千歌「霧の森にいた」
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これはホラーSSです。
この物語の内容はすべてフィクションです。
物騒な言葉や暴力表現があります。
苦手な人は読まないでください。 「ねえ、知ってる? 霧の森って噂話」
「うぅん。なにそれ?」
「最近、女子高生が消えるって事件が多発してるじゃん?」
「あぁ、そういえば最近ニュースでやってるね」
「どうやら女の子たちがまるで神隠しにあったように消えるんだって」
「ええ、怖い」
「それで失踪後、奇跡的に見つかった子たちもいるんだけど」
「うん」
「ほとんど何も覚えてないんだって」
「え?」
「でもみんな口を揃えて言うの
霧の森にいた、って。」 ─霧の森─
……っち……ち……っち……ちかっちってば!
鞠莉「チカっち!」
千歌「わあ!!ま、鞠莉ちゃん!?びっくりさせないでよ!!」
鞠莉「やっと起きたわ」
千歌「チカ寝てたんだから……おやすみぃ……」
鞠莉「また寝ないで!チカっち!」
────
──
千歌「……ここは、どこ?」
鞠莉「分からないの……ベッドで寝てたはずなのに……」
千歌「この森……暗くて怖いね……夜なのかな……」
鞠莉「霧がすごいわ……まったく前が見えないもの」
千歌「この目の前にある焚き火は鞠莉ちゃんが火を起こしてくれたの?」
鞠莉「違うの……マリーも目が覚めたらここにいて……その火も最初からついていたわ」
千歌「それじゃあ近くに誰かいるのかな?」
鞠莉「分からないわ……霧が濃くて……暗くてここから離れられないわ」 千歌「怖いよ鞠莉ちゃん……」
鞠莉「だ、大丈夫よ、マリーがついてるから……」
千歌「鞠莉ちゃんも怖そうだよ……」
鞠莉「……チカっち、その手に持ってるレターは何なの?」
千歌「え……?本当だ……なんだろう?」
鞠莉「チカっちが持ってきたわけじゃないのね?」
千歌「うん……いつのまに手に持ってたんだろう」
鞠莉「……中を見てみましょう」
千歌「……うん、封を開けて……中の手紙を……読んでみよう」
鞠莉「……チカっち、なんて書いてあるの?」 手紙にはこう書かれていた
──
高海千歌様、小原鞠莉様
当ゲームに参加していただきありがとうございます。
このゲームではあなた方に生き残りをかけたゲームをしてもらいたいと思います。
ルールは至って簡単です。
周囲を壁に囲まれた空間で「鬼ごっこ」をしてもらいたいのです。
あなた方はハンターから逃げ、どこかにある出口から脱出できればクリアとなります。
クリアできれば元の世界に帰して差し上げます。
ハンターはあなた方の命を狙っています。
この霧の森で命を落とすか、生き残り無事に元の世界へ帰るか、それはあなた方次第です。
ご健闘をお祈りしています。
ゲームマスター
──
2人が読み終わると同時に手紙は不思議と燃えて灰になりどこかへと消えてしまった…… 千歌「ま、鞠莉ちゃん……」
鞠莉「チカっち……」
千歌「どうしよう……この話……本当かな……」
鞠莉「今は本当だと信じるしかないわ……そして本当だとするなら……この森のどこかに……私たちの命を狙うハンターがいるってことよ……」
千歌「ひぃぃ……」
鞠莉「私にもよくわからないわ……でもここから逃げなきゃ」
千歌「鞠莉ちゃん……」 霧が立ち込める暗闇の森
聞いたこともないような鳥や動物の声が響き
焚き火はあたりを仄暗く照らしている
鞠莉「とにかくここを離れましょう……」
千歌「でも鞠莉ちゃん……震えてるよ……」
鞠莉「だ、大丈夫よ……マリーがちゃんとチカっちのこと守るから」
千歌「うぅん、大丈夫だよ、鞠莉ちゃん。チカも頑張るから、一緒に出よう」
鞠莉「チカっち……」 あー霧の森ねー 難しいよねあそこ
スクイッターの操作苦労したわー 千歌「焚き火の近くは目立つから離れよう」
鞠莉「そうね」
千歌「でも離れると明かりがなくて暗いね」
鞠莉「えぇ……本当のことを言うとすごく怖いわ」
千歌「この森……不気味だもんね」
鞠莉「それに私たちを狙うハンターがいるなんて……」
千歌「連絡手段もない……手荷物もない」
鞠莉「えぇ……どうしたらいいのかしら」
千歌「こっちのほうに行ってみよう」
鞠莉「出口ってどこにあるのかしら?」 千歌「とにかく進んでるけど……真っ暗で見えないね」
鞠莉「この森怖いわ……」
ザッ……ザッ……ザッ……
千歌(!?……鞠莉ちゃん!!)
鞠莉(どうしたのチカっち?急に小声で喋って)
千歌(足音がする……どこかへ隠れよう)
鞠莉(!?……分かったわ)
千歌(あっちの木の後ろに隠れるよ!)
2人が隠れると、さっきまでいた場所に巨大な斧を持った女が歩いてきた
仮面をつけていて顔を見ることができない
ハンター「……」
ザッ……ザッ……ザッ……
千歌(……あれがハンター?)
鞠莉(あの斧で私たちを◯すつもりなのかしら……) ザッ……ザッ……ザッ……
千歌(はあッ……はあッ……)
鞠莉(うぅ……怖いわ……追いかけられたことを考えると……プレッシャーが……)
千歌(鞠莉ちゃん、怖いよ……)
鞠莉(大丈夫……大丈夫だから……)
千歌(嫌でも頭によぎるよ……追いかけられることが)パキッ
ハンター「……!!」
千歌「しまった!隠れてる時に木の枝を踏んじゃった!!」
ハンター「……」ダッ
鞠莉「斧をかまえてこっちに来るわ!!」
千歌「逃げよう!!」 ダッダッダッ……
鞠莉「ぐっ……はあッ……はぁッ……」
千歌「はあッ……はあッ……」
鞠莉「どこに逃げればいいの!?」
千歌「見て!あそこに建物があるよ!」
鞠莉「コテージ!?なんでこんなところに!!」
千歌「考えてる余裕なんてない!中に飛び込むよ!!」
12
鞠莉「私が先に開けるわ」
鞠莉「……ッ!!」ガチャガチャ
鞠莉「ダメよチカっち!!ドアに鍵がかかってる!!」
千歌「窓も閉まってるよ!!」ガタガタッ
ハンター「……」ダッダッダッ
鞠莉「ハンターがもうすぐ来る!!」
千歌「こうなったら窓に体当たりしてガラスを割りながら飛び込むよ!!」
鞠莉「怪我しないように気をつけてチカっち!!」
千歌「うんっ!!」
バリィィィィィィィンンンン!!!!
千歌「いたたた……なんとか飛び込んだ」
鞠莉「大丈夫!?チカっち!!」
千歌「うん、平気!!それより中に入れたから、鞠莉ちゃんも入って!!」
鞠莉「えぇ!!」
千歌「怪我しないように気をつけて入って……」
鞠莉「はぁっ……はぁっ……私も入れたわ」 千歌「はぁッ……はぁッ……ここに入ればハンターが中に入ってくるのに時間がかかる……ここで反対側の窓から出よう」
鞠莉「こっちの窓を開けるわね」ガララ
バシュッ……バシュッ……
千歌「え……何の音?」
鞠莉「チカっち!!あそこのドア!!ドアを斧で叩き壊そうとしているわ!!」
千歌「そ、そんな!!このままじゃ扉が壊されちゃう!!」
鞠莉「ハンターにバレないようにそっちの窓から外に出ましょう」
千歌「待って!もしバレたら先まわりされちゃうよ」
鞠莉「じゃあ扉が破壊されたと同時に外に出ましょう。ちょうど死角になっているから出ていくところを見られずに済むわ」
バァァァァァァァァンンンン!!!!
ハンター「……」
鞠莉「ハンターが扉を蹴破って入ってきたわ」
千歌「いまのうちに外に出よう」 千歌「……なかなか入ってこない」
鞠莉「チカっち、とりあえず先に出てみて」
千歌「うん……よいしょ、外に出たよ」
ハンター「……」ダッダッダッ
千歌「!?鞠莉ちゃん!!ハンターは外にいるよ!!」
鞠莉「そんな!!チカっち戻って!!」
千歌「もう戻ってる時間はないよ!!このままチカがハンターを引きつけるから!!」
鞠莉「チカっち!!危ないわ!!」
千歌「鞠莉ちゃんは後から出てきて!」ダッ
ハンター「……」ダッダッ 鞠莉「チカっち……」
鞠莉(チカっちは森の中に走って行ってしまったわ……私が逃げる時間をつくるために……)
鞠莉「いまのうちに建物の外に出ましょう」
鞠莉「チカっち……どこに行っちゃったのかしら……」
鞠莉「この森……1人だと怖いわ」
鞠莉「暗くて薄気味悪い……」
鞠莉「あれ?あそこに荒屋がある」
鞠莉「……これは!?」
────
── そしてなんやかんやで事件を解決し、無事に霧の森から脱出した千歌ちゃんと鞠莉ちゃん。
2人は末永く幸せに暮らしましたとさ。
おわり
ありがとうございました。
途中の>>13の12はミスなので無視してください。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています