果南「星が綺麗だから」
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―浦の星女学院―
果南「まだ残ってたんだ」
鞠莉「…果南」
鞠莉「うん、少しね」
果南「やっぱり理事長って大変?」
鞠莉「そんなことない…って言いたいところだけど…」
鞠莉「やっぱり大変ね、私もまだまだなんだなって日々痛感させられるわ」 鞠莉「ちょっぴり疲れちゃった!」ニコ
果南「鞠莉…」
果南「私に何ができるかわからないけどさ、いつだって力になるからね」
鞠莉「ありがとう、その言葉だけで心強いわ」
鞠莉「それだけに…私達の学校を守りたい…必ず」
鞠莉「みんながこれだけ願っているんだもの」
果南「短冊か…全部見たの?」 鞠莉「理事長だもの当然よ」
果南「願い事見られるのは少し照れくさいかも」
鞠莉「だからみんなが帰ってから見てるわよ?」
鞠莉「一人一人の願い事に協力できればいいなと思って」
果南「お人好しだね」
鞠莉「そうかもね、それでも浦の星の生徒には幸せになってほしいもの」
3 鞠莉「あの子はこんな思いがあったんだ、こんな願いを持つ子がいるんだって」
鞠莉「短冊の一枚一枚が素晴らしく愛おしいわ」
果南「ふふ、浦の星の理事長さんはとっても素敵で立派な理事長さんだね」
鞠莉「ソーリー、ちょっとシリアスだったね」
鞠莉「さ、みんなからパワーもらったし、もう一仕事やってくるわね?」 果南「あ、それなんだけどさ」
鞠莉「ん?」
果南「ちょっと散歩にでも行かない?」
鞠莉「気分転換はもう済んだのだけど…どうして?」
果南「星が綺麗だからかな」
鞠莉「それは素敵な理由ね」クスクス
鞠莉「きちんとエスコートしてね?」
果南「はいはい、行きましょうか鞠莉お嬢様?」
鞠莉「OK,Let’s Go 果南‼」 ――
鞠莉「本当に綺麗ね」
果南「でしょ?」
鞠莉「今日はずっと学校に篭りきりだったから気付かなかったわね」
鞠莉「帰りに一人きりで見ることにならなくてよかった」
果南「今年は彦星様も織姫様も文句なしで逢えそうだね」
鞠莉「オー、果南にしてはロマンチックね」
果南「失敬な、私だって七夕を語ってもいいじゃない」 鞠莉「ごめんなさい、少し意外だったから」
鞠莉「でも、一年に一度だけなんて私ならやってられないわ」
果南「そりゃ、そうできるなら私だって…」
鞠莉「逢えないってとても寂しいもの」
果南「…そうだね」
鞠莉「私達の場合はずっとになるかもしれなかったけどね」
果南「感謝してるよ、鞠莉とダイヤには」 鞠莉「それぞれの事情を知ってるダイヤが一番辛かったかもね」
果南「そうかもね」
鞠莉「ダイヤはずっと天の川に橋をかけてくれていたんだけど」
果南「彦星と織姫はその橋を渡ろうとしなかったわけだ」
鞠莉「結局耐えられなかった…どっちが織姫にする?」
果南「ふふ、どっちだっていいよ」 果南「ダイヤがデネブだってことは決定だね」
鞠莉「えー、ダイヤがお父さんかぁ」
果南「ちゃっかり織姫取ってるし…」
鞠莉「いいでしょ?彦星様っ!」
果南「う…まぁ、いいけど…」
果南「あと、デネブははくちょう座でお父さんじゃないよ」
鞠莉「そうなの?勘違いしてたわ」 果南「七夕の夜にはカササギがどこからともなく現れて二人のために橋をかけるんだよ」
鞠莉「カササギ?はくちょうじゃないのね」
果南「まぁ、とにかく、鞠莉が橋を全部渡ってきたくれたってことね」
鞠莉「途中に変な話入ったからよくわかんなくなっちゃった」
鞠莉「デネブがはくちょう座で、織姫と彦星は?」
果南「こと座とわし座だね」
果南「ちなみに織姫がベガで彦星がアルタイルね」 鞠莉「さすが果南、星に関してはお手の物ね」
果南「奈良時代に中国から伝わったんだって」
鞠莉「ん?」
果南「えっと、それで、織姫と彦星の話は中国の詩集の…」
鞠莉「果南?しー」ピトッ
果南「わっ…」
鞠莉「七夕伝説はもういいわ?」 鞠莉「それよりもっと星を見ましょう?」
鞠莉「こんなに星が綺麗なんだから」
果南「…そうだね」
鞠莉「…私、浦の星に戻ることができて本当によかった」
果南「どうしたさ急に」
鞠莉「今改めて思ったの」 鞠莉「あっちに行ってすぐは、果南とこうやって同じ星を見上げることはできないかなって思ってたし」
鞠莉「空は繋がっててもその時見てるのは違う空だしね」
果南「鞠莉…」
鞠莉「ダイヤには感謝してる、千歌っちにもAqoursにも浦の星にも」
果南「そうだね」
果南「それと…鞠莉にもね」
果南「ありがとう」
鞠莉「どういたしましてっ」 果南「さ、そろそろ戻ろうか」
果南「ごめんね、思ったより長いこと歩いちゃったね」
果南「今日はもうお仕事終えて家に帰ろう?」
果南「鞠莉?」
鞠莉「…もう少し」
果南「え?」
鞠莉「もう少し果南と歩きたいな」 果南「鞠莉…」
果南「鞠莉、あのね!」
ピコン!
果南「ん?」
果南「あー、えっと、今から千歌の家で七夕パーティやるみたい、行く?」
鞠莉「…」 果南「鞠莉?」
鞠莉「ヘタレ…」ボソ
果南「う…」
鞠莉「ヘタレ彦星!」
果南「鞠莉!待って!」
果南「あのね!鞠莉!」
果南「私…」
・
・
・ ――
千歌ハウス
曜「じゃーん曜ちゃん特製七夕ゼリーであります!」
千歌「わぁ綺麗!」
ピコン!
千歌「ん?果南ちゃん着いたみたい!」
千歌「私迎えに行ってくるね!」
ダイヤ「千歌さん私も行きますわ」
千歌「ダイヤさんも?じゃ、一緒にいきましょ!」 果南「千歌ごめんね、遅くなちゃった」
千歌「大丈夫だよ!あれ?鞠莉ちゃんも一緒だったんだ」
鞠莉「イエス!果南あるところにマリーありです!」
千歌「あはは、仲良しだね」
ダイヤ「おそらく…散歩でもしてたのではないですか?」
ダイヤ「今夜は星がとても綺麗ですからね」
千歌「??」
鞠莉「なるほどね」
果南「ちょっとダイヤっ!」 ダイヤ「あぁ、そうだ果南さん?」
果南「なにさ」
ダイヤ「今夜は星がとても綺麗でしたが、…月は綺麗でしたか?」
果南「ダイヤぁ…」
鞠莉「とても綺麗だったわよ、それこそ死んでもいいほどね?」
ダイヤ「ふふ、そうですか、それはよかったです」
果南「ダイヤのばかー!」ダッ
千歌「あ、果南ちゃん!もう!どういうことなのー!!」
おしまい? おまけ?蛇足
――
果南「あのね!鞠莉!」
果南「私…」
果南「せっかくまた同じ高校生活を送れることになったけど…もっとこの時間が欲しかったけど…」
果南「明日はどうやっても来るように、きっとその未来もきっとすぐそこで」
果南「やっぱりまた離れなきゃいけない時が来るんだとしても…それこそ彦星と織姫みたいに一年に一度しか逢えないかもしれないけど!」
果南「それでも鞠莉と同じ明日を歩みたいの!もう後悔したくないから」
果南「えーっと、だから、ね?」
鞠莉「うん、聞かせて?」 果南「今日鞠莉の手をどうやって握ろうかってずっと悩んでた」
果南「理由はどうしようか…って」
果南「ひとつしかなかったんだよ」ギュ
果南「私は鞠莉のことが好き」
鞠莉「果南…」
果南「鞠莉はどうかな?」
鞠莉「私も果南のことが好きよ」
鞠莉「嬉しいも楽しいも悲しいも悔しいも果南の隣で感じたい」
鞠莉「果南…愛しているわ」チュッ 果南「…なっ…」
鞠莉「ふふ、果南、顔が真っ赤よ?」
果南「だだだだって…」
鞠莉「ね、約束」
鞠莉「また、この綺麗な星空を見ましょうね?」
果南「うん、満天の星空に…きっと今度は私が鞠莉に逢いに行く」 おしまい!
七夕のお話。
季節物?記念日?的なのはいつもギリギリ遅れてる気がします。反省。
過去分も見て頂けると喜びます。
ついったーにまとめてます。
@fffssyou おつ
ロマンチックなかなまりに良き理解者のダイヤ、素敵な七夕SSをありがとう コメント頂けて嬉しいです!
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