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梨子「秋深し」花丸「隣は何を、する人ぞ?」
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0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:36:13.67ID:aC6DVls3
りこまる短編
0003名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:38:28.04ID:aC6DVls3
梨子「〜♪」

梨子(秋です♪)

梨子(私は今、近くの山に遊びに来ています♪)

梨子「ん〜!!風が気持ちいい〜♪」

チュンチュン♪

梨子(遠くで聞こえる小鳥のさえずり。内浦で迎える初めての秋模様は、東京の秋とは全く違っていて、とってもとっても新鮮です♡)

梨子「〜♪」シャッシャッ

梨子(紅葉と秋風の奏でる爽やかなメロディと吹き抜けるような青い空。この景色を残しておきたくて真っ白なキャンパスに鉛筆を走らせるこの時間が、私の最近の秋の楽しみなんだ♡)

梨子(それにね?なんかこうやっていろんなことに想いを馳せてみるのって、大人の女性って感じがして……秋空の下に一人でいると、少し大人の階段を昇れた気がしちゃうんですっ♡♡)

梨子「〜♪」

シャカシャカ♪

梨子(ね?ほら、聞こえてきたでしょ?楽しげな秋の足音が♪落ち葉をしゃかしゃかって鳴らす音が、こんなにも胸をワクワクさせて……)

花丸「……あれ?梨子ちゃん?」

梨子「ええっ!?花丸ちゃん!!?」
0004名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:39:28.45ID:aC6DVls3
花丸「わぁ〜!!こんなところで偶然だね!!梨子ちゃん、こんにちはずら〜」

梨子「こんにちは。花丸ちゃん、どうしてこんなところに?」

花丸「マルの知り合いの住職さんのお寺がね、この近くにあるんだ。だからマルもたまに遊びに来させてもらってるんだよ〜。ほら、ここってすっごく風が気持ちいいでしょ?」

梨子「うふふ、そうね。私なんて毎日来ちゃうくらいだもん♪」

花丸「梨子ちゃんは……スケッチ?」

梨子「うん。花丸ちゃんが思ってるほど大袈裟なものじゃないかもだけど……」

花丸「ねえねえ梨子ちゃん、じゃあマルもご一緒させてもらってもいいかな?」

梨子「え?花丸ちゃんもお絵かきするの?」

花丸「ううん、マルは……じゃじゃ〜ん!これずら♪」ヒョイ!

梨子「そっか、そうだよね。花丸ちゃん、大好きだもんね」

花丸「えへへ〜、それほどでも〜♪」

梨子「うん、いいよ花丸ちゃん。じゃあ一緒に秘密の午後、めいいっぱい楽しもっか♪」
0005名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:40:45.31ID:aC6DVls3
梨子「〜♪」サッサッ

花丸「〜♪」ペラッ!

梨子(というわけで今日は、花丸ちゃんと二人で午後の、秘密の女子会です♡)

梨子「……」

花丸「〜♪」ペラペラ

梨子(この辺は山の奥の方だから人の生活音もほとんど聞こえなくて、私の耳には風の音と花丸ちゃんの息遣い、そして花丸ちゃんがページを繰る音だけが届いてきます)

梨子「……」

梨子(でもなんだかこんだけ静かだと、ちょっとだけ色々考えちゃうなぁ……)

梨子「〜♪」シャッ!

花丸「ずらぁ〜♪」
0006名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:41:24.38ID:aC6DVls3
梨子「ん〜……」

梨子「……」チラッ

花丸「〜♪」

梨子「……」

花丸「……?」

花丸「どうかしたの、梨子ちゃん?」

梨子「あっ、ううん。花丸ちゃんって秋がすっごく似合うなぁ〜って思っただけだよ」

花丸「え〜、マルが?そうかなぁ……?」

梨子「うん!今も絵のモチーフを考えてたんだけどね、花丸ちゃんってすっごく画になるなぁって思ったもん!」

花丸「なんかそこまで言われると照れちゃうずらぁ〜、ありがと梨子ちゃん♪むふふ♪」
0007名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:42:02.64ID:aC6DVls3
花丸「でもマルってそんなに秋っぽいかなぁ……?マルは梨子ちゃんの方が秋が似合う素敵な女性だと思うずら〜」

梨子「え?どうして?」

花丸「だってマルは三月生まれだけど、梨子ちゃんは九月生まれだもん!!」

梨子「え〜?生まれた季節は関係ないんじゃないかなぁ……?」

梨子(でも確かに秋は季節の中では一番大好きだし……じゃあやっぱり関係あるってこと?)

花丸「あ、あとねあとね!!梨子ちゃんってピアノ弾けるでしょ?だから森の演奏会とか開いてそうだなぁって思うずら!!」

梨子「森の、演奏会……?」

花丸「うん!!森の中に少し開けた場所があってね、陽の光がぽかぽか〜って差し込んでて……そこで演奏会をするの!!」

梨子「あ、なんかそれちょっと面白そう!そよそよって吹く風に乗って、ピアノの音が辺りに広がっていって……」

花丸「……それを聞いた動物さんたちがやってきて、一緒に演奏してくれる、とか?」

梨子「ふふふっ、そうね。リスさんやモモンガさんたちと一緒に出来たら楽しいかも♪」

花丸「ね〜、まるで絵本の中の世界みたいずら〜♪」
0010名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:43:37.31ID:aC6DVls3
花丸「でもなんだか秋ってつい妄想が膨らんじゃう季節だと思うなぁ……梨子ちゃん、わかる?」

梨子「うん、すっごくわかるよ。私も秋の音を聞いたりするたびに思うもん。なんか色々物思いにふけっちゃう……って感じ?」

梨子(花丸ちゃんはちょびっとだけ私に似ている気がするんです……それがなんだけちょっぴり嬉しかったり♡)

花丸「うんうん♪マルはよく、葉っぱが落ちて裸になっちゃった木とか見ると、センチメンタルな気分に浸っちゃうこととかあるんだ」

花丸「ほら、ちょっとだけ寂しい気持ちになったりしない?秋の空とか見てると。マルはそういう気持ちになるたびに、ああ、今年もこの季節がやってきたんだなぁ……って感じちゃうずら」

梨子「ふふっ、花丸ちゃんってすっごく素敵な感性を持ってるのね、なんだか有名な詩人さんみたい♪」

花丸「え〜、そうかなぁ……?」

梨子「そうだよ、花丸ちゃんが優しいからそういう気持ちになれるんだと思うの」

花丸「そう言われると、ちょっとだけ恥ずかしいずら……//」

梨子「私もね、そういう純粋で透明な気持ちを大切にして、いつかは歌や絵にのせられたらなぁって思ってるだけど……そういう秋の歌、いつか私も心から歌ってみたいんだ」

花丸「うん、マルも!そういう寂しいけど元気になれる曲、いつか歌ってみたいって思ってるずら!!」

梨子「だからね、もし何かいい詩が思いついたらね、ぜひ私に見せて欲しいなって。何か今ので秋の歌、ヒントを貰えた気がするわ。ありがと花丸ちゃん!」

花丸「うん、わかったずら。こちらこそありがとう、梨子ちゃん!」
0011名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:44:41.23ID:aC6DVls3
梨子「物思いの秋、か……」

花丸「……どうしたの、梨子ちゃん?」

梨子「確かに秋は色々考えちゃう季節だけど、物思いの秋ってフレーズはあんまり聞かないなぁって……」

花丸「やっぱり梨子ちゃんにとっては、芸術の秋ってイメージが強いから?」

梨子「う〜ん……そうかも。絵も音楽も大好きだし、私は芸術の秋って表現が一番好きだなぁ」

花丸「千歌ちゃんや曜ちゃん、果南ちゃんは運動の秋!とかスポーツの秋!って答えそうだよね、マルの勝手なイメージだけど」

梨子「ふふふっ、私もすっごくわかるよ。あの三人はそんな感じだもんね。花丸ちゃんはやっぱり読書の秋?」

花丸「うん!!こうやってお外で読書をしている秋の時間が、マルは一番大好きずら♪お家の中で本を読むのもいいんだけど、お外で読むと風が気持ちよくて気分がいいんだぁ〜♡」

梨子「ふふっ、そうね♪あとは空の青さと葉っぱの赤さの色合いとか?」

花丸「陽ざしがぽかぽかしてて暖かいところとか……」

梨子「遠くに聞こえる小鳥のさえずりとか……」

花丸「向こうの方から微かに香る、焼き芋の匂いとか……」

グゥー…

花丸「……//」カァァッ

梨子「くすっ♪すっごく可愛らしい音がしたわね♪」

花丸「うぅ〜、すっごく恥ずかしいずらぁ……//」
0012名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:45:49.69ID:aC6DVls3
花丸「うぅ〜、食べものの話をしたらお腹がすいちゃったよぉ……」

梨子「うふふ♪なんかそっちの方がちょっとだけ花丸ちゃんっぽいかも♪」

花丸「芸術は食欲には勝てなかったずらぁ……」

スタッ!

花丸「決めたっ!!マル、ちょっとだけ焼き芋分けてもらえないか聞いてくるっ!!」

梨子「あっ……」

ピューッ!!!

梨子「……行っちゃった」

梨子「……」スンスン

梨子(確かにあっちの方から美味しそうな匂いがしてくるような、こないような……)

花丸「梨子ちゃ〜ん!!」テテテッ!!

花丸「もらえた!!わけてもらえたよ!!みてみて!!美味しそうな焼き芋!!」

梨子「わぁ〜……湯気がまだホクホクしてる……」

花丸「〜♪」

パキッ!!

花丸「はいっ!梨子ちゃんの分!一緒に食べよっ♪」
0013名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:46:54.68ID:aC6DVls3
梨子「……いいの?」

花丸「もちろんずら!みんなで食べると美味しいよ♪はい、梨子ちゃん♪」

梨子「あ、ありがと……」

ギュッ!!

梨子「あちっ!」

梨子「ふ〜っ、ふ〜っ……」

花丸「うふふ、熱かったずら?」

梨子「あ、うん。ちょっとだけ……」

花丸「焼きたてだからね。でもその分だけ、焼き芋が美味しく感じられるずら〜♪あ〜むっ♡」

パクッ!!

花丸「ん〜♡頬っぺた落ちるじゅらぁ〜♡」

梨子「花丸ちゃん、すっごく美味しそうに食べるのね。なんだかこっちまで幸せな気持ちになっちゃうかも♪」

梨子(ひとりで風の吹く先に想いを馳せ、ちょびっとだけセンチメンタルになる秋の空。その下でほかほかの焼き芋を半分こして食べる私と花丸ちゃんとの秋のパーティー♪ふたりだけの秘密の秋の思い出が、また一つだけ増えちゃったみたい♡♡)
0015名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:48:37.84ID:aC6DVls3
花丸「しあわせじゅらぁ〜……♡きっと幸せの味は、この焼き芋みたいな感じなんだろうなぁ〜……♡♡」

梨子(頬っぺたをちょっぴり赤く染めた花丸ちゃん。焼き芋を詰め込んでるからぷくーっ!って頬っぺたが膨らんでて……つい衝動的に、キスとかしたくなっちゃいそう♡)

梨子(……あとでこの花丸ちゃんの笑顔も描かせてもらえないかなぁ……?とっても素敵で可愛いから、つい切り取って残しておきたいって思っちゃったんだ♡花丸ちゃんの美味しそうな笑顔も一緒に♪)

梨子(美味しそうにいっぱい食べる秋の後輩のお顔も、もうすっかり私の思い出の一つですっ♡♡)

花丸「んぅ〜♡♡♡」

梨子「ふ〜っ、ふ〜っ……」ホクホク

梨子「あ〜んっ」

パクッ!

梨子「んっ、美味しい……♡」

花丸「でしょでしょ?一緒に食べるともっと美味しいずら〜♡」

梨子(焼きたての焼き芋はちょっと香ばしくて、秋の魅力がぎゅっ!って詰まった味がして……)

梨子(やっぱり私、内浦の秋が大好きだよ♡♡)
0016名無しで叶える物語(もんじゃ)
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2020/10/29(木) 21:49:07.97ID:aC6DVls3
終わりです。お粗末様でした
りこまるで秋の日常編でした
0019名無しで叶える物語(とばーがー)
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2020/10/29(木) 22:05:39.92ID:oYErxI5P
りこまるはいいぞ
0025名無しで叶える物語(SB-iPhone)
垢版 |
2020/10/29(木) 23:47:33.23ID:32P1dv8t
乙、かわいかった。
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