虹ヶ咲・短期集中連載!!!「『私のお菓子食べたの誰』〜璃奈ガチギレ、同好会壊滅の危機!?編〜」【犯人は中須かすみ】
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事態はその一言から始まった
璃奈「私のお菓子食べたの誰」
それはボソリとした、何気ない一言だった
放課後、ダンス練習のため一室に集まる同好会の面々達
これは、その休憩の最中の出来事
璃奈「私のお菓子がない」
天王寺璃奈は動揺と共に呟いた
2時間ぶっ通しの練習で身体に熱を帯びた少女達は、その熱気を地面に委ね、身体の回復に努めていた
そこに天王寺璃奈のか弱げな一言
少女達の耳と脳を素通りするには十分だった
しかしそこに確かな、『煮え滾る』感情が含まれていることを見逃さなかった少女が一人
愛「ん?待ってみんな、りなりーが何か言ってるよ」 愛「どしたん?りなりー」
璃奈「……」
ガヤガヤ
璃奈「……お菓子がないの」
歩夢「お菓子?」
せつ菜「へ?お菓子ってなんですか?」
ガヤガヤ
璃奈「……私の」
璃奈「お菓子が、なくなってる」
璃奈「カバンの中に入れてたの」
エマ「え……?」
ざわつく面々�氛氛氛氛氛氛
ある者は困惑の表情
ある者は眠たげな表情
ある者は全く別な方向を向いて
ある者は、疲れからよく聞いていなくて
しかし一つだけ、全員に一致した思いがあった
歩夢(なんだ、そんなことか……)
せつ菜(そんなことですか……)
しずく(そんなこと……)
果林(大したことじゃないわね)
全員に一致した、『ど う で も い い』思い
�氛氛氛氛氛氛1人を除いて、全員一致した思いだった
愛「……」
愛「それは許せないね。りなりー」 >『私のお菓子食べたの誰』〜璃奈ガチギレ、同好会壊滅の危機!?編〜
これめっちゃソウルイーターみある かすみ(げっ)
エマ(あ。愛ちゃん珍しく怒ってる……)
愛「誰?こういうことさ、正直に言おうよ」
璃奈「……」
愛「いくら食べ物とはいえそれって盗みだよ?よくないよ。みんな仲間なのにさ」
璃奈「……正直に言ってほしい」
歩夢「あ、あの〜。璃奈ちゃん?」
璃奈「なに」
歩夢「そ、そんなに怒ってるの……?」
璃奈「……あれは普通のお菓子じゃなかった」
璃奈「食べた人は見つけないといけない」
璃奈「見つけたら……」
侑「み、見つけたら?」
璃奈「お腹を殴る」
「え〜!?」「うそですよね!?」「ひー!」「誰?下らないからさっさと名乗り出なさい」「……zzz」
かつてない動揺が同好会を駆け抜ける!! かすみ「そ、そんなぁ〜wりな子どうしちゃったの〜?お菓子がなくなったくらいでおかしいよぉ〜w」
かすみ「……お菓子だけに。なんて」ヘラッ
愛「ふざけてる場合じゃないよ!」
かすみ「ヒッ!ヒーッ!ヒーッ!」
愛「だいたい、りなりーはそのなくなったお菓子をカバンの中に入れてたんだよね?」
璃奈「うん」
愛「それが無くなったってことは、カバンの中を勝手にあさる人がいるってことじゃん!」
!!!
歩夢「確かに……それはそうかも……」
しずく「カバンの中には見られたくないものとかもありますしね……」
せつ菜「ありますあります!!私も私の年齢じゃ持ってちゃいけない同人誌とか!見られちゃいけないものだらけですし!」
エマ(なんでそれを学校に持ってくるんだろう……なんでそれを今口に出しちゃうんだろう……) 愛「たとえばね?たとえば」
愛「誰にも触られたくない思い出の物とか、そういうのが入ってるかもしれないじゃん」
愛「私だってそうだよ、おばあちゃんから貰った大切なぬいぐるみ。いつもカバンの中に入れてるし」
歩夢(え……?)
侑(マジで……?)
しずく(サラッと言ったけどちょっとなんか……アレじゃないですか……?)
彼方「……ねぇ〜、そのお菓子ってそんなに特別なものだったの〜?」
璃奈「うん。すごく特別なもの」
彼方「それはダメだよね〜。彼方ちゃんだって、遥ちゃんに作ってあげたお菓子が誰かに食べられたら嫌だもん」
彼方「誰に作ってもらったお菓子だったの〜?」
せつ菜「……ん?」 せつ菜「ちょっと待ってください」
彼方「……?」
せつ菜「なぜ今、彼方さんは『誰に作ってもらった』と聞いたんですか?」
愛「……!確かに」
璃奈「……」
彼方「え?それは」
せつ菜「今までの会話で、璃奈さんのお菓子が『なんだったか』というのはでてきてません!(早口)」ハアハア
せつ菜「ともすれば既製品のお菓子であるとも考えられたはず!なのに!今彼方さんは『手作りのお菓子』だと知っているような発言をしました!(早口)」ハアハア
せつ菜「それは犯人しか知りえない情報!まさか!まさか!まさか!(早口)」ハアハア
せつ菜「犯人は彼方さんなのですねーーー!!!?」ハアハア
せつ菜の脳内(私いま……探偵……?)
しずく「なんですかあのポーズ」
歩夢「ドラマとかでしかみたことない立ち方だね。指をこうビシッて感じの」 かすみ「ま、まさか……!彼方先輩が犯人だったなんて……!」
彼方「いや、違くて〜」
かすみ「りな子!今すぐ彼方先輩に腹パンして!」
彼方「え?え!?ちょっと待って!」
璃奈「でも彼方ちゃん、嘘ついてるように見えない……」
愛「愛さんももう少し話聞いてみてからがいいと思うな〜」
せつ菜「いえ!私の推理に間違いはないはず!です!」
かすみ「そうだそうだ!!」
彼方「いや、違うの!」
彼方「……璃奈ちゃんが食べられたらお菓子ってお饅頭だよね?ラップに包んであった……」
璃奈「……!うん」
彼方「カバン、そこに置いてるでしょ。チャック空いてたから出てたの、さっき見たの」
璃奈「あ……」 彼方「だから食べた人は床に転がってるお饅頭を食べたんじゃないかなって……」
果林「えぇ〜……?」
愛「ないわぁ」
エマ「不潔」
歩夢「シンプルに食い意地が汚い……」
侑「女子高生がそんなことする!?」
しずく「うわぁ……」
璃奈「そっか。ごめんなさい、彼方ちゃん。嫌な思いさせちゃって……」
彼方「い、いいよいいよ〜。ちょっとびっくりしたけど……」
せつ菜「……」ダラダラ
せつ菜「あ、あの彼方さ……」
彼方「すやあ!!!!!(全ギレ)」
せつ菜「ひーっ!」 思いが交錯する同好会�氛氛氛氛
特に喋ることも無く、呆れた顔をしている歩夢と侑
携帯をいじり始めた果林
ふて寝散らかす彼方
彼方に泣きながら謝り続けるせつ菜
正直ちょっとどうでもよくなってきた愛……
しかし
しかし!
璃奈「絶対にお腹にパンチする」
璃奈「もう時間が無い」
天王寺璃奈はそれでもなお�氛氛氛氛
腹パンを望んだ
愛「り、りなりー?w」
璃奈「早く名乗り出て」
愛「ちょ、ちょっと……本当にどしたの?普通じゃないよ……」
璃奈「……」
愛「本当にそんな大事なお饅頭だったの?……お母さんが作ってくれたやつだったとか?」
璃奈「……あれは」
璃奈「スーパーの菓子パンコーナーで買ったやつ」
愛「!!!!?」 愛「え……!?」
璃奈「98円。お買い得」
かすみ「ヘイヘイヘイヘイ!」
かすみ「分からないなぁ、りな子さ〜ん!?」
かすみ「別にカバンをあさられた訳でもない、食べられたのは98円のお饅頭!」
かすみ「どうしてそんなに怒るのかな〜!?」
愛「そ、そうだよ……それでお腹パンチなんて……」
璃奈「勘違いしないで」
かすみ「え……?」
璃奈「私初めから怒ってない【璃奈ちゃんボード『焦り』】」
愛「焦り……?」
璃奈「あれは特別なお饅頭。食べた人がいるなら、早く見つけないといけなかった」
しずく「……どういうこと?」
璃奈「……あれは」
璃奈「2週間前に買ったやつ」 ずっと冷蔵庫に入れててたまたま今日も持ってきたとかならまだセーフ !!!!!!?
璃奈「別に怒って犯人探しをしてたわけじゃなかった」
かすみ「……」
璃奈「一刻も早く見つけて」
かすみ「……」ダラダラ
璃奈「吐かせなきゃいけなかった」
かすみ「……」ダラダラダラダラ
愛「ま、まさか……お腹パンチっていうのは……」
璃奈「早く吐かせなきゃ、吐くよりもっと酷いことになるから」
かすみ「……!!!」ギュルルルルルハルルルルルルルル
かすみ「うぷっ」
かすみ「……!!」ダダダダダダダダダダダ
璃奈「助けたかった」 歩夢「ま、まさか……犯人はかすみちゃんだったなんて……」
果林「妥当ね(ネイルを見ながら)」
しずく「わ、私!かすみちゃんのとこ行ってきます!」
彼方「……zzz」
せつ菜「お、起きてください!本当にごめんなさいってば!彼方さん!彼方さーん!?」
愛「……ち、ちなみになんで2週間前のお饅頭なんか」
璃奈「……」
璃奈「いつか捨てよう捨てようと思ってたら2週間も経っちゃった【璃奈ちゃんボード『照れ』】」
エマ(へ〜、いい加減なところもあるんだ……意外……)
彼方「……むにゃ、もしもし119番ですか〜?」
<タイヘンデース! カスミチャンガ ウエカラモ シタカラモ ハイテマース!!!
歩夢「し、しずくちゃんの叫び声がトイレから……」
侑「地獄絵図だね……」 『私のお菓子食べたの誰』
〜璃奈ガチギレ、同好会壊滅の危機!?編〜
完ッ!!!!!!!!!!! 面白かった
面白かっただけにネタバレしたやつ許せねえな誰だよ 2週間放置してたまんじゅうなら少なくとも食った瞬間やべーと分かる
まあこまけえことはいいんだよ面白かった乙 そんなこと言ったら床に落ちてる土饅頭を食べたりしないんだよなぁ 二週間前なんて余裕じゃね?
一ヶ月前に期限切れした饅頭食っても余裕だったぞ 以前うっかり忘れてて饅頭を常温で三日間放置してしまった事があるんだが
その時でも既にニチャァ…と糸を引いてて匂いを嗅ぐまでもなく速攻でゴミ箱行きだったというのに
二週間放置…
もはや臭いも味も完全に食べ物じゃなかっただろうに… お土産なんかにある真空パックしてある饅頭なら大丈夫だとは思うけど、カバンに入れっぱなしのラップの饅頭を2週間はヤバい
確実にカビ生えてる 恐らくあんこの饅頭だろうから、昔の保存食としての砂糖たっぷり時代のあんこなら安全性は大丈夫じゃない? タイトル、展開、オチ、全て面白かったです
次回作も期待してます! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています