花丸「マル達の住む街」
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皆さんこんにちは。
国木田花丸です。
私は高校卒業後から地元の沼津市役所で働いています。
え?一人称が変わってるって?
それもそうずら…じゃなかった。それもそうです。
もう働き出してから7年も経つんですから、立派な社会人です。
マルとかオラとか言えません。
今日は新年度。部署が変わるということで、その辞令を受け取ります。
ちなみに今までは、市民福祉部で俗にいう窓口業務を担当していたずら。 善子「さあ、できることから取り掛からせてちょうだい!お役所仕事だし、すぐになんでも進められるわけじゃないでしょ?」
花丸「恐らく、案件の規模的に幹部会議を開いて上に挙げるかどうかの決定があるはず……
それに通れば上司である財務部長決裁だね。そのあとは副市長、市長かな」
鞠莉「幹部会議か…昨日のいけすかない部長みたいな人がいたら、ちょっと困るわね」
璃奈「納得してもらえるだけの企画を練っていかなければいけません……」
善子「なーんか先行き不安そうね」
花丸「うん…でも今は、とにかく案を挙げていこう!」
善子「ねえねえ、沼津市ってLINEのアカウントあったわよね。
それでどんな改善があったら助かるかアンケート取りましょうよ。
市民のためなら市民の声を聞くのが一番手っ取り早いじゃない」
千歌「それいい!!やろうよ!!」
花丸「SNSは…企画部ずらね。…うん。交渉してみるよ」
千歌「意地悪じゃないといいけどね…」
花丸「大丈夫だよ。財務部長は信頼も厚いし、昨日きた部長は結構評判が良くない人だったずら。
早速確認してくるね」 〜企画部〜
企画部からは、無事にアカウントの使用許可が降りました。
協力的で助かります。
今回の案件を押し通せるだけの、財務部長の人柄と信頼を実感したずら。
都市計画部長「おいおい、今日も何か余計なことしてるのか?
ええ?国木田」
花丸「なぜここに…いるんですか」
企画部を出たところには、都市計画部長が待ち受けていました。
嫌味ったらしい笑みを受けべて……
都市計画部長「たまたまお前がここに入っていくところを見てな。
何をしているんだか…」
花丸「まだ企画書にすらしていないことですので、お話しすることは……」
都市計画部長「何をしているんだと聞いているんだよ!!!
答えろ!!!」
突然の大声は苦手…でも大丈夫。
マルは…私は、決めたのだから。
花丸「もう一度言います。まだ企画書にもしていないので、他部署のあなたにお話しすることはありません。
失礼します」
都市計画部長「待て国木田!なんだその態度は。室長とはいえ、俸給はせいぜい係長程度だろ。
何を偉そうに……」 花丸「部長…昨日仰いましたよね。『邪魔はするなよ』って。
その言葉、そっくりそのままお返しします」
都市計画部長「はぁ……?」
花丸「私は…私たちは、沼津のためにできることをやるだけです。私が沼津のためにしたいと思うことをするだけです。
部長は違うんですか?」
都市計画部長「口を…口を慎めよ下っ端のくせに…国木田ぁ!!」
花丸「今の沼津の状況、わかっていますよね?
こんな風に対立し合うのではなく、手を組むと言うならわかりますが、何で邪魔をしようとするんですか」
都市計画部長「貴様…部長相手に楯突いて…わかっているのか…?」
花丸「わかりません……やるべきことをやるだけですので。仕事に戻りましょう。失礼します」
都市計画部長「覚えておけよ…あとで謝っても遅いぞ」
花丸「……」
企画部長「騒がしいようですが…どうかされましたか?おや、部長。うちに何か用で?」
都市計画部長「……いや、なんでもないです。つい議論が熱くなりましてね。
廊下ですることじゃあなかった。失礼します」
企画部長「はぁ…お疲れ様です。
国木田さん、何か言われたの?大丈夫?」
花丸「いえ…大丈夫です。ありがとうございます。お騒がせしました」 これは豊かな社会経験と深い人間洞察に裏付けられた悪役描写 〜沼津市活性化対策チーム用空き部屋〜
善子「えっ…何でガチの口喧嘩してんのよ……部長でしょ?」
花丸「やってしまったずら……」
千歌「昨日の鞠莉ちゃんが血気盛んすぎたから移ったんだよ」
鞠莉「え…マリーのせい?でもまあ、いいじゃない。
言い方はアレだけど、間違ったことは言ってないわ」
璃奈「でも…あんまり他部署と揉めるとやりづらくなるのも事実ですよね……」
花丸「ご、ごめんなさい…」
璃奈「いいえ、その分、しっかり大勢が納得できる企画を作りましょう」
花丸「そうだよね。実際には企画が通ったら協力関係にならざるを得ないんだし、部長達にも力を貸してもらえるような企画にしたいずら」
鞠莉「さあ、そろそろ市役所の定時ですし、お開きにしましょうか。
良いわよね、花丸?」
花丸「そうだね……善子ちゃんも、今日は急だったのにありがとう。
しっかり傷口ケアしてね」
善子「良いのよ。ありがとうね。私も明日から…って明日は土曜か。来週から来たほうがいいかしら?」
花丸「どっちでもいいずら」
善子「投げやり酷い!!くる!くるわよ!
仕事ならどこでもできるしね」
花丸「それと、自転車じゃなくても職員用の駐車場使って大丈夫ずらよ」
善子「それ最初の電話で言うべき内容よ!!」
璃奈「お二人は仲良しなんですね」
花丸「腐れ縁ってやつずらね」
善子「もっと他に言い方あるでしょ…」
鞠莉「さあ、みんな送っていくわよ。善子は…自転車よね」 善子「折りたたみだがら…トランクに載せさせてちょうだい…私も今日は乗せていって欲しいわ」
鞠莉「OK!璃奈は?」
璃奈「私は黒澤家の伊豆別邸に今はお世話になっています。
遠いので、大丈夫ですよ」
善子「あら、じゃあうちに来る?同居人も単身赴任でいないし。ちょうど良いわ。
私も来週からは車で来るし、ここにも近くて早いほうが楽でしょ」
璃奈「ありがたいですけど…ご迷惑じゃないでしょうか?」
善子「良いのよ。気にしないで。私も璃奈の業界とか興味あるし。
いろいろ話も聞きたいし。むしろ来て欲しいくらいよ」
璃奈「では、お言葉に甘えて…ただ、荷物だけ今日は伊豆に取りに行って良いですか?」
善子「もちろん。私車出すわよ。鞠莉に私の家まで送ってもらったら、そのまま取りにいきましょう」
璃奈「何から何まで…助かります」
千歌「じゃあ行こうか!」
そうして、鞠莉ちゃんの車に送ってもらい、順次解散となったずら。
しかし、善子ちゃんが璃奈ちゃんを家に招いたのは意外。
随分と変わったずらね。でも…確かに昔から面倒見はよかったもんね。
二人が仲良くしてくれていたら嬉しいずら。
私も、そろそろ市街に部屋を借りて一人暮らししようかなぁ。
うーん、でも本の置き場に困るずらね。
そういえば前に寺のお坊さんが板のような物で読書をしていたずら。
新種のパピルスかと思って質問したら、『電子書籍リーダー』って言ってた。
電子書籍かぁ。本は絶対に紙って思っていたけど、自分がスマートシティに手を出そうとしているんだから、ちょっと試してみようかな。
自分にもできる小さな未来を、少しずつ増やしていくずら。
…うん。発注したら明日には届けてくれる。
便利な世の中になったずら。
この企画が本当に上手くいって進んでいくことになったら……市全体で名産品のネット販売サイトをつくったりするのも良さそうかも。 〜翌週 沼津市活性化対策チーム用空き部屋改め沼津市活性化特別室〜
花丸「みんな!聴いて欲しいずら!」
千歌「月曜日から元気だね〜花丸ちゃん。興奮してどうしたの?」
鞠莉「また何か部長たちに嫌がらせされたの?」
花丸「違うよ!ついに私は…電子書籍デビューしたよ!」
善子「えっいつも紙の本に埋もれてたあんたが!?」
花丸「そうずら。やっぱり街のIT化をめざしている私が、何もかもアナログじゃ良くないと思って」
璃奈「私も本は電子書籍派です。
スペース取らないのが良いですよね」
花丸「璃奈ちゃんそうなの!それに、この画面の質感!
思っていた以上に『紙』ずら!」
璃奈「電子ペーパーですね。私も昔自分のアイドル道具の一つに使ってました。
電力消費が少ないので、電池の持ちにビックリしますよ」
花丸「土曜日のお昼に届いて、そこから5冊くらい本を読んだけど、まだ電池は85%ずら。
スマートフォンも見習って欲しいよね。50%と思ったら急に7%になったりするんだもん」
善子「それは買い替えなさいよ」
鞠莉「良い買い物できて良かったわね、花丸!
確かに、花丸みたいに機械見るたびに『未来ずら』って言っていた子がここまで変わるんだもの。
色々と触れてもらえれば、街のみんなも便利さに驚くわよね」
千歌「企画が通ったら、そういう機会もたくさん設けられたらいいね」
善子「まずは身近なところから…ね。良いじゃない!」
花丸「というわけで、私の近況報告が終わったところで話し合いに入っていくずら」
璃奈「話し合いの前に一ついいでしょうか」
花丸「璃奈ちゃん、どうぞ」 >>141
拙僧がkindle使ってるの想像したらなんか笑えた マルが沼津に潜む闇を暴く
やられたらやり返す、倍返しずら ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています