穂乃果「ガンプラバトルだよ！」

**名無しで叶える物語**(SIM) · 2020/04/15(水) 11:30:49.49

代行

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 11:58:58.23

海未「なんですかいきなり？」

穂乃果「え～！？　今ものすごく人気なんだよ！　あのA-RISEっていうのが始めてからものすごい人気があって」

ことり「同じ事繰り返し言ってるよ？」

穂乃果「あれ？　と、とにかく！　やってみようよ！」

海未「はぁ……まぁ、別に構いません。どうせすぐに飽きるでしょう」

ことり「あはは……ところで穂乃果ちゃん。ガンプラは持ってるの？」

穂乃果「え？　持ってないけど？」

海未「……失礼ですが穂乃果？　ではどうやってガンプラバトルをするのですか？」

穂乃果「え、あれって実物無いと出来ないの！？」

ことり「もちろんだよぉ！」

海未「まったく……では体験プレイも出来るお店に行きましょう」

穂乃果「そんなのあるんだ」

ことり「まずは動かしてみて、それから好きなガンプラを買うって人もいるから」

海未「何事も経験は大事ですからね」

穂乃果「おお！　それじゃ行こう！」

ことり「おー♪」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:00:16.35

アミューズメントブースーー

穂乃果「おお！　すごいいっぱいある！」

海未「こうして並んでいるのを見ると、圧巻ですね……」

ことり「あ、これ可愛い♪」

海未「どれですか？」

ことり「ギャプランちゃん♪」

海未「……ことりの感性は、独特ですね」

ことり「え～？　可愛いと思うんだけどなぁ」

海未「ま、まぁそういう部分もあるんじゃないですか？」

ことり「じゃあ海未ちゃんはどれが好きなの？」

海未「私ですか？　私はやはり、ジム・カスタムですね」

ことり「ふーん」

海未「聞いておいてなんですかその反応は」

ことり「だって地味だし、つまんない」

海未「こういう無骨な量産機こそ浪漫があるのですよ」

ことり「そんなものかなぁ？」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:01:44.27

海未「そういえば穂乃果は？」

穂乃果「お待たせ！　買ってきたよ！」

海未「は？」

ことり「買ったって……ガンプラを？」

穂乃果「うん！　これでプレイできるんだよね？」

海未「……アナタは！　私の話を聞いてなかったのですか！？」

穂乃果「うぇええ！？」

ことり「穂乃果ちゃん。ガンプラはね、組み立てないといけないんだよ？」

穂乃果「え？　これ、あのまま入ってないの？」

海未「小さなパーツに分かれて入っているもので、それを組み立てなければならないのです」

穂乃果「じゃあ、組み立てようよ！」

海未「ここはそんなスペースはありませんし、道具もありません！　そもそも！　私達はガンプラバトルの操作を体験する為に来たのです！」

穂乃果「あ、そういえばそうだったね」

ことり「穂乃果ちゃん……」

海未「とにかく、プレイスポットに行きましょう。そこでチュートリアルが出来ますから」

穂乃果「はーい」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:02:25.82

海未「これがプレイ出来るコックピットです」

穂乃果「おおー！　カプセルみたい！」

ことり「これ、中に入るの？」

海未「はい。本当は目の前のスタンドにガンプラを置くのですが、今回はチュートリアルなので、無くても大丈夫です」

穂乃果「へー……」

海未「なんですか？」

穂乃果「海未ちゃん、すごい詳しいね？」

海未「うっ！？」

ことり「そういえば、確かに……」

海未「こ、このくらいは当然の知識です！　それより早く準備してください！」

穂乃果「はーい！　よいしょっと！　えっと……よし！　オッケーだよ！」

海未「では、チュートリアルはアナウンスに従って行けば問題ないので」

穂乃果「ありがと、海未ちゃん！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:03:10.94

？？「かよちん、早く早く！」

？？「ま、待ってよ凛ちゃん……！」

海未「そういえば、何やら騒がしいですが……大会でもあるのでしょうか？」

ことり「さっき言ってたA-RISEの綺羅ツバサさんが、プロモーションしてるみたい」

海未「そうなのですか……穂乃果には悪いですが、少し様子を見てみましょう」

ステージーー

ツバサ「ーーこれから、沢山の人達がこのガンプラバトルを盛り上げていってくれるでしょう。いつか、私と対戦する時があれば、全力で楽しみましょう」

海未「盛り上がってますね……」

ことり「人気に乗っかってる感じじゃないね」

海未「むしろ、互いに高め合っているようにさえ思います。A-RISEとはそんなに人気なのですね」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:04:03.41

穂乃果「いたいた！　どこにも見当たらないから心配したよ！」

海未「穂乃果。チュートリアルはどうしたのですか？」

穂乃果「え、終わったけど？」

ことり「うそ……！？」

海未「あのチュートリアルは、そんな簡単なものでは無かったはずですが」

穂乃果「なんか、感覚掴んだら簡単だったよ」

海未「ばかな……では、私の挫折は一体……」

ことり「海未ちゃん、それで否定的なのに詳しかったんだね」

穂乃果「それよりA-RISEの綺羅ツバサさんだよね！？　早く教えてよもー！」

海未「すみません。気付いたのが始めた後だったので」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:05:08.84

ツバサ「では、もし良ければですが……この中で私と対戦したい方はいらっしゃいませんか？」

海未「え？」

ことり「対戦相手を観覧から募集するの？」

『マジで！　こんなチャンスそうそうないぞ！』
『いや、でもトッププレイヤーのツバサちゃんとなんて……』
『ボロ負け確定だろ……さっきのプレイだって何してるか分かんなかったし』

海未「そんなに強いのですか」

ことり「A-RISEは三人組のアイドルユニットでもあって、全員トッププレイヤーだって聞いたよ？」

穂乃果「はいはーい！　私やりまーす！」

海未「穂乃果！？」

ことり「穂乃果ちゃん！？」

ツバサ「おや、やっと現れましたね。お名前聞かせてもらえますか？」

穂乃果「高坂穂乃果です！　今さっき始めたばっかりです！」

海未「そんなこと言わなくていいんですよ！」

ことり「あぅぅ……笑われちゃってる」

ツバサ「そうですか。ちなみにガンプラは？」

穂乃果「あ、そうだ！　私まだ買ったばっかりだ！」

ことり「穂乃果ちゃあん……！」

海未「か、帰りたい……」

ツバサ「では、展示用の完成されているのを使いましょう。私にも展示用の物を」

穂乃果「いいんですか！？　ありがとうございます！　あ、これ！」

ツバサ「？」

穂乃果「私が買ったのと同じ！　ユニコーンだ！」

ツバサ「そう。私はこの、リボーンズガンダムにするわ」

穂乃果「よーし！　頑張るぞ！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:05:46.65

ツバサ「ではバトルテーブルに」

穂乃果「はい！　え、このテーブルでも出来るんですか？」

海未「穂乃果！　それは多人数用に使うバトルテーブルです！　穂乃果が使ったのはソロ用！」

穂乃果「あ、そーなんだ」

ツバサ「ふふふ……面白いわね」

穂乃果「あ、ごめんなさい。お待たせしました！」

ツバサ「それじゃあ……ガンプラファイト！」

穂乃果「え、あ、えっと……ガンプラファイト！」

『レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:06:39.38

穂乃果「ステージは荒野か……いた！」

ツバサ「始めたばかり、って言ってたわね。最初の三分間、私は攻撃しないわ」

穂乃果「え？」

ツバサ「初心者に本気を出すのはかわいそうだから。さぁ、遠慮なく」

穂乃果「じゃ、じゃあ……いきます！」

『さぁ始まりました、エキシビションマッチ！　しかも綺羅ツバサは、三分間攻撃しないというハンデを提案！』

海未「あぁ穂乃果！　そんな突っ込んでいくばかりでは！」

ことり「ビームサーベルじゃ当たらないよぉ！」

「やっぱすげぇな世界ランカーは！」
「あんだけ近距離で避け続けるなんて！」
「それにしても初心者だなぁ。ビームマグナムとか、バルカンとか使えばいいのに」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:08:07.57

ツバサ「はい、三分経ったわよ」

穂乃果「え！？　もう！？」

ツバサ「ねぇ、聞いていいかしら？」

穂乃果「はい？」

ツバサ「さっき客席でも言われてたわ。何故射撃武装を使わないの？」

穂乃果「えっと、逃げる相手を追うのに射撃は当てるのが難しいから」

ツバサ「……」

穂乃果「チュートリアルでも思ったんですけど、避けるだけの相手より攻撃してくる相手の方が射撃は当てやすいですよね？　なら、反撃もされないから接近戦でって思ったんです！」

ツバサ「……ごめんなさい」

穂乃果「え？」

ツバサ「私はアナタを見くびっていた。初心者だからと下に見ていた」

穂乃果「そんな！　結局ひとつも当たらなかったし」

ツバサ（当然だわ。だって避ける事に専念しているのだから）

ツバサ（攻撃をしない、ということはそのまま『別のことに集中できる
』ということ）

ツバサ（相手の動きをしっかり見て、回避行動を取るだけ。それなら簡単に出来る）

ツバサ（私はずっと『凄いと見せかけた事』をしていただけ）

ツバサ（恐らくそれを見抜いたのは、この場においてあなただけ）

穂乃果「ツバサさん？」

ツバサ「ここからは、全力で戦うわ。だからアナタも、全霊をもって来なさい」

穂乃果「あ……はい！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:09:12.98

『さぁ三分経ち、綺羅ツバサのリボーンズガンダムがビームサーベルを抜いた！』

海未「穂乃果……」

ことり「穂乃果ちゃん……」

ツバサ「はぁあああっ！」

穂乃果「おおおおおっ！」

ツバサ（アナタはきっと、いいファイターになる！　だからこそ、全力で倒させてもらうわ！）

穂乃果「くぬっ！」

ツバサ「なっ！？」

『おおーっとぉ！　ユニコーンがバランスを崩したが、サーベルを避ける形になったぁ！』

ツバサ（体勢を崩した！？　違う、わざと潜って来たのか！？）

穂乃果「いっ、けぇえーっ！」

ツバサ（下から来る！　回避、無理！　防御、間に合わないーー）

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:10:04.92

『上向きになりながら、ビームサーベルを突き出す！　これはまさか！？』

海未「穂乃果！」

ことり「穂乃果ちゃん！」

「どうなったんだ？」
「ビームサーベルが当たったっぽいけど」
「見ろ、相討ちだ！」

『これは！　リボーンズガンダムがビームサーベルで切り裂かれたが、フィンファングのビームがユニコーンを撃ち抜いている！』

ツバサ「はぁ、はぁ……」

ツバサ（あの瞬間、腕を盾にしたお陰で間に合ったけど）

ツバサ（私が、相討ちに持っていかざるを得なかった。それほどに、卓越した機体制御）

ツバサ（狙ってやったの？　お互いにぶつかり合う所に、初心者が？）

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:10:48.65

穂乃果「うわー、悔しい！　上手く行ったと思ったのにー！」

海未「当然です。相手はトッププレイヤーなのですよ」

ツバサ「高坂穂乃果さん、だったわよね」

穂乃果「あ、ツバサさん！　ありがとうございました！」

ツバサ「その握手は、今は受け取れないわ」

穂乃果「え？」

ツバサ「勝ち上がって来なさい。そして、最高の舞台で、決着を付けましょう」

穂乃果「あ、はい……！」

ーーー

穂乃果「はぁ……悔しいね、ユニコーン」

穂乃果「でも、楽しかった。あの一瞬、私は全力でやりきった」

穂乃果「よーし！　今から作るか！　正直わくわくし過ぎて眠れないし！」

………

雪穂「お姉ちゃーん、朝だよ？」

雪穂「あれ、これってユニコーン？」

雪穂「お姉ちゃんてば、また夢中になって、ほら起きろー！　遅刻するぞー！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:11:47.41

翌日ーー

穂乃果「いやー、楽しかったなーガンプラバトル！」

海未「まだ言ってるのですか。朝からもう耳にタコが出来てしまいます」

穂乃果「だってあの綺羅ツバサと相討ちだよ！」

ことり「でもあれって、展示用のガンプラだから」

海未「当然、彼女のものではないでしょう」

穂乃果「そっか。じゃあこの先勝ち上がっていけば、本気のガンプラバトルが出来るってことだよね！？」

海未「なんで、そんなにポジティブなんですか」

ことり「それが穂乃果ちゃんの良いところだよ」

穂乃果「よーし！　今日も放課後に特訓だ！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:12:45.54

穂乃果「じゃじゃーん！　これが私のユニコーン！」

ことり「完成したんだね！」

海未「どれどれ……」

穂乃果「いやー、完成したら感激のあまり爆睡してたよ！」

ことり「穂乃果ちゃん、夜更かしはだめだよ？」

穂乃果「えへへー♪」

海未「雑ですね」

穂乃果「え？」

海未「所々に、パーツを切り離した際に出来る出っ張りが有ります。ちゃんとハサミで切り抜いたんでしょうね？」

穂乃果「いや、手でクルクル回して千切ったから」

海未「大事なガンプラなんですから、もっと丁寧に扱うべきです」

穂乃果「えー？」

ことり「大事な事だよ。出来が悪いと、動きが悪くなるから」

穂乃果「そうなの？」

海未「その通りです。良くも悪くも、その状態のまま反映させるのですから、良い作品は良い動きが出来ます」

穂乃果「そっかー。じゃあ帰ったら細かい所をきれいにしなきゃね」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:13:55.90

？？「……」

海未「ん？　あの制服は……」

穂乃果「あれ？　音ノ木坂の制服だ。ねぇねぇ、何してるの？」

？？「ヴェエエエ！？　な、何よ急に」

ことり「迷わず声掛けたね」

海未「らしいと言えばらしいですが」

？？「なによ、私に何か用？」

穂乃果「あなたもファイターなの？」

？？「別に、それが何？」

穂乃果「アタシ、高坂穂乃果！　アナタは？」

？？「なんで名乗らなきゃいけないのよ？」

穂乃果「えー？　折角知り合えたんだし、仲良くなろうよー！」

？？「ほっといて」

穂乃果「あっ……行っちゃった」

海未「あのタイの色は、一年生のはずですが」

ことり「なんだか、冷たくあしらわれちゃったね」

穂乃果「うーん……しょうがない。今日は私の家で組み直そっか」

海未「でしたら、私が道具を持っていきます」

穂乃果「……海未ちゃん、もしかして形から入るタイプ？」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:14:36.70

穂乃果「おおー！　キレイに見える！」

海未「でしょう？　ちゃんと適切な道具を使ってあげれば、置いてあるだけでも美しい物なのです」

穂乃果「海未ちゃんって、結構持ってたりするの？」

海未「ま、まぁ……三桁はいってないので」

穂乃果「……ことりちゃん、どうなの？」

ことり「部屋はきれいにしてるけど、いっぱい隠してるのは知ってるよ？」

海未「何故知ってるのですか！？」

穂乃果「そうだ！　この子の名前何にしようかな？」

海未「そうですね。良い名前を付けてあげるのは、愛着を持てますから」

ことり「まさかとは思うけど、海未ちゃんの持ってるのは……」

海未「さすがに、名前は付けてませんよ。カスタムしてるわけでもないので」

穂乃果「何がいいかなー？」

穂乃果母
「アンタ、何か悪い事したの？」

穂乃果「いきなりなに！？　何もしてないよ！」

穂乃果母
「本当？　海未ちゃん」

穂乃果「娘を信用してよ！」

穂乃果母
「だって、アンタに取材の話が来てるのよ？」

三人『へ？』

**名無しで叶える物語**(茸) · 2020/04/15(水) 12:15:30.30

クソスレそっ閉じ

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:15:45.56

「すみません、突然お伺いしてしまって……私月刊ガンプラマイスターの記者をしてる、カイというものです」

穂乃果「は、はい……」

カイ「実はこの間行われたプロモーションで、A-RISEの綺羅ツバサと引き分けたガンプラファイターがいたと聞いたので、是非お話をと」

海未「そ、そんな凄い話になってたのですか……」

カイ「ご友人の方ですか？　あなた達も、その時一緒に？」

海未「は、はい！　穂乃果……この子が、ガンプラバトルをやりたいと話し出したので、同行して」

ことり「チュートリアルを終えたばかりの穂乃果ちゃんが、勝負に名乗りをあげたんだよね？」

カイ「チュートリアルを終えた？　本当に、その時初めて操作をしたのですか？」

穂乃果「はい。慣れたら簡単で、すぐに終わりました」

カイ「これは、天性の才能か？　展示用のとはいえ、彼女の持ち機のベースガンプラだぞ？」

穂乃果母
「あの……そんなに凄いことなんですか？」

カイ「ハッキリ申しまして、とんでもない事です。綺羅ツバサは、リボーンズガンダムをベースにした愛機、リアライズガンダムと共に世界大会で名を残したビルダーですから」

穂乃果「ビルダー？」

海未「ビルダーとは、ガンプラを作る人です。ファイターは戦う専門で、大体兼任している方が多いですが……」

穂乃果母
「穂乃果……あなた、すごいじゃない！」

穂乃果「さっきまで悪い事したか疑ってたくせに……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:16:27.54

カイ「ところで、ご自身のガンプラは？　やはりユニコーンを？」

穂乃果「はい。でも、名前がまだ決まってなくて」

穂乃果母
「なら穂むらを付けなさいよ。家の店の宣伝も兼ねて」

穂乃果「ええー？　ダサいよそれは流石に……」

カイ「ふむ。でしたら漢字を変えてみるのは？」

穂乃果「漢字」

海未「例えば、炎を別読みするとか、あと焔という漢字を使用するというので」

穂乃果「いや、そもそも店の名前付けるのってやだな……」

穂乃果母
「アンタが宣伝して、売り上げ上がったらお小遣いアップしたげるわよ？」

穂乃果「ホントに！　じゃあそうする！」

ことり「げ、現金……」

カイ「では決まりですね。高坂穂乃果さんのガンプラの名前は」

穂乃果「はい！　私のガンプラの名前はーー」

「ユニコーンガンダム焔、です！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:17:24.11

花陽「……」

凛「かーよちん！」

花陽「あ、凛ちゃん……」

凛「何ボーッとしてたの？」

花陽「な、何でもないよ？」

凛「ふーん……じゃあこの後どうするの？　またガンプラ見に行く？」

花陽「えっと……今日は、真っ直ぐ帰ろうかな」

凛「おっけー。でもこの間の凄かったよね。A-RISEの綺羅ツバサと相討ちしたバトル」

花陽「っ！？」

凛「凛は詳しくないけど、凄く強いって言ってた人だよね？　その人と相討ちに持っていくって、何者なんだろうね？」

花陽「う、うん……あ」

凛「あれって、西木野さん？」

真姫「……」

凛「いつも一人で何やってんだろね？」

花陽「う、うん……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:18:12.81

穂乃果「ふぅ……おつかれ、海未ちゃん」

海未「……お疲れ様です」

穂乃果「いやー、海未ちゃんホントに色んなガンプラ持ってるんだね」

海未「……はい。一度に多くは持ってこれないので、厳選した三機を持ってきたのですが」

ことり「見事に3連敗……」

海未「まさか、始めたばかりの穂乃果に手も足も出ないとは……！」

穂乃果「やっぱり私ってすごい？」

ことり「凄いよ穂乃果ちゃん！」

海未「ことりはやらないのですか？」

ことり「え、わ、私は、大変そうだし、いいかなぁ……？」

穂乃果「そっかー。ありがとうね、二人共」

海未「急にどうしたのですか？」

穂乃果「いや、始めたのは私のわがままなのに、付き合ってくれてるからさ」

ことり「気にしなくていいよ。私は、好きで一緒にいるだけだから」

海未「それに一人でいさせると、何をしでかすか分かりませんからね」

穂乃果「なにそれー？」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:19:10.96

真姫「……のんきなものね？」

穂乃果「へ？　あー！　この間の子だ！」

海未「な、なんですかアナタは？」

真姫「この間の綺羅ツバサとの勝負。随分持て囃されてるけど、この様子なら私の方が上ね」

ことり「ええっと……」

穂乃果「……もしかして」

真姫「なによ？」

穂乃果「私とガンプラバトルしたいけど、お願いするのは恥ずかしい、みたいな？」

真姫「なっ、そんなわけないでしょ！」

海未「そんな怒らなくても」

真姫「怒ってない！　あぁもう！　勝負よ！　私と！　ガンプラバトル！」

穂乃果「なんだー。結局ガンプラバトルやりたいんじゃーん。いいよいいよ。やろうやろう！」

真姫「ぐぬぬ……」

ことり「えっと……」

海未「ここは穂乃果に任せましょう」

真姫「それじゃあ行くわよ！」

穂乃果「うん！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:21:14.53

穂乃果「ステージは……廃墟？　視界が良くないなぁ」

真姫「……」

穂乃果「うわぁっ！？　バズーカ！？」

海未「あれは、ワインレッドのザクファントム！？」

ことり「バックパックが、見たこと無い位重装備だけど……」

真姫「名乗る必要は無いけど、今は名乗らせてもらうわ。私は西木野真姫。私のダーリングザクファントムの恐ろしさ、その身で味わって貰うわよ！」

穂乃果「あ、そういえば名前、聞いてなかったね。よろしくね、真姫ちゃん！」

真姫「うぅ……やっぱり名乗らなきゃ良かった……」

海未「瓦礫の上から登場は映えますが……」

ことり「しまらないね」

真姫「外野うるさい！　行くわよ！」

穂乃果「ミサイル！？」

海未「瓦礫に隠れて！」

ことり「遮蔽物を上手く使わなきゃいけないけど……」

穂乃果「互いに姿を隠して戦うのか……難しいなぁ」

真姫「隠すのはそっちだけ。私は……薙ぎ払う！」

穂乃果「えっ！？　うわわわわっ！」

海未「フィールドを焼き払うビームランチャー！　モビルアーマー並の出力！　これでは遮蔽物ごと焼かれかねない！」

ことり「穂乃果ちゃん！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:21:52.36

真姫「出てきたわね！」

穂乃果「この！」

真姫「バルカン如き！」

穂乃果「ぐあっ！　あうっ！」

ことり「シールドチャージ！」

海未「いけない！　壁に追い込まれた！」

穂乃果「くぅっ！　こんのぉ！」

真姫「当たらなければ！」

ことり「ビームサーベルを躱した！？」

真姫「どうということはない！」

穂乃果「ーー」

真姫「ぐっ！？　二本目！？」

海未「上手い！　相手を動かした先に二本目のサーベルを刺し込んだ！」

真姫「小癪なぁ！」

海未「いけない！　まだ致命傷では！」

ことり「距離を取らなきゃ！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:22:58.14

穂乃果「ーー」

真姫「また壁を背に？　舐めるな！」

穂乃果「ーー」

真姫「避けて、しまった！」

ことり「ヒートホークを、壁に当てた！」

海未「抜く動作をする前に！」

真姫「ちぃっ！」

ことり「ヒートホークを放した！」

海未「冷静ですね。一気に距離を離されてしまいました」

真姫「やるじゃない。でも、まだ足りない。見せてもらうわよ、アナタの腕を！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:24:14.56

穂乃果（見える。相手の動きが）

穂乃果（感じる。相手の想いが）

穂乃果（楽しい。もっともっと感じたい）

穂乃果（胸の奥から溢れ出す、炎のような熱い想いを！）

穂乃果「……燃え上がれ、ユニコーン焔！」

真姫「なっ、紅く燃え上がるようなエフェクト！？」

ことり「あんなエフェクトあったっけ？」

海未「分かりません。デストロイモードと似てますが。あれは、一体……！？」

穂乃果「いっくぞぉおおおおっ！」

真姫「速い！？　しかし！」

ことり「逃げられる！」

海未「違う！　クラッカー！」

真姫「怯んだ、そこぉっ！」

海未「バズーカ！　穂乃果！」

穂乃果「うぉおおおっ！」

海未「炎が、集まって……！？」

ことり「ビームサーベルが大きくなってく！」

真姫「なっ……！？」

穂乃果「いっ……けぇーーーっ！！」

『Battle　End
　WINNER　高坂穂乃果』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:24:55.06

真姫「一体、何を見たの？　私は……ユニコーン、可能性の獣……まさか」

穂乃果「真姫ちゃん！」

真姫「な、なによ？」

穂乃果「ありがとう！　すっごく楽しかったよ！」

真姫「え、そ、そう？　まぁ……悪くは無かったわよ」

海未「それにしても穂乃果。いつの間にあんなエフェクトが出るように改造していたのですか？」

穂乃果「え、知らないよ？　こういうものじゃないの？」

真姫「まさか……いえ、そんな」

ことり「真姫ちゃん？」

真姫「あなた達、今度の大会に参加するんでしょ？」

穂乃果「大会？　そんなのあるんだ？」

海未「あなたも出場するのですか？」

真姫「当然よ。その時には、リベンジさせてもらうわ」

穂乃果「うん！　私も負けないよ！」

ことり「……」

海未「ことり、どうかしましたか？」

ことり「ううん。何でもないよ」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:26:53.80

理事長室ーー

絵里「どういう事ですか？」

理事長「まだ確定した訳ではないわ。でも、概ねその通りになる事はあなた達にも伝えておかないと」

絵里「納得できません！」

理事長「構いません。それと勝手な行動は控えるようお願いします」

絵里「……分かりました」

ーーー

絵里「……なぜ、私ではないの？」

希「駄目だったみたいやね絵里ち」

絵里「希……」

希「でも、別に大会に参加するのは構わないんやない？」

絵里「だけど、既に代表者を決められていたのはやはり納得いかないわ」

希「ガンプラファイターの海外留学は無理でも、全国大会まで時間はあるし」

絵里「なんとしてでも、優勝しなければ……」

希「大丈夫。ウチと絵里ちのコンビなら、誰にも負けないよ」

絵里「ええ。頼りにしてるわよ」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:27:34.93

穂乃果「いやー、今日もパンが美味い！」

ことり「相変わらずだね、穂乃果ちゃん」

海未「しかし、今度の大会に向けて大きく弾みを付けれたと思います」

ことり「真姫ちゃんとの対戦、凄かったよね？」

穂乃果「なんかね、気持ちが昂ってきたら、ああなったって言うか」

海未「不思議な事もあるのですね」

ことり「……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:29:32.77

花陽「ガンプラバトル……」

『弱っちい奴』
『お前なんかやめちまえよ』
『どんだけガンプラ作れても、そんな腕じゃ話になんねぇよ』

真姫「ねぇ」

花陽「ひぇっ！？　は、はい！？」

真姫「さっきからポスター見てるけど、ガンプラバトルの大会に出るの？」

花陽「あ、あの……失礼します！」

真姫「あ、ちょっと！？　なによ、折角声掛けたのに……あら？」

真姫「これ、学生証？　小泉花陽、ねぇ」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:30:11.82

希「うん。今日も調子良さそうやね」

絵里「ありがとう。でも、A-RISEを相手にするのなら、まだ足りないわ」

希「長期戦になると不利になるから、どれだけ速く決められるかやね」

絵里「そうね……」

希「模型部の部長に相談してみる？」

絵里「今更、なんて言えばいいのよ？　あの子にとってガンプラは、妹達の玩具でしょ」

希「……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:32:50.66

真姫「お邪魔します」

花陽「ﾅﾝﾃﾞｲﾙﾉｫ！？」

真姫「これ」

花陽「あ、学生証？　わざわざ持ってきてくれたんですか？」

真姫「それと、ちゃんと話をしたくてね」

花陽「え？」

真姫「だってあなた、ガンプラに興味ありますって顔してるから」

花陽「え、えっと……」

真姫「好きなモビルスーツは？」

花陽「え！？　ええっと……！」

真姫「じゃあザクとガンダムならどっち？」

花陽「ザクです」

真姫「フッ。私もよ」

花陽「あっ……」

真姫「お邪魔しても？」

花陽「は、はい！　あまりキレイじゃないけど……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:34:41.13

真姫「へぇ……沢山あるのね」

花陽「作るの好きだから……」

真姫「バトルはしないの？」

花陽「その、私、下手だから。凛ちゃん、あ、星空凛って私の幼馴染の子がいて、その子にたまに貸してるくらいで……」

真姫「そう」

花陽「……」

真姫「……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:35:21.47

花陽「西木野さんは、なんでバトル始めたの？」

真姫「私は、誇りがあるから。ガンプラビルダーとして、ファイターとしてのプライドよ」

花陽「はぁ……」

真姫「アナタのも見れば分かるわ。一つ一つ丁寧に作られてる。情熱をそこで燻らせてるのが惜しいくらい」

花陽「そ、そんな、恐縮です……」

真姫「……この間、綺羅ツバサと相討ちにまで持っていった人とバトルしたわ」

花陽「えっ！？」

真姫「結果はギリギリで負けた。私の最高傑作を、撃ち破られた」

花陽「……」

真姫「アナタさえ良ければ、力を貸してほしい」

花陽「えっ？」

真姫「嫌ならいい。でも私は、全力で戦って、今度こそ勝ちたい。でも私一人じゃ足りないから」

花陽「なんで、私を？」

真姫「だってアナタ、私の方をチラチラ見る事多かったじゃない？」

花陽「ご、ごめんなさい……」

真姫「別に謝る事じゃないわ。それで、どうかしら？」

花陽「あの、その……力になれるかは、分かりませんが」

真姫「ありがとう。早速だけどこれを見て欲しいの。それでアナタの意見が聞きたいわ」

花陽「え！　ええ！？　今からですか！？」

真姫「もうすぐ全国大会の予選が始まるわ。それまで少しでも無駄にしたくないのよ」

花陽「わ、分かりました！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:36:22.14

？？「……」

？？「綺羅ツバサと相討ち、か」

？？「どいつもこいつも、バカみたいに戦わせてさ……」

？？「まぁ、もう私には関係無いけど」

ーーー

？？「はい。はい。分かりました」

？？「でも私はもう全国大会の出場は……エキシビション、ですが？」

？？「相手側たっての希望で……そうですか」

？？「どうしても、戦わないと？　いえ、そういうわけでは……」

？？「分かりました。それでは」

？？「ふう……やっぱり、出なきゃいけないんだよね」

？？「また、あんな思いするのは嫌なのに……ねぇ、スピカテリブル」

ことり「私は、もう、戦いたくなんてないのに……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:37:27.85

穂乃果「おおー！　予選なのにいっぱいいる！」

海未「数ある大会の内の一つとはいえ、やはり最初の公式大会ですね」

ことり「お客さんもたくさんだね！」

穂乃果「うー、ワクワクしてきた！」

凛「なんで何回も大会があるの？」

花陽「ガンプラって、やっぱり作るのに時間掛かるし、人数も多いから」

真姫「一度負けても回数があるから、それに間に合えばチャンスが増えるって事よ」

凛「……なんで西木野さんがかよちんと一緒なの？」

真姫「色々と協力してもらったからね。本当に感謝してるわ」

花陽「そんな！　私なんて、大した事は」

凛「むー、なんか腹立つなぁ」

真姫「それじゃあ、エントリーして来るわね」

花陽「が、頑張って下さい！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:38:09.76

英玲奈「ようやくこの日が来たな、ツバサ」

あんじゅ「どうやらアナタのお気に入り、ちゃんと来てるらしいわよ」

ツバサ「当然ね。あれほどの才能があれば、全国大会に出たいと思うはず」

絵里「久しぶりね、皆さん」

英玲奈「やぁ、絢瀬さんか」

あんじゅ「今日もいい試合、見せてもらうわね？」

絵里「ええ、もちろん」

ツバサ「そう言えば、模型部の部長は来てないの？」

絵里「……どうかしら。残念ながら見てないわ」

英玲奈「そうか。良い腕をしているだけにもったいないな」

あんじゅ「まぁまだ大会は残ってるしね」

絵里「そろそろ準備に戻るわ。それじゃあ」

ツバサ「ええ。またね」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:39:09.42

？？「……」

希「やっぱり来てたね、にこっち」

にこ「希……」

希「やっぱり気になる？」

にこ「別に。もうアタシには関係無いし」

希「本当に？」

にこ「しつこいわね」

希「……うちは、にこっちと絵里ちと、三人が一緒だった時が好きやったよ」

にこ「だったら何よ？」

希「……戻って来てーー」

にこ「断る」

希「にこっち……」

にこ「私は、戦うだけがガンプラの存在理由にはしたくない。作り手の思いを感じない奴に、手は貸したくない」

希「そっか……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:39:56.89

穂乃果「エントリーして来た！」

海未「応援は任せて下さい！」

ことり「穂乃果ちゃん、ファイト、おー！」

穂乃果「ありがとう！　頑張るよ！」

『それでは試合を開始します！　出場者の方はこちらにお集まり下さい！』

穂乃果「うわ、緊張してきた……！」

『それではこれより、全国大会の地区予選を開始します。全国大会の招待選手でもある、A-RISEの綺羅ツバサさんから一言いただきます！』

ツバサ
『私達も始めは皆さんと同じように、小さな大会から少しずつ実力を付けていきました。
　私達A-RISEよりも素晴らしいファイターがこれからも現れ、一緒に戦っていける事を願います。
　そうしてこれからより一層、ガンプラバトルが盛り上がっていけるよう、皆さん、精一杯頑張って下さい』

『ありがとうございました！　それではガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:40:46.05

「うあっ！　しまった！」

穂乃果「よし！　そこだ！」

「ばかなぁあああっ！？」

『Battle　End
　WINNER　高坂穂乃果』

穂乃果「ありがとうございました！」

海未「いい調子ですね、穂乃果」

ことり「おめでとう、穂乃果ちゃん！」

穂乃果「ありがとう！　このまま一気に突っ走るよ！」

絵里「そう上手くいくかしら？」

海未「あなたは？」

絵里「自分の学校の生徒会長を覚えてないなんて、音ノ木坂の誇りはないのかしら？」

ことり「生徒会長さん？」

絵里「……」

ことり「？？？」

絵里「次に当たるのは私とあなた。覚悟しなさい。ガンプラバトルは、お遊戯じゃないのよ」

穂乃果「はぁ……はい」

海未「言いたいだけ言って去っていきましたね……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:41:37.85

ことり「あの人のガンプラは確か、イフリート改をベースにしたフェンリルって名前だよ」

海未「イフリート改ですか」

穂乃果「どんな機体なの？」

海未「接近戦に特化した機体です。多少の射撃武装はありますが、それより特筆すべきはEXAMシステム」

穂乃果「EXAMシステム？」

海未「詳しい説明は省きますが、要はリミッター解除です。動きが格段に上昇し、一気に相手へ詰め寄る事が出来ます」

ことり「穂乃果ちゃん、頑張ってね♪」

穂乃果「任せてよ！」

ツバサ「とうとう、あの子に見合う相手が来たわね」

英玲奈「確かに粗さはあるが、筋はいい」

あんじゅ「弱かったら困るわ。ツバサのお気に入りなのに」

ツバサ「氷狼（フェンリル）の絢瀬絵里とユニコーンの高坂穂乃果。楽しみだわ」

英玲奈「ほら、始まったぞ」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:42:31.69

穂乃果「市街地もだいぶ慣れたかな。まずは目標補足！」

絵里「来たわね……フェンリルの名は伊達ではないわよ」

穂乃果「いっ……けぇーっ！」

絵里「ふっ！」

穂乃果「ビームが消えた！？　当たったはずなのに！」

海未「あれは、どういう事ですか！？　イフリートにはあんな装備は無いはず！」

ことり「穂乃果ちゃん！」

穂乃果「この！　この！」

絵里「ガンプラの性能が、戦力の決定的差ではない！」

穂乃果「なんで！？　ビームマグナムを無効化してる！？　だったら！」

ことり「ビームサーベルを、ダメ！」

海未「その間合いはイフリートの間合いです！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:43:11.29

絵里「焦ったか！」

穂乃果「脚からミサイル！？」

絵里「上か！」

海未「いけない！　下に入られている！　あれでは一方的に！」

ことり「穂乃果ちゃん、距離を取って！」

穂乃果「こんのぉ！」

絵里「甘い！」

穂乃果「もう一本！」

絵里「ならば！」

穂乃果「ぐあっ！？」

英玲奈「ビームサーベルを受け太刀しての体当たりか、また一層荒々しいな」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:45:51.38

穂乃果「はぁ、はぁ、はっ！？」

絵里「その首、もらったぁーっ！」

穂乃果「くっ！」

絵里「なに！？　足元を！？」

海未「上手い！　飛びかかって来た相手の足元をすり抜けた！」

穂乃果「この！　この！」

絵里「射撃は苦手みたいね。当たらなければ！」

穂乃果「速いーーうわぁ！」

絵里「どうということはない！」

あんじゅ「いくらIフィールドがあるからって、真正面から突き抜けるなんて……品がないわ」

ツバサ「……」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:46:55.68

穂乃果「いったい、なにがーーくぅっ！」

絵里「そろそろ終わりにするわ……EXAM起動！」

穂乃果「肩の水色の部分が、紅くなった……！？」

海未「いけない、EXAMシステムが！」

ことり「穂乃果ちゃん、逃げて！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:47:37.81

穂乃果「う、うわぁあああっ！？」

絵里「よく耐えた、と言ってあげるわ」

穂乃果「くっ、負けるかぁーっ！」

ツバサ「あれは……！？」

英玲奈「燃えるようなエフェクトだと！？」

あんじゅ「なんなの、一体！？」

絵里「見た目が変わるくらいで！」

穂乃果「いっけぇーーえぇっ！？」

海未「ユニコーンが！？」

ことり「バラバラに！？」

絵里「な、何が起こったの！？」

『すみません！　一旦中止とさせていただきます！　しばらくお待ち下さい！』

穂乃果「なんで、急に……ユニコーン！　うそ、バラバラになってる！？」

「これは、試合続行不可能ですね……」

穂乃果「そんな！」

「試合続行不可能により、勝者、絢瀬絵里！」

絵里「……」

海未「なぜ、バラバラになってしまったのか、原因は何なのですか！？」

ことり「う、海未ちゃん落ち着いて！」

ツバサ「考えられるとすれば、ガンプラへの負荷が掛かり過ぎた……」

あんじゅ「でもプラフスキー粒子がそこまで影響を与える物なの？」

英玲奈「……残念だが、どうあれ諦めるしかないだろうな」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:48:21.07

穂乃果「そんな……」

海未「穂乃果……」

ことり「穂乃果ちゃん……」

絵里「……高坂さん」

穂乃果「あ、はい……」

絵里「うちの学校に、模型部があるのは知ってる？」

海未「え？　そんな部活があるのですか？」

絵里「今は部長一人だけしかいないけど。その人の元を訪ねてみたらどうかしら」

ことり「なんで、その話を？」

絵里「今日のバトルは互いに納得いかないもの。その部長、ビルダーとしての腕は良いから。私も以前は世話になったの」

海未「ありがとうございます」

絵里「それじゃあ、またね」

穂乃果「……ありがとうございました」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:48:56.90

海未「試合は残念でしたが、どうしますか？」

穂乃果「最後まで見るよ」

ことり「ごめんね。私、用事があるからちょっと」

海未「そうでしたか。分かりました」

穂乃果「気を付けてね」

ことり「うん。穂乃果ちゃん、海未ちゃん、ごめんね？」

穂乃果「……」

海未「さぁ、決勝戦を見ましょう」

穂乃果「あ、絢瀬さんと真姫ちゃんだ」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:49:38.70

真姫「よろしくお願いします」

絵里「こちらこそ、いいバトルにしましょう」

真姫「ダーリングザクファントム！　西木野真姫！」

絵里「イフリートフェンリル！　絢瀬絵里！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

穂乃果「凄いバトルだ……」

海未「ええ。イフリートの猛攻に対し、ザクファントムは冷静に立ち回っている。一瞬も気が抜けない、互いに全てをぶつけて戦っているのが分かります」

穂乃果「……ごめんね、ユニコーン。私のせいで」

海未「穂乃果のせいではありません。それに、私はそんな事になるのは初めて見ました」

穂乃果「そうなの？」

海未「はい。現在はそう簡単に壊れないようになっているはずなのです。プラフスキー粒子がそこまでの影響を与えるなんて、最近では聞いたことがありません」

穂乃果「へー……あ！」

海未「試合が決まりそうですね」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:50:19.21

絵里「ちぃっ！　Iフィールドが！」

真姫「やっと攻略出来たわね。まだEXAMシステムは厄介だけど、要は近寄らせなきゃいいって事でしょ！」

絵里「フェンリル！　まだ終わってない！　EXAMは切れてない！」

真姫「突っ込んできた！　速い！」

絵里「はぁあっ！」

真姫「ぐっ！」

絵里「よし！　落とした！」

真姫「まだよ！」

絵里「何！？　ぐぅっ！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:51:00.38

穂乃果「何あれ！？」

海未「ブースター！　そんな機構まで備わっていたのですか！？」

穂乃果「前には無かったよね！？」

海未「恐らくあの後に追加したのでしょう。それにしても、あの時から新たに組み立てるなんて凄い腕です！」

穂乃果「海未ちゃんが興奮してる！？」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:51:39.20

真姫「私の、勝ちね……！」

絵里「そんな……！？」

『Battle　End
　WINNER　西木野真姫』

「優勝は、西木野真姫選手の『ダーリングザクファントム』に決まりました！　おめでとうございます！」

真姫「ありがとうございます」

「ずばり！　優勝の決め手は！？」

真姫「今回は紙一重でした。最後まで諦めなかった事と、ダーリングブースターを提案してくれた仲間に感謝してます」

「ありがとうございます！　それではみなさん！　最後に優勝者と、出場者全員に惜しみない拍手をお願いします！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:52:39.57

海未「素晴らしい決勝戦でしたね」

穂乃果「うん。私もそう思うよ」

海未「では早速明日は模型部に行きましょう」

穂乃果「うん！　てゆうか、海未ちゃんテンション高くない？」

海未「す、すみません！　穂乃果はショックを受けてるのに、やはりあれほど熱いバトルを見ると……」

穂乃果「ううん。私も、壊れたショックより、早く次に向けて準備したいって思ってるし」

海未「穂乃果……」

「それではこの後、全国大会出場を決定している二人の選手によるエキシビションマッチを行いますので、少々お待ち下さい！」

穂乃果「エキシビションマッチ？」

海未「これは、恐らくA-RISEが出てくるのでしょうね」

穂乃果「ツバサさんかな？」

ツバサ「残念だけど、私は違うわ」

穂乃果「え！　ツバサさん！？」

ツバサ「しー。私に付いてきて。特別席に案内するわ」

穂乃果「え？」

海未「え？」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:53:17.08

あんじゅ「はぁい。バトルは残念だったわね、高坂さん」

穂乃果「あ、いえ……」

ツバサ「こちらでも調べているから、何か分かれば報告するわ」

海未「そんなに特別な事例なのですね」

ツバサ「ええ。以前はよく起こっていたけど、最新の技術でそれは無くなったはずなのに」

穂乃果「ありがとうございます。でも、全国大会には必ず出ますから！」

ツバサ「……ありがとう。それでこそ、ライバルに認めた甲斐があるわ」

穂乃果「ら、ライバルってそんな……」

あんじゅ「ほらツバサ。早く座らせてあげなさいってば。もうすぐ英玲奈の試合よ」

ツバサ「そうね。それにあなた達も、無関係ではないしね」

穂乃果「？」

海未「？」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:53:57.21

「それではエキシビションマッチを行います！　常に真正面から相手に立ち向かい勝利をもぎ取る、A-RISEの切込隊長！　統堂英玲奈の登場だ！」

英玲奈「フフフ……やはり歓声は大きいと、嬉しいな。滾るというものだ」

「対しますは彗星のごとく現れた大型新人！　ワンハンドレッドバトル最速クリアのレコードを持つ、特別招待選手！　正に一騎当千のガンプラファイターだ！」

穂乃果「ワンハンドレッドバトル？」

海未「一人用モードで、様々なガンプラ100体と一斉に戦うモードです」

ツバサ「100体倒すだけでも大変な事だけど、彼女は誰よりも速く全て倒しきったのよ」

あんじゅ「出てきたわよ」

穂乃果「え、あれは……！？」

英玲奈「強引に誘った事は詫びたい。しかし、全国大会に特別招待選手として出るのに、実力を示して欲しいと望むのは当然だろう？」

ことり「……お互い、全力で」

英玲奈「ああ。やり合おう。今からここは、二人だけの戦場だ」

海未「ことり！？」

穂乃果「なんで……？」

ツバサ「本当に知らなかったのね？」

あんじゅ「始まるわよ。あなた達の親友の、真の実力を確かめさせてもらいましょう」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:54:47.63

穂乃果「ことりちゃんが、ガンプラファイター？」

海未「そんな！　そんな、はずは！」

ツバサ「あなた達が信じられないのは無理ないわ。でも、彼女の存在が音ノ木坂の知名度を世界に知らしめたのは事実」

あんじゅ「それも、正体が判明したからだけどね」

ことり「……」

英玲奈「どうした？　不安なら、そこにいる親友達に応援してもらったらどうだ？」

ことり「えっ？　なっ……なんで！？」

英玲奈「ツバサが呼んだのだろうな。いずれ知られる事だろう？」

ことり「……たとえ、そうだとしても」

英玲奈「？」

ことり「私のファイトは、人に見せる物じゃない」

英玲奈「私は見たい。例の記録をどうやって打ち立てたのか、君の実力がどれほどの物なのか」

ことり「……そう。ならーーあなたは私のエサにするね」

英玲奈「っ！？　ほう、気配が変わったな。そちらが本性というわけか」

ことり「私だって怒る時はある。そして……これはただの八つ当たり」

英玲奈「いいだろう！　燃えてきた！　私をエサにするか、はたまた逆にエサとなるか……ファイトだ！」

ことり「……スピカテリブル。ごめんね、少しだけ付き合ってね」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:55:58.01

『ステージはデブリベルト！　全国大会で新たに追加される、宇宙ステージだ！』

穂乃果「デブリベルト？」

海未「宇宙ゴミが散乱している空間です。破壊されたコロニーの残骸が戦闘中域となるようですね」

ツバサ「英玲奈の操作技術なら、苦にならないでしょうね」

あんじゅ「あの子のガンプラはクシャトリヤね……大きいし、動くの大変そう」

海未「ことり……」

穂乃果「……なんだろう。なんだか、嫌な予感がする」

海未「穂乃果？」

穂乃果「ことりちゃんの雰囲気が、いつもと違う」

ツバサ「そうなの？」

穂乃果「何となく、ですけど」

あんじゅ「始まるわ！」

英玲奈「アルケーガンダムフルブースト！　統堂英玲奈！」

ことり「クシャトリヤ・スピカテリブル。南ことり」

『ガンプラバトル！　レディー！　ゴー！』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:56:36.96

英玲奈「私のアルケーはスラスターを増やした物でね。スピードならこちらが圧倒的に有利だ」

ことり「……」

英玲奈「見えた。そして……やはり多いな。ファンネルか」

ことり「……」

英玲奈「ならば取る選択肢はただ一つ。真正面から最短で落とす！」

穂乃果「瓦礫とファンネルの中を突っ込んだ！？」

海未「無茶な！　蜂の巣にされます！」

あんじゅ「あのアルケーの面白いのはね？　スラスターの吹かす方向をある程度変えられるのよ」

穂乃果「どういう事ですか？」

ツバサ「回転するスラスターなのよ。それを上手く吹かす事で、空中での姿勢制御を高いレベルで操れるの。不規則な軌道を描きながらでもね」

海未「確かに、あれだけのファンネルのビームをすべて躱しながら、最短で寄っている！」

英玲奈「ファングだ！」

穂乃果「あんなに激しく動いてるのに！？」

あんじゅ「むしろ最後の詰めよ。あれで向こうのファンネルの勢いを削ぐんだわ」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:57:14.93

英玲奈「その首、もらったぁーっ！」

ことり「……スピカテリブル」

英玲奈「なに！？　外れ……は？」

海未「クシャトリヤの四枚羽が急に外れて……」

穂乃果「胴体が、無い……？」

英玲奈「ちぃっ！　懲りずにファンネルか！　ぬぅっ！？」

あんじゅ「羽からもビームが！　いったいどういう事！？」

英玲奈「おのれ、どこだ！　南ことり！」

ことり「……そろそろ、かな」

英玲奈「あれは……ボディだけが、分離しているのか！　ターンXのように！」

ツバサ「なるほど。それで離れた場所から、戦況全体を見渡せるって事ね」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:58:06.18

英玲奈「仕掛けが分かればこちらのものだ！」

ことり「そう。真正面から来るなら」

英玲奈「いけ！　ファングーーは？」

ツバサ「な、何が、起きたの？」

穂乃果「ファングが出た瞬間、全てファンネルで撃ち落とされた……」

英玲奈「ばかな！？　ぐぅっ！　羽が、刺さって……ぐあっ！　あぅっ！」

あんじゅ「羽が全部刺されて、クシャトリヤの前に動かされてる」

海未「まるで、磔にされているようです……」

ことり「アナタは……私の籠の中の鳥」

英玲奈「あれだけのファンネルの数に、羽の攻撃……どれだけの空間把握能力を持てば、全て操りきれるのだ！？」

ことり「これでおしまいだね。特に楽しくもなかったよ」

英玲奈「おのれ、おのれぇえええ！」　　

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 12:58:51.12

ツバサ「バスターソードを投げた！」

海未「ですが、今、何が？」

穂乃果「ソードが、変な方向に飛んでった……」

あんじゅ「投げる瞬間。刺さってる羽を動かして、反対側に向きを変えたのね」

穂乃果「ことりちゃん……」

ことり「さよなら」

英玲奈「……ちっ」

『Battle　End
　WINNER　南ことり』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 13:02:09.36

穂乃果「あの大会以来、ことりちゃんは私達と距離を取っている」

穂乃果「実力を隠していたこと、全国大会出場者として出る事も」

穂乃果「それを知られたからなのか、あの日からまだ話ができてない」

穂乃果「仕方ないから、海未ちゃんと二人で模型部の部室に行こう」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 13:03:00.60

海未「模型部の部室……ここですね」

穂乃果「しつれいしまーす……誰もいない？」

海未「どうしましょう。一応生徒会長に紹介されているとはいえ、中に勝手に入って良いものなのでしょうか？」

？？「いいわけ無いでしょ」

穂乃果「あ、はじめまして。私、高坂穂乃果です」

にこ「知ってるわよ。予選で自分のガンプラバラバラにした奴でしょ」

穂乃果「うっ……！」

にこ「帰りなさい。私はファイターは嫌いなのよ」

穂乃果「ま、待って下さい！　私達、模型部の部長さんに力を貸してほしくて！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 13:03:51.31

にこ「大体、アタシの事どこで知ったのよ？」

海未「いえ、生徒会長からは、模型部の部長が腕がいいからと教えていただきまして」

穂乃果「だからせめて、部長さんに直接会わせて貰えませんか！？」

にこ「……模型部の事、絵里は何か言ってなかった？」

穂乃果「え？」

海未「えっと……たしか、今は部長一人だけ……あっ」

にこ「わぁるかったわねぇ！　部長に見えなくて！」

海未穂乃果
『ご、ごめんなさい！』

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 13:07:53.51

にこ「原因不明？」

海未「はい。大会本部も調べて頂いてる所でして……」

にこ「なるほど。つまりアンタが悪いんじゃないって言いたいのね」

穂乃果「は、はい！　買ったのも最近だし、バラバラになるなんて思わなくて……」

にこ「それなら、新しいのに買い替えたら？」

穂乃果「……それは、嫌です」

海未「穂乃果？」

穂乃果「私、初めてだったんです。あんなに胸の奥が熱くなって、楽しくて、ワクワクして……それを教えてくれたユニコーンだから、他のに変えるなんて考えたくないんです！」

にこ「……そのユニコーン、今どこにあるの？」

穂乃果「え、家ですけど……」

にこ「じゃあ今から見に行くわ」

海未「良いのですか？」

にこ「流石に一度見てみたいからね。そこまで大事にしてるなら」

穂乃果「じゃ、じゃあお願いします」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 13:08:56.49

にこ「ここがアンタの……穂むら、ねぇ」

穂乃果母
「あら、いらっしゃい。可愛いお友達ね？」

穂乃果「それ先輩だから！」

にこ「それって言ってんじゃないわよ！」

穂乃果「ご、ごめんなさい！」

海未「と、とにかく上がりましょう！」

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 13:09:37.81

穂乃果「あの、これ、なんですけど」

にこ「これは……確かに変ね」

海未「と言いますと？」

にこ「バラバラになってるけど、割れたりはしてない。まるでその前に自分からパーツを外したって言われるくらいキレイに取れてる」

穂乃果「じゃあ、直るんですか！？」

にこ「……そのままつけ直すだけだと、また同じ事が起こるかもしれないわね」

海未「一体、どうすれば？」

にこ「……一つ、可能性があるとすれば」

穂乃果「あるとすれば？」

にこ「装備を増やす。フルアーマーにするのよ」

穂乃果「フルアーマー……」

にこ「そうすれば動かす時にバラける可能性は減るわね。その代わり操作が大変になるけど」

穂乃果「じゃあ、フルアーマーのやり方を教えてください！」

海未「ほ、穂乃果！　話を聞いてーー」

穂乃果「だって、大会まで日にちが無いんだよ！　早くしないと……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:10:35.29

にこ「ねぇ、なんでそこまでガンプラバトルに拘るわけ？」

海未「それは……」

穂乃果「それは、私一人じゃないから」

にこ「……」

穂乃果「私のわがままから始まって、ツバサさんやA-RISEの人達。真姫ちゃん、生徒会長、それににこちゃん！」

にこ「なんでちゃん付けなのよ！？」

穂乃果「あ、ごめんなさい。でも、たくさんの人達と巡り合って、バトルを通じて知って、想いが伝わって……もっともっと、感じたいんです！　胸の奥から溢れ出すこの想いを！　たくさんの人に伝えたいんです！」

にこ「……これから毎日放課後、アタシの家に来なさい」

穂乃果「え？」

にこ「アンタの為に、最高の仕上がりにしてあげるわ」

穂乃果「あ……ありがとうございます！」

海未「ありがとうございます！」

にこ「ふん」

絵里『勝たなければ何も変わらない！　勝つ事にこそ意味があるのよ！』

にこ「……だからアンタじゃ、ダメなのよ」

穂乃果「にこちゃん？」

にこ「アンタねぇ……まぁいいわ。大会までに絶対間に合わせるわよ！」

『おおー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:12:13.19

真姫「ふぅ……」

花陽「お疲れ様です、真姫ちゃん」

真姫「ありがとう花陽。凛も付き合ってくれて助かるわ」

凛「別にいいよ。かよちんに付き合ってるだけだし」

花陽「凛ちゃん、そんな言い方……」

真姫「いいのよ。付き合わせてるのはこっちなんだから」

凛「むー……」

真姫「それにしても驚いたわね。凛、あなたファイターの素質あるわよ？」

凛「まぁ、かよちんのガンプラよく借りてたし」

花陽「えへへ……」

凛「この後はどうするの？」

真姫「特訓が終わったら帰って勉強もしないとね」

凛「マジか……信じられないにゃ」

花陽「凛ちゃん、勉強苦手だもんね」

真姫「じゃあ、三人でやる？」

凛「……」

花陽「……」

真姫「なんで黙るのよ！？」

花陽「だって、真姫ちゃんから誘ってくれるなんて」

凛「もちろん！　大歓迎だよ！」

真姫「こ、今度は何よ！？　急に抱き着いて！」

凛「真姫ちゃん普段はだんまりで近寄り難い所あるからにゃー」

花陽「なんだか、仲良くなれたって感じで嬉しいです」

真姫「わ、私は、別に……！」

凛「赤くなったにゃー」

真姫「うっさい！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:13:39.81

ツバサ「それ、本当なの？」

英玲奈「ああ。大会本部もてんやわんやだ」

あんじゅ「まさか、プラフスキー粒子にこれだけ大きな反応を示すなんて……」

ツバサ「それじゃあ、高坂穂乃果は、伝説のニュータイプと呼ばれる存在なの？」

英玲奈「ハッキリ言おう。本部はそれを完全に信じきっている。そしてこの調査結果は国際ガンプラ連盟にも知れ渡っている」

ツバサ「そう……」

あんじゅ「どうするの？　下手したら彼女」

ツバサ「でもできる事は限られている。今はまだ、ね？」

英玲奈「そうだな。下手をすれば、世界を敵に回す危険性もある」

あんじゅ「あ～あ、なんだか悔しいわね」

英玲奈「何がだ？」

あんじゅ「ツバサじゃないけど、あの子にそこまでの力があるなら、手合わせしてみたいじゃない」

ツバサ「私が先よ。高坂さんとは約束してるんだから」

英玲奈「ツバサ……」

あんじゅ「はいはい」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:14:12.54

ツバサ「英玲奈。この間南さんと戦ってみてどうだった？」

英玲奈「まんまとしてやられたな。だが、勝てないとは思わない」

あんじゅ「切り札なら隠そうとしていたでしょうけど、最初から想定して分離してたもの」

ツバサ「……もしくは、負けたがっているのかも」

英玲奈「……ふん」

ツバサ「そしてその相手を、既に決めているから」

あんじゅ「モテモテね。アナタの想い人は」

ツバサ「意味が違うから」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:14:48.56

絵里「まだ……まだよ」

希「……」

絵里「私はまだ、足りてないわ」

希「絵里ち」

絵里「っ！？　希……」

希「一旦、休憩しよか？」

絵里「そう、ね……」

希「一応全国大会へは出場出来るんやから、根を詰め過ぎんようにね」

絵里「それでは、また負けてしまうわ。楽しいだけじゃ、そこで終わってしまう。勝つ事こそ、その先にある栄光に到達するのよ」

希「絵里ち……」

希（もう、ウチの言葉も届かないか……）

希（楽しむ事を否定された敗北から、ウチやにこっちは救い出せなかった）

希（それでも、ウチだけは絵里ちから離れたり出来ん）

希（絵里ちにその時が来たら、しっかり支えられるように）

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:15:28.65

穂乃果「出来た！」

にこ「ふっ……やるじゃない」

海未「大会までに間に合って良かったです」

にこ「どうする？　疲れてるなら休んでからでも」

穂乃果「今すぐ乗ろう！　調整が必要かもしれないし」

にこ「元気だけはいっちょまえね」

海未「それが穂乃果の良い所です」

穂乃果「それじゃ早速行こう！」

にこ「悪いけど、私は寝るわ。流石に妹達の世話しながらは疲れたから」

海未「はい。本当にありがとうございます」

穂乃果「ありがとうございます！」

にこ「はいはい」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:16:14.46

穂乃果「それにしても、なんで協力してくれたんだろね？」

海未「アナタの情熱が伝わった、それで良いのでは？」

穂乃果「うーん……そうだといいな」

ことり「あっ……」

穂乃果「あっ、ことりちゃん……」

ことり「っ！」

穂乃果「待って！　逃げないで！」

ことり「っ！？　な、んで……」

海未「ことり……驚きましたよ。アナタが全国大会に出られる程のファイターだったなんて」

ことり「……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:16:54.11

穂乃果「ことりちゃん。私、全国大会に出るから」

ことり「えっ？」

穂乃果「そして、本気のバトルをしようよ！　ことりちゃんの想いと私の想いを、全力でぶつけ合おう！」

ことり「穂乃果、ちゃん……」

海未「なぜそこまで隠していたのですか？」

ことり「……この大会が終わったら、留学するの」

穂乃果「えっ？」

海未「留学、ですか？」

ことり「ガンプラバトルの腕前を、お母さんが売り込んで……音ノ木坂学院を、守る為に仕方ないの」

海未「まさか、以前噂されていた廃校の事ですか？」

穂乃果「そんなのあったっけ？」

海未「噂程度で、すぐに話題にならなくなったので、覚えてなくても仕方ないですが……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:17:23.36

ことり「国際ガンプラ連盟に所属してる人が、私を自分のチームに入れたいって……音ノ木坂学院の運営資金として賄うには余りある程のお金が動いてる」

海未「そんな！　人身売買と変わらないではないですか！」

ことり「でも、それでお母さんの学校が守れるなら……」

穂乃果「そっか。理事長だもんね……」

ことり「あれからお母さん、毎日私を見る度に、申し訳無さそうな顔してて……」

穂乃果「……」

ことり「だから私は、優勝する。そして留学して、そのまま戦い続けるの」

海未「……」

ことり「ごめんね。こんな事、話しても、解決なんてしないから、黙ってるしかできなくて……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:17:54.05

穂乃果「駄目だよ」

ことり「え？」

穂乃果「優勝するのは私だもん。そして私が全国大会で優勝者すれば、音ノ木坂学院の知名度も上がって、入学希望者も増えるよね」

海未「それは、そうかもしれませんが……」

ことり「無理だよ。もうそういう話になってるんだもん。結果が振るわなくても、留学はしなくちゃ」

穂乃果「……」

ことり「じゃあね。ばいばい……」

海未「ことり……！」

穂乃果「……海未ちゃん。やろう」

海未「ぐすっ……ええ！　もちろんです！」

穂乃果「絶対に優勝する！　ことりちゃんを、ガンプラバトルの呪縛から救う！」

海未「はい！　全力でサポートします！」

穂乃果「お願い、ユニコーン。私に力を貸して！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:18:34.44

ことり「全国大会、出場者……」

ことり「A-RISEに絢瀬絵里、西木野真姫……やっぱり有名所が来てるね」

ことり「あっ……」

ことり「そっか。間に合ったんだ」

ことり「でも、当たりたくないなぁ」

ことり「だって当たったら、私は撃てない。撃ちたくない」

ことり「でも撃たなきゃいけないんだ。守らなきゃ、いけないから」

ことり「たとえ望まなくても……私は」

ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん……」

ことり「私、どうしたらいいの……？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 13:19:24.78

一旦休憩します。また後で投稿します。

**名無しで叶える物語**(八つ橋) · 2020/04/15(水) 14:13:26.24

乙

**名無しで叶える物語**(SIM) · 2020/04/15(水) 15:10:31.21

このSSにはサンライズもニッコリ

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:14:15.77

穂乃果「遂に来たね、全国大会！」

にこ「アタシが手ぇ貸したんだから、負けたら承知しないわよ？」

海未「A-RISEも本格参戦してますからね。優勝は難しいかと」

穂乃果「でもやるよ。やるしかない」

にこ「……アタシからひとつだけ」

穂乃果「なに？」

にこ「ただ勝つだけじゃ、絶対に勝てない。大事なのはーー」

穂乃果「強い想いを伝える事」

にこ「はっ、余計なお世話だったみたいね」

海未「さぁ、穂乃果！　行ってらっしゃい！」

穂乃果「行ってきます！」

ーーー

穂乃果「順当に行くと、最初に当たるのはあんじゅさんだね」

にこ「ガンプラはヘビーアームズカスタムよ」

海未「劇場版の物ですね」

にこ「アイツのヘビアは、マトモに相手するのは疲れるわよ」

穂乃果「そういえば、見たことないや」

にこ「まぁ、とりあえずそこまでいくのにヘマしないようにね？」

穂乃果「もちろん！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:15:21.83

「デカブツが！　くらえ！」

穂乃果「見え見えだよ！　そこ！」

「がっ、ぐぁあああっ！」

『Battle　End
　WINNER　高坂穂乃果』

穂乃果「ありがとうございました！」

海未「順調ですね」

にこ「じゃなきゃ困るっての」

海未「他もA-RISEの三人、絢瀬絵里、西木野真姫、そして……南ことり」

にこ「まぁ、今は目の前の敵を倒すことよ」

海未「ええ。そして、優木あんじゅですね」

あんじゅ「どうやら次は私とね」

穂乃果「あ、あんじゅさん！」

あんじゅ「ツバサには悪いけど、全力で踊らせてもらうわね」

穂乃果「お、踊る？」

あんじゅ「フルハウスなステージで、最高のショッキングパーティが開かれる……ふふふ、込上げてくるわ」

穂乃果「は、はぁ……」

あんじゅ「アナタと私二人だけのプライベートウォーズ、盛り上げてちょうだいね？」

穂乃果「は、はい……」

海未「……イメージが」

にこ「ガンプラファイターって、たまにああいうの出てくるわよね？」

穂乃果「と、とにかく！　頑張るぞ！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:16:14.43

ツバサ「むー……」

英玲奈「何時まで拗ねてるんだ？」

ツバサ「拗ねてない」

英玲奈「何時までいじけてるんだ？」

ツバサ「いじけてない」

英玲奈「厳正なる抽選による結果だ」

ツバサ「分かってますー」

英玲奈「小学生か」

ツバサ「だって、全国大会よ？　そんな最高の舞台で、あんじゅに先を来されるなんて」

英玲奈「お前なぁ……本当に恋してるみたいだぞ？」

ツバサ「うっ！　だって、最初に高坂さんを知ったのは私だし、絶対に強くなるって思ってたし、そんな彼女と最高のバトルをしたいって思うのは当然でしょ？」

英玲奈「はぁ……もう突っ込まないぞ。何度も聞いた話だしな」

ツバサ「でもまぁ、あんじゅは勝ち負けよりも楽しむタイプだから」

英玲奈「それでも強いぞ」

ツバサ「私とのバトル、つまらないとか言われないかしら？」

英玲奈「ガチ恋か！？　もう付き合ってらんないぞ？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:16:51.76

穂乃果「よろしくお願いします！」

あんじゅ「ええ、よろしくね」

穂乃果「なんか、凄い歓声ですね」

あんじゅ「A-RISEだからっていうのと、対戦相手がアナタだからね」

穂乃果「そう言って貰えると、嬉しいです」

あんじゅ「でも勝つのはわたしよ」

穂乃果「それは譲りません」

あんじゅ「ガンダムヘビーアームズフルハウス。優木あんじゅ」

穂乃果「フルアーマーユニコーン焔！　高坂穂乃果！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:17:33.74

穂乃果「いっくぞぉーっ！　ん？　音楽？」

あんじゅ「A-RISEのデビュー曲【Shocking Party】みんなよろしくね」

穂乃果「宣伝してる！？」

あんじゅ「この曲が聞こえたら、私がいる合図。さぁーー踊りましょう？」

穂乃果「全弾一気に撃ってきた！？　だったらこっちも！」

海未「いきなり弾幕勝負になりましたね」

にこ「怖いのはここからよ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:18:22.54

あんじゅ
「Party！　Shocking　Party！！
　始める準備はどう?
（さあ来て　ここに来て♪）
　Party！　Shocking　Party！！
　世界が回り出す♪
（さあ来て　ここに来て♪）」

穂乃果「歌ってる！？　うわっととと！」

にこ「ノリノリね……」

海未「穂乃果、落ち着いて下さい……！」

あんじゅ
「誰かのためじゃない！
（私とfreedom）」

穂乃果「凄い……！　滑るみたいに動いてる！」

海未「スピンしながら弾をばら撒くなんて！」

にこ「跳んだ！　バッタみたいに、落ち着かないわね！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:19:07.81

あんじゅ
「自分次第だから♪
（Go、Go、we are freedom）」

穂乃果「足が止まらない！　着地からの移動が速すぎる！」

海未「あれだけ動きながら、絶えず弾を撃ち続けている……」

にこ「足はかなり特殊な造りになってるわね。スラスターと会わせて空中で急速に方向転換したり、地上を滑るように移動してるんだわ」

海未「しかし、あれだけ回転したりと動き回っていたら、着地を失敗したり、バランスを崩したりしそうなものですが」

あんじゅ
「誰かのせいじゃない♪
（心はfreedom）」

穂乃果「飛び跳ねながら撃ってくるから、狙いを定められない！」

あんじゅ
「主役は自分でしょ?
　わ・か・る・で・しょ?」

海未「会場が沸き上がった！？」

にこ「完全に自分のステージにしてるわね」

あんじゅ
「もっと知りたい！　知りたい！
　過剰なLife♪
　いま夢の、夢の、な・か・へ♪
　もっと知りたい！　知りたい！
　過剰なLife♪
　だから……Shocking Party！！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:19:59.31

穂乃果「はぁ、はぁ……」

海未「流石にあれだけの弾幕で、無傷では済まないですね」

にこ「むしろ、あれだけで済んでるのが凄いわ」

あんじゅ「……素晴らしいわ」

穂乃果「え？」

あんじゅ「私の歌が終わる前に落ちなかったのは、A-RISE以外ではあなたが最初よ」

穂乃果「は、はぁ……ありがとうございます」

あんじゅ「だからね。ここから先は、エンターテイナーとしてじゃなく、ガンプラファイターとしてやらせてもらうわ！」

穂乃果「……はい！　弾数はかなり消費しているはず。つまり！」

あんじゅ「ブースターを外した！？」

穂乃果「はぁ！」

あんじゅ「くぅっ！　誘爆させたのね。ユニコーンは！？」

穂乃果「そこだぁ！」

あんじゅ「バズーカ！　でも！」

穂乃果「ここで、攻め切る！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:20:50.78

海未「やはりあれだけ弾を消費しているから、避けるだけに専念してますね」

にこ「でも全部避けてるのが、A-RISEたらしめる技量って所ね」

穂乃果「マシンガンも、バズーカも当たらない……！？」

あんじゅ「ただ撃つだけじゃ、私に当てる事は無理よ」

穂乃果「みたいですね」

あんじゅ「ならばなぜ？　今なら、接近戦を仕掛けるのが定石のはず」

穂乃果「それは……あなたがエンターテイナーだからです」

あんじゅ「え？」

穂乃果「あなたは、ガンプラバトルを戦うだけじゃなく、見ている人達が楽しめる物にしていた。そんな相手に、ただ勝つ為だけに戦うのは、もったいないなって」

あんじゅ「あなたは……それで、負けてもいいの？」

穂乃果「勝ちます。それで、勝つ。アナタに勝つって、そういう事だと思います！」

あんじゅ「……フフフ、アハハハハ！」

穂乃果「……？」

あんじゅ「全国大会で、私よりも欲張りな勝ち方を望むなんて……面白いわね。ツバサが惚れるのも分かるわ」

穂乃果「え、えっと……」

あんじゅ「なら、最高のステージで、最高のバトルを！」

穂乃果「楽しみましょう！　焔、燃え上がれ！」

あんじゅ「武装をパージした！？　あれは、シールドファンネル！」

穂乃果「コレが私の、フルアーマーユニコーン焔の最終形態！」

あんじゅ「……美しいわ」

穂乃果「ありがとうございます」

あんじゅ「でも」

穂乃果「はい」

『勝つのは、私だ！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:21:34.47

真姫「なんて、戦いなの……」

花陽「まるで、二人で踊ってるみたい……」

凛「凛にも分かるよ。すごく、楽しそう」

ことり「穂乃果ちゃん、凄いなぁ……」

絵里「……くだらない」

希「絵里ち……」

絵里「勝利よりも大事なものなんてないのに……」

海未「なんと言えば良いのでしょうか。こんなに胸が熱くなるものを」

にこ「これが、ガンプラバトル……！」

英玲奈「妬けてしまうな。私でも」

ツバサ「本当よ。あんなに楽しそうなバトルされたら、たまらないわ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:22:27.00

あんじゅ「はぁあああ！」

穂乃果「うぉおおおっ！」

あんじゅ「この弾幕に突っ込んでくる！？　いいわ、来なさい！」

穂乃果「届け！　胸の奥にある、熱い想いを……ユニコーン！」

あんじゅ「炎が、翼になって……！？」

穂乃果「いっ、けぇーっ！」

あんじゅ「なんて、美しい姿ーー」

『Battle　End
　WINNER　高坂穂乃果』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:23:19.11

穂乃果「いやっ……たぁーっ！」

海未「穂乃果！」

にこ「やるじゃない！」

穂乃果「楽しかったーっ！」

あんじゅ「フフッ♪　そんなに嬉しそうな顔されたら、むしろ清々しいわ」

穂乃果「あ、あんじゅさん！」

あんじゅ「おめでとう。でも、まだ先は長いわよ？　ツバサと戦うまで負けないでね」

穂乃果「もちろんです！」

海未「お疲れ様です穂乃果。しかしこの先はかなりハードになりますよ」

穂乃果「そうなの？」

海未「次の対戦相手は、順当にいけばーー」

『決まったー！　勝者は氷狼、絢瀬絵里！』

にこ「絵里……」

海未「その後も、A-RISEの統堂英玲奈が恐らく勝ち上がって来るでしょう」

にこ「下手したら、A-RISE全員と相手しなきゃいけないってことね」

穂乃果「そっか……」

海未「穂乃果、不安なのは分かりますが落ち着いてーー」

穂乃果「何が？」

海未「へ？」

にこ「は？」

穂乃果「不安どころか、ワクワクするよ！　もっともっと、熱いバトルがしたいもん！　早く対っ戦にならないっかなーっと♪」

にこ「はは……余計な心配だったわね」

海未「そうみたいですね」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:24:10.67

あんじゅ「ゴメンネ、負けちゃった」

ツバサ「あれだけの戦いをした上での結果よ。謝る必要無いわ」

英玲奈「しかしそうか。このまま勝っていくと、次は私と当たるのか」

ツバサ「今気付いたの？」

英玲奈「なるほど。お前が拗ねる理由はよく分かった」

あんじゅ「あら。愛しのハニーを他の人に取られるのが心配？」

ツバサ「あんじゅ！」

あんじゅ「フフフ♪　心配しなくても、穂乃果さんは絶対に勝ち上がるわ」

英玲奈「私の前でそれを言うのか」

ツバサ「その前に、絢瀬絵里がいるけどね」

あんじゅ「正直な話、今の穂乃果さんなら負ける事は無いと思うけど」

英玲奈「とりあえず、私は行ってくる」

あんじゅ「はーい♪」

ツバサ「行ってらっしゃい」

英玲奈「……」

英玲奈（すまないな、ツバサ。あれだけ熱く滾る試合を見てしまった今）

英玲奈（奴はお前に会わせるべきではない。お前は奴にこだわり過ぎる）

英玲奈（ライバルと思っていては、頂点に立つべきお前の立場を崩しかねない。その前に）

英玲奈「私の所まで来るなら、高坂穂乃果はーー私が、殺す」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:24:53.09

絵里「高坂さん」

穂乃果「会長！　また戦えるなんて、嬉しいです」

絵里「そう……アナタは、ガンプラバトルをどう思ってる？」

穂乃果「へ？　そうですね……お互いの想いを最大限にぶつけて、最高に楽しめる物だと思います！」

絵里「なら、楽しむつもりのない相手だったら？」

穂乃果「え……」

絵里「私は勝つ事こそが至上だと思ってる。そんな私には、ガンプラバトルを楽しむ物とは思えない」

穂乃果「……勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。だからその先を、私は目指します」

絵里「その先を？」

穂乃果「また対戦したいっていう熱意を。その炎が、燃え上がる瞬間まで消えないように。あの時、バラバラになった日から今日のこの日まで、ずっと持ち続けてきましたから」

絵里「……なら、全力で相手させてもらうわ」

穂乃果「もちろんです！」

絵里「絢瀬絵里。イフリートフェンリル」

穂乃果「高坂穂乃果。フルアーマーユニコーン焔」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:25:35.95

穂乃果「廃墟……真姫ちゃんとやった時を思い出すなぁ」

絵里「……」

穂乃果「姿が見えない……レーダーの反応も無いから、見逃さないようにーーうわぁっ！？」

海未「背後から！？」

にこ「あいつ……！」

あんじゅ「エレガントさの欠片もないわね」

ツバサ「それだけ、勝つ事に必死なのよ」

真姫「あれは、ハイパージャマー？」

花陽「この間はIフィールドを載せてましたけど……」

凛「そんななんでも詰め込んで勝てるの？」

真姫「あまり口出しはしたくないけど、流石にやり過ぎね。意味分かんない」

希「……絵里ち」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:26:26.34

穂乃果「くっ！」

絵里「タンクをパージした！」

穂乃果「この！　一体いつの間に背後に！？」

絵里「……距離を取ったのなら、もう一度……」

穂乃果「またレーダーから！？　どこか、いい所……あそこ！」

海未「ドーム！　あれなら正面以外から攻撃されない！」

にこ「逆に言えば、逃げられないって事になるけど」

穂乃果「来るなら、来い……！」

絵里「……EXAM、起動！」

穂乃果「えっ、速いーー」

海未「穂乃果！」

にこ「無理やり突っ込んで！？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:27:20.26

穂乃果「最終形態で、なんとか逃げたけど……強い。前よりずっと、凶暴だ……！」

絵里「逃さないわよ……！」

穂乃果「くっ！」

ツバサ「クロスレンジの切り結びか」

あんじゅ「EXAM状態なのに、よく立ち回ってるわ」

真姫「攻撃の圧が、前より強い……！」

花陽「な、なんだか、怖いです……」

凛「……なんでだろう。見ててなんだか、可哀想に思える」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:28:00.36

絵里「はぁああああっ！」

穂乃果「ふっ！　この！」

絵里「バルカンなんぞぉ！」

穂乃果「シールドファンネル！」

絵里「邪魔だぁ！」

穂乃果「剣で弾いた！？　でも！」

穂乃果（ツバサさんと戦った時もそうだった。避ける事に専念すれば、向こうの方が射撃戦は分が悪い）

穂乃果（だから格闘戦に意識を持っていって、そこから活路を見出す！）

絵里「ここ！」

穂乃果「！？　しまっ、Iフィールド！」

絵里「切り捨て……」

穂乃果「くっ！」

絵里「御免！」

海未「穂乃果！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:28:53.42

絵里「……どういう事？」

穂乃果「はぁ……はぁ……腕一本で、済んでよかった……」

ツバサ「シールドファンネルで、自身を上に押し上げたのね」

あんじゅ「切り込まれる勢いも乗せて一気に回転した。ほんと、よく動かせてるわ」

絵里「次は、胴体を切り落とす……！」

穂乃果「くぬっ！　こんのぉっ！」

絵里「もはや片腕では、防ぎようもあるまい！　諦めなさい！」

穂乃果「勝つだけで、そこから何も求めないなんて……それだけ強いのに！」

絵里「強さのみを求めたからこそよ！　強さしか、私は望まない！　強くなければ、何も語れない！」

穂乃果「そんなこと、あるもんか！」

絵里「炎の翼か！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:29:35.27

穂乃果「模型部の部長が教えてくれた！　ガンプラは、造る人の想いを乗せる物だって！　その想いに応えるのがガンプラファイターなんだ！」

絵里「それで勝利が掴めるか！」

穂乃果「そのガンプラに、愛は無いの！？　勝ちたいって想いよりも、強い気持ちを！　そのガンプラに持ってないの！？」

絵里「黙りなさい！」

穂乃果「負けない！　そんなガンプラに負けられない！　だから応えて！　ユニコーン！」

あんじゅ「あれは……！？」

ツバサ「炎がビームサーベルを包んで！」

真姫「私の時と同じ……いや、もっと大きい！」

花陽「まるで、想いの強さが……」

凛「たくさんの人の想いが、集まってるみたいに……」

穂乃果「うぉおおおっ！　いっ、けぇえええーーーっ！！」

絵里「ぐぅうっ！　ばかな！？　この、私が、負けるーー」

『Battle　End
　WINNER　高坂穂乃果』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:30:22.21

絵里「負けた……私が、また……」

希「絵里ち」

絵里「希……」

希「絵里ちは、真面目過ぎるんよ。もっと気楽にやってええんよ？」

絵里「でも、それじゃ、一緒に頑張ってきた二人に申し訳無いじゃない……！　私達の最高傑作なのに……結果を出せないなんて！」

にこ「いつまで独り善がりなのよ！」

絵里「っ！？　にこ……」

にこ「あたしがいつ、アンタが勝てないのを責めたのよ！？　あたしが、そんな器の小さい奴に見えるわけ！？」

希「胸はちっちゃいけどな」

にこ「うっさい！　とにかく、三人で始めた事よ。だったら、どれだけ行き違っても、最後まで信じてほしかったわ。私の、造り手としてのプライドを」

絵里「にこ……」

にこ「まぁ、勘違いさせたのは悪かったけど」

希「だったら、仲直りのわしわしや～ん♪」

にこ「んなぁぅ！？　な、なにして、ばか、ちょ！？」

希「それそれ～♪」

絵里「……フフッ」

にこ「ん？」

希「ん？」

絵里「アハハハハ……！　ごめんね、ごめん……私……！」

希「絵里ち。また、一緒に頑張ろう？」

にこ「しょうがないから、今度はにこも手伝ってあげるわよ」

絵里「ありがとう……ありがとう……！」

穂乃果「会長……」

絵里「高坂さん……みっともない姿、晒しちゃったわね」

穂乃果「いえ。強かったです。勝利への執念、前よりずっと強かった」

絵里「ありがとう。次の準決勝、頑張ってね。応援してるわ」

穂乃果「はい！　この大会が終わったら」

絵里「ええ！　また、勝負しましょう」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:31:01.51

真姫「さて。とうとう来たわね。南ことり」

花陽「真姫ちゃん、頑張って下さい！」

真姫「ベストを尽くすわ。二人とも、応援してね」

凛「もちろん！」

花陽「凛ちゃん、しっかり応援頑張ろう！」

凛「うん！　へへへ、かよちんやる気で凛も嬉しいにゃ」

花陽「そ、そうかな？」

凛「うん。だから、ホントは真姫ちゃんには感謝してる」

花陽「凛ちゃん……」

ことり「西木野真姫さん、だよね？」

真姫「よろしくね、南先輩」

ことり「うん」

真姫「……随分舐めた態度取るじゃない？」

ことり「えっ？」

真姫「心ここにあらず、って感じ。私なんて眼中にないわけ？」

ことり「そういうわけじゃ……」

真姫「まぁいいわ。始めましょう」

ことり「クシャトリヤ・スピカテリブル。南ことり」

真姫「ダーリングザクファントムクロスロード！　西木野真姫！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:31:47.58

ことり「……」

穂乃果『ことりちゃんの想いと私の想いを、全力でぶつけ合おう』

ことり「私には、そんな資格ーーっ！？」

ツバサ「スナイパーライフル！？　あの距離を撃ってきた！」

あんじゅ「あえて距離を取る戦いをするみたいね」

真姫「ちぃっ！　外した！」

ことり「今は、戦いに集中しないと……！」

真姫「まだ捕捉はされてないか。なら、とにかく移動ね」

ことり「また撃たれたら、避けれないかもしれない。デブリを使って……」

真姫「……」

真姫（花陽と凛、二人に出逢えて、私は少し変わったかもしれないわね）

真姫（以前だったらこんな武装、用意しなかった）

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:32:42.82

花陽『南ことりさんの強さは遠距離じゃなくて、範囲武装という点が重要です』

凛『あのファンネルの事？　何が違うの？』

花陽『遠隔操作は、あくまで自分で操作するから、あまり遠くにあると精密さが落ちるんです』

真姫『なるほど……普通の射撃武装とそこは変わらないってわけね』

凛『でもさ、あれだけの数を色んな方向から撃たれるのはやっぱりキツイよ』

真姫『そうね。簡単には近寄れないわ』

花陽『だから逆に、近寄らなければいいんです』

凛『にゃ？』

真姫『え？』

花陽『ザクシリーズ最大の利点は、相手や状況に応じて装備をある程度変えられる所。だから南さんを相手にする時は……これを』

凛『あ、知ってる！　それスナイパーライフルってやつだよね』

真姫『確かに、相手のファンネルの範囲より外からなら……でも持ち運ぶには……あ』

花陽『真姫ちゃんのザクファントムは、バックパックがあるから。これを積んでおく事も出来るよね』

真姫『でも、スナイパーライフルなんてそう簡単に当てられるとは……』

凛『だったら凛が練習付き合うよ！』

真姫『凛……ありがとう、二人とも』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:33:40.91

真姫（今の私はもう、一人じゃない。私一人だけの戦いじゃない）

真姫（信頼出来る仲間がいる。それだけで、全力を尽くす理由になる！）

ことり「……」

ことり（さっきの一発はこの辺り。移動したとするならどっちに？）

ことり（レーダーを確認。隠れやすそうな場所をチェックしてーー）

ことり「ファンネル！」

穂乃果「ファンネルを飛ばした！」

海未「あたりをつけて飛ばしたのでしょう」

希「隣、いいかな？」

穂乃果「あ、はい。えっと……」

希「挨拶、まだやったね。ウチは東條希。音ノ木坂学院の副会長で、絵里ちの相棒だよ」

絵里「希、わざわざここで見るの？」

にこ「いいじゃない。アタシは穂乃果のも見てるし。気にしなくて」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:34:16.70

希「だいぶ静かな立ち上がりやね」

穂乃果「はい。それだけに、一瞬の気も緩めない状況です」

希「せやね。でもスナイパーライフル載せるなんて、思い切ったなぁ」

穂乃果「私の時は、使ってなかったです」

希「……ねぇ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「何ですか？」

希「敬語は無しにせぇへん？　ウチはその方が好きなんよ」

穂乃果「は、はぁ……」

希「にこっちもちゃん付けやし、ウチも好きに呼んでええよ」

穂乃果「じゃあ、希ちゃんで」

希「うん♪」

海未「東條先輩はこの試合」

希「希ちゃんで」

海未「いえ、しかし」

希「希ちゃんで」

海未「うぅ、の、希、さん」

希「うーん……ま、妥協しよか」

絵里「意地悪しないの」

希「はーい」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:35:47.97

ことり「……反応なし」

ことり（他に隠れられる場所、狙いやすそうな場所は……）

ことり（もう少し飛ばす？　コチラの隙を伺ってるなら、それもありかも）

ことり（いや、それならいっその事）

穂乃果「分離した！？」

絵里「これは、一気に決めに来たわね」

海未「メガ粒子砲！」

にこ「デブリを吹き飛ばしたわね。それにしてもファンネルといい範囲広すぎるでしょ」

希「それでも遠距離戦だと分が悪い。スナイパーライフルを見てるのに、わざわざ分離してまでする事？」

絵里「そのまま突っ込んでいくわ！」

海未「隠れる場所は殆ど無い。場所さえ割れれば、ことりが有利です！」

花陽「真姫ちゃん……！」

凛「真姫ちゃんなら大丈夫」

花陽「凛ちゃん……」

凛「かよちんと真姫ちゃんで組み上げたガンプラだもん。絶対に、大丈夫だよ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:36:39.10

ことり「ファンネルであらかた撃ってるけど、動きや気配が分からないなぁ」

ことり（ということは、廃棄コロニーの中？）

ことり（これだけやって無いなら、それしか無い。でも場所の特定は難しい。ファンネルを飛ばして攻撃してる隙を突かれるかも……）

ことり「よし、ファンネル！」

穂乃果「廃棄コロニーにファンネルを飛ばしたね」

海未「恐らく、中にいると踏んだのでしょう」

にこ「ん？」

希「にこっち、どしたの？」

にこ「今、気のせいかしら？　分かんないけど、なんか、なんだろ？」

絵里「何それ？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:37:22.29

真姫（……来たわね。ここまでは予定通り）

真姫（アナタのお陰でデブリが片付いたからよく見えるわ）

真姫（破損した横穴から、ファンネルを突っ込ませる所まで上手く行ってる。後は……その瞬間を待つ）

ことり（やたらめったら撃つわけにはいかない。慎重に、狙いを定めてーー）

真姫（大量にこっちに飛ばしてきた……本体は手薄。狙うはその瞬間よ！）

ことり（ーーそこっ！）

絵里「撃った！」

希「羽を貫いて……っ！？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:38:09.03

真姫「うそ……！？」

真姫（撃ったと同時に、撃ち抜かれた！？　なんで、ファンネルでそこまで精密に撃ち抜けた！？）

穂乃果「クシャトリヤのヘッドが無い？　ヘッドを撃ち抜いた？」

真姫「あれは……クシャトリヤの頭部！？」

にこ「違う！　ヘッドを飛ばしてた！　カメラとして、ファンネルに追従させていたのよ！」

海未「部長の感じていた違和感はこれだったのですね！」

絵里「下手をすれば、自身が危うくなるのに……！」

にこ「スナイパーライフルなら、一発完全に防げば何とかなると思ったんでしょ」

希「それに全面にファンネルを置いてた。それが破壊されるのを見て、羽を盾にしたみたいやね」

海未「そこまで、計算して……！」

真姫「くっ！　やられた……！」

ことり「危ないなぁ……羽が間に合って良かった」

真姫「マズイ……四肢をほとんどやられてる！」

真姫（まさか、ヘッドを飛ばすなんて！　それより、移動を！）

ことり「逃さないよ。既にファンネルは、アナタの周囲を囲んでる」

真姫「くそっ！　ここまで来て……！」

ことり「さよなら」

『Battle　End
　WINNER　南ことり』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:38:58.60

真姫「……負けた」

ことり「ありがとうございました」

真姫「ありがとう、ございました……」

花陽「真姫ちゃん……！」

真姫「花陽ーーきゃあっ！？」

花陽「真姫ちゃん、真姫ちゃあん……！」

真姫「花陽……ごめん、ごめんね……！」

ことり「……」

穂乃果「なんだか、私がやって来たバトルとは全然違う」

海未「射撃戦、それも一発で勝負を決めきるスナイパーライフル持ちの対戦はこういうものです」

にこ「ボサッとしないの！　今度はあんたでしょ？」

穂乃果「うん！　行ってきます！」

英玲奈「ここまでよく来たな、高坂穂乃果」

穂乃果「英玲奈さん！　よろしくお願いします！」

英玲奈「先に一つ言っておく」

穂乃果「はい？　なんですか？」

英玲奈「お前を、これ以上ツバサと関わらせるのは良しとしない」

穂乃果「え？」

英玲奈「ツバサはお前にこだわり過ぎる。お前の存在は、ツバサにとって害になり得る」

穂乃果「……」

英玲奈「だからこそ、ここで叩き潰す」

穂乃果「……分かりました。私も全力で抵抗します」

英玲奈「なぜだ？　お前は元々ツバサとは無関係のはず」

穂乃果「待っててくれてるからです。最高の舞台で、最高のガンプラバトルをするその時を！」

英玲奈「……ならば、ソレは叶わない」

穂乃果「負けない！」

英玲奈「アルケーガンダムマキシブースト！　統堂英玲奈！」

穂乃果「フルアーマーユニコーン焔！　高坂穂乃果！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:39:44.71

英玲奈「目標捕捉ーー破壊する！」

穂乃果「させない！」

英玲奈「弾幕など！」

ツバサ「これは、コロニー内」

あんじゅ「サイド7ね。ファーストガンダムの始まりの場所」

英玲奈「うぉおおおっ！」

穂乃果「はぁあああっ！」

凛「もう全部パージした！？」

花陽「いきなり、最終形態に！？」

真姫「いえ、あのアルケーガンダムはスピードが持ち味。フルアーマーだと遅くて逃げられない。判断は悪くないけど……」

にこ「……今まで上手く行ってるけど、そんなに何度も見せられると不安しか無いわ」

絵里「でも、あの光は……対面した私でも、不思議な力を感じたわ。彼女の純粋な想いが、そのまま溢れ出したような温かさが」

希「うん。ウチも、穂乃果ちゃんなら大丈夫だと思うよ」

海未「……あの、何故皆さんここに集まって？」

にこ「細かい事は気にしないの！」

凛「そーにゃそーにゃ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:40:36.93

英玲奈「お前は！　お前の存在は不要なんだ！　ツバサには！」

穂乃果「何がですか！？」

英玲奈「お前は、あまりに特別過ぎる！　お前がいる限り、ツバサはお前しか見ない！　周りの何もかもを切り捨ててでも、お前を選ぶだろう！」

穂乃果「そんな、アナタの勝手な！」

英玲奈「ああそうさ！　私のエゴさ！　ガンプラバトルにおいて、誰よりも見る者を魅了するファイトをしてきたお前が、羨ましいとな！」

穂乃果「私は、英玲奈さんと、真正面から戦いたい！　なのにアナタは、私を見ないで戦うんだ！」

英玲奈「なんだと！？」

穂乃果「勝手な事言って、勝手に決め付けて！　その上目の前の私の想いを否定して！　そんな相手に、負けてたまるか！」

英玲奈「私が、目を背けているだと！？」

穂乃果「燃え上がれ、ユニコーン焔！」

英玲奈「ちぃっ！」

ツバサ「バスターソードを破壊した！」

あんじゅ「いいえ！　まだアルケーには！」

英玲奈「まだだ！」

海未「ファングが！」

にこ「飛ばすと同時に突っ込んでいくわ！？」

穂乃果「こんのぉっ！」

ことり「バルカンとマシンガンで撃ち落とした……危ない！」

英玲奈「そぉこだぁっ！」

穂乃果「ぐはっ！？　こんなくそぉっ！」

英玲奈「ぐぅっ！？」

真姫「な、殴り合い！？」

花陽「こ、怖いです……！」

凛「モビルファイターじゃないんだから」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:41:50.35

英玲奈「ツバサは誰の手にも届かぬ星でなければならない！　頂点に君臨する者として！」

穂乃果「ガンプラバトルに、求める事じゃない！」

英玲奈「そうしてきたのさ！　そうすることで、私達は今の地位を築いた！　失う物のないお前には分かるまい！」

穂乃果「それでも守りたいんだ！　あの時の約束を……最高の舞台で、最高のバトルをするって！　ただ一人のガンプラファイターとして、誰よりも私の力を信じて、待ってくれてる人との約束を！」

英玲奈「それは叶わないと言った！」

穂乃果「アナタに止められる物じゃないんだ！」

あんじゅ「……なんか、愛の告白みたいね」

ツバサ「あんじゅ！？」

英玲奈「ここで終わるんだ！　何の資格も、覚悟も持たぬ貴様は！」

穂乃果「繋がってく想いがある！　ガンプラバトルに何よりも大事なのは、想いの強さだ！」

にこ「なに、あれ……！？」

絵里「炎から、光に変化して……何層にも重なっているわ！」

希「不思議や、温かい光が……見てると安心する」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:42:25.52

英玲奈「やらせるかよぉ！」

穂乃果「ぐっ！」

真姫「しまった！　アルケーには脚部にもブレードが！」

凛「腕を斬られた！」

花陽「あれ、なんで……私達、高坂さんを応援してるんだろう？」

「いけー！　ユニコーン焔！」
「頑張って！　諦めないで！」
「アルケーガンダムも瀕死だ！　あと一息だ！」

英玲奈「何故だ！？　なぜ、高坂穂乃果ばかりが……！？」

穂乃果「想いの力を、みんなの想いを、ユニコーンに！」

ツバサ「光が、拳に集まっていく！」

あんじゅ「ホントに、魅せられるわね……！」

英玲奈「いい加減に、落ちろ！」

穂乃果「うりゃあぁーーっ！」

英玲奈「なに！？　ブレードが破壊されて、ぐ、ぉああああっ！？」

穂乃果「はぁ、はぁ……！」

『Battle　End
　WINNER　高坂穂乃果』

穂乃果「私の、勝ちだぁーっ！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:44:24.95

英玲奈「……」

穂乃果「英玲奈さん……」

英玲奈「何も言える事はない。私は負けた。敗北者に、語る資格は無い」

穂乃果「……あの！」

英玲奈「なんだ？」

穂乃果「また、バトルしましょう！　何も背負ったりの無い、楽しいバトルを！」

英玲奈「……なるほど。敵わないな」

穂乃果「え？」

英玲奈「いや、ありがとう。その約束、いつか叶えよう。互いの為にな」

穂乃果「はい！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:45:07.38

英玲奈「申し訳無い」

ツバサ「なんの事？」

英玲奈「私は身勝手な考えで、お前と高坂穂乃果を引き離そうと考えていた」

ツバサ「それは、あなたなりに慮っての事でしょう？」

英玲奈「いや、私のエゴだ。個人的な感情に、それらしい理由を付け足しただけだ」

ツバサ「気にしてないし、気にしないわ。それくらいの事で、アナタを否定しようとは思わないわ」

英玲奈「ツバサ……」

あんじゅ「なーんて言ってるけど、本当は穂乃果さんが自分と同じように思ってくれてるのが分かって嬉しいのよね？」

ツバサ「なっ！？」

英玲奈「むう。言われてみれば、想いを繋ぐ約束みたいな感じだから、そうとも取れるのか」

ツバサ「英玲奈！？」

あんじゅ「だから私からすれば、スーパーアシストプレーっておもっちゃうのよねぇ～？」

ツバサ「もう！　もう！」

あんじゅ「うふふ♪　ツバサったら照れちゃって」

英玲奈「やれやれ。私のエゴが余計に夢中にさせてしまったか」

ツバサ「私、準決勝の試合があるから！」

あんじゅ「行っちゃった。それにしても、ホントに運命的よね」

英玲奈「方や世界ランカー、方や伝説のニュータイプかもしれないときたもんだ」

あんじゅ「そしてライバルは、恐らく日本最強」

英玲奈「なぜそう思う？」

あんじゅ「冷たいのよ。恐ろしく冷静で、計算高く、冷徹に事を済ませる。ツバサでも苦戦はするでしょうね」

英玲奈「それでも」

あんじゅ「それでも」

英玲奈「ツバサが負けるはずが無い」

あんじゅ「もちろん私もそう思うわ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:45:47.42

ことり「……」

ツバサ「よろしくね、南ことりさん」

ことり「よろしく、お願いします」

ツバサ「私はね、この戦いに勝たなければならないの」

ことり「え？」

ツバサ「約束してるのよ。高坂さんと。最高のバトルをしようって」

ことり「……」

ツバサ「だからどれだけ無様な姿を晒しても構わない。それでも勝ちたいのよ。そして約束を果たす。約束を覚えて、守って、勝ち上がって来てくれた彼女の為に」

ことり「……御託は、もういいです」

ツバサ「アナタみたいに、親友を騙して隠れて、自分の想いを伝えようともしないアナタに、私が負けるはずないーー」

ことり「うるさい！」

ツバサ「っ！？」

ことり「始めよう。さっさと」

ツバサ「そうね。リアライズガンダム！　綺羅ツバサ！」

ことり「クシャトリヤ・スピカテリブル。南ことり」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:46:34.41

ことり「……」

ツバサ『アナタみたいに、親友を騙して隠れて、自分の想いを伝えようともしないアナタに』

ことり「……～～っっ！！」

海未「地球が見える……」

穂乃果「これってさ、地球に落ちるってあるの？」

にこ「あるわよ。その場合、ほぼ確定で負けになるわ」

穂乃果「そうなんだ」

海未「こちらが大気圏突入が出来ても、相手が出来なければ試合にならなくなりますからね」

穂乃果「あ、そっか」

ツバサ「さぁ、始めましょう。フィンファング！」

ことり「っ！　ファンネル！」

にこ「ファンネルとファングが飛び交ってるわね」

希「互いに牽制してるけど、クシャトリヤのがファンネルの数で有利やね」

絵里「でも機動力は圧倒的にリアライズガンダムが勝ってる。互いのアドバンテージをどこで発揮するかね」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:47:10.74

ツバサ「やはり……どれだけの数を出しても、一度に操るのは限界があるみたいね。見た所同時に撃つのは6、7本といったところかしら」

ことり「……」

ツバサ「出し惜しみはしないわ。フィンファング・バリアー！」

海未「あれは！？」

穂乃果「フィンファングがピラミッド型のバリアを形成してる！」

にこ「なるほど！　あれなら、全方位ファンネルを無効化出来る！」

ことり「っ！！」

ツバサ「おおおおおっ！」

英玲奈「ファンネルが頂点を集中攻撃しているだと！？」

あんじゅ「確かにフィンファングは剥き出しになってるけど、どれだけ精密に動かせるのよ、あの子！？」

ことり「これでーーはっ！？」

ツバサ「なんとぉーっ！」

絵里「中にもう一つ！？」

希「破られる事を想定して、二重に重ねてたなんて！」

ツバサ「確実に！」

ことり「うぅっ……このっ！」

ツバサ「ちぃっ！」

真姫「羽を二枚、切り捨てて焼き払った！」

花陽「これで戦力は半減です！」

凛「でもバリアはすぐにまた剥がされる。ここからどう攻めるかがポイントだよ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:47:55.55

ツバサ「やはり、一筋縄ではいかないわね……！」

ことり「この！　この！」

ツバサ「でも、棒立ちになってるわよ！」

ことり「くっ！　速い……はっ！」

英玲奈「リアライズキャノンに変形したか！」

あんじゅ「決める気ね」

ことり「メガ粒子砲！」

ツバサ「リアライズバスターキャノン！　発射ぁっ！」

穂乃果「うわ、眩しい！」

海未「あの状況で、大胆な……！」

にこ「それだけ本気って事でしょ」

ことり「相殺……ガンダムは！？」

ツバサ「そこぉっ！」

ことり「っ！？　上から！」

真姫「羽を更に一枚撃ち抜いた！　それに！」

凛「クシャトリヤが地球へ追いやられてるって事は」

花陽「大気圏に落として、試合終了まで持っていく展開も充分ありです」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:48:30.55

ことり「くぅっ……！」

ツバサ「さぁ、大気圏を背中に背負ったアナタに、逆転の手段はあるのかしら？」

ことり「……」

ツバサ「フィンファング・バリアー！」

絵里「バリア展開！」

希「これで、決まるで！」

ことり「私はーー」

穂乃果「ことりちゃん！　頑張れ！」

ことり「はっ……！」

ツバサ「逃げても無駄よ！　バリアが剥がされるより先にーー」

ことり「月・光・蝶！」

ツバサ「なにぃっ！？」

海未「あれは、月光蝶！」

にこ「ターンＸのボディパーツだから出来る荒業！」

海未「そんな切り札を、まだ隠し持っていたなんて……！？」

ツバサ「そんな、リアライズガンダム！　動け！　動いて！　ここで、負けるわけには！」

ことり「私にも、理由がある！　その為に！」

ツバサ「くぅっ……私が、負けるわけにはーー」

『Battle　End
　WINNER　南ことり』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:49:11.21

穂乃果「ことりちゃん……」

海未「まさかあのような切り札を隠し持っていたとは、驚くしかありません」

にこ「そうね。それに大気圏を背にしていたから、正面から来るのは分かりきっていた。だから狙えたってのもあるでしょうね」

穂乃果「凄い……凄かったよ、二人とも！」

海未「ほ、穂乃果？」

にこ「コイツはこういう奴でしょ」

海未「そうでしたね」

穂乃果「決勝戦、楽しみだね！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:49:52.46

ことり「ありがとうございました」

ツバサ「……今回は、負けを認めるわ。でも覚えてなさい。必ずリベンジさせてもらうから」

ことり「はい。それと、一つ訂正させてください」

ツバサ「？」

ことり「私も、約束があります。この全国大会で、互いの想いをぶつけ合うって」

ツバサ「……そう」

真姫「とうとう決勝戦か……」

花陽「うん。どっちが勝ってもおかしくないよね」

凛「そう？　凛は南ことりのファンネルに手も足も出ないと思うけど」

真姫「確かにあの範囲攻撃は脅威だわ。でも、高坂穂乃果なら」

凛「それも分かる気がする。あの人は、なんていうか、不可能を可能に出来る何かを持ってる気がする」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:50:24.17

ツバサ「ふぅ……」

あんじゅ「残念だったわね」

英玲奈「まさか、月光蝶まであるとはな」

ツバサ「でも、これ以上の切り札はないでしょう。高坂さんも、それを分かってるはず」

あんじゅ「私は高坂さんに勝って欲しいけど。両方と戦った英玲奈は？」

英玲奈「はっきり言って、南ことりの方が圧倒的に強い」

ツバサ「でしょうね。単純な腕だけでも差はあるし」

あんじゅ「高坂さんが勝てる確率は？」

英玲奈「半々だ」

あんじゅ「あら、過大評価？」

英玲奈「想いの強さは、時に思いがけない力を与える。それを形に出来るのがガンプラバトルだ」

ツバサ「私は、行く末を見守るわ。どちらが勝っても、おかしくないし」

絵里「南ことりの勝ちは揺るがない」

希「せやね。でもウチのカードは、確定的な答えが出ないんよ」

にこ「アンタの占いで出ないの？」

海未「そんなに凄いことなのですか？」

絵里「あら、学校でも評判よ？」

希「ウチのスピリチュアルパワーよりも、もっと強い力が集まってるのかも」

海未「そんなオカルト……いえ、それを誰よりも側で、私は見てきた」

絵里「楽しみね」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:51:00.15

穂乃果「ことりちゃん」

ことり「穂乃果ちゃん……私はもう、謝らない。その代わり」

穂乃果「うん。全力で、戦おう！」

ことり「クシャトリヤ・スピカテリブル！　南ことり！」

穂乃果「フルアーマーユニコーン焔！　高坂穂乃果！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:51:40.89

ことり「穂乃果ちゃん。私は、ずっと私を隠してきた」

穂乃果「うん」

ことり「いつも穂乃果ちゃんの後ろに付いて、いつも穂乃果ちゃんの背中ばかり見て、いつの間にか、私の全てが、穂乃果ちゃん無しじゃ何も決められなくなってた」

穂乃果「うん」

ことり「だから、穂乃果ちゃんと離れ離れになるって思うと、私、どうしていいか分からなくて……ただ流されるままに、ここまで来た」

穂乃果「ことりちゃん……」

ことり「でも、今は違う。もう、そうやって誰かを盾にして、流されるままに生きるのはお終い。これからは自分の力で、自分の足で歩き出す。今日、ここで！　穂乃果ちゃんに勝って！　穂乃果ちゃんを、追い抜いてみせる！」

穂乃果「……私はね。二人がいてくれて嬉しかった。いつも一緒にいて、それが当たり前で」

ことり「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「でも、当たり前じゃない。いつか、こうなる日が来る。分かってたはずなのに、こんなに早く来るなんて思わなかった」

ことり「うぅ……！」

穂乃果「だから、せめて精一杯、全力で戦うよ！　後悔だけはしたくないから！　私の今までの想い、全部ぶつけるよ！」

ことり「私もだよ……！　私も、全力で、ぶつけるよ！」

穂乃果「ことりちゃん……これが私の、全力全開だ！　燃え上がれユニコーン！　そして、私の想いを乗せて、駆け抜けろ！」

ことり「……キレイ。鳥が、羽ばたいてるみたいに、どこまでも、飛んでいけるみたいで……！　私も、負けない！　どこにいても、気持ちは消えない！　離れないように、強く、強く羽ばたくよ！」

穂乃果「うぉおおお！」

ことり「はぁあああ！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:52:46.75

空港ーー

海未「行ってしまいましたね」

穂乃果「うん……」

海未「決勝戦の二人のバトル、先週から未だに再生数が伸びてるそうですよ」

穂乃果「そうなんだ」

海未「それほど、見る者の心に熱く焼き付いてしまう、最高のバトルでした」

穂乃果「そっか……」

にこ「いつまで見送ってんのよ？」

絵里「そんな言い方しなくてもいいじゃない。親友の門出なんだから」

希「それににこっち、今の成績で卒業出来るの？」

にこ「出来るわよ！　たぶん！」

凛「なんで力強く言ってるにゃ？」

真姫「そういう性格なんでしょ？」

花陽「ふ、二人とも、そんな言い方したら失礼だよ……！」

穂乃果「てゆうか、なんでこんな集まってるの？」

絵里「あら。ガンプラバトルで繋がった戦友を見送るくらい、させてくれてもいいんじゃないかしら」

希「お節介やけど、皆穂乃果ちゃんが繋いだ想いで結ばれた仲やもんね」

穂乃果「みんな……ありがとう！」

真姫「別にお礼を言われるような事じゃないわよ。それに、私は南さんにも、アナタにもリベンジするんだから。覚悟しときなさいよ」

凛「あの戦い見てたら、凛もやりたくなってきたんだよね！　かよちんから借りて、一番上手く動かせるのを探してるんだ！」

花陽「えへへ♪　凛ちゃん、ガンプラバトル向いてると思ってたから、ベースが決まったらもう全力で仕上げるよ！」

にこ「後輩たちに負けてらんないわね」

絵里「ええ。私もリベンジしたいし」

希「ふふふ♪　なんや、今まで以上に賑やかで、楽しいなぁ♪」

海未「穂乃果。私はアナタを尊敬します」

穂乃果「海未ちゃん？」

海未「あなたはいつもそうやって、どこまでも羽ばたいていく。これからも、そんなアナタと一緒にいたい」

穂乃果「海未ちゃん……！　ん？」

絵里「あら、クラクション？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:53:22.84

希「なんか、白塗りのリムジンが来たんだけど？」

ツバサ「よかった。まだここにいたのね、高坂さん」

穂乃果「ツバサさん！」

あんじゅ「ツバサったら待ち切れなくて、わざわざ車出させちゃったのよ？」

英玲奈「親友との別れなんだから、待ってやれとは言ったんだがな」

真姫「A-RISE揃い踏み……！」

穂乃果「あ、そっか！　この後、ガンプラバトルする約束してたんだ！」

海未「……穂乃果！　なんでそんな大切な事を言わないんですか！」

あんじゅ「気にしなくていいわよ」

英玲奈「むしろこれだけ集まってるのなら、好都合だ」

凛「にゃ？」

ツバサ「今度、新しいガンプラバトルのスタイルが発表されるんだけど、テストパイロットを集めてる所なのよ」

にこ「つまりそれを……」

花陽「私達に？」

英玲奈「そういう事だ」

穂乃果「新しいガンプラバトル！　面白そう！」

ツバサ「でも、その前に……高坂さん」

穂乃果「はい！　大会で出来なかった、最高のバトル！　やりましょう！」

ツバサ「そうと決まれば、皆乗って頂戴！　会場まで直接行くわよ！」

絵里「とんでもない展開ね」

希「でも、ホントに楽しそうやね♪」

にこ「望む所ってもんよ！」

凛「くぅ～っ！　凛も参加したかった！」

花陽「と思って、凛ちゃんの為のガンプラ、用意してあるよ」

凛「かよち～ん！」

真姫「さっさと乗りなさいよ」

海未「穂乃果！」

穂乃果「うん！　行こう！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

～Fin～

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 16:54:03.76

以上で終わりになります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

**名無しで叶える物語**(ますのすし) · 2020/04/15(水) 17:10:08.15

乙ー

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/04/15(水) 17:55:13.11

1日で完結とか凄いな

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/15(水) 19:12:36.58

>>135
書き溜めてからなので、ただ載せるだけのものです。
ただ二、三日スレ立て出来なかった方がもやってました。

**名無しで叶える物語**(SB-Android) · 2020/04/15(水) 19:25:16.88

乙
1人で最後まで書き溜めるのも大変よ
何日か前に代行してあげれなくてごめんな
誰かがやると思ってスルーしちゃった

**名無しで叶える物語**(東日本) · 2020/04/15(水) 21:02:12.52

A-RISEがガンプラバトルするやつはワシも昔書いた

**名無しで叶える物語**(なっとう) · 2020/04/15(水) 22:48:16.34

おつい

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 23:54:34.23

>>137
全然気にしないで下さい。最後まで読んでいただきありがとうございます。

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 23:55:55.39

>>138
是非とも読ませていただきたい！

**名無しで叶える物語**(らっかせい) · 2020/04/15(水) 23:57:38.87

急にシャアみたいな口調になるな

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/15(水) 23:59:54.64

>>142
筆が乗りすぎました。後悔はしてません。

**名無しで叶える物語**(東日本) · 2020/04/16(木) 00:53:55.82

>>141
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1403178903/
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1439552340/

**名無しで叶える物語**(たこやき) · 2020/04/16(木) 01:16:02.31

>>144
やはり君か
懐かしい、まだここにいてくれたとは

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/04/16(木) 02:53:51.25

時々口調面白くて笑った

**名無しで叶える物語**(かぶらずし) · 2020/04/16(木) 03:13:03.03

ガンプラ作りたくなってきた…
ガンプラも買いに行けない世の中になってしまったからなぁ…

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/16(木) 09:30:48.78

>>144
読ませていただきました。
自分は武装名などの知識が無いので、細かい描写が出来るのは羨ましいです。
少し気になったのは、たまに地の文で話し言葉になっていた点。これだけしっかり書けるから、少し勿体無いと思いました。ゆうて自分は台詞しかないので、偉そうな事言えないのですが。

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/16(木) 09:57:40.03

なんたかもう少しだけ書きたい欲が出てきたので、間に合えばもう少しだけ書かせていただきます。
間に合わなかったらすみません。
やっぱり書いてると設定いろいろ考えてるのが一番楽しい。

**名無しで叶える物語**(茸) · 2020/04/16(木) 11:54:17.45

今はガンプラより30MMの方が楽しい
本当に自由に作れるからな
公式戦も組むモチベーションが上がる上がる

**名無しで叶える物語**(八つ橋) · 2020/04/16(木) 12:00:02.58

乙
怒涛の投下で話の勢いそのままに読めて良かった

**名無しで叶える物語**(おにぎり) · 2020/04/16(木) 22:41:20.85

乙
無理に全員戦わせようとしてないからテンポ悪くないし面白かった
続きもあるなら期待

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2020/04/17(金) 21:55:44.90

おつ
続きも期待

**名無しで叶える物語**(鮒寿司) · 2020/04/17(金) 23:41:35.54

続き期待して貰えてるみたいで嬉しいです。
ただ時間掛かりそうなので、もう少しだけお待ち下さいませ。

**名無しで叶える物語**(もこりん) · 2020/04/18(土) 00:21:34.56

乙
スラスラ読めて楽しかった
続きあるなら待ってる

**名無しで叶える物語**(たこやき) · 2020/04/18(土) 08:40:38.61

ガンプラといえばケロロ軍曹であります

**名無しで叶える物語**(らっかせい) · 2020/04/19(日) 02:56:21.66

保守

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2020/04/20(月) 02:30:32.29

保守

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:10:24.55

保守ありがとうございます。
続き載せていきます。

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:11:19.24

ことり「よいしょ、よいしょ……っと！」

ことり「ふぅ！　これでバッチリ！」

ことり「楽しみだなぁ……日本」

ことり「クシャトリヤ・スピカテリブルも、楽しみだよね……」

ことり「待っててね、海未ちゃん、穂乃果ちゃん……！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:11:56.19

海未「……遅い」

真姫「何ソワソワしてんのよ？」

希「まぁまぁ。久々に幼馴染と会えるんやから」

海未「そちらではないです。穂乃果が……」

凛「一緒に来なかったの？」

海未「ええ。迎えに行ったら、既に出た後だったので」

絵里「待ち切れなくて、早く出たのかしら？　でも、それなら先に来てるはずよね？」

海未「そうなのです。電話にも出ないし、心配で……」

花陽「だ、大丈夫でしょうか？　もし事故に遭ったりしてたら」

にこ「どうせ寄り道してるとかじゃないの？」

海未「さすがに、ことりが帰ってくるのに寄り道はしないと思いますが」

絵里「確かに心配ね」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:12:44.97

ことり「海未ちゃ～ん！」

海未「あ……ことり！」

ことり「久しぶりだね、海未ちゃん♪」

海未「はい。ことりも元気そうで何よりです」

ことり「あれ、穂乃果ちゃんは？」

海未「それが、連絡がつかなくて……」

ことり「あ、ごめんね。もしもし？」

ツバサ『大変よ！　高坂さんが！』

ことり「え？　穂乃果ちゃんが？」

ツバサ『ガンプラマフィアに、攫われたのよ！』

ことり「え……えぇ～っ！？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:13:22.96

ツバサ「ガンプラマフィア達は、国際ガンプラ連盟にも内通者を潜り込ませて、様々な情報を盗んでいたのよ」

あんじゅ「捕まえたのはいいけど、既に多くの情報が流されてしまった」

英玲奈「その中には、高坂穂乃果が伝説のニュータイプだという情報もあった」

海未「し、しかし！　攫われたのならもっと大事になっているはずでは！？」

ツバサ「A-RISEの所属事務所にも、内通者がいたのよ」

希「その肩書を利用して、穂乃果ちゃんを信用させたんやね」

にこ「なんて奴らなの！？」

ことり「それで、今どこに向かっているんですか？」

英玲奈「招待状が置いてあってな。中には、アキバドームにて待つ、と」

絵里「アキバドームって」

真姫「今度のガンプラバトル大会が開かれる場所よね？」

あんじゅ「ええ。そこに、奴等は待ち構えているの」

ツバサ「こんな事になったのは、私達にも責任がある。だけど、お願い！　皆の力を、貸してちょうだい！」

ことり「そんなの、言われるまでもないよ！」

海未「ええ。穂乃果を救う為なら、協力は惜しみません！」

凛「悪い奴らをやっつけるのに、理由なんかいらないにゃ！」

花陽「私も、できる限り力になります！」

真姫「やってやろうじゃない」

にこ「当然よ！」

希「もちろん」

絵里「手伝わせてもらうわ」

ツバサ「ありがとう……！」

あんじゅ「さぁ、着いたわよ」

英玲奈「行こうか、高坂穂乃果を助けに！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:14:13.66

絵里「誰もいない？」

ツバサ「いえ、ステージに誰かいるわ！」

？？「やぁお嬢ちゃん達。我々は秘密結社リリーマルレーン」

英玲奈「リリーマルレーン、だと！？」

あんじゅ「ガンプラ連盟のブラックリストに入っているガンプラマフィア……！」

シーマ「あたしの事は、そうさね。シーマ様と呼びな。これからあんた達には、あたし達のガンプラと戦ってもらう。断るなら、ニュータイプの小娘はもらっていくよ」

絵里「ふざけないで！　そんな事、許すわけにはいかないわ！」

シーマ「威勢がいいのは結構。それを潰す事が目的なんだから」

にこ「なによ、何をするつもりなの！？」

シーマ「あの小娘を調べれば、人工ニュータイプを生み出す事だってできるはずさ」

海未「そんな、バカみたいな話に！　私の大切な幼馴染を巻き込むなんて！」

シーマ「バカにならない大金が動くからだよ。ニュータイプになる薬なんか出来たら、こぞって欲しがるだろうねぇ」

ことり「……許さない」

シーマ「はぁ？」

ことり「今日は、凄く楽しみにしてたのに……絶対に許さない！」

シーマ「はっ！　ウチのファイター達を倒してからほざきな！」

ツバサ「言われなくても！」

英玲奈「そのつもりだよ」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:15:24.77

ことり「ファイターは私とA-RISEの三人。それから絵里ちゃん、真姫ちゃんの全部で六人。相手がどれだけいるか分からないけど」

凛「七人だよ。凛を入れて」

真姫「凛。無理するんじゃないわよ？」

凛「分かってるにゃ！」

絵里「期待してるわよ、凛」

にこ『何かあったらすぐに言いなさいよね』

希『ウチらは、サポートに回るね』

花陽『き、気を付けて下さい……！』

海未『できる限り援護しますので』

ツバサ「頼んだわよ」

英玲奈「見えたぞ！　あれは、塔だな」

絵里「登って来いって事かしら」

凛「なんだか古典的にゃ」

あんじゅ「でも、嫌いじゃないわ」

真姫「善悪がハッキリ分かりやすいからね」

ことり「行こう、みんな！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:16:20.96

ツバサ「一つ目は、月面ステージか」

凛「中をこんな風に変えたり出来るんだね」

花陽『元々、仮想空間だからね』

「よく来たわね、お嬢さん達」

絵里「だれ！？」

「お前達に名乗る名前など無いわ！　行きなさい、我らがジムスペシャルズ！」

にこ『反応多数！　これは……！？』

希『百や二百やない！　コレだけの数を出してくるやなんて！』

「クックック……！　さすがにこの数には手も足も出ないでしょう？」

ことり「うるさい」

真姫「は？」

ツバサ「なっ！？」

「ば、ばかな！？　千のジムを用意してきたのよ！？」

凛「一瞬でファンネル達が」

絵里「バラバラにしてしまったわね」

あんじゅ「忘れてたわ。南ことりは、ハンドレッドバトルの最速レコーダーだって事」

海未『この間、聞いたのですが……』

花陽『なんですか？』

海未『世界最速レコード、更新したらしいです』

にこ『嘘でしょ！？』

ことり「名乗らなくていいよ。消えて」

「ひ、ひでぶほっ！？」

英玲奈「全方位ファンネルで」

希『達磨になって撃ち抜かれた……』

ことり「さぁ、行こう！」

ツバサ「そ、そうね！　あの子、ああいう性格なの？」

海未『本気で怒ると、怖いのは確かです』

凛「怒らせないように気を付けないと……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:17:01.25

「……」

真姫「……凛！」

凛「え？　にﾞゃん！？」

絵里「ビーム砲！？」

にこ『反応無かったわよ！？』

「外したか……まぁいいわ。先程は私のリトルデーモンが失礼したわ」

真姫「何者！？」

海未『……リトルデーモン？』

「我が名は堕天使ヨハネ。このヨハネデシュティニーの供物に捧げられたいのは誰？」

ツバサ「……」

英玲奈「……」

あんじゅ「……」

海未『……デシュティニー？』

ヨハネ「うっさい！」

真姫「黒いデスティニーガンダム……最近1on1のオンラインで名前を上げているガンプラファイターね」

花陽『黒いボディに紅い翼……私も知ってます！』

ヨハネ「クックック……ならば私と勝負よ。このヨハネデスティニーが、真なる闇へ葬り去ってあげるわ」

凛「デシュティニーね」

ヨハネ「デスティニー！」

あんじゅ「それなら、私が相手してあげるわ。皆は先に行って」

ツバサ「あんじゅ、任せたわよ」

あんじゅ「また後でね」

ヨハネ「一人で私の相手が務まると？」

あんじゅ「思ってなきゃ、残らないわ」

ヨハネ「その傲慢、我が贄に相応しいわ。地獄へ落としてあげる」

あんじゅ「すぐにへばらないでね？　最後まで踊れないなんてつまらないから」

ヨハネ「ヨハネデスティニー！　堕天使ヨハネ！」

あんじゅ「ガンダムヘビーアームズフルハウス！　優木あんじゅ！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:17:48.15

あんじゅ「悪いけど、今は速く終わらせるわ！」

ヨハネ「舐めないでよね！」

あんじゅ「ホラホラ！　足を止めたら負けよ！」

ヨハネ「ちぃっ！　仕方ない！」

あんじゅ「消えた……！？　どこに！」

ヨハネ「……そこよ」

にこ『来るわ！』

あんじゅ「え？　きゃあっ！？」

ヨハネ「もらったぁ！」

あんじゅ「舐めないでよね！」

ヨハネ「ちぃっ！　回転しながら弾を！」

あんじゅ「アンカーで引っ張られたのね……ふん！」

ヨハネ「斬られたか……もう一回！」

あんじゅ「消えた！　どうする？　優木あんじゅ……貴方なら」

にこ『アイツなら』

あんじゅ「え？」

にこ『高坂穂乃果なら、この状況でも全力で、楽しむでしょうね』

あんじゅ「……フフッ♪　そうね、やっぱり、楽しまなきゃね」

ヨハネ「そこよ！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:19:26.47

あんじゅ
「そう、行っちゃうの？
　追いかけないけど♪」

ヨハネ「避けた！？　違う、ただ動き出しただけ？　っていうか、何歌ってんのよ！？」

あんじゅ「基本だね……群れるのキライよ♪」

ヨハネ「なに、回転しながら弾を！？　なんか音楽まで流れてるし！」

にこ『A-RISEのセカンドシングル【Private　Wars】よ』

ヨハネ「聞いてないから！」

あんじゅ
「Oh！　孤独の切なさ、わかる人だけど♪
　時々言葉を、交わし合って♪」

ヨハネ「ええい！　ウロチョロと！　その歌をやめなさい！」

あんじゅ
「お互いの場所で！
　お互いの想い♪
　高める each other's day！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:19:58.21

ヨハネ「ウザいのよ！　飛んだり跳ねたりして！　だったら、ミラージュコロイドで！」

あんじゅ
「What'cha do！
　what'cha do？
　I do“Private Wars”」

ヨハネ「なに！？　コッチを見た！」

あんじゅ
「ほら正義と狡さ、手・に・し・て♪」

ヨハネ「なぜ！？　ミラージュコロイド中よ！　ブーストだって吹かしてない！」

にこ『つまり着地してるって事でしょ？　無理せず飛んだ方が良かったんじゃない？』

あんじゅ
「What'cha do！
　what'cha do？
　I do“Private Wars”」

ヨハネ「ぐぅっ！　がはっ！」

にこ『足を止めたら負ける。倒れたアンタに、もう起き上がる時間は無いわ』

ヨハネ「くそっ！　その足を退けーー」

あんじゅ
「ほら人生ちょっとの勇気と……
　情熱でしょう？」

ヨハネ「ぎゃあああああっ！」

にこ『足で押さえて、ガトリングをぶち込むとか……えげつないわね』

あんじゅ「弾数気にして、いつもの調子が出ないよりましでしょ？」

にこ『そんな事気にしてたわけ？』

あんじゅ「だって、まだ終わりじゃないもの」

にこ『そうね……何か来る！』

あんじゅ「えっ……あれは、きゃあっ！？」

にこ『あんじゅ！』

？？「終わりだよ。メガ粒子砲」

あんじゅ「その声、まさかーー」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:20:51.54

凛「あんじゅさん、大丈夫かな？」

英玲奈「あんじゅが負けるなどそうそうない」

ツバサ「必ずたどり着いて来るわ。先を急ぎましょう！」

海未『信頼してるのですね』

真姫「次が見えたわよ。ここは……荒野ステージね」

絵里「誰かいるわ。白いスサノオかしら？」

コンゴウ「よくぞここに来た。我が愛機、コンゴウとの果し合いを所望する」

凛「一対一でやりたいってこと？」

コンゴウ「私は雇われの身。しかし己の信条は正々堂々とした勝負のみ。さあ！　私と戦え！」

英玲奈「いいだろう。遠慮も容赦も要らなそうだ。相手してやる」

ことり「英玲奈さん！」

英玲奈「お前達は先に行け」

ツバサ「必ず勝ちなさい」

英玲奈「当然だ」

コンゴウ「……」

英玲奈「……見逃すのか。ありがたいが」

コンゴウ「既に言ったはず。私が望むのは果し合いだと」

英玲奈「その心意気、気に入った。貴様の名は？」

コンゴウ「今の私に名など無い。呼びたければ、我が愛機の名を呼ぶといい」

英玲奈「いいだろう。いくぞ、コンゴウ！　アルケーガンダムマキシブースト！　統堂英玲奈！」

コンゴウ「いざ、いざいざいざ！　尋常に勝負！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:21:44.91

コンゴウ「はぁあああ！」

英玲奈「ふん！」

コンゴウ「ほう、随分と変わったスラスターだ。それで軌道を不規則にしているのか」

英玲奈「その通り。そしてこの波状攻撃が躱せるか！　ファング！」

コンゴウ「ならば手加減無用！　我が愛機コンゴウの真の姿をお見せしよう！　トランザム！」

英玲奈「なに！　ボディが白から、ダイヤモンドのように！」

コンゴウ「これぞ我が愛機をコンゴウたらしめる姿！　そして！」

英玲奈「速い！　くぅ！」

コンゴウ「おおおおおおおおお！」

英玲奈「ぐ、うぁっ！　くそ！　なんて速さだ！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:23:06.14

コンゴウ「この速さから逃げる事など不可能！　切り刻まれるがよい！」

英玲奈「逃げる……？」

穂乃果『あなたは、私を見ないで戦うんだ！』

英玲奈「ふっ……掛かってこいよ？」

コンゴウ「挑発か！　ならば、あえて乗らせてもらう！」

英玲奈「ふん！」

コンゴウ「なに！？　あえて懐に！」

英玲奈「捕まえたぁっ！」

コンゴウ「ぐおっ！　ファングか！」

英玲奈「掴めば、刺せるってもんさ！」

コンゴウ「ぐっ！　ぐぅっ！　離せ！」

英玲奈「離すか！　このまま殴って壊してやるよ！」

コンゴウ「ならば……かくなる上は！」

英玲奈「オラオラオラオラオラァッ！」

コンゴウ「武士道とは……死ぬ事と見つけたり！」

英玲奈「ところが！」

コンゴウ「なに！　離しただと！」

英玲奈「ぎっちょん！」

コンゴウ「上、させるか！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:23:54.19

英玲奈「諸共にやろうってのは見事だが、殴り合いくらいは付き合えよ！」

コンゴウ「そのような醜い戦いなど！」

英玲奈「己のエゴで戦う奴は負ける！　それを私は経験してるんだよ！」

コンゴウ「己の意地を通せぬなどと、生き恥を晒すつもりは無い！」

英玲奈「見事だ、コンゴウ……しかし！」

コンゴウ「トランザムが！？」

英玲奈「ファング！」

コンゴウ「ぐぁっ！」

英玲奈「一・刀・両・断！」

コンゴウ「ぐぅ、おのれぇえええ！」

『Battle　End
　WINNER　統堂英玲奈』

英玲奈「通すべき意地を、間違えたな。しかし見事だったと言っておこう」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:24:51.64

ツバサ「三方向に別れてるわね」

凛「じゃあ凛はこっち！」

真姫「こら、凛！　待ちなさいよ！」

絵里「じゃあ私は左に」

ことり「私も一緒にいくよ」

ツバサ「じゃあ真ん中は私がいくわ。皆の健闘を祈る！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:25:40.36

凛「ここは……」

真姫「宇宙空間ね……」

セイラ「よく来ましたね。歓迎しますよ」

リア「まぁ、すぐに終わらせてあげるけど」

真姫「あれは……蒼いレギルスガンダム！」

凛「それに……あれなんだっけ？」

花陽『フォーンファルシア……この組み合わせ、間違いありません！　Saint Snowの二人です！』

セイラ「おや、私達を知ってましたか。ありがとうございます」

リア「なら、私と姉様のコンビに勝てるわけないのはわかるでしょ？」

凛「なに？　馬鹿にしてるの？」

花陽『あの二人は新しく始まった2on2マッチで、日本でもトップ10に入る実力者です！』

真姫「舐めてかかれる相手じゃないわよ」

凛「やれやれだにゃ。それなら凛とかよちんと真姫ちゃんの三人コンビの方が上に決まってるにゃ」

真姫「それ、コンビって言わないから」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:26:10.68

リア「あいつ……！」

セイラ「リア。あなたは熱くなりすぎる」

リア「っ！？　す、すみません、姉様」

真姫「なんであんた達がいるのか知らないけど、容赦しないわ」

凛「凛の最初の相手に不足はないってね！」

リア「フォーンファルシア・クラッシュマインド！　リア・カヅノ！」

セイラ「レギルスガンダム・セイントスノウ。セイラ・カヅノ」

真姫「ダーリングザクファントムクロスロード！　西木野真姫！」

凛「セイクリッドガンダム！　星空凛！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:27:58.85

絵里「ここは、コロニー市街地かしら？」

ことり「街中だね」

絵里「誰かいるみたいよ」

？？「いらっしゃいませ！」

絵里「へ？」

ことり「？」

？？「あれ？　えっと……なにか間違えました？」

絵里「いえ、というか、何から突っ込めばいいのかしら？」

ことり「お名前、聞いてもいいですか？」

エマ「はい！　私、エマ・ヴェルデと申します！　私のボルトガンダムパルセノスが、お相手させていただきますね！」

海未『あれは、ボルトガンダム！　しかし、なんというアンバランス！』

ことり「腕が、物凄く大きい……！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:28:50.52

絵里「……あなたは、ガンプラマフィアなの？」

エマ「いえいえ。私は家族を養わなければいけないので、沢山お金が貰えると聞いて引き受けました！」

ことり「な、なんだか」

絵里「やり辛いわね……」

海未『二人とも。それでも進まなければならないのですから』

ことり「そうだね。悪いけど」

絵里「ことり！」

ことり「っ！？」

マリー「Shit！　外しちゃったわね」

エマ「大丈夫！　私は固くて大きい。つまり強い！」

絵里「スナイパーが潜んでるわ！」

ことり「だったら先に！」

エマ「行かせませんよ！」

絵里「あなたの相手は私よ！」

エマ「ボルトガンダムパルセノス！　エマ・ヴェルデ！」

マリー「サバーニャスプレンドーレ。マリー・オハラ。ロック・オン！」

ことり「クシャトリヤ・スピカテリブル！　南ことり！」

絵里「イフリートフェンリル！　絢瀬絵里！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:29:35.77

ツバサ「ここは……宇宙空間か。地球が見えるわね」

？？「ふぁーあ……やっと来たか」

ツバサ「藍色の、エピオン？」

カナン「私はカナン。よろしく」

ツバサ「カナン……藍色のエピオン。まさか！」

カナン「じゃあ……とっとと死ねよ！」

ツバサ「エピオンXaか！」

カナン「オラァっ！」

ツバサ「ちぃっ！　こんな所で遭うとはね！」

カナン「ゴチャゴチャ言ってねーで、アタシとファイトしなぁ！」

ツバサ「バーサーカーの異名を持つファイター……ガンプラマフィアに加担してるなんてね！」

カナン「どれだけ好きにぶちのめしても構わないんだとさ。楽しいなぁ、一方的にぶち壊すってのはよぉ！」

ツバサ「舐めないでよね。そんな簡単に！」

カナン「おっと！」

ツバサ「やられる訳にはいかないわ！」

カナン「エピオンXa。カナン・マツウラ」

ツバサ「リアライズガンダム！　綺羅ツバサ！」

『ガンプラファイト！　レディー、ゴー！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:30:37.76

一旦休憩。飯食ってきます。

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:52:58.53

また続き載せていきます。

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:53:16.53

セイラ「レギルスビット！」

リア「ファルシアビット！」

真姫「回避！」

凛「分かってるにゃ！」

リア「姉様。あのガンダム、初めて見るわ」

セイラ「ゴッドガンダムをベースにしているようですね。油断しないよう」

リア「もちろんです」

凛「弾がカクカク曲がって飛んでくるとかおかしいよ」

真姫「そういう弾なのよ。それより凛」

凛「なに？」

真姫「花陽の言うことちゃんと聞くのよ」

花陽『真姫ちゃん？』

真姫「そしてアンタが証明しなさい。花陽のガンプラは、世界に通用するガンプラだって事を」

凛「……当たり前だよ。その為の、セイクリッドガンダムなんだから」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:54:05.11

リア「見つけた！　ビット！」

真姫「悪いけど、もっと凶悪な弾を見てきたからね！」

リア「避けるんじゃない！」

真姫「嫌に決まってんでしょ！」

セイラ「リア。前に出過ぎです！」

凛「うりゃあっ！」

セイラ「このように」

凛「うわっ！　ととと！」

セイラ「横からの奇襲を警戒しなさい」

リア「す、すみません……」

セイラ「リアはそのザクファントムを。私はガンダムを落としてきます」

リア「分かりました！」

真姫「来た。ミサイル発射！」

リア「甘いわよ！」

真姫「この、この！」

リア「もらったぁ！」

真姫「くっ！」

リア「他愛もない……姉様の元へ急がないと」

真姫「……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:54:56.47

凛「来たね！　チェスト！」

セイラ「まだ動きが甘い。ですが手は抜きません」

凛「かよちん！　速攻でいくよ！」

花陽『分かった！　凛ちゃん、LWBシステム、解放するよ！』

セイラ「背中のブースターから、星形に光が放たれている……レギルスビット！」

凛「セイクリッドガンダム！　打ち鳴らせ、勝利の鐘を！」

セイラ「ビットがかき消されてる！　これは、まずい！」

凛「天に星空！　地に稲穂！　今こそ見せよ、最終奥義！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:55:39.75

リア「姉様！」

凛「セイクリッド・メテオ・ナッコォーっ！」

セイラ「なっ、速いーー」

リア「やらせない！」

セイラ「リア！？」

リア「ぐあっ！？　姉様、ごめんなさい……」

凛「セイクリッドぉ、エンド！」

セイラ「リア！　おのれ、リアを！」

真姫「そこよ！」

セイラ「なっ！？　狙撃、どこから！？」

真姫「ダーリングブースターでも、スナイパーライフルは使えるのよ」

セイラ「そんな、ばかな……こんなにもあっさりと」

凛「当たり前だよ。かよちんは世界一」

真姫「ファイターを思い遣るビルダーなんだから」

花陽『凛ちゃん、真姫ちゃん……！』

真姫「凛。悪いけど、抱えて連れてってくれる？」

凛「しょうがないなぁ」

花陽『ごめんね、凛ちゃん』

凛「なんでかよちんが謝るのさ」

真姫「そうよ。それに、まだ終わってないわよ」

花陽『そうだね。行こう！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:56:27.87

ことり「ファンネル！　すぐに終わらせるよ！」

エマ「うわわ！　全方位から！？」

マリー「慌てないの」

絵里「バリア！？」

海未『あれは、シールドビット！』

ことり「だったら、向こうを先に叩かないと！」

エマ「やらせませんよ！　パルセノスハンマー！」

絵里「ちぃ！　下手に近寄れない！」

海未『シールドビットが張られている以上、下手な攻撃は防がれます！』

ことり「でも、向こうを倒すには」

絵里「このゴリラを倒さないといけないわね」

エマ「ゴリラって、酷いですよ！　可愛いじゃないですか！」

ことり「可愛い、のかなぁ？」

絵里「そんな事今はどうでもいいでしょ！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:57:19.06

マリー「……Shot！」

ことり「きゃあっ！？」

絵里「スナイパーライフル！」

海未『まずい！　この二人、相性が良すぎる！』

エマ「このまま潰しちゃいますよ！　そーれ！」

絵里「……私が時間を稼ぐわ」

ことり「絵里ちゃん？」

絵里「海未。サポートお願い」

海未『わ、分かりました！』

エマ「行きますよ！　それそれ！」

絵里「ハンマー！　でも避けれない程じゃない！」

エマ「むぅ。だったら、もっと近付いて！」

絵里「至近距離で、イフリートを相手にするのは無謀よ！」

エマ「えい！」

絵里「パリング！？　剣を拳で弾いた！」

海未『ボルトのハンマーを、マックスターのナックルのように兼用しています！』

絵里「しまった！　ぐはっ！？」

エマ「ハンマー直撃です！」

海未『絵里！』

絵里「まだよ！　EXAM起動！」

エマ「むむ！　ですが！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:58:00.81

マリー「クシャトリヤが来た。ライフルビット展開！」

ことり「撃たせません！　ファンネル！」

マリー「おっと！　こちらも、スナイプだけじゃないわよ！」

ことり「……ごめんなさい」

マリー「えっ？」

エマ「きゃあっ！？　照射ビーム！？」

マリー「Shit！　これを狙ったのね！」

ことり「それじゃあ」

絵里「終わらせるわ！」

エマ「きゃあああっ！？」

マリー「エマ！」

ことり「そして後はファンネルで方位すれば終わりだね」

マリー「私、諦めが悪いのよ」

絵里「ビットが！」

海未『ことり！』

ことり「……効かないよ」

マリー「げ、月光蝶！？」

絵里「さ、さすがね……」

ことり「でも、危なかった。同士撃ちが上手く行って良かったよ」

海未『はい。上手く誘導できて良かったです』

絵里「なかなか頼りになるじゃない、海未」

ことり「それじゃあ、穂乃果ちゃんの所に行こう！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 14:59:07.32

カナン「そらそらそら！　どうしたどうした！」

ツバサ「くっ、速い！　このリアライズガンダムに追い付けるなんて！」

カナン「追い付く？　舐められたもんだよ。このエピオンXaは！」

ツバサ「っ！？　うしろ！？」

カナン「テメエより速いんだよぉ！」

ツバサ「フィンファング！」

カナン「ちぃっ！　うざったい！」

ツバサ「カナン！　どうしてそんな風になったかは知らないけど……邪魔するなら容赦しない！」

カナン「こっちは最初からそのつもりだぁ！　EXAM起動！」

ツバサ「バカな！　そんな事したら！」

カナン「ーー」

ツバサ「速すぎる！　まともに機体制御できる訳が！」

カナン「ーーがぁっ！」

ツバサ「ぐぅっ！　そんな、化け物か！」

カナン「はっはぁ！」

ツバサ「くっ、この！　距離が取れない！　接近戦も、パワーが違い過ぎる！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:00:13.97

カナン「いいねぇ！　これが戦いだよ！」

ツバサ「己すら制御しきれないか！」

カナン「テメェはどうだぁ！？　現にアタシには手も足も出ないだろうがぁ！」

ツバサ「私にはーー羽があるわ」

カナン「がっ！？　ビームが！」

ツバサ「それだけ速いと、見えても避けれないわよね？」

カナン「フィンファングか！」

ツバサ「私ばかり見て、ファングのビームが見えないのね」

カナン「ウザい！」

ツバサ「フフフ……ホラホラ、さっきまでの威勢はどうしたの？」

カナン「この……くそがぁっ！」

ツバサ「面白いぐらいに自分からぶつかるわね」

カナン「がぁあああ！」

ツバサ「これでとどめよ。リアライズバスターキャノン……発射ぁっ！」

カナン「ぐぅ、ぉあああああっ！？」

『Battle　End
　WINNER　綺羅ツバサ』

ツバサ「……想いなき強さに、未来は無いわ。さよなら」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:01:13.20

ことり「着いた！」

絵里「最後も宇宙空間ね」

凛「二人とも！」

真姫「無事だったのね」

絵里「あなた達こそ」

ことり「真姫ちゃん、大丈夫？」

真姫「狙い撃つのに支障はないわ」

ツバサ「どうやら、あとは英玲奈とあんじゅだけね」

にこ『大変よ！　あんじゅは奇襲を受けたわ！』

ツバサ「なんですって！？」

にこ『今は英玲奈に助けてもらってる。襲ってきたのはーー』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:01:55.87

真姫「何か来たわよ！」

絵里「あれは、ナイチンゲール！」

シーマ『そうさね。我らの最高傑作、その名も【ナイチンゲール・ラブライブ】』

ことり「ナイチンゲール・ラブライブ……！」

シーマ『さぁ、お友達との感動の再会だよ？』

凛「どういう事？」

？？「ターゲットを確認」

海未『この声は、まさか！』

ことり「穂乃果ちゃん！？」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:02:29.55

シーマ『最高のパイロットに最高のガンプラ。あんた達に勝ち目は無いよ！』

穂乃果「殲滅、開始」

ツバサ「そんな……！？」

絵里「しっかりしなさい！　アナタがそんな事でどうするの！？」

ツバサ「っ！　そうね、そんな暇は無いわ！」

ことり「メガ粒子砲、来る！」

凛「うわわわわ！」

花陽『ファンネル来ます！　回避を！』

希『皆、ここが正念場や！』

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:03:28.22

ことり「行って、ファンネル！」

ツバサ「ナイチンゲールは射撃寄りの機体。どうにか接近すれば」

絵里「任せて。援護お願い！」

希『えりち！』

にこ『いきなりは無謀よ！』

穂乃果「敵機接近」

絵里「なっ！　ファンネルの壁！？」

穂乃果「排除する」

絵里「ぐぅっ！」

凛「並べたファンネルのビームで動きを制限して、ビームライフルで狙う。そんなコンビネーションもあるんだ……」

ツバサ「絵里！」

絵里「まだやれるわ！　でも、接近するのは難しいみたいね」

凛「だったら無理やり突っ切れば！」

花陽『ガンプラへの負担が大きくなるから駄目だよ！』

真姫「ファンネルが来るわ！」

ことり「散開！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:04:26.02

ツバサ「フィンファングバリアー！」

穂乃果「……敵機接近」

ツバサ「くぅっ！」

真姫「ツバサ！」

ツバサ「ファンネルは私が引きつける！」

絵里「だったら、今の内に！」

凛「凛も行くよ！」

穂乃果「……拡散メガ粒子砲、発射」

凛「うわわっ！」

絵里「危ない！」

真姫「……そこ！」

穂乃果「っ！」

真姫「防がれた！」

ことり「真姫ちゃん、逃げて！」

真姫「くっ……！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:05:10.75

ツバサ「この人数をこれだけ上手く捌けるなんて、どれだけ乗りこなしてるの！」

シーマ『ハッハッハッハッハ！　お前達は、ここで無様にやられるのさ！　やれ、ナイチンゲール・ラブライブ！』

にこ『アイツ……絵里！』

絵里「きゃあっ！　ミサイル！？」

凛「かよちん、LWBシステムを！」

花陽『分かった！　システム解放！』

凛「凛のこの手が光って叫ぶ！　お前を倒せと輝き叫ぶ！」

穂乃果「……」

ことり「ビームアックスの光が、強くなってる！」

凛「セイクリッド・メテオ・ナッコォーっ！」

穂乃果「出力最大」

花陽『そんな！　セイクリッドガンダムの最大パワーを受け止めるの！？』

凛「くんのぉっ……！」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:06:26.23

絵里「隙あり！」

穂乃果「背後から接近」

絵里「きゃあっ！？」

ツバサ「テール部分で撃ち払った！？」

凛「にゃっ！？」

花陽『凛ちゃん！』

ことり「メガ粒子砲！」

真姫「スナイパーランチャー！」

ツバサ「リアライズバスターキャノン！」

穂乃果「シールドファンネル展開」

にこ『嘘でしょ……！？』

海未『三方向からのビーム砲を、受け止め切っています！』

ことり「穂乃果ちゃん！　もうやめて！」

ツバサ「ことり！？」

ことり「穂乃果ちゃんは、こんな戦い、望んでない！　こんな、想いの篭ってないバトルなんて、楽しくない！」

穂乃果「……」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:07:01.55

真姫「穂乃果！　本当に撃つつもり！？　アンタが誰よりも、ことりとの再戦を望んでいたはずよ！」

ツバサ「高坂さん！　ここにいる皆が、アナタとの繋がりで集まったのよ！」

ことり「穂乃果ちゃん……！」

穂乃果「……うぅ、ぐうぅっ！？」

ことり「穂乃果ちゃん！？」

穂乃果「頭が、痛い……やめろ、私に話しかけるな！」

ことり「穂乃果ちゃん！」

海未『ことり、離れて！』

穂乃果「邪魔だ、邪魔だ邪魔だ邪魔だぁっ！」

ことり「ーー」

**名無しで叶える物語**(もみじ饅頭) · 2020/04/20(月) 15:07:52.97

？？「どうやら間に合ったみたいね」

ことり「これは……」

海未『シールドビット！　まさか！？』

マリー「ハァーイ♪　さっきはいいバトルだったわ」

絵里「サバーニャスプレンドーレ！」

エマ「聞きましたよ！　シーマさん、とっても悪い人なんですね！　そんな悪いお金は受け取れません！」

ことり「ボルトガンダムパルセノス！」

セイラ「レギルスビット！」

リア「ファルシアビット！」

花陽『Saint Snowの二人も！』

シーマ『どういう事だい！　裏切る気か！』

カナン「というか、そもそもこうする予定だったしね」

ツバサ「カナン！　いったいどういうことなの？」