凛「星降る夜になったら」
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海未「凛、詩を書いてみませんか?」
凛「…にゃ?」ポカーン
凛「え?え?いきなりどうしたの海未ちゃん…」
凛「詩を書くって…作詞ってことだよね?凛が?」
海未「そうです。来年には私はもういませんから」
凛「うん…そう…だね…」
海未「今はまだ私が書いてはいますが、来年以降は残ったメンバーの誰かが作詞をしないと曲が完成しません」
凛「ふーむ…そっか…」
凛「で、でも無理だよ!凛が作詞なんて…」
凛「だいたい…なんで凛なの?真姫ちゃんやかよちん、それに1年生にだって、作詞が出来そうな子は他にもたくさんいるのに…!」
海未「真姫は作曲、花陽は部長。二人にこれ以上の役割を増やすべきではないでしょう?」
凛「たしかに…でもでも!凛もこのグループのリーダーやるんだよ?」
海未「だからこそです…!」
海未「他グループの作詞の大半はリーダーが担当していると聞きます。ですから、凛も…」
凛「そうなの?だけど、穂乃果ちゃんはやってないにゃ」
海未「うっ…」ギクッ 海未「ほ、穂乃果が特殊なケースなんです…!」
海未「…いえ、私が言いたいのはそんなことではなくて」
海未「いいですか凛?もし、凛が今後作詞を担わなくてもですよ?」
海未「今回、作詞の経験をしておくことで、その難しさや面白さに触れられるのは…凛にとって貴重な経験になると思ったんです」
凛「作詞が大変なのは知ってるよ?山登りで…」
海未「あ、あれは…違う…とも…言い切れませんが…」
凛「えへへ、でしょでしょ?」
凛「でも…そっか。うん、わかったよ!海未ちゃんがそこまで言うなら…凛、やってみる!」
海未「凛…。そうですか…もしも、分からないことがあったらなんでも聞いてください、相談に乗ります」
凛「うん!お願いするにゃ!」 -数日後-
凛「んー…」カキカキ
凛「んー…?」
凛「なんか違うにゃぁ…」クシャクシャ
真姫「…さっきから何やってるの?」
花陽「え?あぁ…凛ちゃん?」
花陽「海未ちゃんから作詞を任せられたんだって」
真姫「え?作詞?」
真姫「ふーん。凛が作詞ねぇ…」
スタスタ
真姫「凛」
凛「うーん…うーん…」
真姫「…凛?」
凛「うーん…」
真姫「…凛!!」
凛「…へっ?」
凛「……ま、真姫ちゃん」
凛「うわ〜ん!!真姫ちゃ〜ん!!」
ダキッ!
真姫「ゔぇぇ…!?」 真姫「ちょっ…!な、なによぉ…いきなり!」
凛「うぇ〜ん…全然いい歌詞が出てこないよぉ…」
真姫「なによ…そんなこと?」
凛「えぇ…?」
真姫「初めてやるんだから仕方ないじゃない、焦らないの…」
真姫「それに、意外と自分がダメと思っていても他人が見たらピンと来ることもあるのよ。ちょっと見せてみて」
凛「これぇ…」スッ
真姫「どれどれ…」
凛「…どうかにゃ?」
真姫「……ひどっ」
花陽「ま、真姫ちゃん!?」
真姫「韻も踏んでないし…ワードセンスが稚拙すぎ」
真姫「これで曲を作る私の身にもなりなさいよね」
花陽「真姫ちゃん!!!」
真姫「え?って…あ」
凛「」ズーン
真姫「あっ…い、いや別に…そこまで酷く…ない…こともないかも…」
花陽「もう…!フォローになってないよ!」
花陽「大丈夫だよ…凛ちゃ…ってあれ?」
凛「」トボトボ
凛「アドバイス貰ってくるにゃ…」
ガラッ…
花陽「凛ちゃん…」
花陽「…んもぅ!なんで真姫ちゃんあんなこと言っちゃうのっ?」プンスカッ
真姫「だって…あれはあまりにも…」
花陽「そうだとしても凛ちゃんは繊細なんだから!」
花陽「……真姫ちゃんもそれは知ってるでしょ?」
真姫「……わかってるわよ、そんなこと」 ことり「作詞のコツ?」
凛「うん!ことりちゃんはどういう事を意識して作詞したにゃ!?」
ことり「そうだねぇ〜…私はただ、ありのままの想いを歌詞にしたよ♪」
凛「ふむふむ…なるほど、参考になるにゃ…」
穂乃果「おっ、なになに〜!なんの話してるの?」
ことり「穂乃果ちゃん♪」
ことり「あのね、凛ちゃんが作詞をするってお話だよ♪」
穂乃果「おおっ!ついに凛ちゃんが作詞家デビュー!」
穂乃果「私!とびっきり、楽しみにしとくね!」
コツンッ
穂乃果「あいてっ!」
海未「もう…プレッシャーをかけるんじゃありません!」
穂乃果「痛いよ海未ちゃん!!」
海未「……凛、ああは言ったものの……どうしても難しいようなら、いつでも言ってください」
海未「何も今すぐやらないといけない事ではありません。私たち3年生が卒業するまで、まだ時間もありますので…」
海未「…それに私が一方的に言ったことでもあります」
凛「うん…でも凛、もうちょっと頑張ってみるよ…」
海未「……そうですか」
海未「わかりました…また、困ったことがあれば、いつでも尋ねてください」
凛「うん!ありがとう海未ちゃん♪」 -翌日-
真姫「はいこれ…!」
凛「んにゃ?なーにこれ?」
真姫「次の曲のデモよ、これで少しは曲のイメージもついて、歌詞がつけやすくなったんじゃない?」
凛「真姫ちゃん…!ありがとう〜っ!」
真姫「べ、別に…あと…その、昨日は…ごめんなさい…」
凛「え?なにが?」
真姫「だから…デリカシーのないこと言っちゃって…」
真姫「凛、頑張ってるのに…」
凛「あぁ〜…な〜んだそのことかぁ〜!」
凛「大丈夫大丈夫♪へーきだよ!それに真姫ちゃんは基本デリカシーないにゃ♪」
真姫「は、はぁ!?何よそれイミワカンナイ!」
真姫「せっかく心配してあげたのに…!!」
凛「えへへ〜…でも、嬉しい!ありがとね♪」 -数日後-
ザーーーーー
穂乃果「雨、止まないねー」
穂乃果「はぁ〜…ブルーだなぁ〜…」
海未「明日は一応、晴れの予報ですが」
穂乃果「おぉ!虹が掛かるかも!」
ことり「虹はわからないけどぉ…流れ星が見えるらしいよ♪」
穂乃果「ほんとに?楽しみだなぁ〜!」
真姫「ここはこういう風にしてみたら?」
凛「ん〜…」
花陽「サビはこんな感じなの…どうかな?」
凛「ん〜…」
海未「苦戦していますね…」
穂乃果「おかしいなぁ…凛ちゃんならポンッポンッいい詩が出てきそうなのに」
穂乃果「…何か理由があるのかも」
ことり「理由って?」
穂乃果「わからないけど、凛ちゃんが詩を書けない理由が…」
海未「何らかの理由で力が抑えられている…ということですか…それはそうと穂乃果」
穂乃果「ほえ?」
海未「先ほどの発言、聞き捨てならないのですが…つまり、私はいい詩が出てきていないと?」
穂乃果「え、え!?」
穂乃果「い、いや…!そんなこと言ってないよ!」
穂乃果「ほ、ほら!海未ちゃん昔からポエムとか書いてたからやっぱり引き出しが多いっていうか…!」
海未「……!!///」カァァ
海未「穂乃果っ!!」
穂乃果「ひ、ひいぃぃ…!」
ことり「ま、まぁまぁ…落ち着いて海未ちゃん…」
凛「……クスッ」
凛「……はぁ〜」 -さらに翌日-
花陽「凛ちゃん、帰ろ♪」
凛「あっ…かよちんと真姫ちゃんは先に帰ってて!」
凛「凛、もう少し作詩作業やってから帰る!」
花陽「えっ…凛ちゃん、ちょっと頑張りすぎじゃ…」
真姫「…あんまり根詰めすぎてもダメよ?」
凛「うん…でも、なんだか…いま頑張らないと出来ない気がするの!」
花陽「手伝おうか?」
凛「うーうん!今日は一人で頑張ってみるにゃ!ありがとね!」
真姫「いくら暗くなるのが遅いとはいえ…早いところ帰りなさいよ」
凛「うん!わかった〜!」タッタッタッタッ
真姫&花陽「……」 凛「うーん…でも、どこで作業しようかなぁ〜」
凛「教室?部室?それとも中庭?」
凛「…ありきたりすぎにゃ〜」
凛「どこか作詞する上で新鮮に感じる場所ないかな?」
凛「……そうだ!」ダダダッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
-屋上-
凛「じゃーん!屋上〜!ここなら、すっごくいい歌詞が出てきそうにゃ!」 凛「うーん…」ポリポリ
凛「この曲はサビが…すっっご〜く!綺麗だから、もっと別の言葉にしたいなぁ…」
凛「でもこれはなぁ…」
凛「んー……」
凛「……はぁ〜!わかんないよ〜!」ゴロンッ
凛「作詞って難しいにゃ…海未ちゃんはやっぱりすごいや…」
凛「もしもタイムマシンがあったら…海未ちゃんがどう作詞してたのか横でじっくり見るのに!」
凛「うーん…!それにしてもポカポカにゃ〜!なんだか眠くなっちゃうや……」
凛「ふわぁ…」
凛「……Zzz」 ニャー ニャー ニャー
凛「(…ん?)」パチリッ
凛「(あれ?どこ…これ?)」
ニャー ニャー ニャー
凛「(あっ、そっか…!今日は満月だから…ネコ集会があるんだ…!)」
凛「(……って、違うにゃ!?凛、ネコちゃんになってる!?)」
凛「(なんでなんで…!どういうこと!?)」
凛「(…あれ?でも…なんだか…心地がいいにゃ)」
凛「(あっ!あのネコちゃん、真姫ちゃんに似てる…一人だけツンとして輪の外にいるところなんて正に真姫ちゃん!)」
凛「(あっちのネコちゃんは穂乃果ちゃんかな?元気いっーぱい!)」
凛「(ん?あのネコちゃんは絵里ちゃん?しっかりしてそうにゃ…!)」
凛「(あの子がことりちゃんで…あっちの子がかよちん!それに海未ちゃん…にこちゃん…希ちゃん…)」
凛「(…えへへ、μ's勢揃い♡)」
ニャンニャン
凛「(え?今から海に行くの?わーい!楽しそう!)」
凛「よーし!みんないっくにゃー!」
…ンチャン
凛「…ん?」
リンチャン
凛「誰か…凛を呼んでる?」キョロキョロ
リンチャン!! 凛「はっ…!」パチリッ
希「お?起きた起きた…」
希「おはよっ♪」
希「こんなところで寝て…風邪ひくよ?いくら8月でも夜は寒いんやからね」
凛「ゆ、夢…?って…あれ、希ちゃん…?」
希「どんな夢見てたん?ずいぶん楽しそうやったね♪」
凛「え…うん!すっごく楽しかったよ!」
希「へぇ〜、内容が気になるなぁ」
凛「あのね!えっとね!」
凛「……あれ?どんな夢だったっけ?」
凛「……あっ!そうだ、ネコちゃんになったμ'sが……」
希「μ'sが?」
凛「星空の下…たくさんの空があって…!それでそれで!凛たち駆け出して…!」
希「ふふっ…凛ちゃん…ポエマーになったんや♪」
凛「えっ…///」カァァ…
希「なーんて、じょーだん♪」
希「聞いたよ?凛ちゃん今、作詞やってるんでしょ?」
凛「うん!でも…いい歌詞が全然出なくて…」 凛「というか…なんで希ちゃんがここに?」
希「ん〜?たまにね、音ノ木坂の屋上に来たくなるんよ」
希「あっ、ちゃんと理事長に許可はもらってるよ?」
凛「そうなんだ…」
希「それにしても…今日は綺麗な夜空やね〜、星がいっぱいや」
凛「わぁっ!ほんとだ!」
凛「…そういえば、前にも屋上で希ちゃんとこうして星を見たよね!」
希「そうやね〜、ちょうど一年前かな…合宿のとき」
希「…やっぱり、凛ちゃんがいると星がよく流れるね」
凛「え?えへへ〜…そうかなぁ?」
希「これって凛ちゃんが福の神ってことなんかな?それとも運の良い星をいっぱい流しちゃう疫病神ってことなんかなぁ?」クスクスッ
凛「な、なに笑ってるにゃー…!」
凛「もう…!去年も希ちゃんそれ言ってたにゃ!」 希「あははは……それで、どう思うん?」
凛「え?そんなの…凛は…凛…」
希「……凛ちゃん、もしかして」
凛「……えっ?」
希「寂しいん?」
凛「……そんなの」
凛「そんなのそうに決まってるよ…!」
凛「だって!希ちゃんたち3年生がいなくなって…来年には穂乃果ちゃんたちがいなくなって…もうμ'sメンバーは凛たちだけじゃん…!」
凛「…今のグループは楽しいよ?穂乃果ちゃんたちが受験で中々顔を出せないから、凛たちが引っ張らなきゃっていう責任感もある…」
凛「でも、そうやってμ'sメンバーがいなくなっていくと…なんだかμ'sが記憶から無くなっちゃうような気がして…思い出が消えていっちゃうような気がして…」
凛「だから……だから」
凛「やっぱり凛……寂しいよ」
希「……」 希「……そっか」
希「うん……凛ちゃん!」
凛「にゃ…?」
凛「なーに…?」
希「ふふふ…♪ちょっとこっち来てみっ!」
凛「???」
凛「どうしたの?」タタタッ
希「ふふふ……ふふふふ♪」
コチョ…
凛「ひゃっ…///」
希「いひひ〜!コチョコチョコチョコチョ…」
凛「きゃぁ…!にゃ…ゃははははは!!ひっ…ちょ…希ちゃん、ダメェ…!!ひっひっ…!くすぐった…ほんっとに…凛、お腹ダメだからああぁぁぁ…!!!」
希「」パッ
凛「うっ…うぅ…」バタッ
凛「な、なにするにゃぁ!」ガバッ
凛「わざわざこんなイタズラするために呼んだの!?」
希「イタズラじゃないよ?トラップや♪」
希「凛ちゃんが罠にまんまと引っかかって、ウチの間合いに入るから♡」
凛「むぅ〜!屁理屈じゃん!」プクー ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています