花丸「大好きな2人と楽しい動物園」
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花丸「果南ちゃん、ダイヤさん。マル、動物園に行きたい」
果南「どうしたの急に動物園だなんて」
ダイヤ「インドアな花丸さんにしては珍しいですわね」
花丸「昨日、テレビで動物園の特集を見たんだ。動物ってかわいいんだよ〜」
ダイヤ「あぁ、その番組ならルビィも見ていましたわね。『ゾウさんかわいい〜』とはしゃいでおりましたわ」
果南「はは、ルビィちゃんらしいねぇ」
花丸「マルはパンダが見たいなぁ」
花丸「ねぇねぇマル達も動物園行こうよ〜」グイグイ
果南「ちょ、そんなに引っ張らないの」
果南「わかったわかった。ねぇダイヤ、私達も付き合ってあげようか」
ダイヤ「ふふ、そうですわね。花丸さんの熱意には勝てそうにありませんわ」
ダイヤ「今度のお休みに3人で行きますか、わたくしお弁当を作っていきますわ」
花丸「わ〜いやったぁ!!ありがとう2人共!!」
花丸「ダイヤさんのお弁当も楽しみだなぁ〜」ウキウキ
果南「まったく、子供みたいだね」
ダイヤ「ルビィといい勝負ですわ」 日曜日 動物園
花丸「動物園にとうちゃーく!!」
果南「晴れてよかったね〜いい天気」
ダイヤ「えぇ、暖かいから出かけて正解でしたわね」
花丸「早く動物見に行こうよ〜」
ダイヤ「はいはい、まずは入場料を払わないといけませんわ」
花丸「うわぁ〜動物がいっぱい」
果南「人もいっぱいだね」
ダイヤ「こんな陽気に加えて日曜日、人も多くて当然ですわ」
花丸「あ、あそこにパンダいるみたいだよ!!」ダッ
ダイヤ「花丸さん、走ったら危ないですわ」
花丸「うわっ!?」ズデンッ
果南「あぁほら言わんこっちゃない、大丈夫?」
花丸「い……いだいよ〜」グスッ
ダイヤ「まったく、少しは落ち着きなさいな。膝を擦り剥いたようですわね、どれどれ……」
ダイヤ「これくらい大した事はありませんわ、一応絆創膏を貼っておきましょう」ペタッ
花丸「うぅ……ありがとうダイヤさん」
ダイヤ「これに懲りたら走らない事、果南さんと手でも繋いでいなさい」
果南「私が捕まえておいてあげる」ギュッ
花丸「あは、捕まっちゃった」
花丸「ね、ダイヤさんも手繋ごうよ」
ダイヤ「わたくしも?―もう、仕方ありませんわね」ギュッ
花丸「えへへ、これなら転ばずに済むや」 果南「パンダの所まで来たけれど……」
ダイヤ「すごい人だかりですわね、まるで壁のようですわ」
花丸「ふんっ‼―ほっ!!」ピョンピョン
花丸「あぁ〜もう!!見えないよ〜!!」
ダイヤ「この距離では遠くて見えないでしょう、他を回ってパンダは後にしませんか」
花丸「えぇ〜もう少しで見えそうなんだよ。マル、パンダ見るの楽しみにしてたのに」
ダイヤ「いやだから、今はやめましょうと言っているだけで」
果南「ダイヤ、もういいって」
果南「しょうがないねぇマルは、私に任せてみな」
花丸「果南ちゃん?なにを―ひゃあっ!?」
花丸「―わぁ〜高〜い!!」
ダイヤ「花丸さんを肩車するとは……流石は果南さん、すごいですわ」
果南「今見せとけばおとなしくなるでしょ」
果南「どうマル?パンダは見えるかなん?」
花丸「うん!!すごくかわいい〜笹食べてるよ!!おいしそ〜」キャッキャッ
果南「そりゃよかったねぇ、あとでどんな風に食べてたか教えてね」
果南「ね、見せてよかったでしょ」パチッ
ダイヤ「わたくしにはその発想は浮かびませんでしたわ」
ダイヤ「花丸さん、果南さんに感謝するのですよ」
花丸「うん!!ありがとう果南ちゃん!!」 花丸「こうやってね、硬い笹をバリボリと食べてたんだよ」
花丸「あとね、木に登ったりタイヤにしがみついてぶら下がったりしてさ。もうかわいかったよ〜」
果南「マルはものまねがうまいなぁ、パンダそっくり」
ダイヤ「わたくし達は見えませんでしたが花丸さんのものまねでパンダの姿が浮かぶようですわね」
ダイヤ「次はなにを見ますか?」
果南「それじゃ私、ライオンが見たいなぁ」
花丸「いいねライオン、動物園に来たらやっぱりライオンを見ないとね」
ダイヤ「ライオンですか、少し怖いですわね……」
花丸「大きい猫だと思えば怖くないって」
ダイヤ「大きい猫というのもそれはそれで恐ろしいですが」
果南「まぁ檻に入っているんだろうし、見る分には心配ないでしょ」
花丸「お次はライオン、レッツゴー‼」ダッ
果南「こ〜ら、走るなよマル」ガシッ
花丸「あ、しまった。てへっ」
ダイヤ「やれやれ、花丸さんからは目が離せませんわね」 果南「おっ、いたいた。ひなたぼっこしてるよ、かわいいねぇ」
花丸「せっかく見に来たのにのんびりしちゃって、なんかつまんないなぁ」
花丸「もっとこうさ、マル達に向けてガオーッと吼えて欲しいよね」
ダイヤ「花丸さん、頼みますからライオンを刺激しないでくださいね」
果南「私はこっちのライオンの方が好きだな。ほら見てよ、あの子アクビしてる」
果南「あんな穏やかな姿滅多に見られないよ」
花丸「ふわぁ〜ぁ、マルもアクビ移っちゃった」
ダイヤ「ふぁ……失礼、わたくしまで移ってしまいましたわ」
花丸「……」ジーッ
果南「ん?なに?」
花丸「そこは果南ちゃんもアクビしないとダメな流れでしょ」
果南「いやそんな事言われても、―ふぁ」
花丸「お?」
果南「ふぁ、ふぁ……ふぁっくし‼」
花丸「なんでくしゃみなの」
ダイヤ「ある意味いいオチでしたわね」
果南「あはは、ごめんよ〜」 花丸「あ、見てあそこ‼ライオンの子供がいるよ」
果南「ライオンに限った話じゃないけど、やっぱり子供は小っちゃくてかわいいねぇ〜」
ダイヤ「本当ですわね、まるでぬいぐるみのようで癒されますわ」
花丸「子供なら抱っこ出来そうじゃない?」
ダイヤ「か、噛まれなければそれも悪くありませんわね」
果南「子供でも猛獣だからね、抱っこしたいなら爪なり牙なり立てられるのは覚悟しないと」
ダイヤ「う……やはり見ているだけでいいですわ」
果南「あはは、怖がらせちゃったかなん?まぁライオンに触れるのは慣れた飼育員さんくらいだよ」
花丸「マルはライオンの背中に乗ってみたいなぁ」
ダイヤ「なぜそんな事がしたいと思うのですか」
花丸「ライオンに乗って草原を駆け抜けるマル、かっこよくない?」
果南「あはは、振り落とされるマルが簡単に想像出来るよ」
花丸「ならライオンにシートベルトを着けよう」
ダイヤ「ライオンをなんだと思っているのですか……」 果南「いやぁライオンには癒されたね〜」
花丸「マルとしてはやっぱりひと声、いやひと吼え欲しかったところ」
ダイヤ「まだ言っているのですか、刺激しなくて本当によかったですわ」
果南「ダイヤはなにか見たい動物いないの?」
ダイヤ「わたくしですか?」
花丸「そうだよ、マルと果南ちゃんは見たい動物見たんだから次はダイヤさんの番だよ」
ダイヤ「そうですわね……」
ダイヤ「わたくしはキリンが見てみたいですわ」
花丸「キリンかぁ、キリンも外せないよね」
果南「ダイヤ、キリンとか意外とかわいい趣味してるじゃん」
ダイヤ「か、かわいい?」カァァ
花丸「うんうん、照れてるダイヤさんかわいいよ」
ダイヤ「からかわないでください、もう……」 花丸「ダイヤさん、キリンいたよ!!」
ダイヤ「ほう、地上よりも低い位置で飼う事によりわたくし達と同じ目線に立たせているのですね」
果南「私達まで背が高くなった気分になるね」
ダイヤ「キリンの身長はオスもメスも4メートル以上はありますわ」
花丸「4メートル……マルの2人分より高いんだ〜」
果南「あんなに首や足が長いんだもんね、人間だったら人気モデルになれるよ」
ダイヤ「足はともかく首の長いモデルは不気味ですわ……」
花丸「ぷぷぷっ、想像したら笑えるね」
果南「あ、キリンが私達の事見てるよ」
花丸「噂してるの聞こえちゃったかな」
ダイヤ「自分が人間に置き換えられて笑われているとは思ってもいないのでしょうね」
ダイヤ「キリンさん、気にしないでください。わたくし達が勝手に話していただけですわ」
花丸「キリンが首を振ってる」
果南「ダイヤ、あの子の考えてる事がわかるんだ」
花丸「すごーい‼ダイヤさん動物と会話出来るんだね‼」
ダイヤ「そういう訳ではないのですが……」
ダイヤ「しかし、なんとなく心が通じ合った気がしますわ。うふふっ」 果南「ねぇ、キリンにエサをあげられるみたいだよ」
花丸「本当?あげたいあげたい‼」
花丸「ところで、キリンってなに食べるの?」
ダイヤ「キリンは主にアカシアの木の葉を食べていますわね」
ダイヤ「だからあれほど身長が高いのですわ」
花丸「なるほど〜高い木の葉を食べる為に進化してきたんだね」
果南「生物の授業もいいけど、エサあげないの?」
花丸「あげるってばぁ‼」
花丸「エサに反応してこっち来た、近くで見ると結構迫力あるね」
果南「マル、手まで食べられないように気を付けてね」
花丸「う、うん……」ソーッ
バクッ ムシャムシャ……
花丸「おぉ〜食べてくれた、楽しい〜」
花丸「はい、次はダイヤさん」スッ
ダイヤ「緊張しますわね……」ソーッ
バクッ ムシャムシャ……
果南「はは。ダイヤ、エサやり上手じゃない」
ベロン
ダイヤ「きゃあっ!?な、舐められましたわ!!」
花丸「きっと『ありがとう』って言ってるんだね」
果南「お、マルもキリンの考えがわかってきたね」
花丸「へへ、まぁね〜」
ダイヤ「気持ちは嬉しいですが顔がベタベタですわ……」フキフキ 花丸「キリンがおいしそうにエサ食べてるの見てたらお腹空いてきたな〜」
果南「そろそろお昼時だね、どこかでお弁当食べようか」
ダイヤ「そうですわね、いい加減お弁当を持っているのも疲れてきましたわ」
花丸「今気付いたけど随分大きなお弁当だね」
ダイヤ「ふふ、あなた達に沢山食べて欲しくてつい張り切り過ぎましたわ」
果南「こりゃ期待出来るね、あっちに芝生があるから行こうか」
果南「レジャーシート持って来てよかったよ、それっ」バッサァ
花丸「なんだかピクニックみたいだね〜ダイヤさん、早くお弁当食べようよ」
ダイヤ「急かなくても、今開けますわよ」パカッ
果南「おぉ〜まさかの3段お重」
花丸「すご〜い!!ごちそうがぎっしり!!」
果南「おにぎり、煮物、焼き魚、天ぷら、とんかつにサラダ。いやぁ豪勢だねぇ‼」
果南「これだけ作るのは大変だったんじゃないの?」
ダイヤ「前日から準備をしてルビィにも手伝ってもらったのでそれほど苦にはなりませんでしたわ」
果南「あとでルビィちゃんにもお礼言わないとね」
花丸「うん、ダイヤさんとルビィちゃんに今度なにかお返しするよ」
ダイヤ「楽しみにしていますわ。さぁ、召し上がってください」
花丸「わ〜い、いただきま〜す‼」 花丸「う〜ん、このおにぎり海苔の佃煮入ってる。おいしい〜!!」
ダイヤ「その佃煮は我が家で手作りした自慢の物ですわ」
ダイヤ「隠し味があるのですが気付きますか?」
花丸「ん……?そう言えばなんだかちょっぴり辛いような」モグモグ
ダイヤ「その通り、隠し味に唐辛子が入っていますわ」
花丸「いいねこのほどよい辛さ、ご飯が進むよ」
果南「―あむっ。お、こっちはわかめご飯だ。私の好物があるのは嬉しいねぇ」
ダイヤ「そのわかめは果南さんのお宅から頂いた物ですわよ」
果南「あ、そうなの?道理でおいしい訳だ」モグモグ
ダイヤ「む、おにぎりはわたくしが作ったのですよ」
果南「あぁいや、そういう訳じゃないよ。あはは」
花丸「わかめご飯もおいしいね〜」
果南「マル、ほっぺにご飯粒付いてるぞ」ヒョイッ
花丸「え?本当?恥ずかしいな……」
果南「マルはお子様だねぇ〜」
ダイヤ「そういう果南さんこそ、わかめが付いていますわよ」ヒョイッ
果南「あれ?付いてた?」
花丸「あはは、果南ちゃんもお子様だ」
果南「はは、マルの事言えないな私も」 ダイヤ「おにぎりもいいですがおかずも食べてくださいな」
花丸「もちろん!!煮物いただき〜」パクッ
花丸「―あぁ〜この大根味が染みてるね〜優しい味がするよ」
果南「焼いたアジと天ぷらのアジ、2つの味が楽しめるのは嬉しいねぇ、私魚大好き」
ダイヤ「アジと味……だじゃれですか?」
果南「あ、いやだじゃれを言ったつもりじゃないんだけどね……はは」
花丸「う〜ん、40点」
果南「基準がわからないけどよくはないんだ……」
花丸「とんかつは衣がサクサクでお肉も分厚い、食べ応えあるなこれ」モグモグ
果南「マル、サラダも食べてみなよ。このドレッシングおいしいねぇ、これも手作り?」
ダイヤ「そうですわ、お母様から教わった黒澤家秘伝のドレッシング。その名も『黒澤のたれ』」
花丸「これ、焼き魚やとんかつに付けても合うね。まるで万能調味料だ」
花丸「ダイヤさん料理上手だよね〜どれも全部おいしいよ」パクパク
果南「ほんとほんと、いい奥さんになれるよ」モグモグ
ダイヤ「ふふ、花嫁修行は怠っていませんからね」
ダイヤ「2人に満足していただけたようでわたくしも頑張った甲斐がありましたわ」ニコッ 花丸「はぁ〜食べた食べた、お腹いっぱい」
ダイヤ「あら、まだデザートのみかんがあるのですが」スッ
花丸「えっ!?みかん!?も〜早く言ってよダイヤさん」
果南「お腹いっぱいじゃなかったのマル?」
花丸「デザートは別腹だもんね〜」ムキムキ
花丸「はい、ダイヤさん。あ〜ん」
ダイヤ「自分で食べますわよ」
花丸「いいからいいから、食べさせてあげる」
ダイヤ「まったく、仕方ありませんわね」
ダイヤ「あ、あ〜ん」パクッ
ダイヤ「―うむ、おいしいですわね」
花丸「果南ちゃんも口開けて」
果南「あ〜ん、―ん〜あま〜い。マルにもお返ししてあげる」
花丸「あ〜ん」パクッ
花丸「―あぁ〜このみかんおいしいね!!何個でもいけちゃう」ムキムキパクパク
果南「マルの別腹は大きいなぁ」
ダイヤ「お腹を壊さないように気を付けるのですよ」
花丸「は〜い、あむあむ……」 花丸「お弁当食べたら眠くなってきた……」ウトウト
ダイヤ「わたくしも……今日は朝早くから起きてお弁当作りましたからね」
果南「だったら少し横になりなよ、膝枕してあげる」
ダイヤ「こんな所で膝枕ですか、恥ずかしいですわね……」
花丸「わぁ〜い、果南ちゃんの太もも柔らか〜い」ゴロン
果南「マルは平気みたいだけど?ダイヤもおいでよ、ほら」グイッ
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」ゴロン
果南「ダイヤ、私達の為に昨日からお疲れ様。こんな事しか出来ないけどゆっくり休んでよ」
ダイヤ「果南さん……」
ダイヤ「ありがとうございます、しばし太ももをお借りしますわ」
花丸「―うにゃ……むにゃ……」
ダイヤ「―すぅ……すぅ……」
果南「2人共かわいい寝顔だなぁ、ふふっ」ナデナデ
果南「ふわ……あ〜あ、なんだか私も眠くなってきたなぁ」
果南「うん……うぅん……」コックリコックリ ダイヤ「ん……ふぁ〜」ムクリ
ダイヤ「少しのつもりがいつの間にかぐっすりと眠ってしまいましたわ」
ダイヤ「ほら、花丸さん。起きなさい」
花丸「ん〜?もう朝……?」クシクシ
果南「寝ぼけてるなマル、ここは家じゃないぞ〜」
花丸「あ、そうだった。マルは動物園にいるんだった」
花丸「果南ちゃん、膝枕ありがとう。気持ちよかったよ」
ダイヤ「長い事枕にしてしまいましたが足は大丈夫ですの?」
果南「はは、そんなヤワじゃないから心配いらないよ」
果南「まだ時間はあるね。さぁ、動物を見に行こうか」
花丸「お腹が膨れてひと眠りしたから元気いっぱい‼行くぞ〜!!」
ダイヤ「なにを見に行くのか決めたのですか?」
花丸「そうだなぁ〜あっ、まだゴリラ見てないや」
果南「ゴリラも定番だよねぇ」
ダイヤ「ではゴリラの所に行きますか」 花丸「いたいた、ゴリラだゴリラ」
果南「お〜意外と動き早いね、ああやって動くだけでも結構迫力あるなぁ」
ダイヤ「あちらのゴリラはなにやら物憂げに佇んでおりますわね」
ダイヤ「こうして見るとなかなか整った顔立ちをしているのですね」
花丸「イケメンのゴリラってのもいるみたいだよ、写真集もあるみたい」
果南「へぇ、やっぱり動物でもイケメンだと人気出るんだね」
ダイヤ「ゴリラや猿は人間に近い動物ですからね、通じるものがあるのでしょう」
花丸「かわいいメスゴリラもいるのかなぁ」
果南「探せばいるかもねぇ〜」
ダイヤ「かわいいゴリラ……子供のゴリラしか浮かびませんわね」 花丸「ゴリラって言えばさ、よくこういう事やるよね」
花丸「ウホウホッ、ウホッウホッ」ドコドコ
果南「あぁ、胸を叩く動きね。トリミングだっけか」
ダイヤ「ドラミング、ですわよ果南さん」
ダイヤ「ドラミングはゴリラを象徴する動きですが本来は威嚇をする際に取る行動らしいですわ」
ダイヤ「ここのゴリラ達は皆穏やかなのでドラミングは見られないのでは」
花丸「そうなの?つまんないなぁ」
ダイヤ「ちなみに花丸さんは拳を握って叩いていましたが掌を開いてやるのですよ」
果南「こうかな?ウホウホッ」バシバシ
ダイヤ「違いますわ、こうです」
ダイヤ「ホッホホ、ホッホッホ」バンバン
ゴリラ「!?」ホホッホ バンバン
花丸「わっ、ゴリラが反応した」
果南「ダイヤ、ゴリラの真似うまいじゃん。本物と間違われたよ」
ダイヤ「―はっ!?わたくしったらなんてはしたない事を……」カァァ
花丸「ダイヤさんすご〜い?ね、もう1回やって見せてよ」
ダイヤ「もうやりませんわ‼忘れてください‼」 果南「キリンの時みたいにふれあえる動物他にもいないかな」
ダイヤ「確かここにはモルモットとふれあえるコーナーがあるはずですわね」
花丸「モルモット?名前は聞いた事あるけど見た事ないなぁ」
ダイヤ「見ればわかりますがモルモットはネズミの仲間でハムスターとよく似ていますわ」
果南「ネズミか、いいねぇ。大きい動物ばかり見てきたから今度は小さい動物も見てみたいな」
花丸「やっぱり動物は触らないとね、見てるだけじゃ面白くないよ」
果南「だよねぇ、わくわくしてきた」
ダイヤ「怖がらせてはいけませんわよ、特に花丸さん」
花丸「なんでマルだけ名指しなのさ〜」
ダイヤ「あなたはなにをしでかすかわからないからですわ」
花丸「ぶぅ〜マルは怖がらせたりなんかしないもんね」
果南「あはは、優しくしてあげようね」 花丸「わぁ〜かわいい〜!!」
果南「本当、小っちゃいね〜おもちゃみたい」
ダイヤ「そっと抱くのですよ」
花丸「わかってるよ」スッ
花丸「ふふ、もふもふだぁ気持ちいい〜」
果南「人間に慣れているのかな?おとなしいね。ネズミってチョロチョロしてるイメージがあったよ」ナデナデ
ダイヤ「そうですわね、このモルモット達は人間に慣れる為に生まれた時から人間のそばにいたのでしょう」
果南「癒されるねこれは、えへへ……」
花丸「いつまでも触っていられるよね〜」ナデナデ
花丸「果南ちゃんとモルモット、お似合いだね」
ダイヤ「えぇ、モルモットを愛でる果南さんは絵になりますわ」
果南「そう?かわいいから飼っちゃおうかな〜」スリスリ ササササッ!!スポッ
果南「きゃっ!?ちょ、えっ、やだ!?」
花丸「果南ちゃんの服の中に入っちゃった‼」
ダイヤ「た、大変ですわ!!」
カササッ‼カサカサカサッ‼
果南「ふひっ、まっ、待って、動かないで、くすぐったいってば〜ひゃはは」
花丸「モルモットも出ようとして動き回ってるんだ」
果南「解説してないで助けてよ〜!!」
ダイヤ「い、今出してあげますわ」ズボッ
果南「ひゃあっ!?ダイヤどこ触ってるの!?」
ダイヤ「我慢しなさい‼―このっ、ちょこまかとこの子は」モゾモゾ
カサカサッ‼カササッ‼
果南「ひぅっ、だ、ダメ、くふふ、モルモットとダイヤが、ふひっ、両方動いて、はぅん、は、早く出して〜!!」
ダイヤ「それっ‼」ガシッ スポン
花丸「やった‼捕まえた‼」
果南「はぁ〜ありがとうダイヤ……助かったよ」
ダイヤ「いえ……まさか果南さんの服の中に潜り込むとは思いませんでしたわ」
果南「私、モルモット飼うのやめるよ……」グッタリ 花丸「面白いハプニングがあって楽しかったね〜」
果南「結局マルは見てただけだったね」
花丸「マルまで手突っ込んだら余計混乱して捕まえられなかったよ」
果南「それもそっか。まったく、いたずらなモルモットだったよ」
ダイヤ「よかったではないですか、たっぷりとふれあえましたわよ」
果南「そう言えばダイヤ、あの時どさくさに紛れて胸触ったでしょ」
ダイヤ「あ、あの時はわたくしも必死だったのですわ!!触るつもりはなかったのです!!」
果南「本当かな〜?」
花丸「あ、ソフトクリームだ!!ねぇねぇあれ食べよ‼」グイグイ
ダイヤ「先程お弁当を食べたばかりではありませんか」
花丸「もうおやつの時間だよ」
果南「マルの腹時計は進むのが早いなぁ」
花丸「ほら、抹茶味もあるよ。ダイヤさん抹茶好きでしょ」
ダイヤ「抹茶味……ごくり」
ダイヤ「ま、まぁせっかくの出先ですし。よしとしますわ」
果南「マル、うまくダイヤを味方につけたねぇ」
花丸「えへへ、まぁね〜」 花丸「抹茶味の他にみかん味なんてのもある、マルはこれにしよっと」
ダイヤ「果南さんはなににしますの?」
果南「私は普通のバニラ味でいいよ」
花丸「―はむっ、う〜ん、みかんの味がちゃんとする〜おいしい〜!!」
果南「みかん味だなんて変わった味もあるもんだね」ペロペロ
ダイヤ「やはり抹茶はいいものですわね、ソフトクリームとの相性も抜群ですわ」パクッ
花丸「……おいしそう」ジーッ
ダイヤ「なんですの?自分の分があるではありませんか」
花丸「ねぇ、ひと口ちょうだい」
ダイヤ「……ひと口だけですわよ」
花丸「あ〜むっ」バクッ
ダイヤ「ぴぎゃっ!?半分も食べるなんてなにを考えているのですかあなたは!?」
花丸「へへーん、ひと口はひと口だよ〜」
ダイヤ「は〜な〜ま〜る〜さ〜ん……」
果南「ダイヤ、落ち着きなよ。ソフトクリームくらいまた買えばいいじゃない、私買って来るよ」
果南「マル、ダイヤに謝っておきな」
花丸「あ〜ダイヤさんごめんね、ちょっと食べ過ぎちゃった」
ダイヤ「はぁ……もういいですわ、ルビィにもよくやられますから」 ダイヤ「果南さん、ソフトクリームごちそうさまでした」
果南「いいっていいって、私も飲み物欲しかったし」
花丸「このみかんジュースおいしいなぁ〜」チューチュー
花丸「ダイヤさん、さっきのお詫びに見たい動物がいたらまた付き合うよ」
ダイヤ「まだ見ていないのは……そうですわ」
ダイヤ「ゾウさんを見に行きましょう、ルビィに写真を撮って見せてあげたいですわ」
果南「それはいいけどダイヤが『ゾウさん』って」
ダイヤ「ん?なにかおかしいですか?」
果南「いーや、かわいいなって思ってさ。ねぇマル」
花丸「うん、まるでルビィちゃんみたいだったよ」
ダイヤ「わたくしの家では小さい頃から『ゾウさん』と呼んでいたので……」カァァ
果南「はは、いいんだよゾウさんで」
花丸「それではお次はゾウさんの所に参りま〜す」 花丸「ゾウさんの前に到着しました〜」
ダイヤ「わぁ、本物はやはりかわいいですわね」
ダイヤ「さっそく写真を撮りましょう」ピロリロリン
花丸「あ、どうせならマル達の事も撮ってよ」
果南「私撮ってあげる、ダイヤも一緒に入りなよ」
ダイヤ「そうですか?ではお願いしますわ」
果南「それじゃ、撮るよ〜」
ズイッ
ダイヤ「きゃあっ!?」
花丸「うわぁっ!?」
ピロリロリン
果南「あはは、ゾウさんが近付いて2人がびっくりしたいい瞬間が撮れたよ」
ダイヤ「いつの間にこんなそばまで……」
花丸「この子も映りたかったのかな」
果南「きっとわかって近付いて来たんだろうね」
ダイヤ「ふふ、お茶目なゾウさんですわね」 果南「ゾウさんと言えばあの長い鼻だよね」
果南「見てよ、鼻で枝を掴んで背中掻いてる」
花丸「すご〜い、まるで人間の手みたいだね」
ダイヤ「あの鼻で水を飲む事も出来るのですから人間よりすごいですわ」
果南「だよね、私達じゃ匂いを嗅ぐので精一杯だよ」
ダイヤ「ゴリラの時も思いましたが、ゾウさんの顔も穏やかで優しい顔をしておりますわね」
花丸「そう考えるとマル達人間も動物なんだなって思うよね」
ダイヤ「えぇ、感情もあり表情もわかる。人間も動物も同じ仲間なのですわ」
果南「なんか深い話してるね〜」
ダイヤ「なに、別に深くもないのです」
ダイヤ「考えてみれば当たり前の事、ですわ」 ダイヤ「ゾウさんを間近で見て写真まで撮れたので満足ですわ」
果南「いい写真が撮れたね、ルビィちゃんもきっと喜ぶよ」
果南「―っと、いつの間にかこんな時間か。どうする?そろそろ帰ろうか」
ダイヤ「そうですわね、夕飯までには帰ると言って来ましたし」
ダイヤ「花丸さん、今日は満足しましたか?」
花丸「うん‼果南ちゃんとダイヤさんと一緒にいろんな動物を見ておいしいお弁当にソフトクリームまで食べられたし」
花丸「最高に楽しかった‼」
花丸「2人共、今日はマルに付き合ってくれてありがとう。いい思い出になったよ」
果南「マルが喜んでくれたなら私達も嬉しいよ」
花丸「また3人でおでかけしようね」
ダイヤ「もちろんですわ、次はどこにいくのか楽しみにしていますわね」
花丸「うふふ。マル、果南ちゃんとダイヤさんの事だ〜い好き!!」
花丸「帰りも手繋いで行こっ‼」ギュッ これで終わりになります。花丸ちゃんの誕生日にちなんで3人の話を書いてみました。支援、また最後まで読んでくれた皆さんありがとうございました。 やっぱり“AZALEA家族”なんだよずらなんですわぁ…… おつおつ
優しい雰囲気のお話だった…めちゃくちゃ良かった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています