鞠莉「逆サプライズを仕掛けるわよ!」
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〜6月初頭〜
・理事長室
鞠莉「……」スッスッ
果南『ごめん鞠莉!今日は用事があるから先に帰るね!』
ダイヤ『申し訳ありません。今日は家の用事があるのでお先に帰らせて頂きます』
鞠莉「う〜ん、最近果南とダイヤが妙にコソコソしてるわね〜」
鞠莉「まぁこの時期の恒例行事なんだけども」
鞠莉「それよりも問題はこっちよ」 千歌『鞠莉ちゃん今欲しい物とかある?』
曜『鞠莉ちゃんが今着てみたい衣装ってあるかな?』
梨子『鞠莉ちゃんが好きなシチュエーションを教えて下さい』
鞠莉「他にも1年生組からも同じような質問が毎日毎日……」
鞠莉「これでバレてないとでも思ってるのかしらね〜」
鞠莉「というか少しは足並みを揃えなさいよ」
鞠莉「まぁそういう所があの子たちらしいんだけどね」クスクス 鞠莉「む〜、でもこのままあの子たちの計画に気付かないフリして乗っかるのもシャクよね〜」
鞠莉「何か面白いアイデアは……」
鞠莉「……!」
鞠莉「とっても面白いことを思いついちゃったわ♪」
鞠莉「結構大掛かりになるけど、時間はギリギリ間に合いそうね」
鞠莉「早速色々根回しを……っと」
鞠莉「ふっふっふ、マリーの力思い知ると良いでーす」ニヤニヤ 〜6月13日〜
※この世界の6月13日は平日です
・3年生の教室
ダイヤ「おはようございます、果南さん」
果南「おはよう、ダイヤ。いよいよ今日だね」
ダイヤ「えぇ。まぁ鞠莉さんにはバレてると思いますが……」
果南「鞠莉はそういうとこ鋭いからなぁ」
ダイヤ「気付かない振りをしてるのも、鞠莉さんなりの優しさなのでしょうね」
果南「違いない」
ダイヤ「ところで鞠莉さんは?一緒じゃなかったのですか?」
果南「それなんだけどさ、連絡しても返信無かったんだよね」
ダイヤ「本当ですか?」 果南「心配になって鞠莉の家に行ったら、使用人さんが早めに学校に行ったって」
ダイヤ「なるほど。理事長室で仕事でも片付けてるのでしょうか」
果南「それにしたってもうすぐ朝のHR始まるのに遅いな……」
ガラッ
先生「よーしHR始めるよー」
果南「ほらぁ」
ダイヤ「早めに登校して朝のHRに間に合わない……妙ですわね」
果南「理事長権限で仕事してるとか?」
ダイヤ「そういう職権乱用はしない気がしますが……」
先生「そこ、お喋りしない」
果南「は〜い」
先生「じゃあ出席確認するわね」
先生「逢田、飯田、内田、大西……鬼頭」
果南(ん?)
ダイヤ(えっ?) 先生「楠田、楠木、久保、久保田、黒澤……」
ダイヤ「……」
先生「黒澤?」
ダイヤ「あ、はい!」
先生「黒澤が心ここにあらずなんて珍しいねぇ」
ダイヤ「も、申し訳ありません」
先生「いいっていいって。じゃあ次はえ〜っと小林、小宮……」
果南(ね、ねぇダイヤ。鞠莉飛ばされたよね?)コソコソ
ダイヤ(そうですわね……。HR出れないことは先に伝わっているのでしょうか)コソコソ
先生「松浦ー!」
果南「は、はい!」
先生「松浦までぼーっとしないでよねー。え〜三森、村上……」
先生「よし、全員居るね」
果南(はっ?)
ダイヤ(全員……居る?) 先生「それじゃ今日の連絡事項だけど」
果南「せ、先生!」
先生「どうしたの松浦?」
果南「あの、鞠莉は?」
先生「マリ?松浦アフリカに興味なんてあったの?」
果南「いやそうじゃなくて……」
ダイヤ「小原さんの出欠は取らないのですか?」
先生「黒澤までどうしたの。というか小原という名前の生徒はこのクラスには居ないでしょ?」
かなダイ「えっ?」
先生「2人して、寝ぼけてるの?授業始まるんだからしっかりしなさい」
果南「え、えぇと……」 〜休み時間〜
果南「一体どうなってるの!?」
ダイヤ「落ち着いて下さい、果南さん」
果南「落ち着いてられるわけないでしょ!?」
ダイヤ「果南さん!!!」
果南「ご、ごめん……」
ダイヤ「……こちらこそ申し訳ありません」
果南「でも変だよ、先生は鞠莉なんてこのクラスには居ないって言うし」
ダイヤ「クラスメートの方に聞いても存じ上げない様子でした」
果南「この学校の理事長は誰と聞いても見たことないって言われたね……」
ダイヤ「一体何がどうなってるのやら……」
ピロン
ダイヤ「千歌さんから?」
千歌『今すぐ話したいことがあるので部室に来てくれますか?果南ちゃんも一緒に』
果南「これは……」
ダイヤ「千歌さんたちの方でも何かあったのでしょうか……」
果南「行こう、ダイヤ!」 ・部室
ガラッ
果南「千歌!」
千歌「果南ちゃん、ダイヤさんも」
ダイヤ「それで、お話とは何ですか?」
千歌「単刀直入に言うね、2人は……小原鞠莉ちゃんって知ってる?」
果南「千歌……もしかして」
ダイヤ「鞠莉さんのことで、千歌さんたちの方でも何かあったのですか?」
千歌「ってことは……2人は鞠莉ちゃんのこと覚えてるんだね」
果南「もちろん」
千歌「良かったぁ……」ヘナヘナ
ダイヤ「千歌さん!」
曜「千歌ちゃんずっと不安だったみたい、みんな鞠莉ちゃんのこと忘れちゃってると思って」
梨子「幼馴染の2人がちゃんと覚えてて安心したのね」
果南「……何があったの?」
千歌「うん……」 〜回想〜
・2年生の教室
千歌『ふんふーん♪』
むつ『何だか楽しそうだね』
千歌『うん!今日は鞠莉ちゃんの誕生日だからね〜』
曜『千歌ちゃんずっと張り切ってて』
梨子『そういう曜ちゃんこそ』
曜『うっ、梨子ちゃんだってそうでしょ!』
梨子『それは言わない約束よ!』
むつ『ふ〜ん。そのまりちゃんって人も嬉しいだろうねぇ』
ようりこ『……?』
千歌『何言ってるのむっちゃん。鞠莉ちゃんだよ?知らないわけないでしょ』
むつ『え、ごめん……。知らないや……』
ようちかりこ『えっ?』 千歌『いや、そんなわけないでしょ?Aqoursのメンバーで3年生で理事長やってて』
千歌『会ったこともあるよね!?』
むつ『ううん……』
千歌『ねぇ、からかってる?今日は鞠莉ちゃんの誕生日なんだよ……』
千歌『いくらなんでも、これ以上は許せないよ……』
むつ『うっ……ご、ごめん……』
千歌『……2人は?』
いつき『……ごめんなさい』
よしみ『……ごめんね』
千歌『嘘でしょ……どうなってるの……』 千歌「ってことがあって」
曜「他のクラスメートに聞いても同じような反応で……」
ダイヤ「千歌さんのクラスでもそうだったのですか……」
梨子「ダイヤさんたちのクラスでも?」
果南「先生も鞠莉のことは覚えてないみたいだった」
千歌「そんな……」
曜「1年生はどうなんだろ……」
ダイヤ「ルビィにそれとなく聞いてみるよう頼んでみますわ」
キーンコーンカーンコーン
果南「……とりあえず、次は放課後だね」
曜「こっちでも色々情報を集めてみるよ」
ダイヤ「えぇ。願わくは、放課後にはいつも通りになっていると良いのですが……」 〜放課後〜
・部室
ルビィ「ルビィたちの教室でも、鞠莉ちゃんのことはみんな知らなかったよ……」
ダイヤ「そうですか……」
善子「まさかそんなことになっていたなんて……」
花丸「善子ちゃん、また何かやったずら?」
善子「むしろ私がやらかしてた方が原因が分かってる分マシよ……」
花丸「だよね……」
曜「他のクラスの人とか先生にも手当り次第聞いてみたけど」
曜「誰も鞠莉ちゃんのことを覚えてなかったよ……」
千歌「それどころかね……怖かったけどみとねぇたちにも聞いたんだ」
千歌「そしたら、知らないって……」
梨子「千歌ちゃん……」 果南「……もう一つ、悪い情報があるんだ」
善子「悪い情報?」
ダイヤ「……鞠莉さんの携帯が、繋がらなくなりました」
曜「えぇっ!?」
果南「朝は出ないだけだったんだけどね」
ダイヤ「今は電話をかけても番号が使われていないと……」
花丸「そんな……」
梨子「まるで鞠莉ちゃんの存在が、この世界から消えてってるみたい……」
果南「そんなことない!」
ルビィ「果南ちゃん……」 果南「鞠莉はここに居たんだよ!」
果南「私たちと一緒に!だって!……あれ?」
ダイヤ「果南さん?」
果南「おかしい……何で!」
ダイヤ「果南さん、どうしたのです?」
果南「みんな……自分の携帯に保存されてる写真見てみてよ」
千歌「携帯の写真?」
果南「鞠莉が写ってる写真、何枚かあるよね」
梨子「うん。みんなで撮った写真とかもあるし」
曜「あ、あれ?」 千歌「うそ……なんで……」
花丸「鞠莉ちゃんが……どこにも写ってないずら!」
ダイヤ「そんな……こんなことって……」
果南「2人で撮った写真も、自分1人しか写ってない」
果南「9人で撮った写真も、鞠莉以外の8人しか写ってない」
ダイヤ「ラ、ライブの映像とか雑誌の写真もあるはずです!」
ルビィ「お、おねぇちゃん!」
ダイヤ「ルビィ?」
ルビィ「鞠莉ちゃん、ライブの映像にも居ないよぉ!」
ダイヤ「そ、そんな……!」
善子「Aqoursが紹介されてる雑誌にも、鞠莉の姿が無いわね……」
千歌「どうなってるの……」 ルビィ「このまま、ルビィたちも鞠莉ちゃんのこと忘れちゃうのかな」
梨子「……無いとも言い切れないわね」
千歌「嫌だよそんなの……」
ダイヤ「……どうしてこんなことになってるのか、皆目見当がつきませんが」
ダイヤ「今出来ることから始めていきましょうか」
千歌「今出来ること?」 ダイヤ「千歌さん、手の甲をこちらに向けて下さい」
千歌「こうですか?」
ダイヤ「ちょっと失礼」キュッキュッ
千歌「うひゃあ!何書いてるんですか!」
ダイヤ「鞠莉さんを忘れない為の、印です」
千歌「印って……☆?」
梨子「なるほど、確かにこれを見てれば忘れそうになっても思い出せるかも」
果南「ダイヤ、冴えてる〜」
ダイヤ「まぁ、出来ることと言ってもこれくらいですが」
千歌「じゃあみんなで描き合ってこう!」 果南「これで全員描き終わったね」
千歌「おぉ、何か壮観」
善子「くっくっくっ、まるでマリーを天界から呼び起こすための儀式ね」
花丸「勝手に天に送らないの」ズビシ
ルビィ「でも、これからどうしよう……」
曜「……あれ?」
梨子「どうしたの?曜ちゃん」
曜「ホワイトボードに……こんなのあったっけ?」
ダイヤ「Invitation……招待状ですわね」
果南「何か招待されてたっけ?」
ダイヤ「そんな覚えはありませんが……」
千歌「あ、何か裏に書いてある」 “痕跡を辿れ 記憶を辿れ”
“最初は太陽が訪れた星の住処”
千歌「……???」
ダイヤ「どういう意味なのでしょうか?」
果南「何かの暗号かな?」
花丸「こういうのは善子ちゃんが得意そうずら」
善子「えぇ!?急に振られても困るわよ!」
曜「う〜ん、星って言ったらちょうど今私たちの手の甲にあるよね」
梨子「そういえばそうね。もしかして、星って鞠莉ちゃんのこと?」
ダイヤ「なるほど。それは合点がいきますわね」
ルビィ「じゃあ太陽は?」
果南「太陽と言ったら千歌の自己紹介を思い出すね」
曜「確かに!」
花丸「じゃあ太陽は千歌ちゃんずらね」
千歌「そんなあっさりで良いの!?」 ダイヤ「つまり2行目は千歌さんが訪れた鞠莉さんの住処、という意味でしょうか」
梨子「住処ってことは鞠莉ちゃんのお家?」
曜「意味合い的に千歌ちゃんだけが行ったってことなのかな」
千歌「え〜でも、鞠莉ちゃんの家に1人で遊びに行ってないけどなぁ」
善子「そこが1行目に関わってくるんじゃない?」
花丸「痕跡を辿れ、記憶を辿れ」
果南「千歌、最後に千歌が鞠莉と2人で会った場所ってどこ?」
千歌「う〜ん……あっ!」
果南「思い出した?」
千歌「理事長室!」 ・理事長室
果南「まさかここに鞠莉が隠れてるってことないよね」
ダイヤ「むしろそっちの方が良いですわ」
コンコン
ダイヤ「……反応がありませんね」
千歌「入ってみよう!」
ガチャ
千歌「失礼しまーす」
曜「誰も居ないね」
ルビィ「あ、机の上に何かあるよ!」
ダイヤ「みかん色の紙袋に……また招待状ですか」
果南「さっきの招待状の内容的にもこの紙袋は千歌宛てってこと?」
千歌「開けてみるね」ガサゴソ
善子「何が入ってたの?」
千歌「ノートだ……」
善子「何でまたノートなんか」
千歌「そういえば、あの時鞠莉ちゃんと……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています