【SS】ダイヤと梨子と、時々果南。
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ダイヤ「SSを書きたいのですが」
果南 ポカン…
梨子「さっそく取りかかりましょう。題材は決まってますか?ジャンルは?カプは?地の文はありで書きますか、なしで書きますか?」
果南「早い早い早い早い!私まだポカンってしてるじゃん!なんでノータイムでリアクションできるんだよ!」
梨子「ダイヤさんがSSを書きたがる日が来ることくらい、とっくの昔に予見できてたじゃないですか。それが今日この時だったというだけのことですよ。SSの全てを手解く準備はとうにできてますから」
果南「そんな予兆どっかにあった!?どの時空!?」
梨子「こういうものがありまして」っ>微妙になにかを勘違いしたままのダイヤがSS界で『文豪』と呼ばれるようになったのは、また別のお話…
果南「一年以上も前のそんなハイパーローカルSSのオチ的な一文が誰の頭の片隅に残ってるんだよ!」
ダイヤ「ああそう、それですそれです。わたくし、SS界で文豪を目指そうと思いまして」
果南「いやダイヤにその意識があったらオチ的な一文の文章はそうはならないでしょ!」 ダイヤ「SSを書いてみたいよぅで踏み切れない事実が、この胸の奥でずっと疼いているのです」
果南「左手がレイニーデビルか」
梨子「その欲求は、放ったらかしていても収まることはありません。書くしかない。書くことでしか、ダイヤさんは前に進めないところまで来てるんですよ」
ダイヤ「梨子さん…!」ウルウル
果南「ちょっと。私が全然ついていけてないのに盛り上がってきた感じ出すのやめてよ」
梨子「要はこういうことですよね?」っフリップ ドン
https://i.imgur.com/NCJl95V.jpg
ダイヤ「そういうことです」コク
果南「これ図解するほどのことかな!?」ドーン
果南「………梨子ちゃんもしかして私のこと『かなぁん』って呼んでる!!??」ドドーン 梨子「それでは不肖この桜内梨子先生が、未来のSS界の至宝ダイヤさんにSSの書き方を指導することとしましょう」コホン
ダイヤ「よろしくお願いいたします!」
果南「自分で先生って言ったな?」
梨子「まず、ダイヤさんがSSに触れたのは私の作品のアイディア出しに協力してくださったところが発端だと思いますけど、それ以降、他のSSを読んでみましたか?」
ダイヤ「はい。幸いなことにネットを駆使すればそれこそ尽きないほどに次から次へと出てくるので、それなりに手当たり次第に読んでみましたわ」
梨子「読んだ作品、なにか覚えていますか?」
ダイヤ「ええ。ほのキチの海未さんが穂乃果さんを振り回すお話や、会長探偵エリチィ・ホームズ、金の理事長、それと花丸さんと善子さんが牛乳屋さんプレイをするSSは途中までしかログを発掘できなくて心残りです」
梨子「なかなかのラインナップ挙げますね」
果南「しれっと特定できるレベルでほんとに存在するやつ交ぜてるじゃん」 梨子「ラインナップはともかくとして、ある程度の数を読んだのならわかってきているとは思いますが、基本的にSSは『キャラクター同士の掛け合い』で成立するものです。キャラクター同士が会話をすることで進んでいくものが大半ですね」
ダイヤ「大半ということは例外もあるのですか?」
梨子「もちろんあります。私が知ってるのだと、あるキャラクターが淡々と一人で語るだけのSSなんかもありましたよ。でも今は気にしなくていいと思います」
ダイヤ「いえ、スレタイを教えてくださいな」
果南「あーあー、スレタイとか言い出しちゃったよ。ダイヤがこんなんなったの知ったらルビィちゃん泣いちゃうよ」
ダイヤ「? ルビィが管理しているまとめサイトにも相当お世話になっていますわよ」
果南「もうこのぉ!スクールアイドル、グループは、終わりだぁ!」
〜スレタイ控え中〜
果南「つか、これ私いる?」 ダイヤ「『まずは会話』と」メモ…
梨子「さて、会話によって成立するということは、メインとなる人物が少なくとも二人は必要ということです。ダイヤさん、お気に入りのカプはありますか?」
ダイヤ「わたくしは……かなまりを眺めるのが、好きですが…」
果南「あ絶対やめて。友達やめるよまじで」
ダイヤ「!? 鞠莉さんがお嫌いですか!?」
果南「友達からSSのネタにされるのが最悪だってことだよ!友達のこと書かれてるだけでもそこそこ気分悪いのに、よりによって自分自身って!許せるか!」
梨子「────………!」ハッ
果南「そうだよ!一年前の梨子ちゃんにも向けてるからね、この言葉!」
ダイヤ「しかし、世には果南さんやAqoursの皆さんを題材にしたSSが溢れ返っていますが!?」
果南「こんなことになるってわかってたらスクールアイドルなんか始めなかったよ!!」 ダイヤ「では苦渋の決断ですが、果林さんと彼方さんでいきたいと思います」
梨子「ほう。…………ほう!」
果南 (テンション上がるカプだったっぽいの腹立つなあ)
果南「ダイヤ、一応言っておくけどさ、SSって別にスクールアイドルばっかりを題材にしなくてもいいんだよ。アニメとかマンガとかの二次創作ってやつでもいいんじゃないかな」
ダイヤ「果南さん、あなたはレイトン先生とルーク君のSSがあったとして読みたいと思いますか?」
果南「全然思わないけど……それは単純に題材が悪いだけでしょ…」
ダイヤ「わたくしはスクールアイドルですわ。教えを乞う梨子さんもスクールアイドル、梨子さんが書いていらっしゃるSSの題材もスクールアイドル。たまにおばさん。そんな中、まさかスクールアイドル以外を題材にしてSSを書けようものですか」
ダイヤ「わたくしがSSを書くのならば、その題材はスクールアイドル。これだけは譲りませんわ!」
果南「もうなんでもいいけど、せめてリアル知人はさけてほしかったなあ」 梨子「メインの人物が決まったら、次はジャンルかシチュエーションを考えましょう」
ダイヤ「ジャンルというと、ギャグ、恋愛、異世界、異世界転生、異世界バトル、異能バトルなどのことですか?」
梨子「そうですね」
果南「ちょっと後でルビィちゃんに話あるなこれは」
ダイヤ「シチュエーションは、例えば『鞠莉さんが自身の母親を妹にしようと目論む』などという感じですわね」
梨子「そうですね。それだとよっぽど捻らない限り、ジャンルはギャグで固定になると思います」
果南「そんな出オチなギャグで不必要に鞠莉を傷つけるのはやめてほしかったよ」
梨子「それ以外だと『花丸ちゃんがルビィちゃんの寝込みを襲っていたつもりが実は理亞ちゃんだった』とかですかね」
ダイヤ「それもギャグになりますか?」
梨子「逆に、ギャグ以外にできますかね?これ」
果南「もうそれ出オチどころかオチじゃん。スレタイさえ眺めとけば本文丸々読まなくていい類いのやつじゃん」
果南「ダイヤ、曲がりなりにもルビィの寝込みが襲われるとか言われてるんだから、さらっと流さないでよ」
ダイヤ「もっとひどいシチュエーションのSSはイヤと言うほど読んできましたし…」
果南「もうSS界隈から足洗ってよ…」 ダイヤ「果林さんと彼方さんでSSを書くならばぜひこれ、というシチュエーションが一つあるのです」hshs
梨子「おっ、いいですね!どんなのですか?」
果南「日頃からリアル知人でシチュエーション考えてるとか末期でしょ」
ダイヤ「とある曲から着想を得たのですが、お二人の放課後デートの様子を書いてみたいのです」
梨子「ほっほ〜う」
果南「梨子ちゃんの音声切れないかな。いちいちトーンがこめかみに来るんだけど」
ダイヤ「その曲というのが、これなのですが」カチ
〜♪
梨子「いい曲調ですね。なんだか居心地がよくて、自分の部屋でベッドに身体を預けているような安心感がある曲です」
果南「…曲はいいね」
果南 (なんか聴いたことあるような?)
『♪夜に浮かぶ 白い月が 窓辺そっと 照らしてる』
果南「……聴いたことあるどころの騒ぎじゃない曲だ!!!」 梨子「つまり、このとある曲に果林さんと彼方さんを重ねて、お二人の放課後デートの様子を書いてみたいということですね」
ダイヤ「はい」コク
果南「最低だよ!ダイヤ、最低なことしようとしてる自覚ある!?」
ダイヤ「む。果南さんは、果林さんと愛さんの方がよいと言いたいのですか?」
果南「誰がカプ厨だよ。リアル知人なんてどんなカプにも順当な嫌悪感があるよ」
梨子「初めてSSを書こうという段階で、ここまで鮮明にイメージができているなら充分だと思います。あとは思うように書けばいいんじゃないですか?」
ダイヤ「それが、書き出しの取っかかりが上手く想像できないといいますか。
お二人が初めて出会った日から放課後デートに至るまで積み重ねてきた日々を描写するべきなのか、放課後デートに誘う場面から書き始めればよいか、あるいはデート後の別れにフォーカスするという選択も有り得るのではないかと。
むしろもっと前の段階、お二人が虹ヶ咲学園へ入学するに至った経緯がないと物語が浅くなってしまうのでは?デートにお誘いするのはどっち?どんな言葉で?お二人はどんなデートコースを歩むのでしょうか。ああっ、妄想が止まりませんわ!!!」
果南「思考の深さがもう文豪じゃん。いや文豪通り越してただの腐女子でしょもはや」
梨子「自由でいいと思いますよ。SSは全てにおいて自由、って言葉を聞いたことがありますし、実際私もそうだと思います」
梨子「書き方にも内容にもルールなんかない、ただ自分が表現したいことを思うままに表現する。それがSSなんです。
だから、お二人の産まれからでも、馴れ初めからでも、デートに誘うところからでも、別れからでも、ダイヤさんが『これだ』と感じる部分から、『これだ』と感じるように書いてください」
ダイヤ「………!」
ダイヤ「では、お産まれから…」
果南「絶対そうなると思ったよ!いいよ普通に誘うところからで!そして10レスで完結しちゃって誰にも見つかることがないままスレ落ちちゃえばいいんだよ!」 ダイヤ モクモク…
梨子「黒澤ダイヤ先生が執筆に入っちゃったから、お茶でも淹れましょうか」
果南「随分楽しそうに指導してたけど、ほんとにダイヤがSS界で名を馳せるようになっていいと思ってる?」
梨子「むしろ、なにかまずいですか?」
果南「いやほら、SSって自由だからさ。不健全な内容のものだって結構あるじゃん。だから…」
梨子「ダイヤさんがそういうものに触れてしまわないか心配、なんですね」
果南「まあ、その、うん…」
梨子「大丈夫ですよ」
梨子「筆は、人生におけるあらゆる体験を糧に変えてくれる魔法の武器ですから」
果南「ダイヤが物書きとして大成するかどうかを心配してるわけじゃないんだけど…」 果南「梨子ちゃん自身の創作はいいの?」
梨子「私はまあ、こっちはこっちで有能なアシスタントを抱えてますから。スケジュール管理まで含めて気にかけてくれてるので、まずかったら連れ戻しにきてくれますよ」
梨子「…はい、紅茶です」カチャ
果南「ありがとう」
梨子「さて、お茶を飲みながらで結構ですけど、私達も黒澤ダイヤ先生の処女作が成功に終わるように準備をしておかないと」
果南「準備?」
梨子 パソコン スッ
梨子「果南さんが指摘してくださったんじゃないですか。スレが即死する危険性について」
果南「………即死回避支援!?サクラじゃんそれ!」
梨子「自分、桜内ですから」カタカタ やがて…
ダイヤ「完成しましたわ!」
梨子「早かったですね」
ダイヤ「ええ。いざ書き始めると止まらなくて、これが『筆が乗る』ということなのですね」
果南「着々とSS書きになっていくのイヤだなぁ…」
ダイヤ「では、果南さんは読んでくださいませんか?」
果南「…」
果南「読むに決まってるじゃん」
ダイヤ「!」
果南「身近な人を面白おかしく題材に取り上げるような文化は好きじゃないけど、でもダイヤがやりたいことなんだもん。私は応援するよ」
ダイヤ「果南さん…!」パァ
果南「ただし、誰かが不快になるようなこととか書いてたら容赦しないからね」
ダイヤ「はい、それはもちろん!」
果南「…貸して」 【SS】Beautiful Moonlight
「ねえ、抜け出しちゃいましょうか?」
ふと、みんなの視線から外れたその瞬間に、果林ちゃんは私の手を握った。
びっくりして顔を見る。
今から、部活だよ?
わかってるわ、そのくらい。
そっか、わかってるのか。じゃあ平気だ。
無造作に放られた通学鞄を手に取るのは、二人とも同時だった。 「熱いから気をつけて」
ゆりかもめを降りて、新橋の雑踏をふらふらと歩いて五分。
どこか中国の露天商通りを思わせる高架傍では、まだ夕方なこの時間帯からビールや餃子を楽しむ人達の笑い声が響いている。
いい匂いはするけれど、交じる勇気はまだないな。
繋いだ手、足取りはなぜか噛み合っていて、辿り着いたのは角のコーヒーショップ。
目の前の広場とほとんど溶け合うようなカウンターでマスターが一人コーヒーを淹れる。
受け取った紙コップは確かに熱くて、お砂糖もミルクもいらないような気がした。 「…あち」
す、と控えめな音を立てて口をつけた果林ちゃんは、小さく呟いて紙コップを離す。
大丈夫?と傾げる私の瞳に、鍛えてるから、と舌をぺろりと覗かせてウィンク。
とっても余裕のある振舞いだ。
同い年なのに、私と彼女と、こんなにも違うのはどうしてだろう。
ガラス張りの三階からは新橋の町が一望できて、
できるんだけど、こっちは新橋というよりも汐留か浜松町だ。
しかも三階じゃ、見えるのは太く町を貫くJRの線路で精いっぱいだった。 「かすみちゃん達、どうしてるかしらねえ」
立ちのぼる湯気をふうっと吹いて、そんなことを言う。
気になるなら連絡すればいいのに、ううん、そもそも抜け出さなきゃいいのに、スマホを確認しようともしないんだから。
さっきから何度も震えて、太ももがむず痒い。
つまり、私も同罪ということなのだ。 「もう一杯、飲んでいく?」
果林ちゃんは、じわりじわりと迫ってくる夕陽を遮った。
コーヒー一杯分の時間は、案外すぐに終わってしまうから。
私だってそうしたい気持ちはやまやまだ。
でも、甘いものも欲しいよね。
奇遇ね、私もそう思ってた。
マスターが一人で切り盛りするこのコーヒーショップには、ビスケットもソフトクリームもない。
背伸びのタイムリミットが短い高校生には、コーヒー二杯分の時間は、ちょっぴり長いのだ。 「ミルクティー下さい。二つ」
電子マネーをさっとかざすその所作だって、私がやるともっと拙い。
四百円、その思考を細く笑う瞳が捕らえる。
調子に乗ってモンブランを頼まなくてよかった。
せめてもとトレイを受け取って、果林ちゃんの背中を追う。
禁煙室から距離を置くように席を選んで、ちゃっかり窓側のソファは取られてしまった。 一口目より少なく、二口目より少なく、三口目よりももっと少なく飲んでみる。
それでもミルクティーは減っていくし、ぬるくなっていく。
いちばん甘い一口を飲み終えたら、夜が来る。
今日の晩ごはんはサラダとマカロニのスープだって。
私なら、サラダもスープも美味しく作るよ。
隣でトマトを洗ってくれたら、もっともっと長い時間を一緒に過ごせる。
そう言ったら、果林ちゃんは嬉しそうに微笑んでミルクティーを飲み干した。
「大切な遥ちゃんとの時間を邪魔するわけにはいかないわ」
また、あなたと離ればなれの夜が来る。
【SS】Beautiful Moonlight 終わり 乙
劇中劇は悪くないが文豪を語るにはまだ早いんじゃなかろうか
切なさを描くのならもう少し滑らかさがほしかったな
あと本編は読み辛くてちょっと一方的だな
解説染みた内容なら相手を意識した方がいい 果南ちゃんのキレキレのツッコミ好き
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