彼方「彼方ちゃんの新しい枕」
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放課後 部室
ことり「失礼しま〜す」ガラッ
ことり「あれ、静かだなぁ。誰もいないのかな?」
ことり「―ん?」
彼方「……すやぁ……むにゃむにゃ」
ことり「彼方ちゃん、いたんだ。眠っていれば静かな訳だよね〜」
ことり「おーい彼方ちゃん、そろそろ練習始めるよ。起きて〜」
彼方「ん……うぅ〜ん……」ゴロン
ことり「ちょっと、彼方ちゃ〜ん」ユサユサ
彼方「むぅ〜」ガシッ
ことり「えっ?−やんっ!?」バタッ
彼方「うふふふ〜」ギュウ〜
ことり「やだぁ、彼方ちゃんなにするの!?離してぇ」ジタバタ
彼方「ん」ガッチリ
彼方「すぅ……ふぅ〜」
ことり「あ……」
ことり(彼方ちゃんの寝息が顔に……甘い香り……)トローン
ことり(なんだか……ことりまで眠く……)ウトウト
ことり「―すぅ……すぅ……」 ことりの家
ことり「彼方ちゃんのおかげでお昼寝に目覚めちゃったかも」チラッ
ことり「今日はこの枕使わなかったけど、いつか私も学校のどこかでお昼寝してみたいな」
ことり「夜眠れなくなったりして、うふふ」
ことり「そういえば彼方ちゃん、オーダーメイドで枕を作ったって言ってたっけ」
ことり「……」
ことり「―あ、そうだ。いい事思い付いちゃった♪」
ことり「これで彼方ちゃんとのお昼寝がもっと楽しくなる事間違いなし」
ことり「彼方ちゃん、喜んでくれるかなぁ〜」
彼方の家
彼方「……」カリカリ
彼方「ふふふ、今日はことりちゃんとたっぷりお昼寝をしたから勉強もいつもより捗るねぇ」
彼方「あの子には安眠効果があるのかもしれない」
彼方「お、彼方ちゃんすごい発見をしたなぁ」
彼方「これからことりちゃんとお昼寝すれば睡眠も勉強も集中する事が出来るぞ〜」
彼方「こりゃ今度のケーキ作りはなんとしてでもことりちゃんに気に入ってもらわないと」
彼方「ことりちゃんとこれからもお昼寝する為にもね、くふふ」 日曜日 ことりの家
ピンポーン
ことり「は〜い」ガチャ
彼方「やぁことりちゃん、今日はよろしく〜」
ことり「待ってたよ、こちらこそよろしくね」
ことり「さ、あがってあがって」
彼方「お邪魔しま〜す」
彼方「さてと、張り切って作りますか」
ことり「どんなケーキにするの?」
彼方「ことりちゃんはバスクチーズケーキって知ってるかな?」
ことり「あ、知ってる〜最近話題になってるチーズケーキだよね」
彼方「そうそう、私達でも簡単に作れるからそれにしようかと思って」
ことり「いいね〜今から期待が膨らんじゃう」
彼方「ふふ、その期待を裏切らないよう頑張らないとねぇ」 彼方「私が混ぜるからことりちゃんは材料を入れて」
ことり「えっと、クリームチーズとグラニュー糖に卵、と」
彼方「よしよし、ここから彼方ちゃんにお任せだよ」シャシャシャシャ〜
ことり「おぉ〜見事な手捌き、見とれちゃうなぁ」
彼方「ふっ、惚れると火傷するぜ。なんちて〜」
ことり「ことりもかき混ぜるのは得意なんだよ」
ことり「ちょっとやらせて」
彼方「はいよ」スッ
ことり「いくよ〜それ〜」シャシャシャシャ〜
彼方「ほうほう、ことりちゃんも彼方ちゃん並のスキルを持っていたとはね」
ことり「お菓子作りに関しては負けない自信があるよ」
彼方「これは頼りになる相棒だ、この調子で薄力粉と生クリームも混ぜてしまおう」
彼方「ふぃ〜こんなもんかな、あとはこれを型に流し入れて」トローッ
彼方「オーブンに入れてまずは20分焼くよ」
ことり「お疲れ様、少し休憩しよ」
ことり「うふふ、ほっぺにクリーム付いてるぞ」チョン
彼方「おやおや、彼方ちゃんとした事がこりゃうっかり」
ことり「はむっ、う〜ん甘〜い♪」 20分後
彼方「さてさてどうかな〜」パカッ
彼方「うん、いい感じに焼き目が付いた」
彼方「温度を下げて更に10分焼けばいよいよ完成だよ」
ことり「わぁ〜早く食べた〜い」
彼方「焦らない焦らない、そのあとは冷蔵庫で冷やさないとねぇ」
彼方「この時間を耐えた先に極上のバスクチーズケーキが待っているのさ」
ことり「いや〜焦らすねぇ彼方ちゃん」ウズウズ
彼方「そろそろ冷えたかな」スッ
彼方「―ふむ、これなら食べられそう。お待たせことりちゃん」
ことり「やっと完成だね、待っている間にお茶も用意したし準備は万端」
彼方「では……ケーキ、入刀〜」スッスッスッ
ことり「なんだか結婚式みたいだね」
彼方「このまま彼方ちゃんと結婚する?幸せにするよ」イケボ
ことり「えっ……?彼方ちゃん……?」カァァ
彼方「はは、冗談だよ。顔を赤くしてかわいいなぁことりちゃんは」
ことり「もぉ〜彼方ちゃんてば〜」ヤンヤン 彼方「待ちに待った実食タイムで〜す」
ことり「キレイな焼き目だねぇ、これがたまらないんだよなぁ〜」
ことり「それじゃあ、いただきま〜す」パクッ
ことり「んん〜ん〜!!」
ことり「―すっごく滑らかでトロトロ!!焼き目の香ばしさとも相性抜群!!」
ことり「今まで食べたチーズケーキの中で1番おいしい〜ん♪」ホワワワ〜ン
彼方「どれどれ私も……はむっ」
彼方「―ほほっ、これは前に作った物より数倍おいしいねぇ」
彼方「1番重要な焼き目がうまく出来たからこその味だな」
彼方「これもことりちゃんが一緒に作ってくれたおかげだよ」
ことり「ううん、彼方ちゃんの腕前があればこそだよ〜」
彼方「謙遜しなさんな〜」
ことり「彼方ちゃんこそ〜」
ことり・彼方「「うふふふふ♪」」
ことり「はぁ〜おいしかった」
彼方「残りは冷蔵庫に入れてお母さんと食べなよ」
ことり「いいの?ありがとう、お母さんもきっと喜ぶよ」
彼方「気に入ってもらえたかな?」
ことり「うん!!また作ろうね」
彼方「ふふふ……作戦成功、かな」 彼方「ふぁ……なんだか眠くなって来たなぁ〜」
ことり「ちょうどよかった、彼方ちゃんに渡したい物があるの」
彼方「渡したい物?」
ことり「ことりの部屋にあるから一緒に行こ」
彼方「誕生日でもあるまいし、なんだろうね〜」
ことり「じゃ〜ん、彼方ちゃんにはこれを差し上げま〜す」スッ
彼方「これは、枕……」
ことり「ことりとお揃いの枕、これからもっと2人でお昼寝していきたいなって思って作ってみたの」
彼方「手作り?私の為に……」
彼方「う、嬉しいよことりちゃ〜ん」ジーンッ
彼方「ありがとう、大切に使わせてもらうね」
彼方「―と言うか……」チラッ
彼方「さっそく使わせてもらおうかなぁ」
ことり「今日はお昼寝もする約束だもんね、ことりのベッドで一緒に寝よっか」
彼方「うん、早く使い心地を試したいよ」 彼方「失礼しま〜す」ゴロン
彼方「おほ〜ふかふかのベッドにふかふかの枕、そしてことりちゃんの甘い香り……」
彼方「これは最高のシチュエーション、もう今すぐにでも……」ウトウト
ことり「ちょっと待って彼方ちゃん」
彼方「ん〜なぁに〜?」
ことり「この前の耳かきのお礼に、今日はことりがマッサージをしてあげる」
彼方「いや〜そこまでしてもらったら彼方ちゃんとろけちゃうよ〜」
ことり「彼方ちゃんいつも頑張っているからね、たまには先輩孝行しちゃいます♪」
彼方「ことりちゃんマッサージなんて出来るんだ」
ことり「ことりの隠れた特技のひとつなの、μ’sの皆にもよくやってあげるんだ」
彼方「それじゃ、よろしく頼むよ」
ことり「はぁ〜い」 ことり「よいしょ〜」グッグッ
彼方「あっ……くぅ……」
ことり「あ、痛かった?」
彼方「いや、ちょっとびっくりしただけ。普段マッサージなんてしてもらわないからさ」
ことり「彼方ちゃんの体柔らか〜い」グニグニ
ことり「でもやっぱりお疲れのようだね、ここ凝ってるよ」グイッ
彼方「おふっ、痛たたた……」
ことり「これがツボなんだね、ここを揉みほぐせば」グニグニ
彼方「はんっ、あっ、ほあぁ〜」
彼方「だんだん……気持ちよくなってきたぁ」トローン
彼方「いや〜極楽極楽、このまま眠っちゃうよこれ……」ウトウト
ことり「だいぶほぐれてきたね」モミモミ
ことり「それじゃ最後は〜こうだ」ムギュゥ
ことり「ことりが抱き締めて全身をリラックスさせちゃいまぁす♪」
彼方「あぁ……ことりちゃんに包まれて彼方ちゃんは幸せだよ〜」
彼方「彼方ちゃんもぎゅ〜してあげる」ムギュゥ
ことり「あはは、やっぱりこうなるよね〜」
ことり「彼方ちゃんに包まれて、私も幸せ♪」スリスリ 彼方「ん……ふぁ……」
彼方「すっかり眠り込んでしまった……」ムクリ
彼方「こんな極上の空間で寝たらこうもなるよね」
ことり「んん……彼方ちゃん」クシクシ
彼方「やぁ、おはよう」
ことり「いつの間にか夕方に……かなり長い時間眠っていたんだね」
彼方「そのおかげでお目目パッチリ、こんなに熟睡したのは久し振りだよ」
彼方「やっぱりことりちゃんとお昼寝すると気持ちよく眠れるねぇ」
ことり「ことりも彼方ちゃんと一緒だと楽しくお昼寝出来る」
彼方「私達、いい関係が築けそうだねぇ」ニヤッ
ことり「そうだね、お昼寝で繋がる枕な関係」ニコッ
ことり「お揃いの枕はその証だよ」
ことり「これからもお昼寝の先輩としてよろしくお願いします」ペコッ
彼方「うむ、お昼寝の道は奥が深い。私がこれから色々と手ほどきをしてあげよう」ナデナデ
彼方「―ふふふ」
ことり「うふふ」 数日後
ことり「あ、彼方ちゃん」
彼方「やぁことりちゃん」
ことり「うふふ、その枕使ってくれているんだね。ありがと」
彼方「うん、もうこの枕無しじゃ眠れないよ」ポンポン
彼方「最高のパートナーだ、もちろんことりちゃんもね」
ことり「これからお昼寝?」
彼方「そう、今日はあそこの木陰で寝ようかと思ってね」ユビサシ
彼方「ことりちゃんも付き合いたまえ」
ことり「そう言われると思って私も枕持って来ました〜」スッ
彼方「ほっほ、流石は我が弟子。用意がいいね」
彼方「それじゃ今日はことりちゃんを抱き枕にしてお昼寝だ〜」
ことり「はぁ〜い」
彼方「相変わらずいい抱き心地してるね〜」ムギュ
ことり「もうすっかり彼方ちゃんの抱き枕になっちゃった」
彼方「ことりちゃんだって私を抱き枕にして寝るんだからお互い様だよ」
彼方「新しい枕にことりちゃんと言う抱き枕、これはもうやめられないね」
ことり「そうだね〜私も気持ちいい〜」スリスリ
彼方「ふふ、それじゃおやすみなさ〜い」
彼方「―すやぁ……」 おまけ
彼方「……」カキカキ
ことり「珍しいね、今日はお勉強?」
彼方「ふっふっふ……いつもお昼寝ばかりしている訳ではないのだよ」
彼方「期末試験が近くなってきたから軽く復習をね」
ことり「わぁ、ノートにびっしりと文字が……すごいねぇ」
彼方「まぁ一応特待生で入ったからねぇ、これくらいやらないと」
ことり(特待生……そうだったんだ)
彼方「ふぁ……なんだかことりちゃんを見たら眠くなってきたなぁ」
彼方「もう少しなんだけど」クシクシ
ことり「あ、それなら」ゴソゴソ
ことり「クッキー焼いて来たの、眠気覚ましにどうぞ」スッ
彼方「おぉ、これはありがたい。それじゃ散歩がてら飲み物でも買いに行こうかな」
ことり「ことりもお供しま〜す」
ことり「眠たくなったら起こしてあげるね、一緒に頑張ろう」
彼方「ことりちゃんの声だと逆に眠っちゃいそうだねぇ〜」
ことり「あはは、それもそっかぁ〜」
ことり「お昼寝はお勉強が終わった後にね」
彼方「よ〜し、彼方ちゃん目がぱっちり〜や〜るぞぉ」 これで終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました。 尚、これは以前埋められて最後まで投稿出来なかった物をタイトルと投稿時間を変えて再投稿した物になります。終わりまで投稿出来てよかった…… >>24
乙です。ことかなのふわふわした空気感が良かったです。 これ待っていたよ
ことかな?かなこと?相性良いなぁ
最高でしたわ ことりを前にしてここまで余裕でいられるのは彼方ちゃんだけだと思う
>> 「うむうむ、私達はお互いにいい抱き枕になれそうだねぇ」
尊すぎる、ことかな最高 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています