あなた「ニジガク腕相撲対決?」せつ菜「やるからには全力です!」
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同好会部室
〜お昼休み〜
あなた「たまには食堂じゃなくてここでお昼を食べるのも良いね」モグモグ
歩夢「ふふっ、ちょっとした非日常って感じがするな。あなたの作曲中、みんなで音楽室で過ごしてたときみたい」
かすみ「今日みたいな雨だと、普段外でご飯食べてる人も食堂に来てごった返しますもんねぇ」
彼方「彼方ちゃん、ここだと慣れてる分余計に眠くなっちゃいそう〜…すや…」
しずく「わっ…!彼方さん、食べながら寝るのは危ないですよ!」
果林「ほら、せめて食べ終わるまではしゃんとしなさい。遥ちゃんと一緒に作ったんでしょう?」
璃奈「同好会のみんなで揃ってご飯、賑やかでいつもより美味しく感じる。璃奈ちゃんボード『にっこりん♪』」
愛「おおっ、りなりーテンション上がってんね!でも愛さんも分かるな〜、こういう雰囲気チョー楽しい!」
エマ「あれ?せつ菜ちゃん、ご飯食べないの?さっきからちょっとぼんやりしてるけど」
せつ菜「あっ、は、はい!なんでもありません、午後に向けてきちんと食べないと!」 愛「ん〜?なになにせっつー、もしかしてお悩み?愛さんたちに話せることなら話してみてよ!」
せつ菜「いえ!その、本当に大したことないといいますか、悩みではなくて…」
かすみ「なんです?勿体ぶりますね」
せつ菜「えっと…こうして皆さんの顔を見ていたら、妄想というか、考えてしまって」
しずく「妄想…ですか?」
せつ菜「…『バトルものだとしたらこの中の誰が一番強いんだろう』って」
みんな「え?」 あなた「もしかしてせつ菜ちゃん、バトルもののラノベ読んだりした?」
せつ菜「はい!出てくるヒロインが凛々しくて強くて、とってもカッコよかったんです!」
せつ菜「ヒロインとしての華やかさもありながら、戦闘時には力強く主人公と共に戦う…いわゆる強キャラヒロイン!素敵ですよね!」キラキラ
せつ菜「それでつい、皆さんがこういう作品の登場人物だったらどれくらい強いんだろうと考えていたりするうちに…」
エマ「わたしたちの中で誰が一番強いのか、って考えてたんだね〜」
せつ菜「すみません、折角メンバー全員揃ってのお昼なのに、ひとりだけ考え事なんて」
果林「その場にいるからって、常に会話を聞いてなきゃいけないなんてことは無いわ。気にしなくて良いのよ」 あなた「うーん…」
歩夢「あなた、どうしたの?」
あなた「戦闘は流石に出来ないけど、一部だけなら測る方法はありそうだね」
璃奈「一部…どういうこと?璃奈ちゃんボード『ハテナ』」
あなた「うん。腕相撲はどう?」
果林「う、腕相撲?」
あなた「怪我とかのリスクはほぼなくて、対戦形式で力比べが出来るのって言ったらこれくらいかなと思って」
彼方「まあ、全身使ってぶつかる競技じゃないから、安全といえば安全なのかな〜?」
あなた「みんなが良いならだけど、ご飯食べ終わった後にやってみる?」 かすみ「えぇ〜っ?腕相撲で強くても、全然可愛くなくないですか?」
しずく「強くても可愛らしいヒロインは結構いるんだよ、かすみさん」
璃奈「凛々しかったり強かったりしてるけど、たまに可愛い部分が見えるとより強調されることもある。璃奈ちゃんボード『逆も然り』」
エマ「あ!わたし知ってるよ〜。ギャップ萌えって言うんだよね!」
彼方「果林ちゃんとか見てると分かるよねぇ」
果林「っ!こら彼方、みんなの前でからかわないでよ」
かすみ「へっ?ふ、ふーん?そういうのもあるんだ…もちろん知ってましたけど!」
せつ菜「あっ…で、でも、私のただの妄想にお付き合いしてもらうのは申し訳ないです…!」
歩夢「……」 歩夢「せつ菜ちゃんは、やりたくない?」
せつ菜「したくないと言えば嘘になります。スクールアイドル活動以外でみんなとはしゃげる機会は多くないですし…でも」
歩夢「やりたいなら、それで良いんだよ。話聞いてたら私も気になってきちゃった♪」
愛「おおっ、歩夢も乗り気じゃん!これはもうてっぺん決めちゃうしかないっしょ?」
せつ菜「…い、良いんですか?本当に?」
果林「これくらいのことで遠慮なんてしなくて良いのよ。ただし、やるからには本気よ」
彼方「急展開に彼方ちゃんのお目目もぱっちり〜…してるうちに開催しちゃえ〜」
あなた「ね?みんなも興味あるみたいだもん。やっちゃおうよ」
せつ菜「み、皆さん…!」ジーン
せつ菜「では…お願いします!」 あなた「トーナメントだと9人はやり辛いから、学年で総当たりして、各1位でまた総当たりにすれば良いかな」
せつ菜「あれ、あなたは参加しないんですか?」
あなた「出たら瞬殺だよ?私が」
愛「やってみなきゃ分かんないって!嫌じゃなかったら一緒に騒ごーよー!」
彼方「あなたが参加すると、2年生は1戦多くなるけど大丈夫〜?」
あなた「それは平気だと思うよ。私は多分歯牙にも掛けられないから」
果林「自信満々に自信がないこと言うのね…」
かすみ「ふっふっふ…1年の中で最強が決まるって訳だね。こうなったらしず子にもりな子にも負けないよ!」
しずく「それはこっちのセリフだよ、かすみさん。演劇部だって結構トレーニングするんだから」
璃奈「私も。体格では不利かもしれないけど、最近体力がついてきたから。璃奈ちゃんボード『むん!』」
あなた「みんなご飯は食べ終わってるよね。それじゃあ、各学年に分かれて開始!」
みんな「おー!!」 学年内対決・2年生
〜前半ハイライト〜
愛「キミ相手でも本気だよ!」クイッ
あなた「グワーッ!」バターン‼
せつ菜「全力勝負です!!」グッ!
あなた「ぬわーーっっ!!」ビターン‼
〜ハイライト終了〜 あなた「…」
あなた「ね?」
歩夢「あ、後で私ともしよう?ね?」 愛「これで勝った方が同好会2年で最強ってことだよね。張り切っちゃうぞー!」ギュッ
せつ菜「私と競っていた歩夢さんを倒した愛さん…力の差は見えていますが、だからこそ燃えます!!」ギュッ!
あなた「レディー…ファイッ!!」
せつ菜「全力ですっ!!」ググググッ
愛「っ!結構くるね…!」グッ
歩夢「わぁっ、せつ菜ちゃん、私のときよりずっと良い勝負してる…!」
あなた「愛ちゃんとのとき、歩夢ちゃんが結構粘ったのも関係ありそうだね。あれで体力を使ってたとか」
愛「ぶちょーのっ言う通りだよ…!あれでかなり持ってかれてて…!」ググッ
せつ菜「っん…お喋りとは、余裕ですね…?」ググググッ
愛「せっつーこそ…っ!」 せつ菜「私と歩夢さん、愛さんとの対戦順が違っていれば、この立場も逆だったかもしれない…!」
せつ菜「だから…だから、負けられません!!」
歩夢「せつ菜ちゃん…」
愛「ちょっ、愛さんなんか敵のボスみたいじゃん!」
あなた「が、頑張って愛ちゃん!」
あなた(せつ菜ちゃんも同じ理由で疲労が蓄積してるはずだけど、それは愛ちゃんと戦ったあとの歩夢ちゃん。初戦と2戦目ではダメージ量が違う。絶対量で言えば愛ちゃんの方が疲れてるはず)
あなた(…だけど、それでも埋まらない差。盤面は最初から愛ちゃんが有利な状態だ)
あなた(開始の合図には同時に反応してたけど、出せるパワーがもう違ってた)
せつ菜「……っ!」
愛「粘るね…でも…!」
あなた(下から持ち上げるより上から押さえる方が遥かに簡単。一度手の甲が下になってしまえば、形勢逆転は難しい)
あなた(せつ菜ちゃんも物凄く粘ってるけど、これは───) せつ菜「……っ、くぅっ……!」
愛「決めさせてもらうよ!」
グンッ!!グググッ…
せつ菜「……っ!」
愛「これで、終わりっ!」
バタン‼
あなた「───勝者、愛ちゃん!」 あなた「2年組での勝ち抜けだね!おめでとう!」
愛「ふぃ〜っ、大会じゃないけど熱くなっちゃったよ。勝ててホッとした!ホットだけに!」
せつ菜「負けたのは悔しいですが、良い戦いでした!」ペカーッ
愛「せっつー、台にぶつけたところ痛くない?」
せつ菜「はい!赤くなってもいませんし怪我もありません、大丈夫です!」
歩夢「私も、あれだけ正面からぶつかるのは初めてだったけど、刺激になった気がするよ」
あなた「愛ちゃんはホント問答無用で強かったね…!でも、歩夢ちゃんもせつ菜ちゃんも凄い」
あなた「私、愛ちゃんと手握った段階で戦意喪失したもん。本能が負けを悟ってたよ」
歩夢「ふふっ、あのときのあなた、ちょっと瞳孔開いてたよね」
せつ菜「それは仮死状態になりかけていたのでは…?」
愛「そんなだったかなぁ?でも、歩夢とせっつーの粘りが凄かったのには同意!」
あなた「みんな真剣でカッコ良かったよ!さて、他の学年はどうなってるかな?」 学年内対決・1年生
かすみ「しず子には…負けないもん…っ!」プルプル
しずく「ふっ、んぅ…最後が、決まらない…!」グイィ
愛「りなりー、こっちはどんな感じ?」
璃奈「私がしずくちゃんに負けて、今2戦目」
璃奈「終始しずくちゃんが優勢なんだけど、かすみちゃんが土俵際で怒涛の粘りを見せてる。璃奈ちゃんボード『ただでは死なない』」
せつ菜「手がつくかつかないか、本当にギリギリのところですね…」
しずく「か、かすみさん、いつまで粘るの…?」
かすみ「勝つまでに…決まってるでしょ…!」プルプル
しずく「なら私だって、勝ち切れるまで押し通すだけ…!」ググッ
歩夢「すごい気迫…お互い本気だね」 しずく「…っ」
しずく(状況は明らかに私が優勢…でも、最後の一手が打てていないのも事実。このままだと延々体力が削られちゃう)
しずく(それなら…!)
グッ!!
かすみ「なっ!?」
しずく(勝てた場合の次の勝負なんて考えない。目の前の勝負に勝つことだけを考える!!)
かすみ「く、うぅーっ…ま、まだこんなに力残ってたの!?」
グ…ググッ……
しずく「あと、少し!」
かすみ「もう、無理かも…!」
……バタッ 璃奈「勝者、しずくちゃん。これで2勝だから勝ち抜けだね」
しずく「ふぅっ、ふぅっ…すっごく疲れたぁ…」
かすみ「に、にひひ…今回は運悪く負けちゃったけど…しず子の体力は結構持っていけたもんね…」ゼェゼェ
せつ菜「…?あれ、でもまだこれって2戦目ですよね?」
かすみ「え、どういうことですか?」
璃奈「満身創痍のかすみちゃんには酷な話なんだけど」
璃奈「かすみちゃん。まだ私としてないよね」
かすみ「あ」 愛「1位はしずくだけど、総当りだからやんなくちゃね?ほーら、手組んで!」
かすみ「りな子、愛先輩、ちょっと待って!かすみんまだ右腕が全然回復してな───」
璃奈「力量差が多い場合は退いて、勝てそうな可能性に賭けるのも戦略。璃奈ちゃんボード『対戦よろしくお願いします』」
かすみ「タイム!せめて左で!!」
璃奈「うーん…確かに、今のままだとちょっと有利不利がつきすぎるかな。良いよ」 璃奈「むーっ、んー…!」プルプル
かすみ「さっきの疲れが残っ…くぬぬぬぬぬ!!」プルプルプルプル
せつ菜「……」ジーッ
愛「せっつー、どした?」
せつ菜「いえ、熱い勝負の時にこんなことを思うのは失礼かもしれないんですが…」
せつ菜「なんというかこの光景、すごくかわいいなぁって」
愛「あー、確かに。ふたりとも小動物っぽいもんねぇ」
あなた(小動物っぽさではせつ菜ちゃんも結構なものだと思うけど)
かすみ「えっ?今せつ菜先輩かすみんのことかわいいって」クルッ
璃奈「隙あり」バターン
かすみ「あっ」
愛「あっ」
せつ菜「あっ」 しずく「…勝負あり。勝者、璃奈さん!」
かすみ「ええー!?」
せつ菜「もしかして今の、私のせいだったりしますか!?すっ、すみません!」
愛「いやー、せっつーは悪くないっしょ。勝負の最中に余所見はよそう!ってことだね」
璃奈「ええと…不意打ちしちゃったのは私だけど、ごめんね」
かすみ「謝ると余計悲しい感じになるからやめてよ〜!」
しずく「愛さんの言う通り、勝負中に意識が逸れたのが敗因だよ。目の前のことに集中しなくちゃ」
かすみ「くぅっ…悔しいけど言い返せない…!で、でも!また次があったら絶対負けないからね!しず子もりな子も!」
璃奈「こっちこそ。次は正々堂々勝負。負けないよ」
せつ菜「勝負の後に絆が固くなるのも鉄板ですよね!…それでは、3年生の皆さんも見てみましょう!」 学年内対決・3年生
果林「っ…!彼方って、見た目よりもパワフルなのね…!」ググ…
彼方「ふふー、果林ちゃん。料理とか家事っていうのは戦争なのだよ〜。家の分はさておき、学科だと結構な量作らないとだから〜」
彼方「彼方ちゃん的には、こんなに細いのに結構力持ちな果林ちゃんも意外だったなぁ」ググ
果林「…一応、筋トレも増やしてるもの。もう撮られて見られるだけじゃないんだから、見かけのスタイルだけじゃいけないでしょう」
エマ「彼方ちゃんも果林ちゃんも頑張って〜!」ニコニコ
しずく「エマさん、今こちらはどんな感じですか?」
エマ「2戦終わって、最後の対戦だよー」
彼方「ふたりともエマちゃんに負けちゃったから、ここで負けるわけにはいかないって頑張ってるんだよ〜」ググッ
果林「正直もう少し食らいつけると思ってたけど、全然だったわ。1分持たなかったんじゃないかしら」グググッ しずく「おふたりとも、表情は普段とあんまり変わらないですけど…」
せつ菜「言葉に出さなくても分かる…静かな闘志のぶつかり合いですね!」ワクワク
かすみ「サラって流してますけど、当たり前のようにエマ先輩は2勝してるんですね」 彼方「しかしまぁ、ここまでがっつり手を握るのも珍しいけど、腕から指から細いよね。肌もスベスベだし〜」
果林「…なあに彼方。気持ちで揺さぶる作戦かしら」
彼方「思ったことを言ったまでだよ〜。でも揺さぶりって思うなら、結構果林ちゃん的には効いてたりするんだ?」
果林「なっ、そんなことは…!」
彼方「よいしょ〜!」クイッ
愛「おおっ!カナちゃん一気にいくか!?」
果林「ちょっと彼方、ずるいわよ!」
彼方「別に作戦とかじゃなかったんだけど、上手いこといきそうだったら乗る方がいいでしょ〜?」 果林「ダンスやポージングとは違う筋肉を使ってる感じがするわ…このままだと…!」ググググッ
彼方「大きなお鍋の持ち運び、食材の買い出しエトセトラ。秘められし彼方ちゃんパワーのかいほ〜う!」
グググッ…‼
果林「っ、これは…」
…バターン‼ エマ「──勝負あり!彼方ちゃんの勝ち!」
果林「…ダメね、一度崩されたら持ち直せなかったわ」
彼方「あれがなかったら正直分かんなかったな〜。偶然拾った勝ちって感じ」
愛「ふたりともお疲れー!これでそれぞれ1位が決まったね!」
せつ菜「あとは決勝ですね!ワクワクしてきました!」
璃奈「誰が勝つのか楽しみ…あれ?歩夢さんたち、向こうでなにしてるの?」
彼方「2年生の1位は愛ちゃんで決まってたよね〜?」
しずく「先輩曰く『どうせ結果は見えてるけど泣きの一戦』らしいですが…」チラッ あなた「んぬぬぬぬぬ…!んぅうう〜…!!」プルプル
歩夢「……」ニコニコ
あなた「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」プルプル
せつ菜「総当たりという話だったので。開始からずっと膠着状態ですね」
かすみ「…あれ、ただ歩夢先輩が手を握ってたいだけなんじゃないですかぁ?」
果林「まあまあかすみちゃん。真剣に勝負してるだけかもしれないし、ここは堪えてね」
果林(…とはいえ、歩夢の顔見てたら明白よね)
璃奈「部長さんの声、デジャヴすると思ったら前に見たことがある動画だった。璃奈ちゃんボード『絶叫するビーバー』」
彼方「あの調子だとしばらく終わりそうにないね。眠くなってきちゃったし、こっちで決勝戦始めちゃお〜」 決勝戦(各学年1位総当たり)
しずく「ううっ、愛さんにもエマさんにも歯が立ちませんでした…薄々分かってましたけど、いざそうなってみると悔しいです」
璃奈「あのふたり相手にかなり健闘してたと思う。しずくちゃん、すごい!」
エマ「うんうん、しずくちゃん強かったよ!スクールアイドル以外にもしっかりトレーニングしてるなあって分かるくらいだもん♪」
愛「そうそう!A・ZU・NAはけっこー拮抗してる感じしたよ!結構だけに!」
しずく「ありがとうございます。けど、一度も優勢になれませんでしたし、もっと精進しなくてはいけませんね…」
彼方「いやぁ〜、トレーニングは必要だけど、腕力に特化する必要はないと思うよ」ナデナデ
果林「大切なのはバランスよ、しずくちゃん♡」ナデナデ
しずく「は、はい…」カアァ 愛「よ〜し、そんじゃあエマっち、どっちが一番か決めよっか!」
エマ「ここまできたら負けたくないな〜。よろしくね、愛ちゃん!」
愛「こちらこそ!」
せつ菜「さあ、これで勝った方がスクールアイドル同好会の腕相撲チャンピオンです!心の準備はいいですか?」
愛「オッケー!」
エマ「いつでも良いよ!」
せつ菜「それでは、手を組んで…」
せつ菜「───レディー……ファイッ!!!」 グッ‼‼‼
ピタッ
愛「!」
エマ「…!」
彼方「これは〜…」
かすみ「…ぜ、全然」
璃奈「動いて、ない?」
果林(歩夢達の方とは違う、本当に力が均衡してるもの同士の膠着状態ね…) せつ菜「しずくさんは2人とも相手をしたんですよね。どちらの方が強そうですか?」
しずく「うーん…そうですね…力量差というところは分かりませんが、力の出し方が違う感じはしました」
せつ菜「出し方、ですか?」
しずく「はい。愛さんは開始直後に最大出力、手の甲が上になるまで押して、最後の際でまた力を込めるタイプ…力の入れ方に緩急があります」
しずく「対してエマさんは、最初から最後まで一定して出力してくるタイプでした。地力が違うとただただ押し切られる感じといいますか…」
せつ菜「なるほど。ファイトスタイルが違うんですね…興味深いです」
しずく「開始直後でも動きがないので、時間が経つにつれてエマさんの方が有利になるのかなと思います」
せつ菜「戦闘タイプが違う者同士の頂上決戦ということですね!見ているだけで燃えてきました!」
かすみ「……」
かすみ(せつ菜先輩としず子の会話、ちょっと聞こえてくるけど)
かすみ(腕相撲で独自のファイトスタイル持ってるスクールアイドルってなんなんだろ?) エマあい「…………」ジッ
エマ(運動部でもたくさん助っ人に行って、ダンスだっていつも上手で…愛ちゃんってすごいな♪)
エマ(でも、わたしだって負けないよ〜。妹や弟達、ネーヴェ達のお世話をずっとしてきたし、トレーニングも頑張ってるもん)
愛「…ふふっ」
エマ「愛ちゃん?」
愛「ううん。なんていうかさ、勝負の最中になんなんだけど」
愛「エマっちって案外、こういうときにバッチリ勝ちにくるよね」
エマ「そう?」
愛「うん!それがすごく良いなって。愛さん、エマっちのそう言うところチョー好きだよ」ニッ
エマ「えへへ、照れちゃうな〜」 かすみ「内容だけ聞けば和やかなんですけどね」
果林「間ではとんでもないパワー同士がぶつかってるのよね…」
彼方「でも本人たちは多分、ほんとに雑談してるんだよねぇ」
しずく「ですよね…顔を見ていたら分かります。戦いながらも自然体です」
璃奈「愛さんもエマさんも、頑張って…!」 ジ-ッ……
愛(ん〜…エマっち全然力が抜けないなぁ。結構旗色悪いかも?)
愛(ただ、これで膠着状態が作れてるってことは…振り絞ればチャンスはある)
愛(消耗し続けたら間違いなくジリ貧。そろそろ仕掛けないと)ギュッ
エマ「!」
愛(一度でも止めたら多分持ち直される。これでダメなら体力切れでアタシの負け!)
愛「勝負だよ、エマっち!」
エマ「…分かった。こういうときは『いざ尋常に』って言うんだよね?」
愛「あははっ、それじゃ時代劇だって!」
エマ「それじゃあ、いくよ〜」 ── ググググッ‼
せつ菜「あ、明らかに空気が変わりました!」
彼方「両方真剣だね〜…表情も新鮮だ〜」
愛「…つっよいなぁ…!!」
エマ「愛ちゃんも…ね…!」グイィィ
璃奈「両方、一歩も引いてない。すごい…」
愛(向こうも一段階強くなった。けど、絶対無理ってほどじゃない。このまま…!)
エマ「わたしもまだまだここからだよ〜!」
愛「愛さんも…フルパワー!!」グググ
果林「ね、ねえこれ大丈夫かしら?ふたりとも熱くなりすぎじゃ…」
しずく「そうです、このままだと怪我してしまう可能性が───」
クウゥ~! 愛「ん?」
エマ「あ、あれっ?」
パタンッ
愛「……え?」
愛「え?これ勢いで…あれ、愛さん勝っちゃった?それに今のって」 エマ「運動したからかなぁ、お腹が鳴っちゃって、びっくりして力が抜けちゃった」
かすみ「むむ、なんだかその敗因あざといですね。今度似たことがあったら真似しよっと」
しずく「あざとい敗因ってなに…?」
愛「急だったから何が起きたかよく分かんなかったよー」
果林「怪我人が出る前に決着がついて良かったわ。途中から心配の方が勝ってたもの」
せつ菜「頂上決戦が意外なほどあっけない終わり方をする…案外バトルものにも多い展開ですね」
彼方「最後はちょっとびっくりしたけど〜…なにはともあれ」
彼方「───勝者、愛ちゃん〜!」 エマ「負けちゃった〜、残念。でも、愛ちゃんおめでとう♪」
愛「ありがとエマっち!しんどかった〜!エマっち強すぎ!!何回頭にエマージェンシーって浮かんだことか…!」
せつ菜「お疲れ様です!手に汗握る戦いでした!!」
彼方「ふたりともお疲れ〜。なんだかんだ最後まで眠らずに見届けちゃったよ〜」
あなた「おお、愛ちゃんが優勝だね!おめでとう!」
璃奈「あれ、歩夢さんとの試合は終わったの?」
歩夢「決勝中も延々とやってるのはどうかと思って、時間切れでドローってことにしたんだ」
あなた「もう右腕はボドボドだけどね」
果林「聞いたことない声出してたものね。動かし過ぎは良くないから、ちょっとだけマッサージしてあげるわ」
あなた「じゃあ、お言葉に甘えて」 〜間〜
あなた「ところで愛ちゃん。優勝ってことでなにか欲しいものある?あんまり良いものはあげられないけど、何もなしっていうのは寂しいでしょ」
愛「んー、愛さん的にはアツい勝負ができただけで充分だけど…そうだ!」
愛「次の土曜、予定がなかったら愛さんと遊ぼーよ。で、キミの食べるクレープとかケーキとか一口ちょーだい!なんてどーよ、土曜だけに!」
あなた「えっ?良いけど…そんなことで良いの?」
愛「もっちろん!アタシ、キミと色んな場所で食べ歩きするの大好きなんだ。久し振りだし楽しみだよ!」
かすみ「あーっ、愛先輩ずるい!かすみんも先輩と遊びたいです〜っ!」
愛「お?かすかすも来ちゃう系?愛さんは大歓迎だよ〜」
かすみ「へっ?い、行って良いなら是非…って、かすかすって言わないでくださいよぉ!」
ワイワイ 歩夢「──せつ菜ちゃん、どうだった?」
せつ菜「はい!結果自体は残念ですが、全力でぶつかる皆さんに、熱い気持ちを貰えました!!」
せつ菜「何より私の思いつきに付き合って貰って…部活動とはまた違う雰囲気ではしゃいで、とても楽しかったです!」ペカーッ‼
歩夢「ふふっ、楽しんでくれて良かった。始まったらみんな本気だったし、白熱したね」
せつ菜「またこうして…今度は腕相撲じゃなくても、同好会みんなで一緒に遊べる機会があったら嬉しいです」
歩夢「うん、私もそう思うよ♪」
歩夢「でもその前に…午後の授業と放課後の練習、頑張らなくちゃね」
せつ菜「あはは…ノートとるとき、腕がプルプルしちゃいそうです…」 〜放課後・練習終わり〜
帰り道
トコトコ
あなた「うーん…」
歩夢「どうしたの?なんだか難しい顔。眉間にシワが寄っちゃってるよ」ムニムニ
あなた「わっ、ごめんね歩夢ちゃん。一緒に帰ってるのに考え事なんて」
歩夢「それは良いんだけど、何か悩み事?もし私が力になれそうなら…ううん、そうでなくても聞かせて欲しいな」
あなた「あはは、全然悩みとかじゃないよ。ほら、今日のお昼の」
歩夢「お昼…腕相撲のこと?」
あなた「そう。2年の総当りの最後で、歩夢ちゃんはずっと私の相手してたでしょ?決着がつく前にドローにしたり」
あなた「歩夢ちゃんは優しいから、明確に結果に出ないようにしてくれたんだよね」
歩夢「う、ううん!そんなこと…!」
あなた「分かるよ。だからね?ちょっとだけ条件を変えてリベンジさせてほしいんだ」
歩夢「リベンジ?」
あなた「利き手じゃない方でもう一度やらせてもらえない?このままだとモヤモヤしちゃう」
歩夢「……」
歩夢「うん、良いよ。お互い怪我には気をつけようね」ニコッ 〜間〜
歩夢ルーム
あなた「んー!!んううううううぅ!!!」プルプルプルプル
歩夢「…ふふっ♪」ニギニギ
おわり キャラが生きてるなあこういうの久々に読んだよかった
> 果林「…一応、筋トレも増やしてるもの。もう撮られて見られるだけじゃないんだから、見かけのスタイルだけじゃいけないでしょう」
中でもこのセリフが個人的には最高
ぜひまた書いてほしいお疲れ様 ある意味ぽむちゃんも優勝してるわねこれ
よかったよ。おつおつ ₍₍ @cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リง ⁾⁾ ふふっ♪ニギニギ 面白かった
スクスタのモデルも愛さんとエマっちはガタイ良いから納得の結果 最後のあなぽむの展開、ぽむは利き手じゃない方でオナってるから筋力強いとか深読みしてしまった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています