ、それなら凛も使えるよ!」 亜里沙「そ、そうなの!?」
凛「うん。よく下界で使ってるもん」
絵里「私も使えるわよ?」
亜里沙「!?」
あんじゅ「アナタたち、あんまり人前で使うんじゃないわよ?」
凛「大丈夫だよ。凛は海でしか使わないから」
亜里沙「海でしか?」 絵里「私はまず使う機会がないし」
あんじゅ「……まぁ、ちょうどいいわ。」
あんじゅ「それじゃあ凛、お願いね」
凛「任された!」
凛『……テク○クマ○コン、テク○クマ○コン』
絵里「へ?」
あんじゅ「ちょっとっ!!そんな呪文じゃないでしょ!!」 凛「えへへ〜。」
あんじゅ「……もうっ」
絵里「駄目よ?凛。授業なんだからマジメにやらないと」
凛「は〜い」
凛「……」スッ
『無形より落ちる民。今幼年期を超えて。新たなる目覚めを待つ』キユゥゥゥッ
『呪禁術・万象擬態』 ポンッ!
亜里沙「!」
シュウゥゥゥゥ……
絵里「……」
希「お〜っ。」
『……』
あんじゅ「……なんで?」
あんじゅ『やぁ。』 /cVσ_VσV すみません。
今日はここまでとさせて頂きます
明日の夜にまた更新しますので、
お付き合い頂ければ幸いです。 >>114
/cVσ_VσV きっとお母さんの影響なのでしょう
>>115
/cVσ_VσV 天界からの逸れ者も行き着くので
常に相互のやり取りが欠かせない分
心身共に疲れる立場にある様です。 /cVσ_VσV 皆さん、見て頂き有難う御座います
これから少しだけ更新しますので、
どうか宜しくお願いします。 辺境の長のお陰で、
なんとかいつも通りの調子を取り戻した
辺境の魔女っ子たち
そして、お次はあんじゅのオリジナル呪文
コチラの披露を、魔女見習いの凛が努めます。 あんじゅ『どぉ?完ぺきでしょ?』
絵里「え、えぇ。」
亜里沙「うわ……なんか変な感じ、」
あんじゅ「……」
「──違う。」
あんじゅ『へ?』
希「……」
絵里「ど、どこが?」
亜里沙「瓜二つだと思うんですけど」 希「……凛ちゃん。あんじゅの隣に立って」
あんじゅ『あ、うん。』スッ
あんじゅ『……』
あんじゅ「……」
希「……見てみぃ。全然違うやろ?」
絵里「???」
亜里沙「……ダメだ。分かんない。」
希「今まで何を勉強してきたんやっ!!!」
絵里「!?」ビクッ
亜里沙「ひっ!!」 希「基礎中の基礎やろ!?こんなんも分からんとかオバちゃん情けなくなってくるわっ!!」
絵里「えっ、だ、だって……」
亜里沙「う、うん……」
希「……ハァ〜。」
希「二人とも天才やと思ってたけど、意外なとこで躓くんやね」
絵里「〜っ」
絵里「み、見た目も雰囲気もっ!それに声だって!全部あんじゅそのものじゃないのよっ!」 あんじゅ「……」チラッ
あんじゅ『ふあ〜ぁ。』
あんじゅ「……ちょっと、その顔でそう言うことするのやめなさい。」
あんじゅ『ん?そーゆーって?』
あんじゅ「あくび!ちゃんと手を当てて!」
あんじゅ『あ〜、アハハ。ごめんごめん』
あんじゅ(人から見た私って、こんなんなんだ……) 絵里「誰が見たっておんなじだわ!違う!?」
希「フッ、こんなもんか」
絵里「ッ」イラッ
絵里「──あんじゅっ!!!」
あんじゅ「は、はい!?」
絵里「こっち来てっ!!」
あんじゅ「な、なに!?なんなの!?」
絵里「いいから早くっ!!」 スッ
あんじゅ「……来たけど、」
絵里「っ」グイッ
あんじゅ「うわ!?」グンッ
絵里「……」クンクンッ
あんじゅ「ちょっ、ちょっとぉ〜っ///」
絵里「……うん。あんじゅの匂いだわ。いい匂いがする。」
あんじゅ「っ///」 絵里「……」スッ
あんじゅ「!?」
絵里「……」ペタペタ
あんじゅ「やっ///あ、あんまりベタベタ……っ!」
絵里「あんじゅの顔……」ペタペタ
あんじゅ「〜っ///」
亜里沙「はわわっ///」
希「……」ニヤニヤ
あんじゅ『うわ〜っ///』 絵里「──よしっ!」スッ
絵里「つぎっ!凛!」
あんじゅ『へ?は、はいっ!』
絵里「もっと近くにっ、ほら寄って!」
あんじゅ『うっ、うぅぅっ///』
絵里「……」クンクンッ
あんじゅ『〜っ///』
絵里「……」ペタペタ
あんじゅ『うぅっ///』 希「どうや〜?なんか分かった〜?」ニヤニヤ
絵里「……えぇ。分かったわ。」
亜里沙「ほ、本当に!!?」
絵里「本当よ。凄く単純な事だった」
希「へぇ〜。ほんじゃ聞かせてくれる?」
絵里「答えはね……」
絵里「匂いよっ!!!」 亜里沙「に、匂い!?」
絵里「そう。あんじゅの匂いは柔らかくて花っぽい感じがするの」
あんじゅ(は、恥ずかし過ぎっ///)
絵里「それに対して、凛は少し果物っぽい匂いが──」
ポフンッ!
凛「わーわーっ!!」
亜里沙「!」 凛「分かったからっ!もういいからぁ!!」
絵里「どう?当たりでs」
希「ハズレや。」
絵里「えっ!?」
希「大体、この距離で匂いなんて分かるわけないやん」
絵里「そ、それじゃあ何だって言うのよっ!!?」
亜里沙「ッ」 希「しょうがない姉妹やんなぁ。」
希「なら、希お姉さんが答えを教えてあげるよ」
あんじゅ「えらっそーに」
凛「……」
希「あんじゅと変身した凛ちゃんの違い、それはな、」
絵里「ッッッ」
亜里沙「〜っ」
希「本物は今日、乙○の日や」 凛「そ、そーなの?///」
希「なんだ、やっぱり凛ちゃんも分からんかったんや」
希「まぁ、正直そこまで再現するのは、呪文でもなかなか難しいd」
絵里『はぁあああっ!!!』ヒュォオオオッ!!!
希「!!?」バッ
亜里沙『ハイッ!!!』ブワァアアアッ!!!
希「うわぁああっ!!?」ダダダッ
あんじゅ『○ねっ!!○になさいっ!!!』ズボォオオオッ!!! シュンッ!
真姫ママ「……ふぅ。すっかり長話しちゃったわ。」
真姫ママ「でも、まさか彼女も来てたなんてね〜」
ドゴオォォォォッ!!!
真姫ママ「!?」
ビュオォォォッ!! ボワアァァァァッ!!!
真姫ママ「な、なに!?」
真姫ママ「もしかして……あの子たちまだケンカしてるの!?」 ズシャァアアアッ!!!
希「ま、待って待って!!待ってったらぁ!!!」
絵里「待たないっ!!」カキカキィ-ンッ!
希「そんな怒らんでもええやんっ!?」
亜里沙「怒りますよっ!!当たり前でしょーっ!!」ビュォオオオッ!
希「乙女しかおらんのやから気にする事ないやんっ!!」
あんじゅ「二人ともっ!!手加減する事はないわっ!!!このウジムシは今ここで消し炭にしましょうっ!!!」メラメラッ! ドゴオォォォォォ……。
凛「あ〜あ」
シュンッ
凛「お?」
真姫ママ「……」
凛「おかえり〜」
真姫ママ「……あの子たち、あれからずっとケンカしてたの?」
凛「んーん。ちゃんと仲直りしたよ?」
真姫ママ「……そうは見えないんだけど、」
凛「ん〜。一回仲直りして、今度はいつもの奴かな?」 ドゴオォォォォッ!!!
希「あっ、当たるっ!!当たるからぁあああっ!!!」
あんじゅ「当たれっ!!!当たって燃えるのよっ!!!」ボジュウゥゥゥッ!!!
絵里「てゆーかなんで当たんないのよっ!!?三人がかりなのよっ!!?」カチカチカチッ!
亜里沙(信じらんない……全部避けちゃった。)
「はい、ストップ!」 絵里「──ッ!」
あんじゅ「お、長!?」
真姫ママ「なんでまだケンカしてるの!ちゃんとごめんなさいしなさいって言って──」
希「助けてーっ!」
真姫ママ「っ」ブンッ
希「にくっ!!」ゴンッ
ドサッ
真姫ママ「……はい。コレでおしまい。」
あんじゅ「チッ」 真姫ママ「まったくもう。前庭もこんなに滅茶苦茶にしちゃって……」
亜里沙「うっ、ごめんなさい……」
あんじゅ「この変態が悪いのよ!」
絵里「そうなんです!希がっ」
真姫ママ「いいえ。貴方たちも悪いの」
絵里「はぁ!?」
あんじゅ「違うからっ!コイツが私のっ……」 真姫ママ「わたしの?」
あんじゅ「っ///」
絵里「そうよ!希があんじゅのおt」
あんじゅ「ふん!」
絵里「いったぁ!?」
あんじゅ「なんで言おうとしてるのよっ!!?」
絵里「うぅ……ごめぇ〜ん……っ」
真姫ママ「とにかく、」 真姫ママ「先ずは、みんなで仲良くお庭を元どおりに戻すこと。」
真姫ママ「そして、ちゃんと授業の続きをしなさい。分かりましたね?」
絵里「……」
あんじゅ「……」
希「」
真姫ママ「……そう、なら仕方ないわね。」
真姫ママ「残念だけど、貴方たちには地獄へ行ってもらう事になりそうだわ……」……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ 絵里「あ、あんじゅ大好きーっ!」ギュッ
あんじゅ「え、絵里大好きーっ!」ギュッ
真姫ママ「……」プシュ…
真姫ママ「やっと分かってくれたみたいね。」
絵里「っ」
あんじゅ「た、助かったぁ……」
亜里沙「〜ッッッ」
凛「ひいぃぃ……っ」 真姫ママ「はい。みんな片付けましょう」
絵里「は、はぁ〜い」
あんじゅ「起きろこのっ!」ゲシッ
希「のっほ!?」
亜里沙「……はあ〜ぁ。」
凛「凛はやんなくていいよね?」
真姫ママ「凛ちゃんもだよぉ」
凛「」
真姫ママ「──あ、それとね?」
真姫ママ「授業が終わったら、三人とも私のところに来てね?」 /cVσ_VσV すみません。
今日はここまでとさせて頂きます
明日の夜にまた更新しますので、
お付き合い頂けたら幸いです。 前スレのラスト忘れそうなくらいじゃれあいが平和で和むな >>143
/cVσ_VσV 本当にそうですね
出来ればこのままが良かったのですが
如何ともし難いです。
>>144
/cVσ_VσV ある種天賦の才ですね。 /cVσ_VσV 皆さん、見て頂き有難う御座います
これから少しだけ更新しますので、
どうか宜しくお願いします。 またまた一騒動をお越し、
辺境の長にお叱りを受けた五人娘
波乱の授業で滅茶苦茶にしたお庭を整備して
長の住むお屋敷へと歩を進めますは
騒ぎの主犯格、希、あんじゅ、絵里でした。 「──はぁ、」
あんじゅ「結局、庭の掃除で終わったじゃないのよ、もうっ」
希「あんじゅがあっちこっち燃やすからやん?」
あんじゅ「どの口が言ってんのよっ!!」
絵里「お願いだからもうケンカしないでっ。それでなくても肉体労働で疲れてるんだから……」
あんじゅ「オマケに長からの呼び出しまで……あ〜あ。きっとコレ、さっきのヤツのお説教よ。絶対そう。」 希「……あんじゅが人攫いなんかするから、」ハァ
あんじゅ「○にたい?ねぇ、そんな○にたいの?」
希「やめてよ。いい匂いのするあんじゅさん。」
あんじゅ「それやめてっ!!」
希「分かったよ。スタイル抜群のあんじゅさん。」
あんじゅ「きいぃぃぃっ!!!」バシバシッ
絵里「……着きました。」 コンコンッ
「入ってー」
ガチャ
絵里「失礼します。」
真姫ママ「お疲れ様。お庭は綺麗になった?」
あんじゅ「えーえー。見違えるくらいピッカピカにしたわ」
希「ついでに、あっちこっち炭でできたオブジェも増えたけどな〜」ケラケラ
あんじゅ「……」ボッ 真姫ママ「……あのね。今日は貴方たちに大事なお話があって呼んだの。だからケンカは無しよ?いい?」
あんじゅ「コイツとは別で呼んで欲しかったわ」
希「そんなん言わんといてよぉ〜」
あんじゅ「ふん!」
絵里「……で、お話ってなんですか?」
真姫ママ「うん。少し付き合って欲しい場所があるの」
絵里「場所?」 真姫ママ「ここだとちょっと都合が良くないから、とある場所まで一緒に来てちょうだい?」
あんじゅ「都合が良くない?」
希「え〜。ウチ、これからユ○姫買いに行きたいんやけどぉ?」
真姫ママ「希ちゃ〜ん?」
希「ぁ……あはは、ゆっ、ユ○姫来週やったわ……」
真姫ママ「さて、それじゃあ私に捕まってね?」 あんじゅ「何が始まるの?」
真姫ママ「それは着いてのお楽しみ♪」
希「ウチの楽しみはさっき無くなったんや……」
真姫ママ「ん〜?」
希「わ、わ〜い。楽しみやんな〜」
真姫ママ「さて、行くわね」
絵里「……」
真姫ママ『……っ』グッ
シュンッ! なにやら、物々しい雰囲気を醸しながら
三人を連れて飛び立った辺境の長
どうやら、大事な話があるとの事ですが…… シュタッ
真姫ママ「着いたわ。」
絵里「っ」
あんじゅ「こ、ここは?」
希「なんや、随分と寂しい場所やねぇ」
真姫ママ「えぇ。見渡す限りの荒地よ」
希「そんな場所に連れて来て、しかもカイリキ君まで持って来てるって事は……」
あんじゅ「……」 真姫ママ「三人はもう一人前の魔女だし、辺境のこれからを考えてくれてるみたいだから、」
真姫ママ「コレを話すのには、今日が丁度いいと思ったのよ」
絵里「これ?」
あんじゅ「……なんなの?」
希「……」
真姫ママ「まず一つ目。」
真姫ママ「"原生呪禁術"についてよ。」 あんじゅ「げ、げんせい?」
希「……」
絵里「な、なんですか?それ、」
真姫ママ「……」
真姫ママ「全ての躍動となり、そして終わりともなる、原点にして頂点である術」
真姫ママ「辺境初代の長が、地獄の最下層で拾い上げて来た二つの業の塊……」
真姫ママ「私たちはそれを"原生呪禁術"と呼んでいるわ」
絵里「っ」 あんじゅ「そ、それがなんなの?」
真姫ママ「貴方たちにも、コレらを何れ使えるようになって貰うつもりで言ったの」
希「……長は使えるん?」
真姫ママ「私は一つだけ。もう片割れは相関の都合で使えなかったの」
絵里「属性はなんなんですか?」
真姫ママ「炎と氷よ。だから、この二つが最も根源的な力になるの」
あんじゅ「……なるほどね。」
絵里「……」 希「ウチは?」
真姫ママ「の、希ちゃんの雷は……」
真姫「まぁ、他のは大体この二つの派生系みたいな力なのよ」
希「ぇええ!!?自然現象なのにっ!!?」
真姫ママ「と、取り敢えずそこは置いておいてね?」
希「ウチ、来た意味あるんかなぁ……」
真姫ママ「大有りよ。この辺境の未来のお話なんだもの」
真姫ママ「──話が逸れちゃったわね。」
真姫ママ「この原生呪禁術、一番強力な術なだけあって使う力もとんでもない事になってるわ」 絵里「ど、どのくらいなんですか?」
真姫ママ「……このカイリキ君一台で、大人百人分の力を貯められるのは知ってるわね?」
あんじゅ「そうね。キャリーケース五段重ねた様な大きさなんだもの。そのくらい無くちゃ困るわ」
希「……もしかして、」
真姫ママ「やっぱり察しのいい子ね。その通りよ」
あんじゅ「?」 真姫ママ「上級三句が、大人約十人分の力を消費するのに対して」
真姫ママ「この原生呪禁術は、一回でカイリキ君一台を使い切ってしまうわ」
あんじゅ「いっ、一台丸々って……」
希「百人分だよ?一人で全力でやっても百日だよ?」
絵里「その二つは、どう言う形状なんですか?使者?それとも無形?」
真姫ママ「どちらも使者よ。ただし、規模が桁違いだけどね」
絵里「っ」 真姫ママ「……奈落の最奥、無限に広がっている炎熱地獄、」
真姫ママ「そこで、朽ちる事なく罪を吸い続ける徴木、紅蓮の柱。」
真姫ママ『阿鼻獄ノ大炎朴(ボク)』
真姫ママ「そして、同じく最下層に位置する極寒地獄」
真姫ママ「そこに潜む、永遠の悪を絡めとる凍土の主、浅葱の鵠(クグイ)。」
真姫ママ『針特摩(ハトバ)ノ大寒鵠(コク)』 あんじゅ「〜っ」
希「ッ」
絵里「……それが、使者の名前なんですか?」
真姫ママ「そう。文言の最後の件だから、ちゃんと覚えててね?」
希「……ち、因みに、今から出すん?それ、」
真姫ママ「……」
真姫ママ「絵里ちゃん。」 絵里「は、はい。」
真姫ママ「氷の使者を出してくれない?」
絵里「え?ど、どうして……」
真姫ママ「あの怪鳥が居ないと、みんな死んじゃうから」
絵里「!?」
希「ッ」
あんじゅ「はっ!?」 真姫ママ「さぁみんな、空から見ていてちょうだい。絶対に使者のそばから離れたらダメよ?」
あんじゅ「〜っ」
希「……えりち、お願い。」
絵里「……」
絵里『響け。氷結の囀りよ。その姿たるや千の枸橘蔓』ヒョォオオオオッ!
『呪禁術・凍星ノ怪鳥』 ヒョォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ
ケェエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!
絵里「──二人とも。私の後ろについて来て」
あんじゅ『……』スッ
希『っ』スッ
シュンッ! パキパキパキパキッ
絵里「……だいぶ離れたわね。」
あんじゅ「てゆーか、長がほとんど点にしか見えないわ」
希「ちょっと離れ過ぎたかなぁ」
絵里「用心するに越したことはないわよ。それに、相関的に私の使者は相性が悪いんだもの」
あんじゅ「……私の術と似てるのかしら、」
希「と言うより、あっちがオリジナルなんやろ?」
絵里「……っ!始まったわ!」 真姫ママ『……』スッ
『混沌より来れ。始まりの熱を秘めたる神木よ。』ボゥッ
『芽吹く大地は永劫の焔を産み出し、大乗の火舎香炉にて灰となる。』ボッ ボゥッ
絵里「──ッ」
あんじゅ「〜っ」
希「ッッッ」
メラメラメラッ
真姫ママ『……原生呪禁術、』スゥ
『阿鼻獄ノ大炎朴』 /cVσ_VσV すみません。
今日はここまでとさせて頂きます
明日の夜にまた更新しますので、
お付き合い頂ければ幸いです。 氷系の呪文と炎系の呪文同時で唱えるやつそのうち出そう >>170
/cVσ_VσV ありがとうございます。
次の術はもっとヤバめです。
>>171
/cVσ_VσV 残念ですが、
両手でごっつん的な術は無いんです
面白そうだとは思ったのですが、
ちょうど○○の大冒険が始まったので、
止む無く断念しました。
>>172
/cVσ_VσV 嬉しい限りです。
私自身も気に入っています
>>173
/cVσ_VσV ありがとうございます。
ここら辺は恐らく、
Dr.スランプに影響されたんだと思います /cVσ_VσV 皆さん、見て頂き有難う御座います
これから少しだけ更新しますので、
どうか宜しくお願いします。 …………ゴゴゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴッ ゴッ ゴッ ゴッ ゴッ ゴッ ゴッッゴッッッッ
絵里「うぁ……っ」
あんじゅ「な、なによっ、この地鳴り……っ」
希「〜っ」
ビキッ
ビキビキ ビキ ビキ ビキ ビキ ビキ ビキ ビキ ビキッッッ!!!!!!! 希「なっ!!?」
絵里「へ、ヘビっ!!?地面の下から大ヘビが何匹もっ!!!」
あんじゅ「……違うわ、根っこよ。」
ドゴオオオオォォォォォォォォォォォォォ…………
あんじゅ「!?」
希「なっ!こ、今度は大穴がっ……っ!」
絵里「あ、あれ……直径何百メートルあるのよっ」 あんじゅ「あの根っこが四方に蔓延って、これから出てくる木を支えるんでしょうね、」
あんじゅ「……つまり、今まさに地獄の底から、その大炎朴とやらを引き摺り上げてるところなのよっ」
あんじゅ「あの穴は、その幹の太さをそのまま表してるんだわ」
絵里「そ、そのままって……幹の太さであれなんでしょ!?」
希「……あんじゅのでかい樹みたいに、枝葉が広がればあんなもんじゃ済まないって事か、」
ブゥワァアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!! あんじゅ「うっ!!?」
希「ギ──ッ!!」
絵里「〜ッッッ」
絵里「──お、お願いっ!!!」
ケェエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!
ヒョォォオオオオオオオオオオオオオオッッッ あんじゅ「ッ……ハァッ、ハァ、」
希「なっ、」
希「なんや今のっ!!?もの凄い熱波やったけどっ!?」
あんじゅ「……なるほどね。絵里の怪鳥が居なかったら、三人漏れなく炙り焼きになってたわ」
あんじゅ「中級程度じゃ、あんな熱量は防げないもの」
絵里「……っ」
ヒョォォオオオオオオオオオオオオオオッッッッ あんじゅ「……」
あんじゅ「アンタのタイリキ君、まだ持ちそうなの?」
絵里「……分からないわ。地上に降りて確かめてみないと。あんなの持って飛べないもの」
あんじゅ「でも、これじゃあ長に近くどころか、一歩も先に出られないわね」
希「……」スッ
『疾霜大寒把っ!!』
ビュォォオオオオオオオオオッッッ!!!!!! 絵里「!?」
あんじゅ「あ、アナタッ!!?」
希「まぁまぁ、少しでもトリやんに元気になって貰わないとね?」
あんじゅ「……そうね。」
あんじゅ『──フッ!!』ビュォォオオオオオオッッッ
ビキビキビキッ!!! 絵里「……うわぁ、」
絵里「あ、アナタ……いつもより一回り近く大きくなったわねっ」
ケェエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!!!
希「よっし!大分涼しくなってきた!」
あんじゅ「これならどうにか……」
あんじゅ「──ッ!!!」 …………ズッズッズッ
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ
あんじゅ「!!?!?」
希「が──ッ!!?」
絵里「…………なに……あれ、」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッ あんじゅ「あ……あんなの……大樹の何十倍あるのよっ……」
希「……はは……こっ……この世の終わりみたいな光景や……っ」
絵里「ッッッ」
絵里「──行きなさいっ!!!」
あんじゅ「はっ!?」
希「!!?」
ケェエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!!!
バフォンッ!!! バフォンッ!!!
あんじゅ「なっ、何考えてんのよアンタッ!!?」
希「えりちっ!!!」
絵里「〜ッッッ」
ケェエエェエエエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!!!
ボジュウウゥゥゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
グェエエエェエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェェェェッッッ 絵里「くっ!!」
あんじゅ『言わんこっちゃないっ!!!」』ビュォオオオオッ!!!
希『疾霜大寒把っ!!』ビュォオオオオッ!!!
ジュワアァァァァ……ッ
あんじゅ「くそっ!!この熱じゃあ届きっこないわっ!!」
希「えりちっ!!トリやんをコッチに戻してっ!!」
絵里「うっ、うぅぅぅっ!!」ググッ
希「えりちぃっ!!!」 エエェエエエエェエエエエエェェェェェェェェェェッ…………
あんじゅ「やっ、ヤバいわよっ!!?使者が居なくなったらっ……っ!!」
希「えりちっ!!何やっとんっ!!?」
絵里「くっ……そぉおおぉおおおおおっっっ!!!!!!」
フッ──
あんじゅ「!?」
希「えっ!?」
絵里「ッ」 キュォオオォオオォォォォォンッ
あんじゅ「たっ……助かった……っ?」
希「……トリやんもギリギリのとこやったね。」
絵里「……」
あんじゅ「──アンタっ!!一体何やってんのよっ!!?」
絵里「っ」
あんじゅ「そんなに死にたかったわけ!?私らごと!?」 絵里「……ごめんなさい。」
あんじゅ「私はワケを聞いてるのよっ!!」
希「あんじゅ。」
あんじゅ「!」
希「その話は一旦置いとこう」
あんじゅ「はぁ!?なんでよ!」
希「……長が倒れとる。」
あんじゅ「──ッ!!?」
絵里「……」 辺境の長に呼び出され、
禁忌の技、原生呪禁術の威力を目の当たりにした
魔女の絵里、希、あんじゅの三人。
その途方も無い炎の坩堝は、
絵里の上級術など簡単に退けてしまう程に
凶悪な力を示したのでした。 シュンッ!
あんじゅ「長っ!」バッ
希「大丈夫!?」バッ
真姫ママ「〜っ」
あんじゅ「……あぁ、良かった。怪我とかは無いようね。」
希「単純に力の使い過ぎだよ」
真姫ママ「……あ、あらっ、コレでもすっごくセーブしたんだけどね……っ」
絵里「……」 あんじゅ「〜っ」
あんじゅ「こんなになるんなら使うんじゃないわよっ!!」
真姫ママ「……ふふっ、だめよ、こればっかりは……ちゃんと見せないとっ」
希「もうええって。喋ったらだめ」
真姫ママ「……ふ、ふふっ。ありがとうね」ヨロッ
あんじゅ「ッッッ」
あんじゅ「待ってて!今治すから!」バッ
絵里「──ッ!」 あんじゅ『Может работать。』パァアアアッ
『聖天術・いたいのいたいの飛んでゆけ』
ポワワァ~
真姫ママ「あ、アナタっ、聖天術なんて……」
あんじゅ「……まぁ、使えるんだからそりゃ使うわよ」
希「困ってる人が居るんだったら特にね?」
真姫ママ「ふふふっ。……それも良いのかもね。」
絵里「……っ」ギリッ あんじゅ「ど、どう?まだ立てそうにない?」
真姫ママ「……」グッグッ
真姫ママ「……うん、もう大丈夫。」
あんじゅ「っ」ホッ
希「いやぁ〜、良かった良かった。」
あんじゅ「てゆーか!なんで直ぐに引っ込めなかったのよ!?」
真姫ママ「へ?」
あんじゅ「使者よっ!使者っ!!危うく私らまで燃えそうになったのよ!?」 真姫ママ「おかしいわね?絵里ちゃんの使者が居れば、あのくらいなら耐えられると思ったんだけど、」
絵里「……」
あんじゅ「……ふんっ、」
希「まぁまぁ、きっと長はあの使者の力と、その全容を知って欲しかったんだと思うよ?」
真姫ママ「あら〜、希ちゃんは偉いわねぇ」
希「お?ハグ?ハグしてくれるん?」
真姫ママ「やんないわよぉ〜」
絵里「……」 あんじゅ「……はぁ、」
あんじゅ「まぁいいわ。一応コレで終わりなんでしょ?」
真姫ママ「いいえ。まだもう一つあるのよ」
絵里「!」
あんじゅ「え"っ」
希「ま、まだあるん!?」
真姫ママ「えぇ。実は、こっちの方が本題なんだけどね」
真姫ママ「あ、でも大丈夫よ?コレは唱えたりしないから」 あんじゅ「……はあぁぁぁ、」
希「良かったぁ、アレよりヤバいのなんてシャレにもならんわ」
真姫ママ「ヤバさで言ったら、今のですら比較にならないけどね。」
あんじゅ「──ッ!!?」
絵里「!?」
希「……はは、うっ、うそやろ?」
真姫ママ「……」
真姫ママ「呪禁術はね、原生も含めて力を供給する為の術者をどうにかすれば、全て中断する事が可能なの。それは分かるわね? あんじゅ「う、うん。」
希「そうやね。」
絵里「……」
真姫ママ「……でも、この術だけは違う。」
真姫ママ「一度発動したら最後、術本来の役目を果たすまで、ソレは作動し続けるわ」
真姫ママ「そして、コレを使えさえすれば、この星に住んでる全ての生き物だけを消す事が可能よ」
あんじゅ「〜ッッッ」
希「な、なんやそれ……っ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています