千歌「やっぱり私、珍しい名字が好き!」曜「!!?」
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〜部室〜
曜「……」
曜(ち、千歌ちゃん……?)
梨子「千歌ちゃん、どうしたの急に?」
千歌「だってさだってさ!!芸能人とか見てるとさ、カッコイイ名字の人って多くない?いいなぁ〜!私も普通の名字じゃなくて、珍しい名字だったらも〜っと注目してもらえたかもしれないのに!!」
梨子「う、う〜ん、そうなのかなぁ……?」
千歌「善子ちゃん!!善子ちゃんならチカの意見わかってくれるよね!!?」
善子「わ、私!!?そ、そうね……」
花丸「確かに善子ちゃんの名字が『小林』とかになっちゃってたなら、どこにでもいる普通の人みたいになっちゃってたずらね」
善子「そうね。小林善子なんて、いかにもモブキャラでありそうな名前……って善子いうなぁ!!!ヨハネだってばぁ!!!」 千歌「逆に梨子ちゃんとかはいいよね〜!!と〜っても可愛い名字してるもん!!」
梨子「ええっ!?そ、そうかな……?」
千歌「絶対そう!!だって桜内だよ!!桜内なんだよ!!?」
千歌「もうすっごく梨子ちゃんにピッタリな名字してるじゃん!!サクラだし!!ピンクだし!!可愛いし!!なんか特別って感じするし!!」
梨子「う、う〜ん、よくわからないけど……」
千歌「いいな〜いいな〜!!チカも珍しい名字が良かったな〜!!高海なんて名字だと、普通の人っぽくなっちゃうし……志満姉とかに相談したらなんとかしてくれないかな?」
曜(なるほど……千歌ちゃんは珍しい名字が好きなんだね、メモメモ……)
梨子「もう、そんなこと言われたら志満さんだって困っちゃうわよ?自分の名字が好きじゃないんじゃないかって」
千歌「でも〜!!だって梨子ちゃんの名字可愛いんだもん!!あ、そうだ!!梨子ちゃんの名字、私にちょうだい!!ほら、結婚すれば名字変えられるし!!」
曜(!!!?)
梨子「んもう、千歌ちゃんったら」クスクス
曜(け、結婚!!?) 曜「……」
曜(桜内、千歌……)
ポワポワポワーン
………
…
千歌『いよいよついにこの日が来たんだね、梨子ちゃん!』
梨子『そうね。私、まだ実感湧かないかも……』
千歌『えへへっ、チカもだよ!今日から私、桜内千歌になっちゃうなんて♪』
梨子『ふふっ、そうね……はい、千歌ちゃん。じゃああとはここにサインお願い』カキカキ
千歌『わかった!いっくよ〜!』
カキカキ
千歌『……はい、できた!』
梨子『うん!じゃあ私の名字、これからず〜っと大切にしてね!千歌ちゃん!』
千歌『えへへ〜。じゃあ梨子ちゃん、チカのこと本名で呼んで欲しいな、なんて……』
梨子『……桜内、千歌ちゃん?』
千歌『きゃっ!!//私、やっぱりこの名前大好きかも〜♡』
曜「……」
曜(ううっ、あまりにもつらすぎるであります……)シクシク 曜「……」
曜(そ、そうだよね、渡辺なんて名字だと普通だし、千歌ちゃんも選んではくれないよね、私のこと……)
曜「……」
曜(渡辺、千歌……)
曜「……はぁ」
曜(たしかにいい響きなんだけど、千歌ちゃんから見れば普通に感じちゃうのも仕方ないよね……私の名字、日本で6番目に多いみたいだし……)
曜「……はぁ」ジトッ
梨子「……?」
曜(だからって梨子ちゃんと結婚するのはなしなし!!私、将来は絶対に千歌ちゃんと結婚するって、ずっと前からそう決めてるんだから!!)
曜「……」
曜(だから、どうにかして千歌ちゃんに私の名字、魅力的って思ってもらえるようにしないと……)
曜「……」ピタッ!
曜(……結婚?) 曜「!!」ピコーン!!
曜(そうだよ!!結婚!!結婚すればいいんだよ!!)
曜(結婚したら自分の名字変えられるし!!誰かと結婚して可愛い名字に変えてきた上で千歌ちゃんと私がもう一度結婚すれば!!千歌ちゃんに素敵な名字プレゼントしてあげられるよね、きっと!!)
曜(いい!!それいい!!すっごくいい!!)
曜「〜♪」
曜(ではさっそく!!だれがいいかな〜♪) 曜「……」キョロキョロ
梨子「よ、曜ちゃん……?」
曜(……梨子ちゃんはなし。いくら桜内千歌がいい名前だとしても、なんか梨子ちゃんに盗られたみたいで落ち着かないし)
曜(じゃああと珍しそうなのは……松浦とか?)
曜「……」
フルフル
曜(そうだよね。やっぱりメンバーの名前だと、千歌ちゃんも新鮮だって思ってくれないよね、きっと)
曜(となると、残るはμ’sかニジガクの娘たちってことになるのかな……) 曜「……」
曜(上原……はちょっと平凡すぎるし……)
曜(高咲……はあんま変わり映えしないだろうし……)
曜「……あっ」
曜(あの名字とかいいんじゃない?しかも取ってきやすそうだし)
曜「……よしっ!」ガタッ!!
曜(決めた!!決めたであります!!名字をもらいに、いざ東京へ出発だよ!!) 〜園田家〜
ピンポーン!!
海未「……はい。あら?曜ですか」
曜「海未ちゃん!こんにちは!!」ビシッ!
海未「ええ。こんにちは、曜。今日は何かの用事ですか?」
曜「うん!!あのねあのね海未ちゃん!!私に日舞を教えて欲しいの!!」 海未「日舞を、ですか……?」
曜「うん!!海未ちゃんのお家って、その道ですっごいお家なんでしょ?」
海未「ええ、まあ、一般的にすごいと言えるレベルほどではないのかもですが……」
海未「……どうしてまた、日舞を学ぼうという気になったのですか?」
曜「そ、それは、えっと……ス、スクールアイドルとしての技術向上のためというか……」
曜(っていうのはまっかな嘘で、海未ちゃんのお家の跡継ぎになれば、きっと私も園田の姓を名乗ることが許されるだろうし……ほ、ほら?襲名ってシステムとか?)
曜(だから、そしたらきっと千歌ちゃんに気に入ってもらえる名字になれるからで……) 海未「は、はぁ……ですが稽古というのは本当に厳しいものですよ、曜。その覚悟はあるのですか?」
曜「も、もちろんだよ!!私、どんな厳しい試練も受け入れるつもり、あるよっ!!」
曜(千歌ちゃんに好きになってもらえるようになるためなら、私!!どんなものだって犠牲にしてみせる覚悟、あるもん!!!)
曜「だから海未ちゃん、お願い……」
海未「……わかりました」
ツカツカ
曜「海未ちゃん……?」
海未「……今日は長旅で疲れているでしょう。明日から稽古をつけますので、今日はゆっくり休んでください」
曜「海未ちゃん……!!」
曜「うんっ!!ありがとっ!!私、全力で頑張るからね!!!」 〜翌朝〜
海未「曜?朝ですよ、曜?」
曜「う、う〜ん……」ムニャムニャ
海未「曜?今日から稽古を始めるのではなかったのですか?」
曜「も、もう少しだけ……」
海未「そう言ってもう一分経とうとしていますよ、曜」
曜「で、でもぉ……」ムニャムニャ
海未「……」
イラッ!
海未「……いい加減に、しなさいっ!!」ペチン!
曜「わああっ!!?海未ちゃん!!?」ガバッ!
曜「もしかして私、寝坊しちゃった!!?」
シーン…
曜「……ってまだ夜も明けてないじゃん」 海未「もう四時ですよ。いつまで寝てるつもりなのですか?」
曜「いや、私の感覚からしたらまだ四時って方が近いんだけど」
海未「曜も今日から稽古に励むつもりなのでしょう?だったら私と同じ時間に起きてくれないと困ります」
曜「え?海未ちゃんっていつもこんなに早く起きてるの?」
海未「ええ、そうですが……そんなことより曜、早くそちらの白装束に着替えて下さい」
曜「へ?白装束?どして?」
海未「稽古のために決まっています!さ、私は少し席を外しますので、その間に用意を済ませて下さい」 シュッ!シュッ!
曜「できた!」
曜「海未ちゃ〜ん!着替えたよっ!!」
クルッ!
曜「えへへ〜、どう?似合ってる?」
海未「ええ。とてもよく似合ってますよ、曜」
曜「ありがと海未ちゃん!うふふっ♪こういう衣装、一回着てみたかったんだぁ〜♪」
海未「さぁ、用意が出来たところで中庭に参りましょうか」
曜(こんなちゃんとした衣装着て何するんだろう〜、楽しいお稽古だといいな〜♪) 曜「ここが、海未ちゃんのお家の中庭……」
曜(きれい……都会の真ん中なのに、こんな場所があったんだ……)
海未「曜、私の後に続いて真似をしてみてもらえますか?」
曜「うん、わかった!」
海未「では……まずは心を落ち着けて、水槽の前に座ります」ストッ
曜「こう……?」ストッ!
海未「曜、そこの桶をとってもらえますか?」
曜「あ、これね。はい!」
海未「ええ、ありがとうございます……では」
ザッパーン!!
曜「!!!?」ビクッ!! 海未「……曜?続かないのですか?」
曜「ふえっ!!!?つ、続くって……水浴びを!!?」
海未「ええ、もちろんです」
曜「う、海未ちゃん!!そんなことしてたら風邪ひいちゃうよっ!!!」
海未「心配には及びません。心頭滅却すれば火もまた涼し。心を強く保てばいかなる病魔からも身を守ることができるのですよ、曜」
曜「いや、そういう問題じゃないから!!!明らかに時代間違えてるからその理論!!」
海未「曜、あなたも稽古に参加するのでしょう?このくらいで音を上げていては困ります!さあ、いきますよ!」
ザッパーン!!
曜「ひゃあっ!!?//」
海未「静かに!!朝から大きな声を出さないでください!!近所迷惑ですよ!!」
曜(そんなこと言うならこんなことしなければいいんじゃないかな……?)
海未「さあ、精神を落ち着けて!平静を保つのですよ、曜!」
曜「よ、よーそろぉ……」ガクガク ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています