菜々「あ、どうもダイヤさん」ダイヤ「ど、どちら様でしょうか……?」
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部室
菜々「おっと失礼、生徒会長モードのままでしたね」スッ シュルリ……パサッ
せつ菜「私ですよ、せつ菜です」ペカッ
ダイヤ「まぁ、せつ菜さんでしたのね。驚きましたわ」
ダイヤ「すっかり雰囲気も変わって……まるで別人のようでしたわ」
せつ菜「学校にいる間の私は生徒会長の『中川菜々』スクールアイドルとしての私が『優木せつ菜』なんです」
ダイヤ「なるほど……しかしなぜそのような事を?」
せつ菜「そ、それは……」
せつ菜「……」
ダイヤ「―なにか事情があるようですわね、不躾な質問でしたわ、今の言葉は忘れて」
せつ菜「いえ、大丈夫です。ダイヤさんにならお話してもいいでしょう」 奈々「ひどいです!私を忘れてしまったんですか!!??」ビェェェェン!!ってなると思ったら せつ菜「私の両親はとても厳格な人達で」
せつ菜「幼い頃から漫画やアニメは禁止にされて育ってきました」
せつ菜「もちろんスクールアイドルも、両親に知られたら大目玉でしょうね」
せつ菜「だから私はもうひとつの人格、大好きなものを自由に追いかける事の出来る『優木せつ菜』という人間を作ったのです」
ダイヤ「はぁ……なんともすごいお話で……」
ダイヤ「そのような事情があったのですね、ご両親が厳しいと難儀しますわね」
せつ菜「ダイヤさんの家も立派な家系と聞きましたが」
ダイヤ「わたくしの家は代々漁師の網元の家系でしてそれなりに名のある家です」
ダイヤ「わたくしやルビィも厳しく躾られて育ちましたがそこまで極端に抑圧はされませんでしたわね」
せつ菜「そうですか、私もダイヤさんの両親のように理解ある家に生まれたかったです」
ダイヤ「どんな親でも我が子はかわいいと思っているものですわ」
ダイヤ「せつ菜さんのご両親もきっといつかせつ菜さんの趣味を認めてくれますよ」
せつ菜「……そうだと、いいんですけどね」 せつ菜「あはは、なんだか暗くなっちゃいましたね」
せつ菜「この話はもうおしまい‼さぁ張り切って練習しましょう!!」
ダイヤ「ふふ、やはりその姿のせつ菜さんの方が生き生きしていますわね」
せつ菜「よっ、とおっ、それっ‼」タンタンタンッ
ダイヤ「うんうん、キレがあって素晴らしいステップですわ」
せつ菜「次のライブも近付いてきましたからね、最高のステージにしないと」
せつ菜「ダイヤさん、一緒に合わせてください」
ダイヤ「わかりましたわ」
せつ菜・ダイヤ「「いちっ、にっ、さんっ」」タンタンタンッ
ダイヤ「このステップは中々独創的で面白いですわね」
せつ菜「私が昨日考えたオリジナルの振付けなんです‼」
ダイヤ「ほう、せつ菜さんはやはりスクールアイドルの才能がありますわね」
せつ菜「本当ですか!?嬉しいです!!」ペカーッ
ダイヤ(大好きな事に夢中になるとすごく素敵な笑顔を浮かべるのですねせつ菜さん)ニコッ 帰り道
ダイヤ「やはり帰りはその姿なのですね」
菜々「はい、『優木せつ菜』のまま家に帰る訳には行きませんから」
ダイヤ「生徒会長の中川菜々さんとスクールアイドルの優木せつ菜さん……」
ダイヤ「二足のわらじを履いての生活は大変ですわね、わたくしならすぐに音を上げてしまいそうですわ」
菜々「もう慣れましたよ、たまに今日みたいに生徒会長モードが抜けない時もありますがね」
ダイヤ「慣れ、か……」
ダイヤ「……」
菜々「……いいんですよ、本当に」
菜々「私は今の生活に満足していますから、同好会の皆さんのおかげで充実してる日々を送らせてもらっていますし」
菜々「ダイヤさんが気にする事はなにもありません」
ダイヤ「……そう、ですか」
菜々「どうもこの姿だと暗い話になりがちですね……ごめんなさい」
ダイヤ「そんな、謝るのはわたくしの方ですわ」
菜々「―それじゃ、ここで。お疲れ様でした、さようなら」
ダイヤ「さようなら……」 黒澤家
ダイヤ「ただいま帰りましたわ」
ルビィ「お姉ちゃんおかえり〜」
ダイヤ「―ルビィ、DVDを見るのは構いませんがもう少し音量を下げて」
ルビィ「は〜い」
ダイヤ「ちょっと、あなたなにを食べているのですか?」
ルビィ「プリンだけど」モグモグ
ダイヤ「それはわたくしのプリンでしょう、なに当たり前のように食べているのですか」
ルビィ「あ、これお姉ちゃんのだったんだ。ごめんね」
ダイヤ「まったく白々しい……仕方のない娘ですわね」
ルビィ「ほらほら見てよお姉ちゃん」
ダイヤ「あぁ、エリーチカのソロ曲ですわね。この歌は何度聴いてもいいものですわぁ〜」
ダイヤ「ありふれたかな〜しみ、ありふ〜れた〜い〜たみと〜♪」
ルビィ「お姉ちゃん絵里さんの真似上手になったねぇ」
ダイヤ「当然ですわ、わたくしの最推しですからね」ニヤリ
ルビィ「ルビィだって花陽ちゃんの真似うまくなったんだよ」
ルビィ「あ〜りがと〜ってぇ、あ〜ふれだ〜してくるぅ〜ゆめが〜すこしづつ、ちかづいて〜♪」
ダイヤ「まるで花陽さんが目の前にいるようですわね」
ルビィ「でしょ〜?お姉ちゃんも一緒にDVD見よっ」
ダイヤ「えぇ、いいですわよ」 ダイヤ「やれやれ、すっかりDVD観賞に耽ってしまいましたわ」
ダイヤ「その分ちゃんとやる事はやらないと、明日の予習でもしましょうか」バサッ
ダイヤ「……」カリカリ……
ダイヤ「……」
ダイヤ(家に帰ってルビィと一緒にライブDVDを観賞する)
ダイヤ(ルビィに至っては勝手に姉のプリンを持ち出して食べてしまう)
ダイヤ(多少制限される事もありますがのびのびと自由気ままに過ごす)
ダイヤ(今まではこれが当たり前の日常でしたが……)
ダイヤ「……ふぅ」パタン
ダイヤ「わたくしは恵まれた環境にいたのですわね」
ダイヤ「―せつ菜さんは、今頃なにをしているのでしょうか……」
ダイヤ(ご両親に気を使い本当の自分をさらけ出せないせつ菜さん……)
菜々「『優木せつ菜のまま家に帰る訳には行きませんから』」
ダイヤ「優木せつ菜さんのまま家でも過ごせたらどんなにいい事か……」
ダイヤ「―ん?あ、そうだ。そうですわぁ‼」ピコーンッ 次の日
ダイヤ「せつ菜さん」
菜々「しっ、―今の私は中川菜々です」
ダイヤ「し、失礼しました……」
菜々「なんのご用でしょう」
ダイヤ「その、よろしかったら今度わたくしの家に遊びに来ませんか?」
菜々「ダイヤさんの家に?」
ダイヤ「そうです、自宅ですとなにかと気を使うでしょう。たまには羽を伸ばしてみてはいかがですか」
菜々「……」
菜々「―お心遣い、感謝します」
菜々「せっかくなので、お邪魔させていただきます」
ダイヤ「よかったですわ、せつ菜さんとは1度ゆっくり話してみたかったんです」
ダイヤ「あ、ひとつだけ約束してもらってもいいですか?」
菜々「約束?」
ダイヤ「我が家へお越しの際には、生徒会長モードはぶっぶーですわよ」
ダイヤ「ぜひ、『優木せつ菜』さんとして来てください」
菜々「わかりました、よろしくお願いします」ペコリ 君の青春は輝いているかい?本当の自分を隠してはいないかい? 日曜日 黒澤家
せつ菜「はぁ〜立派な家……噂には聞いていたけどこれほどとは」
せつ菜「ダイヤさんの言う通り『優木せつ菜』で来たけど大丈夫かなぁ……『中川菜々』の方がおとなしくしていられるんだけど」
ダイヤ「おや、せつ菜さん。ようこそお越しくださいました」ガラッ
ダイヤ「ちゃんと約束を守ってせつ菜さんの姿で来てくれたようですわね、感心感心♪」
せつ菜「こ、こんにちは‼なぜ私が来た事が」
ダイヤ「あそこに監視カメラがあるので」ユビサシ
せつ菜「監視カメラ!?ひえぇ〜!!」
ダイヤ「ここで立ち話もなんですし中へどうぞ」
せつ菜「お、お邪魔します‼」
ダイヤ「今お茶の支度をしますので掛けてお待ちくださいな」
せつ菜「おぉ〜、ふっかふか!!いいソファですねぇ」
せつ菜「―あの、ところでルビィさんは」キョロキョロ
ダイヤ「ルビィなら遊びに行きましたわ」
せつ菜「はぁ、なんだか気を使わせてしまったようで」
ダイヤ「元々予定に入っていたようですわ、お気になさらず」
ダイヤ「そう堅くならず、自分の家だと思って寛いでくださいな」
せつ菜「いや〜私の家こんなに立派じゃないので難しいですね〜」ポリポリ せつ菜「……」ソワソワ
せつ菜「いつまで待ってればいいんだろう……羽を伸ばしてなんて言われたけどやっぱり人の家だと緊張するなぁ」
ダイヤ「お待たせしました」
せつ菜「ダイヤさん、その格好は……」パチクリ
ダイヤ「うふふ、似合いますか?我が家に代々受け継がれている着物ですわ」
せつ菜「すっごく素敵です!!ダイヤさんのような黒髪美女にはやはり着物がテンプレですね‼」キラキラ〜
ダイヤ「あら、黒髪美女などと……」
ダイヤ「それなら、せつ菜さんの髪だってキレイな濡れ羽色ではないですか」スッ
せつ菜「ふぇっ!?ダイヤさん!?」ドキッ
ダイヤ「せつ菜さんにもきっと着物が似合うはずですわ」
ダイヤ「わたくしが着付けて差し上げましょう、ついて来てください」
せつ菜「き、着物ですか?一体なにをすると言うのです?」
ダイヤ「それは着替えてからのお楽しみ、ですわ」ニコッ
せつ菜「―よいしょ」キュッ
ダイヤ「まぁ、ご自分で着付けが出来るなんてすごいですわね」
せつ菜「和装の着付けもお稽古事で習いましたから」
ダイヤ「わたくしの睨んだ通り、とてもよくお似合いですわ」
せつ菜「そ、そうですか?なんだか照れますね……」カァァ
ダイヤ「それではお茶にしましょうか」
せつ菜「着物を着てお茶って、もしかして……」 せつ菜「お茶室まであるなんて……」
ダイヤ「わたくしの家にはお偉い様も来るのでお茶室でお抹茶を振る舞いおもてなしをしているのですわ」
ダイヤ「どうぞそちらへお座りください」
せつ菜「し、失礼します」スッ
せつ菜「着物で正座までするとなんだか緊張しますね」カチコチ
ダイヤ「まだ緊張しているのですか、ならばわたくしのお茶で気を楽にしてあげましょう」
ダイヤ「まずはお菓子からどうぞ、穂乃果さんのお店から買ってきたおまんじゅうですわ」スッ
せつ菜「いただきます」パクッ
せつ菜「……おいしい、優しい甘さですね。緊張がほぐれます」ホワ〜ン
ダイヤ「それはなにより、では続いてお抹茶をお楽しみください」
パカッ……スッ……カタッ……
せつ菜「……」ジーッ
せつ菜(ダイヤさんの上品な動き、それに伴う音)
トポポ……スッ……シャシャシャシャ〜
せつ菜(あぁ〜いい音、ついでにお抹茶のいい香りもしてきた)ヒクヒク
せつ菜「すぅ……はぁ〜、落ち着く〜」 ダイヤ「お待たせしました、どうぞ」スッ
せつ菜「わぁ、キレイな色〜」
せつ菜「えっと、飲む前にお茶碗を回して」クルッ
せつ菜「いただきます」ズッ
せつ菜「んっ……んっ……んっ……」
せつ菜「―はぁ……」
せつ菜「キメ細やかな泡がクリーミーでお抹茶もとても甘い……」
せつ菜「こんなおいしいお抹茶を飲んだのは初めてです」
せつ菜「ダイヤさんの気持ちがこもっていました、素晴らしいお手前で」
せつ菜「お茶は五感で楽しむ物とよく聞きます」
ダイヤ「そうですわね、湯の沸く音や茶筅を回す音を聞き、お抹茶を点てる所作を見て、香りを楽しみ、お茶碗の質感を肌で感じ、お抹茶を味わう」
ダイヤ「お茶は人間の五感全てに働きかけるように作られたのです」
せつ菜「はい、体全体がリラックスしてきました」
ダイヤ「ふふ、表情も大分柔らかくなりましたわね」
ダイヤ「―では、そろそろ腹を割ってお話しましょう」
せつ菜「えっ?」 ダイヤ「なぜお茶室は狭いのか、こうして向き合って飲むのかわかりますか?」
せつ菜「さ、さぁ……そこまでは」
ダイヤ「お抹茶を点てる人は飲んでくれる相手の事を想って点てる」
ダイヤ「するとお抹茶を飲んだ人にもその気持ちは伝わり素直な気持ちになれる」
ダイヤ「茶道には一期一会と言う言葉があります、もう2度と会うかわからないからその時に心を込めておもてなしするという意味ですわね」
ダイヤ「今ここにはわたくしとせつ菜さんの2人しかいません」
ダイヤ「どうかわたくしにあなたの本当の気持ちを聞かせてください」
せつ菜「私の……本当の、気持ち……」
せつ菜「……」グッ
せつ菜「―本当は私も2つの名前を使いたくはありません」
せつ菜「願わくば『優木せつ菜』としての自分を『中川菜々』として出したいです」
せつ菜「大好きなものは大好きだと正直に言いたい、お父さんやお母さんにも見せてあげたい」
せつ菜「いつか……いつか本当の私を皆に見せたい‼」
せつ菜「―はっ!?」ビクッ
せつ菜「や、やだ私ったら……自分の声に驚いちゃって」カァァ
ダイヤ「いいのです、それがせつ菜さんの本音なのですね」
せつ菜「でも、そうは言っても実際は……」
ダイヤ「まずは声に出す事が大切なのですわ」
ダイヤ「声を上げて、少しは気持ちが軽くなったのではありませんか?」
せつ菜「そう……ですね、なんだかスッキリしました」
せつ菜「ダイヤさん、ありがとうございます」
ダイヤ「こちらこそ、せつ菜さんの気持ちがわかって嬉しいですわ」 ダイヤ「さて、せつ菜さんの本当の気持ちも聞けた事ですしお茶はこのくらいにしましょうか」
せつ菜「ぷはぁっ、いや〜お茶はおいしかったですが正直じっとしているのは落ち着きませんでした」
ダイヤ「そうですわね、よく考えれば大人しく座っているせつ菜さんの姿は中々貴重でしたわね」
ダイヤ「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花のようでしたわ」
せつ菜「そ、それはダイヤさんの方じゃないですかぁ!!私全然そんな」アセアセ
ダイヤ「うふ、謙遜しちゃって。かわいいですわね」
せつ菜「ふぅ〜、着物は肩が凝りますね」
ダイヤ「お疲れ様でした、よい一時でしたわね」
せつ菜「あの、ダイヤさん……お願いがあるんですけど」
ダイヤ「なんですの?」
せつ菜「もしよければダイヤさんのお部屋を見せて欲しいのですが」
ダイヤ「なにも面白い物はありませんがそれでもよければ」
せつ菜「やったぁ‼ダイヤさんの秘密、探っちゃいます‼」
ダイヤ「あらあら、お手柔らかにお願いしましすわ」
ダイヤ(ふふ、段々と素直になってきましたわね) せつ菜「おっ、おっ、おっ、おぉ〜!?」キョロキョロ
せつ菜「おおぉ〜!!なんですかこの部屋!!スクールアイドルのグッズがこんなに沢山!!」キラキラ〜
ダイヤ「わたくしの自慢のコレクションですわ」ドヤァ
せつ菜「すごい……見た事のないスクールアイドルのグッズまで……こんな娘達がいたんだ」
せつ菜「壁一面にブロマイドやサイン色紙が……はあぁ〜んこれはまさしく夢の空間〜♪」
せつ菜「―ん?」
せつ菜「―ちょ、ちょっとダイヤさん!!」バッ
せつ菜「ここここ、これこれこれは!!」
せつ菜「これってまさか、『伝伝伝』!?」
ダイヤ「ふふ、せつ菜さんなら必ず見つけると思いましたわ」
ダイヤ「そう、これこそが『伝説のアイドル伝説 DVD全巻BOX』!!」
せつ菜「すごーい‼実際に持ってる人がいたなんて」
ダイヤ「これを手に入れるのはかなり苦労しましたわ……」トオイメ
せつ菜「アイドルも禁止されていた私には一生縁の無い物だと思ってました」
せつ菜「まさか現物をこの目で見る日が来るとは……」ジーンッ
ダイヤ「―中身も見てみたいと思いませんか?」
せつ菜「―愚問ですねダイヤさん……」
せつ菜「見たいに決まっているじゃありませんか‼ぜひ見せてください‼」
ダイヤ「そうこなくては‼さっそく鑑賞会を始めますわよ〜!!」 鑑賞後
せつ菜「……はぁ」
ダイヤ「……ふぅ」
せつ菜「ダイヤさん」
ダイヤ「なんですかせつ菜さん」
せつ菜「やっぱりアイドルって……」
せつ菜「―最っっっっっ高ですよね‼」
ダイヤ「―最っっっっっ高ですわぁ‼」
せつ菜・ダイヤ「「イエーイ‼」」パァンッ
せつ菜「伝伝伝……タイトルの名に恥じない素晴らしい内容でした、まさに伝説」
せつ菜「これを見ると気持ちが昂ります‼」
せつ菜「あぁ今すぐ歌いたい‼踊りたい‼アイドルしたーい!!」ジダンダ
ダイヤ「わかりますわわかりますわぁ、これを見ると体がうずうずするのですよね」クネクネ
ダイヤ「あ、そうですわ」
ダイヤ「せつ菜さん、一緒にμ'sごっこをやりませんか?」
せつ菜「μ'sごっこ?」
ダイヤ「μ'sのメンバーになりきって踊るのですわ」
せつ菜「おおお‼それは面白そうですね‼やりましょう‼」
ダイヤ「それではここからお好きな衣装を」ガラッ
せつ菜「わぁ〜!!クローゼットの中にステージ衣装がぎっしり‼なにを着ようか迷いますねぇ〜」
せつ菜「なにしようかな〜」
せつ菜「―よし、これに決めた‼」
ダイヤ「それでは着替えましょう♪」
せつ菜「はい♪」 ダイヤ「μ'sごっこをするのであればやはりわたくしは断然エリーチカですわね」
ダイヤ「さて、せつ菜さんは……―おぉ、その姿は」
せつ菜「にっこにっこに〜!!あなたのハートににこにこに〜笑顔届ける矢澤にこにこ〜♪にこにーって呼んでラブにこっ♪」キャピーン
せつ菜「それでは皆さんご一緒にぃ〜?」
ダイヤ「にっこにっこに〜♪」
ダイヤ「にこさんですか。せつ菜さんのツインテール、バッチリはまっていますわぁ」
せつ菜「はい、同じスクールアイドルとしてにこさんは私の憧れであり目標でもあります。にこさんのように私も宇宙ナンバーワンアイドルになってみせます‼」
ダイヤ「その意気ですわせつ菜さん!!」
ダイヤ「賢いかわいい〜?」
せつ菜「エリーチカ〜!!」
ダイヤ「ハラショー‼」
せつ菜「よーし‼テンション上がってきたぁ〜!!」
ダイヤ「ではこれを」スッ
せつ菜「巻物?」
ダイヤ「マイクの代わりですわ、わたくしはこのおたまで」スチャッ
ダイヤ「これが黒澤流なのですわ」
せつ菜「へ、へぇ……中々変わったマイクですね」
ダイヤ「それでは……ミュージック、スタート♪」 せつ菜「あぁ〜楽しかったぁ。μ'sごっこ、病み付きになりそうですね」
ダイヤ「わたくしも久し振りにやりましたがやはりエリーチカになりきるのは楽しいですわ」
せつ菜「ダイヤさんはこんな楽しい毎日を送っているんですねぇ」
せつ菜「人の家とはいえこんなに開放的な気分になったのは初めてです」
せつ菜「大好きなものに時間を気にせず夢中になれるのはいいですね」
ダイヤ「ご自宅ではそのように過ごすのはまだ難しいでしょうから、大好きを追いかけたい時はまたいつでもここに来てくださいな」
ダイヤ「ここが、せつ菜さんのもうひとつの家ですわ」ニコッ
せつ菜「ダイヤさぁん……」ウルッ
せつ菜「ありがとうございます〜!!絶対にまた来ますぅ〜!!」ギュウ〜
せつ菜「私、クラスでは中々共通の趣味を持つ友達が出来なくて寂しかったんです」
せつ菜「ダイヤさんのようなスクールアイドルに造詣が深い人となら思う存分自分を出せます‼」
せつ菜「ダイヤさん、今日はありがとうございました!!」ペッカーッ!!
ダイヤ「そうそう、やはりせつ菜さんにはその輝く笑顔が1番似合いますわ」
ダイヤ「わたくしもせつ菜さんのような情熱溢れる方と知り合えてよかったです」
ダイヤ「また一緒に鑑賞会やμ'sごっこをやりましょうね」ニコッ
せつ菜「はい‼これからもよろしくお願いします‼」 数日後
菜々「お疲れ様ですダイヤさん」ペカッ
ダイヤ「おや、眼鏡をかけて髪を結んでいるという事は生徒会長モードの菜々さん?それにしては雰囲気がせつ菜さんに近いような……」
菜々「ふふ、実は最近菜々の状態でもせつ菜のように少しづつ自分を出せるようになったんですよ」
菜々「クラスの娘達とアイドルの話で盛り上がったり両親もスクールアイドルに興味を持ち始めて……」
菜々「『優木せつ菜って女の子、いいな』って言われて、ちょっぴりくすぐったかったです」
ダイヤ「ほう、それはそれは。素晴らしい変化ですわぁ」
菜々「それもこれもダイヤさんのおかげです」
菜々「自分の大好きを素直に出す事、それは恥ずかしい事じゃないんだって。恐れなくてもいいって」
菜々「それを教えてくれたのは、ダイヤさんです」
ダイヤ「わたくしはきっかけを与えただけに過ぎませんわ」
ダイヤ「変わる事が出来たのは紛れもないあなた自身の心境の変化と努力によるもの」
ダイヤ「その調子で頑張ってください」
菜々「はい‼今度はクラスの娘達や両親をライブに招待してみせます‼」ペカーッ
菜々「その時は私とデュエットしてください‼」
ダイヤ「もちろん‼喜んで協力させてもらいますわぁ‼」 終わりです。支援、最後まで読んでいただきありがとうございました。 東日本のSSは長編の毎日劇場みたいな趣があって良い そういや今のせっつーってもうモード変更しなくて良かったんじゃないのか こういうのでいいんだよおじさん「こういうのでいいんだよ」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています