海未「ぐりーん」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
海未「……」キリキリキリ…
ヒュッ!
ズバン!
海未「……フゥ」
海未「……」キリキリキリ…
ヒュッ
凛「わー、弓道場ってこうなってるんだー」ヒョコ
海未「!? 危なーい!!」
ドスッ ポクポクポクチーン
花陽「……ぅ…うぅ…」ポロポロ
真姫「……」ポンポン
海未「……お邪魔します……」
ヒソヒソヒソヒソ…
海未「っ…………お焼香を……」
花陽「人殺しっ!」
海未「!」 花陽「凛ちゃんを……凛ちゃんを返せっ!」
海未「……」
海未「……」
海未「……失礼しました」
クルッ……スタスタスタ
ヒソヒソヒソヒソ… 海未「……」
タッタッタッタッタッ…
海未「?」クルッ
真姫「ハァ…ハァ…」
海未「あなたさっきの」
真姫「ね、ねぇあなた、ロボトミー手術って知ってる?」
海未「??」 真姫「脳みその一部を切り取っちゃうのよ」
海未「……」
真姫「すると、凄く穏やかな気持ちになる」
海未「穏やかな……」
真姫「なりたいでしょう? なりたいでしょう?」
海未「……」
コクッ 海未「違いますよ。こっちの式を代入するんです」
穂乃果「む、難しい……」
海未「ここも計算ミスがありますよ」
海未「ここも」
海未「ここもです」
穂乃果「ここは?」
海未「こっちは正しいです」
穂乃果「本当に?」
海未「……いえ。これも間違いです」
穂乃果「嘘ついてたんだ」
海未「……」 穂乃果「数学は終わりだね」
海未「国語にはまだ進みませんよ」
穂乃果「英語から?」
海未「数学を見直すんです」
穂乃果「見直すの?」
海未「間違えたところを復習しましょう」
海未「すると、二度目は間違えにくくなります」
穂乃果「間違えない訳じゃないの?」
海未「注意して見れば分かりますよ」 海未「もう一度最初からです」
穂乃果「また最初からかー」
海未「間違いは正せばいいんです」
海未「何問間違えたとしても」
穂乃果「……うっ」
海未「大丈夫ですか」
穂乃果「勉強のしすぎで頭痛くなってきた」
海未「振り返る前に、一度休憩にしましょう」 ズズズ…
海未「……美味しいです」
花陽「良かったぁ」
海未「花陽はお茶を淹れるのが上手ですね」
花陽「ご飯食べ終わった後よく飲んでるから」
海未「美味しい淹れ方を教えて下さい」
花陽「まずは湯呑みを暖めるんだよ」
花陽「何事も準備が大事だから」 海未「準備……」
花陽「準備をちゃんとしないと失敗しちゃうよ」
海未「準備……」
花陽「難しいのは、お茶は淹れ直せるってこと」
海未「……お茶でないものは」
花陽「取り返しがつかないこともある」
海未「……」 花陽「あつっ……!」
海未「大丈夫ですか」
花陽「やけどしちゃった、見て、手が真っ赤」
海未「早く冷やさないと…」
花陽「……間に合わないよ」
海未「氷を持ってきます」
花陽「待って! 一人にしないで……」
海未「すぐに戻りますから」 スタスタスタ…
絵里「道徳心を養うのに一番いい方法は何だと思う?」
海未「道徳の授業をすることじゃないんですか?」
絵里「つまらない解答ねぇ、もう少し考えてよ海未」
海未「えーと……動物を飼うとか」
絵里「思いやりを育てようとか、そういうこと?」
海未「そうです。犬とか猫を飼うのはいいんじゃないですか」 絵里「私の考えは逆なのよ」
海未「逆?」
絵里「不道徳なものに触れることが大事だと思う」
海未「……」
絵里「不道徳を知れば、道徳心の大切さが分かるのよ」
海未「しかし……人によっては不道徳に引っ張られてしまいますよ」
絵里「それならそれでいいのよ」
絵里「そうなるなら、その人に道徳心はなかったんだから」 海未「そんな考え方はおかしいですよ」
絵里「……」
海未「絵里はきっと正気を失っています。仕方のないことですが…」
絵里「海未はきっと私の考え方に共感するようになる」
絵里「あなたは見た目通りの優等生なんかじゃない」
海未「不道徳ですか、私は」
絵里「あなたには区別がつかないのよ」 海未「休憩は終わりです、穂乃果」
穂乃果「最初からやり直すんだよね?」
海未「間違えたところだけでいいです」
穂乃果「どこを間違えたの?」
海未「私には分かりません」
穂乃果「付箋とか貼ってない?」
海未「ありますが……細かい内容は…」
穂乃果「覚えてなくてもいいよ。開いてみれば分かるもん」 海未「ここが最初に間違えたところです」
凛「どうして間違えたの?」
海未「思い出せないんです。大事なことなのに…」
凛「忘れちゃったんだ?」
海未「体は覚えているはずなんです」
凛「凛のことは覚えてる?」
海未「……?」
凛「痛かった、凄く」 海未「……すいません」
凛「謝ったって戻れない」
海未「しかし原因は何だったんですか」
凛「教えてあげない」
海未「責任の所在は?」
凛「考えたって無駄だよ」
海未「……少しくらいヒントをくれてもいいじゃないですか」
凛「誰だろうね? 一番物をよく知ってるのは」 海未「私の頭では理解できません」
ことり「難しく考えすぎなんだよ、きっと」
海未「昔からそうでした。余計なことを色々と考えて、本質を見失うことがありました」
ことり「本質? 違うよ海未ちゃん」
海未「?」
ことり「海未ちゃんは回りくどく考えて、事実から逃げてるだけだよ」
海未「……」
ことり「凛ちゃんを殺したのは海未ちゃんだよ」 海未「本当に私なんでしょうか…」
ことり「見たでしょう? 海未ちゃんが首を絞めてる時の凛ちゃんの表情を」
海未「首を……?」
ことり「凛ちゃんだけじゃないでしょう?」
海未「私が……?」
ことり「ちゃんと思い出してよ」
海未「……」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています