真姫「ドライブと都市伝説」
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ブーン...
ザー...ザー...
真姫「...ひどい雨ね」
希「ねぇねぇ、真姫ちゃん都市伝説って知ってる?」
真姫「都市伝説?」
希「うん、色々な不思議な話や怖い話」
真姫「なんかで見かけたことはあった気はするけど....詳しくはないわ」
希「ふふふ...じゃあ!うちが真姫ちゃんに都市伝説を教えてあげる!」
真姫「別にいいわよ...そこまで興味ないし」
希「運転中の眠気覚ましにいいと思わない?」
真姫「はぁ...好きにしなさい」
希「そうやねぇ...じゃあ、まずはこんなお話から!」 希「ある人が雨の降る真夜中に山でドライブをしてました」
真姫「なんか今の状況に似てるわね...」
希「ガソリンが少なくなってきたのでその人はガソリンスタンドを探していました」
真姫「.......」
希「すると一軒のガソリンスタンドを見つけました、そこでその人はガソリンを補充することにしました」
希「ガソリンスタンドに着くとどこか不愛想そうな店員が出てきました...そう思いながらも給油をお願いしました」
真姫(ノリノリね....相変わらず希はこういう話が好きなんだから)
希「給油が終ってカードで支払いをお願いして待っていると店員が『このカードは使えない、エラーが出る』と言ってきました」
希「昼間、普通にコンビニとかで使えたはずなのにおかしいなと思っていると『もしかしたら悪用されてるかもしれないから事務所に来てほしい』と言ってきました」
真姫「なんか妙ねその店員、カードがだめなら電話とかをすればいい話なのに事務所って」
希「不審に思いながらもカードを店員に渡してしまってるので仕方なく事務所に行くことに...するとガチャガチャと鍵を閉め始めました」
真姫「え、それってやばいんじゃ」
希「そして店員がすさまじい形相をしてきました...逃げ場も塞がれ絶対絶命のピンチです」
真姫「........」ゴクッ
希「そして店員がこう言いました『後部座席のやつは一体なんなんだ』と」
真姫「え」 希「車に乗っていた本人は気が付いてなかったんだけど...実は後部座席に知らない人間が乗っていたんよ」
真姫「知らない人間?」
希「店員はカードを受け取る時にそれに気が付いたみたいでね...それで機転を利かせてドライバーを車外へ連れ出した訳」
真姫「でも後部座席に人がいったってその人の友人とかかもしれないじゃない、なんでわかったのよ」
希「ガソリンスタンドの照明の光で後部座席に光る包丁が見えたんよ」
真姫「!.....」
希「人の車に乗ってて、バックミラーに映らない体制で包丁を持ってるとか普通の状況じゃないからね」
真姫「それでどうなったのよ...その人達は」
希「警察に通報をして無事に助かったって話だよ」
真姫「そう...よかった...」
希「それで警察がその人の車を調べると紙が残されててね」
真姫「紙?」
希「『店員に感謝するんだな』って真っ赤な文字が書いてあったらしいよ」
真姫「っ.....」ゾクッ 希「どう?眠気覚めた?」
真姫「...車に乗ってるときにそんな話をする?」
希「大丈夫、うちはその話を聞いてから絶対に後部座席は確認をするようにしてるから」
真姫「成程...通りで毎回乗りもしない後部座席を一回開けてから助手席に来ると思った」
希「ふふ、ぬかりはありません!」
真姫「........」
希「ちなみにゲームでも似たようなやつがあるよー、もしかしたらそれが元ネタなのかなー?」
真姫「ゲーム?」
希「うん、殺人鬼がいる館から仲間を置いて一人車で脱出しようとすると、車で逃げてる途中で後部座席から殺人鬼が出てきてゲームオーバーになっちゃうの」
真姫「自分だけ逃げようとするとバチが当るってやつね」
希「そうやね、うちは絶対に真姫ちゃんを見捨てたりしないからね!」
真姫「はいはい、ありがとう」
希「うちは好きな人とは最後まで一緒にいたいから」
真姫「........」 希「あ、雨やんできたね」
真姫「本当ね、山の天気は変わりやすいってところかしら」
希「それに夏だからねーそうやね....ねぇねぇ!口裂け女って知ってる?」
真姫「口裂け女って...まだ都市伝説の話を続けるの?」
希「...だめ?」
真姫「そうは言ってないけど....」
希「久しぶりに真姫ちゃんと一緒にいられるから...もう少しお話したいなーって思ってたんだけど...退屈だったかな?」
真姫「........」
希「......」
真姫「はぁ...まぁ、景色も大して変わらなくて退屈だし...いいわよ」
希「!」
真姫「たしかに希の言う通り久々に二人で長くいられる訳だし....無駄話に付き合ってあげる」
希「無駄話やないんやけどなぁ」
真姫「あー!もう!!いいからさっさと話しなさいよ」
希「はーい♪」 希「私、綺麗?」
真姫「有名な台詞よね」
希「うん、昭和の都市伝説って言ったらこれはレジェンドだからね」
真姫「たしか...マスクをしてて綺麗って言うとマスクを外してこれでも?って裂けた口を見せてくるんだっけ?」
希「そうそう、ブスとか殺されちゃうってやつね」
真姫「物騒な話よね、普通に警察沙汰な案件よね」
希「そうやねー当時でも実際に警察が動いたことがあったとかなかったとかって話もあるらしいよ」
真姫「へー...あれだけ有名なら模倣犯とか出そうだし、そういうことがあってもおかしくないわよね」
希「真姫ちゃんはどこまで口裂け女の話を知ってる?」
真姫「どこまで?...えっと私、綺麗って聞いてきて...逃げると追いかけてくるとか」
希「そうそう、そして追いかけてくるスピードが半端ないってね」
真姫「あーなんか聞いたことあるかも」
希「口裂け女は100Mを3秒で走れる走力を持ってるんよ」
真姫「秒速約33Mって...もうオリンピックにでも出なさいよ」 希「いやーさすがに人がいっぱいいる大舞台には出てこれないんやないの?」
真姫「人前に出るのが苦手ならなんで人に綺麗とか聞いてくるのよ」
希「聞く相手は子供のパターンが多いやん?大人じゃないから」
真姫「子供サイドからしたらいい迷惑よ」
希「そうやね、走るなら人がいない場所で....夜の墓場で運動会だね」
真姫「普通に怪異の類いだとは思うけど...あとは手術で失敗したとか病気でそうなってるとかって説もあったわね」
希「そして苦手なものといえば?ポマード!!」
真姫「まるで呪文よね、3回唱えればいいとか」
希「手術説で執刀した医師がポマードをつけていたからそれを思い出すからだめらしいんだって!あとはべっこう飴を投げつけて逃げるとか!」
真姫「すごいわよね...色々と」
希「一説では口コミの広がり方を調べる為に研究機関が作ったデマって説もあるけどね」
真姫「口コミって...」
希「この噂が流行った70年代が今みたいに携帯もネットもないからね、情報の広がり方としては主流だったんじゃないの?」
真姫「成程ね」 希「意外と真姫ちゃん都市伝説知ってるんやね」
真姫「本で見たことがあったからね」
希「ふむふむ」
真姫「........ん?」
希「どうしたん?真姫ちゃん?」
真姫「随分と飛ばしてるわね...バイクかしら?ライトもつけないで」
希「後ろの車?」
真姫「暗くてよくは見えないんだけどね....って、あれ?」
希「?」
真姫「いやいや...ありえない、いやおかしいでしょ」
希「どうしたの?」
真姫「私の見間違いじゃなければ....後ろの車...車じゃない!人よ」
希「人?....あれは!!」 真姫「なに?希知ってるの?」
希「ターボババア!!」
真姫「た、ターボババア?」
希「本物を見るの初めてや、本当にいたんや...」
真姫「感心してないで!なんなのよあれは!!」
希「真姫ちゃん!あれに追いつかれたらやばい!!飛ばして!」
真姫「!わ、わかったわ!」
希「.....そうだ!!」スッ
真姫「なに?なにか手があるの?」
希「気持ちで負けちゃダメ!頑張っていこう!!」
真姫「え?」
希「ミュージックスタート!!」 〜♪
真姫「え?なに?」
希「頑張って真姫ちゃん!」
〜♪
真姫「この曲って...運動会じゃないのよ!!なんで天国と地獄をかけてるのよ!」
希「追いかけっこって言ったらこれでしょ!!」
真姫「いや!本当に意味わかんない!!」
希「さぁ!!ターボババアが迫ってきます!!真姫ちゃん頑張って!!」
〜♪
真姫「なんで実況を始めてるのよ!!」
希「ターボババアは口裂け女よりも足が速いです!!時速は120キロとの噂もあります」
真姫「〜っ!!」
希「ターボババア追ってきます!!!真姫ちゃん頑張ってください!!」
真姫「あー!!!もう!!!なんなのよ!!!」 ギュイーン!!
希「さぁ!!真姫ちゃんコーナーを回った!!」
真姫「貴方!絶対に楽しんでるわね!!」
希「そんなことないよ!うち、がくがくブルブルだよ」
真姫「どう見てもそうは見えないけど」
希「ほら!真姫ちゃん運転に集中!集中!」
真姫「貴方が気を散らせてるんでしょうが!!」
希「ほら来てる!!来てる!!」
真姫「!!」
希「さてさて真姫ちゃんのドライビングテクニックが勝つかそれともターボババアが勝つか....」
真姫「希はどっちの味方なのよ!!」 真姫「はぁ...はぁ....」
希「なんとか振り切ったみたいやね」
真姫「勘弁してよ....本当に...」
希「あ、コンビニ!」
真姫「はぁ...喉が渇いたし寄っていこうかしら?」
希「真姫ちゃん、深夜にコンビニに行くとテンションあがるよね!」
真姫「そう?」
希「一人だとテンションはあがらないけど...友達とか何人かで行くとあがらない?」
真姫「...まぁ、わからなくはないわね」
希「なに買おうかなー?」 プシュ!
真姫「.......」ごくごく
希「真姫ちゃん何買ったん?」
真姫「トマトジュース」
希「.......」ボリボリ
真姫「なに食べてるの?」
希「らあめんババア」
真姫「...狙ってやってるの?」
希「?なにが?」
真姫「........」 希「これなぁ、生産が終了されてしまうらしいんよ」
真姫「へぇ」
希「ばばあっていう割にはね26年くらいの歴史なんだって」
真姫「ふーん」
希「........」ぼりぼり
真姫(いい歳をして駄菓子を口いっぱいに頬張って子供というか...なんか動物みたい...)
真姫「...ふふ....」
希「?」 真姫「さてと...そろそろ行くわよ」
希「はーい」
真姫「.......」
希「ねぇねぇ真姫ちゃん!」
真姫「なに?希?」
希「夏休みいっぱい楽しもうね!!」
真姫「!...そうね」
希「♪」
真姫「楽しむのはいいけど課題はちゃんとやりなさいよ」
希「!!」
真姫「私は手伝わないからね」
希「だ、大丈夫だよ?...まだ、時間はいっぱいあるし」
真姫「そうね...まぁ、留年しないようにね」
希「っ...し、しないよ!!!」 希「あ、でも真姫ちゃんと同じ学年になれるなら」
真姫「何年留年するつもりよ、それに学校も違うのに」
希「冗談冗談」
真姫「全く...」
希「真姫ちゃん」
真姫「?」
希「またお星様見に来ようね!」
真姫「...そうね、でもあの山はやめた方がいいわね」
希「えー」
真姫「なんで残念そうなのよ」
希「たまにはドキドキワクワクも必要やん?」
真姫「.........」 ブロロ...
真姫(ドキドキとワクワクねぇ...まぁ、夏休みだし...ありといえばありなのかしらね)
希「そうやね」
真姫「!」
希「ふふふ」
真姫「...エスパー?」
希「どうやろー?」ニヤニヤ
真姫「.......」
希「海とか花火!お祭りもいいね!」
真姫「そうね」
希「でも一番は」
真姫「?」
希「真姫ちゃんと一緒にいられれば一番楽しいかな?」
真姫「!」
希「〜♪」
真姫「...おだてても宿題は手伝わないからね!」
希「はいはい」
真姫「.........」
真姫(これは...今年の夏の色々とありそうね) これでおしまいです
お付き合いいただきありがとうございました ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています