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ランジュ「反省と抱負」
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0002名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/06(金) 23:56:41.89ID:MT/LrZvH
―1―

まだ心臓がバクバクと私の身体を殴りいたぶってくる。私は先程、第一の難関を乗り越えてきたところだ。

全体的に見れば、今の私はまだスタート地点を切ったばかりなのに、こんなに精神をすり減らしていることに、先の不安が思いやられる。

さて、踊る血液を落ち着かせるためにひとまず状況を整理しよう。

まず第一に、私の目的は同好会を元通りにすることと、それから私の"私的な疑問"を解決することだ。

次に、私は同好会にもスクールアイドル部にも、演技をし続けなければならないということ。

三つ目に、私は今彼女達に嫌われている。"嫌われている"、というのは少し単極的過ぎるかもしれない。しかし私のした事を客観的に考えてみると、少なくとも好感を持っている人物はまず居ないだろう。
0003名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:00:06.67ID:J8Mb31yq
そして、私の"私的な疑問"とは何か。それは鐘嵐珠についてだ。あの人物が私達…彼女達の活動を侵害したこと。

その理由については正直どうでもいい。特に複雑な理由が有る様には思えないし、ただの善意か悪意だろう。

私が気になっているのはそこではない。

先客の部員2人の方だ。もう一人は、幼なじみのようなので、これとは少し話が変わる。

愛さん。"ある時"からおかしかった。彼女は"ある時"までは同好会の活動再開を求め、毎日のように鐘嵐珠に訴えていた。それでも彼女は皆と接する時と同じ、キラキラとした笑顔だった。
0004名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:03:15.67ID:J8Mb31yq
様子がおかしくなったのはあの日、愛さんがほんの少し、ランジュさんに悪態を吐いた日だった。

「そういう言い方やめてよ。」

「話聞く気無いよね。」

「同好会を返してくれればそれでいいんだけどな。」

昼休み、もう一度交渉してみようと部室に来た私は、今まで見たことの無かった、彼女のその、はっきりと悪意を示した顔に驚いた。

最初から聞いていた訳では無いので、何が彼女にそんな顔をさせたのかはわからない。ただ彼女は完璧な人間では無かったというだけのことだろう。

その翌日からだ。彼女と目が合わなくなったのは。

事実として目が合わなくなった訳では無い。ただ、私達と愛さんは、何かがズレていた。
0005名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:05:24.21ID:J8Mb31yq
彼女のその、突拍子のない突然の転部宣言には皆が騒然とした。

かすみさん、私にとっての親友に至っては、何を言っているのか聞き取れない程に必死で泣き叫んでいた。

あの時の同好会は、はっきり言って地獄だった。今でも鮮明に思い出されるその地獄は、私の燃料でもある。

私はと言うと、彼女は、愛さんは演技をしているのではないかと疑った。あまりにも自分の意思が感じられなかったからだ。理由だって2、30秒あれば思いつくような張りぼてだ。

それから間もなく、果林さんまで部に入ると言った。

彼女もまた、どこか不自然だった。理にかなっているように思える理由を、操られているように、私には感じられた紛い唇で伝えた彼女の頬は、季節外れの春の色をしていた。
0006名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:07:00.73ID:J8Mb31yq
私は演技をすることにした。

私なら大丈夫。根拠は無いけど自信はあった。

それから私は5つの仮説を立てた。正確に言うと、私は23つの仮説を立てた。が、矛盾やそれがありえない根拠を見つけた物には線をのせた。

1 彼女達は欲に言うスパイ行為をしていて、私達から情報が漏れることを恐れて演技をしている。

2 彼女達は元々鐘嵐珠と関係を持っていた。

3 彼女達は鐘嵐珠、またはその関係者に脅された。

4 彼女達は人の混乱を好む第三者に脅された。

5 彼女達は鐘嵐珠、またはその関係者に洗脳行為を行われた。


ちなみに私は1番だ。
0007名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:08:20.92ID:J8Mb31yq
ペラペラとめくっていた記憶のページを一旦閉じる。

もう準備はおわりだ。私はアイシングが不格好に乗った、油まみれのデニッシュ繊維を噛みちぎりながら覚悟を決めた。
0009名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:18:48.00ID:J8Mb31yq
―2―

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」

光沢の無い赤いベルベットの上で、淡いグレーチェックの白いスカートと、鼠色のクォーターソックス、羽織っただけの真っ白なワイシャツを身にまとった、一人の少女が、嬌声と悲鳴の混じった幼い声で鳴いていた。

宮下愛、彼女の顔は苦痛に充ちていて、それでいて恍惚とした、世界中の嬉涙を集めた様な顔だった。

「も、やだ……やだぁ…」

完成された造形には不釣り合いな、未就学児の様な懇願をみせる彼女の胸先には、クリップの様な物が付けられていて、クリップの向こう側は、蕾のようにぷっくりと膨らんでいた。

そして何故か、脚をプルプルと小刻みに震わせていた。
0010名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:21:17.18ID:J8Mb31yq
「だめよ。もっとやるの。」

「はい、口開けて。あーん」

「ぁ゛あぁーん」


掠れた声で返事をし、開かれた小さな口には、直径3センチ程度の、チョコチップクッキーが放り込まれた。

なんの変哲もない、ただの美味しいチョコチップクッキーだ。

だがそれは、彼女にとっては、もう見るだけで涙が零れる凶器となっていた。

それもそのはずだ。彼女宮下愛は、このチョコチップクッキーを、今日1日で少なく見積って30枚…数えるのも面倒になるほど食べていた。
0011名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:22:12.53ID:J8Mb31yq
彼女の食事は全て、鐘嵐珠、泣きながらクッキーをちょびちょびと削っている苦しげな宮下愛を前に、目を細めて親指を噛んでいる彼女が管理している。

ランジュが食べろと言った物は全て残らず食し、ランジュが不在の時に食べた物は、全て口頭で報告した。

食事だけではない。

排泄管理もまた、ランジュによって厳密に行われていた。

ランジュに直接又はメールで許可を得る、
もしくはランジュに指定された時しか排泄は許されなかった。
0012名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:24:09.48ID:J8Mb31yq
他にも服装、学業、睡眠、、、。宮下愛の生活は全て鐘嵐珠に委ねられていた。

勿論愛は嫌がっていない訳では無かった。抵抗もする。

しかし、"従わない"という選択肢は無かった。

宮下愛にとって、鐘嵐珠の言ったことは、全て事実であり、自分の感情だって、ランジュが言えばその通りになる。

しかし、ランジュは、"嫌だ" "苦しい" そんな感情が大好きだった。

だから感情を教えるときも、元々持っていた感情はそのままにしておいた。
0013名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:25:59.44ID:J8Mb31yq
「苦しいでしょ?」

「きもちいでしょ?」

「…………」


先程入れられたクッキーは、もう形を無くしていたが、飲み物もろくに与えられずに長時間食事を強いられて、すっかり水分を奪われた愛は、声が出せなかった。

毛布を乱暴に掴む彼女の手は、糖分の過剰摂取で真冬の水溜りのように鋭く冷たかった。

それでも彼女の頬は赤く上気し、息は熱を持っていた。
0014名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:27:44.70ID:J8Mb31yq
「気持ちいわね、愛」


彼女がそう言えば、どんな状態も、"気持ちいい"に変換される。

その彼女の息もまた、熱く熱く、生きていた。

彼女はこの行為が大好きだった。

健康を考えると頻繁にはできないが。

いろいろな"コト"をした。

でもこれが、1番のお気に入りだった。

喉から、食道、胃、、、筋肉や血液まで愛を支配できる。

彼女は元々愛を部に入れる為に支配した。別に誰でも良かった。ただたまたま、目立ってよく話しかけてきたから、記憶に残っていた愛をターゲットにしただけだった。
0015名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:28:39.62ID:J8Mb31yq
でもそれは最初だけだった。自分の意を持った彼女が、自分の言ったことになんでも従っている。

周りから信頼されていた彼女が、自分に従ったことで、積み上げてきた信頼を失い、仲の良かった仲間から邪険にされている。

いつも笑顔で明るい彼女が、苦痛に顔を歪めながらも命令に従順で、苦しみを悦んでいる。

それらはランジュに初めての快感を与えた。

彼女には才能があった。

元より性と言うものに関心が無かった彼女は、"そういうこと"をしたこともなかった。

宮下愛を支配した時は、手順通りにやっただけだ。

その光景、状況は彼女の才能を一瞬にして開花させた。
0016名無しで叶える物語(しうまい)
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2020/11/07(土) 00:29:19.51ID:J8Mb31yq
「ほら。ほら。」

「だめよ?まだ。」

「そうね……一度イけたらいいわよ。」

「ランジュは触ってあげないけど。」

「毛布は離さないでね」


そう言われた愛は震える脚で太腿を擦り合わせる動きを始める。

枕の上で波打つ艶やかな金色が、ピンクの卓上間接照明にさされてまるで珊瑚礁に落ちた星粒のように輝く。

2人の激しい動悸が場を満たす。

程なくして愛は達した。

一滴も零すことなく、最後まで従った。

ベルベットは、たっぷりと光っていた。
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