【SS】璃奈ちゃんボードの裏側
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―虹ヶ咲学園―
ワイワイ ガヤガヤ
侑「はぁー」ボーッ
璃奈「誰を見てるの?」
侑「歩夢・・・・・・」
璃奈「並びに行く?」
侑「もう行ったよ」
璃奈「・・・・・・」
侑「そうしたら、歩夢がなんて言ったと思う?」
璃奈「分からない(はてな?)」
侑「ファンの人に迷惑だから並ばないで、って」シュン
璃奈「それは、いつでも握手できるからだと思う」
侑「璃奈ちゃんだって、友達と改めて握手なんてしないよね?」
璃奈「うん」
侑「それと一緒。私はスクールアイドルの歩夢と握手したかったのに」ムスッ
璃奈「少しだけ分かる(しゅん)」
侑「璃奈ちゃんの握手会は終わったの?」
璃奈「・・・・・・うん」
侑「璃奈ちゃんの列も、みんなと同じくらいあったと思ったけど」
璃奈「1人1回だけにしてもらったから」
侑「疲れちゃった?」
璃奈「・・・・・・少しだけ」
侑「かすみちゃん達、すごいよね」
璃奈「愛さんも」
侑「うんうん。ずっとハイテンションだもんね」
璃奈「・・・・・・」
侑「・・・・・・」
璃奈「みんなの笑顔を見てると不安になる」
璃奈「もっとちゃんと笑わなきゃ、楽しいと思ってもらなきゃ、って・・・・・・」
侑「大丈夫。璃奈ちゃんのファンも分かってくれてるよ」
ナデナデ
璃奈「そうだと嬉しい」 歩夢なら手を洗った後に握手くらいしてくれるだろうに
侑「今日の握手会はどうだった?」
璃奈「今回も楽しかった(にっこりん)」
侑「それならファンの人達も楽しかったはずだよ」
璃奈「次は笑いたい。もっと笑顔になってもらいたい」
侑「その意気だよ!」
璃奈「侑さんも協力してくれる?」
侑「もちろん!」
璃奈「・・・・・・こほん」
侑「ん?」キョトン
璃奈「CD買ってくれてありがとう」スッ
侑「練習?」
璃奈「私はまだ衣装だから、スクールアイドルの天王寺璃奈」
侑「練習ならいつでも付き合うのに」フフッ
璃奈「侑さんにもトキメキを感じてもらいたい」
侑「・・・・・・ありがとう」
璃奈「改めて」コホン
璃奈「CD買ってくれてありがとう」
スッ
侑「璃奈ちゃんのCD10枚も買っちゃったよ!」
璃奈「それは無駄」
侑「保存用でしょ? 布教用でしょ? 再生用でしょ? 鑑賞用でしょ?」
話を遮るように侑の手をとり、両手で包み込む。
侑「あっ」ドキッ
ギュッ
璃奈「たくさん聞いてくれて嬉しい」
侑「うん! こらからもいっぱい聞くよ!」
璃奈「ありがとう」
侑「お時間です」
侑「じゃあ、またライブ見に行くね! バイバイ!」
璃奈「そこまでやらなくても」
侑「そう? 雰囲気出した方がいいかと思って」
璃奈「でも、ありがとう。どうだった?」
侑「何回でも並びたくなるね」キリッ
璃奈「それだと参考にならない」
侑「うーん。璃奈ちゃんの言う通り、表情は固かったかな」
璃奈「・・・・・・うん」
侑「でも、優しく手を取ってくれたり、しっかり目を見て話してくれるから気持ちは伝わってきたよ」
侑「ファンの中にはシャイな人もたくさんいると思うからね」
侑「あと、私の事をちゃんと見てくれてる! って感じが強くて嬉しかったよ」
璃奈「・・・・・・ありがとう(テレテレ)」
侑「かすみちゃんみたいに元気があってキャピキャピしてるのも良いと思うけど、無理して目指さなくてもいいんじゃない?」
侑「かすみちゃんはかすみちゃんだし、璃奈ちゃんは璃奈ちゃんだもん」
璃奈「侑さんは、かすみちゃんと私どっちが好き?」
侑「どっちも大好き!」
侑「だって、みんなの握手会じゃないでしょ? 他の誰でもない、天王寺璃奈の握手会なんだから」
璃奈「私の握手会・・・・・・」
侑「並んでくれてありがとう、嬉しい、って璃奈ちゃんが真剣に思ってれば、それはどんな表情してても相手に伝わるよ」
璃奈「それなら、もっと頑張らないと(むんっ)」
侑「あの事なら気にしないで。っていうのは無理だよね」アセアセ
璃奈「もう誰もガッカリさせたくない」
侑「うん。一緒に頑張ろう」
璃奈「おーっ(ふんすっ)」
―虹ヶ咲学園・第3回握手会―
愛「りなりー、大丈夫?」
璃奈「問題ない」
愛「ちょっと震えてない?」
侑「今日はよろしくね!」
璃奈「こちらこそ、よろしくお願いします」ペコリ
ギュッ
璃奈「どうしたの?」
侑「並んでないのに握手しちゃった」フフッ
璃奈「・・・・・・ありがとう」ボソッ
かすみ「そろそろ始めるみたいですよ」
愛「よーし! 今日も頑張ってこー!」
〜〜〜
璃奈(右に愛さん、左にかすみちゃん)キョロキョロ
璃奈「緊張してきた・・・・・・」ドキドキ
侑「落ち着いて」
璃奈「うまく笑えるかな」ビクビク
侑「前に私が言ったこと覚えてる?」
璃奈「・・・・・・うん」
侑「ありがとうの気持ちが大事だよ」
璃奈「ありがとう、ありがとう」ボソッ
―――
――
―
愛「今日のりなりー、サイコーだったよ!」
璃奈「本当?」
かすみ「もう、かすみんの列に並んでまでりな子の話する人もいたんだよ?」
侑「並んでくれた人、みんな笑顔だったね」
かすみ「かすみんのファンもみんな笑顔だったんですけど」
侑「そうだ。今日、璃奈ちゃんの列にかすみちゃんのファンの人が変装して並んでたよ」
かすみ「えぇっ!?」ガタッ
愛「まーまー、落ち着いて」ポンポン
侑「大成功だね!」
璃奈「うん」ウツムキ
侑「どうしたの?」ジーッ
璃奈「みっ、見ないで!」
慌てて両手で顔を覆う。
侑「あっ」
璃奈「――」
愛「2人ともどうしたの?」
バッ
璃奈「(どきどき)」
侑「璃奈ちゃんが嬉しそうで良かったなって思って」
愛「あははっ。愛さんもうかうかしてるとファンとられそーだよー」
かすみ「まっ、まだりな子に盗られたって決まったわけじゃないです!」
ガヤガヤガヤ
璃奈「・・・・・・見た?」ボソッ
侑「見せてくれるの?」
璃奈「恥ずかしい・・・・・・。それに変だったかもしれない」モジモジ
侑「確認してあげる」
璃奈「えっ」
バッ
璃奈に顔を寄せ、その横顔を璃奈ちゃんボードで隠した。
侑「璃奈ちゃんの曲、すっごく良かったよ!」
スッ
璃奈「今回も10枚買ってくれた?」ギュッ
侑「ふふっ。うん、買ったよ」
璃奈「ありがとう♡」
おわり 短いですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。 再生用と観賞用は同じだろって思ったけど(CDそのものを)鑑賞用ってことか ダース・ベイダーのボイスチェンジャーで、ひとつ。
シュゴーシュゴー。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています