ダイヤ「五月雨や」千歌「お泊まりできて嬉しいな」
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―黒澤家―
千歌「じゃあここまでにしよっか?」
曜「そうだね、案外進んだね」
ルビィ「時間の制限があったから脱線も少なかった…のかな?」
曜「じゃこれからも時間決めてやる?」
千歌「えー、脱線あった方が楽しいよ」
ルビィ「脱線前提で進めるのも…でも、ルビィもゆったりしながらの方がいいかなー」
曜「そうだね、脱線から生まれるものもあるしね」 千歌「っと…二人ともバスの時間近いよ?」
曜「ごめんね千歌ちゃん、どうしても用事外せなくってさ」
千歌「気にしないで?ルビィちゃんは善子ちゃんの家だっけ?」
ルビィ「うん、1年生曲の打ち合わせ…だけど」
曜「だけど?」
ルビィ「善子ちゃんが新しいゲーム買ったって言ってたからそれやりながらになりそうであんまり進む自信はないかも」
千歌「いいなー」
曜「ルビィちゃんも花丸ちゃんもゲームってできるの?」
ルビィ「うーん、あんまりやらないしできないんだけど…」
ルビィ「今回はトランプみたいな王道系が詰まってるやつだから大丈夫だって善子ちゃんは言ってた」
千歌「楽しそう…」
曜「私達も今度やってみよ?ね?」 ルビィ「じゃ、そろそろ行かなくっちゃ」
千歌「そうだそうだ、見送ってくよ!」
曜「ありがとう!ルビィちゃん戸締りしっかりねー」
ルビィ「はーい」ガチャガチャ
千歌「雨止まないねぇ…」
曜「すっかり梅雨の時期だねぇ…」
ルビィ「お待たせ!なにしみじみしてるの?」
千歌「ふぜーを感じてたの」
ルビィ「ふぜー?」
曜「ま、とにかく行こうか」 ―バス停―
ルビィ「あ、バス来たね」
曜「それじゃ千歌ちゃん見送りありがとう」
ルビィ「千歌ちゃんバイバイ!」
千歌「うん、またね!」
曜「あ、千歌ちゃん」
千歌「なぁに?」
曜「これから雨強くなるらしいから寄り道とかしないで帰らないとダメだよ?」
千歌「了解であります!」ケイレイ
曜「よろしい!じゃ、またね?」
千歌「バイバーイ!」 千歌「さ、帰ろっと!」
千歌「あめあめふれふれかあさんが♪」
千歌「じゃのめでおむかいうれしいなー♪」
千歌「ピッチピッチチャップチャップランランラーン♪」
千歌「なんてね」
ダイヤ「千歌さん?」
千歌「ほぇ?」
千歌「…ダイヤさん?」
ダイヤ「えぇ、お母様でなくて申し訳ありませんが」クスクス
千歌「…っ」
ダイヤ「お顔が真っ赤ですわよ?」 千歌「盗み聞きなんてずるい…」
ダイヤ「一人で歌ってるのが聞こえてきただけです」
千歌「もぅ!恥ずかしい!」
ダイヤ「それより今日はCYaRon!の打ち合わせでは?」
千歌「ちょうど終わって、曜ちゃんとルビィちゃんを送ってたところです」
ダイヤ「そうでしたか…ルビィは善子さんのお家でしたか…」
ダイヤ「千歌さんは今からお帰りですか?」
千歌「うん、雨だからちょっと憂鬱だけど」
ダイヤ「それなら、雨が止むか弱まるまで家で雨宿りしていってはいかがですか?」
千歌「いいんですか?」 ダイヤ「こんな雨の中帰っても危険ですしね」
千歌「じゃ、お言葉に甘えようかな」
ダイヤ「是非そうしてください」
千歌「ありがとうございます!」
ダイヤ「では、帰りましょうか?」
千歌「はーい!」
千歌「ダイヤさんはどこ行ってたの?」
千歌「結構朝早くに来たのにもういなかったけど」
ダイヤ「ちょっと学校に用事がありまして」
千歌「生徒会?」 ダイヤ「えぇ、少しやり残しが…」
千歌「言ってくれれば手伝うのに!」
ダイヤ「ふふ、ありがとうございます」
ダイヤ「でも、今日は果南さんも鞠莉さんもいたので大丈夫です」
千歌「それならいいけど…」
千歌「みんなで手伝うって決めたからいつでも頼ってくださいね!」
千歌「あんまり役には立たないかもしれないけど…」
ダイヤ「そんなことありませんわ、今度はきっと頼りにさせていただきます」
千歌「うん!頑張る!」
ダイヤ「で、その後果南さんと鞠莉さんを見送って、一人歩いているところに陽気な歌が聞こえてきた…というわけです」 千歌「もう!掘り返さなくていいから!」
ダイヤ「失礼、あまりにも可愛らしかったもので」クスクス
千歌「なっ…今日のダイヤさんいじわる…」
ダイヤ「ふふ…ごめんなさい」
ダイヤ「さ、今開けますね?」
千歌「もう一度おじゃましまーす」
ダイヤ「いらっしゃいませ」
ダイヤ「私は着替えてくるので、自由にくつろいでいてください」
千歌「はーい」
千歌「と、いうもののくつろげないよね…」 ダイヤ「どうしてそんなに端っこにいるのですか?」
千歌「なんとなく?」
千歌「というか、ダイヤさん着物?」
ダイヤ「えぇ、付き合わせてしまい申し訳ないのですが、お琴のお稽古を少しばかりよろしいでしょうか?」
千歌「ほんと?楽しみ!」
ダイヤ「そう言っていただくと助かりますわ」
ダイヤ「っと、私としたことがお茶も出さずに失礼しました」
千歌「いえ、お構いなく」
ダイヤ「少し雨で冷えてきましたからね、お茶を飲んでリラックスしてください」
千歌「ありがとうございます」 千歌「私も手伝うよ!」
ダイヤ「結構です…と言いたいところですが、せっかくですから手伝っていただけますか?」
千歌「了解であります!」
ダイヤ「と言ってもそんなに手間がかかるものではありませんがね」
千歌「いいのいいの、こうやって一緒に準備したりするのが楽しいんだから」
ダイヤ「そうですね」
ダイヤ「千歌さん準備できましたので、運んで頂いてよろしいですか?」
千歌「はーい!」 ダイヤ「それで、CYaRon!は順調に打ち合わせは進んでいますの?」
千歌「今のところは順調かな」
千歌「今日も時間なくてどうしようって思ったけど、なんだかスイスイっと決まっていったよ」
ダイヤ「そうですか…」
ダイヤ「私もAZALEAの方はいいのですが、3年生曲の方が…」
千歌「あー、でも、3人で昔から作ってたなら慣れたもんじゃ…?」
ダイヤ「それが鞠莉さんも果南さんもより自由度が増してますからね」
ダイヤ「色々話が飛んでしまって中々まとまらなくって」
千歌「ふふ、でもダイヤさん楽しそう」
ダイヤ「え?」 千歌「だってとても嬉しそうな顔で話すから」
ダイヤ「なっ…まぁ、二度と訪れないと思っていた時間…ですからね」
ダイヤ「改めて思うととても幸せなことだなとは思います」
ダイヤ「千歌さんがいなければどうなっていたことか、本当にありがとうございます」
千歌「私はなにもしてないよ」
千歌「ずっとダイヤさんが頑張ってきたおかげ、3人の絆のおかげ…だよ」
千歌「それに私達だってダイヤさんがいなきゃ立ち直れなかったかもしれないし」
ダイヤ「それは貴女方の力ですわ」
千歌「ふふ、じゃお互いに感謝して、出会えたことが幸せだったんだね」
ダイヤ「そういうことにしておきましょう」 ダイヤ「さて、少しだけお稽古してもよろしいでしょうか?」
千歌「うん!私側で聞いててもいい?」
ダイヤ「もちろんですわ…少し触ってみますか?」
千歌「え?壊したりしちゃったらダメだし大丈夫だよ」
ダイヤ「大丈夫ですわ、ほらここに座って」
千歌「わわ、えっと」
ダイヤ「手はこう…」ギュ
千歌「あ、う…」
ダイヤ「後ろからちゃんと誘導するので力抜いてください」
千歌「はい…」
ダイヤ「そうですね、『未熟DREAMER』の1小節一緒にやりましょうか?」
千歌「うん…琴でもできるの?」
ダイヤ「お琴も楽器ですからね」
ダイヤ「まずゆっくり…」 千歌「…できた!ダイヤさん!」
ダイヤ「よくできましたわ」ニコッ
千歌「ダイヤさん教えてくれてありがとう!とっても楽しかった!」
ダイヤ「そう言っていただけると教えた甲斐がありますわ」
ダイヤ「是非私の演奏も聞いていただけますか?」
千歌「もちろん!」
ダイヤ「千歌さん雨はお嫌いですか?」
千歌「え?うーん、雨が降っちゃうとお散歩にも行けないしなぁ…」
ダイヤ「そうですか、では、少しだけ雨が好きになるように…」
ダイヤ「雨音とお琴のハーモニーで是非リラックスしてください」 ダイヤ「〜♪〜♪」
千歌「すごく綺麗…それに、なんだか落ち着く…」
千歌「ずっと聞いてたい…けど…心が安らぎすぎて…」カクッ
ダイヤ「くすっ…まぁいつもより短いですが、千歌さんへの指導も含めれば十分ですかね…」
千歌「ん…ダイヤさん、ごめんね、ちゃんと起きてるよぉ…?」
ダイヤ「よろしいですわよ?リラックスしていただけていることが分かりますし、朝早かったんでしょう?」
ダイヤ「おやすみなさい」
千歌「ん…すー…すー…」
ダイヤ「ふふ、可愛らしい寝顔ですこと」
ダイヤ「千歌さん…本当にいつもありがとうございます」
ダイヤ「貴女がそばにいてくれるから私は…私達は…」
ダイヤ「ん…私も少し…」 千歌「ん…くすぐった…い?」
千歌「ダ、ダ、ダ、ダイヤさん?」
千歌「私途中で寝ちゃったんだっけ?」
千歌「で、なぜかダイヤさんの膝枕で寝てるわけだけど…」
千歌「…綺麗な髪…それに…」ソッ
千歌「すごく…綺麗…」ピタ
ダイヤ「ん…?」
千歌「え?」
ダイヤ「千歌…さん…?」
千歌「あ…えっと…」
ダイヤ「…」
千歌「…」 ―prrrrr!
ダイヤ「あ!し、失礼!電話が!」バタン
千歌「ぐぇ!」
千歌「痛い…」
千歌「てか、なにやってんの私…恥ずかしい…顔赤くなってないかな…」
千歌「でも、綺麗…だったな、思わず触れちゃうぐらい」 ダイヤ「…コホン…も、もしもし?ルビィですか?」
ルビィ「お姉ちゃん?何かあった?」
ダイヤ「いえ、なにもありませんわ」
ルビィ「それならいいけど…」
ルビィ「それがね、ちょっと雨がだいぶキツくって帰れそうにないの」
ルビィ「善子ちゃんが泊まっていけばって言ってくれてるんだけど…」
ダイヤ「そうですか…では、善子さんのお家にご迷惑をかけないように」
ルビィ「うん、ありがとう!」 ダイヤ「お母様とお父様にも私から…」
ルビィ「二人とも帰ってこれないって言ってたよ?」
ダイヤ「え?」
ルビィ「お姉ちゃんに電話しても繋がらないからってさっきルビィに連絡きたよ?」
ルビィ「何かしてたの?」
ダイヤ「あ、いえ、お稽古を…」
ルビィ「ならいいけど…心配してたからお姉ちゃんからも連絡してあげてね?」
ダイヤ「分かりました、それでは」
ルビィ「はーい」 ダイヤ「誤魔化す必要なんてないはずですが…つい…」
ダイヤ「ルビィにバレていないでしょうか?」
ダイヤ「お母様達にもメール送っておきましょう…」
ダイヤ「すーはー」
ダイヤ「ごめんなさい千歌さん」
千歌「あ、ダイヤさん、電話大丈夫?」
ダイヤ「えぇ、ルビィからの連絡でした」
ダイヤ「雨がキツくて帰れそうにないとのことです」
千歌「わーほんとだ…」 ダイヤ「千歌さんも明日用事等ないのでしたら泊まっていかれますか?」
ダイヤ「あいにくお家まで送れる人が今日はいなくて」
千歌「いいの?お言葉に甘えたいなぁ」
ダイヤ「こんな雨の中返すわけにいかないですからね」
千歌「わーい!ダイヤさんとお泊まり!」
千歌「今日の雨は好き!」
ダイヤ「それにしてもすごい雨ですわね」
千歌「ねー、最近ずっと雨だからね」
ダイヤ「『五月雨や 大河を前に 家二軒』と言ったところですか」
ダイヤ「この辺りに大きな川はありませんが…」
ダイヤ「降り続く雨という意味では適しているかもしれません」 千歌「??」
ダイヤ「与謝蕪村の俳句ですわ」
千歌「よさ…?」
千歌「それより!五月雨って五月って書くんだよ!今六月だよダイヤさん!ぷぷぷ」
ダイヤ「五月雨は旧暦の五月を指すので、今の六月、梅雨を指すのです」
ダイヤ「千歌さんはご存知ありませんでしたか?ぷぷぷ」
千歌「ぐぬぬ…やり返された…」
ダイヤ「罰として、五月雨を使って一句どうぞ」 千歌「んー…決まった!」
ダイヤ「早いですわね」
千歌「『五月雨や お泊まりできて 嬉しいな』!」
ダイヤ「また、安直な…」
千歌「これぐらいの方が分かりやすくてきっといいよ」
千歌「この雨のおかげでダイヤさんと一緒に琴もできたし、ダイヤさんの演奏も聞けたし、お泊まりもできる!」
千歌「嬉しいこと尽くめだね!」
ダイヤ「…まぁ、悪くないんじゃないですか?」 おしまい!
梅雨が今年もやってきましたね
雨音聞きながら眠りたくても暑い暑い
ちなみに私はバカなので、五月雨は五月に降る雨だと思ってました。
過去分も見て頂けると喜びます。
ついったーにまとめてます。
@fffssyou 美味しいパンですね。
小麦本来の味がします。
 ̄ ̄ ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ なら小麦粉食っとけやボケ。
…*.::*.…*.。:*.`:::*..,。。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄
*.…*.。…、*.*.…。。。…::*.。。.
/ ̄ ̄ ̄`*..、。 ° ,:`*.…*.。。*.… / ̄ ̄ ̄ ̄\
/ ^ ゝ ^*.ヽ °*. 。 ,。 / ^ く ^ |
| ヽーーー / ( ̄\ | ヽニニニニノ /
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| | | | 小麦粉|_
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