彼方「せつ菜ちゃんも一緒にお昼寝しよ〜」
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せつ菜「ジャッカルッ!!!まだ諦めるには早いハズです!!!!」
彼方「うおぉ……せつ菜ちゃんの声廊下にまで響いてくるよ」テクテク
彼方「おはよ〜」ガラガラッ
せつ菜「他の仲間達はまだ戦っているんですよッ!!?」
彼方「せつ菜ちゃんだけなんだね、それにしても彼方ちゃん全く気付かれてないなこれ〜」
彼方「どれどれ、お隣座るよ〜」
せつ菜「そうです!!!それでこそっ!!!――」
彼方「せつ菜ちゃぁ〜〜ん」耳元で
せつ菜「うわひゃあ!?彼方さん!?」 ――その胸の内には――
彼方「ねぇねぇ菜々ちゃん〜、彼方ちゃんお茶飲みたいな〜」
菜々「取りに行ったら良いじゃないですか?」
彼方「でもその為にはこたつから出ないといけないんだよ〜?」
菜々「それは私も同じことですよね?」
彼方「菜々ちゃんはほら、強いから」
菜々「変なこと言ってないで、さっさと取ってきた方が良いんじゃないですか」
彼方「むう…菜々ちゃんのけち〜……」ズリズリ
菜々「甘やかしてばかりでは彼方さん自身の為になりませんからね!」フンス
彼方「うう〜さむ〜〜」スタスタ
菜々「確かに最近急に冷えてきましたね、流石に年末ですし仕方ありませんけど」
彼方「どこか温泉とか行きたいな〜……ねぇ、行かない〜?」チラッ
菜々「温泉…ですか、年末年始はお店も休みですし、日頃から家の掃除は徹底しているので大掃除も必要ありませんし…」
彼方「じゃあ…!」パァァ
菜々「そうですね、たまには外で羽根を伸ばすのも良いかもしれません」ニコッ
彼方「やったぁ〜!えへへ、菜々ちゃんだ〜い好き」ダキッ
菜々「ふふっ…ほら、お茶零しますよ」 ――――
――
菜々「ふぅ……この電車で乗り換えは終わりですね」
彼方「結構遠いところに旅館あるんだね〜」
菜々「この時期ですから…結構予約取るのに苦労……しまして……」ウトウト
彼方「そろそろ眠くなってきたでしょ〜?彼方ちゃんの肩を貸してあげるから、少しお休み」
菜々「えっ…?いえ…でも……」ウトウト
彼方「菜々ちゃん旅行が楽しみで、昨日の夜あんまり眠れていないことを彼方ちゃんは知っているのだよ〜」ムフーッ
菜々「あっはは、バレちゃってましたか……それでは…ちょっとだけ……」スヤァ
彼方「大人になってもこういうかわいいところは変わらないんだからズルいよね〜」ナデナデ
菜々「………………」スヤァ
彼方「………………」
彼方(いけない……電車に揺られながら菜々ちゃんにくっついて居眠りしたら気持ちいいだろうな〜なんて…考えちゃだめだ)
彼方「………………」
彼方(いや…まだ寝てないし……ちょっと目を閉じてるだけだから…いつでも起きられるし……)
彼方「………………」スヤァ ――――
――
菜々「少々予定より遅れましたが、到着です!」
彼方「ごめんね〜……彼方ちゃんまで寝ちゃって結局終点に…」ズーン
菜々「最初に寝てしまったのは私ですし、終点から少し戻れば良いだけでしたので問題ありませんよ」ニコッ
彼方「かたじけない…」
菜々「ふふっ、いつの人ですか!それではチェックイン済ませて来ますね!」スタスタ
彼方「はーい」ヒラヒラ
彼方(思ってたより山奥って感じだな〜、良く言えば自然がいっぱい、悪い言い方をすれば何もない)
彼方(まぁ普段の疲れを癒やすにはこれくらい静かな方が良いのかもね〜)
菜々「お待たせしました!いざ私たちの部屋へ!!」
彼方「お〜」 ――――
――
ガラガラッ
彼方「おぉ〜…なんか凄い部屋だねぇ〜」キラキラ
菜々「はい!せっかくなので奮発してみました!!」ペカー
彼方「見て見て菜々ちゃん〜!お部屋に露天風呂付いてるよ〜!」
菜々「こっちの方がゆったり出来ると思いまして!」
菜々(本当は彼方さんの素肌を他の人に見られたくなかっただけですけど…)
菜々「取り敢えず適当に荷物を下ろして…と、どうしましょうか?晩ごはんまではまだ時間ありますし」チラッ
彼方「ではまず布団を敷きま〜す」
菜々「敷きません!!せっかく部屋に温泉がついてるんですからまず入るでしょう!普通!」プンプン
彼方「だったら温泉入ろ〜って言えば良いのに〜」ニヤニヤ
菜々「あっ、あんまり意地悪言わないでください…///」
彼方「今日も彼方ちゃんのお嫁さんはかわいいね〜」ナデナデ
菜々「またそうやってからかうんですから///ほら服脱いで!早く入りますよ!!」グイグイ
彼方「も〜菜々ちゃんのえっち〜」 菜々「はぁ〜〜!温まりますね〜〜!」チャプン
彼方「ホントだね〜」チャプン
彼方「気持ちよすぎて彼方ちゃん今にも……すやぁ」
菜々「もうちょっと我慢してくださいよー!私一人で浸かってても寂しいじゃないですか!」ユサユサ
彼方「えへへ〜冗談だよ〜、それにしてもこんな遠出したのって新婚旅行以来じゃない?」チャプチャプ
菜々「言われてみればそうですね……お店を始めてからは忙しない日々が続きましたから」
菜々「今更聞くのもなんですけど、二人で定食屋を始めたこと……迷惑じゃありませんでしたか?」
彼方「え…?」キョトン
菜々「芸能界で稼いだ貯金は相当あったので、他に選択肢はいくらでもあったと思うんです」
菜々「それこそ今までみたいに私がどこかに就職して、彼方さんには家のことをお願いするスタイルでも充分暮らしていくことは出来ました」
彼方「菜々ちゃん……」
菜々「少しは私も手伝えるようになったとは言え、調理全般を任せてしまっている現状が彼方さんの負担になっているんじゃないかと思いまして……」 彼方「ホントにそんなことで彼方ちゃんが嫌になっちゃうと思う〜?」
菜々「それは…」
彼方「彼方ちゃんは嬉しかったな〜」
菜々「え?」
彼方「せつ菜ちゃんがアイドル辞める〜ってなった時、最初に“二人で”何かしませんか?って言ってくれたでしょ〜?」
彼方「お外で頑張るせつ菜ちゃんをお家で待ってるのもお嫁さんっぽくて好きだったけど……もっと近くで、隣で支えてあげたいのにな、って思ってたからさ〜」
彼方「それに彼方ちゃんは毎日幸せだよ。いつも美味しいって食べてくれるお客さんが居て、側には元気に接客してくれる菜々ちゃんが居るんだもん」
菜々「彼方さん…」
彼方「だから心配しなくても平気だよ〜、二人でなら何だって大丈夫だよ、きっと」ナデナデ
菜々「すみません…変なこと聞いちゃいましたね!//」
彼方「変なんかじゃないよ」
彼方「気になったり、思ったことは全部言葉にしていこう?」
彼方「そりゃ何も言わずに分かりあえるなら凄いけど……彼方ちゃん達の場合はそうじゃないでしょう?」ニコッ
菜々「ふふっ、確かにそうでしたね」
彼方「さ〜てと、そろそろご飯が来る時間かな〜?」
菜々「そうでした!急いであがりましょう!!」ザバッ
彼方「ひえっ……さぶい…菜々ちゃん抱っこ〜」ジタバタ
菜々「さっきはちょっとカッコよかったのに、もういつも通りなんですから」クスッ ――――
――
彼方「ふぅ〜〜もうお腹いっぱ〜〜い!」
菜々「カニづくしでしたね!食べ慣れないせいか黙々と殻を剥く作業に没頭してしまいましたけど」
彼方「だから彼方ちゃんやってあげるよ〜?って言ったのに〜」
菜々「私だって定食屋の端くれです!それくらい一人で出来なくてどうするんです!」
彼方「あははっ、昔っから変なとこ真面目さんだよね〜」
菜々「それはそうと少し館内を見て回りませんか?」
彼方(ここで面倒くさいな〜とか言ったら菜々ちゃん拗ねちゃうんだろうな〜)
彼方(それで一人で行っちゃうんだけど、追いかけなかったら余計に拗ねちゃうんだろうな〜)
菜々「彼方さん…?」
彼方「あぁ、そうだね〜行こっか〜」
菜々「いざ!探検出発です!!」ペカー
彼方(時には黙って空気読むのも大事だよね〜) 菜々「あれはっ!見てください彼方さん!!ゲームコーナーですよゲームコーナー!!」パァァ
彼方「なんだか古そうなのばっかりだね〜」
菜々「それが良いんじゃないですか!これこそ“こういうのでいいんだよ”ってやつです!」
彼方「そ、そうなんだね〜……それじゃ、ちょっと遊んでいこっか〜」
菜々「でしたらこの、何時の時代のものとも知れぬ格ゲーで対戦しましょう!」
彼方「勝負に負けた人は勝った人の言うこと一つだけ何でも聞く…ってことで〜」ニヤニヤ
菜々「なっ、何ですか突然!?」
彼方「あれ〜?菜々ちゃん怖いのかな〜?」
菜々「言いましたね!後悔しても知りませんよっ?」
彼方「これでも菜々ちゃんとちょくちょく遊んでるんだし、彼方ちゃんだって負けないよ〜」
――――
――
彼方「は〜い、彼方ちゃんの3連勝だね〜」ブイッ
菜々「そんな…ここまでぼこぼこにされるなんて…」ガクッ
彼方「菜々ちゃんの癖を見抜くのは得意だも〜ん」ムフーッ
菜々「それで?彼方さんのお願いって何ですか?…あ!先に言っておきますけど出来ないこと言われても困りますからね!」
彼方「あ〜…実は大して考えてなかったり〜、えへへ」
菜々「それじゃあ無かったということで!」
彼方「それはダメ〜」ムッ
菜々「冗談ですよっ……あの、部屋に戻る前にもう一つ良いですか?」
彼方「ん〜?」 ――――
――
彼方「わぁ〜キレイだね〜」キラキラ
菜々「道すがらにこの中庭を見つけまして、ライトアップされてて素敵だったので来て良かったです!」ペカー
彼方「お庭もキレイだけど、星もすごいね〜」
菜々「都会の空では見られない景色ですね…」
彼方「………………」
菜々「………………」
彼方「ついでだからさ、彼方ちゃんも一つ聞いていい?」
菜々「はい?」
彼方「菜々ちゃんはまたアイドルやりたいな〜とかって、思ったりしないの?」
菜々「………………」
菜々「そうですね…時々ステージの上に立つ感覚が恋しくなることはあります」
菜々「時代が許してくれたのなら、もう少し歌を歌っていた可能性もあったかもしれません」
菜々「ですが後悔はしていませんよ。私も今が幸せなので」ニコッ
彼方「菜々ちゃん…」 菜々「それに私は今だってアイドルですよ」
彼方「え…?」キョトン
菜々「今も私は彼方さんだけのアイドルですから……なんて、えへへ///」
彼方「………///」カァァ
菜々「ちょっ///黙ってないで下さいよ!恥ずかしいじゃないですか///」
彼方「いや…その、普通に可愛いな〜って思っちゃって//」
菜々「もう、何ですかそれ……あははっ」
彼方「ねぇねぇ菜々ちゃん、さっきのお願い……聞いてくれる?」
菜々「ええ、良いですよ」
彼方「これからもずっと彼方ちゃんの隣に居てね」
菜々「ふふっ、それについてはご心配なく…嫌と言われようと離れてあげませんから!」
彼方「あ〜!愛の重さだったら彼方ちゃんも負けないよ〜………へくちっ!」
菜々「そろそろ冷えてきましたし部屋に戻りましょうか」
彼方「もっかい温泉入ろ〜」ブルブルッ
菜々「そうしましょう!」 菜々「ふぅ……帰るのも一苦労でしたね」
彼方「後はこの電車に乗ってればお家だね〜」
菜々「あの…また来ましょうねっ」ニコッ
彼方「そうだね〜……」
菜々「それでしたら次は――」
彼方「ねぇ菜々ちゃん…手、繋いでほしいな〜」
菜々「ふふっ、どうしたんですか急に?良いですけど」ギュッ
彼方「こうしてると安心してすやぴ出来るんだぁ〜……」スヤァ
菜々「もう…仕方ありませんね」クスッ
こうして二人きりの温泉旅行はその幕を閉じた
疲れと共にお互いに吐き出した胸の内も洗い流したおかげか、私たちは前よりもより強く、深く結びついたように思う
この固く繋いだ手のように
彼方「………………」スヤァ
菜々「………………」スヤァ
まもなく〜終点〇〇〜〇〇です。お忘れ物にお気をつけ下さい。
菜々「……っ!?彼方さん!彼方さん起きてください!駅過ぎてます!」
彼方「えへへ〜菜々ちゃんこんなとこでダメだよ〜……皆見てるって〜…えへへ……」スヤァ
菜々「何て夢見てるんですかっ!?良いから起きて下さーい!」 かなせつ良いぞ……
また気が向いたら書いてくださいな ああ…いい…実にいい…
できるだけ長く続けてほしい… ――酒は飲んでも――
菜々(またです……また彼方さんがえっちを焦らして私に襲わせようとしています…)
菜々(恥ずかしくて自分からあまり誘えない私が悪いと言えば悪いですが……手のひらで転がされるのも悔しいです!!)
彼方「…ぷは〜っ!働いた後の一杯は格別だぜ〜」
菜々(そこでです!お酒に酔ったフリをして逆に彼方さんを誘惑してみせます!!)
菜々「あの…私にも一杯いただけますか?」
彼方「おっ、菜々ちゃん珍しいね〜飲も〜飲も〜〜!」トクトクトク
菜々「いただきますっ!」ゴキュゴキュ
菜々(よしっ!作戦開始です!!)
菜々「……っぷはー!//えへ、えへへっ…なんだか暑くなってきましたね…//」ヌギヌギ
彼方「あれれ〜もう酔っ払っちゃったの〜?」
菜々「酔っ払ってないです!!」
彼方「そうだね〜酔っ払った人はみんなそう言うんだよね〜…ほら〜上着脱いじゃったら寒いよ〜?」
菜々「だったらぁ〜……彼方さんがあっためてください!!///」ダキッ ムギュウウ
彼方「おぉ〜よしよし〜温かくしようね〜」ギュゥゥ
菜々(これはいい調子なのでは!?…それにこんなにストレートに甘えることってなかなか無いのでちょっぴり楽しいです…///)
菜々「えへへ〜ぽかぽか!///……よ〜しどんどん飲んじゃいますよ〜///」ゴキュッゴキュッ
菜々(あぁ〜なんだか身体が温まって、ぽわぽわ〜っとしてきたような……///) 彼方「は〜い着いたよ〜、ごろんしようね〜」
菜々「えへへ〜ごろ〜ん!」ボフッ
彼方「じゃあお布団被って温かくしてようね〜、彼方ちゃんは洗い物してくるからね〜」
菜々「………………」ギュッ
彼方「わわっ…菜々ちゃん?」
菜々「行っちゃうんですか……?///」ウルウル
彼方「…!!///」
彼方(菜々ちゃん、不意打ちはズルいよ…///こんなん言われて離れられる人居ないでしょ〜)
彼方「よ〜しそれじゃあ彼方ちゃんと一緒にすやぴしようね〜」ボフッ
菜々「やったぁ〜!からたしゃんだ〜いすき!」ギュゥゥ
彼方(そろそろ菜々ちゃんに押し倒してもらう予定だったのになぁ〜…こんなかわいい菜々ちゃん見たら余計に……♡)
彼方(見事に彼方ちゃんに火をつけてしまったようだね〜……明日起きたら覚悟してもらうよ〜♡) 別カプ何か書こうとしたけど何も思いつかなかったからまた短いの書くかも ――酒は飲んでも――
菜々(またです……また彼方さんがえっちを焦らして私に襲わせようとしています…)
菜々(恥ずかしくて自分からあまり誘えない私が悪いと言えば悪いですが……手のひらで転がされるのも悔しいです!!)
彼方「…ぷは〜っ!働いた後の一杯は格別だぜ〜」
菜々(そこでです!お酒に酔ったフリをして逆に彼方さんを誘惑してみせます!!)
菜々「あの…私にも一杯いただけますか?」
彼方「おっ、菜々ちゃん珍しいね〜飲も〜飲も〜〜!」トクトクトク
菜々「いただきますっ!」ゴキュゴキュ
菜々(よしっ!作戦開始です!!)
菜々「……っぷはー!//えへ、えへへっ…なんだか暑くなってきましたね…//」ヌギヌギ
彼方「あれれ〜もう酔っ払っちゃったの〜?」
菜々「酔っ払ってないです!!」
彼方「そうだね〜酔っ払った人はみんなそう言うんだよね〜…ほら〜上着脱いじゃったら寒いよ〜?」
菜々「だったらぁ〜……彼方さんがあっためてください!!///」ダキッ ムギュウウ
彼方「おぉ〜よしよし〜温かくしようね〜」ギュゥゥ
菜々(これはいい調子なのでは!?…それにこんなにストレートに甘えることってなかなか無いのでちょっぴり楽しいです…///)
菜々「えへへ〜ぽかぽか!///……よ〜しどんどん飲んじゃいますよ〜///」ゴキュッゴキュッ
菜々(あぁ〜なんだか身体が温まって、ぽわぽわ〜っとしてきたような……///) ――――
――
菜々「えへへぇ〜///からたしゃんいい匂いする〜!///ぎゅうう〜!!///」ダキッ
彼方「隠してるつもりかもしれないけど、菜々ちゃんやっぱり匂いフェチだよね〜」
菜々「すんすん……はぁ〜!からたしゃんの匂いたまらん〜///」スンスン
彼方「人の髪に顔突っ込んで変なクスリ吸ったときみたいなリアクションやめようね〜」
彼方「って言ってる場合じゃないか……ほら〜もうベッドですやぴしようね〜」グイグイ
菜々「んん〜!まだおしゃけ飲むんれすー!」フンス
彼方「ざんね〜ん、もう彼方ちゃんが全部飲んじゃったから無いよ〜」フリフリ
菜々「えぇ〜〜〜……じゃあ寝る……」
彼方「良い子だね〜ほら、お手々繋いであげるからベッドまでがんばろ〜」ギュッ
彼方「は〜い着いたよ〜、ごろんしようね〜」
菜々「えへへ〜ごろ〜ん!」ボフッ
彼方「じゃあお布団被って温かくしてようね〜、彼方ちゃんは洗い物してくるからね〜」
菜々「………………」ギュッ
彼方「わわっ…菜々ちゃん?」
菜々「行っちゃうんですか……?///」ウルウル
彼方「…!!///」
彼方(菜々ちゃん、不意打ちはズルいよ…///こんなん言われて離れられる人居ないでしょ〜)
彼方「よ〜しそれじゃあ彼方ちゃんと一緒にすやぴしようね〜」ボフッ
菜々「やったぁ〜!からたしゃんだ〜いすき!」ギュゥゥ
彼方(そろそろ菜々ちゃんに押し倒してもらう予定だったのになぁ〜…こんなかわいい菜々ちゃん見たら余計に……♡)
彼方(見事に彼方ちゃんに火をつけてしまったようだね〜……明日起きたら覚悟してもらうよ〜♡) こんなに素晴らしいスレがあったとは…!
かなせつの可能性を感じさせてくれてありがとう ――プレゼント――
菜々「彼方さん!これ!」ガサゴソ
彼方「ん?どうしたの〜?」
菜々「はい!プレゼントです!!」ペカー
彼方「わぁ〜、新しい枕だぁ〜!ありがとう〜……でもどうして急に?」
菜々「もう、忘れたんですか?今日はクリスマスですよ!!」
彼方「えっ…?あっ!ごめんね〜彼方ちゃん気が付かなくてっ」アセアセ
彼方「お店では12月の頭からクリスマス限定メニューとかやってたから感覚麻痺しちゃってて…」オドオド
彼方「どうしよう…今プレゼント何も用意出来てなくて……せっかく菜々ちゃんがくれたのにこれじゃお返し出来ないよ…」ズーン
菜々「彼方さん、落ち着いてくださいっ!今月はずっと忙しかったので仕方ありませんって!」アセアセ
彼方「それを言うなら忙しかったのは菜々ちゃんも一緒だもん……」ショボン
菜々「すぅー…………彼方さん!!!」
彼方「はっ、はい!?」ビクッ 菜々「そこまで言うのでしたら、プレゼントをいただきますね」チュッ
彼方「……え?それって……んっ///……ちゅっ///」
菜々「メリークリスマス!素敵なプレゼントをありがとうございます//」ニコッ
彼方「も〜、急にカッコいいことするの心臓に悪いよ……///」ドキドキ
菜々「ふふっ、普段ドキドキさせられてるお返しです」
菜々「それはそうと、今まで彼方さんが使っていた枕は後で“私が”洗濯しておきますね」ニコニコ
彼方「いやいやそれくらい彼方ちゃんがやっとくよ〜」
菜々「いえ、そういうわけにはいきません!!」クワッ
彼方「お、おぅ……そこまで言うならお願いしようかな…」
――――
――
彼方「おぉ〜!菜々ちゃんから貰った枕気持ちいいよ〜」フカフカ
菜々「それは良かったです!」
彼方「……あれ?菜々ちゃんのその枕って彼方ちゃんの――」
菜々「気の所為ですよ」
彼方「え、でも色とか形とか――」
菜々「気の所為です」
彼方(知らない方が幸せなこともあるって言うもんね…) ――願いごと――
菜々「初詣に行きませんか?」
彼方「え〜、今から〜?」
除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を食べ終えた頃に、イタズラっ子のような笑みを浮かべて菜々ちゃんが提案してきた
菜々「食べてすぐ横になるのも良くないですし、腹ごなしに丁度いいと思いませんかっ?」
彼方「そんなこと言って〜、夜中にフラフラ出歩いてみたいだけじゃないの〜?」ニヤニヤ
菜々「バレてしまいましたか…///」
彼方「図星なんだね〜…」
少々腰が重いというだけで特に断る理由も無いので、笑顔の菜々ちゃんに手を引かれるがままに、夜の寒空の下へと繰り出した 彼方「うぅ〜…やっぱりさぶい〜〜」ブルブルッ
菜々「確かに冷えますね……こうして手を繋いでポケットに入れてしまいましょう!」スポッ
彼方「おぉ〜確かに温かいかも………もうでももう片方は冷えたまんまだよ〜……」
彼方「あれだ、彼方ちゃんが菜々ちゃんの後ろからポケットに手を入れて、その中で手を繋げば良いんだよ〜」ダキッ ギュッ
菜々「あははっ、歩きづらいですよ……っていうかこれ転んだら地面に手も付けられずに私が下敷きにされるだけじゃないですか!やっぱ無しです!無し!」バッ
彼方「わぁ〜ん寒いよ〜」
月さえも雲に隠れているのか、切れかけの街灯の微かな明かりだけが頼りだった
物哀しい雰囲気を紛らわすように、二人の声だけが辺りに響いている 彼方「あっ、ぽつぽつと参拝客の人が見えてきたね〜」
菜々「近くの神社がこの時間開いてるか分からなかったので安心しました!」
彼方「え〜…開いてなかったら歩き損だったの〜?」ジトー
菜々「まぁまぁ、何だか夜の街並みってワクワクするし楽しいじゃないですか!」ペカー
彼方「さては昨日見てたアニメに影響されたのかな〜?」ニヤニヤ
菜々「神様へのお願いは早ければ早いほど良いと聞きますし、混雑する前に行ってしまいましょう!///」
彼方「あ〜っ誤魔化した〜」クスクス
鳥居を潜り境内へと足を踏み入れると、そこは静かな賑わいを見せていた
参道の脇では深夜にも関わらず甘酒の販売も行われており、参拝を終えた人たちが暖を取ろうと集まっている 菜々「あっ!甘酒売ってますよ彼方さん!」
彼方「お参りが終わったら飲もうか〜」
菜々「はいっ!」ニコッ
彼方「そういえばお参りってどうするんだっけ〜?やり方とかあったよね?」
菜々「二礼二拍手一礼ですか?それもありますけど、まずはアレですね」
菜々ちゃんの指差す先には、参道の脇に手水舎が設置されているのが見える
手を清める参拝客たちの悲鳴に近い呻き声がここまで聞こえてきた
彼方「こんな寒いのに水なんてかけたら凍っちゃうよ〜……」ブルブル
菜々「必要なことですから、気合です!」 ――――
――
彼方「うぅ〜手がひりひりするよ〜」
菜々「ふふっ、年越し蕎麦を食べたっきりの手を合わせても神様に呆れられてしまいますからね」
彼方「むぅ…彼方ちゃんが神様ならそんなこと気にしないのに〜」プクーッ
作法に則り手と口を清め終えた後はいよいよ参拝の時間だ
こうして拝殿の前に並ぶのは数年ぶりだろうか
思いつきで真夜中にやってきて願いごとだけ一方的に伝えて帰るというのも、中々身勝手な行為だと思えて少し笑えてきた
彼方「お賽銭っていくらにする〜?」
菜々「普通に5円で良いと思いますけど……ってあれ、5円切らしてました……奮発して50円にしますか」
彼方「じゃあ彼方ちゃんも50円にしよ〜」
そうこうしているうちに目の前の客が参拝を終えたようで脇へとよけていった
いざ、神様へのおねだりの時間である
彼方「………………」
菜々「………………」
頭を下げてどれくらい経っただろうか
自分だけ早く終えるのも何か気まずいので隣をチラリと見てみる
同じことを考えていたのか、こちらを片目で覗き見る菜々ちゃんと目が合って二人して笑いを堪える羽目になってしまった ――――
――
菜々「甘酒美味しかったですね!」
彼方「だね〜、久しぶりに飲んだけど身体がぽかぽかするよ〜」ホカホカ
帰り道、手を繋いで歩く私たちを雲間から差し込む月明かりが照らしていた
行きに感じた物哀しさは感じなくなり、足取りも心做しか軽やかだった
菜々「彼方さん!どんなお願いごとにしたんですか?」
彼方「これって人に話しちゃうと叶わなくなっちゃうんじゃないっけ〜?」
菜々「聞いた相手がそのお願いに対してマイナスなことを口にしたり思ったりすると、邪念が混じって叶いにくくなるそうですよ」
菜々「つまり!私が彼方さんのお願いにそんなこと思うはずが無いので、安心してお聞かせください!!」
彼方「え〜…じゃあ菜々ちゃんが教えてくれたら彼方ちゃんも教えてあげる〜」ニコニコ
菜々「う……それはそれで何だか恥ずかしいですね///」カァァ
彼方「そんな恥ずかしいお願いごとしたの〜?」ニヤニヤ
菜々「そっ、そんなことありません!!///」
彼方「ホントかなぁ〜?」
菜々「本当です!!」ポカポカ
彼方「あははっ、いたっ、痛いよ〜、あはははっ」
結局互いに願いを口にすることは無かったけれど
何となく二人とも同じことを願ったのではないだろうかと思う
“いつまでも二人、一緒に居られますように”
いつの間にか夜空を覆う雲は消え失せ、大きな満月が私たちの頭上で光り輝いていた
おわり だらだら書いてきたけどこれで最後になります
保守とか感想とか嬉しかった
また何か書いた時は見てもらえたら嬉しいです おつおつ
素晴らしいかなせつをありがとう
また何か書いてくれるのを楽しみにしてるよ お疲れ様でした
とても最高のせつかなでした
是非またよろしくお願い致します ここに神がいるから奮発して50円お賽銭入れようかな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています