栞子「あなたは自殺しました」あなた「え…」
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あなた「ど、どういうこと!栞子ちゃん…!」
栞子「そのままの意味です。あなたは『自殺』しました」
あなた「い…意味がわからない…」
栞子「わからない、ですか…」
栞子「では、あなたが生徒会室に来た理由を答えてください」
あなた「…?それは…」
あなた「今日は同好会活動の“大事な日”のはずなのに…」
あなた「部室に行っても誰もいなくて、待っていても誰も来なくて…」
あなた「もしかしたら、栞子ちゃんが強権発動して、同好会をなくしちゃったのかな、って思って…」
あなた「……」
あなた「…あれ、“今日”って…何日だ……?」
栞子「…」
栞子「今日は、あなたの命日です」
栞子「分かりやすく言うと、今のあなたは『あなたのクローン』です」
あなた「え…」
栞子「…1年前の今日、あなたは自宅で首を吊りました」
あなた「えっ…!?」
栞子「第一発見者は、あなたの―――」
あなた「やっ、やめてっ!!」
栞子「…」
栞子「主な経緯は“あえて”省きますが、私の系列企業…いえ、国家と表現して差し支えないでしょう…その非人道的な技術力をもって、非道徳的にも、あなたを蘇らせることに成功しました」
あなた「えっ…えっ…」
栞子「あなたのその身体は、以前あなたが有していた身体と寸分違いません」
栞子「ただ、記憶に関しては“あの日”から数日分は欠落しています」
栞子「…『抑圧』の影響で…」
栞子「ですので、混乱して当然です」
栞子「あなたからすれば、約1年後の未来に突然タイムトラベルしたようなものですから」 あなた「と、突拍子のない冗談はやめてよね栞子ちゃん!不謹慎にもほどが―――」
栞子「あなたは違和感を覚えませんでしたか?」
あなた「えっ…」
栞子「スクールアイドル同好会の部室から、この生徒会室まで足を運んでいる途中に」
あなた「違和感…」
あなた「…言われてみれば…誰も…いなかった…」
あなた「あんなに活気づいていた放課後の校舎が、突然、静止したみたいに…」
栞子「……」
栞子「元のあなたが最後にいた時間は“スクールアイドルフェスティバルの前日”」
栞子「元のあなたが最後にいた場所は“スクールアイドル同好会の部室”」
栞子「元のあなたが最後に有した記憶は“虹ヶ咲学園の廃校”」
栞子「“その瞬間”からあなたの自殺までの、あなたの記憶は欠落しています」
栞子「言い換えれば、“その瞬間の少し前”と今のあなたの記憶はシームレスに繋がっています」
栞子「つまり、あなたは先ほど、既に廃校になった虹ヶ咲学園を歩いていました」 あなた「わ…私はクローンなんでしょ!?じゃ、じゃあクローンが造られてる施設や研究所にいたときの記憶を持ってるはずじゃ…!?」
栞子「あなたは世界が5分前に始まったという仮説に反論することができますか?」
あなた「…っ!」
あなた「じゃあ…そもそも…!」
あなた「そもそもなんで栞子ちゃんは廃校になった虹ヶ咲学園の生徒会室にいるの!?」
栞子「なぜ、ですか…」
栞子「ここにいれば、あなたが会いに来てくれるからです」 栞子(やはり“重要な記憶”が欠落している人間を説得するのは難しいですね…)
あなた「そんな…私が自殺…?クローン人間…?そんな…」ボソボソ…
栞子「もしもし」
あなた「…何?」
栞子「実は、今までのは全部“嘘”です」
あなた「は?」
栞子「というより“あまりにも非現実的なことなので嘘だと思われます”」
あなた「…は?」
栞子「と、そうですね、表現があまり正しくなかったですね」
栞子「先ほどの会話の中で“世間に周知な事実”は虹ヶ咲学園の廃校だけです」
栞子「あなたは首吊り死体で発見されましたが、警視庁の“自殺の状況”には加算されませんでした」
栞子「上原さんや他の数人には、あなたは“意識不明の重体”であると伝えてあります」
栞子「というか、“そういう風”にしました」
あなた「は…?」 あなた「何が“そういう風”だよ…ふざけるなよ…!」
栞子「私からすれば、ふざけているのはあなたです」
栞子「なぜ自殺したのですか?」
あなた「……」
栞子「…といっても、あなたの『防衛機制』はその‘重要な記憶’を『抑圧』してしまったため、あなたは答えることができません」
栞子「だから、私は“あなた”を責めません」
あなた「…」
栞子「…と、前置きが長くなってしまいましたね」
栞子「あなたのクローンを製造した目的のひとつを、あなたに伝えなければなりません」
あなた「何…?」
栞子「“私は無事に快復したよ♪”って、みなさんに喧伝して回ってください」
栞子「あなたは彼女たちの精神的支柱だったのでしょうね」
栞子「あなたが自殺未遂をしたと聞いて、みなさん“おかしく”なりました」
栞子「…まぁ、あなたは絶命したんですけど…」
栞子「クローンであるあなたを世に放つことに、特に大きな問題はないのですが」
栞子「…まぁ、クローンという事実はこちらで厳重に秘匿しますので…」
栞子「一番の問題は、彼女たちの精神状態です」
栞子「あなたは、彼女たちに会ってください」
栞子「そして、
@あなたが死んだことを伝える
Aあなたが生きていることを伝える
Bあなたがクローンであることを伝える
以上三点の説得材料をもって、彼女たちを“元に戻して”ください」 ――――――――――――――――
――――
――
あなた(栞子ちゃんが言ってたことは本当だったんだ…)
あなた(私から見た世界の変化は“虹ヶ咲学園の消滅”)
あなた(校舎は残ってるけど、あちらこちらに売地の立て看板があって…)
あなた(“在校生”の受け入れ先として、原宿に学校が新設されて…)
あなた(…そう。「私の周辺」以外の全ての世界が正常に動作している…)
あなた(そして、今日は私が“退院”する日)
あなた(…まずは、歩夢ちゃんに会おう) あなた「歩夢ちゃん?退院したよ…」
歩夢「あ♡あなただ♡」
あなた「あ…歩夢ちゃん…?」
歩夢「あなた♡あなた♡あなた…♡」
あなた(え…?歩夢ちゃんの全身が『私の写真』で覆われてる…)
歩夢「あなた♡あなた♡あなた♡」ペタペタ
あなた「ちょっ…!?やめ…」
あなた(歩夢ちゃんが『何か』を私に貼り付けてくる…!?)
あなた(それに、玄関から見えるだけでも、壁、天井、床…)
あなた(あらゆる平面が『私の写真』で埋め尽くされてる…!?)
栞子『どうですか?“理解”しましたか?』
あなた(栞子ちゃん!?脳内に直接…!?)
栞子『あなたのクローン製造時に、少し細工をさせていただきました』
栞子『私とあなたは、テレパシーじみた会話が可能です』
あなた(そんなことよりどうなってるの!?歩夢ちゃんが…) 栞子『えぇ、上原さんは“おかしく”なりました』
栞子『“あなたの喪失”を「否認」し、あなたと“あなたの記録媒体”を「置き換え」ることで自我を保っています』
栞子『つまり、“あなたの記録媒体”をあなたと認識しています』
あなた「そんな…」
栞子『上原さんは特にあなたに対する精神的プライオリティが高かったのでしょう』
栞子『傍目にも、一番重症にみえます』
歩夢「あなた♡あなた♡あなた♡」
あなた「あ…あ……」
歩夢「あなた♡あなた♡あなた♡」
あなた「〜〜〜〜〜!!!」
あなた「ごめんね…!歩夢ちゃん…!」
栞子『あ〜あ、逃げちゃいましたね』
歩夢「あ…あなた…」 あなた「ど…どうしよう…歩夢ちゃんが…歩夢ちゃんが…!」
栞子『一応言っておくと、上原さんはあなたの記録媒体をあなたと認識すること以外は、正常に生活できています』
あなた「やめて!」
栞子『…』
あなた「でも…どうしよう…どうしようもないよ…」
栞子『そうですか。じゃあ、また自殺しますか?』
あなた「…っ!」
あなた「でも…私が死んでも…」
栞子『えぇ、クローンが造られるでしょうね』
栞子『“この問題”を解決できる唯一にして最善手は、あなたですから』
あなた「…」
栞子『…やりようによっては…』
栞子『クローンをもう9体ほど製造する手もありますが』
あなた「!!」
栞子『クローンであるあなたは、どうお考えですか?』
あなた「だ、だめ!!それってつまり―――」
栞子(ふーん…。その「選択肢」はあるのですね)
栞子(…じゃあ、なぜあなたは死んだのでしょうか?)
CASE 02 : 朝香 果林, Emma Verde
あなた「果林さん?退院したよ…」
果林「あ!おねえちゃん!ひさしぶり〜!」
あなた「か…果林さん…?」
果林「ずっとびょういんでおねんねしてたんでしょ?しおりこちゃんからきいたよ〜!よかったね!たいいんできて!」
あなた(え…?どうなってるの…果林さんの言動が…)
栞子『えぇ、朝香さんは“おかしく”なりました』
栞子『“あなたの喪失”を理解できない発達段階まで「退行」することで自我を保っています』
栞子『つまり、幼児と同等の言動になりました』
あなた「そんな…」
かりん「ん〜?どうしたのおねえちゃん?まだおなかいたいの?」
??「果林ちゃん!?外に出たらダメっ!!」
あなた「えっ…」 エマ「果林ちゃん!私のそばを離れたらダメだよ…!」
かりん「もぉ〜!ぎゅっとしたらくるしいよ〜!えまちゃん!」
あなた(え…?どういうこと…)
栞子『ヴェルデさんは“おかしく”なりました』
栞子『“あなたの喪失”を「歪曲」し、朝香さんを“保護すべき対象”とすることで自我を保っています』
栞子『つまり、“あなたの喪失”を自分の責任にして、同じことを繰り返さないため、朝香さんを“保護”するようになりました』
エマ「果林ちゃん…!どこにも行ったらダメだよ…!」
かりん「ん〜?かりんはここにいるよ〜?」
あなた「あ…あ……」
あなた「〜〜〜〜〜!!!」
栞子『あ〜あ、逃げちゃいましたね』
かりん「ばいば〜い!」
エマ「果林ちゃん…!果林ちゃん…!」 あなた「せつ菜ちゃん?退院したよ…」
せつ菜「やりました!召喚魔法が無事に発動しました!」
あなた「せ…せつ菜ちゃん?」
せつ菜「“この世界”のマナはどうですか!?魔力、霊力、龍脈、レイラインは!?」
あなた(え…?どうなってるの…せつ菜ちゃんの言動が…)
栞子『えぇ、中川さんは“おかしく”なっています』
栞子『“あなたの喪失”を「分裂」し、世界を「理想化」することで自我を保っています』
栞子『つまり、この世界を“異世界”と認識しています』
あなた「そんな…」
せつ菜「うーん…どうやらあまり適合しなかったみたいですね…」
??『せつ菜ちゃん!?“私”が現れたって本当!?』
あなた「えっ…」 しずく『わわっ!?“私”がもうひとり!?ドッペルゲンガー!?』
せつ菜「あらゆる並行世界から“同個体”が喚べるってことは…」ブツブツ…
あなた(え…?どういうこと…)
栞子『桜坂さんは“おかしく”なっています』
栞子『“あなたの喪失”を「分裂」し、あなたを「取り入れ」ることで自我を保っています』
栞子『つまり、自分を“あなた”と認識しています』
しずく『大丈夫かな…?“私たち”対消滅したりしないよね…?』
せつ菜「うーん、おそらく1凸になるかと!」
あなた「あ…あ……」
あなた「〜〜〜〜〜!!!」
栞子『あ〜あ、逃げちゃいましたね』
せつ菜「よし!多世界から多重召喚して完凸を目指しますよ…!」
しずく『あはは…またせつ菜ちゃんが専門用語を使ってる…(^^;)』 あなた「璃奈ちゃん?退院したよ…」
璃奈「……、…………!」
あなた「り…璃奈ちゃん…?」
璃奈「………、………………………」
あなた(え…?どうなってるの…璃奈ちゃんの声が…)
栞子『えぇ、天王寺さんは“おかしく”なりました』
栞子『“あなたの喪失”を「抑圧」した結果、身体に「転換」が現れました』
栞子『つまり、声を出せなくなりました』
あなた「そんな…」
璃奈「……………?………“……”……?」
??「なんで…!今さら出てきたの…!」
あなた「えっ…」 愛「帰ってよ…!」
璃奈「…………」
あなた(え…?どういうこと…)
栞子『宮下さんは“おかしく”なりました』
栞子『“あなたの喪失”を“死んでもいい人間”の「合理化」とすることで自我を保っています』
栞子『つまり、あなたを“死んでもいい人間”と認識しています』
愛「帰って!!」
璃奈「…………」
あなた「あ…あ……」
あなた「〜〜〜〜〜!!!」
栞子『あ〜あ、逃げちゃいましたね』
璃奈「…………、…………“……”……………、………………………」
愛「…大丈夫だよ、りなりー…」 あなた「かすみちゃん?退院したよ…」
かすみ?「ん〜?どぉしたんですかぁ?そんな暗い顔してぇ?」
あなた「か…かすみちゃん?」
かすみ?「“かすみん”の元気を分けてあげますよ!せ〜んぱいっ♪」ギュッ
あなた(え…?いつも通りの…かすみちゃんだけど…)
栞子『いえ、中須さんは“おかしく”なっています』
栞子『“あなたの喪失”を“かすみ”に「解離」し、“かすみん”を基本人格とすることで自我を保っています』
栞子『つまり、二重人格になりました』
あなた「そんな…」
かすみん「“かすみん成分”が足りないですかぁ?もっとギュッとしてあげますよ♪」
??「ねぇ…私もギュッとしたい…もっと近くで確かめたい…」
あなた「えっ…」 彼方「首に…痕はない…首に…痕はない…首に…」
かすみん「首に痕って、チョーカーのボディペイントですかぁ?」
かすみ「首に…痕…?そうだ…先輩は…」
あなた(え…?どういうこと…)
栞子『近江さんは“おかしく”なっています』
栞子『“あなたの喪失”を「否認」することで自我を保っています』
栞子『つまり、“あなたの喪失”を“なかったこと”にしようとしています』
かすみ「先輩…いやです…先輩…いやです…先輩…」
彼方「あの子は…死んでない…あの子は…死んでない…あの子は…」
あなた「あ…あ……」
あなた「〜〜〜〜〜!!!」
栞子『あ〜あ、逃げちゃいましたね』
彼方「死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない死んでない」
かすみ「いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ」
CASE 06 : ???? ????, 三船 栞子
栞子「どうでしたか?“元に戻せそう”ですか?」
あなた「…ねぇ」
栞子「はい」
あなた「私も“そう”なんだよね」
栞子「えぇ」
栞子「あなたは“おかしく”なっています」
栞子「“あなたの喪失”を『抑圧』することで自我を保っています」
栞子「つまり、自分を“死んでいない”と認識しています」
栞子「…私も同じです」
栞子「私は“おかしく”なっています」
栞子「“あなたの喪失”をクローンに『置き換え』ることで自我を保っています」
栞子「つまり、クローンを“あなた”と認識しています」
栞子「…と言えます」
栞子「適切な反論材料がないので、客観的に、私は“そう”みえるはずです」
あなた「…………………………」
あなた?「…ふふっ、そうなんだ♪」
CASE XX : ???? ????
――――――――――――――――
――――
――
栞子?「気付きましたか?」
栞子?「 『『『 あなた 』』』 は“おかしく”なっています」
栞子?「“あなたの喪失”を『昇華』し、“何か価値のありそうなもの”に『置き換え』ることで自我を保っています」
??『つまり、“〇〇〇”〇、〇〇〇〇〇「〇〇」〇〇〇、「〇〇」〇〇』
終
やりたいと思っただろうことは形になってるがそれが面白いかというと微妙だと感じた 面白かった
面白かったけど面白いところで終わってるから残念
ここで終わることに意味があるのかもしれないけど 全然わからなかったけど高校の時に習った防衛機制思い出して懐かしくなった 完凸あなたちゃんがヒーラータイプなら余裕で回復させられそう
無凸じゃ力不足 解説しないと評価されないし作者の自己満で終わっちゃうよ >>1 です
あなたちゃんの首吊りリ〇ナと、かすみんの離人症が書きたかったけど
それだとあまりにヘキセーローバクすぎるのでゲーム感を加えたつもりです
一度困難を苦に自殺したあなたちゃんが自分のせいで苦しんでる仲間を助けられるか?みたいなゲームで
クローンは残機もしくはリスポーンの役割で、栞子ちゃんはゲームシステムの役割です
私の頭の中ではあなたちゃんは首吊りに掛けられた復活能力者みたいになる予定ですが(>>15)
このSSでは最後にあなたちゃんが”ゲーム性”に気付いて終わりです
>>32 の一文は『つまり、”あなた”は、このSSの「作者」であり、「読者」です』
ありがとうございました このSSの世界観もわかってない内から口頭での説明ラッシュ
そしてよくわかんない流れで終了
サム8笑えないぞ 分からんから説明しろって言われて
説明したら叩かれて
さすがに可哀想やわ 起承転結の起だけ見せられてお終いと言われた感
読者的には彼らがこれからどうなるのか続きが読みたいはずだぞ 流石にオナニーすぎるわ
SSなんて皆オナニーだけど、これは本当にただの自己満足 違ったらすまんが前にかすみの探偵もの書いてた人か?
あなたちゃん良く死ぬなw 1人づつ良い感じで解決していくストーリーなら面白そう ストーリーもいいし文章の書き方も上手いんだからちゃんと完結させて欲しかったな
9人分ってなると大変すぎるだろうけど 何のためにここで書いたんだ
ちゃんと解説してくれよ
TAKE XXX : 三船 栞子
栞子(…どうやら…この世界の構造に気付き始めてるようですね…)
栞子(毎回、あなたの記憶はリセットされますが…)
栞子(リセットしきれなかった“些細な記憶”が数えきれないほど重なることで“確かな記憶”に変わりつつあります)
栞子(さながら、中川テイストに言えば“限凸”でしょう)
栞子(……がんばってください)
TAKE XXXX : あなた
――――――――――――――――
――――
――
栞子「―――あなたが生徒会室に来た理由を答えてください」
あなた「…」
あなた「私は……っ!」
あなた『私のクローンを製造した目的を、栞子ちゃんに聞きに来たっ!!』
栞子「!?」
栞子「……なるほど…!」
栞子「…では、“チュートリアル”はいりませんね?」
あなた「うん。…だけど、それじゃ答えになってない!」 あなた「そう…栞子ちゃんはこう言った…!」
――
――――――
栞子「あなたのクローンを製造した目的のひとつを、あなたに伝えなければなりません」
―――
―
あなた「じゃあ、目的の“ふたつ目”は何?」
あなた「いや…私のクローンを製造した“本当の”目的は何!?」
あなた「私はクローンなの!?」
栞子「…」
栞子「…これ以上は“権限”がないので、答えかねます」
あなた「答えられない、か…」
あなた「それに…」
あなた「『私がクローンであることを認識できないこと』に対して、栞子ちゃんが『世界五分前仮説』で反論してきたように…」
あなた「私も似たようなことができる!」
あなた「私は本当に死んだの!?」
栞子「……」
あなた「答えられない・否定できないってことは、私はこう言い切ることができる…!」
あなた「私はクローンじゃない!」
あなた「私は生きている!!」 栞子(ふふっ…とても主観的な論理飛躍です…)
栞子(でも…)
栞子(それが第一歩です…!)
栞子(自分を“死んでいない”と認識するのではなくて…)
栞子(自分が“生きている”と実感するのです!)
栞子(それが出来なければ、他人に自分が生きていることは伝えられません…!)
あなた「私は一度は死のうとしたかもしれませんが…」
あなた「私は諦めない!私のせいでみんなを苦しめたくない!」
あなた「みんなに生きているって伝えるんだ!」 あなた「愛ちゃん」
愛「…帰ってよ…!」
あなた「今日は…償いに来たの…私が…死のうとしたこと」
愛「〜〜〜!!」
愛「は…は!?それ…分かってて言ってるの…!?」
愛「みんなを裏切って勝手にどっか行っちゃったくせにさ!?今さらっ!?」
あなた「…っ!」
愛「みんなで頑張ってきたじゃん!?それなのに…!」
愛「それなのに!独りで勝手に抱え込んで!悩んで!思いつめて!」
愛「…償い!?今さらアタシたちの心を埋め合わせることができるものなんてないよ!?」
愛「アタシたちの心は、最悪な気分で埋め尽くされてるんだよ!?」
あなた「愛ちゃん…」
あなた「ごめんね」
あなた「私を…」
あなた「私を殴って!」 愛「は…は!?」
愛「な…何!?アタシ…アタシは…!?」
愛「殴ったらスカッとするような女だと思われてるワケ!?」
あなた「ううん、違う」
愛「…それに…殴れないよ…殴ったらまた…」
あなた「私がもう死のうとしないっていう覚悟を示すにはこれしかないと思った」
あなた「大丈夫。絶対、死なないし、絶対、倒れない」
あなた「信じて」
愛(でも…)
あなた「お願い」
愛「……」
愛「〜〜〜〜〜!!!!」バチン!!
あなた(痛っっっっった!!!!!)
あなた(でも!!!!!)
あなた「ふぅ〜〜〜…!」
あなた「愛ちゃん、もっときて」
愛「〜〜〜〜〜!!!!」ビタン!!
愛「〜〜〜〜〜!!!!」ズシャ!!
愛(……死なないでね…!!)
愛「〜〜〜〜〜〜!!!!!」ドゴォ!! ――――
―
愛「ボコボコじゃん…キミ…まぁ…アタシがやったんだけど…」
あなた「安゛心゛し゛た゛?」
愛「いや、安心したっていうか…」
愛「…死のうとするなら、いっそのこと…って思ってたけど…」
愛「今のキミは、そんなことサラサラないって、よく分かったよ」
愛「けっこー鍛えてるアタシの肉体から繰り出されるスパーリング、20分も立ったまま受け続けられたら、さすがにね」
あなた「よ゛か゛っ゛た゛…」
愛「いや、よくない」
愛「愛さんまだ、キミから大事なこと聞いてない」
あなた「…うん!」
あなた「これからも、一緒に頑張ろうね!!」
愛「ふふっ、なんだか久しぶり…!」
愛「よしっ!次はキミの番だよ!やりっぱなしは愛さんの流儀に反するからね!」
愛「愛さんのこと、KOするまで倒れちゃダメだからね!!」
あなた「え」 色々あるとはいえ女の子相手に全力スパーかます愛さんもやっぱり壊れてんな…… >>67 訂正
あなた(そう…栞子ちゃんはこう言った…)
――
――――――
栞子「あなたのクローンを製造した目的のひとつを、あなたに伝えなければなりません」
―――
―
あなた「私のクローンを製造した目的の“ふたつ目”は何?」
あなた「私のクローンを製造した“本当の”目的は何!?」
あなた「私はクローンなの!?」
栞子「…」
栞子「…これ以上は“権限”がないので、答えかねます」
あなた「答えられない…!」
あなた「それに…」
あなた「『私がクローンであることを認識できないこと』に対して、栞子ちゃんが『世界五分前仮説』で反論してきたように…」
あなた「私も似たようなことができる…」
あなた「私は本当に死んだの!?」
栞子「……」
あなた「答えない・否定しないなら、私はこう言い切ってやる…!」
あなた「私はクローンじゃない!」
あなた「私は生きている!!」 >>68 訂正
栞子(ふふ…とても主観的な論理飛躍ですが…)
栞子(それが第一歩です…!)
栞子(自分が“死んでいない”と認識することではなく…)
栞子(自分が“生きている”と実感すること…!)
栞子(それが、他人に自分が生きていることを伝える第一歩です…!)
あなた「私は一度、死ぬことを選んだけど」
あなた「今の私は生きることを選ぶ!」
あなた「私のせいで、またみんなが苦しむことは絶対に嫌だ!」 だいぶガバガバだしこの先は根性論くんとか登場すると思います
書ければ書きます あなた「歩夢ちゃん」
歩夢「あなた♡あなた♡……」
あなた「……」
あなた「…ふふっ」
あなた「ねぇ、歩夢ちゃん…一緒に…写真、撮ろ?」
歩夢「あなた♡…」
パシャ…
あなた「ふふっ…」
あなた「ねぇ、覚えてる?私たちが一緒に撮った、最後の写真」
あなた「明日の今頃は、スクールアイドルフェスティバルの本番直前だ、って」
あなた「なぜか歩夢ちゃんよりよっぽどガチガチに緊張してた私のこと、歩夢ちゃんは見かねたみたい」
あなた「私たちのこと、チェキに収めて、こう言ってくれたんだ」
あなた『あなたは私のファン第一号なんだよ♪』
あなた『このチェキは、その証明であり、お守りだよ』
あなた『あなたのことをずっと見てるから、あなたも私のことをずっと見ててね♪』
あなた「…って」
歩夢「あなた♡…」 あなた「見て、私たちのアルバムだよ。持ってきたんだ」
あなた「いっぱい写真を撮ったよね…」ペラ…
歩夢「あなた♡…」
あなた「ねぇ、覚えてる?この日のこと」
あなた「砂場で、はしゃいで転んで泣いてた私に、歩夢ちゃんはプ〇キュアの治癒魔法を掛けてくれたよね」
あなた「ずっと昔から、一緒に写真を撮ってたよね…♪」ペラ…
歩夢「あなた♡…」
あなた「このアルバムの最後のページには、歩夢ちゃんとのチェキが保存してある」
あなた「…でも、この続きは、私のせいで途切れてる…」
あなた「さっき撮った写真は、このチェキの次に保存してもいいかな?」
歩夢「…」 あなた「歩夢ちゃん!」
歩夢「…!」
あなた「ごめんね。この2つの写真の間、歩夢ちゃんにずっと辛い思いをさせてしまって」
あなた「…私は、もう二度とこのアルバムを途切れさせたくない!」
あなた「私たちの記憶を、ずっと保存したい!」
歩夢「あ……!」
歩夢「あなたっ…!あなたっ!あなたっ!あなたっ!!」
あなた「歩夢ちゃん…!」
歩夢「ばかばかばか!!」
歩夢「ずっと見てるよって言ってくれたのに!!」
歩夢「いなくなって…私を一番見てくれるあなたがいなくなって…私…」
あなた「…ごめんね、歩夢ちゃん」
歩夢「…ううん、ごめんね、大丈夫だよ」
歩夢「あなたが戻ってきてくれて、嬉しい…!」
あなた「歩夢ちゃん…ありがとう!」
歩夢「約束だよ?ずっと私たちの記憶を残そうね♪」 あなた「かすみちゃん」
かすみん「せんぱぁい♡きてくれたんですかぁ?♡かすみん嬉しいですぅ♡」
あなた「…かすみちゃんっ!」ギュッ
かすみん「ふぇっ!?///せ、せんぱい…?///」
あなた「かすみちゃんごめんね!私のせいでっ…!!」
かすみん「せ…せんぱぁい…♡♡」
かすみん「そ、そんな真剣なお顔で迫られたら、私…私…!///」
かすみ?「センパイのことスキになっちゃうじゃないですかァ?」
あなた「か…かすみちゃん…?」
かすみ?「あ〜あ、“戻っちゃって”ますねェ?」
あなた「ど…どうしたの…?その口調…」
かすみ?「…あァ、“この姿”でお話しするのはハジメテでしたねェ?センパイ」
かすみ?「改めて自己紹介しますねェ」
かすみ?「ど〜も、『中須かすみ』の“交代人格”でェ〜す」
かすみ?「『私』のことは便宜上『中須』って呼んでくださいねェ」 あなた「え…え…」
中須「ていうか、ミフネシオリコから聞いてるんじゃなかったンですかァ?」
中須「『中須かすみ』は“かわいくない”部分を切り離したんですよォ」
あなた「…」
中須「『かすみん』は世界一かわいくなくてはいけませんからねェ」
中須「だから、“大好きな先輩がジサツミスイした”とかいうクソふざけた記憶なんて必要ないンですねェ」
あなた「……」
中須「ンじゃ、早急に“戻り”ますねェ?『私』も“この姿”は嫌いなんで」
中須「…の前に、『かわいくない私』だから言えること、言っときますねェ…」
かすみ「……最低です、先輩…」
あなた「………」 中須「…あァ、ちなみに」
中須「今から掛けるトリガーは私ン中でも最上級のヤツですねェ」
中須「センパイも知ってますよねェ?w私たちのアイの結晶ですからねェ?w」
あなた「…っ!」
中須『ダイアモンド』
中須「…センパイは知ってますかァ?ダイアモンドを砕く方法」
あなた「…」
中須「カンタンですねェ!モース硬度11のモンでぶっ叩けばいいンですねェ!」
中須「そんなのを上書きできる感情なんて、もはや私をXXすしかないですねェ!ww」
あなた「んなっ…!何を言って…」
中須「FXXKですよFXXK!!脳天を穿つピストンの快楽!!」
あなた「…っ!」
中須「ッハ!!かすみんはそんなこと言わない・って顔してますねェ?センパイ」
中須「そ〜だよ、かすみんはそんなこと言わねェ」
中須「…ンじゃ……」
かすみ「さよなら、先輩」
音楽プレーヤー「ヘイ、ゴー、カモン〜…♪」
あなた「……」
かすみん「どぉしたんですかぁ、せんぱぁい?むずかしいお顔をしてぇ?」
あなた「…なるほど」
かすみん「…?どぉいうことですかぁ?」
あなた「“交代人格”から“主人格”、つまり『中須』ちゃんから『かすみん』の交代のトリガーは、私たちがつくったかすみちゃんの楽曲」
あなた「この認識で間違いないよね?『中須』ちゃん?合ってるなら両目を閉じて」
中須(ンまァ、それで合ってますねェ)
かすみん「んもぉ!苗字呼びってよそよそしいですよぉ!かすみんって呼んでください♪」ギュ
かすみん「ってあれぇ!?急に前が視えなくなりましたぁ!?」アタフタ
あなた「わかった、もう大丈夫だよ、目を開けて」
かすみん「せ、せんぱぁい…どぉしちゃったんですかぁ…?」 あなた「そして“その逆”は……!!」
あなた「その…かすみちゃんを……///」
中須(…っ!?まずいっ!?センパイ、まさか私のことを…!?)
あなた「…この2つの交代のトリガーを、同時に機能させ続けたら…!」
あなた「かすみちゃん!」グイッ
かすみん「なんですかぁ…せんぱぁい…♡ち、近いですよぉ…///」
あなた「…私と一緒に減衰振動して、t→∞のとき、かすみちゃんに収束…しよ♡」
〜間〜
かすみ「はぁはぁ…♡♡先輩…♡♡もう私の目の前からいなくなったら、イけませんからね♡♡」
歩夢「は?」 あなた「璃奈ちゃん」
璃奈「…、………………」
あなた「そうだ…璃奈ちゃんは声が…私のせいで…どうしよう…」
璃奈「…」
璃奈『いや、そうでもない』カタカタ
あなた「…え?」
璃奈『感情表現の補強として“璃奈ちゃんボード”を活用していた私にとって“この発想”は想像に難くなかった』カタカタカタ
璃奈『ボーカ〇イドのそれのように、私は人工的に喋ることができる』カタカタ
璃奈『名付けて、スイッチ式璃奈ちゃんボイスシステム、略してSRVS』カタカタ
あなた「す…すごい…」
璃奈『すごい?』カタカタ
璃奈『…あなたがいなくなって1年、それだけの時間があれば、科学はすごく進歩する』カタカタカタ
璃奈『それと同時に、世界もすごく前進する』カタカタ
璃奈『It takes all the running you can do, to keep in the same place.』カタカタカタ
璃奈『とは言うけど』カタカタ
璃奈『あなただけは本当に、1年前のままだね』カタカタ
あなた「…っ!」 璃奈『見せてあげるね。私の1年間の成長を』カタカタ
璃奈『私の個性を完全に殺し、かつ同時に、それを私の個性として表現する、私の“努力”の最終形態』カタカタカタ
あなた「…!?り…璃奈ちゃんの全身が、機械に覆われて…!!」
璃奈『〜〜〜…!!……完成』
璃奈『名付けて、璃奈フォンス・エルリック』
璃奈『どう?人間がおこなう表現という表現を全て機械化した、私のアイドルとしての完全体』
璃奈『顔は映像機器、身体はパワードスーツ、声は合成音声』
璃奈『“これ”に「天王寺璃奈」の面影はひとつもないけど、私は“これ”を「天王寺璃奈」と言い張る』
あなた「璃奈ちゃん…」
璃奈『…でも、このシステムには、ひとつ、実装できないものがあった』
あなた「……」
璃奈『心だよ』
璃奈『あなたのせいで“こんな姿”になったのに、そして、そのあなたが快復して目の前に現れたのに』
璃奈『私の心はぜんぜん動かない』
璃奈『“笑って”と命令すれば笑顔が表示され、“踊って”と命令すれば手足が動いて、“歌って”と命令すれば歌声が響くのに』
璃奈『“感動して”と命令しても、私の心は動かない』
璃奈『だってそもそも、動きようがない。私は心がないから』
あなた「璃奈ちゃん…」
璃奈『…だから私は、アイドルを辞める』
璃奈『心のない人間は、他人の心を動かすことができないから』
あなた「……」
璃奈『つまり、私は走り続けていたつもりだったけど、ランニングマシンの上だった』
璃奈『私もあなたと同じ。笑えるよね』
あなた「…璃奈ちゃん!」
璃奈『…何?今の私たちが何をしようと、暖簾に腕押し。前進も、後退もできない』
あなた「…あるよ、璃奈ちゃんの心を“実装”する方法…!」
璃奈『…え?』
あなた「いや、“実装”じゃない!“再起動”だよ!!」ガシッ
璃奈『な…何を…!?』
あなた「璃奈ちゃんに、私の心をインストール…するね♡」
〜間〜
璃奈「♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡すき」
歩夢「は?」 あなた「しずくちゃん」
しずく『うわっ!?出た!!私のドッペルゲンガー!!』
あなた「……」
あなた「問題っ!!」
しずく『!?』
あなた「“私”の誕生日はいつでしょう?」
しずく『…突然なんなの?偽物さんに“私”を名乗られるのは癪だけど…』
しずく『簡単だよ!“私”の誕生日は―――』
しずく『…あれ?』
あなた「…」
あなた「私の誕生日は2019年9月26日」
あなた「ちなみに、2018年中に出産予定だったけど、だいぶ出産が遅れたんだよ…これは知ってたかな?」
しずく『…っ!し…知ってたよ…!』
あなた「ふーん…」 あなた「2問目」
しずく『ちょっと待って!?まだ続けるの!?』
あなた「うん。これは“私に関するクイズ”、私の本物決定戦だから」
しずく『…いいよっ、答えられて当然だからね!』
あなた「…じゃあ2問目、歩夢ちゃんの誕生日は―――」
しずく『はいっ!3月1日!!』
あなた「で・す・が」
しずく『!?』
あなた「私が小学1年生から高校1年生まで、歩夢ちゃんの誕生日にプレゼントしたものを、計10個、全て答えてください」
しずく『…』
しずく『……えーっと…』
しずく『…四つ葉のクローバー、匂い付き消しゴム、手作りブローチ、フォトフレーム、手編みマフラー、お揃いコスメ―――』
あなた「はい残念、不正解」
しずく『…っ!?』
あなた「これはひっかけ問題でした」
あなた「答えは、私は毎年“髪飾り”をプレゼントしている」 しずく『……さっ、3問目!』
あなた「ふふ、いいよ。何でも答えるよ」
しずく『私が歩夢ちゃんとこ―――』
あなた「私が歩夢ちゃんと交換日記をした回数は?答えは2607回」
しずく『…せ、正解…』
あなた「……」
あなた「4問目」
あなた「これからある物語の登場人物を述べます。その物語の主役を答えてください」
しずく『物語…?』
あなた「外交官の父親、専業主婦の母親、2人の子供、3人のお手伝い、運転手、庭師」
しずく『…!?それって…!?』
あなた「さて、この物語の主役は誰でしょう?」 しずく『……それは…物語というか…』
しずく『かつてしずくちゃんが採用した、おままごとの設定だ…』
あなた「うん、そうだよ」
あなた「でも、“私”は知らないんだ」
あなた「誰がどの役を演じて、誰がそのおままごとの主役なのか」
あなた「答えてくれないかな?“しずくちゃん”」
しずく『………』
しずく「そのおままごとの配役は、全て“私”です」
しずく「役者がひとりしかいないので、登場人物の全員が主役です」
しずく「つまり、主役は“桜坂しずく”……!」
あなた「しずくちゃん…!」
しずく「……うっぐ…ひっく…」
あなた「ごめんね、しずくちゃん。もう“私”を演じなくてもいいよ…!」
しずく「うわぁん……!先輩、せんぱぁい……!」
しずく「帰ってきてくれたんですね…!よかった…よかった…!」
あなた「よしよし……しずくちゃんの私の演技、とても上手だったよ!」
しずく「ぐすん……そうですか…?」
あなた「うん!」
しずく「本人にそう言ってもらえると、役者冥利に尽きます…!」
あなた「…ふふ。でも、歩夢ちゃんに対する理解度はまだまだだったかな?」
しずく「あはは…やはり敵う分野ではありませんね…」
あなた「なんたって私は、歩夢ちゃんマスターだからね!」
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ ――――――――――――――――
――――
――
あなた「せつ菜ちゃん」
せつ菜「あぁ…!!来てくれたんですね…!!」
あなた「せっ…せつ菜ちゃん!?何をして…!?」
せつ菜「何を?って…見れば分かりますよね?」
せつ菜「 経験者のあなたなら 」
あなた「やっ…やめてっ!!」
せつ菜「…天井にくくりつけた紐の一端を首に巻き付けて」
せつ菜「つま先が床に届かない高さで身体を吊り上げる」
せつ菜「すると自重によって、頸部が圧迫されます」
あなた「まっ…待って!せつ菜ちゃん!!」
せつ菜「…儚いですよね……」
せつ菜「“紐”と“重力”のたった2つの要素で構成された、この簡単なシステムで」
せつ菜「尊いはずの人間は、ほんの数分で、ただの肉塊になります」
あなた「せつ菜ちゃん!!」
せつ菜「私は、私が乗っているこの椅子を、蹴り上げることで完遂できます」
せつ菜「“それ”を決めたのは私のはずなのに……見てください…私の脚…」
せつ菜「恐怖か本能か分かりませんが……ガクガク震えています…」
あなた「せつ菜ちゃん……!!」
せつ菜「ふふ…どうやらあなたも動けないようですね…」
せつ菜「あなたのそれは、恐怖ですか?本能ですか?」
あなた「…っ!!」 せつ菜「…どうか見届けてください……そして…」
せつ菜「よかったら、あなたも付いて来てくださいね」
あなた「まっ―――」
あなた(そう告げると、せつ菜ちゃんは椅子を強く蹴り上げた)
せつ菜「かはっ………!!!〜〜〜〜〜!!!」
あなた「あ…あ……!!」
あなた「あああああああ!!!」
あなた(私はとっさに、宙に揺れるせつ菜ちゃんの脚を持ち上げて、身体を支えようとしたけど)
せつ菜「〜〜〜!!!!!」
あなた(せつ菜ちゃんは、私を蹴り飛ばして、私の助けを拒否した) あなた「あ……あ………」
あなた(私は床に横たわって動けないまま、ゆらゆら揺れるせつ菜ちゃんの身体を見ることしかできなかった)
せつ菜「〜〜〜〜!!!〜〜〜〜!!!〜〜〜〜!!!」
あなた(最期が近づいていることを理解したのか、恐怖か本能か分からないけど)
あなた(せつ菜ちゃんは苦しそうに顔を歪め、脚をばたつかせ、首に巻き付いた紐を必死に外そうとしていた)
せつ菜「〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
あなた(…最期は、その小さな身体をビクビクと痙攣させ―――)
せつ菜「…………………………」
――
――――
―――――――――――――――― せつ菜「―――というのが、私の“転生前”の顛末ですっ!!」
あなた「は、はぁ…?」
せつ菜「あなたも来てくれたんですね!しかも同じ世界に転生できるとは!!」
せつ菜「運命を感じます!!」
あなた「あの〜…」
せつ菜「ただ、世界線変動にあまり差異がないのが心残りですね…」ブツブツ
せつ菜「…もう一度、“転生”しましょうか…」ブツブツ
あなた「…」
あなた「せつ菜ちゃん!!」
せつ菜「はっ!?はいっ!?」ビクッ
あなた「私たちは、転生なんてしてないよ」
せつ菜「……」
せつ菜「…何を言ってるんですか?ww」
あなた「えっ…」
せつ菜「私たちは“プレイヤー”で、私たちは死ぬたびに生きる世界を変えるんです」
せつ菜「この前提を覆す・というなら、その証明をしてください」
せつ菜「できますか?」
あなた「……」
あなた「…できない」 せつ菜「ですよね!!できませんよね!!」
せつ菜「ではこんな つまらない 世界とはおさらばしましょう!あなたも一緒に首を―――」
あなた「じゃあ逆に聞くけど」
せつ菜「えっ…」
あなた「せつ菜ちゃんは“GAME OVER”を“再挑戦”せず、“はじめからはじめる”の?」
せつ菜「…」
あなた「魔王に勝てなかったとき、それまでの経験値を全て否定して」
あなた「はじめから魔王に勝てる能力になるまで、リセマラをするの?」
せつ菜「それは…」
あなた「それって、おもしろい?」
せつ菜「…………………………」
せつ菜「ああああああああああ!!!!!!!!!!」
あなた「!?」
せつ菜「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!!うるさいですっ!!」
あなた「せつ菜ちゃん…?」
せつ菜「誰のせいだと思ってるんですか?誰のせいだと思ってるんですか!?」
せつ菜「つまらなくて・くだらなくて・空虚で・無意味で・無価値で・何の達成感もなくて・何の満足感もなくて・最低で・最悪な世界にしたのは!!」
あなた「…っ!!」
せつ菜「うぅ……」
せつ菜「私の…大好きな世界を壊したのは…誰だと思ってるんですか……」
あなた「ごめんね…せつ菜ちゃん……」 せつ菜「…ひっぐ…ぐすん……」
せつ菜「いえ…こちらこそ…すみません…取り乱してしまって……」
せつ菜「溜まっていた感情を吐き出すと…スッキリしますね…それに……」
せつ菜「あなたとまた会えたという安心感で…心が満ちていきます……!」
あなた「せつ菜ちゃん…!」
せつ菜「私の世界には、あなたが必要なんです…!」
せつ菜「だから、もういなくならないでください!!」
あなた「うん!一緒にこの世界を楽しもう、せつ菜ちゃん!」
せつ菜「えへへ…!よかったぁ…!」
せつ菜「実は私、新しい技を“考案した”んです!聞いてくれますかっ!」
あなた「ふふ、なになに?」
せつ菜「せつ菜☆バーミリオンミラージュ、っていうんです!回復系の上級魔法っていう“設定”なんですけど……!!」
あなた「あはは…♪」
栞子『どうですか?順調ですか?』
栞子『さて、同好会のみなさんは、あなたの“自殺未遂”のせいで、強い負の感情を抱えることになりました』
栞子『みなさんは、自分も“同じこと”にならないよう、防衛機制じみた心理メカニズムによって、心の平衡を保っています』
栞子『宮下さんは、あなたを死んでもいい人間と思い込むことで
上原さんは、あなたの記録媒体を拠り所にすることで
中須さんは、苦しさを別人格に封じ込めることで
天王寺さんは、苦しさを発声と等価交換することで
桜坂さんは、あなたに成り代わることで
中川さんは、シミュレーテッド・リアリティによって』
栞子『朝香さんは、幼児退行することで
ヴェルデさんは、朝香さんへの献身を代償とすることで』
栞子『そして、近江さんは、なかったことにすることで』
栞子『……』
栞子『…実は、私も、みなさんほどではないと思いますが』
栞子『…心にダメージを負っているのですよ?これを、あなたはどうお考えですか?』
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