船長曜「暑くなってきたね〜」海未「ということは……ゴクリ」善子「水着の季節よッ!」かすみ「いや気が早すぎでしょ」8航海目
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三童貞(ようよしうみ)とかすみんが繰り広げる、船上生活8航海目!
https://i.imgur.com/gqeH2Rp.jpg
【前スレ】
船長曜「桜が散ったね」海未「私達の童貞は」善子「いつ散るのかしら…」かすみ「かすみんにおまかせです♡」 7航海目
http://itest.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1586743011/
こーゆースレほんとうに見てて哀れだからやめて欲しい
誰も見てないのに自分たちだけでやるならチーム作ってそっちでやれよ
邪魔 乙!
感謝です☺ 思えばイラストも豊富になりましたね。 乙!
このスレも長いねえ
いつも楽しく読んでるよ! >>27
見てるのか見てないのかどっちだよw
そんなに寂しいなら素直になれよ もも、そろそろ曜ちゃんとかさねちゃんの続きが読みたい.... 乙乙
こっちにも載せとく
https://i.imgur.com/3tzGclK.jpg
他のニジガクメンバーはどんな衣装を着てるんだろう? >>38
好き😘
中川巡査長さん見てみたいな…おねがぁい♡ >>39
ss書いてくれたら描いてあげてもいいかな〜
それはそれとして、こういうデザインにして欲しいとかありますか?イギリスの近衛兵風だったり、イタリアの国家憲兵隊みたいのだったり
正直警察の階級ってよくわからないのですが、なんとなく栞子はナチス的なデザインしてそうだなって思ってます 国家憲兵隊はちょっとかっこよすぎない?w
個人的なイメージだとこんな感じの服装で下は膝丈ぐらいのスカートとか?
機動隊はズボン+ボディアーマーみたいな
https://i.imgur.com/XM54zNA.jpg 栞子は警察の偉いさんなので黒スーツのイメージ(踊る大捜査線脳) ビシッとした格好をイメージしてる人が多くて困惑
いかにも二次元チックなミニスカポリスを妄想してた俺がバカみたいじゃないですか!!!!!
↓クソデカボイス中川巡査
https://i.imgur.com/u9npKk1.jpg >>44
|c||^.- ^|| ……
|c||;´.o `|| ……
|c||;´.o `|| ……うっ
|c|;|^.- ^|| ふぅ……
|c||^.- ^|| いい着こなしですわね おほーっ!!!!ありがとうございます!!!
このはんぺんは名誉練りもの☺ 千歌?「ねえ、もっと顔を見せて....」壁ドン
梨子「む、無理そんなの....」
千歌?「そうは言っても、逃げたりしないんだね」
千歌?「もっと素直になってもいいんだよ?
梨子「私の気持ちに....素直に?」
千歌?「そう、顔をこっちに見せて」顎クイ
梨子「はわ!はわわわわわ!!」
リリリリリリ!!!
目覚まし時計「リリリリリリ!!!」
梨子「<●> <●>」
目覚まし時計「リリリリリリ!!」
梨子「......」
梨子「いいところだったのに!!この!この!」ガチョン
目覚まし時計「」死ーん こんにちは、桜内梨子です。
ヨーソロー船で少しお世話になった後、私はまた千歌ちゃんのお家の旅館に居候させてもらってます。
ただで居候させてもらうわけにはいかないので、もちろん働きますよ?食事の配給に掃除に演奏と、それは多岐にわたります。
梨子「おはようございます...」ふわぁ
美渡「梨子ちゃん、おはよう」
梨子「あれ?千歌ちゃんは...?」
美渡「あいつ、まだ寝てるみたいなんだ。ちょっと起こしてやって来てくんないかな?」
梨子「えぇ、いいですけど....」 梨子「千歌ちゃん?起きてる?」コンコン
梨子「入るよ〜」ガチャ
千歌「ムニャムニャ....曜ちゃん、今日こそは観念してね.....」
梨子(幸せそうな顔してるわね...)
梨子「千歌ちゃん!起きて!起きて!仕事だよ!」ユサユサ
千歌「曜ちゃん...もうそんな所触らないでよぉ〜」
梨子「....」カチン
梨子「起きろー!!」
千歌「!?!?!!!!!!」
梨子「千歌ちゃん、ようやく起きてくれた」
千歌「ほへ?梨子、ちゃん?」
梨子「千歌ちゃん、もう朝の仕事の時間だよ?」
千歌「え?ってああああーーーー!!」
千歌「やばい!このままじゃまた美渡ねぇにゲンコツ貰っちゃう!!」
梨子「はぁ〜、とりあえず朝ごはんできてるから早くきてね」 とまあ、こんな感じで朝は始まります。
私たちは、旅館の配給、洗濯、掃除などをしないといけません。
板前「梨子ちゃーん!こっちのご飯前に出しといて。終わったらトレー下げといてね!」
梨子「はい!」
千歌「梨子ちゃん、トレー運ぶ台車出しといたからこれ使って!あと三番テーブルに布巾忘れないでね!」
梨子「ええ!」
朝あんなに寝ぼけてた千歌ちゃんも、仕事になれば人が入れ替わったように良く働きます。
こればっかりは千歌ちゃんに敵わない。やっぱり、小さい頃からお仕事を叩き込まれてるからかな?
朝のラッシュが終わったら、今度はお風呂の掃除。
千歌「みて〜、洗剤全部入れたの〜」アワアワ
梨子「うわぁ!!モコモコじゃない!!って泡がこっちまで攻めてきて...きゃあ!!」
ブクブクブク...... 梨子「はぁ....さっきは酷い目にあった...」
千歌「あはは、梨子ちゃんごめんごめん」
梨子「ごめんじゃないわよ。私まで美渡さんに怒られたんだから....」
梨子「はぁ....」
千歌「ため息すると幸せ逃げるよ?」
梨子「誰のせいでこんなんになったと思ってるの?」ウガー
千歌「うわぁ!梨子ちゃんが怒った!」
千歌「逃げろ〜」スタコラサッサ
梨子「はぁ....」 この後、少し休憩の時間と、ロビーのピアノの調節の時間を貰います。普通の従業員よりちょっとだけ長めの休憩なのは、私が新人だからなのかもしれません。
梨子「よし、今日は湿度が少し多いからネジを緩めて....」ポーンポーン
梨子「いい音ね....」
お客さんが帰ってくるこの時間、私はロビーでピアノの演奏をします。
リクエストされた曲や、即興で弾いたり、お客さんと一緒に歌ったり、時々ジャズクラブの人と演奏したり。
こうしていると、楽団のみんなと一緒だった頃を思い出します。悲しいことが沢山あったけど、みんなと一緒に音楽を楽しむたび、傷が癒えていくような、そんな気がするのです。 梨子「♪〜♬〜」
梨子「♬〜♪〜♩」
お客さん「パチパチ👏」
一曲引き終わった後、玄関に誰かが入って来ました。
梨子(こんな時間にお客さん?誰だろう)
千歌「〜!!〜〜!」
梨子(千歌ちゃんの声がする)
曜「こんばんは梨子ちゃん」
梨子「曜ちゃん?」
曜「ちょうど戻って来た所だから、寄ってみたの」
曜「泊まりはしないけど、顔見せに来たんだ」
梨子「そうなんだ...」 そのまま曲を弾き続けましたが、なんだかソワソワします。
千歌ちゃんが曜ちゃんに笑顔を向けているのを見るたび、なぜか心がチクチクするのです。
千歌「ねぇねぇ梨子ちゃん、この曲弾いてくれる?」
千歌「一緒に歌おう?」
梨子「ええ、いいわよ」
梨子「えーっと、この曲は楽譜が必要ね....確かこっちに」
曜「これ?」
梨子「そうそう、ありがとう」
曲を弾いて、歌いました。千歌ちゃんの笑顔に、ちょっぴり涙が出そうになったけど、そこはなんとか堪えました。 曜「それじゃあまたね。今日はありがとう」
千歌「えー、もう行っちゃうの?もっとゆっくりしててもいいのに」
曜「明日も航海あるからさ、また寄ったらくるから!絶対だよ」
千歌「じゃあね....」
曜「梨子ちゃんも、じゃあね」フリフリ
梨子「.....」
梨子「あの!曜ちゃん!」
曜「?」
梨子「負けないから!!」
梨子「絶対に、楽団も、千歌ちゃんも、負けないから!!」
曜「....」
曜「....うん、私も負けない!」
そのまま曜ちゃんは船に帰って行きました。
私は今日の出来事を日記に記し、眠りに着きます。今日はちょっと恥ずかしい事言っちゃったなぁ.... おしまい
前スレの一つ消化
なぜかBBCから連続コピペができない...ぐぬぬ、これはどうなっているのだ...? 乙! ありがとうね!
曜ちゃん(と夢の千歌ちゃん)にははわわ梨子だけど、千歌ちゃんにはアニメ梨子ちゃんなのいいね☺ ありがとう……
梨子ちゃん書いてくれてありがとう……🙏
友情ヨーソローならぬ友情レーザービーム?
(友情なのか、はたまた恋愛なのか)
ちかりこもようちかもようりこも好きだぞ!! 曜「♪」ゴソゴソ
かすみ「むぅ、なにやら楽しげに連絡箱チェックしてます……」
曜「え? そ、そんなことないけど〜?」
曜「善子ちゃんのあった! お? こっちは海未ちゃんかぁ〜」
かすみ「もしかして! ファンレターですか!? もう! 一番のファンならここにいますのに──」
曜「あはは、ファンレターじゃないよ」ゴソゴソ
曜「お、私のみっけ」
曜「これ!」つ✉
かすみ「これは…曜さんのお母さ──お義母さんからですかぁ??」
曜「……「お母さん」ね」 曜「そう。この前の母の日のプレゼントのお返事。どうだったかな〜♪」ペラッ
かすみ「お母さんから……」ボソッ
曜「……!」
××××
かすみ「な、なんですか…急に呼び出して…」キョロキョロ
かすみ「しかもなんか暗いし……」
かすみ(これはまさか……くふふ…♡)
パチッ💡
かすみ「あ! みなさん……!?」 エプロン姿の曜「えへ、かすみちゃん…///」
エプロン姿の海未「来てくれたんですね…///」
かすみ「え? な、なんですか!? その、格好」
エプロン姿の善子「フッフッフッ……見てわからないかしら?」
三ママ「「「私たちがかすみ(ん)(ちゃん)のママになったのよ♡♡」」」
かすみ「ええっ〜〜〜!?///」 海未「ほ、ほら。よしよ〜し♡」ギュッ
かすみ「わぷっ/// よ、曜さん!?」
海未「かすみはいつも頑張ってて偉いですね〜〜♡ よ〜しよし………」ナデナデ
かすみ「あっ♡ 海未さんの包容力好きぃ…♡」
海未「う、海未さんじゃなくて「お母様」でしょ?」
かすみ「じゃなくて!!」
善子「かすみん? あなたのママの味、堕天使の泪よ」つ
かすみ「堕天使の泪なんて善子さんしか作りませんっ!」キッ
善子「だからママの味だって……。はい、あ〜ん♡」
かすみ「な、何をしっ──んんんっ!?!?」ボッ🔥
かすみ「み、水!! 水〜〜!!」ジタバタ 曜「はい、かすみちゃん♡」つ🥤
かすみ「はひっ、ありがとうございますぅ……」ゴクゴク
======
かすみ「はぁぁぁ……落ち着きました……」
かすみ「もう! なんなんですか!? 突然!」キッ
三童貞「……」シュン
かすみ「なんとかいってください!」
曜「……かすみちゃん、今年の母の日になにもできなかったでしょ? だから私たちが代わりにママになろうとして……」
海未「そうなんです。ですが事前に説明するべきだったかもしれませんね……」
善子「かすみんに喜んでほしかったのよ」
かすみ「そんな……みなさん……」 かすみ「ありがとうございます。でも、かすみんのママは1人だけで十分です」
かすみ「今は行方不明ですが、きっと会えるって信じてますもん」ニコッ
海未「……強い子ですね。かすみは」ギュッ
かすみ「海未さん!?///」
かすみ「そ、それに皆さんはママって感じしませんし……」
三童貞「!?」ガビーン
善子「どういう意味よ!」
かすみ「……かすみんは皆さんのお嫁さんですもん…///」ポッ
三童貞「あっ…♡」キューン…♡ 曜「そっかぁ…///」ギュッ
かすみ「んんっ///」
善子「可愛いこと言ってくれるわね」ギュッ
かすみ「皆さん…///」
海未「でも今夜は──甘えてもいいんですよ」ボソッ
かすみ「あっ♡ あっ…!♡」ドキドキ
キャッ…♡キャッ……♡ウフフ…♡
───────
────
── ≪かすみの部屋》
かすみ「っって!! なんで何にもないんですかぁぁぁ!!」ジタバタ
かすみ「明らかに結ばれるパターンでしたよね、これぇ!!」
かすみ「……はぁ……いつになったらプロポーズしてくれるんでしょうか……」
かすみ「でも、うふふ…/// かすみん、皆さんに大切にされてるなぁ〜」三人の寝そべりギュッ♡
=====
曜「フッ…フッ…/// かすみちゃん、柔らかかったなぁ…///」シコシコ
海未「慎ましい胸も悪くな……うっ♡」シコシコ
善子「ロリの匂いに……ふぅふぅ……メスみんの匂いが混じって……///」シコシコ
ビュッ…ビュッ…♡ おしまい!!!!
エンジン(が)満タン♡シップライフ
4人に行く末はどっちだ──♡ 別の人がミニスカポリスを描いてくださいましたが、一応描いていたのでこっちも投稿
礼服着てピシッとしてる菜々ちゃん可愛い
https://i.imgur.com/b58CmED.jpg >>76
|c||^.- ^|| おほーっ♡こちらの菜々さんもいいお嫁さんになりそうですわね >>76
これはかっこかわいい
>>44の夏服、>>76の冬服って感じで使い分けられそうなのがいいね >>76
ありがとうございます!!!!
こっちも可愛くて好きです…可愛いね♡ 久しぶりに初期みたいなちょっとツンケンした三童貞とかすみん見てみたい…見たくない? おぉ〜こちらの菜々さんはちゃんと警察官っぽい!!
>>44はね……ぶっちゃけコスプレチックに描いてしまったんですよね……
三卿のやつツバサと英玲奈はそれっぽい
あんじゅは闇魔法イメージ 何度も中川巡査(長)って聞いてたら別のキャラが思い浮かぶんだが 優木あんじゅとせつ菜で同じ優木姓として何らかの接点とか持てないかな?
例えば中川菜々/優木せつ菜が別の名前を名乗っている原因に優木あんじゅが何らかの形で絡んでいて、栞子を含めたニジガサキ勢とは別系統の縁/因縁がある…みたいな >>82
もう書く人が完全に固定してしまってるから新たに誰かが書くしかない >>85
強力な魔法が使えるのは優木あんじゅの血縁者だから…?
幼いころ優木あんじゅ血縁者の母親と離ればなれに。「優木○○○」という紙を握った赤ん坊の菜々ちゃんはその後ニジガサキの中川家に拾われる……(孫悟空とカカロットのような関係)
今、優木姓を名乗っているのは中川母に教えられたからである。
しかし、育ててくれた恩もあり、中川菜々を本名にすることを決めた菜々ちゃん。
その後、両親と離ればなれになり、修道院に入る
みたいな? 【ヌマヅ・資産家の屋敷】
──Side D
ダイヤ「ここが犯行予告のあったお屋敷ですか」
機動隊員「はい。こちらのお屋敷にある名画を頂戴すると、怪盗せつ菜からの予告状が届いていました」
ダイヤ「ふむ……立派なお屋敷ですわね。わたくしの実家も名のある家なのですが、遠く及ばないほどの大きなお屋敷ですわ」
「おほほほ……それほどでもありませんことよ」
ダイヤ「あなたがこのお屋敷のご主人ですか? 」
美術商「ええ。美術商の名栗蹴子と申します」
ダイヤ「ご丁寧にありがとうございます」
ダイヤ「名乗るのが遅くなってしまい申し訳ございません。わたくしは、ヌマヅ公安部所属の警視正、黒澤ダイヤと申します」ビシッ
「あなたが私の大切な名画を守ってくださるのですね?」
ダイヤ「そのために参上致しました。ご安心を、我々警察は善良な市民の味方です」
美術商「まあ、お頼もしいこと……。それではよろしくお願いしますね」
顔に傷のあるメイド「…………」
ダイヤ「そちらの方は?」
美術商「ほら、お前も挨拶するのです!」
メイド「ひっ……! よ、よろしくお願いします……」
ダイヤ「……おまかせください」 機動隊員「奴隷、でしょうか」
ダイヤ「見るからにそうですわね。それにあの顔の傷と怯えよう……」
ダイヤ「おそらく彼女は虐待されている、と見るべきですわね」
機動隊員「……どうしますか? 警視正」
ダイヤ「どうします、とは?」
機動隊員「あのような年端もいかない少女が虐待されているなど……私には耐えられません」
ダイヤ「あなたはもう少し現実を見るべきですわね。虐待されていたとしても奴隷は奴隷」
ダイヤ「彼女が奴隷である限り、名栗氏の『所有物』でしかないのです」
機動隊員「ですが黒澤警視正! あなたは奴隷制度に疑問を持っていたはずでは?」
機動隊員「……はっ!?」
ダイヤ「…………」プルプル
機動隊員「……出過ぎた真似をしてしまい申し訳ありません。機動隊一同、持ち場に就いて参ります」 ダイヤ「さて、抑えるべきは侵入経路ですわね。やはりここは二階から抑えるのが鉄板」
ダイヤ「今回はわたくし自ら選出した機動隊の精鋭ばかり。入れ替わりなども無いよう合言葉も決めておきました」
ダイヤ「配置も迅速に終えたことですし、侵入はまだであると考えるべきでしょう」
ダイヤ「……人が入れるような大きさの窓があるのはこの部屋のみ、ですか」
ダイヤ「この部屋で身を隠して待っておきましょう」
ダイヤ「今までの渡り合いであなたの思想や目的などは全て見させていただきました」
ダイヤ「ですので……今日は本気の本気。一対一の直接対決に持ち込まさせてもらいます」
ダイヤ「さあ、優木せつ菜……いつでもかかっていらっしゃい!」
ダイヤ「うふふふふ……」
メイド「(あの人、カーテンに隠れながらブツブツ言ってる……)」
ダイヤ「……そこのメイドさん」
メイド「は、はいっ!?」
ダイヤ「ここは戦場になるかもしれません。ご主人と共に、警察に従って別の場所に避難していなさい」
メイド「は、はい……わかりました」 ──Side N
ヒュンッ
せつ菜「少しかすみさんと話しすぎましたか……ずいぶん遅くなってしまいましたね」
せつ菜「今回が最後になる……かどうかはわからないけど、ダイヤ先輩に話す前の最後のお仕事……」
せつ菜「絶対に成功させてみせます! 今回はダイヤ先輩も果南さんも非番ですし、きっと大丈夫なはず!」
スタッ
せつ菜「さて、まずは聞き耳を……せつ菜・サウザンドイヤー!」
キィィィィィン
せつ菜「……やっぱり。もう配置に着かれてる……」
せつ菜「どうしよう……このパターンじゃ変装して紛れ込めないし……」
せつ菜「だからと言って決行しないのは私の主義に反します!」
せつ菜「こうなったらあまり気は進まないけど、あの窓から入るしか……」
せつ菜「仕方ありません! せつ菜・フックショット!」パシュッ
ピタッ
せつ菜「からの……せつ菜・とりもちショット!」パシュッ
ベタァ
せつ菜「これで安心安全に窓を壊せます!」 せつ菜「せつ菜・スカーレットエッジ!」シャキン
せつ菜「……というただのガラス用サークルカッターですけどね。覚えてよかった転送魔法!」
ギィィィィィィ
せつ菜「ううっ、最小限に抑えてるけどなんて嫌な音……! 防御力ががくっと下がっちゃいそうです……!」
パカッ
せつ菜「開きました! これをとりもちで安全に外して……せーのっ!!」
キュポンッ
せつ菜「よしっ!! これであとはくぐり抜けるだけです! そーっと、そーっと……」
せつ菜「あわわわ……! も、持つところがありません! このままじゃコケ……きゃあっ!?」
ドシーン
せつ菜「あいたたた……な、なんとか侵入には成功しました……。これであとは時間まで身を隠して……」
「そこまでですわ!!」
せつ菜「!! そ、その声は……!!」 ダイヤ「三流の泥棒のように窓を壊して侵入してきたかと思えば、いきなり転倒して下着を見せ付けるとは……」
ダイヤ「卑怯なり優木せつ菜!! それがあなたのやり方なのですか!?」ギンギン
せつ菜「!? み、見せ付けているわけじゃありません!!///」バッ
ダイヤ「それもまるで小中学生が履くような薄いピンクの綿パンツなど……それがあなたの勝負下着とでも?」
ダイヤ「うふふ……お可愛いこと……」ギンギン
せつ菜「ち、違います!! 私の勝負下着は先輩と同じの赤いレースの……」
せつ菜「って、何を言わせるんですか!! 黒澤警視……いえ、黒澤警視正! いきなりセクハラなんて、あなたはそれでも警察なのですか!?」
ダイヤ「悪党に言われたくはありませんが」キッパリ
ダイヤ「さて、それはともかく、わたくしはあなたと漫才をしにここに来たのではありません」
せつ菜「私は会いたくなかったですね……調べによるとあなたは非番の日だったはずですけど」
ダイヤ「怪盗せつ菜あるところに黒澤ダイヤあり。あなたの愚行を止めることがわたくしの役目ですわ」 せつ菜「それはそれは……まるで恋する乙女のようですね」
ダイヤ「また安っぽい挑発を。あなた、あまり舌戦には慣れていませんわね?」
せつ菜「口ではなくパフォーマンスで魅せてこそのエンターテイメントですので!」
ダイヤ「弁が立つ方が色々と役に立つのですが。それにわたくしはもう、心に決めた方がいらっしゃるので」
せつ菜「えっ」
ダイヤ「何なら乙女でもありませんしね」
せつ菜「えっ……ど、どういう……」
ダイヤ「隙あり!!」
ヒュンッ
せつ菜「なっ……ひ、卑怯ですよ!!」
ダイヤ「ですから悪党にだけは言われたくはありません!」
ダイヤ「それに、今夜のわたくしは……」
ダイヤ「本気、ですわよ?」スッ せつ菜「…………!!」
せつ菜「(言葉を発さなくてもわかる。いつもとはまるで違う……一切の甘さを捨てた構え……!)」
せつ菜「(今までは本気で私とぶつかってくれなかったんですか? ダイヤ先輩……)」
せつ菜「どうやらハッタリじゃなさそうですね」ゴクリ
ダイヤ「今までは、あなたのやり方や人格などを見極めるための準備運動……」
ダイヤ「奴隷を解放するために動いているのであれば、本当の悪人では無いのではないかと」
ダイヤ「ですが、こちらも事情が少々変わったのですわ。ですから今夜……」
ダイヤ「今夜、あなたを捕らえてわたくしのモノにしてあげますわ。怪盗せつ菜……!」スウッ
せつ菜「(はいっ!! 喜んでっ!!♡♡♡)」
せつ菜「(って言って胸に飛び込みたい……!! それぐらい今の先輩はかっこいいっ♡♡♡)」
ダイヤ「発ッ!!」ブンッ
ビュンッ
せつ菜「……えっ?」パンチラッ
せつ菜「きゃあっ!?///」バッ
ダイヤ「言ったでしょう? 今夜は本気だと」
せつ菜「(拳を前に突き出しただけでこの風圧!? あれに直接当たったりしたら……!)」ゾクッ
ダイヤ「あなたは今まで、怪我人を一切出さずに怪盗をやってきましたわね」
ダイヤ「ですが今ので力量はわかったでしょう。今夜はわたくしを殺すつもりで来なさい」
ダイヤ「わたくしの方は命までは奪いませんが、行動不能程度にはさせてもらいますので」 せつ菜「……恐ろしい腕をお持ちですね。ですが、距離を取ってしまえば!」
せつ菜「せつ菜・スカーレットストーム!!」ブワッ
シュルルルルル
ダイヤ「無数のリボンで相手を拘束する魔法、でしたか」
ダイヤ「……舐めているのですか? そのような一度見た手など」
シャキンッ
パラパラパラ……
ダイヤ「本気の黒澤の前には通用しません」
せつ菜「ええぇ!? 十手って切断とか出来る道具でしたっけ!?」 せつ菜「そもそも黒澤家って何なんですか!? 何でそんなに強いんですか!?」
ダイヤ「黒澤家の歴史に興味を持ったのですか!?」パァァ
せつ菜「(あっ、嬉しそう……なんて尊い笑顔……♡)」
ダイヤ「では簡単に教えてあげましょう。黒澤家とはこのヌマヅを古来より悪から守ってきた家系です」
ダイヤ「オトノキの園田家とは対をなす存在。とはいえ、武力では向こうの方が遥かに上なのですが」
ダイヤ「侵略に加担せず、ただ国を守る存在。公安部に所属したのもいわばお務めですわね」
せつ菜「(予想以上に喋ってくれてる……すっごく興味あるけど今のうちに……!)」
ダイヤ「わたくしはそこの長女として生まれましたが、魔法の才能は無く、妹のルビィの方が魔術において優れていました」
ダイヤ「ですが、そんな落ちこぼれ魔術師が何故黒澤家のお務めを継いだのか? それは──」
せつ菜「今です!! せつ菜・フローズンウィンド!!」
パキパキパキ……ゴォォォォォ!!
シュウウウウ……
せつ菜「はぁ、はぁ……少し喋りすぎましたね! 黒澤警視正……!!」
ビキィッ! ガラガラガラガラ……
せつ菜「!?」
ダイヤ「それは──わたくしの方が圧倒的に武力に優れているからです」
せつ菜「(か……勝てない……!! 多分、私が二人いたとしても……!!)」 ダイヤ「今の一撃はなかなかでしたわね。初めて本気で敵意を持った一撃……」
ダイヤ「惜しいですわね。泥棒の技術などを磨かず、悪を制圧するための武を磨いてさえいれば……」
せつ菜「泥棒ではありません!! 怪盗です!!」
せつ菜「せつ菜・スカーレットエッジ(真)!!」
ブゥン……
ダイヤ「赤い魔術刀ですか。しかしそれでは完全に悪の手先のようですわね」
せつ菜「くっ……かっこいいじゃないですか!! ゴクウブラック!!」ブンッ
キィン!
ダイヤ「あのようなナルシストよりも、わたくしはクリリンの方が格好いいと思いますが」ヒュッ
キィン!
せつ菜「(十手で捌いて拳で反撃!? くっ! 捌ききっても重い!!)」
せつ菜「クリリンは弱いじゃないですか!!」ブンッ
キィン!
ダイヤ「お子様ですわね。家族のために戦い、警察官として身を呈して市民を守る……」
ダイヤ「同じ警察官として、尊敬に値する人物ですわ!!」ヒュッ
せつ菜「きゃっ!?」
ビリィッ ダイヤ「掠りましたわね。この程度のスピードについてこれないなど……」
せつ菜「くっ……!」プルルンッ♡
ダイヤ「デッッッッ!! な、なんて生意気な胸をしているんですの!?」ギンギン
せつ菜「(!! よくわからないけど先輩にスキが出来た!!)」
せつ菜「スキありっ!!」ブンッ
ダイヤ「くっ!」ヒョイッ!
せつ菜「はっ! はあっ! たあーーーっ!!」プルンッ♡ プルルンッ♡
ダイヤ「くっ……こ、このっ……!」ガシッ
グイッ
せつ菜「きゃあっ!?」
ドンッ
ダイヤ「いいかげんに……前を隠しなさい!! この破廉恥娘!!」
せつ菜「(か……壁ドン〜〜〜〜っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡)」 ダイヤ「聞こえているのですか!? 前を隠しなさいと言っているのです!!」
せつ菜「はぅ……♡ ……えっ? 前?」チラッ
ポヨヨンッ♡
せつ菜「きゃあああああっ!?」ドンッ
ダイヤ「あいたっ!?」
ガシャアアアン
せつ菜「え、えっと……とりあえずこのバラのコサージュを……!」ササッ
ダイヤ「や、やってくれましたわね……視覚で攻撃するなど……」
ガコンッ
ダイヤ「……? 何ですの? 今の音は……」
せつ菜「せん……黒澤警視正! 後ろ! 後ろです!!」
ゴゴゴゴゴ……
ダイヤ「はっ、そんな初歩的な手には乗りませんわよ!」
せつ菜「違います! この音が聞こえないんですか!?」
ダイヤ「えっ?」クルッ
ダイヤ「こ、これは……!」 せつ菜「隠し部屋、ですね……何というロマン!!」キラキラ
ダイヤ「ふむ……金庫が数個……」
ダイヤ「あなた、泥棒としてこれをどう思いますか?」
せつ菜「ですから怪盗ですっ!! でもこれは私が判断するまでもなく……」
ダイヤ「所得隠し、ですわよね」
せつ菜「私が狙っていた名画は財産のほんの一部に過ぎない……ということですね」
ダイヤ「……なるほど。事情が変わりましたわ。怪盗せつ菜、一時休戦です」
せつ菜「えっ!? いいんですか!?」
ダイヤ「何を喜んでいますの?」
せつ菜「いえ……正直な話、刺し違える覚悟でかかったとしても到底勝てないレベルでしたので……」
せつ菜「4クールのアニメなら、40話ぐらいでありそうな負けイベントのような強さでした……完敗です」
ダイヤ「それは絶賛されているということで良いのでしょうか……?」
せつ菜「仮面ライダーなら中間フォームがボコボコにされて最終フォーム覚醒のきっかけになる負けイベントのような強さ、って言った方がわかりやすかったですか?」
せつ菜「ちなみに私の強さは2クール目に入った段階の主人公ぐらいだとして、の話です!」
ダイヤ「どちらにしろわかりにくいですわ! とにかく……」
ダイヤ「今夜の仕事は、怪盗の逮捕ではなく脱税の容疑者を逮捕する方向に変わりそうですわね」 ──Side D
ダイヤ「これほどの資産があるのに、どうして脱税などくだらないことをするのでしょうか。恵まれない子供たちに少しでも分けてあげれば……」
せつ菜「……そうですね。児童養護施設にでも寄付をすれば、子供たちも少しは楽になるというのに……」
ダイヤ「(俯いていますね……児童養護施設と縁でもあるのでしょうか?)」
ダイヤ「ざっと見ただけで数億円はくだらないですわね。これほどの額、懲役は確実ですわ」
せつ菜「あの〜、持ち主が逮捕されるとわかったことですし、少しぐらい頂いても……」
ダイヤ「許されるわけがないでしょう? それにあなたとは後で話があります。おとなしくわたくしの近くにいなさい」
せつ菜「話、ですか? ……奇遇ですね。私からもあなたに話があったんです!」
ダイヤ「はぁ……どうせまともなことではありませんわね。悪党の言うことですもの」
せつ菜「そうですね……きっと驚くと思います。いえ、もしかしたらもう知っている可能性も……」
ダイヤ「(知っている? 何をですか? この者はいったい……)」 ダイヤ「……時に怪盗せつ菜。あなたは確か、奴隷解放のために動いているのでしたね?」
せつ菜「怪盗稼業でお金を稼ぐなという批判ですか?」
ダイヤ「そのことについては今は不問にしておきましょう。今夜、あなたの力が必要になるかもしれませんし」
せつ菜「私の力が?」
ダイヤ「ええ。奴隷制度に疑問を持っているのはわたくしも同じです。そして、今日この場所で苦しんでいる奴隷がいる……」
せつ菜「!! どこのどなたですか!?」
ダイヤ「この屋敷のメイドです。彼女の顔には虐待の痕と見られる傷がありました」
せつ菜「お金で人の人生を買ったあげくに虐待なんて……許せません!!」ギリッ
ダイヤ「ですから、物を盗むのではなく別の手段で奴隷を救うのです。悪党から足を洗うチャンスですよ?」
せつ菜「……奴隷を救う手段は問わないのでそれは構いませんが……どのみち逮捕されるのなら大丈夫じゃないですか?」
ダイヤ「こういった手合いは醜く足掻くものです。わたくしに案があります」 【十数分後 犯行時刻数分前】
美術商「どういうことですか? 犯行予告の時間までまだ少しありますが……」
ダイヤ「結論から言いましょう。今夜、怪盗せつ菜は現れません」
美術商「何故そう言えるのです?」
ダイヤ「見回りの最中に侵入途中の怪盗せつ菜と接触し、彼女を捕らえることに成功しました」
メイド「……!」
ざわざわ……
機動隊員「警視正、それではついに……」
ダイヤ「お黙りなさい。わたくしはこの方と話しているのです」
美術商「なんと! ならば私たち貴族はこれから怪盗の驚異に怯えなくても良いのですね!」
美術商「ところで彼女の身柄はどこにあるのでしょう?」
ダイヤ「彼女の身柄よりも先に明らかにしたいことがあります。名栗蹴子さん。あなたは所得隠しをしていますね?」
美術商「……何のことでしょうか? そのような証拠がどこに?」
ダイヤ「二階の窓のある部屋の、棚の裏側に隠されたスイッチ……」
美術商「!?」 ダイヤ「そしてそれを押した先にある、隠し金庫の数々」
ダイヤ「これまでの職務経験でわかります。あれほどの数だと数億円は間違いありませんわね?」
美術商「っ……」
ダイヤ「そのような額の所得隠し、これはもはや懲役は免れないとうことです」
ダイヤ「機動隊! 彼女を捕らえなさい!!」
機動隊『はっ!! 』
美術商「ふん! 捕まるものですか!!」グイッ
メイド「きゃあっ!?」
機動隊『!!』
美術商「近付けばこいつの首をへし折るわよ! 警察たる者、人殺しは見過ごせないわよねぇ?」
機動隊員「卑怯な……」
ダイヤ「やはり外道ですか……思った通りですわね」
メイド「た、たす……け……」
美術商「黙りなさい!!」ギュウウウ
メイド「ぐっ……かはっ……!」 美術商「こいつの命が惜しければ道を開けなさい! 私はこんなところで捕まらないわよ!!」
ダイヤ「……名栗さん。あなたは馬鹿ですか?」
美術商「はぁ!?」
ダイヤ「そのメイドはあなたの奴隷でしょう? 奴隷は法律ではモノ扱い。あなたがそのメイド一人殺したところで、自分の物を壊したというだけ」
機動隊員「黒澤警視正、あなたという人は……!」
ダイヤ「さあ、どうしますか?」ニヤリ
美術商「くぅっ…………いえ、あったわ。切り抜ける方法が」
ダイヤ「ほう?」
美術商「もうこんな奴はいらない! この奴隷の所有権を放棄します!!」
ダイヤ「奴隷の所有権の放棄……それはつまり、そのメイドは今この瞬間から【人間】であるということ」
ダイヤ「本当に、よろしいのですか? 罪が重くなりますわよ」
美術「この場を切り抜けられればどうとでも! さあ、改めてこのメイドの命が惜しければ……」
ダイヤ「終わりですわよ、あなた」パチンッ
「せつ菜・とりもちショット!!」 パシュッ↓
メイド「えっ?」
ベタッ
メイド「や、やだ……なにこれ!?」
「せつ菜・アトラクトリモチ!!」
グイッ↑
メイド「えっ? えっ!? いやーーーっ!!」
ガシィッ
せつ菜「黒澤警視正! 人質確保しました!!」ビシッ
美術商「なっ……!」
機動隊員「怪盗せつ菜!?」
ダイヤ「上等ですわ!!」ヒュンッ
せつ菜「なんて速い……もう懐にっ!」
ダイヤ「括ッ!!」
ガコッ!
美術商「がっ!?」
バタンッ
ダイヤ「どうです? 黒澤流の掌底は。飛べるような気分になれるでしょう?」
美術商「」
ダイヤ「ああ、もう聞いていませんでしたか」 カチャッ
ダイヤ「22時3分。美術商・名栗蹴子。脱税の容疑で確保ですわ」
ダイヤ「この時間……奇しくもあなたが現れた時間は犯行予告の時間と同じだったようですわね」
スタッ
せつ菜「鮮やかなお手並みでした、黒澤警視正!」ビシッ
ダイヤ「先ほどからその敬礼は何ですの? 怪盗が警察の真似事ですか?」
せつ菜「あっ……い、いえ、つい雰囲気で……」
メイド「あのっ! ありがとうございました!」
ダイヤ「いえ、警察とは弱き者を助ける存在ですので」
ダイヤ「それに、この状況を作り出すためとはいえ一度は見捨てたこと、申し訳ありませんでした……」
メイド「いえ! 助けて貰っただけで感謝してます! もちろん怪盗さんも!」
せつ菜「い、いえ! 私は全ての奴隷の味方ですから!」 ダイヤ「ところでメイドさん。あなた、奴隷にされる前はどちらにいらっしゃったのですか?」
メイド「本国はもっと遠い海の向こうなんですけど、オトノキのの学校に通っていました」
メイド「学校帰りに人拐いに遭ってしまって、そのまま奴隷としてこちらのお屋敷に……」
ダイヤ「不憫な……本国へ帰還できる手配を致しましょうか?」
メイド「いえ! またオトノキの学校に通いたいです! 友達もいることですし!」
ダイヤ「そうですか……ならば明朝、オトノキへの便を手配します。港湾局の絢瀬海務課長に話を通しておきますので、彼女をお便りください」
メイド「何から何まで本当にありがとうございます!」
ダイヤ「ひとまず今夜は我が署にて……」
機動隊員「警視正。これはどういうことでしょうか?」
ダイヤ「どういうこととは?」
機動隊員「怪盗せつ菜です。何故悪と結託しているのですか?」
ダイヤ「先ほど、彼女との交戦中に隠し金庫を発見したのです。それで一時休戦したということ」 機動隊員「それが何故結託を?」
ダイヤ「名栗氏が追い詰められた際、近くにいる奴隷であるメイドさんを人質に取ることが容易に想像出来たからです」
ダイヤ「奴隷を救いたくとも警察では手出しは不可能。そこに奴隷を救うことが目的の怪盗せつ菜がいたというだけです」
ダイヤ「さらに奴隷の所有権を放棄させれば、こちらで保護することも可能……全ては先ほど決めたことです」
機動隊員「たったこれだけの時間でこの図を想像出来たと……?」
ダイヤ「悪党を相手取ってきた経験ですわね」
機動隊員「ですが、そこの怪盗せつ菜も悪党でしょう?」
せつ菜「っ……」
ダイヤ「もちろんそうですわ。今回限りは不問にしておきますが、次回は必ず逮捕します」
ダイヤ「さあ、そろそろメイドさんを署まで送っていってくださいまし。わたくしは怪盗せつ菜と少しお話があります」
機動隊員「……失礼します。行きましょうか……」
メイド「は、はいっ!」 せつ菜「あの〜……さっきも言われてましたけど、話って何でしょうか?」
ダイヤ「ああ、そうでしたわね。どうです? 人の財産など奪わなくとも奴隷は救えるでしょう?」
せつ菜「確かにそうですけど……でも今回のようなケースなんてそうそうありませんよ?」
ダイヤ「……こうは思いませんか? そもそも奴隷制度なんて無くしてしまえばいいと」
せつ菜「それこそ理想論というやつじゃないですか! そう簡単に無くせるなんて思っていません! だからこそこうなってしまうんです!」
ダイヤ「難しいのは難しいでしょう。ですが、わたくしには一つの計画があります」
ダイヤ「まずはこのヌマヅから、こんなくだらない制度を無くそうと思っているのです」
せつ菜「まさか、あの警視総監を……」
ダイヤ「それについてはまだお話出来ません。ですが、ご協力頂ければ全て話しますし、協力のお礼として逮捕も致しません」
ダイヤ「どうです? 奴隷解放への道として、まずはこのヌマヅを変えていきませんか?」
ダイヤ「共に参りましょう。優木せつ菜さん」スッ せつ菜「……一つお聞きしたいことがあります」
ダイヤ「何でしょうか?」
せつ菜「その……いつもご一緒の方がいますよね。あの婦人警官の……」
ダイヤ「中川巡査長のことでしょうか?」
せつ菜「その中川巡査長に、今回の計画は話しましたか?」
ダイヤ「彼女には……まだ話していません」
せつ菜「どうしてですか!? 彼女はあんなにもあなたを慕っている……ように見えるのに!」
ダイヤ「……彼女はまだ未熟です。このような計画に加担させるには場数が足りていません」
せつ菜「どうして!? 彼女の気持ちを考えたことがあるんですか!? きっと協力したいって思っているに違いありません!!」
ダイヤ「駄目なのです!! 彼女には彼女の役割が……」 せつ菜「……【優木せつ菜】は良くて、【中川菜々】はダメなんですね」
せつ菜「好きなのに……大好きなのに! こんなにも……お役に立ちたいのに……!!」ポロポロ
ダイヤ「……何故あなたが、そんなにも菜々さんのことを……?」
せつ菜「……わかりました」ゴシゴシ
せつ菜「この話、お受けできません。それと、優木せつ菜はもう二度とあなたの前に現れないことを誓います」
ダイヤ「えっ……?」
せつ菜「さようなら……ダイヤ先輩」
チュッ ダイヤ「んむっ……! と、突然何を!?」
せつ菜「これでもう、お別れです」ニコッ
せつ菜「はっ!!」シュバッ
シュタッ シュタッ
ダイヤ「今のは……あの呼び方、唇の感触……」
せつ菜「せつ菜・オフモード!!」
キラキラキラキラ
ダイヤ「……!! それに今、一瞬目に映ったあの後ろ姿……」
せつ菜『そうですね……きっと驚くと思います。いえ、もしかしたらもう知っている可能性も……』
ダイヤ「優木せつ菜……あなた、もしかして……」
ダイヤ「菜々さん……なんですの……?」 【翌日 午後】
メイド「戻ってこれた……オトノキに!」
メイド「地図上では船で数時間程度のはずなのに、こんなにも遠く思えた……二度と帰ってこれないと思ってたオトノキ……」
メイド「ありがとう……ヌマヅのお巡りさん、本当にありがとうございました……!」ポロポロ
「あらあら、泣いていたらせっかくの可愛い顔が台無しよ?」
メイド「えっ? あの、あなたは?」
絵里「これは失礼。オトノキ港湾局海務課長、絢瀬絵里と申します」ペコリ
メイド「あなたがお巡りさんの言ってた絢瀬さん……綺麗な人……///」
絵里「事情は黒澤警視正から聞いているわ。海の向こうから来たって話だけど、こっちの言葉上手ね」
メイド「はい……ロシアから来ました。クォーターで親族にこちらの人がいるので……」
絵里「ロシア!? 私もロシアのクォーターなのよ。奇遇ね!」
メイド「そうなんですか!? すごい偶然ですね!」 絵里「あなた、誘拐されて奴隷にされたらしいけど……一人で住んでいるの?」
メイド「はい。家族にわがままを言ってこっちの学校に来ていたので……」
絵里「だったらまたそんな目に遭う可能性だって……そうだ! あなた、私と一緒に住まない?」
メイド「えっ!?」
絵里「私も女の一人暮らしだから寂しくて……あなたが一緒に暮らすのなら、守ってあげられるし私も楽しいしで一石二鳥なのだけど……」
メイド「そんな……いいんですか?」
絵里「もちろん! 同じロシアの血を引く者同士、他人とは思えないもの♪」
絵里「それに私と同じ金髪……今日からお姉ちゃんと思ってくれていいわよ」
メイド「お姉ちゃん……こんなに綺麗でかっこいいお姉ちゃんが出来ちゃった……///」
絵里「あ。そういえばまだ名前を聞いてなかったわね。なんて呼べばいいのかしら?」
亜里沙「私、亜里沙です。これからよろしくお願いします。お姉ちゃんっ♪」
絵里「ええ、よろしくね。亜里沙♪」 【時は遡り、事件からすぐのこと……】
機動隊員「では、暗くて申し訳ありませんが、今夜はこちらでお泊まりください。明朝にまた係の者が起こしに来ますので」
亜里沙「はい。ありがとうございました!」
機動隊員「……これで今夜の仕事は終わり、ですか」
機動隊員「やはり機動隊員などは性に合いませんね。体力仕事は松浦機動隊長にまかせるべきです」
ファサッ
ベリベリベリベリ……
栞子「……ふぅ。フェイスマスクは肌が荒れるので嫌だったのですが……」
栞子「しかしこれではっきりとしました。黒澤ダイヤ……彼女は優木せつ菜と結託して、何かを企んでいる」
栞子「私に直接宣戦布告してきた身。恐らくはヌマヅに新しい風を吹かせるつもりなのでしょう」
栞子「いいでしょう。迎え撃ってあげましょう。ヌマヅは私が管理し、必ずや奴隷にも成功体験を与えてみせます」
栞子「……堕落したニジガサキのようにはならせません。私が……絶対に!!」
【To be Continued……】 恋する公安部♡編 第三話後編
投下完了しました。時間がかかっちゃって申し訳ない
語られてた優木性についてラストにねじ込もうかと思ったけど、勝手に決めるのもアレなのでやめときました 楽しみにしてた話キター
ダイヤさんの国取りは凄く続きが気になるね
亜里沙の登場はかなり予想外でした
孤児→脱走した菜々がほんの数年で魔法習得できた件が謎だったが……
あんじゅの血縁者なら、毎回ダイヤや果南相手にお宝奪取できていたのも頷ける 名前決定したけどあなたちゃんはあなたちゃんのままでいいのかな 魔法に関してはぽむが師匠のつもりで書いてたけど、素質とか考えると生い立ちに一悶着あるのも面白いかも
亜里沙出したのは先とか何も考えずにノリでした。でも童貞やペリメニとのふれあいとかほっこりしそう
だから誰か書いてください!!!!!! 恋する公安部編いいぞ〜☺
乙女じゃない=処女?(読み:おとめ)じゃない、って聞いた菜々ちゃん…😢
>>124
奴隷商人「あなた」は通称って設定なかったっけ?(個人を特定できないから云々と遊郭編で仄めかしあり) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています