善子「秘密」
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善子「……」ボーッ
キーンコーンカーンコーン!
善子「……」
善子(六時間目、もう終わっちゃったのね……)
ワイワイガヤガヤ…
善子「……」
テクテク
スッ
ルビィ「……善子ちゃん?」
善子「……」
ルビィ「今日も昨日の続き、しよ?」
タッタッ
善子「……」
スンスン
善子(……甘い、ルビィの香り)
ルビィ「善子ちゃん……?」
善子「……ええ、すぐ行くわ」
スタスタ
… 〜空き教室〜
善子「ふっ……!!!!」
グラグラッ!!
善子「!!!!」
バタン!!
善子「はぁ……はぁ……はぁ…………」
ルビィ「善子ちゃん!すごい!!またちょっと力強くなってるよぉ!!」
善子「はぁ……はぁ……」
善子(ダメ……この力……使うと、頭、真っ白……で……)
善子(何も、考えられ……ないから……)
善子「はぁ……はぁ……」
ルビィ「……お水、いる?」
善子「……」コクコク
善子(のま、せて、欲しいの……) ルビィ「はい、善子ちゃん、いくよ」
クイッ!
善子「んくっ……んくっ………」
ゴクッ!ゴクッ!
善子「…………ぷはっ!!!」
ルビィ「どう、おいしい?」
善子「……」
コクリ
ルビィ「うん、良かったぁ」
善子「はぁ……はぁ……」
ルビィ「……善子ちゃん、ほんとに大丈夫?」
善子「え、ええ……もう、大丈夫、だから……」 善子(……そう、私の特技はテレキネシス。最近急に、使えるようになってしまった)
ルビィ「その力、いつから使えるの?」
善子「……つい最近よ。二週間くらい前かしら」
ルビィ「ふ〜ん……」
ルビィ「……でも凄いね!こんな重そうな机もちょこっと動かせるなんて!!しかもどんどん力も強くなってるみたいだよぉ!!」
ルビィ「いいなぁ〜、ルビィもその力欲しいなぁ〜……」
善子「別にそんないい事ばかりじゃないわよ。力使うとすっごく疲れるし」
善子(それに、もし他の人にバレたらなんて言われるか……)
善子(別に目立つことは嫌いじゃないけれど、好奇の視線にさらされることだけは、なんとしても避けたいし……これ以上痛いヤツだって思われたくないし……)
善子(だから……バレてしまったのが偶然にもルビィだけだったのは……不幸中の幸い、だったのかもしれないわね) ———
……ちょうど一週間前のことだった
善子「ヤバ……今日早く帰ってこいって言われてるの、すっかり忘れてた……」
タッタッタッ
善子「うぅ……バス、間に合うのかしら、これ……」
善子「とにかく、急い……んにゃぁっ!!!?」
ガッシャーン!!
バサバサッ!!
善子「い、いたた……!!誰よ!!こんなところにバケツ置きっぱにしたの!!」
善子(うわっ!?ご丁寧にもにカバンの中身全部ぶちまけちゃったし……)
善子(ど、どうしよ……バス、間に合わなくなる……)
善子「……!!!」
善子「……えいっ!!!」 ファサッ!!
善子「!!?」
善子(い、一瞬で教科書とかカバンの中戻せた……)
善子「へぇ〜、こんなことまで出来るのね……」
善子「……って感心してる場合じゃないし!!急がないと……」
タッタッタッ
善子「……んにゃっ!?」
ドンッ!
ルビィ「ぴぎっ!?」
バタン!!
善子「ル、ルビィ!?」 善子「だ、大丈夫……?」
ルビィ「う、うん……」
善子「そ、そう、なら、いいけど……」
ルビィ「……」
善子「じゃ、じゃあ、私、急いでるから、もう行くわね……」
ルビィ「……待って」
ガシッ!
ルビィ「ねえ善子ちゃん、さっきの何?」
善子「!!?」 善子「さ、さっきのって……」
ルビィ「善子ちゃんさっき教科書触らないで動かしてたよね?」
ルビィ「どうして善子ちゃんがそんな力を使えてるの?」
善子「そ、それは……」
善子(え、えっと、何から説明したらいいんだろ……)
善子「じ、実は……」
………
…
善子「……っていうわけなの。私にもよくわかんないけど、いつの間にか使えるようになってたのよ」
ルビィ「ふ〜ん……」 善子「で……お願いルビィ!このことはみんなには黙ってて欲しいの!!」
善子「これ以上変なヤツだって思われたらいよいよヤバイし!!だからお願い!!」
ルビィ「……うん、いいよ」
善子「や、やった!じゃあ
ルビィ「でもルビィからも一つだけお願い。善子ちゃんの力を調べさせて欲しいの」
ルビィ「ルビィその力にちょっと興味出てきちゃった。だからその力を調べさせて欲しいな?」
ルビィ「善子ちゃん、お願い!」
善子「……ええ、いいわそれくらいなら。協力してあげる」
ルビィ「うん!ありがと!善子ちゃん!」
こうして二人だけの探求が幕を開けたのだった
——— ルビィ「でもすごいね!!こんなに重そうな教卓さんまで動かせちゃうなんて!!」
善子「ま、まぁ……練習してるし……はぁ……はぁ……」
善子(してる……というより、させされてる……って感じだけど……)
ルビィ「ねえ善子ちゃん、善子ちゃんのこと、もっとルビィに教えて欲しいな?」
私の、こと……?
ルビィ「うん!まずねまずね!善子ちゃんってその力を使ってる時、どんな気持ちなの?」
善子「どんな気持ちって……」
ルビィ「どういうこと考えてる?えいっ!って感じなのかな?」
善子「そうね……」
善子「……」
善子「……動け〜!!って感じなのかしら?」
善子「頭の中で『アレを動かしたい』って強く願いながら、力を籠める感じ……よね……」 ルビィ「なるほど〜……」
メモメモ
ルビィ「……じゃあ次の質問。初めてその力を使った時のこと、ルビィに教えて欲しいな」
初めて……?
善子「……」
善子「……部屋で勉強してるときよ」
善子「ちょっと遠くにあるプリントをとろうとして、動くのも面倒だったから紙の方からこっちにこないかな〜って思って、気づいたらプリントが手元にあって……」
善子「それで……」
ルビィ「勉強中、ね……うん!ありがと!」
ルビィ「あとは……」
善子「まだあるの?ねえ、もうよくない?やめにしましょうよ」
ルビィ「だーめ。だってもっと善子ちゃんの秘密、二人だけの秘密にしたいんだもん」 二人だけの……
ルビィ「うん。ルビィと善子ちゃんだけの、二人だけの秘密だよ」
ルビィ「あのね善子ちゃん、だからね、善子ちゃんにはこの力のこと、内緒にしてて欲しいの」
ルビィ「もちろんルビィも誰にも話さないから、ね、お願い?」
善子「え、ええ、私は構わないけど……」
ルビィ「じゃあお願いね!善子ちゃん!」
パタン!
ルビィ「あ!そうだよ!!ねえねえ!!ルビィね!試してみたいことがあるの!!」
タタタッ!
善子「あっ!ちょっ!?」
ルビィ「ほーら!善子ちゃんも早く早く!!」
タタタッ!!
善子「ルビィ!待ちなさいよ!!」 〜屋上〜
善子「……って、屋上じゃない」
善子「一体こんなとこきてどーするわけ?」
ルビィ「ん〜!!風が気持ちいいよぉ〜!!」
ルビィ「ほらほら!善子ちゃんも一緒に寝っ転がろうよ!!」
善子「……」
ゴロン
善子(確かに、風、気持ちいいかも……)
善子「ん〜……!!」
善子(爽やかって言ったらいいのかしら……?この季節特有のムシムシ感を、全て取り去っていってくれるって感じね……)
善子「……」
善子「……で、なんでわざわざ屋上まで来たわけ?」
ルビィ「あのね善子ちゃん!学校の屋上ってね!パワースポットなんだって!!」 善子「パワースポット?」
ルビィ「うん!図書室の本に書いてあったの!!」
善子「へ、へぇ〜……」
ルビィ「善子ちゃんってこういうお話、好きでしょ?」
善子「まあ、嫌いじゃないけど……」
善子(……こういった類の話って、どうも胡散臭くも感じちゃうのも事実なのよね)
善子(でもそんな折に、そろそろ中二病も卒業しなくちゃ、なんて考えてた矢先にあんな不思議な力を手に入れちゃうもんだから)
善子(ホント、世の中って不思議な物よね……) 善子「……」
ルビィ「……」
善子「……」ボーッ
善子(どうして、急にこんな力が使えるようになったのかしら……?)
善子「……」
善子(……ま、そんなこと考えたって、わかるはずもないんだけどね)
善子「ふぅ……」
ルビィ「……」
善子「……」チラッ
ルビィ「……」
善子「……ルビィ?」
ルビィ「すや、すや……」
善子(……って寝てるし)
善子「はぁ……」
善子(……しばらく、このままにしといてあげようかしら) ………
…
善子「……」
善子(……)
善子(……実は私にはルビィにも隠している秘密が、もう一つだけある)
善子(それは……)
善子「……」
善子(……私はルビィに、少なからず好意を抱いているということ)
善子(ルビィは不思議な娘だと思ってる。私の力のことだってすんなりと受け入れてくれたし)
善子(自分自身でさえ、受け入れるまでには相当の時間を要したというのに)
善子(だから……秘密を共有することになった相手がルビィで本当によかったって思える) 善子「……」
チラッ
ルビィ「すぅ……すや……えへへ……むにゃ……」
善子「……ふっ」
善子(赤みがかった純粋な髪とあどけない笑顔、つややかな頬と幼さの残る顔立ちは、つい庇護欲をそそられてしまう)
善子(私が……この笑顔を守ってあげられたらなって)
善子(この笑顔を私だけのものにしたいなって)
善子「ルビィ……」
ルビィ「すぅ……すぅ……」
善子「……」
善子(……ルビィの小さな口元は、呼吸に集中しているかのように、小さくゆっくり動いている)
善子(その仕草がとっても尊くて、つい包み込んでしまいそうになってしまう)
善子(もし……私色に染め上げられたなら、どうなるのかしら、って) 善子「……」
ルビィ「すぅ……すぅ……」
善子「……」
スーッ
善子「……//」ソーッ
ルビィ「………」
善子「……//」ドキドキ
ルビィ「………んっ」
善子「なっ!!!?」
ガバッ!! 善子「……!!!!?//」
ドキドキドキドキ
善子(お、起きてない……わよね……?//)
善子「……」チラッ
ルビィ「すぅ……すゃ……」
善子「……//」
ドクン!!ドクン!!
善子(あ、危なかった……)
善子(……って何やってるのよヨハネ!!)
善子(いくらルビィが好きだからって、寝てるところをいきなり襲うなんて)
善子「そんなことして、いい、わけ…………んっ!!?」
気づいたらすぐ目の前に、ルビィの顔が迫っていた 善子「んっ…………ぷはぁ!!」
ドキドキドキドキ!!
善子「ル、ルビィ……?//」
ルビィ「えへへ〜♪しちゃったね、キス♪」
善子「キ、キスぅ!!?」
善子「!!?///」カァァッ!!
舌の上には、ほのかな甘さと暖かさが残り続けている
善子(口の中のサラサラとした感触。これが、ルビィの唾液ってこと……なのかしら?)
ドキドキドキドキ!!!
善子(す、すごく生々しくて言うか……頭から火が出るほどに恥ずかしい……//)
善子「……//」
善子「ル、ルビィ……//あんたいったい何考えてるのよ……//」
ルビィ「なにって、多分、善子ちゃんとおんなじことなんじゃないかなぁ?」
善子「おんなじって…………ひゃぁ!!?」
ハムッ!
ルビィ「んっ……………んっ………」
善子「……………んっ」
………
…
二回目のキスは遥かに長くて、まるで永遠のように私には思えた 室井さん、教えてくれ。どうして面白そうなSSはすぐエタるんだ うむ
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