ルビィ「大人になるって、どういうこと?」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
ルビィ(これは、まだルビィが中学生だったころのお話です)
〜朝 教室〜
ガラガラ
ルビィ(13)「おはよ!花丸ちゃん!」
花丸(13)「ルビィちゃん、おはようずら」
花丸「ねえルビィちゃん、昨日の数学の宿題解けた?」
ルビィ「うん!でも、ちょっと難しかったから、ルビィあんまり自信ないなぁ……」
花丸「ねえねえルビィちゃん、もしよかったらマルに最後の問題の解き方教えてくれないかな?マル、数学はどうも苦手で……」
ルビィ「うん!いいよ!えっとね、確か昨日ノートに解いたはずだから……」
ガサガサ
ルビィ「……あれ?」 花丸「ルビィちゃん?どうかしたの?もしかして……ノートお家に忘れてきちゃったとか?」
ルビィ「ううん、そうじゃないけど……」
花丸「……けど?」
ルビィ「……」チョイチョイ
花丸「……?」
ガサッ!
花丸「あー……」
ルビィ「どうしよ、ぬいぐるみさん、間違えて学校に持ってきちゃったよぉ……」
花丸「それは大変ずらね〜……」
ルビィ「うぅ〜……、お姉ちゃんにも『勉強に関係ないものは学校に持っていってはいけません』って言われてるし……」
ルビィ「先生に見つかっちゃったら、絶対に没収されちゃうよぉ……」 ルビィ「どうしよう、ルビィの大好きなぬいぐるみなのに……」ウルウル
花丸「ルビィちゃん……大丈夫ずら!」
花丸「マルが絶対に見つからないようにしてあげる!隠していれば絶対にバレっこないずら!」
ルビィ「花丸ちゃん……」
花丸「だからルビィちゃん!ね?元気出して?」
ルビィ「う、うん……ありがと、花丸ちゃ
クソガキA「なになに?なにが隠してればバレないって?」
ルビィ「あっ……」 クソガキB「おっ、見ろよ!これ!黒澤のやつ、学校にぬいぐるみなんて持ってきてるぞ!!」
クソガキA「い〜けないんだいけないんだ!せ〜んせいにいっちゃ〜おっ!勉強に関係ないもの学校に持ってきちゃいけないんだぞ!!」ヒョイッ!!
ルビィ「あっ、そ、それ、ルビィの……か、返して……」
クソガキA「やなこった〜!!職員室に持っていくからね〜!!だったいお前がこんなん持ってくるのが悪いんだし〜!!」
クソガキB「だいたい、まさかお前中学生にもなってお人形遊びなんかしてんのか?ウケる〜!!そんなの許されんの小学生までだろ!!」
ルビィ「えっと、そ、それ、ルビィの……お願い……」ウルウル
クソガキA「もしかしてこれないと夜も眠れないとかか?マジ!?中学生にもなって!!?そんなんだから昨日のディベートとかもクラスの前で恥かいて
ポカッ!!
クソガキA「いてっ!!な、なにすんだよ!!」 花丸「……」
クソガキA「ちょっ!手!!放せよ!!だいたいお前には関係
花丸「ある!!それルビィちゃんの大切なものだから!!返してよ!!!」
クソガキA「国木田、お前まさかこんなやつの肩持つ
花丸「返してよ!!!ルビィちゃん悲しんでるじゃん!!!」ポカポカッ!!
ルビィ「ぐすっ……」
クソガキA「なっ!!わ、わかった!!わかったから!!放せよっ!!!」ポーン!!
花丸「はぁ、はぁ………」
クソガキA「ふ、ふんっ!!こんなお子ちゃまなんてほっとこうぜ。ほら、行くぞ」スタスタ
クソガキB「ちぇっ、つまんねーの」スタスタ
花丸「……」
ルビィ「は、花丸ちゃん……」
花丸「……はい、ルビィちゃん。ちゃんとカバンの中に閉まっとかなきゃだめだよ?」 ルビィ「う、うん……ぐすっ……」
花丸「ほらルビィちゃん、これくらいで泣かないの。ルビィちゃんはとっても強い子なんだから、ね?」ヨシヨシ
ルビィ「……」コクコク
花丸「うん、いい子いい子♪」ナデナデ
ルビィ「で、でも、ぬいぐるみさん、ちょっとだけ千切れて……」
花丸「……」
花丸(確かに、さっき男子たちが振り回してたから、ちょっと縫い目が解けかかってるずらね……)
ルビィ「ルビィのお気に入りのぬいぐるみさん、ボロボロになっちゃたよぉ……」ウルウル
ルビィ「……ぐすっ」
花丸「ルビィちゃん……ううん、心配しなくても大丈夫ずら!!」
ルビィ「……?」
花丸「とびっきりの魔法で、おらが全部元通りにしてあげるずら♪」 〜放課後 黒澤家〜
花丸「んっ……」スルスル
ルビィ「うわぁ〜、花丸ちゃん、お裁縫もできるんだね〜、すごい……」
花丸「うん。前におばあちゃんに習ったんだ。こうすれば物を大切に長く使えるよって」
ルビィ「へぇ〜……」
花丸「だからルビィちゃん、もう少しだけ待っててね〜♪」ヌイヌイ
ルビィ「うん!ありがと花丸ちゃん!……ごめんね、ほんとはルビィが一人で出来ればよかったんだけど……」
花丸「気にすることないずら。困ったときはお互い様だよ?それにルビィちゃんにはときどき勉強教えてもらってるし」
ルビィ「で、でも、それもね?お姉ちゃんに教えてもらったことをそのまま言ってるだけで……だからルビィ、ほんとは一人じゃ何も……」
花丸「ルビィちゃん……」 ルビィ「……」
花丸「……」
ピタリ!
花丸「……あ、あのねルビィちゃ
ガラガラッ!!
ルビィ「あっ、お姉ちゃん帰ってきたみたい」
ダイヤ(15)「ただいま……ルビィ?どなたかいらしているのですか?」ツカツカ
ルビィ「あっ、うん!花丸ちゃんが一緒に……」
ダイヤ「……そうでしたか」
花丸「あ、えっと……ルビィちゃんのお友達の国木田花丸です!」ペコリ 花丸「えっと……」
ダイヤ「ダイヤですわ。ルビィの姉の黒澤ダイヤです。いつも妹が大変お世話になっております」ペコリ
花丸「こっ、こちらこそ!!ルビィちゃんには大変お世話になってます!!」ペコリ!!
ダイヤ「はい。ルビィとお友達でいてくださって大変嬉しいですわ。今日は……」
ルビィ「えっとね、花丸ちゃんがルビィのぬいぐるみ治すの手伝ってくれてて……」
ダイヤ「……そうでしたか。ルビィ、あとでちゃんとお礼を言っておかなくてはダメですわよ?」
ルビィ「あ、うん!ありがと!花丸ちゃん!!」
花丸「これくらいお安い御用ずら〜」
ダイヤ「それと……」
ルビィ「……?」
ダイヤ「……いえ、宿題はもう済ませたのかと」 ルビィ「あっ……」
ダイヤ「ルビィ、あなたただでさえ成長が他人より遅いのですから、勉強くらいはしっかりして、周りに負けないくらいの知性を身につけなくてはなりませんわよ?」
ダイヤ「童心を忘れない趣味を持つのは結構ですが、同時に大人への登竜門を飾るにふさわしい教養と品性を身に着け……」
ダンッ!!
花丸「……ダイヤさんもそう思ってるんですか?」
ダイヤ「えっ……?」
ルビィ「花丸ちゃん……?」 花丸「……別にどういう趣味を持とうがルビィちゃんの勝手じゃないですか。どうしてそれを否定しようとするんですか?」
ルビィ「え、えっと……」
ダイヤ「……?」
ルビィ「は、花丸ちゃん!!ダメだよ!!お姉ちゃんとケンカしちゃ!!」ヒソヒソ
ルビィ「お姉ちゃん怒るとすっごく怖いから!!ルビィが勉強すれば大丈夫だから!!ね?」ヒソヒソ
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「お、お姉ちゃん!!ルビィのことなら大丈夫!!ちゃんと宿題もするし、テストでいい点とれるように頑張るよ!!」
ダイヤ「ええ、もちろんですわ。ルビィも来年には受験生。その自覚を持って節度ある行動を心掛けてくださいね?」
ルビィ「う、うん!!頑張るびぃ!!」ビシッ!
花丸「……」 ダイヤ「あ、そうだ。お姉ちゃん少しお友達の家に行ってきます。一応大丈夫だとは思いますが……留守番の方は頼みましたわよ」
ルビィ「はーい!わかった!!」
ダイヤ「お願いしますわね。晩御飯までには戻って参りますので」
スタスタ
ルビィ「……ふぅ〜」
ルビィ「花丸ちゃん、お姉ちゃんとケンカしようとしちゃだめだよ〜、ああ見えてお姉ちゃん結構怖いんだよ?もうぴぎゃ〜っ!!ってなっちゃうくらい」
花丸「ルビィちゃん、ごめん。でも……」
ルビィ「でも……?」
花丸「……ううん、なんでもないずら。さっ!続きも頑張るずら〜!!」
ルビィ「うん!ありがと花丸ちゃん!!」 〜淡島 ホテルオハラ〜
ガチャッ!
果南(15)「おっ!ダイヤ!!おっそいじゃ〜ん!!どしたの?何かあった?」
ダイヤ「いえ、少しルビィと話をしてただけで……」
果南「ふーん、ルビィちゃんか〜、そう言えば最近会ってないなぁ〜……」
果南「学校違うと会う機会もなくなるもんね〜……どう?ルビィちゃん、元気?」
ダイヤ「……相変わらずですわ。少しは勉強もするようになったかと思えば、相変わらず子供らしい趣味に没頭して……はぁ、少しは成長して欲しいものですわ」
果南「え〜、相変わらずダイヤは手厳しいなぁ〜、中学生なんて遊んでるくらいがちょうどいいでしょ」ヒラヒラ
ダイヤ「……どこかのおバカさんはその結果受験で大変苦労なさったようですがね」ジトッ
果南「う、うぐっ!!?で、でもっ!!いざとなれば鞠莉の力でなんとか……ほ、ほら!!鞠莉の家って浦の星のスポンサー?ってやつなんでしょ?」
ダイヤ「犯罪ですわよ、果南さん……」
鞠莉(16)「でも〜、浦の星って去年も定員割れてたそうだし、誰でも入学は出来るんじゃないかしら?入学金払えば」
ダイヤ「そういう問題ではありませんわ!!中学校で修了すべき学を全て身に着けてこそ!!立派な高校生になれるというものなのです!!」
果南「あー、はいはい、わかったわかった〜」ヒラヒラ 鞠莉「でもホント可愛いわよね、ルビィってば〜、手元にキープしておきたくなるタイプ?いっそのことこのまま成長が止まって、ずっとあのまま……」
ダイヤ「それは困ります!!ルビィは今のままでは、社会に適合できないというか……あの幼さのままでは、将来路頭に迷う事間違いなしですわ!!」
ダイヤ「黒澤の家を継ぐにせよ、そうでなくて一般人として社会で生きていくことを選ぶにせよ、どちらにせよルビィは今のままでは
果南「言うほど?別に良くない?ちょっとばかし子供っぽくたって。可愛いじゃん」
ダイヤ「可愛ければいいという話ではありません!!だいたい、中学生にもなってぬいぐるみが一緒じゃないと寝られなかったり!!女児向けのアニメを食い入るように見ているのですわよ!!幼稚園児じゃないのですから、いい加減やめて欲しいですわ、恥ずかしい……」
鞠莉「……それってそんなに問題なの?」 ダイヤ「当たり前ではないですか!!周りより成長が遅いというのは、それだけで……」
鞠莉「でもぬいぐるみと一緒に寝るなんて誰にでもあるんじゃないかしら?果南だってこの年でたまにイルカのぬいぐるみ抱いて寝てることあるし。ね、果南?」
果南「なっ!?」
果南(ど、どうして鞠莉が私の最重要機密の一つを……//)
ダイヤ「……本当ですの?」
果南「え、えっと……//こほん。まあ、私の話は置いときまして
鞠莉「今のセリフは白状したってことでいいのかしら〜?」
果南「うっさい鞠莉!!話の腰折るな!!……こほん。まあ、趣味の範囲だったらいいんじゃないかな?迷惑かけるわけじゃないし」 果南「それに、童心を忘れないってすっごく大事なことだと思うよ?大きくなるにつれてそういうのって自然と忘れてっちゃうものなんだろうし、そういう意味では実はルビィちゃんってすっごく幸せなんだと思うよ」
ダイヤ「果南さん……」
果南「それにそういうところまで全部含めて『ルビィちゃんらしさ』ってことなんだろうし、ダイヤが認めてあげるのが一番幸せな結果なんじゃないかな?」
果南「……やだ私、めっちゃ大人っぽいこと言ってない?カッコよ!」
ダイヤ「……そうですわね、果南さんみたいに『大人への憧れ』だとか言ってタバコを吸い始めるような人間になるよりはマシなのかもしれませんわね」
果南「吸ってないし!言ってもないから!!いい事言った後に茶化すのやめてよね!!」 鞠莉「マリーも果南と同意見よ。それにね、成長ってそういうことじゃ決まらないと思うの、私は」
鞠莉「誰かが決めた自分らしさとか、自分はこうじゃなきゃいけないだとか。そういう枠に縛られてたら、本当の意味での成長って出来ないんじゃないかしら?」
鞠莉「もしもルビィに子供らしさが必要ないんだとしたら、きっとルビィは自分で気づいて離れていくんだと思う。それはそれで少し寂しいような気もするけどね」
鞠莉「だからルビィは大丈夫よ。ダイヤに出来るのは温かく見守ってあげるだけ。本当の成長なんて、用意してあげなくてもルビィが自分で見つけていくんじゃない?」
ダイヤ「……そういうものなのでしょうか?」
鞠莉「ええ!そういうものなのよ!それに〜……」
モミッ!!
ダイヤ「ぴゃっ!?//」 鞠莉「ダイヤってば成長せーちょーって言ってるけど、こっちはちっとも成長してないじゃない〜♪」
ダイヤ「なっ……//」
鞠莉「いい加減こんなつるぺたさんじゃ、お姉ちゃんとしての威厳が〜……」
ダイヤ「……//」プルプル
パシパシパシーン!!
ダイヤ「……これ以上セクハラしようものなら、地方裁判所に訴えますわよ」
鞠莉「は、はひ……」ヒリヒリ 〜再び黒澤家〜
花丸「〜♪」
ルビィ「……」
花丸「……はい!できたよルビィちゃん!ずらっ!!」
ルビィ「あ、ありがと花丸ちゃん、すごい……」
花丸「ふっふ〜ん、マルの手にかかれば!どんなものでも元通り……」
ルビィ「……」
花丸「……ルビィちゃん?」
ルビィ「ぴぎっ!?な、なあに……?」
花丸「もしかしてルビィちゃん、今日のこととか……さっきダイヤさんに言われたこと、気にしてるの?」
ルビィ「あ、うん、少しだけ……」
花丸「そう……」 ルビィ「……」
花丸「……」
ルビィ「……実はね、お姉ちゃんにはよく言われてるの。もっと大人になりなさいって」
ルビィ「ルビィね、昔から可愛いものが大好きで、今でも大好きなんだけど……だからちょっとだけ、好きな物が子供っぽくなっちゃうのかなぁ?よく子供みたいって思われてるみたいなんだ〜……」
花丸「……」
ルビィ「今日だって学校で男の子に変な人だって思われちゃったみたいだし、お姉ちゃんにも、いい加減子供っぽいことをするのやめなさい、とか言われること、あるし……」
ルビィ「やっぱりルビィ、変なのかなぁ?まだぬいぐるみさんで遊んでるのとか……」
花丸「ルビィちゃん……」
ルビィ「……あーあ、こんなに可愛いのになぁ」 花丸「……」
ルビィ「……」
花丸「……あのねルビィちゃん、マルはどんなルビィちゃんでも大好きずらよ」
ルビィ「えっ……?」
花丸「ルビィちゃんが何が好きでも、もちろん嫌いになっちゃったとしても、ルビィちゃんはルビィちゃん、それだけは変わらないずら」
花丸「マルはルビィちゃんがどんなに変わっちゃったとしても、たとえ変わらなかったとしても、ルビィちゃんのお友達はやめるつもりないよ?それこそダイヤさんにやめてくださいってお願いされたとしても」 花丸「だからルビィちゃんはルビィちゃんのままでいいと思うずら。そのままのルビィちゃんが、マルは一番大好きだよ」
花丸「だから大好きなものを嫌いになる必要はないと思うずら。それに!」
花丸「もし今日みたいにルビィちゃんのこと悲しませる人が現れたとしたら!絶対にマルがやっつけてみせるから!!だからルビィちゃんは安心するずら!!」
花丸「たとえ世界が全部敵に周ったとしても、マルはルビィちゃんの味方だよ?なんて、てへへ……」
ルビィ「花丸ちゃん……すごい、カッコイイ……」キラキラ
花丸「えへへ〜、そうかなぁ?」
ルビィ「うん!ルビィもいつか花丸ちゃんみたいになりたい!!誰かを守れるくらい強くなりたい!!」 ルビィ「あのねあのね花丸ちゃん!!聞いて!!ルビィね、さっきの花丸ちゃん見てて思ったんだけど、ルビィ!!お裁縫できるようになりたいの!!」
ルビィ「ルビィもともとぬいぐるみさん大好きだし!可愛いものも大好きだから!!お裁縫とかできたら自分でもこういうの作れるのかなぁって、お洋服とかも、いつかは……」
ルビィ「……できるかなぁ?ルビィにも」
花丸「ルビィちゃん……うん!!できるよ!!ルビィちゃんなら!!絶対!!」
花丸「ルビィちゃんなら絶対に大丈夫!!マルが今約束するずら!!」
ルビィ「うん!花丸ちゃん!!ありがとっ!!」
花丸「一緒に夢を叶えようね!!ルビィちゃん!!」
ルビィ「うん!えいえい〜……」
ルビまる「お〜!!!」 ガラガラ
ルビィ「あっ!お姉ちゃん!!おかえりなさい!!」
ダイヤ「ルビィ……ええ、ただいま。花丸さんは?」
ルビィ「もう帰っちゃたよ」
ダイヤ「そうでしたか。少しご挨拶をと思ってたのですが……」
ルビィ「ねえねえお姉ちゃん見て見て!!ほら!!花丸ちゃんがぬいぐるみさん治してくれたんだぁ〜」
ダイヤ「まあ、そうでしたのね……」
ルビィ「うん!!あとねあとね!!ルビィ決めたの!!将来はお裁縫屋さんになりたい!!」 ダイヤ「えっ……?」
ルビィ「今日の花丸ちゃん見てて思ったんだ〜、お裁縫出来たらルビィ自分で可愛いものたっくさんつくれるのかな〜って!!」
ルビィ「だからね、ルビィ!お裁縫できるようになりたい!!確か物置に道具あったでしょ?あれ使って練習したいの!!」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「……どう、かな?ルビィにできるかな?」
ダイヤ「……」
ギュッ!!
ダイヤ「……大きくなりましたわね、ルビィ」
ルビィ「ぴぎっ!?お姉ちゃん!?きゅ、急にどうしたのぉ!!?」
ダイヤ「まだまだ子供だと思ってましたが、もう立派に……ほんとうに、本当に大きく、ぐすっ……」 ルビィ「お、お姉ちゃん……?どうしたの……?」
ダイヤ「……い、いえ。少し感極まってしまっただけですわ」
ルビィ「……?」
ダイヤ「ささ、晩御飯にしましょうかルビィ。先に広間の方に行っててくださいまし」
ルビィ「あ、うん……」
トテトテ
ルビィ「……ぴぎっ!」ステン!
ダイヤ「あっ!」
ルビィ「えへへ、転んじゃった……」
ダイヤ「……もう、ルビィったら」
ルビィ「〜♪」トテトテ
ダイヤ「……」
ダイヤ「確かにルビィは他人と比べて少し幼い部分が目立つように感じますが……」
ダイヤ「……あれはあれで、個性、ということなのでしょうね、きっと」 〜後日〜
ピンポーン!!
ルビィ「はーい!」
トテトテ
ルビィ(誰だろ……?お荷物かな?)
ガラッ!
鞠莉「チャオ〜、久しぶりね!ルビィ!」
ルビィ「ま、鞠莉さん……こ、こんにちは……」
鞠莉「んもう、そんなに緊張しなくてもいいじゃない♪ほら、リラックスリラックス♪」
ルビィ「う、うゅ……」
鞠莉「とりあえずあがらせてもらうわね」
ルビィ「あっ!で、でもっ!!今はお姉ちゃんはお出かけしてて……」
鞠莉「違うわ、今日はルビィに会いに来たのよ」
ルビィ「えっ、ルビィに……?」 鞠莉「じゃじゃーん!!今日はルビィにプレゼントを持ってきたの!!」
ルビィ「ぷれぜんと……?」
鞠莉「そろそろルビィの誕生日でしょ?マリーはなんでもお見通しなんだから!!」
ルビィ「う、うん、来週で……あ、ありがと鞠莉さん……」
鞠莉「いいのいいの!ダイヤの妹ってことはマリーにとっても妹みたいなものだし!!」
鞠莉「ささ!開けてみて開けてみて!!」
ルビィ「う、うん……」
ガサッ!
ルビィ「わぁ〜……」
鞠莉「テディベアって言うのよ、可愛いでしょ?」 ルビィ「うん!すっごく可愛い!!」ギュッ!
鞠莉「ふふっ、良かったわ〜、喜んでもらえて!ルビィがぬいぐるみとか好きだってことはダイヤから聞いてたんだけど、何が好きかまでは具体的には聞いてなかったから」
ルビィ「嬉しい……鞠莉さんからプレゼントしてもらえるものなら、ルビィはなんでも嬉しいです!!」
鞠莉「あっら〜、結構気の利いた事言えるじゃない〜」ツンツン♪
ルビィ「ありがと鞠莉さん!ずっと大切にするね!!」 ルビィ「〜♪」
鞠莉「……ねえルビィ、ぬいぐるみ、好きなの?」
ルビィ「うん!大好き!!だってすっごく可愛いんだもん!あとは、キラキラ光るブローチとか、他には……」
鞠莉「ふふっ、そうね。じゃあその気持ちは大事にしないといけないわね」
ルビィ「……鞠莉さん?」
鞠莉「……ううん、なんでもないわ。ただルビィのことが大好きよってことが伝えたかっただけだから」
ルビィ「う、うん、ありがと鞠莉さん……ル、ルビィも、鞠莉さんのこと、大好きだよ」モジモジ
鞠莉「ふふっ、ありがとルビィ。久しぶりに会えて楽しかったわ」ナデナデ 鞠莉「じゃあプレゼントも渡せたことだし、もうマリーは帰るわね。お邪魔したわ、ルビィ」
ルビィ「あ、はい!プレゼント、ありがとうごさいます!!」
鞠莉「じゃあね〜、ルビィ〜!」フリフリ
ルビィ「ばいばい!鞠莉さん!!」
ツカツカ
鞠莉「……そうだルビィ!!」
クルッ!!
鞠莉「ねえルビィ、高校受験とかってもう考えていたりするの?」
ルビィ「えっ!?い、いや、まだ何も……」
鞠莉「……そう。もしよかったら私の学校に来てみない?」 ルビィ「鞠莉さんの……学校?」
鞠莉「そうよ。実は私の家がスポンサードしてる高校がね、この近くにあるのよ」
鞠莉(まあ私とあなたの姉が通ってる高校のことなんだけど)
ルビィ「すごい、鞠莉さん、高校の先生やってるんだぁ……」
鞠莉(まあ私はまだ何も関わってないし先生でもないんだけど……)
鞠莉「……こほん。でね、そこならきっと素敵な友達に出会えて、楽しい高校生活を送れるってこと、マリーは信じてるわ、ルビィ」
ルビィ「素敵な、お友達……?」
鞠莉「そうよ。個性溢れる素敵な学校にしたいってマリーは思ってるの」
鞠莉(まあ、私が本格的に口を出せるようになるころにはすっごい堅物な生徒会長が誕生してるかもだけど……あの子中学でも会長やってたし……)
鞠莉(……まあ、そのことは今は伝えないであげましょうか)
ルビィ「……そこなら、ルビィでも夢を叶えられるのかな?」 鞠莉「えっ?夢?どうして?」
ルビィ「あのね、ルビィね、夢っていうほど自慢は出来ないんだけど、やってみたいことっていうか……そ、そんな感じのもの、見つけられたような気がするから……」
ルビィ「だ、だから、上手くいくかはわかんないし、やっぱりルビィには無理なのかもしれないけど、で、でも!ちょっとだけでも!頑張ってみたいって!そう、今は思ってるから……」
鞠莉「ルビィ……ええ、そうね。マリーはルビィの夢、心から応援しているわ」
ルビィ「……ほんとう?」
鞠莉「もちろんよ!でもそのためにはたっくさん勉強して、今よりもーっと賢くならないとよね〜」
鞠莉「ルビィにできるかしら〜?言っておくけど、私の学校も、もちろん他の学校もだけど、入試はそんなに甘くないわよ〜」
ルビィ「で、できるもん!!ルビィたっくさんお勉強して!!お姉ちゃんみたいに頭良くなるんだもん!!」
鞠莉「そうね、ルビィならきっと出来るわよ!!マリーすっごく応援してるんだから!!」
ルビィ「うん!ありがと鞠莉さん!!ルビィせいいっぱい頑張ります!!」 ………
…
ルビィ(これが、ルビィが中学二年生のころのお話です)
ルビィ(ルビィね、時々思うことがあります。きっとね、ルビィはたくさんの人に見守られてるんじゃないかって)
ルビィ(ルビィはまだまだ子供だから、何もないところで転んだりとか、そのたびに泣きそうになっちゃったりとかするんだけど……そのたびにお姉ちゃんや花丸ちゃん、鞠莉ちゃんたちがルビィのこと助けてくれるの)
ルビィ(きっとね、ルビィが今のお家に生まれてなかったら、高校生にもなれなかったんじゃないかなぁ……わかんないけど)
ルビィ(お姉ちゃんはずっとずっとルビィのお姉ちゃんで、花丸ちゃんもずっとお友達。鞠莉ちゃんや果南ちゃんも、ルビィのことを応援しててくれてて、あとは地域の人たちも、優しくルビィのことを見ててくれてて……)
ルビィ(……そのたびにルビィ、思うんです。みんなに見守られながら、ルビィは成長してるんだな〜って!!)
ルビィ(だからルビィ、もっともっと成長したい!もっとたくさんのことを知って、たくさん大きくなりたいです!!これがルビィの今のせいいっぱいのお願い……かな?)
ルビィ(はやく大きくなりたいな〜、なんちゃって……てへっ♪) ルビィ(あ!忘れてた!!ルビィね、無事に浦の星に入学出来て、それから新しいお友達もたくさんできたんだよ!)
ルビィ(東京から転校してきた梨子ちゃんと、あとは……)
花丸「……っていうのがマルとルビィちゃんの中学の頃のお話ずら〜」
善子「ふーん……」
花丸「ルビィちゃんとマルは固い絆で結ばれてるんだよ〜、ね〜、ルビィちゃん?」
ルビィ「ぴっ!?あ、うん、そだね……」
善子「……」
ルビィ「よ、善子ちゃん……?」
善子「……別に、ただ今の話に私の名前出てこなかったなぁ〜、って思っただけよ」プイッ! ルビィ「ぴぎっ!?で、でも、善子ちゃんと初めて会ったの、高校生になってからだし……」
花丸「善子ちゃん、もしかしてヤキモチずらか〜?ほんっと、素直じゃないずらね〜……」フニフニ
善子「ち、ちがっ!!そんなんじゃないわよ!!ただ、私も……」
花丸「……私も?」
善子「……くうっ!!//」
ドンッ!!!
善子「ルビィ!!はい!!これっ!!!//」
ルビィ「……?」
善子「誕生日プレゼントよ!!ルビィ、あんた今日誕生日でしょ?」
善子「だ、だから頑張って作ってきたのよ!!ありがたく受け取りなさいよね!!//」 ルビィ「ありがと善子ちゃん……ねえねえ、開けてみてもいい?」
善子「ええ、もちろんよ
ルビィ「なんだろ!善子ちゃんからのプレゼント!楽しみ〜!!」
ガサガサ
ルビィ「〜♪」
善子「ル、ルビィ……べ、別にこんなので私たちの絆?が深まるなんて思っちゃいないけど、でも!それでも
ルビィ「わぁ〜、かわいいぬいぐるみさんだ〜!!」
善子「ちょっ!?聞きなさいよ私の話!!」 ルビィ「ねえねえ善子ちゃん!もしかしてこれ自分で作ったの?」
善子「え?ええ、まあ、一応……」
花丸「そうだと思ったずら、だって……」
ボロッ
花丸「……今にも壊れそうな形してるもん」
善子「しょ、しょうがないじゃない不器用なんだから!!それにこういうの作ったの初めてなんだし!!今回のだって曜に作り方教わってなんとか
ルビィ「じゃあじゃあ善子ちゃん!!一緒にぬいぐるみさんの手当てしてあげようよ!!ルビィも前に花丸ちゃんにやってもらったことあるし!」 花丸「ルビィちゃんナイスアイデアずら!!マルも賛成!!いいよね、善子ちゃん?」
善子「ええっ!?ま、まあ、治してくれるなら、別に
花丸「な〜に言ってるずら、善子ちゃんも一緒にだよ。善子ちゃんのプレゼントなんだし」
善子「は、はぁ?私にそんなの出来るわけ
ルビィ「じゃあこれからルビィのお家でお裁縫パーティーだね!花丸ちゃん!」
花丸「うん!じゃあルビィちゃん!いっくよ〜!!」
花丸「えいえい〜……」
ルビまる「お〜!!!」
善子「ちょっと!!聞きなさいよ!!私の話も!!」 終わりです。お粗末様でした
ルビィちゃん!お誕生日おめでとう!! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています