璃奈「ルビィお姉ちゃん……」ルビィ「え?」
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璃奈「はぁっ、ふぅっ、疲れた〜」タッタッタッ
ルビィ「あともう少しでゴールだから、がんばルビィだよ」タッタッタッ
璃奈「う、うん。がんばりなりー……」ガツッ
璃奈「―わっ!?」ズデン
ルビィ「ぴぎゃっ!?璃奈ちゃん大丈夫!?」
璃奈「い、痛い……」
ルビィ「一体どうしたの?―あ、こんな所に石ころが」
ルビィ「ケガしてない?ちょっと見せて」
璃奈「あうぅ……膝、擦り剥いた……」
ルビィ「うわ、痛そう……」
ルビィ「保健室に行って消毒してもらお。さ、立てる?」ガシッ
璃奈「ルビィちゃんごめんなさい、ありがとう」ヒョコヒョコ
ルビィ「いいのいいの、悪いのはこの石ころさんだよ。もう、めっ!!」
ルビィ「よし、早く保健室に行こう」 保健室
ルビィ「先生〜璃奈ちゃんがケガしちゃって」ガラッ
ルビィ「―あれ?いない」
璃奈「どこかに行ってるのかな」
ルビィ「もう、こんな時にいないなんて困ったなぁ」
璃奈「いいよ、先生が戻って来るまで待ってるから」
ルビィ「え?でも……」
璃奈「くっ……!!うぅ……」
ルビィ「……やっぱり待ってられないよ、確かここに」ガサゴソ
璃奈「ルビィちゃんなにを……?」
ルビィ「あったあった、消毒くらいならルビィも出来るからやってあげるよ」
璃奈「勝手に使って怒られないかなぁ」
ルビィ「大丈夫、あとで話せば先生だって許してくれるよ」
ルビィ「ほら璃奈ちゃん、そこに座って」
璃奈「うん、わかった」チョコン 何となくルビィちゃんは璃奈には偉そうにしてそう
でもこういうのもあり ルビィ「少し染みるよ、我慢してね」プシュッ
璃奈「んっ……!!」
ルビィ「痛いよね、ごめんあとちょっとだから」チョンチョン
璃奈「くぅっ……!!」
ルビィ「―あとは絆創膏を貼ってと、はいこれでおしまい」ペタリ
ルビィ「お疲れ様璃奈ちゃん」
璃奈「はぁ〜ありがとうルビィちゃん」
璃奈「こんな事が出来るなんて凄いね、璃奈ちゃんボード『尊敬』」
ルビィ「そんな大した事じゃないってば、ルビィもおっちょこちょいでよく転ぶからさ」
ルビィ「その時にお姉ちゃんのやり方を見て覚えたの」
璃奈「そうだったんだ、でもテキパキ動いててかっこよかったよ」
ルビィ「そ、そう?照れるなぁ〜」テレテレ 璃奈「今日はもう練習にならないね、帰ろっか」
璃奈「うん、―あぁ……消毒してもらったけどまだ痛い」ズキズキ
ルビィ「う〜ん、こんな時は……あ、そうだ」
ルビィ「璃奈ちゃんちょっとボード取ってみて」
璃奈「え?うん……」スッ
ルビィ「痛いの痛いの飛んで行け〜」ナデナデ
ルビィ「―ちゅっ」
璃奈「ふぇっ?ルビィちゃん?」
ルビィ「痛くなくなるおまじないだよ、お姉ちゃんがよくやってくれたの」
璃奈「おまじない……」
璃奈「なんだろう、少し痛みが和らいだような」
ルビィ「ふふふ、よかったぁ」ニコッ
璃奈(あと……ちょっぴりドキドキしちゃった)ポッ 帰り道
ルビィ「今度は転ばないように足元に注意して帰らないとね」
璃奈「うん、もう痛いのはイヤだ」
ルビィ「手を繋ご、こうすればルビィが引っ張ってあげられるね」ギュッ
璃奈「こうやって手を繋ぐと安心する、璃奈ちゃんボード『ほっこりん』」ギュッ
璃奈「わざわざ家の前まで付き合ってくれてありがとう、もう大丈夫だから」
ルビィ「そっか、今日は災難だったね」
璃奈「うん、でもルビィちゃんに手当てしてもらえたり手を繋いで帰れたから」
璃奈「ケガをしてよかったかも、なんてね」
ルビィ「ふふっなにそれ」
璃奈「今日のルビィちゃん、なんだかお姉ちゃんみたいだった」
璃奈「―ルビィお姉ちゃん……」
ルビィ「え?」
璃奈「えへへ、呼んでみただけ」
璃奈「それじゃ、ルビィちゃんも気を付けて。さよなら」
ルビィ「さよなら……」
ルビィ「ルビィがお姉ちゃん、かぁ……」
ルビィ「―うふふっ♪」 黒澤家
ルビィ「ただいま〜」
ダイヤ「おかえりなさいルビィ、―おや」
ダイヤ「なにやら嬉しそうな顔をしていますね、いい事でもあったのですか?」
ルビィ「うん。ルビィ、お姉ちゃんになったんだよ」
ダイヤ「お姉ちゃん?」キョトン
ダイヤ「―そう、転んでケガをした璃奈さんに手当をしてあげて家まで送ってあげたの」
ダイヤ「よくやりましたわね、偉い偉い」ナデナデ
ルビィ「えへへ、ルビィ今まで皆に甘えてばかりいたからあんな風に言われたの初めてだよ」
ルビィ「お姉ちゃんって、いいね」
ダイヤ「ふふ、ならばもっと璃奈さんに頼られるように努力しませんとね」
ルビィ「うん!!ルビィ頑張るよ!!」
ルビィ「よーし、宿題やろっと」
ダイヤ「―ルビィがお姉さんですか、これを機にもっとしっかりしてくれるといいですわね」
ルビィ「お姉ちゃ〜ん、宿題教えて〜」
ダイヤ「あらあら、やはりまだまだ甘え癖はなくならないようですわね」クスッ 次の日 部室
璃奈「はぁ……どうしよこれ」
ルビィ「あれ璃奈ちゃん、どうしたの?」
ルビィ「もしかして昨日のケガがまだ痛むとか」
璃奈「あ、ルビィちゃん」
璃奈「ううん違う、ケガはおかげさまでもう痛くない」
璃奈「ただ昨日はいてた練習着のスカートが破けちゃってて」
ルビィ「あぁ、転んだ拍子にスカートまで破れちゃったんだ」
ルビィ「それで今日はジャージなんだね」
璃奈「縫えばまたはけると思うんだけど私、お裁縫なんて出来なくて」
璃奈「気に入ってたからなんとか直したいんだけど」
ルビィ「あぁ、それならルビィが縫ってあげるよ」
璃奈「え?ルビィちゃんお裁縫出来るの?」
ルビィ「もちろん、ルビィはAqoursの衣装担当なの。任せて」フンス ルビィ「こんな事もあろうかと裁縫セットはいつも持ち歩いてるんだ」スチャッ
璃奈「へぇ、そんな物まで持ち歩くなんて流石だね」
ルビィ「急に衣装を手直しする時とかあるからね」
ルビィ「それじゃスカートを」
璃奈「待って、せっかくだから自分でやってみたい」
璃奈「実は前からお裁縫には興味があったんだ」
ルビィ「それならちょうどいい機会だから教えてあげる」
璃奈「よろしくお願いします、先生」ペコリ
ルビィ「やだなぁ先生だなんて、そんなんじゃないよぉ」
ルビィ「はい針と糸、針は危ないから気を付けてね」
璃奈「う、うん……」
ルビィ「まずは針に糸を通してみようか」
璃奈「むぅ〜これ結構難しい……」チョンチョン
ルビィ「糸の先をクリクリって指ですぼめると通しやすいよ」
璃奈「な、なるほど」クリクリ……
璃奈「―ふぅ、やっと出来た」スッ
ルビィ「よしよし、上手だよ璃奈ちゃん」
ルビィ「次はいよいよスカートを縫ってみよう」 ルビィ「いい?ここをこうやって〜」スッ
璃奈「こう、かな……」ヌイ…ヌイ…
ルビィ「ここでこう縫って〜」スッスッ
璃奈「これで、いい……?」ヌイ…ヌイ…
璃奈「―痛っ、指に刺さった……」チクリッ
ルビィ「大丈夫璃奈ちゃん?ほら、絆創膏貼ってあげる」ペタッ
璃奈「くすん……失敗しちゃった」
ルビィ「ふふ、最初はルビィもよくやったなぁ」
璃奈「そうなの?」
ルビィ「うん、お裁縫の道具と一緒に絆創膏が手放せなかったよ」
ルビィ「数え切れないほどたくさんケガも失敗もしたけど」
ルビィ「だからこそうまく出来た時はすごく嬉しかった」
ルビィ「自分で縫えばこのスカートがもっとお気に入りになるはずだから璃奈ちゃんも頑張ろ」
璃奈「よし……私、頑張る。璃奈ちゃんボード『メラメラ』」 璃奈「―はぁ……出来た」
璃奈「ルビィちゃん、どうでしょうか」スッ
ルビィ「……うん、しっかり縫えてる。バッチリだよぉ♪」
ルビィ「璃奈ちゃんは覚えがよくて上手だねぇ」ナデナデ
璃奈「えへへ……先生がよかったんだよ」
璃奈「縫ったあとに猫のアップリケまで付けてもらったし、これでまたこのスカートで練習出来る」
璃奈「お裁縫って、楽しいね」
璃奈「ルビィちゃん、ありがとう。またお裁縫教えて欲しいな」
ルビィ「もちろん、今度は一緒にライブの衣装を作ってみる?」
璃奈「うん、やりたい。自分で作った衣装でライブだなんて考えただけでわくわくするね」
ルビィ「ね〜それならルビィももっともっとお裁縫の練習して腕を上げておかなくちゃ」
璃奈「お裁縫の練習もいいけどダンスの練習もやらないとね」
ルビィ「そうだね、今日も一緒にがんばルビィだよっ」グッ
璃奈「うん、がんばりなりー」グッ 数日後 お昼休み
ルビィ「璃奈ちゃん、一緒にお弁当食べよ」
璃奈「うん、いいよ。私は購買部でパン買って来る」
ルビィ「ルビィも飲み物買おっかな、付き合うよ」
璃奈「うふふふ〜♪」
璃奈「1番人気のデカメロンパンが買えてよかった、璃奈ちゃんボード『やったぜ』」
ルビィ「すぐ売り切れちゃうから中々買えないんだよねぇこのパン、ラッキーだったね」
ルビィ「さてと、どこで食べようか?」
璃奈「今日は天気がいいから中庭で食べたいな」
ルビィ「いいね、それじゃ行こう」 璃奈「あむっ、―ん〜このカリカリモフモフがたまらない」モグモグ
はんぺん「にゃ〜」トコトコ
璃奈「あ、はんぺん。はんぺんもデカメロンパン食べる?」スッ
はんぺん「にゃおんっ♪」パクッ
ルビィ「その子がはんぺんちゃん?」
璃奈「うん。はんぺん、ルビィちゃんにご挨拶して」
はんぺん「にゃ〜」スリスリ
ルビィ「ふふふっ、かわいいねぇ〜」ナデナデ
はんぺん「すんすんすん」
ルビィ「あ、ルビィのお弁当も食べる?卵焼きでいいかな」スッ
はんぺん「にゃあ〜ん」パクッ
ルビィ「あはっ、食べた〜♪おいしい?」
はんぺん「にゃん♪」
璃奈「すんすんすん」
ルビィ「わっ、璃奈ちゃん?」
璃奈「私も卵焼き、食べたい」
ルビィ「くすっ、まるで猫ちゃんみたいだね」
ルビィ「はい、どうぞ」スッ
璃奈「あーん」パクッ
璃奈「―うん、これは愛さんの卵焼きにも負けないおいしさ」モグモグ
璃奈「うまい、もうひとつ」
ルビィ「あはは……ルビィの分残るかなぁ」スッ 璃奈「ふぅ、ごちそうさまでした」
ルビィ「結局半分近く璃奈ちゃんとはんぺんちゃんに食べられちゃった……」
璃奈「ごめんなさい、あまりのおいしさについ」
ルビィ「いいよ、気に入ってくれたなら今度は璃奈ちゃんの分も作ってきてあげる」
璃奈「ほんと?嬉しいなぁ」
璃奈「ルビィちゃんはお裁縫にお料理、なんでも出来るんだね。羨ましい」
ルビィ「そんな事ないよ、璃奈ちゃんだってお裁縫が出来たんだからお料理だって出来るよ」
ルビィ「そうだ、今度はお料理を教えてあげようか?」
璃奈「おぉ、お料理……私も作りたい」
璃奈「それなら今度、私の家に来て。ルビィちゃんと一緒にお料理してご飯食べたい」
ルビィ「OK♪なに作るか考えておいてね」
ルビィ(璃奈ちゃんとお料理……璃奈ちゃんにお姉ちゃんらしさを見せるチャンスだ!!) 土曜日 璃奈の家
ピンポーン
璃奈「はーい」
ルビィ『璃奈ちゃん、ルビィだよ』
璃奈「いらっしゃい、今開けまーす」ピッガチャッ
璃奈「今日は来てくれてありがとう、ルビィちゃんが来るのを楽しみにしてた」
ルビィ「璃奈ちゃんの家ってすごいマンションなんだね〜びっくりしちゃった」
ルビィ「花丸ちゃんが見たら喜ぶだろうなぁ」
璃奈「ふふ、家に来た人は皆そう言うんだ」
璃奈「さ、あがってあがって」グイグイ
ルビィ「あはは、引っ張らないでよ〜」 ルビィ「わぁ〜パソコンやルビィにはよくわからない機械がいっぱい」キョロキョロ
璃奈「私、パソコンが好きで。ゲームもいっぱい持ってるんだ」
璃奈「そうだ、最初にゲームして遊ぼう」
ルビィ「ルビィ、簡単なゲームくらいしか出来ないよ」
璃奈「ほら、敵に撃たれてる。早く隠れて」
ルビィ「ぴぎぃっ!?隠れるってどこに〜!?」ガチャガチャ
璃奈「待ってて、今カバーしに行くから」
璃奈「なんとか間に合った……さ、私のあとについてきて」カチカチ
ルビィ「あわわわっ……璃奈ちゃんどこ行ったの〜!?」
璃奈「えっ?ついてきてないの?―あ」
ルビィ「あ〜あ、やられちゃった」
璃奈「ルビィちゃんにサバゲーは難しかったか」
ルビィ「出来れば、ぷよぷよとかやりたいな……」
璃奈「ぷよぷよね、わかった」
ルビィ「ぴぎゃっ!?19連鎖ぁ〜!?」バタンキュー
璃奈「しまった……ゲームとなるとつい本気になっちゃう」 ルビィ「ふえぇ……ちゅかれたぁ〜」グッタリ
璃奈「お疲れ様、久し振りにリアルの人とゲームが出来て楽しかった」
ルビィ「ルビィも璃奈ちゃんとゲームやって楽しかったよ、うちのお姉ちゃんはゲームとかあまりやりたがらないから」
璃奈「そっか、こうやって一緒にゲームで遊んでると姉妹みたいかな?」
ルビィ「うんうん、そうだよ。今日はルビィをお姉ちゃんだと思っていいんだよ」
璃奈「えへへ、お姉ちゃん」グゥ〜
璃奈「あ……」カァァ
ルビィ「お腹空いた?そろそろご飯の支度しようか」
璃奈「うん、私ねカレー作りたい」
ルビィ「いいね、カレーなら簡単に作れるし」
璃奈「あ、でも家に材料あったかなぁ」
璃奈「―お米やお肉はあったけどお野菜がなかった……」
ルビィ「それじゃ、一緒にお買い物に行こっか」
璃奈「うん、お姉ちゃんと一緒におでかけ嬉しいな♪」 スーパー
ルビィ「えっと、カレー粉にじゃがいもに玉ねぎ、にんじんと……あ、コーンも入れようかな」ポイポイッ
ルビィ「―ん?璃奈ちゃんなに持ってるの?」
璃奈「あぅ……おやつ、チョコ食べたい」
ルビィ「ふふっ、いいよ。おやつも買っちゃおっか」
ルビィ「ルビィもキャンディ食べたいなぁ」ポイッ
璃奈「あとコーラも飲みたい、大きいの買お」ドンッ
ルビィ「わっ、重いよ〜」
ルビィ「なんだか食材よりおやつの方が多くなっちゃったね」ズシッ
ルビィ「うにゅにゅにゅ……」プルプル
璃奈「大丈夫お姉ちゃん?」
ルビィ「平気……お姉ちゃんだもん……」
璃奈「……」
璃奈「―おやつ、私持つ。ほとんど私の食べたい物だし」スッ
ルビィ「ありがとう、ちょっとかっこつけ過ぎたかな」
璃奈「こうやって半分こするのもいいね」
璃奈「空いた手は繋いで」ギュッ
ルビィ「ふふっ、それはいい考えだね」ギュッ ルビィ「ただいま〜」
璃奈「ただいま……」
璃奈「―ただいまなんて言ったのいつ振りだろう、いつも黙って家に入ってたから」
ルビィ「それなら」
ルビィ「おかえり、璃奈ちゃん」ニコッ
璃奈「え?」
ルビィ「家に帰って来たらただいまとおかえり、だよね」
璃奈「お姉ちゃん……」
璃奈「うん、ただいま」
璃奈「―うふふ♪家に帰って来たって感じする」
ルビィ「よし、それじゃお料理を始めるよ」
ルビィ「最初にご飯を炊こう、ルビィがお手本を見せるからお米を研いでみて」シャカシャカ
璃奈「よいしょ、よいしょ」シャカシャカ
ルビィ「よしよし、お水を捨てる時にはなるべくお米をこぼさないようにね」
璃奈「ん〜ダメだ、ちょっとこぼれちゃうよ」ジャア〜
ルビィ「ちょっとなら大丈夫、その調子でやってみよ」 璃奈「だんだんお水が透明になってきた」
ルビィ「そのくらいやればもう十分だね、炊飯器にセットして」
璃奈「スイッチ、オン」ポチッ
ルビィ「炊き上がるまでしばらく時間がかかるからその間にカレーを作るよ」
璃奈「了解」ビシッ
ルビィ「じゃがいも、玉ねぎ、にんじんは最初に皮を剥くの」
ルビィ「このピーラーでやると楽だよ」
璃奈「へぇ〜面白〜い」シャーシャー
ルビィ「じゃがいもの芽は毒だから必ず取ってね」ポキポキッ
璃奈「穴だらけだ、うふふ」
ルビィ「玉ねぎは白いところが見えるまで」ムキムキ
璃奈「うっ……ぐすっ、悲しくないのに涙が」ポロポロ
ルビィ「ぐすっ……そうだね、これは玉ねぎのせいだよ」ポロポロ
璃奈「秘密兵器、璃奈ちゃんボード『玉ねぎガード』」スチャ
ルビィ「便利だねそのボード……」 ルビィ「これで皮剝きはおしまい、お次は……」スッ
ルビィ「お野菜とお肉を切っていくよ」シャキーン
璃奈「おぉ、なんだか包丁を持ったらお姉ちゃんの顔つきが変わった」
ルビィ「ふっ……ルビィは包丁人なんだ」ニヤリ
ルビィ「包丁の『ほ』はホスピタリティの『ほ』だよ、覚えておいて」ドヤァ
璃奈「ほすぴたりてぃ……?」キョトン
ルビィ「まずは包丁の持ち方、人差し指を伸ばして刃の背中に当てる」グッ
璃奈「よいしょ」グッ
ルビィ「そして切るんだけど、ここでポイント」
ルビィ「左手は猫ちゃんの手、にゃんにゃん♪」クニャッ
璃奈「わぁ、かわいい〜にゃんにゃん♪」クニャッ
ルビィ「こうすれば指を切る心配もなく安定させて切る事が出来るよ」トントン
璃奈「にゃんにゃん、にゃんにゃんと」トントン
ルビィ「う〜ん、やっぱり璃奈ちゃんは覚えがいいなぁ」
ルビィ「璃奈ちゃんも包丁人になってみない?」
璃奈「?」 璃奈「お姉ちゃん、全部切れたよ」
ルビィ「うんうん、大きめなのもあるけどどうせ食べるのはルビィ達だからいっか」
ルビィ「あとは切った材料をお鍋の中で炒めるよ」ジュージュー
璃奈「う〜んいい匂い、これだけでお腹空いちゃう」ジュージュー
璃奈「どのくらい炒めればいいの?」
ルビィ「玉ねぎがしんなりしてきたら、―そろそろいいんじゃないかな」スッ
ルビィ「よし、炒めるのはこのくらいにして次にお水を入れるよ」ジャー
ルビィ「15分くらい煮込んだらルーを入れるよ」
15分後
ルビィ「ルーを入れる時は火を止めてね、そうすると溶けやすくなるの」ポトポト
璃奈「あーん」パクッ
璃奈「―しょ、しょっぱい……!!」
ルビィ「あはは、なにやってるの璃奈ちゃん。チョコじゃないよ」
璃奈「えへへ、カレーのルーってチョコみたいだよね」
ルビィ「あ、チョコを少し入れるとコクが出るみたいだよ」
璃奈「そうなの、よし入れちゃおう」ポチャン
ルビィ「ちょ、丸々1枚は多いよ〜!!」 璃奈「ねぇねぇまだ出来ないの?もう私お腹ぺこぺこ」
ルビィ「そうだね、もういいかな」カパックルクル
ルビィ「―うん、いい感じに出来てる。完成だよ!!」
璃奈「わぁ〜い、やった〜」
ルビィ「ルビィがよそるから璃奈ちゃんはテーブルを拭いて」
璃奈「は〜い」フキフキ
ルビィ「はいお待ちどおさま〜」コトン
璃奈「わぁ……おいしそう」
ルビィ「冷めないうちに召し上がれ♪」
璃奈「いただきま〜す♪」パクッ
璃奈「―う〜ん、甘くておいしい〜♪」ホワワ〜ン
ルビィ「多分その甘みはチョコだよね……でも辛いよりはいっか」パクッ
ルビィ「―うん!!コクがあっておいしいね〜お肉もお野菜もほくほくでジューシー♪」ホワワ〜ン
璃奈「これはやめられない……あむあむぱくぱく」
璃奈「―ぐっ!?ごほごほっ!!」
ルビィ「もう、そんなに慌てて……はいお水」スッ
璃奈「―んく……んく……ぷはっ、ありがとう。こんなおいしいカレー初めて食べたから」
ルビィ「ふふ、璃奈ちゃん頑張ったもんね」
ルビィ「おかわりいかかですかぁ?」
璃奈「お願いしま〜す」サッ 璃奈「はぁ……こんなにご飯食べたの初めて」
ルビィ「ルビィも……久し振りにおかわりしちゃった、おいしかったねぇ」
璃奈「うん、お料理って楽しいね。お姉ちゃんに教えてもらってよかった」
璃奈「誰かと一緒にご飯食べたのも久し振り……いつも私ひとりだから」
璃奈「やっぱりご飯はひとりより誰かと一緒に食べた方がおいしいね」
ルビィ「そうそう、皆で一緒だと楽しいよね」
璃奈「ありがとう、お姉ちゃん」
ルビィ「これくらいお安いご用だよ、また一緒にお料理しようね」
璃奈「うん、今度はもっと難しい料理に挑戦したい」
ルビィ(ふふっ……璃奈ちゃんお料理に興味持ってくれて嬉しいなぁ)
ルビィ(あと、一緒にご飯を食べる事が出来てよかったな)
ルビィ(少しはお姉ちゃんらしくなったかな、ルビィも) ルビィ「あ、いつの間にかもうこんな時間に」チラッ
璃奈「本当だ、あっと言う間に暗く」
ルビィ「ルビィそろそろ帰らないと、カレーはまだ残ってるから明日の朝にも食べられるからね」
璃奈「―まっ、待って……!!」ダキッ
ルビィ「わっ、どうしたの?」
璃奈「……帰らないで」ギュウッ
璃奈「お姉ちゃんが帰ったらまた私ひとりになっちゃう……」
璃奈「ひとりはイヤだ……寂しいよぉ」
璃奈「お願い……ルビィお姉ちゃん……」
ルビィ「璃奈ちゃん……」
ルビィ(まるでルビィを本当のお姉ちゃんみたいに……)トクン
ルビィ「―わかった、今日はもう遅いから泊めてもらうよ」
璃奈「本当……?」
ルビィ「うん、お姉ちゃんは妹の言う事ならなんでも聞いてあげるんだから」
ルビィ「今夜はずっとそばにいてあげるよ」ギュウッ
璃奈「えへへ……ありがとう」 カポーン
ルビィ「かゆいところはありませんかぁ〜」ワシャワシャ
璃奈「あ〜そこそこ、気持ちいい〜♪」
ルビィ「ふふふ、髪を洗ってもらった事はあったけどこうやって誰かの髪を洗うのは初めて」
ルビィ「結構楽しいかも〜今度お姉ちゃんにもやってあげようかな」
ルビィ「それじゃ、流すよ〜」シャー
璃奈「ふぅ〜さっぱりしたぁ〜」ブルブル
ザブン
ルビィ「あはあぁぁ〜ごきゅらくごきゅらくぅ〜♪」トローン
璃奈「すごい気持ちよさそうな顔と声……ちょっと怖いかも」
ルビィ「お風呂ではぁ〜こうやってリラックスするんだよぉ〜ふぅぃ〜」
璃奈「そ、そうなんだ……」
ルビィ「ほ〜ら璃奈ちゃんもリラックスリラックス〜」
璃奈「あ、あ〜ごくらくごくらく〜」
ルビィ「ん〜まだまだ固いなぁ」
ルビィ「こうすればリラックス出来るかな〜それぇ〜」コチョコチョ
璃奈「きゃはははっ、や、やめて……」
璃奈「―あひゃあぁぁぉぉぉ〜」トローン
ルビィ「よ〜しよし、その調子だよぉ〜」 ルビィ「あ〜お風呂楽しかったね〜♪」
璃奈「楽しかったけど、もう普通のお風呂には戻れなさそう」
ルビィ「パジャマ、ありがと。小さいけどなんとか着られるよ」
璃奈「ごめんね、私が急に言ったから」
ルビィ「いいのいいの。あ、そう言えばおやつにアイス買ったんだ」
ルビィ「璃奈ちゃん、一緒に食べよ」
璃奈「うん、おやついっぱい買っておいてよかったね」
璃奈「私、コーラも飲む」
ルビィ「う〜ん!!お風呂あがりのパピコは堪らなぁ〜い♪」チューチュー
璃奈「パピコいいよね、2人で分けられるし」チューチュー
ルビィ「ルビィはいつもひとりで食べちゃうけどね」
璃奈「え?ダイヤさんの分は?怒られないの?」
ルビィ「じごしょーだくってやつだよ、平気平気」
璃奈「じゃ、じゃあ私がお姉ちゃんのアイス食べても怒らない?」
ルビィ「うっ……!?」チュポン
ルビィ「………そうだね、今度からはお姉ちゃんにも分けてあげるよ」
璃奈「ふふ、その方がいいよ。おいしい物は半分こしないと」 璃奈「ふわぁ……」
ルビィ「お腹いっぱいになってお風呂入ったら眠くなったねぇ」
璃奈「いつもはもっと遅くまで起きてゲームとかパソコンやってるんだけど……」クシクシ
ルビィ「今日はもう寝よっか、ルビィも眠いや」
ルビィ「お邪魔しまーす」モゾモゾ
璃奈「お姉ちゃ〜ん」ムギュッ
ルビィ「も〜ベッドに入った途端甘えん坊さんになって」
璃奈「甘えん坊の私は、嫌い?」
ルビィ「ううん、嬉しいよ。甘えるのもいいけど甘えられるのはもっといいなぁ」ナデナデ
ルビィ「―本当に……璃奈ちゃんが私の妹だったらよかったのに」
璃奈「―私も……ルビィちゃんがお姉ちゃんだったらよかった」
璃奈「一緒にいると安心する、頼りになる」
璃奈「本当のお姉ちゃんじゃないけど……」
璃奈「ルビィちゃんは私にとってはお姉ちゃんみたいな存在」
璃奈「だから、せめて今夜は……抱き締めて」
ルビィ「うん、ルビィも璃奈ちゃんの事妹だと思ってるから」ギュウッ
ルビィ「これからも頼りにしてね、おやすみ」
璃奈「おやすみ……お姉ちゃん」 次の日 朝
璃奈「ん……あれ?なんでベッドにルビィちゃんが」パチッ
ルビィ「う〜ん……むにゃむにゃ……」
璃奈「あ、そう言えば昨日はルビィちゃんを私の家に泊めたんだった」
璃奈「……」ジーッ
ルビィ「うえへへ……璃奈ちゃ〜ん」
ルビィ「大丈夫だよぉ……ルビィがずっと一緒にいるからね……」
璃奈「―ありがとう……お姉ちゃん」
璃奈「これからも、ずっと一緒にいてね」ギュッ
ルビィ「えへへへ〜♪」ムギュー
璃奈(もう少しだけ、こうやっていようかな……) 璃奈「忘れ物はない?」
ルビィ「うん、大丈夫。璃奈ちゃんに朝ご飯まで食べさせたから安心だね」
璃奈「私のわがままを聞いてくれてありがとう、本当に楽しかった」
ルビィ「お礼を言うのはルビィの方だよ、お姉ちゃんの気分が味わえてよかった」
ルビィ「これからも困った事があったらなんでも言って、ルビィが助けてあげるから」
璃奈「……」
璃奈「―それじゃ……さっそく困った事が」モジモジ
ルビィ「え?」
璃奈「お姉ちゃんと離れたくない、もっと一緒にいたい」ソデクイ
ルビィ「そっか……だけど家は別々だしどうすれば……」
ルビィ「―あ、そうだ!!こうすればいいんだ!!」
璃奈「?」
ルビィ「あのねぇ……」 その後 黒澤家
璃奈「こんにちは」ガララ
ルビィ「おかえり璃奈ちゃん!!」
ダイヤ「まぁ璃奈さん、よくぞいらっしゃいましたわね」
ダイヤ「―は?おかえり?」
璃奈「それじゃ、お邪魔します」
ルビィ「こーら、お邪魔しますじゃなくてただいまでしょ」
ダイヤ「は?」
璃奈「あ、そっか。ごめんねルビィお姉ちゃん、ただいま」
ダイヤ「は?」
ルビィ「ここは璃奈ちゃんのもうひとつの家なんだから遠慮なんてしなくていいんだよぉ」
ダイヤ「は?」
ルビィ「あ、お姉ちゃん。今度から週末は璃奈ちゃんも一緒にこの家に帰って来る事になったから」
璃奈「これでいつもお姉ちゃんと一緒にいられる、璃奈ちゃんボード『これは名案』」
璃奈「あの、ふつつかな妹ですがよろしくお願いします。ダイヤお姉ちゃん」ペコリ
ダイヤ「は?は?は?」
ルビィ「よーし、ルビィのお部屋で遊ぼ」
璃奈「わーい♪」
ダイヤ「…………」
ダイヤ「はああぁぁ〜!?」 終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました こういうのでいいんだよおじさん「こういうのでいいんだよ」 |c||^.- ^|| なんてこと・・・なんてことですの・・・ |c||^.-^|| また妹が増えてしまいましたわ |c||^.- ^||知らぬ間に妹が増えていましたが可愛いからヨシ! りなりーのおうちには包丁人おじさんが毎日泊まりに行くよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています