かすみ「かすみんボックスがなくなった…?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
かすみ「おかしいなぁ」
かすみ「かすみんボックスがどこにも見当たりません。確かにここに置いたはずなのに」キョロキョロ
かすみ「うーん……?」
侑「お、かすみちゃん? どうしたの?」
かすみ「あっ、侑先輩! 聞いてくださいよぉ」
かすみ「かすみんボックスが行方不明なんです」 かすみ「昨日見た時は確かにここにあったんですけどねぇ」
侑「同好会の誰かが部室に持っていったとか?」
かすみ「一応、さっき部室も確認してきました」
侑「そっか……となると、謎だね。かすみんボックスが置いてある場所なんてここか部室くらいしかないのに」
侑「みんなに連絡して、探してみよっか!」
かすみ「べ、別にそんな大ごとでもないですし、昼休みの間はかすみん一人で探しますよぉ。もし放課後になっても見つからなかったら、手伝ってもらえるとかすみん嬉しいです」
侑「そっか。じゃあ、私もそれとなく探しておくね。また部室で」フリフリ かすみ「……とりあえず、教室に戻ろうかな。いや、その前におトイレに……」
かすみ「トイレトイレ……ふぅ〜、間に合った」
かすみ「おっと。かすみんはトイレなんて言葉を使わないんだった。お花を摘みにいってきます♪とか、こういうさり気ない一言を可愛く言えるのが一流のアイドル!」フフン
かすみ「練習しとこう。かすみん、お花を摘みに行ってきます♡ いや……お花を摘みに……」ブツブツ
かすみ「………………………」
かすみ「……って、変な事に気を取られてトイレの中で長々と過ごしてしまいましたぁ!」ガチャ かすみ「まずいまずい。もうちょっとで授業が始まるのに……急いでおてて洗わないと……!」
かすみ「最近は色々と怖いですからねえ。しっかり手洗いしてペーパータオルで拭き拭きして」ゴシゴシ
かすみ「これをゴミ箱にシュウーッ!」ポイ
かすみ「……はずれた」ガクリ
かすみ「あれ?」
かすみ「やたらと大きな物体が入ってる。トイレのゴミ箱なんてもっぱらペーパータオル用でしょうに、誰がこんな邪魔なもの捨てたんですか」 かすみ「これのせいでかすみんの必殺シュートが外れたんですよーっ! 一体誰が……」プンスコ
かすみ「…………………………え?」
かすみ「…………うそ」
かすみ「ち、違う……見間違いだよね? そんなこと、する人なんて、いるわけ」ガサゴソ
かすみ「………………………っ!」ガサゴソ
かすみ「な……なんで……」 〜放課後・部室〜
侑「お疲れ様〜」ガラガラ
侑「あれ、部室に一番乗りだ。珍しい」
侑「……おや? これは」
侑「かすみんボックスじゃん!」パァァ
侑「かすみちゃん見つけられたんだ。良かった良かったぁ」
侑「……あれ? それにしては、何か……」 侑「…………」ペタペタ
侑「なんか……ところどころ凹んで、黒く汚れてる。一度折れた段ボールを無理やり元に戻して修正した部分もあるみたい」
侑「この腕とか、一回千切れたのをセロハンテープで留めてるだけだし」
侑「それに……段ボールのところどころに、ちょっぴり濡れた跡みたいなのが……」
侑「こんなにボロボロじゃなかったよね……」
侑「かすみちゃんに聞いてみよう」 俺「うひっ」サワサワ モミモミ
かすみんBOX「……」
俺「好きだよ。かすみ。」ギュッ
かすみんBOX「……」
俺「ん〜〜」チュ……
俺「……んんんん!!!!!!!!」チュッパチュッパベロチュベロチュ!!!!!!!!
かすみんBOX「……」
ここを目撃してしまうのと壊されてるのを発見するの
かすみんからしたらどっちのがキッツイの? 〜しばらく後〜
かすみ「お疲れ様です! かすみんですよー!」バン
歩夢「かすみちゃん。お疲れさま」ニコ
璃奈「あのかすみちゃんが最後なのは、珍しい」
エマ「なにかあったの〜?」
かすみ「え、えっと……ちょっとおトイレが長引いちゃって! って違うんです! お、お花摘みに時間がかかっちゃったっていうか!」ワタワタ
彼方「別にいいじゃん〜、トイレで〜」
かすみ「良くないんですっ!」クワ 侑「あ、かすみちゃん。ちょっと聞きたいんだけど」
かすみ「侑せんぱぁい! どうしたんです?」
侑「あのー、このかすみんボックスのことでさ」トン
かすみ「!」ギク
かすみ「……は、はい、どうしたんですか?」
侑「いやさ、なんかこれ、前に比べてちょっとボロっちくなってきてない? って思って」
侑「かすみちゃんどう思う?」 かすみんボックスがおりもの入れになってるかと思ったわ かすみ「い……いやー、かすみんボックスはダンボール製ですからねぇ。簡単に壊れちゃいますし元々そういうものですよ!」
侑「そっか。かすみちゃんが変えたいならスーパーで段ボール貰ってこようかな〜って思ったんだけど」
かすみ「い、いえいえ、かすみんこれには思い入れがありますからっ。なんせ初代のかすみんボックスですからね!」
侑「初代、初代かぁ。いいよね、その響き。私もそういう最初の一というか、始まりの作品みたいなのに惹かれるタイプでさー」
かすみ「そうですよねぇ。なんというか、やっぱりここから始まったんだ! っていう魅力があるというか!」
アハハハ… デサー! デスヨネェ
しずく「………………………………」 せつ菜「では今日の練習は終わりにしましょう。皆さん、お疲れさまでした」
オツカレサマデシター!
かすみ「ふぃぃ〜、今日も疲れたよぉ」
かすみ「忘れ物もなし、部室の戸締りは侑先輩がやってくれるし、あとは……」
かすみ「……っ」
かすみ「かすみんボックス……」ギュウ
しずく「かすみさん? どうしたの?」 かすみ「し、しず子」ギク
しずく「それ、いつもの場所に置いていくんでしょ? 一緒に帰るんだし、私も付き合うよ」
かすみ「ぁ……ああ、うん。そうだよね」
かすみ「…………いこっか」
しずく「かすみんボックス、明日は何か入ってるといいね」ニコッ
かすみ「うん……そうだね、しず子」ニコ… 〜翌日・お昼休み〜
かすみ「……………………」テクテク
かすみ「まさか……二日連続で、なんてことはないと思うけど……」
かすみ「一応、確認くらいは……」テクテク
かすみ「あっ……⁉」
かすみ「………また、置いていた場所に、ない」
かすみ「おかしいよっ! 朝確認したときはあったのにっ!」ガタン
かすみ「………………っ」 かすみ「……急いで、探さなくちゃ……わたしのかすみんボックス……」
かすみ「みんなのことが書いてあるお手紙が……大好きを伝える大切なお手紙が……入ってるかもしれないんだから……」
かすみ「それだけは……嫌だから……」ジワッ
かすみ「………………………っ」
かすみ「トイレ……かな」
かすみ「…………違う。トレイのゴミ箱には捨てられてないみたい」
かすみ「じゃあ、どこ……?」 かすみ「……………ここじゃない…………」
かすみ「………ここにも、ない…………」
かすみ「……………………っ!」ダダッ
かすみ「あ……あった…………」
かすみ「わたしの靴箱に……押し込まれて……」プルプル
かすみ「無理やり奥まで押し込まれてるせいで……また、腕……取れちゃってるし……」
かすみ「…………………………」ジワッ 〜放課後・部室〜
侑「うぅ〜……ん?」
せつ菜「侑さん、どうかしましたか?」
侑「いやぁ。やっぱり、かすみんボックスちょっとここ最近おかしい気がしてさぁ」ムムム
せつ菜「はぁ……いつも通りかすみんボックスはとても可愛いですが、何か違いますか?」
侑「うん……なんかこう、日に日に繕えないボロさが増していってる気がするんだよね。ぱっと見は問題ないんだけどさ、ほら、遠くから見たらちょっと曲がってたり」 せつ菜「……そんなすぐに壊れるものなのでしょうか?」
侑「そうなんだよねー。別に乱暴に扱ってるわけじゃないし、こうして部室といつもの場所を行き来してるだけだし。そんな簡単に汚れないんだけど」
かすみ「おつかれさまでーーす!」バン
せつ菜「かすみさん、お疲れ様です。今日も一段と元気ですね?」
かすみ「えへへぇ、かすみんはいつでも元気いっぱい可愛さいっぱいですからね〜?」ニコニコ
侑「……まぁ、考え過ぎかな」 しずく「もー、そこまで広いわけじゃないんだから部室の中でくるくる回らないの! そんなことしてると怪我するよ?」
かすみ「分かってるよー、そんなこと言っちゃってぇ。心配してくれてありがとね? しず子ぉ」
しずく「べ、別にそんなつもりじゃ……なくもないけど。もう知らない」プイッ
かすみ「むっ。そっぽ向いたりするしず子にはくすぐりの刑!」コチョコチョ
しずく「……ちょっ、やめっ、あははははっ⁉ かすみさん、だからここでそんなに暴れるのはっんひひひひっ!」
かすみ「あはははは……」 弄られるかすみんは好きやが、虐められるかすみんは好きじゃない・・・誰か助けてあげて。 もう璃奈ちゃんに自衛機能付きのかすみんボックスを作ってもらおう かすみんボックスまでかす虐の道具にすると思ってたよ
続けて? 〜それから数日後〜
かすみ「……今日も巡回しなきゃ」
かすみ「昨日、授業をサボってまで監視したのに犯人は現れなかったし」
かすみ「今日もそのまま、何事もなく……」
かすみ「っ!」
かすみ「……………………なくなってる」
かすみ「行かなきゃ……わたしが、探さないと」 かすみ「学校中のゴミ箱を漁るのにも、段々慣れてきちゃった」ハァ
かすみ「お昼休みの間にこれをすると、お弁当もロクに食べられないし……」グゥ
かすみ「……お腹減ったなぁ……」
かすみ「座って、ゆっくりご飯を食べたいよ」
かすみ「………………っ」ゴシゴシ
かすみ「止まってる場合じゃないっ。頑張らなきゃ……次はあっちを見て回ろう」 かすみ「…………どこにも、ない」
かすみ「なんで……? 思いつく限りのゴミ箱を見て回ったのに!」
かすみ「下駄箱にも置いてなかった……今度は一体どこに捨てて……」
かすみ「!」ハッ
かすみ「まさ、か……」
かすみ「だとしたら……時間がないっ! 急がないと、今度こそ手遅れにっ……!」ダッ かすみ「はっ、はっ……!」
かすみ「ちょ、ちょっと、待ってくださいっ!」ハァハァ
用務員「あらあら、あなた生徒の子? こんなところに何の用ですか?」
用務員「ここ、ゴミの焼却炉ですよ?」
かすみ「いいんですっ……あのっ……それを……閉めるのを、待ってもらえませんかっ……!」
かすみ「確認っ、確認したいんです……!」 この時代の学校に焼却炉?
平成の途中から廃止されてるでしょ うちの学校は焼却炉が残ってたけど使用は中止になってたな
まあ野暮だが… かすみ「ちょっとだけどいてくださいっ!」バッ
用務員「あっ、ちょっと……中は汚いよ⁉」
かすみ「ここに……ここにあるはずなんです……後はここしか残ってないんですっ……!」ガサゴソ
かすみ「この……ゴミの山の中に……!」ガサゴソ
かすみ「!!!」
かすみ「……………………っ」
かすみ「……あり……ました………………」 かすみ「こんなに……なって」ヒョイ
かすみ「かすみんの……かすみんの大切な……かすみんボックス……もう、ボロボロになっちゃいましたけど」
かすみ「ああ……けど、中の手紙も……無事で…………っ」
かすみ「本当に……本当に、よかっ……」
かすみ「う……う゛うううぅ……っ」グスッ
かすみ「なん゛でぇ……なんでごんなひどいこと……っ、えぐっ、うぇっ……あ゛あぁぁぁぁぁぁあ……っ」 本体だけじゃなくてみんな宛ての手紙が入ってたのはキッついな 〜放課後・部室〜
侑「……でさー、その時エマさんの胸のボタンがぷちぷちぷちっ! て弾け飛んでさあ、おっぱいがぶるん! ってなったわけ」
歩夢「あはは……漫画じゃないんだから……」
侑「本当なんだって! いやー見せたかったなー歩夢にも!」
侑「お疲れ様でーす!」ガラガラ
侑「おろ? かすみちゃん?」
かすみ「…………………………………」ブツブツ
ペタペタ… ペタペタ… 歩夢「……かすみ、ちゃん?」
侑(かすみちゃんが何か呟きながら弄ってるアレ……かすみんボックスじゃ……)
侑(……なにか、様子がおかしい)
侑「かすみちゃん! 聞こえる⁉」
かすみ「あっ、えっ、」ガタン
かすみ「……侑先輩、歩夢先輩?」
かすみ「なんでまだお昼休みなのに部室にいるんですか?」 侑「昼って……もう放課後だよ?」
かすみ「え」バッ
かすみ「……ほ、本当だ……はは、ははは、午後の授業サボっちゃいました……」
歩夢「かすみちゃん。このかすみんボックス……これ、なんでこんなにボロボロなの? 手がないし、頭の部分がベコベコになってるよ」
かすみ「!」
かすみ「いや、あの、こっ、これはなんでもなくて、そのっ! これから、これから頑張って直すんですっ……きっと元に戻るんです! かすみんが戻してみせます! だからっ……!」ワタワタ 教えてかすみちゃん
見るのすごい辛いしかすみちゃんが悲しんでる姿見るの苦しいのに
スレの更新やめられないんだが 侑「……かすみちゃん」
かすみ「っ」
侑「何かおかしいと思ったんだ。日を追うごとにかすみんボックスがどこか歪んでいってるの。あまりにダメになるのが早すぎるんだもん」
侑「……かすみちゃんが、毎日こうやって一人でかすみんボックスを直していたんだとしたら。それでも壊れてしまうような理由があるんだとしたら」
侑「お願い。なにが起きているのか、話してくれないかな。私も、歩夢も、同好会のみんなだって……かすみちゃんの力になりたいんだ」
侑「……かすみちゃん、今にも泣き出しそうな顔してる。私、かすみちゃんが笑ってるところが見たいよ」 かすみ「!」
かすみ「……本当、ですか?」
歩夢「うん。とっても……辛そう」
かすみ「そうですか。そう、なんですね。私、もう、取り繕うのも、できないくらい……」
かすみ「っ……う゛ぅっ……」
侑「かすみちゃん」ギュウ
かすみ「う゛ううぅ……せんぱぁい……えぐっ、う゛ぇえええぇぇぇぇっ…………」 璃奈「かすみんボックスが……」
せつ菜「毎日どこかに捨てられているっ!?」ガタン
かすみ「はい……一週間くらい、毎朝確認してるんですけど……お昼までか、もしくは放課後までの間にどこかに持ち去られて……」
かすみ「最初はトイレのゴミ箱……かすみんの下駄箱に押し込まれてたり……最後は……し、しょっ……」
かすみ「……焼却炉の中、に…………っ」
エマ「酷い……」ガクゼン
愛「これは流石に許せないね。陰湿にも程があるよ」
せつ菜「誰ですか!!!! そんなことをする不届き者はっ!!!!!!!」プンスコ 果林「まぁ、この学校生徒はやたらと多いから。一人一人疑っていたんじゃキリがないわ」
果林「……だからこそ、犯人を探すよりも何らかの対策を講じましょう。これ以上好き勝手にかすみちゃんの傑作を弄ばれるわけにはいかないわ」
かすみ「果林先輩……」
侑「そうだね。これはかすみちゃん一人の問題じゃない。同好会の総力をあげて解決するべき問題だよ」
しずく「対策としてはどのようなことを?」
彼方「う〜ん、かわりばんこにボックスを見張るとかどうかな〜?」
エマ「話を聞いた感じだと授業中の時間に持ち去られるみたいだし、それは難しいんじゃない?」 愛「鎖とかつけてさー、勝手に持っていかれないようにするのはどうかな?」
璃奈「……ダンボールは簡単に凹むし、その気になれば無理やり持っていくこともできてしまうと思う。ちょっと難しい」
歩夢「じゃ、じゃあ、人目の着くところに置くとか……」
侑「いや、今でもかなり人目の多い場所に設置してるよ。かすみんボックスは人の目に触れないと意味がないからね。今以上に……ってなると難しそう」
一同「「「うーん」」」
璃奈「こうなったら仕方がない。私が持ち帰ってなんとかしてみる」 かすみ「り、りな子、何か方法があるの!?」
璃奈「うん。出来れば避けたい手段だったけど、こうなってしまった以上は仕方がない」璃奈ちゃんボード『やれやれだぜ』
璃奈「私も全力を出す」
璃奈「一日、かすみんボックスを借りてもいいかな?」
かすみ「う、うん。いいけど」
璃奈「ありがとう。明日、アップデートを施して持ってくるから。楽しみにしていて」 これ同好会の中に犯人がいて手の内知られてるパターンだろ! りなりーがネット上で手紙入れられる電子かすみんボックス作ってくれればいいんだけど
実行犯がクラッキングしてきそうだな 捨てられたかすみんボックスが意思を持って、犯人に復讐するホラーSS需要ある? りなちゃんボードでジョジョが出てくるかす虐師は良い人って教科書に載ってた カメラ仕掛けとけばええやん
データは転送される仕組みにして
りなりーならできる 自分の通ってる大学名わざわざ出さないだろ、確信犯だな? かすみんボックスが鎖で繋がれてる姿は割と面白そう
かすみさんが拘束されてるみたい かすみさんを直接傷つけることなく精神を磨耗させることができるアイテムを自ら作り出してしまったかすみさんサイドにも問題があります 授業中に持ち去られるなら、犯人は授業に参加していない……? ダンボール箱を装備しているな。ダンボール箱は敵の目を欺く最高の偽装と言える。潜入任務スニーキングミッションの必需品だ
勿論だ。ダンボール箱に命を救われたという工作員は古来より数知れない みんな……これを使ってきたのか?
当たり前だ。ダンボール箱をいかに使いこなすかが任務の成否を決定するといっても過言ではないだろう ……
ただし、いかにダンボール箱といえど素材は紙だ。手荒い扱いをするとすぐ駄目になるぞ
とにかくダンボール箱は大事に使え。丁寧に扱えばダンボール箱もきっとお前に応えてくれる
真心をこめて使うんだ。必要なのはダンボール箱に対する愛情。粗略な扱いは許さんぞ。いいな 〜翌日・放課後〜
璃奈「ということで、完成した」ドン!
侑「こ……っ」
せつ菜「これは……!」ワクワク
かすみ「……か、かっ……かすみんが……」
かすみ「かすみんがメカになってますーっ!!」
璃奈「段ボール製のボディを鉄に変えて、基本のフォルムはそのままもう一度作り直した。これを名付けて、かすみんボックス【マークII】」ドヤ
せつ菜「す、す、凄いです!! 可愛さとメカメカしいカッコ良さがばっちり融合を果たしていますっ!!!」 かすみ「こ、これは本当に可愛いんですか?」
せつ菜「そうですよ!!! 見てください! このぎらぎらと輝く鋼鉄の煌めき!! それでいて目元やフォルムは依然として可愛らしさを残している!!!」
せつ菜「アッガイって知ってます? 機動戦士ガンダムシリーズに登場するMSの一つなんですけど、戦闘用に作られたMSながらも丸っこさが目立つフォルムと短い手足で独特の可愛さを有しているんです!!!!」ペラペラ
せつ菜「他にもいろいろあるんですけど割愛してとりあえずメカメカしさと可愛さは両立できるっていうのが私の持論なんですけど、その観点から見た時にこのかすみんボックスは」ペラペラ
かすみ「あ、もう分かりました、はい」
璃奈「いいよね、アッガイ」ウン 璃奈「話が逸れたけど、ボディはかすみちゃんらしい明るい色でペイントしてある。強度は前とは比べ物にならない。鎖とかで繋げれば、簡単に持ち去られることはないはず」
かすみ「うん、確かにそうかも。ありがとう、りな子。かすみんのためにここまで……」
璃奈「ううん、大丈夫。かすみちゃんが笑えないと、私も悲しい。だから役に立てて嬉しい」
璃奈「とっても、嬉しい」
かすみ「りな子……っ」
愛「こういうのでいいんだよ」コウホウウデクミ
しずく「……………………」 しずく「璃奈さんが改良してからイタズラが一切なくなったということは……璃奈さんがかすみさんに恩を売るために狂言をしかけたんじゃないでしょうか」 あの大きさの鉄塊を家から持ってくるりなりー友達想いすぎる 初代がいいって先輩と話してたのにマーク2になってて笑う 〜翌日・放課後〜
かすみ「ふぅ。もうかすみんボックスを探さないでいいんだって思っただけで、ずっと気が楽になりました」
かすみ「ロボになっちゃいましたけどね」アハハ…
かすみ「じゃあ、今日もマークIIの調子を見に行きましょう♪」
ザワザワ… ガヤガヤ…
かすみ「ん? なにやら、かすみんボックスのところに人だかりが……」
かすみ「どうしたんでしょうか?」ヒョイ かすみ「うぅ〜。み、見えない……っ」ピョンピョン
かすみ「っ……⁉」
かすみ「ちょ、ちょっと、すみませんっ、どいてくださいっ! お願いします!」
かすみ「……はぁっ……はぁっ…………」
かすみ「………………ぁ、ぁあ……」ガクン
かすみ「そんなっ……なんで、こんな…………」 〜放課後・部室〜
一同「「「………………………」」」
かすみ「すいません…………」
歩夢「かすみちゃんが謝ることじゃないよ……」
彼方「これは……流石に酷いねぇ……」
せつ菜「今度はかすみんボックスの顔部分に大きな×の落書きですか……書かれていた文字も、全部黒く塗りつぶされていますね……」ギュ
璃奈「私のせい。油断してた。持ち去られないことだけを考えて、こういった可能性を考慮してなかった」 侑「……璃奈ちゃんは悪くないよ。当然かすみちゃんも悪くなんてない。悪いのは全部、どこかの陰湿な誰かなんだよっ!」バン
エマ「キレていいかな(低音)」ボソッ
愛「……悔しいなぁ。こんなことをされてるのに、いっつも後手に回ってばっかりで」
璃奈「まだやれる。今度こそやってみせる。今の状態に更なる改造を加えて……」
果林「……自分で提案しておいてなんだけれど。ここまで向こうがしつこく干渉してくるのなら、直接現場を抑えたほうが早そうね」
侑「やってやろうよ! なんとかして犯人を懲らしめるんだ!」
ウオオオオオーッ! ヤルゾー! カナタチャンガンバッチャウ~
かすみ「…………………」ギュウ ・文体をいけない→ならないに統一
・適切な箇所に句読点を追加
【かす虐十則 】
その一
かすみさん及びその周囲の人を直接身体的に傷つけてはならない。ただし、桜坂しずくはこれに準じない。
その二
かすみさんを殺害・自殺を仄めかす発言等をしてはならない。
その三
かすみさんを精神的に衰弱させなければならない。かすみさんの精神に致命的な決壊をもたらさないように、かす虐と併行して適切な精神的ケアを行わなければならない。
その四
いたずらを除いて、かすみさんに非があってはならない。
その五
かす虐に用いた工作の事後処理を徹底し、かすみさん及びその周囲の環境に痕跡を残してはならない。
その六
第三者にかす虐がバレた際は、協力者になるか始末するか迫らなければならない。また、第三者がかす虐に及んだ場合、断罪しなければならない。ただし侑(あなた)はこれに準じない。
その七
強請り・損害賠償等、かす虐への金銭面の関与は避けなければならない。
その八
かすみさんへの愛以外は、如何なる感情もかす虐に用いてはならない。
その九
かすみさんのおちんちんを虐めるという名目で、かすみさんにおちんちんを生やしてはならない。ただし、璃奈さんの作った発明品等の、おちんちんが生えている明確な理由が示されている場合はその限りでない。
その十
かすみさんは、最後は笑顔でなければならない。 それから、同好会はその総力を上げて姿の見えない悪意に立ち向かった。
璃奈「……もっと……もっと改良を……」キュイイン
愛「りなりー、お茶淹れたよ? もう何時間も作業してるんだし、ちょっと休憩しよう」
璃奈「愛さん……うん、ありがとう」
ある者は夜を徹して改良作業に勤しみ、ある者はそれを手伝い。 かす虐十則的に最後にかすみんが笑顔じゃないといけないから、ここまで悪質だとしず子犯人じゃなさそう。 エマ「犯人はどこかな(低音)」
彼方「う〜ん……むにゃむにゃ……」
エマ「あっ、彼方ちゃん! 見回りしてるのに寝ちゃダメだよぉ〜」ユサユサ
果林「見回りしてたとハズなのにはぐれてしまったわ……ここ、どこかしら……?」キョロキョロ
またある者は、可能な時間にかすみんボックス周辺を見回り、警備を行い。 歩夢「私物の監視カメラを設置してみたよ♡ これで周辺の監視はできると思う。家にスペアが余ってて良かったよ〜」
侑「ありがと! 流石は歩夢だね!」
せつ菜「歩夢さん! 監視カメラを持っているなんて凄いです!!」
またある者は、持ち寄った私物を用いて協力した。
しかし、そんな同好会メンバーの努力にも関わらず、一向に犯人が姿を見せる気配はなかった。手の内を全て把握しているかのように、対抗手段をひとつひとつ掻い潜っては、嫌がらせが続けられたのだ。
そうして、一週間が経ったころ────。 >>156
私物の監視カメラとか不穏でしかないけど、かすみんBOXのために使うくらいだからこの歩夢は同好会メンバーとも仲良さそう その十一
ただし桜坂しずくに限り、その一から十まで破ってもよい。 〜放課後・部室〜
侑「なかなか、止まないね……」ハァ
璃奈「これ以上の改良は……流石に、もう無理。かすみんボックスがかすみんボックスじゃなくなる」
彼方「どうしたものかなぁ〜……」
愛「こうなったら、警察に届け出出すとかさ……一応器物損壊だよね、これ?」
せつ菜「うーん……しかし……これでも警察の方々にとっては小さな出来事でしょうから、ちゃんと動いてくれるかどうか……」
果林「ままならないわね……」 その十
かすみさんは、最後は笑顔でなければならない。ただし、理由がある場合はその限りではない。 かすみ「……………………かすみんは、そんなに嫌われてるんでしょうか」ボソッ
侑「!」
侑「それは違うよ!」ガタッ
かすみ「でも……かすみんがこんなものを置かなければ、こんなこと起きなかったんじゃないですか……?」
かすみ「調子に乗って……こんなものを作ったかすみんがそもそも間違っていたんじゃないんですか……⁉」
侑「そんなことないっ! かすみちゃんがこれを考えてくれたおかげで、色んなことができたよ⁉みんなの大好きを知ることだって!」 かすみ「でも……それは……」
かすみ「同時に……「嫌い」ってことも……伝えてしまうものなんじゃないですか……?」
侑「っ!」
歩夢「それは……」
かすみ「もし……そうなんだとしたら……」
かすみ「わたしは……かすみんボックスをこのまま置いておくのが……怖いです……」 かすみ「嫌いって、こんなに直接的な悪意を伝えられるのは……もう、イヤなんです……」
かすみ「怖いんですよっ……!」ブルブル
璃奈「かすみちゃん……」
かすみ「ごめんなさい」
かすみ「わたし、今日は帰りますね……」ガタン
ガラガラ…
バタン! かすみ「………………………………」トボトボ
かすみ「…………ぐすっ……ひぐ……」
かすみ「……………う゛ぅ……ぅ……」ポロポロ
かすみ「………………っく、…………」
かすみ「……なんだか……もう……なにをしたって変わらないんだって……どうでも良くなっちゃった……」
かすみ「あはは……はは……」
かすみ「……家にも、学校にも……何処にも、行きたくないよ……」
かすみ「……………………」トボトボ… 〜深夜〜
侑「かすみちゃん……大丈夫かな……」ハァ
侑「私がもっと、しっかり何か言えてたら……」
プルルルルル!
侑「ん? これは……せつ菜ちゃんから電話? それもこんな遅い時間に?」
侑「何事だろう。はーい、もしもしー?」
せつ菜「侑さん!!!!!!????? もしもし!!!!! 私ですが!!!!!!!!!」
侑「うるっさ!!」キーン
せつ菜「あ、ご、ごめんなさい」シュン
侑「い、いやいや、別にいいよ。どうしたの?」
せつ菜「そうなんです! じ、実は聞きたいことが……!」 侑「……かすみちゃんが、家に帰ってない⁉」
せつ菜「先程ご家族の方から連絡があって。かすみさんを探しているんですが、そちらにはいませんか、と……どうやらこんな時間になってもまだ帰っていないらしく……」
侑「うそ……だって今、0時過ぎてるよ⁉」
せつ菜「もしかしたら侑さんの家かと思ったんですが……その反応では、そちらにお邪魔しているわけでもないんですね」
侑「うん……」
侑「こんな時にじっとしてられない。こうなったら、私も探すよ……!」
せつ菜「待ってくださいっ。いくら侑さんでも、こんな時間に一人で出歩くのは危険です!」 侑「だ、だからって……それでも……!」
せつ菜「私だって、飛び出したい気持ちはあります。今すぐかすみさんを探しに行きたいです」
せつ菜「でも……それでもっ。それで万が一のことがあったら……誰も、報われません……」
侑「………………」ギリ
せつ菜「いま、ご家族の方が警察に捜索届を出されるか判断しかねているところだそうです。一日だけ、待ってみませんか」
侑「…………そう、だね」
侑「教えてくれて……ありがとう」ピッ わかるわ
いじめられると味方が優しくしてくれても敵しか見えなくなるんだよね 侑「かすみちゃん……」
侑「どこに、行っちゃったの……?」
その夜のうちに「かすみが消えた」という情報は同好会のメンバー内に共有され、全員が同じ感情を抱いた。かすみの無事を祈りながら、各々はなかなか眠れない夜を過ごす。
もどかしくも時間だけが過ぎていく。
──────そんな中で一人、行動を起こしたものがいた。
???「………………………」
時間は既に0時を回り、辺りは暗い闇に閉ざされている。人々が眠りにつく頃合いだ。
今夜は探しに行くなと、侑やせつ菜から釘を刺されてもいる。
それでも、少女は怯えることも躊躇うこともなく、引っ張り出した自転車に跨った。 チュンチュン…
かすみ「…………………」
かすみ「ふらふら歩いて……気がついたら、私たちが最初にライブをするはずだったこの場所にいて」
かすみ「ずうっと座り込んで考えていたら……朝になっちゃった…………」
かすみ「空が、だんだん色づいていく」
かすみ「……嫌い。そんなの、見たくない」
かすみ「今は……真っ暗なほうが……いいよ」 しずく「──────かすみさんッ!!!!」ガシャン
かすみ「え」
かすみ「…………うそ、だ」
しずく「はぁっ、は……はぁっ、はぁっ……!」
かすみ「なんで……!」
かすみ「なんでこんなところにいるの、しず子っ!」
しずく「……見つけたよ、かすみさん」ゼェゼェ すまん、しず子・・・一瞬でも君を疑ってしまって、申し訳ない😓 鎌倉から自転車で来るって、しずくはすごい優しいなあ かすみちゃんを自分に惚れさせるための自作自演に決まってるだろ なにかしらとんでもない濡れ衣を着せられて孤立してしまったかすみさん。
居場所がなくなり
「しず子は……しず子だけはかすみんのこと信じてくれるよね……?」
と大好きな私を頼るんですよね。
思いっきり突き放してあげたいなぁ💙
最後の寄る辺だった私にも見放されて絶望した表情、最高にかわいいよ💙 夜中に自転車で鎌倉からお台場まで…
これは友情オードリー ここで信用させた後に落ち込ませるのが良いんじゃないですか 良質なかす虐をありがとうございます
やっぱり皆さんあのBOX壊したいですよね分かります
かすみさんは虐められてる時が一番輝いてます このSSのお陰でかすみんボックスぬいぐるみ予約したわ
今から楽しみ かすみんボックスぬいぐるみとかいう虐待推奨アイテム 深夜に鎌倉からママチャリで繰り出すJKとか怖すぎだろ >>198
こうなるのあらかじめわかってたから東京にそのまま居座ってたんやろ もし鎌倉からチャリ漕いできて犯人だったらもう誰にも止められないよこいつ… >>209
やっぱりかすみんBOX持ってるじゃねぇか かすみ「……まさか」
かすみ「まさか、わたしを探して、ここまで?」
かすみ「しず子の家、ここからどれだけ遠いと思ってるのっ⁉」
しずく「うん……はぁ、は、私も……ちょっと後悔してるよ……終電も過ぎてるし、自転車で行こうと思ったんだけど……結局、夜明けまでかかっちゃった……」
しずく「見つけやすいところにいてくれてよかった……足が、もう……へとへとで……」アハハ
かすみ「っ! ばか!」
かすみ「ばかぁっ……!」ギュウ しずく「…………「ばか」なのは、かすみさんの方でしょう?」
かすみ「うっ」
しずく「何も言わずにいなくなって、色んな人に心配と迷惑かけて……」
しずく「私だって、いてもたってもいられなくなって」
しずく「だから、ここまで来たんだよ」
かすみ「それは……そう、かも……だけど」
かすみ「……………………ごめん」
しずく「うん。いいよ」ニコッ しずく「……ねぇ、かすみさん」
しずく「どうして、お家に帰らなかったの?」
かすみ「……それは、」
かすみ「分からなく、なっちゃったんだ」
かすみ「どこに行けばいいのか。どんなところを目指せばいいのか。なにを目的にして、どんなことを目標にして、進んでいけばいいのか」
かすみ「かすみんボックスを見たときに、頭が真っ白になって……なにも考えられなくなって」
かすみ「逃げ出しちゃった……」 しずく「……かすみさんは、かすみんボックスを見てどう思ったの?」
かすみ「そんなのっ、決まってるよ!」
かすみ「もういや……イヤだよっ。あの箱から目を背けたい! 逃げ出したい! あんなことをされるくらいなら、嫌いだって直接言われるほうがずっといいっ!」
かすみ「誰かの「嫌い」なんてイヤだよっ!」
かすみ「…………もう、イヤだよぉ……」
しずく「……かすみさん」
しずく「ねぇ、こっちを向いて?」
かすみ「え……?」 しずく「えい♪」
ピンッ!
かすみ「あいだっ⁉」
かすみ「で、でこぴん? 何するのぉ、しず子」
しずく「うふふ、思い出した?」
かすみ「え……な、なんのこと……?」
しずく「忘れちゃったの? 酷いなぁ。あの時、あの教室で、私に言ってくれたこと。かすみさんは覚えてる?」 かすみ「あの教室で……言ってくれたこと……」
『なーに甘っちょろいこと言ってんだー!!』
『嫌われるかもしれないからなんだ! かすみんだってこーんなに可愛いのに、褒めてくれない人がたくさんいるんだよ!』
『もしかしたら、しず子のこと好きじゃないっていう人がいるかもしれないけど、私は"桜坂しずく"のこと大好きだからっ!』
かすみ「……!」ハッ
しずく「思い出した?」 しずく「今のかすみさん、前に私が言われたことと同じ事で迷っているんだよね」
しずく「だから、同じことを言うよ」
しずく「確かに、かすみさんのことを好きじゃないっていう人はいるんだと思う」
しずく「でもね、私は"中須かすみ"が大好き」
かすみ「…………っ!」
しずく「ううん、私だけじゃない。同好会のみんなや、他のスクールアイドルの人たちや、学校のみんな、インターネットで繋がっているファンの皆さん」
しずく「かすみさんを嫌いだって言う何十倍、何百倍の人々が、あなたのことを大好きだって言うよ」 かすみ「…………っ、ぁ」ポロポロ
かすみ「だからね、かすみさん」ギュウ
かすみ「これ以上泣かないで。みんなが大好きなのは、きっとかすみさんの可愛いところだよ。だから、今度は笑って欲しいな」
かすみ「……ひど……いよ……しず子は……っ」
かすみ「そんなこと言われたら、言われたらっ」
かすみ「もっともっと……涙が出てきて……止まらなくなっちゃうよぉっ……」グスッ
しずく「……………………………」ギュウゥ… 程なくして、かすみの両親に連絡があった。
その後のゴタゴタはあったものの、特に健康的な被害や犯罪に巻き込まれたというようなこともなく、かすみ失踪事件はきわめて平和的に終結を迎えた。
それから数日が経って────、
かすみ「ふんふんふふん♪ ふんふ〜ん♪」
侑「ご機嫌だね、かすみちゃん」
かすみ「はいっ! かすみんは今日もばっちり可愛いアイドルですからね〜?」
歩夢「色々あったけど、かすみちゃんがいつもの調子に戻ってくれて良かったあ」ニコニコ
かすみ「はいっ! かすみんはもう惑わされませんよっ!」 侑「最近はボックスの被害もめっきり減ったし!やっと諦めてくれたみたいだね!」ニコニコ
かすみ「そうですねー! 今日もこのまま回収に行ってみましょう! 我らがかすみんボックスマークWを!」
歩夢「うん、今日も何か入ってるといいなあ」
かすみ「と、ちゃんとボックスは無事ですね。一応確認して……よし、大丈夫みたいです」
侑「よーし、それじゃあお手紙を……おっ!」
歩夢「すごい! これ……いつもの3倍くらい入ってるよ!」ガサガサ
かすみ「ほ、本当です……!」 侑「えへへ〜早速読んじゃお〜っと」
かすみ「いいですねぇ。読みましょう読みましょう」ワクワク
歩夢「ちょ、ちょっと。せめて部室まで持って行ってから……」
侑「いいじゃん、こんなにあるんだから一つくらい。ね、ねっ?」
歩夢「……もうっ。仕方ないなあ」
かすみ「そうですよぉ。では、1枚目のご開帳です! お願いします!」 三人「「「…………………………え」」」
絶句。
その紙切れを開いた3人の姿を言葉で表すのならば、まさにその二文字が相応しかっただろう。
言葉も発せずに、ただ3人はそこに書かれていた乱雑な文字を凝視する。
……『死ね 中須かすみ』。
大好きを伝える筈の手紙に書かれていたのは、悪意に満ちた文字列だけだった。 うわああああああああああああああああああああああああああ 侑「……私が確認した限り、かすみんボックスに入ってた11枚中8枚がかすみちゃんに関する……その、悪口でした」
侑「当然、全部処分しておいたよ」ハァ
しずく「………………そうですか」チッ
かすみ「すみません、侑先輩。辛い役目を任せてしまって」
侑「ううん、こういう時こそスクールアイドルじゃない私の出番だよ。これくらいは任せて」
果林「今度はそういう方向で来たって訳ね……」
彼方「あれこれ手を変えて……陰湿だねぇ……」
エマ「殴られたいのかな?(低音)」
璃奈「マークWまで改造を重ねたけど……流石に内容の検閲までは出来ない。別の方法を考えるしかない」 悪口にご立腹という意味での舌打ちなのか……それとも かすみ「ううん、平気だよりな子。もう今更取り乱したりしないし、こんなことでへこたれない」
愛「かすかす……大丈夫?」
かすみ「だからかすみんですっ。確かに、ちょっと前のかすみんは傷付いて進めなくなっていたかもしれません。でも今は、背中を押してくれるみんながいます」
かすみ「だから、かすみんはもう平気へっちゃらですっ!」ドドン
しずく「かすみさん……」
侑「……うん、問題なさそう。かすみちゃん、前よりもキラキラしてる気がするもん。これについては私が処理すればいい話だし、今日も楽しく練習しよう!」
オー! ヤルゾー! アンマリガンバリスギチャダメダゾ~? 〜数日後〜
侑「今日も処理、処理っと……」
侑「えーと何々、『かすみ 死ね』『目につく、うざい』『ブス』『きもい』……」
侑「よくもまあ飽きないもんだね」ハァ
侑「全部まとめてゴミ箱にポイ、と。なんだか前に比べると、随分嫌がらせの質が落ちたなあ。書かれてる文句も似たようなものばっかりだし」
侑「前のほうがインパクトがあったというか」
侑「まあ、嫌がらせに変わりはないんだけどね。どっちも迷惑行為ってことに変わりはないし、許されることじゃない」
侑「さあ、今日も練習のお手伝いだ!」タタッ… こういう「誰が犯人?」ってスレ住人とかすみん(+同好会の味方)の心情をシンクロさせるの上手いなぁ しずく「……………………」ヒョコッ
しずく「……………………」ススス…
しずく「……………………」ガサゴソ
しずく「ありました」ヒョイ
しずく「ふむふむ……なるほど」
しずく「……………………」
しずく「じゃあ、行きましょうか」ニコッ 〜放課後・夜〜
???「………………………」キョロキョロ
???「目につくのが悪いのよ……あの女……中須かすみとかいうスクールアイドル……」
???「いっつも笑って……自分が可愛いって自信満々で……腹が立つ……」
???「今日も誹謗中傷を書いて……ポイ、と」パサ
???「本当ならあいつの顔をしたこの箱を叩き潰してやりたいけど……これ、やけに頑丈な作りだし……」
???「……じゃあ、帰ろうかな」
「ど こ に 行 く ん で す か?」 ???「ひっ⁉」
???「だっ……だ、誰⁉」
しずく「ここですよ。こんな簡単な潜伏も見破れないだなんて、お粗末にも程がありますね」スッ…
???「あ、あんたっ……」
しずく「夜遅くにこんばんは。虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会兼演劇部所属、桜坂しずくです」ニコ
女生徒「い……っ、いつからそこに……⁉」
しずく「ざっと二時間前から。授業中か放課後夜遅くと睨んでいましたが、予想的中ですね♪」 しずく「さて、貴女でいいんですね。かすみさんについての誹謗中傷を毎日入れていく犯人」
女生徒「っ……!」
しずく「言い逃れなんて出来ませんよ。今箱に入れたソレの中身を見れば分かりますから」
女生徒「だ……だから何っ⁉ 私は思ったことをそのまま書いて入れてるだけよ!」
しずく「はぁ。まあ、そうかもしれませんね」
しずく「ひとつお聞きしたいんですが、そういった行為に走る理由は何ですか? かすみさんが可愛いことへの嫉妬?」
しずく「それとも、もしかして──────」 女生徒「決まってんでしょう! 嫌いなのよ! あいつが! 中須かすみがっ!」
しずく「…………………………………………」
女生徒「やたらと目について鬱陶しい! 自分が可愛いと信じて疑わないのが腹立つ! 見てるだけでイライラするのよこっちは!」
女生徒「私は被害者よ!」
しずく「……なるほど、よく分かりました」
しずく「……………"つまらない"ですね。貴女」 女生徒「…………は?」
しずく「つまらないって言ったんですよ。かすみさんの何も知らない。中須かすみについて知ろうともせず、勝手に一人で嫉妬して挙げ句の果てにはやる事が紙切れ数枚を入れるだけ、ですか」
しずく「凡俗。美しさのかけらもありません」
女生徒「……あんた、なにを……言って、」
しずく「かすみさんのことを見ているなら知っていますよね? このかすみんボックス、何度も何度も持ち去られてるんです。ある時はゴミ箱に投げ込まれて、焼却炉に捨てられ、靴箱に押し込まれ」
女生徒「し、知らないわよ! そんなこと!」
しずく「そうですか。別にいいですけど。まあ、そういうことがあって、かすみさんはとても追い込まれたんですが……」
しずく「それ、全部私がやったんです」 【犯人は桜坂しずく】かすみ「かすみんボックスがなくなった…?」〜エマガチギレ、同好会壊滅の危機!?編〜【SS】 女生徒「…………っ!!?」ゾワ
しずく「驚きですよね。はい、私がかすみんボックスを何度もゴミ箱にぶち込んでぐちゃぐちゃにして焼こうとしました。全部全部全部私がやりました」
しずく「大変だったんですよ? 授業を抜け出すのは簡単じゃありません。その上で見回りの皆さんを掻い潜って、監視カメラは一つ一つ塞ぎ、璃奈さんが取り付けた自律式防衛機構への対策を講じて……」
女生徒「あ……あんた……中須かすみの、友達じゃ……ないの……?」
しずく「友達ですよ。当然じゃないですか」
女生徒「…………嘘。嫌いだから、そんな、」
しずく「「嫌いだからそんなことをする」? 違います、行動の発端からズレています。価値観が違うんですよ、私と貴女じゃ。貴女はかすみさんが嫌いだからああいう行為に走った。私は……」
しずく「……かすみさんが大好きだからこそ、かすみさんを傷付けるんです♡」 しずく「残念です。せっかく同じ考えを持つ人に巡り会えたかと思ったのに」
しずく「でもまあ、当然ですよね?」
しずく「貴女のやり方はただただ面白くない。私がしっかりアフターケアを施したことで、かすみさんは誰かの悪意への向き合い方を知りました」
かすみ「今さら誹謗中傷を送り付けたところで、かすみさんに響くことなんて何も無いんですよ」
しずく「無駄と知っていたらそんな行為に走るはずがありません。貴女のソレはただの徒労です」
しずく「分かりましたか? 自分の愚かさが」 女生徒「あんた……狂ってる。愚かなのはあんたも同じでしょう⁉」
しずく「ええ。愚かだし狂っていると思います。大切だからこそ壊したい、愛しているからこそ虐げたい。滑稽で矛盾した精神のあり方です」
しずく「本来ならこんな想いを、外に出すべきではありませんでした」
しずく「……でも、かすみさんは言ってくれたんです」
しずく「本当のわたしが、大好きだって」ニコッ
女生徒「………………っ」
しずく「だから私はかすみさんを! 愛して! 壊して! 色んな顔を見せてくれるかすみさんの全部を! 心の底から慈しむんですよ!」 しずく「……貴女には知識がない。信念がない。なによりかすみさんへの愛がない。あらゆるものが不足している」
しずく「その程度の想いで」
しずく「よくも、かすみさんに触れようとしましたね」ギロリ
女生徒「ひっ……あ、あんた……あんたこそ……あんたこそ悪意の塊のくせにっ!」
しずく「"悪意"なんて酷いなあ」
しずく「────これが、私の"愛"なんですよ♡」 しずく「……おほん。少し話し過ぎましたね」
しずく「"テリトリー"って知ってますか? 野生生物が有する縄張り、占有する地域のことです。簡単に言うと、かすみさんの周囲は私にとってのソレなんですよ」
しずく「だから、貴女は許しません」ニコッ
女生徒「ひっ……」
しずく「ここ数日で色々と調べて、貴女の弱みを何から何まで調べ上げました。電話番号も住所も年齢も家族構成も成績も好きなことも嫌いなこともインターネットの検索履歴に至るまで」
しずく「完全に調べ上げれば、人間、一つや二つは弱みが見つかるものです」 しずく「……それを公表するかは置いておいて、まずは直接的な"罰"を与えますね?」
しずく「私の縄張りに無許可で足を踏み入れた」
しずく「私のかすみさんにその穢らわしい手を伸ばした」
しずく「全て、全て、全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全てッッ!!!!」
しすく「────────絶対に、許しません♪」
女生徒「あ…………あぁ、あ……………!!?」
女生徒「いや……あ、ぁあああああっ、」
女生徒「いやあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」 こいつはなにゆえそこまでかすみさんに執着するんや…
ただのぶりっ子やんけ… 冷静に思い返すと半年前では考えられないキャラ付けで笑う 〜それから数日後〜
かすみ「ふぁ〜ぁ……最近はああいうお手紙もめっきり無くなったし、平和で良いよねぇ」
しずく「うん、そうだね」ニコッ
かすみ「なんでぱたっと止んだんだろう? もしかして、同好会の誰かのファンになって、かすみんに構ってる時間がなくなったのかなぁ?」
かすみ「そうだと嬉しいんだけどねぇ」
しずく「……うん、きっとそうじゃないかな」
しずく「かすみさん。かすみさんボックスをめぐって色々あったけど、今はどう思ってる?」 かすみ「えっと、ちょっと大変な出来事だったけど」
かすみ「でも、しず子がいっぱい励ましてくれたおかげで、昔よりも前に進めた気がする!」
かすみ「ありがとねぇ、しず子」ニコニコ
しずく「そっか。なら、私も嬉しいな」
かすみ「何でそんなこと聞くの?」
しずく「だって、かすみさんが心配だったから。でももう心配いらないみたいだね」
かすみ「もぉーっ、ちょっも過保護だよしず子はぁ!」プンスコ アハハハ… フフフ…
しずく「じゃあ、また何か始めようかな」ボソッ
かすみ「え?」
しずく「ううん、なんでもない♪」
しずく「……かすみさん。これからもずっとずっと、色んなかすみさんを私に見せてね?」
かすみ「可愛いかすみんを見過ぎて、惚れちゃわないようにね〜? くふふ」
しずく「そんなことあるはずないでしょう、もうっ」 しずく「──────私はもう、かすみさんの虜なんだから♪」ボソッ 終わります。お付き合い頂きありがとうございました。 かす虐はしずく一人勝ち多いからたまには裁かれて欲しいぞ しずく以外がやってたら胸糞悪いけどしずくならって気がしている 面白い作品でした
こんなことを言うのもなんだけど、途中かすみん自分で自分のこと励ましてますよね
しずくに言ってほしかったことを脳内補完した感じでしょうか?
かすみんは強い子ですね!>< どうしてしずくにこんなキャラが定着しちゃったんだろうな... スクスタの裏切り者キャラが定着するよりはいいや
こっち路線の方がある意味愛されてるし
アニメスタッフGJ! ボックスSS待ってた
純粋な気持ちでウキウキで段ボールに顔描いてる所想像するとほんとたまらん やっぱりしずくちゃんにも罰は与えられるべきでは??(賢者タイム) 20章21章でキャラが破壊されたのが既に罰だと思うんですが 乙
かす虐は体に悪いと思っていても止められないジャンクフードのようだ かす虐はフォアグラ。
飼育過程を見ても栄養素を見ても健康上の影響を見ても良いものなどひとつも無いはずなのに、ただその味のみが評価されたゆえに需要を作り出した悪魔のような存在。
身体に悪いが、美味いのだ >>394
流石に四千円くらいするんだし大事にするよ💙 歩夢「沈静化したし監視カメラ片付けよっか…」
歩夢「えっ…ログにしずくちゃんが映ってる…」 >>163
仲良くない歩夢がいるみたいな言い方やめろ たまにかす虐が周囲にバレる展開も見てみたいな。周りやかすみがどう反応するのか、しずくはどうするのか、周囲はそれを信じられるのか >>401
しずく「あなたも『こちら側』になりませんか?」 マケミちゃんはこっそりやってるから本人には実害はないけど、かす虐は他の人から見れば虐めだからな。本人がいくら愛情表現と言っても受け入れないメンバーも出てきそう オフィーリア先生いつも乙です
毎回楽しんでるのでまた書いてください >>81
かすみちゃんの傑作って言い方が本当パイセンだわ
好き ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています