海未「あなたを———詐欺罪と器物損壊罪で訴えます」
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海未「最近ポケモンにはまってしまいました」
海未「図鑑もあとちょっとで埋まるのですが......幻のポケモンがどうしても手に入りませんね......」
海未「なにか入手する手はないものか......インターネットを検索してみましょう」
海未「ううむ、やはり配布は機会が少ないですね......」
海未「とりあえず、μ'sのみんなにも宛がないか聞いてみますか」
次の日
海未「......というわけなんです」
穂乃果「なるほど！ 海未ちゃん最近ポケモンにはまってたんだね」
ことり「わ〜、ことりもやってみようかなあ」
海未「それで、幻のポケモンなのですが......」
穂乃果「ふっふっふ......」
ことり「どうしたの穂乃果ちゃん？」
穂乃果「穂乃果には宛があるよ！」
海未「なんと......！」
ことり「穂乃果ちゃんすごい！」 穂乃果「何を隠そう、穂乃果もそれのおかげで幻のポケモン、ダークライを手に入れたんだ」
海未「いったいどんな方法で......？」
穂乃果「ふふふ、海未ちゃん、インターネットにはね、ゲームの裏技がたくさんあつまるサイトがあるんだよ」
海未「！」
穂乃果「そのサイトの名前はね......」
ことり「......」ｺﾞｸﾘ
穂乃果「名前は......」
穂乃果「......なんだっけ？」
ことうみ「」ｶﾞｸｼ
ことり「ははは......」
海未「穂乃果らしいですね......でも有益な情報ありがとうございます。ほかのメンバーにも心当たりがないか聞いてみます」 海未「凛、真姫、花陽、こんにちは」
凛「やっほー！」
花陽「こんにちは」
真姫「ハロー、海未」
海未「〜〜〜というサイトがあるらしいのですが、三人は何か心当たりありませんか？」
花陽「......うーん、私は知らないなあ」
真姫「......私もゲームはあんまり」
凛「凛知ってるよ。そのサイト」
海未「本当ですか？！」
凛「えーっと、ほら、このサイト」
海未「ありがとうございます！ なるほど......いろいろと投稿されてますね」
凛「でもいまいち信用がないのもあるから注意してね！」
海未「なるほど。気を付けます。ありがとうございました！」
真姫「ところで海未は何のゲームの裏技がしりたいの？」
海未「ポケモンです！」
花陽「ポケモンかあ、いいよね」
凛「凛もやってるから今度対戦しようよ！」
海未「ええ！ 私の自慢のパーティーを見せてあげます！」
海未「......おっと、そろそろ私は次のメンバーに聞きに行きます。それでは」ﾀﾀﾀ
凛「ふふふ、凛のきせきポリゴン2の前に泣く海未ちゃんが見えるよ」
花陽「ほ、ほどほどにね？」
真姫「......なんか嫌な予感がするわね」 海未「にこ！ 聞きたいことがあるのですが」
にこ「なーによ急に。ついににこの偉大さに気付いたってわけ？ いーわよ、なんでも聞きなさい！」
海未「このサイトについてなのですが......」
にこ「......」
海未「にこ？」
にこ「......なさい」
海未「え？」
にこ「そのサイトに関わるのはやめなさい！」
海未「ど、どういうことですか？」
にこ「ごめんなさい。私今日は帰るわ。それじゃ」ﾀﾀﾀｯ 海未「ちょ、ちょっとにこ！ 待ってくださ......」
海未「いったいなにが......」
希「海未ちゃんやっほ。どうしたん、さっきにこっちがいきなり走っていったけど」
絵里「ただごとじゃないわね......！」
海未「絵里、希！ それが......」
希「ふむ、なるほどなるほど。そのサイトの話をしたらにこっちは急に帰ってしまったと」
絵里「にこにもいろいろあるのね」
海未「そう、ですね......不用意に私が踏み込む問題ではないのかもしれません」
希「まあそうそう気を落とさんといて」
絵里「明日にはけろっといつもの笑顔に戻ってるわよ」
海未「はい！」
希「それに海未ちゃんがにこっちのことを無理に気遣わなくてもええんよ？」
絵里「そうよ海未。あなたの本当にやりたいこと、大事にしなさい」
海未「絵里......希......。ありがとうございます！」 絵里「にこ......ほんとに大丈夫かしら」
希「うーん、大丈夫だと思うけど、心配なら占っとこうか、ほい！」ｽｯ
希「『審判』の、逆位置......」 ？？？「忘れもしないわ、あのサイトのせいで......！」
？？？「こんなサイトさえなければ......！」
？？？「......そうだ、良いこと思いついちゃった」ｶﾀｶﾀﾀｰﾝ
？？？「くくく......これでよしっと」ﾎﾟﾁｯ
？？？「ま、こんなのに引っかかるやつなんていないでしょうけどw」ﾆｰｺﾆｺﾆｺ 海未「さて、例のサイトを調べてみますか」
海未「！」
海未「こ、これは......！」
色違いボルケニオンゲット！
簡単で
す！
まず初めに ボックス1の一番左上にポケモンがいないことを確認する。
いるなら別の場所に移動してください。
データを消して最初から始める。(データの消し方：十字キーの上ボタン+Bボタン+Xボタン)
最後にデータはちゃんと戻るので安心してください！
注意！前のデータが女主人公でも必ず男主人公にすること！女主人公で試したところ全て失敗しています
適当でいいのでレポートを書くところまで進める。
「レポートを書き残した！」の表示が出た瞬間に電源を切ります。
タイミングが難しいので私はソフトを抜く方法でやってます。
成功率は個人的にこっちのほうが高い気がします。
注意！必ず一番最初に書くレポートで↑をやってください。
これをやる前にレポートを書いていると失敗します。
ソフトを再開すると「続きから」が消す前のデータに戻っています。
ボックスを確認するとレベル1の色違いボルケニオンがいます。
結果
ボルケニオンゲット！
海未「ボ、ボルケニオン......！ 」
海未「まさに私が求めていたポケモンです！ ですが、これを見る限りリスクが高いように見えますね......」
海未「注意点などがしっかり書かれていてちゃんとしているようですが、電源を切るタイミングを失敗するとどうなるのか書かれていないところが恐ろしいです」 海未「さて、この危険な船、乗るべきか、降りるべきか......」
海未「......」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ
海未「なにを迷っているのです。いまのまま待っていたってボルケニオンは手に入らないのです。今、私がやるべきことは、進むべき道を切り開くことです！」
海未「......名前もわからないあなたのこと、信じますよ」ﾎﾟﾁｯ
ーーー
ーー
ー 海未「」
ことり「う、海未ちゃん......？」
海未「」
穂乃果「し、死んでる......」
海未「穂乃果......ことり.......」ｼﾞﾜｯ
穂乃果「わわっ、海未ちゃん？！」
ことり「ど、どうしたの？///」ｷｭﾝ
海未「そ、それが......」 穂乃果「え、えーーー！ ポケモンのデータ消えちゃったの？！」
ことり「あんなに頑張ってたのに......」
海未「うぅ......」
ことり「ほら海未ちゃん、よしよし♪」
穂乃果「......ごめんね、穂乃果があんなこと教えなければ」
海未「いいえ！ ......決して穂乃果のせいではありません」
海未「これは私が悪いのです......私は進むべき道などと口にしながらただ欲に目がくらんだだけだったのです」
穂乃果「海未ちゃん......」
海未「これは心の弱さ......私はまだ修練が足りないようです」
ことり「そんなことないよ」
海未「いいのです......すみません、少し一人で風に当たらせてください」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ 海未「はあ......」
凛「あっ、海未ちゃんだー！ やっほー！」
花陽「あっ海未ちゃん、最近よく会うね」
真姫「な、なんか様子がおかしいけど、どうかしたの？」
海未「......」
凛「海未ちゃん......？」
花陽「む、無理して言わなくてもいいよ、花陽にもそういうときあるもん」
海未「ごめんなさい、凛......」
凛「え？」
海未「実は......」
真姫「......ひどいわね」
花陽「それは心が痛みます......」
凛「......」
海未「うう......」
真姫「でも海未がそういうのに引っかかるなんて意外ね」
海未「はい......あのときの私はどうかしてました」
凛「......せない」
花陽「え？」
凛「許せない！！！」
真姫「り、凛？」
凛「海未ちゃんを悲しませるなんて凛許せないよ......」
海未「凛......ありがとうございます。あなたのその気持ちが嬉しいです」ｷﾞｭｯ
凛「うう、海未ちゃん......」ｷﾞｭｳ 覚悟の準備かと思ったら普通に可愛そうで草枯れ果てた… 三年生教室
希「にこっち、調子はどう？」
にこ「何よ急に、どうもなにも絶好調よ」ﾆｼｼ
希「そう？ ならよかった」
絵里「希、占いも外れることはあるわ」
にこ「？」
希「それならいいけど......にこっち、最近悪いこととかしてない？」
にこ「ギクゥ！」ﾆｺｫｯ
絵里「......してるみたいね」
にこ「ま、まあちょっとしたいたずらよ」
希「あんなにこっち、たとえいたずらでも自分がまいた種は自分でなんとかしなきゃいけなくなるんよ？」
にこ「わ、わかってるわよ」
希「にこっちの自業自得に関しては、にこっちが怪我したりどんな目にあってもうちは助けないつもりでいるからね」
にこ「......ええ、迷惑はかけないわ」
希「それならよし！」
絵里「ふふっ、そんなこと言って一番に助けに行くくせに」
希「も〜！ エリち、ちゃちゃいれんといて！」
絵里「ごめんごめん、悪かったわ」ﾌﾌﾌ 放課後
穂乃果「さーて、今日も練習だー！」
ことり「海未ちゃん調子はどう？」
海未「ええ、大丈夫です。だいぶ落ち着きました」
凛「あれ？」 凛「にこちゃん、何やってるの？」
にこ「えーと、これはあれよ、その......」
穂乃果「あー！ そのサイト、ゲームの裏技がたくさん載ってる......！」
にこ「げっ」
絵里「にこ、何をしようとしてたの？」
にこ「その......希に昼に言われたこと考えて、いたずらで投稿した情報を消そうとしてたのよ」
真姫「はぁ......いたずらって、なにやったのよ」
にこ「それは......これよ」
花陽「えーとなになに......『色違いボルケニオンゲット！』？」
海未「？！」
にこ「そ、幻のポケモンが手に入るっていう裏技のガセ情報書き込んじゃったのよ」
ことり「それって......」
にこ「まあこんなのに引っかかる奴なんていないと思うけど、一応消しとこうかなって」
凛「これって、もしかして......海未ちゃんのデータが消えた原因の......」
にこ「......え？ ど、どういうこと？ 海未がどうしたのよ」
海未「それが、私のポケモンのデータが消えてしまったんですよ」
海未「とある偽情報に騙されてボルケニオンをゲットしようとして」ﾆｺｯ にこ「そ、それって......」ｻｰ
海未「ふふふ」
にこ「ご、ごめんなさい！ 私そんなつもりなくて......ただいたずらでこのサイトへの鬱憤を晴らせたらって思って.......」
海未「にこ、顔をあげてください。私はあなたを......」
にこ「海未......」
海未「あなたを......」
海未「あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます！」ｽﾞｷﾞｬｰﾝ
にこ「？！」
海未「理由はもちろんお分かりですね？ あなたが私をこんなウラ技で騙し、セーブデータを破壊したからです！」
にこ「ちょっ......」
海未「覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします」
海未「裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい！貴方は犯罪者です！ 刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい！ いいですね！」ﾊﾞﾊﾞｰﾝ
絵里「う、海未？」
花陽「わわわ......」
にこ「そ、そんなもう少し話し合いましょ、私......その、できることはなんだってやるから......」
海未「そんなことをしてもセーブデータは帰ってきません」
にこ「うう......」
海未「......そうですね、警察が来るまでに逃げないようにまずはにこを捕まえておきましょうか」ｼﾞﾘ
にこ「えっ......」ｼﾞﾘ ジョルノの声でしか再生されない
いやジョルノの声でもないんだが 真姫「う、海未！ ちょっと落ち着きなさい！」
海未「私は落ち着いてますが？」ｼﾞﾘ
にこ「ひっ......」
希「何を言ってもだめみたいやね......！」ﾀﾞｯ
海未「？！」
希「にこっち！ 一旦逃げるんや！ 今は逃げて海未ちゃんがすこし頭を冷やしてからもう一回話し合お！」ｷﾞｭｳ
にこ「の、希......あんた助けないって......」
希「はよいき！」ｷﾞｭｳ
にこ「あんたには世話になってばっかね......！」ﾀﾞｯ
希「さて、海未ちゃん、いくよ！ わしわしマッ」
海未「希、あなた......覚悟してきている人......ですよね」
希「え？」
海未「人を『わしわし』しようとするって事は逆に『わしわし』されるかもしれないという危険を常に『覚悟して来ている人』ってわけですよね......」
希「いや、それは......」ﾀﾗﾀﾗ
海未「いきますよ！ わしわしMAX！」ﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼﾜｼ
希「だ、だめーーーーーーー！！！！！！」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ 希「」ｺﾞﾛﾝ
穂乃果「の、希ちゃん......」
海未「......さて、にこを追いかけなくては」
海未「みんなも良ければ協力してもらえませんか」
海未「ただし、それなりの覚悟を持つ人のみ、ですが」
ことり「ことりは行くよ♪」
穂乃果「穂乃果もいくよ。だって捕まえたら穂乃果のダイエット緩くしてくれるでしょ？」
海未「ほかのみなさんはどうします？」
凛「凛は......」
凛「ね、ねえみんな、凛はどうしたらいいと思う？」
真姫「......」
凛「ほら、こ、ことりちゃん！ ことりちゃんが来てほしいって言ったら凛絶対やる気だしちゃうにゃ！」
ことり「......ことりは、迷うくらいなら来ない方が良いと思うよ」
凛「あっ......」
海未「絵里、あなたはどうですか？ あなたがいるととても頼もしいのですが」
絵里「......ごめんなさい、私はいけない。いまの私はかしこいかわいいエリーチカ。正しい馬鹿にはなれないわ」
海未「そうですか。あなたの奥底にある切れたナイフのエリーチカに期待していたのですが」
海未「それでははやく追いかけましょう、穂乃果、ことり」ｽﾀｽﾀ
凛「！」 凛「......」
ーーーーーー
海未「ごめんなさい、凛......」
海未「凛......ありがとうございます。あなたのその気持ちが嬉しいです」ｷﾞｭｯ
ーーーーーー
凛「っ！」ﾀﾞｯ
凛「待ってよ海未ちゃん！ 行くよッ！ 凛も行くッ！ 行くんだよぉーー！」
凛「海未ちゃんは凛なんだ！ あのときアルセウスが手に入るって信じてゲームができなくなったときの凛だ......！ 海未ちゃんの心のキズは凛のキズだ！！」
海未「凛......」
穂乃果「凛ちゃん......」
ことり「......」
？？？「にこちゃん......大丈夫かなあ......」
？？？「全く......メンドウな人」 にこ「はあ......はあ......どこに逃げればいいのよ......」
にこ「相手は体力おばけの海未......対してこちらはか弱い乙女......」
にこ「ここまで追いかけてはこないと信じたいけど......」
ﾆｺｰｰ! ﾃﾞﾃｷﾅｻｲ!
ﾆｺﾁｬﾝ! ﾄﾞｺﾆｬ!
にこ「そうもいかないみたいね」
にこ「しかも凛までいるみたいだし......」
にこ「げっ、こっちに来てる......どっちに逃げれば......」
？？？「にこちゃん、こっち！」
にこ「うわっ！ 誰よいきなり」
にこ「って花陽じゃない！」
花陽「えへへ、にこちゃんならこのあたりにいそうだなあと思って来たら見つけちゃいました♪」
にこ「......一応聞くけど、味方よね？」
花陽「......」ﾆｺﾆｺ
にこ「......花陽のこと、信じるわ」
花陽「！」ﾊﾟｧｧｧｧ
花陽「あのね、にこちゃん、こっちに隠れるのにいい場所があるんだ」
にこ「着いていくわ」ﾀｯﾀｯ にこ「ってここアルパカ小屋じゃない！」
花陽「えへへ、隠れるのにはぴったりでしょ？」
にこ「......あんたこんなことに飼育委員の権利使っていいの？」
花陽「にこちゃんと、それに海未ちゃんのためだもん」
にこ「あ、ありがと......助かったわ。さっきから海未や穂乃果が前通っても全く気付かないし.....ことりがアルパカと戯れだしたときはもうだめかと思ったけど......」
花陽「うん！」
海未「にこ、どこにいったんでしょうか.......」
凛「ん？」
海未「凛？ どうかしましたか？」
凛「ん、なんでもないにゃ、凛ちょっとあっち探してくるね」
凛（こっちからかよちんの匂いがする......なんでだろ、部室に残ったんじゃないのかな？） にこ「ところでここちょっと狭くない？ 花陽はきつくない？ 大丈夫？」
花陽「うん、大丈夫だよ〜」
にこ「......しかし花陽の体ってなんか柔らかそうよね」
花陽「え？」
にこ「そりゃっ！」ｷﾞｭｳ
花陽「はわわわわわ！ に、にこちゃん？！」
にこ「くぅ〜この抱き心地、最高ね......」
花陽「うぅ〜ぎゅうってしないでぇ......」
凛「......にこちゃん、かよちん、なにしてるのかな？」
にこ「？！」
花陽「！！」
凛「な に し て る の か な」
にこ「逃げるわよッ！」
花陽「う、うん！」ﾀﾞｯ
凛「こらー！！！ 待つにゃーー！！」 にこ「はぁ......はぁ.....相変わらず速いわね」
花陽「......」
にこ「花陽？」
花陽「あっ、な、なにかなにこちゃん」
にこ「花陽、なにか考えてることがある？」
花陽「......」
にこ「言いなさい花陽、私はあんたを信じてんのよ。自信を持ちなさい。あなたの判断力はその気になれば何者にも負けない力よ、そうでしょ？」
花陽「にこちゃん......！」
花陽「......そのね、このまま逃げててもすぐに凛ちゃんの速さには追い付かれちゃうと思うんだ」
花陽「だから、その、私が凛ちゃんを足止めした方が、にこちゃんは逃げられるんじゃないかって......」
にこ「！ でもそれは！」
花陽「大丈夫、きっと凛ちゃんなら花陽には危ないことしないと思うから......」
にこ「だめよ」
花陽「でも！」
にこ「だって花陽、声が震えてるじゃない。もとは私がしたこと、そこまでのことはさせられないわ」ｽﾀｯ
花陽「にこちゃん？！」
凛「お！ にこちゃんようやく諦めたのかにゃ？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
にこ「......ええ、もう十分よ」
凛「つーかまーえ......え？」
花陽「だめ！」ﾊﾞｯ
にこ「花陽！」
凛「なんでかよちんが凛とにこちゃんの間に入ってくるの？」
花陽「にこちゃんがいなくなっちゃうのは一番嫌だから......！」 凛「か、かよちん......」
花陽「......」
にこ「くっ......」
凛「ねえ、なんでかよちんは凛じゃなくてにこちゃんの味方んてするの？！」
花陽「そ、それは......」
にこ「花陽、無理はしなくても......」
花陽「します！ 私は無理したいの！」
凛「......」ｷﾞﾘﾘ
にこ「......そう、それならあなたに任せるわ。本当にありがとう、花陽」
花陽「う、うん！」
にこ「最後に一つ伝えておくわ」
にこ「花陽、『成長』しなさい！ 『成長』しなきゃあ私たちは『栄光』をつかめない。あなたは誰よりも強くなれるわ！」
花陽「うん、がんばる.....！」
にこ「いいえ、その言葉は違うわ」
花陽「え？」
にこ「私や多くのトップアイドルはね、そこら辺の仲良しクラブとは違うのよ」
にこ「『がんばる』がんばると心の中で思ったならッ！」
にこ「その時スデに行動は終わっているのよッ！」
花陽「！ うん......！」
凛「かよちん、そこどいて、にこちゃんを捕まえられない」
花陽「どかないよ。花陽は花陽の正義を貫くためにここにいるから」
にこ「それじゃあ、あとでね......！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
花陽「にこちゃんの言ってること、言葉じゃなくて心で理解したよ」
花陽「凛ちゃん、ここから先は通さない！」 にこ「あんなこと言ったはいいもののどこにいけば......」
にこ「ん、なにこれ、胸ポケットになにか入ってる。なになに『音楽室』？」
にこ「......花陽からのメッセージね、えらそうなこと言って、ほんと助けられてばっかりだわ」
にこ「......恐怖とは過去からやってくる、とはよくいったものね」ﾎﾞｿｯ
ーーー
ーー
ー
にこ「音楽室まであと少しね......」
穂乃果「に〜こちゃん♪」
にこ「げっ、穂乃果」
穂乃果「にこちゃん、ちょっとこっちきてよ」
にこ「嫌よ、あんた海未と協力してるじゃない」
穂乃果「ちぇっ、なーんだバレてたのか」
にこ「見逃してくれない？」
穂乃果「えーやだよ。にこちゃん見つけたらダイエット緩くしてくれるって約束なんだ」
にこ「は？ そんなこと？」
穂乃果「そんなことじゃないよ！ にこちゃんには分からないかもしれないけどね、美味しいものを好きなだけ食べるってことはねえ、『幸せに生活してるか？』どうかに繋がるんだよ。とっても大切なことだと穂乃果は思うな」
にこ「まあ、わからなくもないわね......」
にこ「じゃあ、勝負できめるってのはどうよ」 穂乃果「勝負？」
にこ「ええ。いつかの続きね」
にこ「この音楽室側の階段、どちらが先に登りきるか競争しましょ」
穂乃果「それならいいよ！」
にこ「ふふっいいわね、いくわよ」
穂乃果「うん！」
にこ「よーい」
にこ「どん！」
穂乃果「！」ﾀﾞｯ
にこ「！」ﾀﾞｯ
にこ「は、はやい！」
穂乃果「ふふふ、にこちゃんは穂乃果がダイエット中だから足が遅くなってると思ってるみたいだけど残念だったね」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
穂乃果「海未ちゃんの地獄のメニューでむしろいつもより走ってるから早くなってるんだよ！」
にこ「くっ」
穂乃果「ふふ、終わりだね、にこちゃん」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
にこ「そうね、終わりね」
にこ（ただしあなたがよ......『穂乃果』）
にこ（この勝負ははなから勝ち負けなんか関係ない。私が勝ったらそれでおしまい、もし負けても私は即Uターンして音楽室に向かえば穂乃果は私の背面になる。どちらにせよ私の勝ちよ） 穂乃果「あっ」ｽﾞﾃｯ
にこ「え？」
穂乃果「うわあああああ」ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ
にこ「ほ、穂乃果？！ 大丈夫？！」
穂乃果「うわ〜ん、いたい、いたいよ〜〜！」
にこ「よしよし、大丈夫よ。あ、膝から血がでてるわね......捻挫とかは大丈夫そう？」
穂乃果「うん......ちょっと打ったとこが痛いけどひどくはならないと思う......」
にこ「よかった。ほら絆創膏貼ったげる」
穂乃果「ありがと......いつも持ってるの？」
にこ「ええ、まあね。妹たちも幼いし、何より私がよく転ぶから」
穂乃果「ふ〜ん......」
にこ「っと、一応応急処置はしたけど、もう一回ちゃんと消毒して絆創膏貼りなおした方がいいわね、一人で立てる？」
穂乃果「ううん、ちょっとつらいかも」
にこ「そう、そしたらおんぶ......は無理だから肩かしたげる。保健室行きましょ」
穂乃果「え？」
にこ「ほら」
穂乃果「い、いいよ、にこちゃん海未ちゃんから逃げてるんでしょ、はやくいきなよ」
にこ「それは元はと言えばにこが悪いし、穂乃果の怪我の方が大事よ」
穂乃果「にこちゃん......」
穂乃果「ううん、やっぱりにこちゃんは先に行って」
にこ「穂乃果！」
穂乃果「穂乃果なら大丈夫、そろそろ海未ちゃんがこっちに来ると思うから、海未ちゃんに連れてってもらうよ」
穂乃果「それより、にこちゃんは海未ちゃんをどう説得するか、ちゃんと考えてね」
にこ「......ええ、わかったわ。絶対いい結果にするから」
穂乃果「そうだよ〜？ そうじゃないとひどいんだから」
にこ「じゃあ、あとでね、穂乃果」
穂乃果「うん、あとで！」 穂乃果「あっ、海未ちゃん」
海未「穂乃果？！ 怪我したのですか？ まさかにこに？！」
穂乃果「わわわわ、ち、違うよ、にこちゃんは悪くなくて......」
海未「それよりはやく保健室に行きましょう」ｸﾞｲｯ
穂乃果「あはは、海未ちゃん力持ち〜」
保健室
海未「じっとしててくださいね、いまから消毒しますから」
穂乃果「ああ！海未ちゃん！もっとやさしく！」
穂乃果「そこはダメ！ダメ！ダメッ！ダメッ！ああ！やさしくしてやさしく！」
穂乃果「服をぬがせないでッ！感じる！うああああダメもうダメ〜〜ッ！」
海未「静かにしてください！」
「ん〜あれ穂乃果ちゃんと海未ちゃんの声が一瞬聞こえたような、エリちなんで耳ふさぐん？」
「い、いいから！ 希にはまだこういうのは早いわ！」 めっちゃジョジョ５部で草生えますよKOTORYYYY 音楽室
真姫「遅かったじゃない」
にこ「真姫ちゃん！」
真姫「しょうがないから、にこちゃんのこと助けてあげるわ」
にこ「ありがとう！」
にこ「それで、何か策があるの？」
真姫「策？ 何言ってるのよ、そんなものないわ」
にこ「え？！」
真姫「いいえ、そもそも策なんて必要ないのよ」
にこ「どういうこと？」
真姫「それは.....」
海未「失礼します」
にこ「海未！ それにことりも！」
ことり「......」
海未「やっと会えましたね、にこ。私はこんなにあなたを探していたのに」
にこ「海未、話を」
海未「いいえ、聞きません。言いましたよね？ 問答無用ですと」
真姫「......海未、そこまでよ」
海未「はて、なんでしょう」
真姫「あなたは言ったわよね、『詐欺罪と器物損壊罪で訴えます』と」
海未「ええ」
真姫「それはどちらも今回のケースでは成立しないわ！」
にこ「？！」
海未「......」
真姫「詐欺罪は騙すという行為において騙した側が不法な利益を得ている場合に成り立つのよ、今回の場合にこちゃんは利益を得ていないわ」
真姫「それにセーブデータを消したのは海未、あなた自身よ。にこちゃんには器物損壊罪は適用されないわ！！」ﾄﾞｷﾞｬｰﾝ にこ「そう......なの......？」
真姫「ええ」
ことり「......」
海未「......」
海未「......だから、なんだと言うのです？」
真姫「え？」
海未「罪に問えないことくらい、最初から気付いていました」
真姫「それならなんで！」
海未「にこを縛り上げて、ひどい目に合わせないと私の心が収まらないのです」
にこ「ひっ」
真姫「そんなの......」
真姫「付き合ってられないわ！ にこちゃん逃げるわよ！」ｸﾞｲｯ
にこ「でも......」
真姫「はやく！」
にこ「でもどうせすぐ追いつかれるし、私がひどい目にあって海未の気が済むなら......」
真姫「ええ！追いつかれるわッ！走るなんてスットロい事やってたらいずれ追いつかれるわよどっちみち！」
真姫「でもなにかあるはずよ、海未にわかってもらう方法がなにか......！」
真姫「あっ、行き止まり......」
海未「さて、真姫、にこを渡してください」 真姫「嫌だって言ってるでしょ！」
海未「それならこれはどうでしょう、にこの秘蔵写真です」
にこ「ちょっと？！」
真姫「ど、どこでそんなものを？！」
海未「これはことりからもらったものです。どうやらことりはこころやここあからもらっていたようですが」
ことり「......」ﾒｿﾗｼ
海未「ほら、真姫、どうですか？」
真姫「な、なんで私がにこちゃんの写真なんか......」
海未「それにもしいまにこを差し出してくれるなら、縛り上げたにこを一番最初に好きにさせてあげます」
にこ「なっ！」
真姫「えっ......？」
海未「ふふふ、ほらどうですか、真姫？」
真姫「本当に、にこちゃんを好きにしていいの？ 私が？ 一番最初に？」
にこ「ちょ、ちょっと真姫ちゃん？」
海未「ええ、もちろんですとも」
真姫「でも、お断りします」 真姫「この真姫ちゃんが人の言うことをほいほい聞くとは思わないことね」ｸﾙｸﾙ
海未「くっ！」
海未「なら、力づくで......！」
真姫「！」
にこ「もうやめて！」
真姫「にこちゃん......」
にこ「海未、ごめんなさい、あなたにしたこと到底謝り切れるものじゃない。私をどうにかすることであなたの心が済むのなら、私はそれを受け入れる。μ'sのためにそれが一番なら喜んで受け入れるわ」ｽﾀｽﾀ
海未「......そ、それでいいのです」
ことり「......海未ちゃん、もうやめよ？」
海未「な、なにを言っているのですか！ 私はにこを......！」
ことり「海未ちゃんだって本当はそんなことしたくないでしょ？」
ことり「これ以上自分に嘘をつくならことりのおやつにしちゃうよ？」
海未「いいえ！ 私はにこにひどいことをしたいのです！」
ことり「......」ﾍﾟﾛﾂ
海未「？！」
ことり「この味は！......ウソをついてる「味」だよ、海未ちゃん」
海未「うあ......！」ｶﾞｸｯ 海未「ごめんなさい......ごめんなさい、にこ......」ｸﾞｽｯ
海未「私すごくショックだったんです......再起動したソフトウェアが新しいセーブデータのままで......」
海未「何度やっても元にもどらず、もうないんだ、どうやってもだめなんだ......間に合わなかった」
海未「すでに『空洞』なんだ、どこにも『空っぽ』なんだ、『データ』は！ 逝ってしまった......」
海未「そう思うとつらくて、悲しくて、だからこんなことをしてしまいました」
海未「でもにこのことも大切で......」
海未「本当はゲームなんかよりも大切だってわかってたんです......だから余計につらくて......」
海未「ごめんなさい......にこ......」ｸﾞｽｯ
にこ「......いいえ、何度でも言うけど、悪いのは私よ、ごめんね、海未」
にこ「にこも昔ね、アルセウスをゲットしようとしてデータをすべて失ったわ」
にこ「ふつうは復元すればなおるんだけどね、お父さんに相談したら焦ってデータを書き直しちゃったみたいで......」
にこ「だからあのサイトが憎かった。それであんないたずらをしたの......」
にこ「馬鹿よね。私と同じつらい想いを仲間にさせることになるなんて」
にこ「本当にごめんなさい、海未」
海未「にこ......」
海未「にこっ！ にこっ！」ｷﾞｭｳｳｳ
にこ「ううっ、ぐすっ......海未っ......！」ｷﾞｭｳｳｳｳ
ことり「一件落着、かな♪」
真姫「本当手のかかる人たち」 数日後
にこ「うわっ、やるわね海未！」
海未「にここそ！ トゲキッスとは厄介なポケモンを使いますね......」
にこ「ふっふーん、まあね」
にこ（私は海未への謝罪として海未の元々持っていたポケモンのゲット、育成を手伝いつつ。こうしてたまにバトルをしている）
にこ（まさかこんなことになるとは思っていなかったけれど、海未とのバトルは楽しかった）
海未「それでは次はこのパーティの調整をお願いします」
にこ「はいはい、まかせなさい！」
にこ（ふと空を見上げると、雲の形がどこか懐かしく見えた）
にこ「希！ 花陽！ 穂乃果！ 終わったわよ......」ﾎﾞｿｯ
海未「......にこ？」
にこ「なんでもないわ、ほらやりましょ」
海未「はい！」
完 読んでくださったみなさん、ありがとうございます。
書き溜めなしで書いたのは初めてでしたが大変でした......
にこちゃん誕生日おめでとう！ >>47
だが断るを正しく引用できている
＋25252点 あなた(スレタイ見た時からビビってたよ……よかった……>>1乙) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
