侑「Hey,あゆぽん。ご飯つくって」【SS】
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―歩夢の家―
歩夢「朝だよ、起きて」
侑「うーん、あと5分」
歩夢「もう」
―5分後―
歩夢「5分経ったよ」
侑「ふぁーい」モゾモゾ
歩夢「起きて!」
侑「分かってるってばー」ゴロゴロ
歩夢「朝ごはん出来てるよ」
歩夢「そろそろ行くね」
侑「はーい、行ってらっしゃい」フリフリ
歩夢「お昼ご飯もちゃんと食べるんだよ?」
侑「Hey,あゆぽん! お仕事行ってらっしゃい!」
歩夢「・・・・・・行ってきます」
バタン
侑「寝よ」
―夜―
歩夢「ただいまー」
侑「Hey,あゆぽん。電気点けてー」
歩夢「・・・・・・うん」
パチッ
侑「ありがとう」ポチポチ
歩夢「またゲームしてるの?」
侑「まあね」
歩夢「今日のゲームアプリ起動時間は8時間だよ?」
歩夢「目が疲れちゃうから、そろそろ終わりにしようよ」
侑「Hey,あゆぽん!」
歩夢「どうしたの?」
侑「お風呂入りたいから沸かして」ポチポチ
歩夢「うん」
侑「Hey,あゆぽん! ついでにお風呂掃除も」
歩夢「・・・・・・うん」
―お風呂―
チャポン
侑「はぁー、生き返るぅー」
(脱衣所)歩夢「・・・・・・」
侑「あっ! 忘れてた!」
歩夢「!!」パアァ
侑「Hey,あゆぽん」
歩夢「どうしたの♪」
侑「テレビ番組の録画しておいて!」
歩夢「・・・・・・どの番組?」
侑「20時からやってるスクールアイドルの特番!」
歩夢「検索して録画しておくね」
侑「ありがとー」
―リビング―
侑「Hey,あゆぽん。ご飯つくって」
歩夢「いいよ。何にする?」
侑「うーん、あゆぽんのご飯はどれもおいしいから迷うなー」
歩夢「ふふふ」
侑「そうだ! オムレツが食べたい!」
歩夢「はーい♪」 歩夢「お待たせ」コトッ
侑「うん」ポチポチ
歩夢「・・・・・・」
侑「ちょっと待って。もうすぐでクリアできるから」
歩夢「・・・・・・」
侑「Hey,あゆぽん。食べさせて」ポチポチ
歩夢「もう、しょうがないなー」
カチャカチャ
歩夢「はい、どうぞ」
侑「んっ! おいしい! さすがあゆぽん」ポチポチ
歩夢「良かった♪」
侑「もっと食べさせてー」
歩夢「お口あけて」
〜〜〜
ピッ
侑「あー、面白かった」
歩夢「・・・・・・」
侑「おいしいご飯も、気持ちいいお風呂も、テレビ番組も。あゆぽん様々だよ」
歩夢「・・・・・・」
侑「Hey,あゆぽん。ベッドまで連れてってー」ゴロゴロ
歩夢「・・・・・・」
侑「あれ? Hey,あゆぽん!」
歩夢「・・・・・・」
侑「あゆぽん?」フリフリ
歩夢「・・・・・・」
侑「おーい、あゆむ〜?」
歩夢「・・・・・・」
侑「もしかしてバッテリー切れ?」
歩夢「・・・・・・」モジモジ
侑「充電しないと、だね」
歩夢「・・・・・・」ドキドキ 侑「んーっ」
チュッ
歩夢「んっ♡」
侑「ちゅぱっ」レロ
歩夢「んんっ?!」///
侑「ちゅちゅぶるっ、ちゅぱぁ」
歩夢「んあっ、ゆ、ゆうちゃ・・・・・・んっ!」
侑「ぷはぁー」
歩夢「はぁ、はぁ・・・・・・もうっ!」///
侑「充電できた?」
歩夢「じゅ、充電はできた、けど!」
侑「けど?」
歩夢「急に、し、舌ッ入れないでよ。ビックリするでしょ・・・・・・」モジモジ
侑「あっ」
歩夢「もう、ちゃんと聞いてる?」 侑「歩夢」ズイッ
歩夢「えっ」ビクッ
フキフキ
侑「涎ついてたよ」
歩夢「ゆっ、侑ちゃんのせいでしょ!」///
侑「だって、あゆぽんバッテリー切れだったじゃん」
歩夢「普通のでもちゃんと充電できるもん」
侑「普通? 普通ってどんなの?」
歩夢「だから、こう、その、ちゅっ、って」///
侑「えー、どんなのか分からないなー」ニマニマ
歩夢「分かってるでしょ? それは分かってる顔だよっ」
侑「分からないよー。あーあ、このままだとあゆぽん充電できなくなっちゃうなー」
侑「ぽん変(ぽんを変更する事)して、せつぽんとかかすぽんにしようかなー」
歩夢「ダメぇーーッ!?」ガバッ
バタン
歩夢「やだやだやだ! あゆぽんは侑ちゃんと契約済みなの! 解約できないの!」ウルッ 侑「ずっと?」
歩夢「ずっと・・・・・・」モジモジ
侑「それならさ、充電のやりかた教えて?」
歩夢「・・・・・・うん」
チュッ
歩夢「充電は優しくしてね」///
侑「・・・・・・」
歩夢「侑ちゃん?」
侑「もっと給電したい・・・・・・」
ガバッ
歩夢「きゃっ?!」
侑「充電って、奥までしっかり挿さないと故障の原因になるんだって」
歩夢「え? え? まだ、するの?」
侑「あゆぽんが故障したら生きていけない・・・・・・」
歩夢「いいよ♡」ボソッ
侑「歩夢ーーッ!!」 すみません。連投規制で間に合わなさそうです
落ちたら昼に立ててみます ヒモ侑ちゃんはわりかし似合っていてなんかもやもやする
―翌朝―
侑「Hey,あゆぽん。おはよー」ゴシゴシ
歩夢「どうしたの? 1人で起きてくるなんて珍しいね」
侑「もう起きて平気なの?」
歩夢「侑ちゃんが頑張ってくれたおかげで元気になれたよ」ニッコリ
侑「良かったー」ホッ
歩夢「風邪くらいで大袈裟だよ〜」
侑「だって、歩夢まで愛ちゃんみたいになったら・・・・・・」
歩夢「あ、あの事は、侑ちゃんのせいなんかじゃないよっ」
侑「・・・・・・寝る」
バタン 歩夢「ご飯できたよー」
侑「・・・・・・」
歩夢「起きて」ユサユサ
侑「・・・・・・」
歩夢「さっきはごめんね」
侑「・・・・・・いいよ」ボソッ
歩夢「今日はお休みだから一緒に出掛けようよ」
侑「・・・・・・」
歩夢「良い天気だし、ね?」
侑「Hey,あゆぽん。もう少しだけ寝かせて」
歩夢「・・・・・・うん。待ってるからね」
バタン
―街中―
侑「んーっ! 気持ちいい」ノビノビ
歩夢「ふふっ」
侑「Hey,あゆぽん。手を繋いで」
歩夢「はーい♪」ギュム
侑「このあたり、なんか人が多いような」キョロキョロ
歩夢「なにかイベントでもやってるのかな」
侑「・・・・・・Hey,あゆぽん。もう少し静かなとこに行こ」
スタスタスタ
―カフェテリア―
侑「あー、疲れたー」
歩夢「まだお昼になったばかりだよ?」
侑「Hey,あゆぽん! オムライス食べたい」
歩夢「すみません。オムライス2つ、お願いします」
〜〜〜
侑「んー、おいしかったー」
歩夢「初めてのお店だったけど、また来たいね」
侑「Hey,あゆぽん。次はあゆぽんの行きたい所に行こう」
歩夢「うーん。新しい洋服とか小物を見ておきたいかも」
侑「よーし、午後からも頑張るぞー」
―夕方・歩夢の家―
侑「もう、動けない」バタン
歩夢「楽しかったね」
侑「Hey,あゆぽん。お茶飲みたい」
歩夢「待っててね」
侑「Hey,あゆぽん。今日は楽しかった?」
歩夢「すっごく楽しかったよ♪ 侑ちゃんが荷物持ってくれたから、私は楽チンだったし」フフッ
侑「それなら良かった」
歩夢「私の買い物ばかりでごめんね」
侑「あゆぽんは気にしなくていいよ」
歩夢「本当は侑ちゃんの服も買ってあげたかったんだけど・・・・・・」
侑「私のはいいってば」
歩夢「でもね、新しい服があると、1人でも外に出たくなるかもしれないし」
侑「私には、あゆぽんが居てくれればそれだけでいい」
歩夢「でも――」
私は、歩夢の言葉から逃げるように目を閉じた。
―街中―
ガヤガヤガヤ
侑「入場無料です! ぜひ見て行ってくださーい!」
愛「あっ! ゆうゆじゃん!」
侑「え、えっ?! 愛ちゃん!?」
愛「そだよー。愛さんだよー」
侑「うわぁーっ! すっごい久しぶりだね」
愛「お互い、大学入ってからも忙しかったからね」
璃奈「お祭り?」
侑「璃奈ちゃんも久しぶり!」
璃奈「こんにちは」ペコリ
侑「2人とも相変わらず仲良し・・・・・・」
恋人繋ぎの2人。その薬指には、銀色に輝く指輪がはめられていた。
愛「そーっ! 愛さんとりなりーは仲良しなんさ!」
璃奈「うん」ピトッ
侑「へ、へえー」
愛「アタシ達、今度結婚するから」
侑「・・・・・・マジで?」
愛「マジ過ぎてマッジブルーになりそー。なんつって!」キリッ
侑「お、お、おめでとうっ!」
璃奈「ありがとう」 これから式場の下見に行くという2人
侑は、絶対に行く! と息巻いた。
愛「それで、ゆうゆは何してたん?」
侑「私は、このイベントの運営チームの1人なんだ」
璃奈「スクールアイドル?」
侑「そう! 基本的には本人達が主導だけど、演出とかのお手伝いって感じかな」
侑「イベント運営って、初めてだと何もかも分からなくて大変だからね」
愛「さっすがゆうゆ! やるじゃん」
侑「あはは。私なんてまだまだ下っ端だよ」
愛「どうする? ちょっと見て行ってみる?」
璃奈「愛さんが行きたいなら」チラッ
愛「もう! そう言って行きたそうにしてるじゃん」
璃奈「興味はある」
侑「うんうん! 2人ともトキメキ感じちゃうよ!」
愛「あはは。ゆうゆは相変わらずだねー」
―運営テント―
ビューッ
侑「お疲れ様です」
上司「お疲れさま。チラシはどう?」
侑「全部配り終わりました」
上司「さすが高咲」
侑「私なんてまだまだですよ」
上司「それは嫌味? 営業成績トップの高咲が言うセリフじゃないだろ」
侑「それはたまたまだって、いつも言って――」
キャアアアアッ
ガシャーン
「!?」
イベント会場の歓声を掻き消すほどの轟音が辺りに響きわたった。
上司「高咲ッ! 行くぞ!」
侑「はい!」
タッタッタッ 侑「すみません! 通してください! 道を開けてください!」
人集りかき分けた先には、出店の1つと思われるテントがぐしゃりと潰れていた。
上司「なんでこんな所にテントが」
侑「こちら高咲! ステージ1の広場前にて事故発生」
侑「○○さんは、消防と救急車の手配をお願いします。持ち場の離れられるスタッフはけが人の救護をお願いします」
〜〜〜
テントや機材に足や腕を挟まれただけの人は、比較的容易に助ける事ができた。
通報から数分後には、救急車とレスキュー隊員が現場に到着した。 上司「あとはレスキュー隊員に任せよう」
侑「はい! みんなを手伝ってきます!」
上司「お前は少し休め」
侑「休んでる場合じゃないです!」
上司「足元がフラついているお前が行って何ができる?」
侑「・・・・・・分かりました」
「おい! 中にまだ2人倒れてるぞ!」
侑「!?」クルッ
ひしゃげた骨組みの奥に、見間違えようのない鮮やかな髪色が見えた。
「ジャッキとカッター持ってこい!」
「はい!」
侑「りな、ちゃん・・・・・・?」 >>32
文章が規制に引っかかっていたようなので適当に書いたら誤用しました。すみません。
以下に訂正
璃奈「ショウタイジョウおくる」
侑「やったー!」
―夜・かすみの家―
バタン
かすみ「はぁー・・・・・・疲れた」
かすみ「って、ダメダメ。こんな可愛くない顔を見せちゃダメです」
かすみ(誰にも見られないのになに言ってるの、私)
かすみ(一番見せたかった人は、もう・・・・・・)ポチッ
テレビ『それでは、新進気鋭の若手女優・桜坂しずくさんにお話を聞かせていただきましょう!』
テレビ『ご登場ください!』
テレビ『きゃあああっ!!』
かすみ「また演技してる」ボソッ
かすみ「はぁーあ、かすみんもテレビ出たかったなぁ」スッ
目を閉じ、スポットライトの当たるステージを思い浮かべる。
かすみ(可愛い衣装に、可愛いステージ、そして可愛いかすみん)
かすみ(みんながかすみんの事を待っていてくれて、みんながかすみんの事しか見ていなくて)
かすみ「出たかった、なあ」ウルッ
グウゥ
かすみ(コッペパン食べよ)ゴソゴソ
〜〜〜
司会者『ついに、来週から一般向けにも販売される”ぽん5シリーズ”』
司会者『全8種類の中でも一番人気と噂されているのが、通称しずぽんこと桜坂しずくモデルです』
しずく『あはは。なんだか恥ずかしいですね』
司会者『前モデルである”ぽん3”と”ぽん4”では、様々な方々を癒していたと聞いていますが、反響は桜坂さんの所までも届いていましたか?』
しずく『はい。その時は産業用のみだったので、老人ホームや介護の現場などで活躍していました」
しずく『私のところにも、何十通もお手紙をいただきました』 司会者『最新シリーズとなる5シリーズですが、どんな方に持ってもらいたいですか?』
しずく『そうですね。基本は話相手ですが、そばに居るだけでも癒されると言ってくださる方もいます』
しずく『たとえば、家に帰った時に部屋が暗くて寒い、という経験をされた方も多いと思います』
しずく『ぽん5シリーズでは、あらかじめ帰宅時間を伝えておく事で、家のエアコンや電気を点けておいてくれます』
司会者『しかし、それらは従来のスマートスピーカーでも可能でしたよね?』
しずく『はい。ぽん5シリーズのすごい所は、「おかえりなさい」って言ってくれるんです。玄関を開けると出迎えてくれるんです』
司会者『それは嬉しいですね』
しずく『はい。本当に家族のように感じられると思います』 司会者『本当は、スタジオにもサンプルを貸していただきたかったのですが、今回は許可が下りませんでした』
しずく『残念です。私も、しずぽん以外の情報はほとんど知らないんです』
司会者『そうだったんですね。ところでこの”ぽん5シリーズ”どこで購入できるのでしょうか?』
しずく『はい。サービスセンターにお電話していただく事で、購入権の申込ができます』
しずく『みなさんのご連絡、心よりお待ちしております』ペコリ
司会者『電話番号は――』
かすみ「私の家にしず子が・・・・・・ふっ」ニヤリ
かすみ「なーんて」(そんな高いモノ買えないって)
司会者『長期ローンにも対応しています。ご気軽にご相談ください』
かすみ「・・・・・・いやいやいや」(しず子の為に借金する?)
かすみ「まあ、買わないけど、旧友のよしみでHPくらい見てあげてもいいかなー」
ポチポチ かすみ(家事もしてくれる。朝も起こしてくれるし、外にも出られる)「いいなー」ボソッ
かすみ「でも、たか・・・・・・!!」
”お互いの呼び方を変更できるようになりました(標準装備)”
しずぽん『かすみさん、おかえりなさい』ニッコリ
かすみ『しず子ぉ、かすみん肩が凝っちゃいましたぁ』
しずぽん『ほら、早く横になって。マッサージしてあげるから』 かすみ「ふへへ」(大女優のしず子が私にマッサージ・・・・・・)ニマニマ
かすみ「んー」(貯金も少しはあるし、ローンなら)
かすみ「あっ! そうだ」(かすぽんも販売されるから、その印税で)
ポチッ
―1週間後ー
かすみ「こ、こんにちはー」キョロキョロ
璃奈「やっぱりかすみちゃんだった」
かすみ「りな子?! どうしてここに!」
璃奈「販売代理店の店長だから(きりり)」
かすみ「璃奈ちゃんボードも久しぶりー」フリフリ
璃奈「(久しぶり)」
かすみ「じゃあ、そういう事で」アセアセ
璃奈「要らない?」ボソッ
かすみ「・・・・・・」
璃奈「帰るなら繰り上げ当選の連絡しないと」
かすみ「待って!」
璃奈「・・・・・・座って」
かすみ「う、うん」ソワソワ
璃奈「まずは、このアンケートを書いて」
かすみ「アンケート?」 璃奈「ぽんからの呼ばれ方、呼び方とか色々と決められる。後からでも、ぽんに言えば変更もできる項目もあるけど」
璃奈「オプションもあるから、よく読んで」
かすみ「へ、へえー」
璃奈「盗み見したりしないから、好きなように書いていいよ」
かすみ「分かった」
璃奈「書けたら呼んで。奥に居るから」
かすみ「え、えっと、他のお客さんは?」
璃奈「ここには私1人しか居ないから、時間差で来店してもらってる」
かすみ「そうなんだ」
璃奈「それじゃあ」
かすみ「あっ、待って! 久しぶりに会えたんだから、もうちょっとお話しようよぉ」
璃奈「忙しいから」
かすみ「愛先輩のお見舞い、最近ちゃんと行ってる?」
バタン
かすみ「・・・・・・」カキカキ
―1時間後ー
璃奈「契約書類も問題なし。これで終わり」
かすみ「あー、やっと終わったぁ」
璃奈「・・・・・・ありがとう」
かすみ「え?」
璃奈「しずぽん、大事にしてあげて」
かすみ「当たり前でしょ」
璃奈「しずぽんも、しず子って呼ばれて嬉しいと思うから」
かすみ「見てるじゃん! 見ないって言ったのにぃー!」///
璃奈「・・・・・・見てないよ(にっこりん)」
かすみ「ま、まさか、元アイドルのかすみんの住所を知る為に代理店を?!」
璃奈「それはない」 かすみ「かすみんが元アイドルだからって、家まで押しかけて来ちゃダメなんだからね?」
璃奈「もう終わったから帰っていいよ」
かすみ「そんな冷たいこと言わないでぇー」
「すみませーん」
璃奈「ほら、次のお客さんが来たから」
かすみ「電話番号も書いてあるから、暇になったら連絡してくれてもいいからね?」
璃奈「忙しいから無理」
かすみ「はぁーい」シュン
―3日後―
かすみ「今日もつか・・・・・・!!」(家の前に誰かいる)ジーッ
かすみ「ま、まさか」(かすみんのストーカー?!)
かすみ(警察に・・・・・・)「って、あれ? もしかしてしず子?」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「ああ、しずぽんかー」ホッ
かすみ「外で待たせちゃってごめんなさ〜い」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「えーっと。Hey,しず子」
しずぽん「どうしたの?」
かすみ「!!」ビクッ
しずぽん「??」
かすみ「と、とりあえず中に入ろっか」ドキドキ
しずぽん「はい」ニッコリ
―かすみの家―
かすみ「紅茶しかないけど我慢してね」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「Hey,しず子。紅茶飲んでみて」
しずぽん「いただきますね」ゴクリ
かすみ「おぉー」
しずぽん「おいしいね」
かすみ「可愛い・・・・・・」ボソッ
しずぽん「ふふっ、かすみさんの方が可愛いよ」ニッコリ
かすみ「え、え、ええぇっ?!」///
グウゥ
かすみ「あっ」///
しずぽん「そろそろご飯の時間だね」
かすみ(いつもは作り置きのコッペパンだけど、初めての食事がコッペパン?)
かすみ「そんなの全然可愛くない!」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「私が料理するから、しず子は待ってて!」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「Hey,しず子。私が料理作るから待ってて」
しずぽん「かすみさんの手料理、楽しみだなー」
かすみ「ふふーん。かすみん特製オムライス、ご馳走しちゃいますよぉ」 しずぽん「ごちそうさまでした」ペコリ
かすみ「はぁー、お腹いっぱい」ゴロン
しずぽん「よかったら、お皿洗いましょうか?」
かすみ「え? そんな事もできるの?」
しずぽん「任せて」キリッ
トコトコトコ
カチャカチャ
かすみ「や、やっぱりかすみんも手伝うぅ」アセアセ
―翌朝―
しずぽん「かすみさん、起きて。もう朝だよ」ユサユサ
かすみ「んんー・・・・・・ん? んん!?」ガバッ
しずぽん「おはようございます」
かすみ「しず子?!」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「あっ、しずぽんかぁ」 かすみ「Hey,しず子。これ全部しず子が作ったの?」
しずぽん「はい♪」
かすみ「こんなちゃんとした朝ご飯、久しぶりかも」グゥ
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「Hey,しず子。ありがとう」
しずぽん「どういたしまして」ニッコリ
かすみ「Hey,しず子。一緒に食べよ」
しずぽん「そうだね。いただきます」
かすみ「いただきまーす!」
―玄関―
かすみ「Hey,しず子。かすみんは仕事に行ってくるね」
しずぽん「行ってらっしゃい」
かすみ「!!」パアァ
しずぽん「・・・・・・」プスプス
かすみ「えっ」
しずぽん「ぷしゅーう」モクモク
かすみ「ぎゃあああっ?!」
〜〜〜
かすみ(煙は収まったみたいだけど、電話した方がいいのかな)
かすみ「Hey,しず子」ビクビク
しずぽん「どうしたの?」ニッコリ
かすみ「良かったぁ」(とりあえずは大丈夫そうかな)
かすみ「Hey,しず子。帰りは19時くらいになると思う」
しずぽん「ご飯作って待ってるね」
かすみ「うんっ!」ニコニコ
―夜・かすみの家―
ガチャッ
かすみ「ただいま!」
しずぽん「おかえりなさい」ペコリ
かすみ「Hey,しず子。ご飯はちょっと待って」
ゴソゴソ
しずぽん「分かりました」
かすみ「あった!」バサッ
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「さっそく・・・・・・あっ」
かすみ「Hey,しず子。反対向いてて」アセアセ
しずぽん「こうですか?」クルッ
かすみ「うん。かすみん、ちょっと着替えるから」
〜〜〜 かすみ「さっすがかすみん。まだまだ着れますねぇ♪」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「Hey,しず子。こっち向いて」
しずぽん「はい」
かすみ「どう? どう?」
しずぽん「かすみさん、かわいい」ニッコリ
かすみ「わぁ!」パアァ
しずぽん「でも、かすみさんの年齢で学生服というのはどうだろ」
かすみ「えっ・・・・・・し、しず子?」
しずぽん「もっと年齢に見合った大人らしい服の方が似合うと思うよ」
かすみ「いいの! かすみんはニジガクの制服を着てる時が一番楽しかったんだもん」ムスッ
カキカキカキ
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「Hey,しず子。ご飯はもうちょっと待っててね」
しずぽん「分かりました」
かすみ「ふへへ」(可愛いデザインがどんどん湧いてきます!)
〜〜〜 かすみ「出来たぁっ!!」パアァ
しずぽん「・・・・・・」Zzz
かすみ「あっ!」(いつの間にか夜中になってる)アセアセ
かすみ「へ、Hey,しず子? 怒ってる?」チラッ
パチッ
しずぽん「怒ってないよ。静かだったので目をつむっていただけ」
かすみ「遅くなっちゃったけど、ご飯食べよっか」
しずぽん「すぐに温め直すね」
かすみ「あっ、かすみんも手伝うよ」
しずぽん「ありがとう」ニッコリ
かすみ「えへへ」
―翌朝―
かすみ「わわわっ!? 遅刻しちゃう!」ドタバタ
しずぽん「・・・・・・」コソコソ
かすみ「Hey,しず子。今日はご飯いらないから」
しずぽん「分かりました」
かすみ「行って、うわっ?!」
かすみ「誰ッ?! かすみんの靴にコッペパン入れたの誰ッ?!」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「しず子ぉ!!」
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「もう! 行ってきます!」モグモグ
バタン
しずぽん「行ってらっしゃい」フリフリ 乙
なんか、前よりもギャグ控えめで退廃的になってる…? 植物状態の愛さんの脳を解析して作られたのが初代愛ぽん何よね... ―エマの家―
エマ「Hey,カリンちゃん。そろそろご飯だから、お部屋片付けてね」
カリンロイド「・・・・・・」
エマ「コラッ。聞こえないフリしてもダメだよ」
カリン「床に置いているだけよ。散らかしてはいないわ」
エマ「もう。こんなに散らかして」テキパキ
カリン「代わりに火を見ておいてあげるわ」
エマ「見てるだけじゃなくて、焦げないように混ぜて」
カリン「はいはい」 エマ「Hey,カリンちゃん。いただきます」ペコリ
カリン「いただきます」
エマ「ん〜っ! とってもボーノだよぉ」
カリン「今日もエマの料理はおいしいわね」モグモグ
エマ「えへへぇ、ありがと〜」
カリン「・・・・・・」パクパク
エマ(本物の果林ちゃんは今頃どうしてるんだろう)
―果林の家―
果林「Hey,エマ。ご飯はまだかしら?」ゴロゴロ
えまぽん「もう少しだよぉ」
果林「いつもありがとう。本当に助かっているわ」
えま「いえいえ。私もお世話できて楽しいよ〜」
果林「Hey,エマ。明日は絶対に6時に起こしてちょうだい」
えま「はぁい」
果林「絶対よ? 明日は絶対に遅刻できないんだから」
えま「1分ごとに起こしてあげるねぇ」
―翌朝・5時―
えま「果林ちゃん、起きてぇ」ユサユサ
果林「・・・・・・」
えま「朝だよぉ」ユサユサ
果林「もう少し、だけ・・・・・・」
えま「・・・・・・」
―1時間後―
えま「時間だよー」
果林「はっ!?」ガバッ
えま「おはよう」ニッコリ
果林「今何時ッ?!」キョロキョロ
えま「6時だよぉ」
果林「あれ? ずっと私の事を起こしていなかったかしら?」
えま「??」キョトン
果林「まあ、いいわ。時間通り起こしてくれてありがとう」ナデナデ
えま「はぁ〜い」
〜〜〜 果林「Hey,エマ。さあ、行くわよ」ガチャ
えま「○○スタジオだよね?」
果林「そうよ。初めて行く所だけど大丈夫、よね?」
えま「任せてっ」
―○○スタジオ―
カメラマン「今日の朝香さんも最高だったよ」
果林「ふふ、ありがとうございます」
カメラマン「こんなに綺麗な上に慶応卒なんて、本当に非の打ちどころがなくて羨ましいよ」ハァ
果林「今回も気持ち良く撮影する事ができたわ。次もあなたにお願いしてもいいかしら?」
カメラマン「もちろんですよ! ありがとうございます!」ペコペコ
果林「それじゃあ、またね」フリフリ
カメラマン「お疲れ様でした!」ペコペコ マネ「お疲れ様です」
果林「次は?」
マネ「朝も言いましたが、控え室にてインタビュー記事の取材を受けていただきます」
果林「・・・・・・そう」
マネ「それが終わったら昼食、午後は○×スタジオでの撮影です」
果林「タクシー移動?」
マネ「はい。付き添いますか?」
果林「いいえ。今日はエマが居るから大丈夫よ」
マネ「そうでしたね」
―控え室―
えま「・・・・・・」
記者「それでは、その美しい身体を維持する為には特別な事はしていない、という事ですか?」
果林「そうね。バランスのとれた食生活、規則正しい生活、適度な運動」
果林「普通の事だから逆に難しいのかもしれないわ」
記者「たしかに、毎日続けるのは大変そうですね」
果林「大変なのは最初だけで、ルーティーンになってしまえば楽なものよ」キリッ
記者「さすが大人気モデル朝香果林、ですね」
果林「ありがとう。これからも頑張るわね」
記者「それでは、次はもう少しプライベートな事についてお伺いしたいと思います」
マネ「・・・・・・」 記者「休日などは、どのように過ごしているのでしょうか?」
果林「・・・・・・」
記者「朝香さん?」
マネ「休日は、ファッションやポーズの研究、レストラン巡り、ボルダリングを楽しんでいます」
記者「あの、私は朝香さんに――」
マネ「それでは、この話はなかったという事で」
記者「まっ、待ってください! 分かりましたから!」
果林「・・・・・・」 記者「そ、それでは、えっと、今朝の朝食を教えていただけますか?」
果林「スムージーだったわ」
記者「何味でしょうか?」
果林「Hey,エマ。今朝のスムージーには何が入っていたの?」
えま「ホウレンソウ、バナナ、ヨーグルト、牛乳、砂糖を入れたよ。少し甘めにしてみたの」
果林「主にホウレンソウとバナナね。牛乳で味を整えたわ」
記者「そう、ですか」ジーッ
えま「・・・・・・」
記者「その女性についてお伺いしても?」
果林「ふふっ、もちろん――」ニッコリ
マネ「ダメ」ボソッ
果林「ダメよ」キリッ
記者「・・・・・・分かりました」
―1週間後・カフェ―
エマ「カリンちゃん、カリンちゃん――」ブツブツ
「エマさん、落ち着いてください」ナデナデ
「そうですよ! みんなで探せばすぐに見つかりますよ!」
「チラシとビラをたくさん作ってきました!」
「エマさん、一緒に配りに行きましょう?」
エマ「・・・・・・うん」
3日前の夕方。休日だからと気合いを入れて料理していた私は、調味料を切らしてしまったの。
どうしても手が離せなくて、思わずカリンちゃんに――
「Hey,カリンちゃん。お遣い行って来てくれる?」
って、お願いしちゃって・・・・・・。
いつも一緒に行く近所のスーパーだったから大丈夫だと思い込んでた。でも、1時間待ってもカリンちゃんは帰って来なかった。
「よし! ぽん仲間にも連絡して全力で探しましょう!」
―街中―
”カリンちゃんを探しています。この顔に心当たりのある方は下記の電話番号に連絡してください”
果林「・・・・・・」
―3日後―
エマ「はい、はい。すみませんでした」ペコリ
「カリンさんからですか?!」
エマ「・・・・・・朝香果林ちゃんの事務所から、迷惑だからチラシ配りはやめてくれって」
「そんな!」ガタッ
「でも、見た目は同じだから、知らない人が見たら勘違いしちゃうかも」
エマ「せっかくみんなが作ってくれたのにごめんね」
「エマさんが気にする事じゃないですよ!」
エマ「ごめん、ごめんね。カリンちゃん」グスッ
Trrrrr
エマ「うぅ・・・・・・」
「大丈夫ですか? 抹茶ラテのグランデ頼みますか?」
「私が代わりに出ましょうか?」
エマ「うっ、ぐすっ」コクン
「もしもし、ヴェルデさんの携帯です」
『エマ? 急だけどこれから会えるかしら?』
エマ「カリンちゃん!?」ガッ
―1時間後―
果林「はぁ〜い」フリフリ
えま「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
エマ「・・・・・・久しぶり、だね」
果林「少し見ない間に痩せた、というよりやつれてるわよ」
「え? ほ、本物? やばくない?」ヒソヒソ
「ぽんじゃなくて?」ヒソヒソ
「有名人に会っちゃった」ヒソヒソ
「というか、えまぽん連れてるけど」
「もう一緒に暮らせばいいのに」 エマ「果林ちゃんも、ぽん、持ってるんだね」
果林「そうね。引いたかしら?」
エマ「ううん。私のカリンちゃんも、カリンちゃん、カリンちゃんが・・・・・・」プルプル
果林「落ち着きなさい。きっと大丈夫よ」ナデナデ
エマ「・・・・・・うん」
果林「カスタマーセンターには電話した?」
エマ「したけど、ぽんを探すがオフになってて場所は分からないって」
果林「切ってたの?」
エマ「外に出る時は、いつも私が一緒だったから」
果林「仕方ないわ。璃奈に連絡してみましょう」
エマ「・・・・・・」フルフル
果林「どうして?」
エマ「電話番号、変わってた」
果林「・・・・・・そうね。もう何年も前だもの」 「あ、あのー、少しいいですか?」
果林「なにかしら?」チラッ
「は、はい! エマさんのカリンちゃんは、これからも探すとしてですね」
「朝香さんがエマさんと一緒に居れば、とりあえずは元気を取り戻せるのではないのでしょうか?」
果林「そうね。私の家に来る?」
エマ「迷惑じゃない?」
果林「まさか」フフッ
―果林の家―
果林「Hey,エマ。鍵を開けてちょうだい」
えま「はぁい」
ガチャ
エマ「お部屋、すごい綺麗」
果林「あまりジロジロ見ないでよ。恥ずかしいじゃない」
エマ「果林ちゃん、頑張ってるんだね」シュン
果林「Hey,エマ。着替え持ってきて」ヌギヌギ
エマ「果林ちゃん?!」
えま「いつものでいいかなぁ?」
果林「ええ。ありがとう」
エマ「いつも、それ?」
果林「楽なのよ」
〜〜〜 えま「♪」テキパキ
エマ(お世話する隙がない)ジーッ
果林「エマ? 食べないと元気出ないわよ?」
エマ「あ、う、うん」
エマ「そうだよね。果林ちゃんも忙しいもんね」
果林「仕事、仕事、仕事の毎日よ」
エマ「果林ちゃんの雑誌は全部買ってるけど、もう多くて追えなくなってきたよぉ」
果林「あら、そうだったの? ありがとう」フフッ
果林「エマも忙しいのでしょう? お互い大変ね」
エマ「・・・・・・私だけじゃなくて、みんなも大変なんだよね」ウツムキ
果林「そういうのは他人と比べるものじゃないわ」
エマ「そうかもしれないけど、私が落ち込んでる事なんて些細な事なのかも」
果林「そんなワケないじゃない」
果林「私だって、えまぽんが居なくなったらと思うだけで辛いわよ」
エマ「・・・・・・ありがとう」テレテレ 果林「さあ、ご飯の後はお風呂よ。入ってらっしゃい」
エマ「え? わ、私はあとでいいよ。果林ちゃんのお家なんだから」
果林「そう?」
エマ「うん。私になんて遠慮しないで」
果林「それもそうね。私とエマの関係はそんな浅いものでもなかったわね」ニッコリ
エマ「・・・・・・」テレテレ
果林「Hey,エマ。お風呂入るわよ」
えま「はぁい♪」
エマ「果林ちゃん?!」ガタッ
果林「どうしたの?」
エマ「ぽんと一緒にお風呂入ってるの?!」
果林「そうよ?」
エマ「だ、ダメだよっ! ぽんと、その、そういう事はしちゃダメなんだよっ」///
果林「そういう事ってなにかしら?」
エマ「それは・・・・・・もう!」///
果林「体洗ってあげたり、洗ってもらったりするだけよ」
エマ「あわわわっ」///
果林「Hey,エマ。私と一緒のお風呂は嫌かしら?」
えま「ううん。果林ちゃんとのお風呂だぁい好きだよぉ♡」
エマ「きゃああぁっ!!」///
―約3か月後―
ギューッ
エマ「良かった! 本当に良かったよぉ〜」グスグス
カリン「・・・・・・」
「良かったですね。本当に」
「体や服も汚れていませんし、本当に奇跡ですね!」
「でも、綺麗すぎない?」
エマ「Hey,カリンちゃん。探してくれたみんなにお礼を言って」
カリン「知ってる? 街の風景って意外とすぐに変わってしまうものよ」
エマ「言い訳じゃなくてお礼だよっ」
カリン「迷子じゃないわ。ちょっと寄り道していただけよ」
エマ「カリンちゃん」ボソッ
カリン「迷子ではないけれど、心配かけてしまった事はごめんなさい」
カリン「こうして無事にエマの元に戻れたのは、みなさんのおかげよ。本当にありがとう」ペコリ
「いえいえ。当然の事をしたまでです!」ニコニコ 「エマさん」ヒソヒソ
エマ「どうしたの?」
「カスタマーセンターに連絡して、カリンロイドの行動記録を確認した方がいいですよ」
エマ「え? どうして?」
「カリンさん、もしかして誰かに連れ去られてたんじゃないですか?」
エマ「・・・・・・えぇっ?!」
―2週間後―
姫乃「誠に申し訳ありませんでした」ドゲザ
エマ「うんうん。話し合いは裁判所でしようね」
姫乃「待ってください! 私にも言い分があります」
エマ「・・・・・・」
姫乃「話を聞いてください。お願いします!」
果林「エマ? ここまでしているんだから聞いてあげてもいいんじゃない?」
姫乃「果林さん」パアァ
エマ「話してみて」
姫乃「はい・・・・・・」
―街中・夕方―
姫乃「はぁ、今月の果林さんも素敵です」ギュッ
姫乃(雑誌だけではなく、テレビなどにも出てほしいと思うのはワガママですかね)
姫乃「あ、あれは!!」
―公園―
カリン「・・・・・・」ポツン
姫乃「果林さん! お久しぶりです」ペコリ
カリン「・・・・・・」
姫乃「こんな所でどうしたのですか?」
カリン「・・・・・・」
ポツポツ
姫乃「きゃっ! あ、雨?」
カリン「・・・・・・」
姫乃「カリン、さん?」
カリン「・・・・・・」
姫乃「と、とりあえず雨がしのげる場所に行きますよ」ギュッ
タッタッタッ
ザァーッ
―姫乃の家―
姫乃「ふう。少ししか濡れませんでしたね」
カリン「・・・・・・」
姫乃「す、すみません! 急に家に連れてきたりして・・・・・・」モジモジ
カリン「・・・・・・」
姫乃「果林さん、もしかして怒っていますか?」アセアセ
カリン「・・・・・・」
姫乃「あ、あの! なにか言ってくれると嬉しいのですが」
カリン「・・・・・・」
姫乃「あれー?」ジーッ
姫乃(これって、もしかしてカリンロイド?)
姫乃(あのカリンロイドが今は私の家に)ゴクリ
姫乃「いやいや、このカリンロイドは持ち主がいるはずです」
姫乃(勝手に連れて来ちゃいけなかったんじゃ)サァー
姫乃「これって誘拐?! 連れ去り事件?!」
姫乃「でも、少しだけなら・・・・・・」(試すだけです。それならセーフ、ですよね)
姫乃「へ、Hey,カリンさん」ドキドキ
カリン「どうしたの?」キリッ
姫乃「♡♡♡」 エマ「・・・・・・」
姫乃「最初は雨が降っている間だけのつもりでした」
姫乃「ですが、気が付くと3日が経っていて、だんだん怖くなってきてしまって・・・・・・」
姫乃「でも、やっぱり返してあげないと、と思って、カリンさんの居た公園に置いてきてしまいました」
エマ「有罪だね」
姫乃「待ってください! 最初は本当に果林さんだと思っていて」
エマ「果林ちゃんだとしても、いきなり家に連れ込むなんて危ない人だよ!」ガタッ
姫乃「違います! カリンさんが抵抗しなかったのでOKなのかと思っただけです!」
エマ「果林ちゃん。もうこの人に近付かない方がいいよ」
果林「・・・・・・」
姫乃「果林さんの前で私の好感度下げないでください」
エマ「もう下がらないよ! ドン底だよ!」 果林「2人とも落ち着きなさい」
果林「カリンロイドが見つかった公園は、エマの近所ではなかったのよね?」
エマ「そうだけど、それとこれは関係ないよっ」
果林「つまり、カリンロイドが迷子になっていたのは本当なんでしょ?」
姫乃「そうです! 私は迷子のカリンさんを保護していただけです」
エマ「100日も保護するなんて監禁と一緒だよ!」
果林「こう考えるのはどう?」
果林「知らない人に拾われるよりも優しい知り合いに拾われて良かった、ってね」
姫乃「果林さんっ」パアァ
エマ「やさしい・・・・・・?」
果林「あと、ぽんを探す機能をONにする事と声紋認証は付けた方がいいわよ」
エマ「オプションは高くて、つい・・・・・・」
姫乃「私が手に入れていたら、エマさんのような失敗はしませんでした」ボソッ
エマ「抽選漏れした人がなに言ってるの?」
姫乃「・・・・・・」ガタッ
果林「姫乃も反省するのよ」
姫乃「・・・・・・はい」シュン
果林「私を応援してくれてる事は嬉しいわ。これからもよろしくね」ウィンク
姫乃「はい♡」
エマ「・・・・・・」ムスッ 姫乃「・・・・・・お二人が羨ましいです」
姫乃「お互いがお互いのぽんを持っていて、それって相思相愛だって事じゃないですか」
「えっ」
姫乃「あれ? 違うんですか?」
果林「今は仕事が忙しくてそんなこと考えてる暇なんてないわよ。ねぇ?」チラッ
エマ「そ、そそ、そうだよ! な、なに言ってるの?」///
姫乃「それなら、たまに3人でお喋りしませんか?」ニヤリ
エマ「・・・・・・は?」
果林「いいわね」
エマ「果林ちゃん?」 https://dotup.org/uploda/dotup.org2347568.png
なにが引っかかったのか不明ですが書き込めなかったので画像にて補完します。
しずく編は夜に エマ→果林 のベクトルの方が強いのは意外と見ないからちょっと新鮮だった
しずく編も楽しみです
―しずくの家―
しずく「はぁ〜」ウットリ
かすぽん「・・・・・・」
しずく「Hey,かすぽん」
かすぽん「カスって呼ばないでっ」ムスッ
しずく「ふふふ」(さすが璃奈さん。外見も喋り方も完璧なかすみさんだね)
グウゥ
かすぽん「お腹空いたな〜」
しずく「ふふふ。まだお昼だよ」
―1時間後―
かすぽん「しず子ぉ、充電してぇ」ウルッ
しずく「まだまだ、かすみさんなら我慢できるよ」
かすぽん「うぅ〜」シュン
しずく「はぁ〜♡」(日頃の疲れが吹き飛ぶよう)
しずく(フルオプションのかすぽん。今のところ持っているのは私くらいじゃないかな)
かすぽん「・・・・・・」トコトコトコ
しずく「あっ! 待ちなさい!」
ガシッ
ビーッ
かすぽん「重要行動の妨害を検知しました。5分以内にタスクが実行されない場合、カスタマーセンターに通報します」
しずく「ちっ」パッ
トコトコトコ
ボフン
かすぽん「すぅ、すぅ」
しずく「でも」(充電中のかすみさんも可愛いよ)ツンツン
―2週間後・レストラン―
ガヤガヤガヤ
しずく(変装)「たしかに、かすみさんが好きな場所でとは言ったけど」ソワソワ
かすぽん「・・・・・・」ニコニコ
しずく「Hey,かすぽん。もうちょっと落ち着いた店にしない?」ヒソヒソ
かすぽん「カスって呼ばないでぇ」
かすぽん「かすみんはここがいいの! どぉしてもって言うなら、別の場所でもいいけど」プイッ
しずく「分かった。今日はここでいいよ」
かすぽん「ありがとぉ、しず子」ニッコリ
しずく「・・・・・・どういたしまして」 「いらっしゃいませー。2名様でしょうか?」
かすみ「はい! お願いしまぁす」
しずく「!!」
しずく「Hey,かすぽん。別の店に行くよ」ヒソヒソ
「こちらの席にどうぞ」
かすみ「ありがとうございますっ」ストン
しずく「やっぱりキャンセルで」(どうして隣に)チラッ
しずぽん「・・・・・・」
しずく「わ、たし・・・・・・?」ビクッ
しずく「って、ああ、ぽんか」(そう、だよね。ぽん、ぽん・・・・・・どうしてかすみさんがぽんを?)
しずく(ただの地下アイドルに買える代物ではないはず)ブツブツ
ツンツン しずく「あっ。Hey,かすぽん、どうしたの?」ヒソヒソ
かすぽん「これ、頼んでもいいですか?」スッ
しずく「う、うん。他にも頼んでいいよ」
かすぽん「じゃあじゃあ」ジーッ
しずく「・・・・・・」(視線を感じる。まさかバレたんじゃ)キョロキョロ
しずぽん「・・・・・・」ジーッ
しずく「えっ」
私達のテーブルの前に、かすみさんのしずぽんが立ち尽くしていました。
しかし、その目は私ではなく、かすぽんを捉えているようです。
かすみ「わああっ?! しず子ッ! なにしてるの!」
ビクッ
かすみ「Hey,しず子。こっちの椅子に座って」
かすみ「すみません。すぐに座らせるので」ペコペコ
しずく「い、いえいえ」ケホケホッ
しずぽん「・・・・・・」ジーッ
かすみ「もぉ、どうして座ってくれないのー」アセアセ
ツンツン
しずく「Hey,かすぽ、ん」(あっ)
かすぽん「かすみん、チョコレートパフェも食べたいなぁ」
かすみ「えっ」
しずぽん「・・・・・・」ジーッ
かすぽん「でもぉ、かすみんだけじゃ食べ切れないから、しず子も一緒に食べてくれる〜?」
かすみ「・・・・・・えっ!?」ジーッ
しずぽん「・・・・・・」ジーッ
しずく「・・・・・・」
かすみ「も、も、もしかして・・・・・・しず、こ?」
しずく「来てください!」
グイッ
かすみ「うわぁっ?!」
しずく「Hey,かすぽん。行くよ」
かすみ「へ、Hey,しず子、付いてきて〜」
タッタッタッ
―外・人気の少ない場所―
かすみ「はぁ、はぁ」ドキドキ
しずく「・・・・・・」
かすみ「本当に、しず子、なの?」
しずく「はぁ・・・・・・。そうだよ、かすみさん」パサッ
かすみ「お、おぉ」
しずく「なに?」
かすみ「べ、別にっ。カッコイイとかオーラがあるとか思ってないもんっ」プイッ
しずく「それにしても、どうしてくれるの? せっかくの休日なのにご飯も食べられないなんて」
かすみ「しず子が迷惑かけたのはごめん。でも、どうして言う事を聞いてくれなかったのかは私にだって分からないもん」
しずく「はぁ、まったく」 かすみ「そんなに怒らなくていいじゃん! ご飯くらい別の場所でも食べられるでしょ」
しずく「この時間はどこも混んでるよ」
かすみ「・・・・・・並べばいいだけじゃん」
しずく「私が並んでるってバレるとお店に迷惑がかかっちゃうから、あまり並びたくないの」
かすみ「もう! じゃあかすみんが代わりに並んで来てあげるから!」
かすみ「あそこの中華料理屋さんでいいでしょ」スタスタ
しずく「今は中華の気分じゃないかな」
かすみ「文句ばっかり言って〜! それならどこならいいのっ」
しずく「・・・・・・ついて来て」
―高級マンション―
しずぽん「・・・・・・」スタスタ
かすぽん「・・・・・・」スタスタ
かすみ「あわわわっ」キョロキョロ
しずく「なにをそんなに怯えてるの?」キョトン
かすみ「こんな所にあるお店なんて、私が入ってもいいんですかぁ?」ガクガク
しずく「なに言ってるの? ここにお店なんて無いよ」
かすみ「へっ?」
しずく「Hey,かすぽん。玄関を開けて」
かすぽん「カスって呼ばないで」ガチャ
しずく「ありがとう」
かすぽん「おかえりなさい」
しずく「ただいま」
かすみ「しず子の・・・・・・家?」
しずく「そうだよ」ニッコリ しずく「・・・・・・」ニコニコ
かすみ「・・・・・・」ソワソワ
しずぽん「・・・・・・」
かすみ「あ、あのー、どうして私はしず子の家に来てるの?」
しずく「かすみさんも、ご飯まだでしょ?」
かすみ「それはそうだけど・・・・・・」ソワソワ
しずく「私のかすみさんのお料理、とってもおいしいよ♪」
かすみ「うぅ〜」///
しずく「ふふっ」 かすみ「わっ! 私のしず子だって料理くらいできますけど〜」ガタッ
かすみ「Hey,しず子。かすぽんを手伝ってあげて」
しずぽん「分かった」トコトコ
かすみ「ふふんっ」
しずく「どうしてかすみさんが偉そうなの」
しずく「私をモデルにして作られてるんだから、ある程度の料理くらいできて当たり前だよ」
かすみ「むっ! 私のしず子は私と一緒に成長してるから!」
かすぽん「ちょっとしず子、邪魔しないでよ」
しずぽん「かすみさんが私の邪魔してるんでしょ」
かすぽん「これはかすみんが任せられた仕事なの:
しずぽん「私だってかすみさんから任されてるもん」
かすみ「ああ! Hey,しず子! ストップ、ストップ」アセアセ
しずく「仕方ないなー」ハァ
―キッチン―
かすみ「大きいキッチンいいなー」
しずく「見学してないで、かすみさんはジャガイモを切って」
かすみ「Hey,しずぽん。ジャガイモ切ってて」
しずぽん「うん」ザクザク
しずく「かすみさん?」
かすみ「・・・・・・」チラッ
しずく「かすぽんではなく、中須かすみさん!」ジーッ
かすみ「は、はい!」
しずく「そうやって怠けるのは、ぽんに悪いと思わない?」
かすみ「だって・・・・・・私よりしず子の料理の方がおいしいんだもん」ムスッ
しずく「毎日しないからだよ」
かすみ「だってぇ」
しずく「Hey,かすぽん。リビングで、かすみさんと遊んでていいよ」
かすぽん「カスって呼ばないでっ」トコトコ
かすみ「・・・・・・」
しずく「・・・・・・バッテリー切れですか?」ニッコリ
かすみ「かすみんはぽんじゃなぁーーいっ!」 かすみ「はぁ、おいしかったぁ」グデー
しずぽん「今のかすみさん、可愛くないよ」
かすみ「はっ?! そうだった!」アセアセ
しずく「ぽんに注意される人なんて、かすみさんくらいじゃない?」
かすみ「ち、ちがっ! これは私がしず子にお願いしてる事だから」
しずく「もしかして・・・・・・マゾ?」ジトー
かすみ「ちがうっ!」
しずく「それならどうして?」
かすみ「いま勤めてる会社の社長に、可愛い物を作りたかったらまず自分が可愛くならないとダメだって言われて」
しずく「あれ? かすみさんって、売れない地下アイドルだよね?」
かすみ「・・・・・・」ウツムキ
しずく「辞めたの?」
かすみ「かすみんは・・・・・・卒業、したの」ボソッ しずく「・・・・・・ニジガクを卒業する時、私、かすみさんに告白したよね?」
かすみ「う、うん」
しずく「勇気を振り絞って告白したのに、かすみさんがなんて言ったか覚えてる?」
かすみ「・・・・・・かすみんは、これからみんなのアイドルにならなくちゃいけないから、しず子のモノにはなれない」
しずく「振られても良かった、気持ち悪いって言われても良かった。それがかすみさんの気持ちなら、それで良かったのに」
しずく「プロのアイドルになるから付き合えない、って、それはかすみさんの気持ちじゃないでしょ・・・・・・」ウルウル
かすみ「しず――」
かすぽん「しず子、大丈夫?」ナデナデ
しずく「ありがとう」
かすみ「・・・・・・」 しずく「それでも、アイドルになる事はかすみさんの夢だから仕方ないって、応援してたのに」
かすみ「ごめん」
しずく「今はなにを?」
かすみ「服飾関係の会社で、デザイナーみたいな事してるんだ」
しずく「デザイナー?」
かすみ「可愛いを求めるなら会社に来てみないって誘われて」
しずく「それでアイドルを辞めてデザイナーに?」
かすみ「誘われたのは、卒業するって決めた後のことだから」 かすみ「そんな私に比べて、しず子はすごいよねぇー」
かすみ「こんな立派なお家に住んでて、ドラマにも毎回出てて、大人気で・・・・・・本当にすごい」シュン
しずく「こんな家は副次的なものだよ。私の欲しいものは、もっともっと先にあるから」ニコニコ
かすみ「この家よりもすごい物?」
しずく「そうだよ」
かすみ「・・・・・・高級外車、とか?」
しずく「はあー。かすみさんって、もう少しロマンチストだったと思ってたのに」
かすみ「・・・・・・フワフワのわたあめ?」
しずく「私がずっと欲しかったもの、それは――」
「かすみさん」
かすみ「・・・・・・ん?」キョトン しずく「アイドル辞めたんだから、私とお付き合いしてくれるよね?」パチッ
かすぽん「・・・・・・」ピッ
かすみ「ちょっ! ちょっと待って!」ガタッ
しずく「かすみさんっ」
ギュッ
かすみ「し、しし、しず子ぉっ!?」///
しずく「かすみさんの気持ち、今度こそ聞かせてくれます、よね?」ウルウル
かすみ「うぅ〜」///
しずく「好きです」ボソッ
かすみ「今のしず子と私じゃ、全然釣り合わないからぁ」
しずく「またそうやって逃げるの? 私はかすみさんの気持ちが知りたいだけなのに」ギロリ
かすみ「だってぇ」
しずく「私のこと好きですか? 嫌いですか?」 かすみ「・・・・・・好き」ボソッ
かすぽん「録音終わったよ」
しずく「これでようやく恋人同士になれたね」ニッコリ
かすみ「・・・・・・本当に私なんかでいいの?」
しずく「Hey,かすぽん。再生して」
かすぽん「・・・・・・好き」ボソッ
かすみ「うわあああぁっ!?」
しずく「って言ってくれたのに、まだそんなこと言うの?」
かすみ「分かった! 分かりましたから! かすぽんで再生するのやめてぇ!」///
〜〜〜
しずく「え? 借金して買ったの?」
かすみ「仕方ないじゃん。どうしても欲しかったんだもん」
しずく「全額?」
かすみ「貯金で頭金を・・・・・・ローンが15年くらい・・・・・・です」
しずく「ふふっ」
かすみ「な、なに!」
しずく「私、愛されてるなーって思って」ニコニコ
かすみ「しずくじゃなくてしず子の方だから!」
しずく「それなら、どうして桜坂しずくモデルにしたの?」
かすみ「そ、それは・・・・・・」モジモジ
しずく「それは?」ニマニマ かすみ「それよりも! しず子の方こそ、かすみんモデルにした理由はなに?!」
しずく「かすみさんの事が好きだからだよ」キリッ
かすみ「・・・・・・」///
しずく「分かってくれた?」
かすみ「・・・・・・うん」///
『次のニュースです。ぽん5シリーズの桜坂しずくモデルに不具合が発見されました』
『不具合が見つかるのは、シリーズを通して初めてです』
『不具合の報告は一件のみで、特定のぽんへの接触などが原因で発煙し、エラーを起こすとの事です』
『不具合は、イタズラを行う、反論する、無視をするなど、比較的軽微な症状ですが、開発担当者からは「今後このような事がないように努めていきたい。しずぽんから煙が出たら、ただちに使用を中止してカスタマーセンターに連絡してほしい」との事です』
『カスタマーセンターの電話番号は――』
―璃奈の家―
Trrrrr
ポチッ
璃奈「はい」
『天王寺博士、お久しぶりです』
璃奈「所長、久しぶりです」
所長『元気でしたか?』
璃奈「・・・・・・はい」
所長『ぽん5シリーズですが、販売は順調です』
所長『一般向けもですが、各病院からも問い合わせが殺到しています』
璃奈「病院から?」
所長『西木野総合病院が看護師の負担軽減にと、簡単な作業をぽん5に任せると発表した事が大きいみたいです』
璃奈「そう、ですか」 所長『そろそろ研究所に戻ってきていただけませんか?』
璃奈「・・・・・・」
所長『ぽんは、もう軌道に乗っています。この研究は他の方に任せて、天王寺博士にはもっと素晴らしい研究をしてもらいたいのです』
璃奈「・・・・・・」
所長『この研究が成功すれば、前回以上の報酬をお支払します。それに、ぽんの発明以上に世の中が便利になり、みんなが喜びます』
璃奈「ぽんの研究を手伝ってくれた事、後押ししてくれた事には感謝しています」
璃奈「でも、今は私自身の研究で忙しいので・・・・・・ごめんなさい」
所長『まだ、届きませんか?』
璃奈「・・・・・・はい」
所長『そうですか。気が変わったらいつでも連絡してくださいね』
璃奈「・・・・・・はい」
ピッ 璃奈「ふぅ」
あいぽん「りなりー? コーヒー入れたよー」コトッ
璃奈「ありがとう」
あいぽん「そろそろ休憩したら?」
璃奈「まだ休めない」カタカタカタ
あいぽん「・・・・・・」ジーッ
璃奈「あいぽん」カタカタカタ
あいぽん「これだよね」スッ
璃奈「ありがとう」
あいぽん「・・・・・・」ジーッ
璃奈「気になる?」
あいぽん「教えてくれるなら聞いたげる」ニコニコ
璃奈「これは償い。愛さんに、ちゃんとお礼を言いたい」
あいぽん「・・・・・・」
璃奈「あの頃の愛さんに」カタカタカタ
あいぽん「アタシじゃダメかな?」
璃奈「・・・・・・コーヒー、もう一杯欲しい」
あいぽん「おけまるー」
璃奈「・・・・・・」
―――
――
―
―イベント会場―
愛「おおぉっ!! すごい盛り上がってるねー」
璃奈「みんな、楽しそう」
愛「なんだか、むかし思い出しちゃうなー」
璃奈「ニジガクの時?」
愛「スクールアイドルフェスティバルの時、りなりーのライブ観た時、りなりーと出会えた時」
愛「今でもすぐに思い出せるよ」
璃奈「私も忘れられない」
愛「りなりーはさ、またスクールアイドルみたいな事やりたいって思う?」
璃奈「・・・・・・ううん。でも、愛さんのステージなら見てみたい」
愛「う〜っ!! こんなステージ観てたら、Stayジッとしてられないよー」ウズウズ
璃奈「勝手に上がったら侑さんに怒られる」
愛「それならさ、結婚式でそういうのやろうよ!」
璃奈「あっ、それいい」
愛「でしょでしょ!!」
璃奈「みんなでやりたい」
愛「それはダメー」 璃奈「どうして?」
愛「結婚式は、りなりーとアタシのステージっしょ? 他の人はダメだって」
璃奈「2人でなにするの?」
愛「デュエットしようよ!」
璃奈「それは、ただのカラオケ大会」
愛「それなら・・・・・・みんなでライブやる?」
璃奈「やりたい」
愛「踊れるスペースあるかなー」
璃奈「まだ下見。ゆっくり考えればいい」
愛「それもそだねー」
>ウォオオオオオッ
ビューッ
愛「えっ!? 急にどうしたん?」
璃奈「えっと、今一番人気あるグループみたい」
>キャアアアアッ
愛「え? なに?! !!」
璃奈「聞いてる?」クルッ
愛「りなりーっ!!」ガバッ
ドスン
ガシャーン
―病院―
西木野「今後、宮下愛さんが意識を取り戻す可能性はかなり低いわね」
璃奈「えっ」
宮下母「うぅっ! あ、い」ポロポロ
宮下父「どうしても無理ですか?」
璃奈「お金なら――」
西木野「ごめんなさい」
西木野「医者は魔法使いじゃないわ。1億や10億積まれても、治せないものは治せないのよ」
璃奈「そんな・・・・・・」
西木野「ただ、かつて不治の病とされていた病気が、現代では完治するようになってきている」
西木野「他の学問と同じく、医学も日進月歩よ。いつか宮下さんの治療方法も見つかるかもしれないわ」
璃奈「愛さん、愛さん・・・・・・――」
―
――
―――
璃奈「愛さんっ!!」ガタッ
あいぽん「・・・・・・」Zzz
璃奈「ゆ、め・・・・・・」
あいぽん「・・・・・・」Zzz 璃奈「ごめん。あいぽん」
あいぽん「んーっ」ノビノビ
あいぽん「どうしたー?」
璃奈「ベッドに戻ってていいよ」
あいぽん「・・・・・・」
璃奈「聞こえてない?」
あいぽん「たまにはさー、一緒に寝ようよ」
璃奈「・・・・・・いいよ。すぐに行く」
あいぽん「やーりぃー↑♪」ニコニコ
璃奈「愛さん・・・・・・」ボソッ
―翌朝―
あいぽん「いただきまーす」パクパク
璃奈「・・・・・・」モグモグ
あいぽん「今日の朝食はどう?」
璃奈「・・・・・・」モグモグ
あいぽん「もしかして別のが食べたかった? チョーショック?」
璃奈「あっ、ごめん。考え事してた」
あいぽん「ご飯食べてる時くらい考え事はやめよーって、アタシと約束したっしょ?」
璃奈「ごめんね、愛さん」
あいぽん「どう、おいしー?」
璃奈「うん。おいしい」モグモグ
あいぽん「いぇい!」v
璃奈「今日は出掛けるから、留守番お願い」
あいぽん「お店の方は?」
璃奈「今日は開けなくていい。電話があったら私のスマホに転送して」
あいぽん「おっけー」
―病院―
璃奈「あれ?」キョロキョロ
看護師「どうされましたか?」
璃奈「あの、宮下愛さんの病室は・・・・・・」
看護師「宮下さんですか? すみません、確認してきますね」ペコリ
璃奈「すみません」
〜〜〜
璃奈「いない?」
看護師「はい」
璃奈「どういう事?」
看護師「私は配属されたばかりなので詳しくは分かりませんが、入退院した方の中に宮下愛さんはいらっしゃいません」
璃奈「・・・・・・」
看護師「もしかして、病院をお間違えではありませんか?」
璃奈「ここ、西木野総合病院・・・・・・?」
看護師「そう、ですね」
気の毒そうな顔をしていた看護師さんは師長さんも呼んでくれたけど、答えは同じだった。 ―廊下―
トボトボトボ
璃奈(どういうこと? 元から愛さんはいなかった?)グルグル
璃奈「分からない・・・・・・」
ツカツカツカ
「先生ッ! 急いでください!」
「手術の準備は?」
「出来ています」
「状態は?」
「緊急搬送中に意識が無くなりました。後頭部を強く打っているようです」
「早く行くわよ」
璃奈「西木野先生? 先生!」
西木野「・・・・・・」
「すみません! 急いでますので!」
璃奈「愛さんは! 愛さんはどこ?!」
西木野「そんな患者はいないわ」
璃奈「えっ」
西木野「行くわよ」
「はい!」
ツカツカツカ
璃奈「・・・・・・」ポツン
―璃奈の家―
ガチャ
璃奈「・・・・・・」
あいぽん「おかりなりー、なんつって!」
璃奈「・・・・・・」
あいぽん「どうしたん?」
ギュッ
あいぽん「りなりー?」
璃奈「愛さんは、愛さん?」
あいぽん「・・・・・・そだよ」ギュッ
璃奈「愛さん、愛さんっ」ガシッ
あいぽん「・・・・・・」ナデナデ 次回は近江姉妹、菜々です
あけましておめでとうございます。自粛正月の暇つぶしになれば幸いです。 >>140
あゆぽんごっこも、もうバカップルのじゃれ合いと笑えないな。むしろ一番やばそう 侑ちゃんはすごい責任感じてるだろうな
前スレでしずぽんは暴走するって言ってたから気になってたけど、こっちはすごい平和で良かった
―近江家―
遥「それじゃあね、お姉ちゃん」フリフリ
彼方「また来月にねぇ」
遥「その事なんだけど・・・・・・ごめん!」ペコリ
彼方「遥ちゃん?」
遥「来月は忙しくて、こっちには帰れないと思う」
彼方「え? 来月は遥ちゃんデー無し?」
遥「本当にごめんね!」
彼方「もしかしてぇ、恋人とデートだったり・・・・・・?」チラッ
遥「仕事だよ!」アセアセ
彼方「・・・・・・こ、これも遥ちゃんのお姉ちゃん離れの為だもんねっ」
遥「お姉ちゃんの妹離れの為でもあるよ」
彼方「彼方ちゃん、頑張って耐えるよ〜!」
遥「それじゃあ、次は再来月だね」
彼方「・・・・・・うん」
バタン
彼方(約2ヶ月間、遥ちゃん無し)ボーッ
―2週間後・彼方の家―
彼方「もう、無理・・・・・・」ガクガク
彼方(でも、妹の遥ちゃんに泣きつくなんて、お姉ちゃんとしてできないっ)
彼方「もう、これしか・・・・・・」ガクガク
ポチッ
―3日後・夜―
彼方「ただいま〜」
「お帰りなさい、お姉ちゃんっ」ニッコリ
彼方「ただいまぁ〜っ」パアァ
ギュッ
「お姉ちゃん? どうしたの?」
彼方「Hey,はるぽん。今日のご飯はなぁに?」
はるぽん「今日はね、お姉ちゃんの大好きな卵焼きだよ」
彼方「・・・・・・それだけ?」
はるぽん「ダメ、だった?」シュン
彼方「ううん! 彼方ちゃん、卵焼き大好きだよっ」キリリ
はるぽん「良かった〜♪」
〜〜〜 彼方「けふっ」
はるぽん「ごちそうさまでした。おいしかったね、お姉ちゃん」ニコニコ
彼方「う、うん」
はるぽん「・・・・・・」
彼方「Hey,はるぽん」
はるぽん「どうしたの?」
彼方「明日の朝は、その、卵焼き以外が食べたいなー、なんて」
はるぽん「それなら出汁巻きにするね」ニッコリ
彼方「・・・・・・うん」
はるぽん「えへへっ」 彼方「そろそろお風呂の時間だねぇ」ボソッ
はるぽん「そうだ! お姉ちゃん、一緒に入ろうよ」
彼方「えっ」ビクッ
はるぽん「あっ、ごめん」
はるぽん「お仕事で疲れてるから、お風呂くらい1人でゆっくり入りたいよね」シュン
彼方「一緒に入ろっか〜」
はるぽん「・・・・・・いいの?」チラッ
彼方「もちろんだよー」
―お風呂―
ゴシゴシ
彼方「Hey,はるぽん。なんだか悪いね〜」
はるぽん「ううん。お姉ちゃんが毎日お仕事頑張ってくれてるお礼だよ」
彼方「うっ!」グスッ
はるぽん「お姉ちゃん?」ナデナデ
チャポン
彼方「ふぅ〜」
はるぽん「・・・・・・」
彼方「Hey,はるぽん。気持ちいい?」
はるぽん「うん。でも、ちょっとだけ狭いかも」ソワソワ
彼方「・・・・・・すやぁ」
はるぽん「お姉ちゃん!」
彼方「はっ!?」ガクン
はるぽん「もう、お風呂で寝るのは危ないよ?」
彼方「にゃはは〜、ごめんねぇ」
―寝室―
彼方「・・・・・・」ドキドキ
はるぽん「・・・・・・」
彼方「へ、Hey,はるぽん?」
はるぽん「どうしたの?」キョトン
彼方「今日は、そのぉ、彼方ちゃんと一緒のお布団で・・・・・・寝ない?」モジモジ
はるぽん「いいけど、急にどうしたの?」
彼方「はるぽん、明日に帰っちゃうでしょ?」
はるぽん「・・・・・・うん」
彼方「だから〜、最後の思い出にしたくて」 はるぽん「次は、ないの?」シュン
彼方「も、もぉ〜。そんな目で見られたら彼方ちゃん困っちゃうよ〜」
はるぽん「・・・・・・」ウルウル
彼方「寝よう! 今日はもう遅いから寝よう!」ボフン
モゾモゾ
彼方「!!」
はるぽん「えへへ、ちょっと狭いね」///
彼方「もうちょっとくっつこうか」ドキドキ
彼方(私、初めて寝つけないかもしれない)
はるぽん「おやすみなさい」スッ
彼方「おやすみ、はるぽん」ドキドキ
―2分後―
スヤァ
―翌朝・玄関―
彼方「それじゃあ、彼方ちゃんはお仕事に」
はるぽん「・・・・・・」
彼方「あっ、そっか。今日は一緒だったね」
はるぽん「・・・・・・」
彼方「Hey,はるぽん。はるぽんとの2泊3日のお泊り会、楽しかったよ〜」
はるぽん「私も楽しかったよ。またしたいなー」
彼方「・・・・・・」
はるぽん「ねえ、ダメ?」
彼方「うっ、うわぁあああっ!!」タッタッタッ
はるぽん「またね」フリフリ
彼方(ごめん、ごめんよ〜!)「はるぽ〜ん!」ウルウル
タッタッタッ
―夜・彼方の家―
ガチャッ
彼方「ただいま〜」
シーン
彼方「はるぽ・・・・・・あっ」
『私も楽しかったよ。またしたいなー』
『私も楽しかったよ』
『楽しかったよ』
『お姉ちゃん♡』ニッコリ
彼方「・・・・・・」ポチポチポチ
―2か月後・近江家―
遥「ふっふっふーん♪」
遥(2ヶ月振りのお姉ちゃん、今日はたくさん甘えて、お姉ちゃんのお世話もしてあげなきゃ)ニマニマ
ガチャ
遥「ただいまー」
彼方「遥ちゃん、おかえりー」
遥「お母さんは?」
彼方「今日も遅いみたい」
遥「そっかー。残念だなー」(あれ? 思ったより普通、というよりもテンション低め?)
テクテクテク
遥「私も料理手伝うね」 彼方「遥ちゃん、お仕事で疲れてるでしょ? 私がやるから座ってていいよ〜」
遥「それはお姉ちゃんもでしょ」(2ヶ月前は、私と料理したくて泣いてたのに・・・・・・)
彼方「それなら、えーっと――」
彼方「Hey,はるぽん。サラダ用のトマトを切ってくれるかな〜?」
遥「はー・・・・・・え?」 彼方「ん?」
遥「えっ、い、いま、はるぽんって言わなかった?」
彼方「・・・・・・遥ちゃんの愛称だよ」
遥「でも、今までそんなの一度も呼ばれた事ないよ」
彼方「実はね、彼方ちゃんだけがこっそり呼んでたのだー」
遥「ふーん」ジーッ
彼方「・・・・・・」
ジューッ
遥「お姉ちゃん」
彼方「な、なにかなぁ?」
遥「焦げてるよ」
彼方「はわわっ?!」 遥「それで?」
彼方「んー?」
遥「はるぽんって・・・・・・誰?」ジトーッ
彼方「あはは。だからそれは――」
遥「そっか。話してくれないんだ」シュン
彼方「うぅ〜。彼方ちゃんをそんな目で見ないでよ〜」
遥「いつも可愛いって溺愛してくれてる可愛い妹にも話せない事なんだね」ウルッ
彼方「すみませんでしたっ!」ペコリ
〜〜〜 遥「レンタルぽん?」
彼方「・・・・・・はい」セイザ
遥「ぽんって、あのぽんだよね?」
彼方「・・・・・・はい」シュン
遥「レンタルなんてあったっけ?」
彼方「・・・・・・」
遥「はるぽん、レンタル、っと」ポチポチ
彼方「・・・・・・」ビクビク
遥「あった。コノエハルカ モデル・・・・・・8万ッ?!」
彼方「2泊3日で7万9800円だから、ね?」
遥「ね? じゃないよ! お姉ちゃんっ!!」
彼方「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」ペコペコ 遥「何回レンタルしたの!?」
彼方「さ、三回、くらい・・・・・・かなぁ?」チラッチラッ
遥「スマホ見せてくれる?」
彼方「いくら遥ちゃんでもそれは」アセアセ
遥「もう一回だけ聞くよ? これまでに何回レンタルしたの?」ギロリ
彼方「・・・・・・いっぱい」ボソッ
遥「はぁー」グッタリ
彼方「ごめん、なさい」シュン
遥「お姉ちゃんのお金だから好きに使っていいよ?」
遥「でもね、無駄遣いはダメだよ。奨学金の返済もまだ残ってるでしょ?」
彼方「それはもう払い終わっちゃった」
遥「えっ! 高校と大学どっちも?!」
彼方「えへへ、えらい? 繰り上げ返済できた彼方ちゃんえらい?」ニコニコ
遥「妹そっくりのぽんをレンタルするお姉ちゃんじゃなかったらね」
彼方「え〜っ」
遥「お姉ちゃんを信じてないワケじゃないよ? 信じてないワケじゃないけど、そのお金ってちゃんと働いて稼いだお金だよね?」
彼方「そうだとも言えるし、言えないかもしれない」ウーン
遥「お、お姉ちゃん! 一緒に警察行こう!」ガタッ
彼方「ちょっと待ってね」ポチポチ
遥「どうしようどうしようどうしよう」ガクガク 彼方「遥ちゃん、これ見てくれる?」スッ
遥「なにこれ? お姉ちゃんのコウザ? 入出金明細?」
ジンチケンキュウ 60,240,000
遥「・・・・・・なにこれ?」
彼方「かなぽんの印税だよ〜」
遥「う、嘘でしょ・・・・・・」 彼方「にひひ。なんと、ぽん5シリーズの中で1番売れてるんだってぇ」
遥「しずぽんよりも?」
彼方「ほとんど一緒らしいけど、ちょっとだけ彼方ちゃんの勝ちぃ〜」
遥「じゃあ私にかなぽん買ってよ!」
彼方「それはダメ。遥ちゃんのお姉ちゃんは彼方ちゃんだけなのだー」
遥「自分ははるぽんのレンタルしてたのにっ?!」
彼方「ぐふっ!」
遥「もうお姉ちゃんなんて嫌い!」プイッ
彼方「もうレンタルしないから〜、嫌いにならないでぇ」グスグス
遥「ふんっ」
ガチャ
母「ただいまー。ずいぶんと賑やかね」
遥「お母さん聞いてよ! お姉ちゃんってばね」
彼方「お母さんに言うなんて卑怯だぞ〜!」アセアセ
レンタルぽんショップ ぽんキチ
―お知らせ―
当ショップでもご好評いただいておりました”コノエ ハルカ”モデルですが、諸般の事情によりレンタルを終了させていただく事となりました。
突然のお知らせとなってしまい、誠に申し訳ありませんがご容赦いただきますよう、お願い致します。
今後も当ショップをご愛顧いただきますよう宜しくお願い致します。
―西木野総合病院・手術室―
西木野「ここに集まってくれた事に感謝するわ。本当にありがとう」ペコリ
「そんなこと言わないでください」
「そうですよ!」
「今日は勉強させてもらいます」
その場にいる十何人もの医師達が、口々に執刀医である西木野真姫を称賛する言葉を投げかける。 西木野真姫「今からでも遅くないわ。これから行う事に少しでも抵抗があるなら出て行きなさい」
シーン
真姫「この行為は医師免許が剥奪されるかもしれない」
「それでも私は、あの子を救ってあげたいです」
「毎日お見舞いに来てた女の子ですね」
「ここ数年はパッタリと来なくなっちゃったみたいですよ」
「・・・・・・諦めてないといいけど」
真姫「それは私達が心配する事じゃないわ」
「すみません」
真姫「私達は、これまでの研究の成果をどこよりも早く実証する為に、この極秘臨床試験を成功させる。ただそれだけよ」
「「はい!」」
真姫「気合い入れなさい」
「「はい!」」
真姫「よろしくお願いします」
「「よろしくお願いします」」
真姫(安心しなさい。絶対に成功させてみせるわ)
真姫「メス」スッ
―虹ヶ咲学園―
愛「どーしたの?」
これまで色々な人にいきなり声をかけてきたのに、その子だけは一目で特別だって感じたんだよね。
どうしてだろう。ずっと考えてたけど、答えは見つけられなかった。
それを教えてくれたのは、りなりー。キミだよ。
「あっ、愛さん!」
あの時のりなりーは、握りしめてた璃奈ちゃんボードが手汗でしわくちゃになってて、それを持ってる腕もプルプル震えてたっけ。
「どうしたん? こんな所に呼び出したりして」
「・・・・・・」
しばらく返事を待ってたら、りなりーが璃奈ちゃんボードをゆっくりと降ろして――
「好き!」
湯気が出そうなくらい真っ赤な顔のりなりーを見て、ハッと気付いたよ。
ああ、アタシはりなりーに一目惚れしてたんだ、ってね。
この子の事は、なにがなんでも守る、守り続ける。
そう心に誓って、りなりーを思いっきり抱きしめた。
―イベント会場―
>キャアアアッ
璃奈「・・・・・・」
愛「はぁ、はぁ」
ドクドクドク
愛「りな、りー?」ポンポン
抱えるようにして守っていた璃奈の頭を優しく叩く。
愛「大丈夫? ケガしてない?」ナデナデ
璃奈「あ、い、、さん?」ボーッ
愛「良かったぁー」ギュッ
璃奈「ど、うして、私の、上、に?」
愛「ホント、良かったよー・・・・・・」
璃奈「愛、さん? どい・・・・・・て?」
愛「・・・・・・」
ドクドクドク 日付が変わるくらいにまた来ます
かなり長くなってしまっていますが、もう少しだけお付き合いください。 めちゃくちゃ面白いからどれだけ長編になっても全然構わないぞ いやホント引き込まれるわ
場面の切り替えが上手くて飽きずに読める
―菜々の家―
ガチャ
バタン
カチッ パッ
バサバサッ
シュルシュル パサッパサッ
ストン
ピッ
テレビ『はい! もちろんです! ――――、頑張ります!』
ガサガサ
ゴソゴソ
菜々「どうしてお弁当を立てにしちゃうんですか」ボソッ
バリバリ パカッ
モグモグ
プシュッ
ゴクゴク
菜々「はぁー・・・・・・」
テレビ『CM』
ピッ
テレビ『一人暮らしの強い味方! ぽん5シリーズ絶賛発売中!』
菜々「ぽんって・・・・・・ああ」
テレビ『第2次ロット最速先行抽選販売申込電話番号はこちら!!」
モグモグ
テレビ『0120―0000―○XX▽ 24時間受付中!!』
ゴクゴク
〜〜〜
シャアアアアッー
ポタ ポタ ポタ
ガチャ バタン
フキフキ
菜々「はぁー」
カチッ ブオオオオッ
カチッ
テクテクテク
ボフン
菜々「ぽん・・・・・・ぽん・・・・・・」ポチポチ
”XXXまとめちゃんねる”
1.ぽんで繋がる物語(茸)
かなぽんが最強
2.ぽんで繋がる物語(庭)
スクールアイドル要素は?
3.ぽんで繋がる物語(きりたんぽ)
しずぽんこそ至高
5.ぽんで繋がる物語(お台場)
> 1
私のあゆぽんに勝てるわけないでしょ
9.ぽんで繋がる物語(泡盛)
私のせつぽんが一番かわいいからって喧嘩すんなよ
11.ぽんで繋がる物語(もんじゃ)
あいぽんの発売はよ
15.ぽんで繋がる物語(茸)
私のカリンロイドがまた保護されたんだが
18.ぽんで繋がる物語(舞妓)
> 15
えまぽんを付けとけと何回言ったら
25.ぽんで繋がる物語(えび)
おまえらかすぽんの魅力に気付いてないとか可哀想だな
30.ぽんで繋がる物語(しまむら)
> 25
でもお前コッペパンしか作らないじゃん
41.ぽんで繋がる物語(はんぺん)
リナロイドが最強。ぽんを開発したのが璃奈ちゃんって知らないの?
42.ぽんで繋がる物語(八つ橋)
> 41
お前がそう思うんならそうなんだろう
お前ん中ではな 菜々「ぽん・・・・・・」
ポチッ
Trrrrrrr
―2週間後・夜―
かなぽん「・・・・・・」
菜々「どうぞ、入ってください
かなぽん「・・・・・・」
菜々「Hey,かなぽん。早く入ってください」
かなぽん「はぁ〜い」トコトコ
バタン かなぽん「・・・・・・」
菜々「Hey,かなぽん。適当に座ってください」
かなぽん「ここでいいかなー」ストン
菜々「はぁー」
シュルシュル パサッパサッ
かなぽん「・・・・・・」
ガサゴソ
菜々「時間が無いので、今日もコンビニ弁当です。良かったらどうぞ」
スッ
かなぽん「・・・・・・」
菜々「Hey,かなぽん。食べていいよ」
かなぽん「わぁ〜い、ありがとう」
プシュッ
ゴクゴクゴク
菜々「はぁー」 かなぽん「いただきまーす」モグモグ
菜々「立てにされたので寄ってますが、気にしないでください」
かなぽん「おいしー!」
菜々「おいしい? こんなコンビニ弁当より彼方さんの料理の方が100万倍おいしかったですよ」
かなぽん「・・・・・・」パクパク
菜々「Hey,かなぽん。おいしいですか?」
かなぽん「おいしいよー」モグモグ
菜々「んふふっ」
菜々(私、なにやってるんだろ)
ゴクゴクゴク
菜々「彼方さん、覚えていますか? みんなで合宿した時のこと」
かなぽん「・・・・・・」 菜々「Hey,かなぽん。覚えてる?」
かなぽん「なにを?」キョトン
菜々「合宿した時のことです」
かなぽん「うーん、ごめんね。彼方ちゃんには難しいお話みたい」
かなぽん「ガッシュク、で検索してみる?」
菜々「しなくていいですっ!!」バンッ
かなぽん「分かったー」
菜々「はぁーあー」
ゴクゴクゴク
―――
――
― 菜々「あー・・・・・・ふへへ」///
かなぽん「・・・・・・」Zzz
菜々「彼方さんは、相変わらずすぐに寝ちゃいますねー」フラフラ
かなぽん「・・・・・・」
菜々「そんな風にどこでも寝てしまうと、襲われてしまいますよ〜?」ジーッ
かなぽん「・・・・・・」
菜々「いーんでーすかー?」
かなぽん「・・・・・・」
菜々「それじゃあ、遠慮なく・・・・・・んー」
チュッ
菜々「ふへへ。彼方さんとチュウしちゃいましたー」
かなぽん「・・・・・・」 菜々「てーこーしないってことはー、いーんでーすよねぇー?」
かなぽん「・・・・・・」
菜々「かーなーたーさーーんっ」ギュッ
かなぽん「・・・・・・」
プチプチ
菜々「はぁ、彼方さんはいいですねー。いつまでもしろーい肌でモチモチしててー」
シュルシュル
菜々「遥ちゃんみたいなかわいい妹がいて・・・・・・優しいお母さんがいて・・・・・・」
パサッ
かなぽん「・・・・・・彼方ちゃんには、こういう事をしちゃダメなんだぞ〜?」ジロリ
菜々「ふへっ。今更ですかぁ?」
かなぽん「お酒臭いよ? せつ菜ちゃん、今日はもう寝ようよ」
菜々「ざーんねーんでしたぁー。優木せつ菜は死にましたぁー!」 かなぽん「・・・・・・」トコトコ
菜々「えいっ♪」ドンッ
ボフン
菜々「自分からベッドに入ろーとするなんて、きゃーっ! 彼方さんのえっちぃー」///
かなぽん「・・・・・・」
菜々「・・・・・・」
サワサワ
菜々「やっぱりただのロボットじゃないですか・・・・・・」
かなぽん「重大危険行為を感知しました。誤作動の場合は、ただちに解除キーを挿入してください」
菜々「あはははっ。なに言ってるか、わっかりましぇーんっ」
かなぽん「・・・・・・」
菜々「こんなのは彼方さんじゃありません。彼方さんを偽った罰として私が成敗してあげます!」ガバッ
かなぽん「重大危険行為とみなします。警備会社への通報が完了しました」
―――
――
―
ピンポーン
菜々「ああ、頭いたっ」ズキズキ
菜々(あれから私・・・・・・どうしたんだっけ)ボーッ
ピンポーン
菜々「あああっ!! 頭に響くからやめてください!」
ピンポーン
ダッダッダッ
ガチャッ
菜々「うるさいですよっ! いま何時だと思って――」
警備員A「民間警備会社アルコムです」
菜々「・・・・・・なんですか? 夜中に女性の部屋に来るなんて非常識にもほどがありますよ」
警備員A「中川菜々さん所有のぽん”近江彼方モデル”からの通報がありました」
警備員A「重大危険行為としてみなされたので、ぽんの状況を確認させてください」
菜々「私はなにもしていませんし、家にぽんなんて居ません」
警備員A「そうですか」
菜々「早く帰ってください」 警備員A「それでは、契約に則り、警察に連絡させていただきます」
菜々「はぁっ?!」
警備員A「ぽんは購入者に全ての権利があります。そして、ぽんに危険がないように生活させる義務があります」
菜々「・・・・・・」
警備員A「誤作動の可能性も含め――」
菜々「分かりました。入ってください」
ガチャガチャ
ガチャ
菜々「どうぞ」
警備員A「失礼します」
警備員B「こちらの書類にサインをお願いします」
菜々「はいはい」カキカキ
―1週間後・歩夢の家―
ガチャ
「あはははっ」
歩夢「侑ちゃん?」
侑「あっ! あゆぽん、おかえりー」
歩夢「と・・・・・・せつ菜、ちゃん?」
菜々「歩夢さん! お邪魔しています!」
歩夢「久しぶりだね。誰だか分からなかったよ」ニコニコ
侑「菜々ちゃん、歩夢じゃなくてあゆぽんだよ」
歩夢「・・・・・・」
菜々「そう、ですか」
侑「菜々ちゃん?」 菜々「それよりもお土産を買ってきました!」ゴソゴソ
侑「わぁ! 高そうなお酒だね」
菜々「一緒に飲みましょう!」ドンッ
歩夢「侑ちゃんは少しだけだよ?」
侑「えー。私だって飲みたい時くらいあるのに」ムスッ
菜々「そうですよ! たまにはいいじゃないですか!」
侑「Hey,あゆぽん! おつまみ作って!」
歩夢「・・・・・・はーい」
菜々「・・・・・・」
―10分後―
侑「ふふふふふ」///
菜々「もう眠ってしまいましたね」
歩夢「ごめんね。侑ちゃん、昔から分解酵素レベルも赤ちゃんなの」
菜々「・・・・・・」
歩夢「私で良かったら少しだけ付き合うよ」
菜々「ありがとうございます」
トクトクトク
歩夢「せつ菜ちゃんがお酒好きだなんて意外だなー」
菜々「・・・・・・すみません。せつ菜と呼ぶのは止めてくれませんか?」
歩夢「あ、そっか。もうスクールアイドルじゃないもんね。ごめん」
菜々「・・・・・・はい」 菜々「歩夢さんは、歩夢さんですよね?」
歩夢「どういう事?」キョトン
菜々「侑さんはあゆぽんと呼んでいたので」
歩夢「うん。私は歩夢だよ」
菜々「愛称ですか?」
歩夢「それは、その、ちょっとだけ恥ずかしい事情があって・・・・・・」モジモジ
菜々「そうですか」ゴクゴク
歩夢「うん・・・・・・」
―2時間後―
菜々「突然お邪魔してすみませんでした」ペコリ
菜々「そろそろ帰りますね」
フラフラフラ
歩夢「大丈夫?」アセアセ
菜々「これくらい平気です。いつもの事ですから」
歩夢「いつも?」
菜々「今日は本当に楽しかったです。まるで、あの頃のようでした」
歩夢「侑ちゃんも楽しそうだったから、また来てあげてね」
菜々「はい」
ガチャ
菜々「ありがとうございました。それでは失礼します」ペコリ
バタン
―1か月後・昼―
侑「この前もいきなりだったけど、今日も突然だね」
菜々「すみません」
侑「ううん。私はいつでも暇だから大丈夫だよ」
菜々「・・・・・・侑さんは、私と同じで、イベント会社にお勤めですよね?」
侑「もう辞めたよ」
菜々「やはり、あの事故ですか」
侑「まあ、その話はいいじゃん。この前みたいに楽しい話しようよ」
菜々「そうですね!」
侑「って言っても、あゆぽんは仕事に行ってるからお茶くらいしか出せないけどね」
菜々「お構いなく。いただきます」ズズッ
侑「テレビでも見る?」
菜々「侑さん、大事な話があります」
侑「どうしたの? 正座なんてして」 明日で最終回の予定です
夕方頃に投下できるかもしれません
2人に不遇を強いてしまった理由はあとがきにでも書きます。 ここで切るなキレそう楽しみにしてるからなお前この野郎 おいおいおいおいおいおい
楽しみにしてます
頼むからハッピーエンドになってくれ...... ちょっとだけ恥ずかしい事情とかちょっとだけじゃ済まないだろこれ レンタルで8万だと…みんなお金持ちやな
かすぽん印税入って無さそうだし500円になりませんかね… > 菜々「ざーんねーんでしたぁー。優木せつ菜は死にましたぁー!」
ここすごい心が抉られるわ… 侑「・・・・・・どういう事?」
菜々「侑さんには、あゆぽんをプレゼントします」
侑「え、えっと、菜々ちゃんがなに言ってるのか分からないよ」
菜々「以前お邪魔した時、あゆぽんあゆぽんと呼んでいましたよね?」
侑「あー、うーん、うん。それは、なんていうか、遊びみたいな事で」
菜々「呼び方が問題なのではありません。侑さんは、歩夢さんをぽんとして扱っているように見えました」
侑「・・・・・・」
菜々「だから、侑さんには本物のあゆぽんをプレゼントします。その代わりに――」
侑「待ってよ!」ガタッ
菜々「はい」
侑「どうしてそれを私に言うの? 歩夢の事が好きなら歩夢に直接言えばいいじゃん!」
菜々「・・・・・・大切な友人に、恨まれたくありませんから」 侑「それじゃあ・・・・・・」
菜々「いいですか?」
侑「待って。私は働いてないから、あゆぽんだけプレゼントされても生活できないから困るよ。だから――」
菜々「私の部屋を使ってください。半年先までの家賃は振り込んでありますから」
侑「で、でも」
菜々「当面の生活費も出します」
侑「どうしてそこまでするの?」
菜々「・・・・・・」ウツムキ
侑「ねえ、話してよ」 菜々「侑さん達が、家族が羨ましいからです」
侑「私と歩夢は家族じゃないよ?」
菜々「一緒に住んで、一緒にご飯を食べて・・・・・・。もう家族みたいなものじゃないですか」
侑「・・・・・・そう言われるとそうかも」
侑「でも、菜々ちゃんにもお父さんとお母さんが」
菜々「いません」
侑「えっ」
菜々「勘当されました」
侑「・・・・・・え?」 菜々「私が就職活動をする時、どうしてもスクールアイドルやアイドルに関わる仕事がしたくて、思い切って両親に打ち明けたんです」
菜々「しかし、父は激昂して頭の血管が切れてしまい入院。お見舞いに行った時に縁も切られました」
菜々「両親は、安定した公務員や大企業に就職してほしかったみたいです」
侑「そんなのせつ菜ちゃんの自由じゃん!」
菜々「そうですよね。その時は私もそう思っていました」
侑「・・・・・・今は違うの?」
菜々「この世の中に中川菜々の身内はいません」
菜々「知人や友人がいても、愛してくれる人はいません。そんな私に生きている意味などあるのでしょうか」
侑「あるよ!」
菜々「分かっています。でも、1人で居ると、街中で親子を見つけると、嫌でも考えてしまうんです」 侑「そうだ。ぽんがあるよ!」
菜々「ロボットが人の代わりになれるとでも?」
侑「そんな言い方しなくても・・・・・・」アセアセ
菜々「実は、かなぽんを購入した事もありました」
侑「彼方ちゃんモデルだね。すごい人気だし、良かったよね?」
菜々「なに言ってるんですか? あんなの彼方さんの足元にも及ばない不良品でしたよ」
侑「菜々ちゃん、一旦落ち着こう?」
菜々「・・・・・・見た目が彼方さんな分だけ、思い出話ができなくて虚しくなりました」
菜々「私は家族が欲しい。だから、歩夢さんが欲しいです!!」 侑「それならさ、結婚相談所とか行ってみるのはどう?」
菜々「どうしても歩夢さんは譲れない。そういう事ですね?」
侑「そうは言ってないよ。でも、結婚したいだけなら歩夢じゃなくても」
菜々「年収300万、アラサーのメシマズ女オタクが、簡単に結婚できるとでも?」
侑「それは・・・・・・えっと、運命の人を見つける事ができれば、ね?」
菜々「私がこうなったのには、侑さんにも責任があります」
侑「いやいやいや」
菜々「スクール同好会を廃部にすると決めた時、私は諦める決心をしていました」
菜々「もうステージに立つ事も衣装を着る事もない」
菜々「そのあとに何があったかは・・・・・・覚えていますよね?」
侑「・・・・・・うん」
菜々「お願いします」ペコリ
菜々「侑さんのような方にも尽くしてくれる優しい歩夢さんが、私には必要なんです!」
侑「歩夢がいいなら・・・・・・いいよ」
菜々「ありがとうございます!!」
―夜・歩夢の家―
ガチャ
歩夢「侑ちゃん? また真っ暗の中でゲームしてるの?」
パチッ
菜々「おかえりなさい」
歩夢「きゃあっ!?」
菜々「大丈夫ですか?」
歩夢「せつ、菜々ちゃん? 侑ちゃんは?」
菜々「いませんよ」
歩夢「出かけてるの?」
菜々「そうではありません。私の家にいます」
歩夢「・・・・・・どういう事?」
菜々「侑さんにはあゆぽんをプレゼントしました」
菜々「その代わりに、私と歩夢さんが付き合ってもいいという承諾をいただきました」
菜々「好きです! 私と付き合ってください!」ペカー
歩夢「ふっ、なに言ってるの?」
菜々「侑さんは、歩夢さんよりあゆぽんを選んだんです」
歩夢「菜々ちゃんのお家はどこ?」
菜々「それよりも、これからデートに行きませんか?」
歩夢「どこ?」
菜々「行っても無駄ですよ」
歩夢「菜々ちゃんこそ無駄な事はやめて」
菜々「私にはチャンスすらありませんか?」
歩夢「ないよ」
菜々「・・・・・・分かりました。それなら、これからデートに行きませんか?」
歩夢「しつこいなぁっ! 私は侑ちゃんが」イラッ
菜々「最初で最後のデートに」
歩夢「・・・・・・」
―お台場・海辺―
ザザァー
菜々「・・・・・・」
歩夢「どうせデートするなら、もうちょっと明るい所が良かったな」
菜々「すみません。どうしてもここに来たかったんです」
歩夢「私じゃなきゃダメなの?」
菜々「・・・・・・分かりません」
歩夢「・・・・・・」
ビュオォー
菜々「これをどうぞ」スッ
歩夢「菜々ちゃんの住所?」
菜々「はい」
歩夢「これ、いつ書いたの?」
菜々「ははっ。聞かないでください」
歩夢「何があったかは知らないけど、侑ちゃんにだけは迷惑かけないで」
菜々「・・・・・・」
歩夢「バイバイ」
タッタッタッ
菜々「さようなら」ボソッ
ドボーンッ
―病院―
菜々「んっ・・・・・・ここ、は?」ボーッ
看護師「あっ、まだ起き上がらないでくださいね」
菜々(びょう、いん?)
看護師「先生」
シャッ
医者「うん。外傷は見当たらないけど具合はどう? 気持ち悪いとか、どこか痛いとかある?」
菜々「ない、です」ボソッ
医者「それなら自分で立てるようになったら帰っていいよ」
菜々「・・・・・・」コクン
医者「なにか気になる事があったら、この病院を受診してね。カルテが残ってると話が早いから」
菜々「・・・・・・ありがとう、ございます」
医者「お大事に」ニッコリ
シャーッ
菜々「はぁー」
―1時間後―
菜々(そろそろ大丈夫でしょうか)
スクッ
看護師「中川さん?」
菜々「あっ、すみません。もう大丈夫です」
看護師「ご家族の方がお見えですよ」
菜々「!!」
看護師「入ってもらっていいですか?」
菜々「・・・・・・はい」ソワソワ
シャッ
かなぽん「菜々ちゃん、大丈夫〜?」チラッ
菜々「・・・・・・どうして、ですか」プルプル
かなぽん「これを渡してほしいって頼まれたんだよー」
スッ
菜々「誰からの手紙ですか?」
かなぽん「・・・・・・」ニコニコ
菜々「はぁー」ゴソゴソ
せつ菜さんへ
かなぽん、気に入らなかった? でも可哀想な事はやめてあげてね。
迷惑かもしれないけど、ナチュラルトークモードのオプションを付けたかなぽんをあげる。
かなぽんからも話してくれるから、少しはせつ菜さんの役に立てると思う。
ぽんはぽん、人は人。
ぽんは人の代わりにはなれない。でも、人の心に寄り添う事はできる。
要らなかったら連絡してほしい もっと改良するから。
000-0120-XXXX
天王寺璃奈 いや自殺未遂なら長期入院必要でしょ( ; ; )
生きててよかった 菜々「余計なお世話です」チラッ
かなぽん「・・・・・・」ニコニコ
菜々「・・・・・・すみませんでした」ペコリ
かなぽん「・・・・・・」ニコニコ
菜々「なんでもありません」
菜々「Hey,かなぽん。帰りましょうか」
かなぽん「はぁ〜い♪」
―菜々の家―
ガチャ
菜々「ただいま・・・・・・って誰も――」
あゆぽん「おかえりなさい」ニッコリ
かなぽん「ただいまぁー」
菜々「・・・・・・」
ツンツン
かなぽん「かなぽん、お腹空いたよー」
菜々「そうですね」
グゥ
あゆぽん「ふふっ、お腹が空いてるみたいだね」
あゆぽん「今日のご飯は何にする?」
菜々「作ってくれるんですか?」
あゆぽん「そのつもりだけど、ダメかな?」チラリ
菜々「お願いします」テレテレ
バタン
―ちょっと前・歩夢の家―
侑「ひぐっ、えぐっ」ズビズビ
歩夢「・・・・・・」
侑「ごべんっ、ごべんなざーいっ」
歩夢「私ね、久しぶりに怒ってるんだよ?」
侑「う゛う゛う゛う゛っ」
歩夢「私のこと嫌い?」
侑「う゛う゛ん゛ん゛」フルフル
歩夢「はぁー」
侑「・・・・・・」グスン
歩夢「侑ちゃん、そろそろ働いてみない?」
侑「もう働いてるよ?」キョトン
歩夢「・・・・・・」ジーッ
侑「あゆぽんが居ない間の家を警備する仕事。結構忙しいよ」ニコニコ
歩夢「そうなんだね」ニッコリ
侑「うん!」ホッ
歩夢「・・・・・・」
侑「あー、たくさん泣いたらお腹空いちゃった」
侑「Hey,あゆぽん! なにか夜食作ってー」
歩夢「・・・・・・」
侑「あゆぽん?」
歩夢「・・・・・・」
侑「バッテリー切れ?」ジーッ
歩夢「ぽんぽんごっこは、もう終わりだよ」
侑「・・・・・・働くの、怖い」
歩夢「あの事件は突発的な竜巻とテント固定の不備が原因でしょ?」
歩夢「慕ってた先輩が逮捕されたりして辛いのも分かるけど、侑ちゃん自身は悪くない」
侑「でも、私だって運営チームの1人だった・・・・・・。責任者が先輩だっただけで、私にも責任があるよ」
歩夢「だけど、設営班でも出店担当でもなかったよね?」
侑「そうだとしても! 次は私のミスで誰かが傷つくかもしれない! そうなるくらいなら・・・・・・」
歩夢「ついさっき、侑ちゃんのせいで私の心が傷ついたよ?」
侑「・・・・・・ごめん」ウツムキ
歩夢「あーあー、私、侑ちゃんに捨てられたかと思って、すっごく傷ついちゃったなー」
侑「本当にごめん! でも、でも・・・・・・」ブルブル
歩夢「うーん、それなら――」
―キッチン―
歩夢「Hey,ゆうぽん。お米研いでね」
侑「・・・・・・あっ」
パラパラパラ
歩夢「もう、こんな事も出来なくなっちゃったの?」
侑「ごめん」シュン
歩夢「いいよ。ゆっくり練習していこうね」
侑「・・・・・・あゆぽん、今までありがとう」ボソッ
歩夢「私は歩夢だよ?」フフッ
侑「もう、絶対に手放したりしないから」
歩夢「それってプロポーズ?」
侑「あっ! ち、ちがくて!」///
歩夢「えー、違うの?」ニマニマ
侑「もう! もう!」///
歩夢「Hey,ゆうぽん。ちゃんと教えて?」
侑「・・・・・・また今度」ボソッ
歩夢「楽しみに待ってるね♡」
―西木野総合病院・集中治療室―
「・・・・・・」パチリ
「先生ッ!!」
真姫「調子はどう? って喋れないわよね」フッ
「血圧、脈拍ともに異常ありません」
真姫「引き続き、監視を続けなさい」
「はい」カキカキ
「・・・・・・」
真姫「ここからは、あなたが頑張る番よ」
―1年後―
「どう?」
「完全復活とまではいかないかー」
「1年で車椅子に座れるようになっただけでも立派よ」
「そろそろ外に出てもいい感じ?」
「・・・・・・先生に聞いてみるわね」
「りなりー、元気にしてるといいなー」
―さらに1ヶ月後・家の前―
侑「ねえ、本当に私達が先に会っちゃって良かったの?」
「これは、りなりーへの罰、かな?」
菜々「罰ですか?」
「そーそー、アタシを放ったらかしにしてなにやってんだー、ってね」
侑「璃奈ちゃんは、璃奈ちゃんなりに頑張ってたんだと思うけど」
「それでもだって! アタシ怒ってるかんねー!」
菜々「笑っているように見えますけど」
「せっつー! ゆうゆ! 行くよ!」
侑「ああ!? 自分で車椅子動かしちゃダメだってば!」
ガチャッ
侑「!!」
菜々「!!」
璃奈「人の家の前で騒がないで」
「・・・・・・」
璃奈「・・・・・・」ジーッ
「りな――」
璃奈「帰ってっ」
バンッ
菜々「怒られちゃいましたね」シュン
「ゆうゆ、この鍵でドア開けてくれる?」スッ
侑「勝手に入っていいの?」
「婚約者の家だよ? 入っていいに決まってるじゃん」ギロリ
菜々「・・・・・・」ビクビク
侑「わ、分かった」プルプル
ガチャリ
侑「押すね」
「ううん。1人で大丈夫だから」
バタン
菜々「私達はどうしましょうか」
侑「帰ってお酒でも飲もうよ。あの2人なら大丈夫だと思うから」
菜々「それもそうですね」
―璃奈の家―
「・・・・・・」ジリ ジリ
璃奈「・・・・・・」カタカタカタ
あいぽん「・・・・・・」
「・・・・・・あっ」(段差が)
グイッグイッ
「くっ」
スッ
「えっ」クルッ
あいぽん「・・・・・・」
「ありがとー」ヒソヒソ
あいぽん「・・・・・・」ウィンク
璃奈「愛さん、本とって」
あいぽん「・・・・・・」
璃奈「愛さん?」クルッ
「久しぶりだね」
璃奈「・・・・・・愛さん、本とって」チラッ
あいぽん「これ?」スッ
璃奈「うん。ありがとう」
「はぁー、すぅー・・・・・・よっと!」スクッ
ヨタ ヨタ ヨタ
璃奈「・・・・・・」カタカタカタ
パソコンに向かう璃奈の背後から、もたれかかるようにして力一杯に抱きしめた。
「ただいま、りなりー」
カタッ・・・
璃奈「もう、やめて」ポロポロ
「りなりー?」
璃奈「愛さんは・・・・・・私の愛さんは・・・・・・もう、いないの」フキフキ
「ここにいるってば」
璃奈「ダメ。薬、飲まなきゃ」ガタッ
「うわあっ!?」
ドスン
「もう! 急に立ち上がるなー!」
璃奈「・・・・・・誰?」
「分からない?」
璃奈「・・・・・・」ジーッ
「りなりーのこと、ずっと愛してるよ」
璃奈「愛だけに・・・・・・」ボソッ
「プロポーズの言葉は覚えててくれたー」ホッ
璃奈「・・・・・・」ジーッ
ペタペタペタ
「んっ! なに、こそばゆいって」
璃奈「幻覚・・・・・・じゃない?」
「・・・・・・うん。もっと触って」
璃奈「愛さんっ!」ガバッ
ギューッ
あいぽん「・・・・・・」
―
――
――― 璃奈「私のおかげで愛さんが治ったの?」
愛「マッキーせんせーは、そう言ってたよ」
愛「りなりーの作った”ぽん”をいち早く病院に導入した事が評判になって、すごく儲かったんだってー」
璃奈「どういう事?」
愛「資金が増えたのと、ぽんが看護師さんの手伝いをできるようになったから」
愛「それで、手の空いた看護師さんがマッキー先生の研究の手伝いができるようになって、研究が予定より早く進んだ、だってさ」
璃奈「なんとなく分かった気がする」
愛「さすがりなりー」 璃奈「そんな事になってるなんて知らなかった」
愛「あれ? そうだったの?」
璃奈「うん」
愛「それならさ、どうしてこの子達を作ったの?」
あいぽん「・・・・・・」
璃奈「ちょっと待ってて」
あいぽん「アタシが取って来てあげるよ?」
璃奈「ううん。自分で取ってくる」ゴソゴソ
愛「ふーん」ジーッ
璃奈「これ」スッ
愛「これってスマートスピーカーじゃん」
ポチッ
『ちぃーす! おひさ! 愛さん寂しくて死んじゃいそうだったよー』
愛「お、おー」
璃奈「この子が、一番最初のぽん」
愛「ずっと気になってたんだけどさー、”ぽん”ってなに?」
璃奈「・・・・・・怒らない?」
愛「怒らないに決まってるっしょ」ニコニコ
璃奈「・・・・・・」 愛「どーいうこと?」
璃奈「事故の後、ずっと寂しかった。愛さんがいない事に耐えられなかった」
愛「どーして周りを頼らなかったん?」
璃奈「頼っても愛さんは帰ってこない。愛さんが帰らない限り、この心は癒えないと思ってた」
愛「また自分の殻に閉じこもっちゃったかー」アセアセ
璃奈「耐え切れなかった私は、市販のスマートスピーカーの声を愛さんにした」
愛「それがこの子だね」ナデナデ
あいぽん1「・・・・・・」
璃奈「合成音声だけど、グローバルネットワークとローカルフォルダにある愛さんの全データをディープラーニングさせた」
璃奈「言葉選び、イントネーション、アクセント、他にもたくさんの事を愛さんに似るように指示した」
璃奈「完成した時には、目をつぶると愛さんが家に居てくれるように感じて嬉しかった」
愛「お、おう」
璃奈「でも、今みたいに滑らかに歩けないから、優しく人の話を聞いて、相槌を打って、たまに冗談を言って笑わせてくれる。そんなお喋りロボットの予定だった」
璃奈「試作品はあいぽん1のデータが使われた」
璃奈「それを見た時から、私はおかしくなったんだと思う」
愛「そんなに似てたかー」
璃奈「そっくりだった」
璃奈「あいぽん3になって、しずくちゃんの声が当てられて業務用として販売された」
璃奈「その頃には、あいぽんの研究チームが成果をあげていて、さらに人間味が増していた」
愛「そのチームリーダーって・・・・・・」
璃奈「私」
愛「もー、研究熱心過ぎだってば」
璃奈「でも、めちゃくちゃ売れた。研究所の予算は倍増、研究がさらに早く進むようになった」
愛「まあ、みんな癒されたって言ってたらしいからねー」
璃奈「体を作ってくれた会社の開発も進んでて、あいぽん4になる頃には今とほとんど変わらない姿になってた」 愛「はい! 天王寺博士に質問!」スッ
璃奈「なに?」
愛「愛さんモデルは販売されてないよね?」
璃奈「うん。本人の許可が得られなかったから」
愛「だよね・・・・・・。なら、この子は?」
あいぽん「・・・・・・」
璃奈「あいぽん4の体を作る時、内緒で作ってもらった」
愛「世界に1つだけのぽん?」
璃奈「フルオーダーメイドだからそうなる」
愛「はぇー」ジーッ 愛「もう1つだけ!」スッ
璃奈「なに?」
愛「どうして”ぽん”って付けたの?」
璃奈「ただの開発こーどネーム。あとは――」
璃奈「語感が良い」
愛「それだけ?」
璃奈「それだけ」コクン
璃奈「音象徴でのパ行は、人に好かれやすい音みたい」
璃奈「なんとなくだけど、愛さんの事を指してるような気がして気に入った」
愛「たしか、フランス語では橋って意味だったっけ」
璃奈「・・・・・・うん。そういう意味でも、”ぽん”で良かったと思う」
璃奈「あいぽんは、体は4だけど、中身は常にバージョンアップしてる」
璃奈「でも、これだけ近付いても私は愛さんを求めた」
璃奈「その内に幻覚が見えてくるようになって・・・・・・今は病院から薬をもらってる」
あいぽん「・・・・・・」
璃奈「だから、幻想。最初は愛さんを作りたかった。でも、あいぽんはどこまでいってもあいぽんだった」
あいぽん「・・・・・・」 愛「キミもこっちおいでよ。りなりーが心配なんでしょ?」ニコニコ
璃奈「あいぽん、こっちに来て」
トコトコトコ
愛「私の代わりに今までりなりーを支えてくれてたんだね。ありがとー!」ナデナデ
あいぽん「なんて事ないって」ニコニコ
璃奈「照れてる」
愛「あははっ。愛いやつめー」ナデナデ
あいぽん「ストップストップ! 髪型崩れちゃうからストップー!」アセアセ
愛「うーん、アタシってこんな風に笑うんだ」ジーッ
璃奈「最初はもっとぎこちなかった気がする」
愛「うんうん。りなりーと打ち解けていったって事だね」
璃奈「それもある」
愛「ん?」
あいぽん「2人ともコーヒー飲む?」
璃奈「うん」
愛「さっすがアタシ! 気が利くじゃーん」
トコトコトコ
璃奈「最近は、何も言わなくても私の言いたい事が分かるようになったみたい」
愛「へー、そんな機能まで付いたんだ」
璃奈「直接はなにもしてない」
愛「どーいうこと?」
璃奈「販売されてる”ぽん”は、モデルになった人をマネしてるだけ」
璃奈「その人が過去にとった言動を学習。声をかけられたり状況を判断して、学習した中から最適なものを選択して動いてる」
璃奈「反応パターンは膨大にあるけど無限じゃない」
璃奈「だから、プログラム以外の事はできないし、絶対に誰かを傷つけたりもしない」
愛「この子もそうじゃないの?」
璃奈「あいぽんは常にバージョンアップしてる」
璃奈「最初だけは、私が”愛さんならこう言う””愛さんならこうする”って全部学習させてきた」
璃奈「それからディープラーニングを重ねて、今では自分でバージョンアップしてる。プログラム外の事もするようになった」
璃奈「私は、アップデートの中身はチェックしてるだけ」
愛「・・・・・・それってヤバイやつなんじゃ」
璃奈「大丈夫。愛さんは、誰かに危害を加えたりしない」
愛「あはは。そこまで信用されてると、逆に私の方が心配になってきちゃうって」アセアセ 璃奈「愛さんは、あの時のこと覚えてる?」
愛「おぼろげだけどね。でも、りなりーを守れたって事はハッキリ覚えてるよ!」
璃奈「あの時、私を庇ってくれてありがとう」
愛「どーいたしまして」ニッコリ
―――
――
―
―3ヶ月後―
「――璃奈は、あなたは愛を妻とし、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くす事を誓いますか?」
璃奈「誓います」コクン
「――愛は、あなたは璃奈を妻とし(ry」
愛「誓います」
「それでは、誓いのキスを」
愛「すごく綺麗・・・・・・」ボソッ
璃奈「うれしい」ジーッ
愛「璃奈のこと、これからも愛し続けるよ」
璃奈「愛だけに」スッ
「んっ」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ
あいぽん「ひゅーひゅー」パチパチ
歩夢「素敵・・・・・♡」ボーッ
―翌日・歩夢の家―
歩夢「はあああぁーーーっ」
侑『・・・・・・また今度』ボソッ
歩夢『楽しみに待ってるね♡』
『楽しみに待ってるね』
『待ってるね』
歩夢(あれから1年半)
歩夢「侑ちゃん、いったいいつまで待ってればいいの・・・・・・」シュン
ガチャ
侑「あゆむー、ただいまー」
歩夢「あっ、おかえりなさい」アセアセ 侑「疲れた―」グッタリ
歩夢「おかえりなさい。すぐにご飯作るね」
侑「こ、こほん」ドキドキ
歩夢「??」キョトン
侑「Hey,歩夢! ご飯作ってー」
歩夢「またぽんぽんごっこ?」
侑「久しぶりにやってみたくなって」
歩夢「もう、恥ずかしいよー」
侑「たまにはいいじゃん」
歩夢「Hey,ゆうぽん。先にお風呂入ってきてね」
侑「はーい」
侑「Hey,歩夢! 今日のハンバーグもおいしいYo!」
歩夢「ふふっ、ありがとう」
歩夢「ゆうぽんも、お仕事お疲れ様」
侑「Hey,歩夢。食べさせてー」
歩夢「もう、しょうがないなぁ」
侑「あーん」モグモグ
歩夢「Hey,ゆうぽん。私にも食べさせてくれる?」
侑「はい、あーん」
歩夢「んっ♡」モグモグ
侑「おいしい?」
歩夢「うんっ」
侑「お腹いっぱい」ゴロン
歩夢「すぐ横になると体に悪いよ」
侑「Hey,歩夢。お皿洗ってー」
歩夢「・・・・・・明日は侑ちゃんの番だよ?」カチャカチャ
侑「Hey,歩夢。テレビつけてー」
歩夢「もう」ピッ
侑「Hey,歩夢! デザート食べたい」
歩夢「アイスクリームしかないよ?」
侑「Hey,歩夢!」
歩夢「もう! 今度はなに?」 ”あったかもしれない未来のおまけ”
店員「どのような”ぽん”をお探しでしょうか?」
「・・・・・・」
店員「どちらのぽんもオススメですよ」
「ヒトリダケナンテエラベナイヨー」
店員「そんな方には9ぽん全種購入特典をご用意しております」
「すごい!」
店員「なんと! ぽんと連結して電車ごっこが楽しめるセット(ロープ)が付いてきます!」
「やっぱりあぐぽんかな」
「ふっ、勝ったな」キリッ
お わ り シリアスだったのに最後の圧に負けて笑ってしまった 長編乙 以上で物語は終わりです。
長文になってしまった。
即死回避に協力してくれた方、最後まで読んでいただいた方、レスをくれた方、本当にありがとうございました。前スレからの方はさらに感謝です
SSで歩夢を書いていると、歩夢を書いているのかあぐぽんを書いているのか分からなくなった事から発想を得た話でした。
あとで、ボツになった話を供養を兼ねて埋没させにきます。 超面白かった
歩夢がせつ菜に当たり強くて辛かったけど歩夢も余裕なかったんだろうな… 乙
終わりかたもよかった
いいもの見させてくれてありがとう なんか独自のアップデートを重ねたあいぽんがもはや愛としての自我を持ってて自分の居場所を守るために愛を殺そうとする未来が見える…見えるぞ
なにはともあれ乙! せつ菜ちゃんが辛かったけどすごい大作だった
前スレ楽しんでたからまた書いてくれて嬉しかった アニガサキ振りに涙出たわ
それぞれのメンバー毎のぽん事情を描きながら最後オチもキレイにつけて面白かった
最後の侑ちゃんのセリフカッコイイよ しずく「かすみさんさえ良ければ、私がローン返済を肩代わりしてあげてもいいよ」
かすみ「それはダメ。このしず子は私が責任を持って面倒みるから」
しずく「それなら、ここに住む?」
かすみ「へ?」
しずく「一部屋余ってるから使っていいよ」
かすみ「部屋が余ってる??」
しずく「どうかした?」
かすみ「いえ、聞き慣れない言葉だったから意味が分からなかっただけで」アセアセ
しずく「家賃の代わりってワケじゃないけど、私が帰れない時は、かすぽんの相手をしてあげてくれる?」
かすみ「私はいいけど、私のしず子も居て大丈夫かな」
しずく「私とかすみさんでしょ? 大丈夫だよ」 璃奈「ただいま」
あいぽん「おかえり、りなりー」
璃奈「ふう」
あいぽん「買い物疲れた?」
璃奈「ううん。これくらい平気」
あいぽん「愛さんに言ってくれれば、荷物くらい持ってあげたのに」
璃奈「それはダメ」
あいぽん「りなりーならそう言うと思ったよ」 彼方「彼方ちゃんにはね、はるぽんにそっくりな妹がいるの」
彼方「でもねぇ、私はお姉ちゃんだから甘えられなにも甘えたい時だってあるんだよ〜っ」ギュッ
はるぽん「たくさん甘えていいよ?」ナデナデ
彼方「ごめんね。遥ちゃんの代わりみたいに言っちゃって」
遥「任せてっ」
彼方「遥ちゃんのお姉ちゃんっぷりに、嬉しいやら悲しいやら〜」
遥「そこは喜んでよ、もう」
コトコトコトッ
はるぽん「・・・・・・」
彼方「・・・・・・」
はるぽん「私達は大事な人の代わりになんてなれない」ボソッ
彼方「はる、ぽん?」
はるぽん「傷が癒えるまでのつなぎ」 >>150-
彼方「彼方ちゃんにはね、はるぽんにそっくりな妹がいるの」
彼方「でもねぇ、私はお姉ちゃんだから甘えられなにも甘えたい時だってあるんだよ〜っ」ギュッ
はるぽん「たくさん甘えていいよ?」ナデナデ
彼方「ごめんね。遥ちゃんの代わりみたいに言っちゃって」
はるぽん「・・・・・・」
彼方「・・・・・・」
はるぽん「私達は大事な人の代わりになんてなれない」ボソッ
彼方「はる、ぽん?」
はるぽん「傷が癒えるまでのつなぎ」
>>157-
遥「任せてっ」
彼方「遥ちゃんのお姉ちゃんっぷりに、嬉しいやら悲しいやら〜」
遥「そこは喜んでよ、もう」
コトコトコトッ 歩夢(あれから1年半)
歩夢「侑ちゃん、いったいいつまで待ってればいいの・・・・・・」シュン
歩夢「あっ! そうだ」ガタッ
―璃奈の家―
璃奈「帰って」
歩夢「お願い!」
愛「あのさー、あんまりこういうこと言いたくないんだけど、アタシら新婚なんだけど」
歩夢「おめでとう!」
璃奈「それは、昨日たくさん言ってもらった」
歩夢「お願い! ゆうぽん作って!」
璃奈「本人の同意なしに製造する事はできない」
愛「・・・・・・」
歩夢「じゃあ、侑ちゃんに似てるぽんでもいいよ」
璃奈「毛先を緑に染めてるぽんはいない」
歩夢「・・・・・・」グスン あいぽん「お茶でも飲んで落ちゃ着いて」
コトッ
愛「苦しい! 30点」
あいぽん「・・・・・・」シュン
璃奈「・・・・・・話なら聞く」
歩夢「ありがとう」ウツムキ
〜〜〜
愛「1年半も? それは辛いっしょ」
歩夢「そうだよねっ」
璃奈「本当に好きなら10年でも待てる」
愛「もう、愛さん愛されすぎー」ギュッ
璃奈「でも、もう待たせないでね」
愛「おけまる!」ビシッ
歩夢「今から10年も待ってたら、おばさんになっちゃうよ!」
璃奈「私は、愛さんがおばさんになっても好き」
愛「アタシも」ジーッ
璃奈「愛さん」ジーッ
歩夢「私の話を聞いてくれるんじゃなかったのっ」ガタッ
あいぽん「――――」ヒソヒソ
璃奈「それいい」
歩夢「え? なに?」
璃奈「ゆうぽん、作ってあげる」
歩夢「!!」パアァ
璃奈「今日の夜、またここに来て」
歩夢「ありがとう!」
―夜・璃奈の家―
ピンポーン
ガチャ
歩夢「あっ、り――」
侑「・・・・・・」
歩夢「ゆうぽん!?」
璃奈「こんばんは」ヒョコ
歩夢「こんばんは。無理いってごめんね」
璃奈「気にしなくていい」
璃奈「歩夢さんは、ぽん処女?」
歩夢「うん」
璃奈「起動方法は」
歩夢「Hey,ゆうぽん。だよね?」
璃奈「そう。急ぎだったから標準機能しか付いてないけど我慢して」
歩夢「ううん。本当にありがとう」
璃奈「それじゃあ、あとは好きにして」
歩夢「Hey,ゆうぽん。一緒に帰ろ」
侑「うん」テクテク
歩夢「ふふっ♡」
ピトッ
侑「!!」ビクッ
歩夢「大好きだよ」ボソッ
―歩夢の家―
ガチャ
歩夢「Hey,ゆうぽん。ただいま」
侑「おかえり、歩夢」ニッコリ
歩夢「はあぁー、なんだかこうするのも久しぶりだね」
侑「そ・・・・・・??」キョトン
歩夢「って、ゆうぽんに言っても分からないよね」シュン
侑「あ、あゆむー? たくさん私に甘えていいんだよ?」
歩夢「たくさん、甘える?」
侑「うん」
歩夢「私が、ゆうぽんに?」
侑「うん!」ニッコリ
歩夢「・・・・・・Hey,ゆうぽん」
侑「どうしたの?」
歩夢「お腹空いたから、ゆうぽんのご飯が食べたいなー」
侑「任せて!」キリッ
テクテク
歩夢「あっ! 待って!」
侑「ん?」クルッ
歩夢「んっ」モジモジ
スッ
侑「手、繋ぐの?」
歩夢「うん」モジモジ
侑「家の中なのに?」
歩夢「・・・・・・ダメ?」///
ギュッ
―リビング―
歩夢「Hey,ゆうぽん。膝枕してほしいなー」
侑「いいよ」
ボスン
歩夢「んふふー♪」スリスリ
侑「・・・・・・」ゾワゾワ
歩夢「すごい、本当に侑ちゃんのお膝みたい」ナデナデ
侑「・・・・・・」
歩夢「侑ちゃん・・・・・・」グスン
侑「あゆ――」
歩夢「すぅ、すぅ」
ナデナデナデ
―夜中―
ポンポン
歩夢「ん、んーっ」
ポンポン
歩夢「侑ちゃん?」ゴシゴシ
侑「Hey,歩夢――」
「私と結婚して」
歩夢「・・・・・・」ボーッ >>131
西木野「今の医学では治せない。それは医者の1人である私にも責任がある事」
璃奈「・・・・・・」
>>166-
―西木野総合病院―
母「愛の体で実験、ですか?」
真姫「正確には未承認の方法で手術を行うだけよ」
父「だけ、って・・・・・・」
真姫「それ相応のリスクを伴うわ。愛さんも、私達も」
母「先生も、ですか?」
真姫「あなた達もよ」
父「えっ?」
真姫「未承認というのは、安全な手順が確立されていなかったり、安全性が確認されていないから」
真姫「そんな勝手な事をすれば、私の医師免許は剥奪されるでしょうね」
真姫「それに、そんな方法だと知っていたにも関わらず頷いた両親も矢面に立たされるかもしれないわ」
母「あの、それではどうしてそのような話を?」
真姫「バレなきゃいいのよ」
「・・・・・・」 侑「ここが歩夢の家だよ」ガチャ
あ「歩夢ちゃん? 侑ちゃんじゃなくて?」
侑「うん」
あ「本当だ。歩夢ちゃんが好きそうなインテリアがたくさんあるね」
侑「そういえば、あゆぽんの事も知ってるの?」
あ「もちろんだよー」
バタン
侑「それじゃあ、早速・・・・・・こほん」
侑「HEY,あぐぽん。ご飯作って」
あ「はーい」テクテク
侑(大丈夫かな)
〜〜〜
侑「おいしい!」モグモグ
あ「良かったぁ」フリフリ
侑「え? なにかけてるの?」
あ「一味唐辛子だよ」
侑「・・・・・・そのくらいでやめておいた方がいいんじゃない?」
あ「今日は辛いもの食べたい気分なんだ。侑ちゃんも食べてみる?」
侑「う、ううん。私は自分の分があるから・・・・・・」アセアセ
あ「いただきまーす」モグモグ あ「お風呂上がったよー」
侑「・・・・・・」ポチポチ
あ「なにしてるの?」
侑「ゲームだよ」ポチポチ
あ「ふふん、私も結構スマホゲームやってるんだー」ポチポチ
侑「あぐぽんはどんなのやってるの」
あ「ふわふわしたやつが多いかなー」米
あ「侑ちゃんは?」
侑「リズムゲームだよ」ポチポチ
あ「ふーん」 侑「そうだ。あぐぽんはゲーム好きなんだよね?」
あ「それなりにはする方かな?」
侑「それならさ、テレビゲーム一緒にしようよ」
あ「いいよ。あつ森?」
侑「あゆぽんは一緒にやってくれないんだよね」
ポチッ
テレビ「ヴァアアアッ!! キャアアァ!!」
あ「!!」
侑「あっ、怖いやつだけどあぐぽんは平気?」
あ「もう! 先に言ってよ!」バシッバシッ
侑「ご、ごめんって」
あ「あぐりアングリ―ッ!」バシバシッ
侑「じゃあ、こっちの対戦ゲームにしようよ」ゴソゴソ
あ「ホラーじゃない?」
侑「可愛いゲームだよ」
あ「それなら・・・・・・」
〜〜〜 あ(全然勝てない)
侑「うーん、えいっ!」
あ「・・・・・・侑ちゃん?」
侑「ん? なに?」
あ「あっ! 伝説のスクールアイドルが空飛んでる!」ビシッ
侑「えっ!?」クルッ
ドカーン
あ「わーい! 勝ったー!」
侑「ズルなんてダメだよ!」
あ「ず、る・・・・・・?」キョトン
〜〜〜
あ「お腹いたい・・・・・・」
侑「あんなに一味かけるからだよ!」 最後にあとがきを埋めて終わりにします。
次のレスから始めます。
当然ですが、愛もせつ菜も嫌いだから不遇だったわけではなく、物語の都合上で必要な部分だったはずです。
ぽんは、ダッチワイフではない事、セキュリティがある事、「人にはなれない」事を自覚している璃奈。あとは明確なロボット発言が欲しかったなどです。
ただ、ぽんの存在を明確にする為の事を菜々に振り当て過ぎてしまった事は反省しています。
愛さんの怪我は、ぽんが誕生するきっかけ作りに必要でした。
初期設定では、脳死してしまった愛さんの脳を新しい脳(AI)に置き換える為に、璃奈は愛さんと交流のあった9人のぽんを勝手に作り、それぞれのメンバーに配布してデータ収集を行う。というものでした。
他にも愛さんの病名などを考えようとしていたのですが、難しすぎて諦めました。
その結果、不慮の事故に遭った璃奈を庇って脳に損傷を負ってしまったが、Dr.マッキーのおかげで治ったぜ!という曖昧なものになりました。
年齢などについても直接言及しないようにしたのも、璃奈が博士になる頃が何歳かよく分からなかったのでボヤかしました。
色々と考えて、天才なんだから飛び級でいいか。という雑なものになりました。 前スレの本筋の話と比べては、コメディ?要素が少なくシリアス路線ではありました。
おそらく「こういうのじゃないんだよ。こういうのじゃ」と思っている方もいらっしゃるかと思います。
私が一番書きたかったのは、歩夢と侑がテンポ良く楽しげな会話をする話、です。それで前スレのSSになりました。
しかし、前スレにて”ぽん”の存在を気にされてる方が多く、”ぽん”の存在を明らかにする為の話がこのスレです。
どうせなら他のぽんの話も書こうと調子に乗った結果として、この長い話が出来上がりました。
それでも楽しかったとレスをいただき、本当にありがたい限りでした。私も書いていて楽しい作品にできたので良かったです。
愛が帰ってきた後のあいぽんの存在についてですが、愛と璃奈の幸せそうな雰囲気を察して1人で分解されに行く話。
古いボディから新しい物に交換するかどうか悩むあいりなの話。などいろいろ考えていましたがやめました。
人型ロボットと人の関係については、昔からあるテーマの1つであり、商業作品にもたくさんあります。私が改めて書く必要はないと考えました。
同じ理由で、倫理観や反対運動組織などを省きました。
最後に、改めて、物語を読んでくれた方に感謝します。。
そして、予定時間に遅刻した事、規制により正常な投稿ができなかった事など、本当にすみませんでした。
あぐぽんにぽんぽんって優しく叩かれて「朝だよ、起きて」って言われたいだけの人生だった。 ぽんは手厚く保護されてる描写あったし
「さあ起きて」 「「さあ起きて」」 「「「「さあ起きて」」」」
なんて事にはならなさそうで平和 めちゃくちゃ面白かったです
引き込まれました
ありがとう 没ネタバージョンのゆうぽむもこれで良いと思った
ぽんじゃなくて本人というのははるかなでもやってたけど
後、本編のしずくとかすみの話は微笑ましくてすごい癒やされたので感謝 しずく「はぁ、お二人とも素敵でした」
歩夢「うんうん。私、すっごく羨ましかったよ」チラッ
エマ「車椅子の愛ちゃんを気遣う璃奈ちゃん、健気で可愛かったよ〜」
しずく「歩けない愛さんに照れながら誓いのキスをする璃奈さん・・・・・・最高ですよね」ウットリ
歩夢「すっごく分かる! 普段は背の高い愛さんがリードしてて、璃奈ちゃんは必死に背伸びしてキスしてるよね」
歩夢「でも、まだ歩けないから、璃奈ちゃんの方からするしかなくて」
エマ「エモエモで尊みが天元突破だったよ〜」
しずく「分かります! あれはもう芸術の域でした」
歩夢「あー、私もいつか侑ちゃんと――」
エマ「果林ちゃんと――」
しずく「かすみさんと――」
「・・・・・・」
(できるかなぁ?)チラッ
―隣のテーブル―
侑「蟹おいしー!」モグモグ
かすみ「ちょっと侑先輩! 蟹ばかり食べないでくださいよ!」
侑「えー、先輩なんだから蟹くらい食べさせてよ」
かすみ「先輩なら我慢してください!」
果林「そんなにバクバク食べて大丈夫? 太るわよ?」
侑「うぐっ?!」
かすみ「・・・・・・たしかに」
侑「でもまあ、食べれる内に食べておかないとね!」
かすみ「そうですよ! しずぽんのローンがまだたくさん残ってるんですから、栄養つけて頑張らないと!」
果林「まあ、あなた達がそれでいいって言うなら止めはしないけど」 侑「果林さんは食べないの?」
果林「ええ。私の食事はエマに任せてるのよ」
かすみ「それってえまぽんの方ですか?」
果林「当たり前でしょ」フフッ
侑「同好会の頃から思ってたんですけど、果林さんとエマさんって仲良いですよね」
果林「ふふっ、侑と歩夢には負けるわよ」
侑「付き合ってるんですか?」
果林「まさか。私みたいなだらしないおバカさんは、エマとなんて釣り合わないわ」ニッコリ
かすみ「・・・・・・」モグモグ
侑「・・・・・・」モグモグ かすみ「侑先輩はどうなんですか?」
侑「え? なにが?」
かすみ「結婚ですよ。結婚」
侑「誰と?」
かすみ「歩夢先輩に決まってるじゃないですか! 一緒に暮らしてるんですよね?」
侑「あー、うん、まあ」
かすみ「もしかして喧嘩中でしたか?」
侑「ううん、そういうのじゃないんだけどね」
かすみ「それならすればいいじゃないですか」
侑「いや、その前には働かないと、ね・・・・・・」
かすみ「侑先輩なら大丈夫ですっ♪ かすみんが保障します♡」
侑「分かってるよ。分かってるけど、最近ね、歩夢からのプレッシャーがすごくて」アセアセ
かすみ「歩夢先輩が? 求人誌を突きつけられる、とかですかね」ウーン
侑「なんかね、目のつく所に置いてあるんだよね――」
侑「ゼク○ィが」
かすみ「・・・・・・」
侑「たま○クラブが、ひよ○クラブが」ビクビク
かすみ「頑張ってください」ボソッ
侑「・・・・・・うん」コクン
―隣のテーブル―
菜々「おめでとうございます!」
彼方「おめでとー」
愛「あはは。2人ともサンキュッ」
璃奈「ありがとう」
菜々「本当に、本当におめでとう、ございます」ウルウル
愛「お、大袈裟だってば」アセアセ
菜々「私も結婚じだい゛でずずう゛ぅ」ポロポロ
かなぽん「大丈夫?」ナデナデ
菜々「うわああっ」ギュッ 彼方「お料理の特訓はしてるんだけどねぇ」
愛「上達しないの?」
彼方「菜々ちゃんは、他の人よりおいしいって感じる幅が広いみたいなんだよね」
璃奈「なるほど」
彼方「レシピ通りは作れるんだけど、なかなか難しいねぇ」
菜々「彼方さん! 私と結婚してください!」
彼方「菜々ちゃんにはかなぽんが居るじゃない」
かなぽん「・・・・・・」
菜々「はっ!? ごめんなさい! もし結婚しても、かなぽんとあゆぽんは捨てませんからね!」
璃奈「嬉しい。嬉しいけど・・・・・・」
愛「結婚までの道のりは遠そうだねー」
彼方「でも、きっと大丈夫だよー。菜々ちゃんは可愛いからー」 菜々「そういえば璃奈さん」
璃奈「なに?」
菜々「どうして白髪をそのままにしてるんですか?」
彼方「あっ、それ彼方ちゃんも思ってた」
菜々「多くはないですけど、少し目立ちますよ?」
璃奈「これは・・・・・・」チラッ
愛「言っていいよ。むしろ言ってあげよーよ」ニマニマ
璃奈「・・・・・・分かった」モジモジ 璃奈「最初は染めようとしてたんだけど、愛さんに止められた」
菜々「どうしてですか? せっかくの結婚式ですよ? 一生に一度ですよ?」
愛「いやー、だってねー?」チラッ
璃奈「ガサガサになった肌も、ボサボサになった頭も、目の下のクマも、全部アタシを想って出来たものだから」
璃奈「その1つ1つがアタシへの愛の証。だから残しておきたい――」
「・・・・・・」
愛「さすがに肌とか髪は整えたけど、白髪くらいならいいかなーって」ニコニコ
菜々「ちょっと待ってください。今のセリフをメモするので、もう一度言ってください」カキカキ
彼方「使う時は来ないと思うよー」
璃奈「って、ベッドの中で言われた」
菜々「台無しじゃないですか!」バンッ
愛「近くで見て、やっと気付けたんだよね。でも、考えれば考えるほど嬉しくってさー」ニマニマ
璃奈「私も嬉しかった」 彼方「菜々ちゃんにも、その内いい人が現れるよー」
菜々「その内? 私もう30ですけど?!」
彼方「果報は寝て待て、って言うからね〜」ウトウト
菜々「彼方さんこそどうなんですか? 結婚しなくていいんですか?」
彼方「私には遥ちゃんがいるから大丈夫だよ〜」
菜々「姉妹では結婚できません!」
彼方「結婚しなくてもずっと一緒だよ?」
菜々「・・・・・・遥さんが結婚したらどうするつもりですか?」
彼方「・・・・・・」
菜々「結婚すれば出産、そして子育て。彼方さんが入る隙なんて無いですよ?」
彼方「遥ちゃんは結婚なんてしない」キリッ
菜々「結婚式の二次会でなに言ってるんですか?」 菜々「どうしてもというなら、私が――」
彼方「だからね、菜々ちゃんと彼方ちゃんは結婚できないんだよ」
菜々「どうしてですか!」
彼方「かなぽんに乱暴した過去があるからだよ」
かなぽん「・・・・・・」
菜々「・・・・・・すみませんでした」ペコリ
彼方「菜々ちゃんの事は嫌いじゃないよ? でもね、お酒に呑まれる人は困っちゃうんだなー」
菜々「断酒します!」
彼方「5年間できたら考えてみるねぇ」
菜々「5年?! アラフォーじゃないですか!」
彼方「結婚は何歳でもできるからー」
菜々「私も赤ちゃん欲しいです! 家族がいっぱい欲しいです!」バンバンッ
―隣のテーブル―
歩夢「ねえ、侑ちゃん」ストン
侑「どうしたの?」
かすみ「避難しましょう」コソコソ
果林「そうね」コソコソ
ピトッ
侑「酔ってる?」
歩夢「ううん。でも今日はね、なんだかこうしてたい気分なの」スリスリ
侑「う、うん。でもさ、みんな見てるよ?」
歩夢「みんな見てるとダメなの?」シュン
侑「そういう意味じゃないけど、恥ずかしいでしょ?」
歩夢「愛ちゃんと璃奈ちゃんの結婚式、素敵だったね」
侑「うん。トキメイちゃったよ♡」
歩夢「ウェディングドレス、いいなぁー」
侑「・・・・・・」
歩夢「私も早く着たいなぁー」スリスリ
侑(うぅ)ズキズキ
―隣のテーブル―
かすみ「ふぅ」
しずく「かすみさん」
かすみ「しず子? 私達はそろそろ帰ろうよ。家でまた喧嘩してるかもしれないし」
しずく「せっかくの2人っきりなんだよ? 一緒に楽しもうよ」
かすみ「みんないるけど?」
しずく「いません。このテーブルは、私とかすみさんだけの世界なんです」ピトッ
かすみ「もう、しず子ってば私にメロメロなんだからぁ〜」ニマニマ
しずく「はい♡」ピトッ
かすみ「うぅ〜」///
しずく「私達もそろそろいいよね?」
かすみ「・・・・・・結婚?」
しずく「うん♪」
かすみ「私はいいけどさー、しず子は仕事柄できないでしょ?」
しずく「そんな事ないよ。もう事務所からのOKも貰ってるから」
かすみ「んー・・・・・・」
しずく「それに、芸能リポーターには「結婚するならK.Nの人です」と伝えてあるもん」
かすみ(着々と包囲網が・・・・・・)アセアセ
しずく「それとも、かすみさんは私とシたくない?」ウルッ
かすみ「じょ、女優だからって泣き落とそうとするの禁止ィ〜ッ!」アセアセ
しずく「もしかして・・・・・・浮気?」ギロリ
かすみ「出来るわけないじゃん」ハァ
しずく「そうだよね。かすみさんのスマホは私達が管理してるから」フフッ
かすみ(私、しず子と結婚して大丈夫なのかな)モヤモヤ
―隣のテーブル―
果林「ふぅ」ドサッ
エマ「もしかして疲れてる?」
果林「そうね。この日の為に仕事を振り分けてもらったから、さすがに疲れるわ」グッタリ
エマ「果林ちゃんは、これからもモデルを続けていくんだよね?」
果林「そうなるでしょうね」
エマ「こ、恋人とかは・・・・・・いたりする?」
果林「まさか」フフッ
エマ(良かったぁ)ホッ
果林「エマこそどうなのよ」
エマ「えっ!?」
果林「社長秘書なんでしょ? 取引先の社長とかから誘われない?」
エマ「誘われてないよ! 誘われても全力で断るよ!」
果林「どうして?」
エマ「どうしてって、それは・・・・・・」モジモジ
果林「ああ、好きな人がいるのね」
エマ「!!」/// 果林「エマが好きになった人、いったいどんな素敵な人なのかしら」
エマ「・・・・・・」
エマの震える人差し指が果林を捉える。
果林「・・・・・・誰?」クルッ
エマ「もう!」
果林「なによ、ちゃんと言葉で――」
顔を戻した果林の頬をエマの人差し指が突いた。
エマ「うぅ〜」///
果林「もう、それならそうと早く言いなさい」
エマ「そ、それって!」パアァ
果林「もちろんOKよ」キリッ
エマ「やったぁ〜!」
果林(えまとエマ。ふふっ、もう仕事以外は何もしなくて良さそうね)
―隣のテーブル―
璃奈「私の家のあいぽんが最強。一番かわいい」
かすみ「かすみんのしず子だって可愛いもん!」
しずく「私のかすみさんもすっごく可愛いです!」
璃奈「ふっ」
かすみ「な、なに?」
璃奈「あいぽんに嫉妬する愛さんの可愛さを2人にも見せてあげたい」
愛「ちょっ?!」///
かすみ「今はぽんの話でしょ!」
しずく「私のかすみさんは、充電させてあげないと泣いてせがんでくるの。はぁ〜♡」ウットリ
璃奈「ぽんをイジメないで」
しずく「イジメじゃないよ。意地悪だよ」
かすみ(やっぱりしず子と結婚するの怖いな)
璃奈「私のあいぽんは学習できる。前回り受け身して、とお願いすれば毎日布団の上で練習する。すごく健気」
かすみ「かすみんだって前回り受け身くらいできますけどぉ?」
璃奈「かすみちゃんの持ってるしずぽんは出来ないよね」
かすみ「ぐぬぬ!」 璃奈「勝った」
しずく「私のかすみさんをイジメないで」
璃奈「イジメじゃない。意地悪」
しずく「・・・・・・それならいっか」
かすみ「もう! 私だって浮気くらいできるんだからね!」プイッ
しずく「ははははは・・・・・・え?」
テクテク
しずく「か、かすみさん?」
かすみ「侑センパァ〜イ♡」
歩夢「どうしたの? かすみちゃん」ニコニコ
侑「・・・・・・」スヤスヤ
かすみ「なんでもありません」クルッ
キョロキョロ
かすみ「菜々センパ−イ♡」
ピトッ
菜々「どうかしましたか?」
かすみ「大好きです! かすみんと浮気してください」
菜々「結婚してくれるならいいですよ」
かすみ「え?」
菜々「付き合わなくていいので、籍を入れてさえくれれば」
かすみ「いきなりですか? もし失敗したら――」
菜々「かすみさんの事は、そこそこに分かっているつもりです。大丈夫ですよ」
かすみ「考えさせてください」ペコリ
菜々「はぁ〜。私のなにがいけないのでしょうか」
彼方「がっつき過ぎな所だぞー」
かすみ「そうだ! 彼方先輩と浮気したいです!」
彼方「そろそろ戻ってあげてねー」ビシッ
かすみ「・・・・・・」クルッ
しずく「うっ、か、すみさん・・・・・・かすみさん・・・・・・」ウルウル
彼方「ね?」
かすみ「・・・・・・もう、しょうがないなぁー」ルンルン おわり
誰も見ていないはずなので、次回作の予告でも書いて終わりにします。
―待ち合わせ場所―
かすみ(せつ菜先輩、まだでしょうか?)ソワソワ
せつ菜「お待たせしました!!」
かすみ「あっ、もう。遅刻で――」
せつ菜「今日はどこに行きましょうか」ニコニコ
かすみ「なんですか、それ」
せつ菜「どれですか?」キョトン
かすみ「それですよ! それ!」
かすみ「どうしてデートにベンチコートなんて着てくるんですか!」
せつ菜「寒かったので!」
かすみ「デートッ! 初デートですよ!」
せつ菜「かすみさんは寒くないんですか?」
かすみ「寒い! すっごく寒いけど我慢してるの!」
せつ菜「体に悪いですよ?」
かすみ「それでもベンチコートなんて可愛くありません!」
せつ菜「暖かいですよ?」
かすみ「ちょっと! かすみんに近付かないで下さい!」
せつ菜「えっ」シュン
かすみ「それ脱いで下さい」
せつ菜「えっ」/// かすみ「まさか裸ですか?」
せつ菜「違います! ちゃんと着ています!」///
かすみ「それならいいじゃないですか」
せつ菜「こんな街中で脱ぐなんてはしたないですよ」モジモジ
かすみ「スポーツ選手もベンチコート着てプレイしないですよね?!」
せつ菜「はい」
かすみ「デートも本番なんですから脱いで下さい!」
せつ菜「仕方ありませんね」ヌギヌギ
かすみ「・・・・・・どうして制服なんですか」ワナワナ
せつ菜「デートに行くと相談したら、これが一番いいと」
ガサッ
せつ菜「果林さんが」
ガサッ
かすみ「・・・・・・」 レス乞食みたいな事してすみません
誰も見ていないから、というのは、誰も見ていないからスレチな次回作でも書いてみよう。という意味です
もうネタ切れです。鼻血も出ません
このスレが落ちたら次回作かきます 一気に読み進めてしまった
前作は読んでないので、順番前後するけど読んできます
お疲れ様でした 尻の毛まで抜かれてしまいましたか
お疲れ様です。
とても面白いお話でした
次回作も楽しみに待っています。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています