事態はその一言から始まった


璃奈「私のお菓子食べたの誰」


それはボソリとした、何気ない一言だった
放課後、ダンス練習のため一室に集まる同好会の面々達
これは、その休憩の最中の出来事


璃奈「私のお菓子がない」


天王寺璃奈は動揺と共に呟いた

2時間ぶっ通しの練習で身体に熱を帯びた少女達は、その熱気を地面に委ね、身体の回復に努めていた

そこに天王寺璃奈のか弱げな一言
少女達の耳と脳を素通りするには十分だった


しかしそこに確かな、『煮え滾る』感情が含まれていることを見逃さなかった少女が一人


愛「ん?待ってみんな、りなりーが何か言ってるよ」