穂乃果「夢への鎮魂歌」
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ーー空港
ことり「……そろそろ行かなきゃ」
タッタッタッタッタッ…
穂乃果「ことりちゃん!」
ことり「! 穂乃果ちゃん…」
穂乃果「待って! 行かないでことりちゃん! 私、ことりちゃんとまだスクールアイドルやりたいの!」
ことり「……」
ことり「……ごめんね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「え……」 /⌒\__,、. -――- 、,、___/⌒\
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 ̄人 \ / `广¨´ ことり「今更になって留学を取り消すなんて、そんなの無理だよ」
穂乃果「分かってる! そんなの分かってるけど…それでも!」
ことり「聞いて!」
穂乃果「!」
ことり「私ね、今まで穂乃果ちゃんや海未ちゃんの後をついて歩くだけだった」
ことり「そんな私が、やっと自分の意思で本当にやりたいことを見つけられた」
ことり「だから私、周りにどれだけ迷惑をかけても、これだけはやり通したいの」
穂乃果「ことりちゃん……」
穂乃果「……っ」グッ
穂乃果「嫌だ!!」
ことり「……」 穂乃果「ことりちゃんを困らせることしてるって分かってる! 私のわがままだって分かってる!」
穂乃果「それでも私は! ことりちゃんに行って欲しくないのっ!」
ことり「……」
穂乃果「行かせないよ! 引きずってでも講堂まで連れていく!」ガシッ
ことり「……」スゥゥゥゥ…
ことり「いやぁぁぁぁ! 離してぇぇぇぇぇ!!」
穂乃果「!? なっ……!?」
ザワザワザワ… ことり「警備員さん! こっちです!」
ソコノキミ! ハナレナサイ!
穂乃果「くっ!」
バッ
穂乃果「しまっ……くそっ、そこまでして…………ことりちゃん!!」
ことり「穂乃果ちゃん、ごめんね。でも、こうでもしなくちゃ諦めてくれないでしょ?」
穂乃果「待ってよ、ことりちゃん! ことりちゃん!!」
ことり「……私は、必ず向こうで自分の夢を叶えるから」
ことり「穂乃果ちゃんも、変わらずにいてね」
穂乃果「ことりちゃぁぁぁん!」 ーー講堂
にこ「遅いわねー、ホントに間に合うの?」
海未「ええ、穂乃果ならきっと…」
キィ…
花陽「あ、穂乃果ちゃんだ!」
トボトボトボ…
穂乃果「……」
真姫「遅いわよ穂乃果。間に合わないんじゃないかと思ったわ」
凛「もー、凛もハラハラしたにゃー」
穂乃果「……」
希「穂乃果ちゃん? ど、どうしたん?」
絵里「ち、ちょっと穂乃果?……あれ、ことりは……?」 穂乃果「…………ごめん」
穂乃果「ことりちゃんのこと、引き留められなかった……」
海未「! では、ことりは……」
穂乃果「行っちゃった。今はもう、雲の上だね……あははは」
にこ「っ……あんた、何笑ってんのよ…!」ガッ
真姫「待って、にこちゃん!」ガシッ
凛「ぼ、暴力はダメだよ!」
にこ「ことりの事止められるのはねぇ! あんたしかいないのよ!? あの子だって本当はあんたに止めて欲しいって……!」
穂乃果「……違ったんだよ。ことりちゃんは本気で留学するつもりだったんだよ。自分の夢を叶えるために」
にこ「だからって……!」
穂乃果「ことりちゃんと正面から向き合って、それが分かった」
穂乃果「だったらもう、私には何も出来ないよ」 にこ「あんたはそれでいいの!? ことりなしでライブが出来るって、ホントにそう思うの!?」
海未「にこ!! もうやめてください!……穂乃果の気持ちも、分かってあげて下さい……」
にこ「っ……」
穂乃果「……本当にごめん。皆、待っててくれたのに…」
花陽「穂乃果ちゃん……穂乃果ちゃんのせいじゃないよ」ギュッ
凛「……ど、どうするの? 九人いないなら、やめる?」
真姫「無理よ、今更」
希「うん。講堂にはもう生徒が満員や。今更取りやめるなんて…」
絵里「ええ。……八人だけど、やるしかないわね」 絵里「穂乃果、辛いのは分かる。みんな同じ気持ちよ。でも、このライブだけは成功させましょう」
穂乃果「……それってさ、今、この気持ちを抱えたまま、笑顔になって、歌って踊れって事?」
絵里「え……」
穂乃果「大事な友達とお別れした後に? それを忘れてライブに集中しろって事?」
穂乃果「そんなの……そんなの出来るわけないよ!! ことりちゃんは大切な親友なの! 一旦忘れろって言われて、忘れられるようなものじゃないんだよ!!」
穂乃果「ハァ……ハァ……」
絵里「ほ、ほの、か……」
希「穂乃果ちゃん……」
凛「う、うぅ〜……」オロオロ
花陽「……」グスッ…
真姫「……」ポンポン にこ「じゃあどうすんのよ!? こんだけお客さん集めといて、やっぱりライブ出来ませんって言うわけ!?」
穂乃果「そうだよ! それの何が悪いの!?」
にこ「なっ…」
穂乃果「『スクール』アイドルだよ!? 仕事でやってるわけでもなんでもない、部活動の一環でしょ!?」
にこ「っっ……こんの……!!」グッ
海未「にこ、ストップです」ガシッ
海未「穂乃果…………歯を食い縛って下さい」
バッチィィィィィィィン…!
穂乃果「っっ……!!」 海未「甘ったれた事を言うのはやめなさい!!」
海未「ことりがいなくなって辛いのが自分だけとでも思っているんですか!?」ポロポロ
穂乃果「……」
海未「μ'sは……μ'sはあなたが作ったグループでしょう!?」
海未「だったら! 例えこれが最後になっても……やり通しなさい!」
海未「自分が行動したことの責任くらい……自分で持ちなさい!!」
穂乃果「……」
タッタッタッタッタッ
ヒデコ「おーい! そろそろ幕開けないと時間が〜……って」
ヒデコ「…………と、取り込み中、かな」
絵里「……大丈夫。もう準備終わるから」 絵里「穂乃果、お願い」
絵里「このライブが最後でもいい。だから、このライブだけは、何とか成功させましょう?」
穂乃果「…………分かった」
希「にこっちも、そんな顔でお客さんの前に出たらダメだよ?」
にこ「うっさいわね!! 分かってるわよ!」
凛「な、仲良くしよ? 仲良く…」オロオロ
花陽「う、うぅ……」
真姫「花陽。大丈夫、大丈夫だから」ポンポン
ヒデコ「じ、準備オッケーなんだよね!? 幕上げるよー!」
ガーーーーー…… 〜〜〜♪
あんじゅ「お、始まったわね」
英玲奈「新進気鋭のグループ、μ'sのライブ、ちゃんと見るのは初めてだな」
あんじゅ「何でラブライブのエントリー取り止めたのかしら?」
英玲奈「さぁな。何か事情があったんだろう。……今回のライブも訳ありか?」
あんじゅ「そうみたいねぇ。そもそもメンバーが八人しかいないし……このパフォーマンス…」
英玲奈「評判とはほど遠いな。ダンスも歌もバラバラだ、何より表情が固い」
ガタッ
英玲奈「ん?」 スタスタスタ…
英玲奈「ツバサ、もう見ないのか?」
あんじゅ「ツバサが一番楽しみにしてたのに」
ツバサ「……事情があったのかは知らないけど」
ツバサ「期待してた分、失望が大きいわ。この程度のグループだったってことね」
英玲奈「随分キツイな」
ツバサ「時間無駄にするのはやめにして、次のライブに向けて、練習しましょう」
英玲奈「ん」
あんじゅ「……あ、センターの子転んだ。誰だったかしら」
ツバサ「あんじゅも、練習行くわよ」
あんじゅ「了解、リーダー」
プツッ… テクテクテク…
ヒデコ「……」
フミコ「……」
ミカ「……大失敗、だったね」ボソッ
ヒデコ「ちょ、ミカ。やめなよ、そういうこと言うの」
ミカ「だ、だってさ、あのライブはさすがに…」
フミコ「矢澤先輩、ライブ終わった後、穂乃果に掴みかかってたね…」
ヒデコ「フミコまで。……まぁ穂乃果、思いっきり転んでたもんね」
フミコ「ことりちゃんいなかったけど、どうしたんだろ」
ミカ「今日が向こうに行く日だったんじゃなかったっけ」
フミコ「あ、そっか。それでか」 _人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> バーリバーリバリィ〜〜〜〜〜!! <
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 ̄人 \ / `广¨´ ヒデコ「まー今回はたまたま調子が悪かったんでしょ。次は上手く行くって」
フミコ「うーん、でもことりちゃん抜きかぁ。衣装作りとか大変だよね」
ミカ「……解散とかしないよね?」
ヒデコ「えぇ? 何で?」
ミカ「凄い雰囲気悪かったから、さ。気になって」
ヒデコ「……うん。まぁ、確かに」
フミコ「出来るだけ手伝ってあげたいけど、解散ばっかりはね」
ミカ「メンバーで決めることだもんねぇ」
ヒデコ「ちょっとー。あんまり暗い話ばっかりしないでよねー」 ーーー
ーー
ー
にこ「はいワンツースリーフォー、ワンツースリーフォー!」パンパンパンパン
花陽「はぁ…はぁ…」
にこ「花陽! テンポ遅れてる! ちゃんと手拍子に合わせて踊んなさい!」
花陽「は、はい!」
凛「ほっ、ほっ」
にこ「凛! 動きが雑! 指先まで神経集中させなさい!」
凛「にゃ〜…」
にこ「返事ははいでしょうが!」
凛「は、はい!」 にこ「よし、10分休憩して、その後は筋トレね」
りんぱな「「はーい」」
花陽「ふぅ、にこちゃんの指導厳しいねぇ、凛ちゃん」
凛「……」
花陽「凛ちゃん?」
凛「あ……な、なに?」
花陽「大丈夫? ぼーっとしてたけど」
凛「う、ううん、何でもないにゃ!」
花陽「?」
凛「……ただ、この三人で練習するの、中々慣れないなぁって。ほら、手拍子は、海未ちゃんとか絵里ちゃんがやってたでしょ?」
花陽「うん……気持ちは分かるよ、凛ちゃん」
凛「あれから一月くらい経つけど、やっぱりちょっと寂しいような…」 ベシッ
凛「痛いにゃー!」
花陽「に、にこちゃん」
にこ「何を下らないこと言ってんのよ、辞めた奴らのことをいつまでも愚痴っても仕方ないでしょ」
凛「そ、そうかもしれないけどさー」
にこ「いい? μ'sは解散したの。……で、それでもあんた達は私とスクールアイドル続けるって決めてくれたんでしょ」
花陽「う、うん」
にこ「今は『にこりんぱな』として活動してる。そこんとこよく覚えときなさいよ」
凛「うぅ〜、分かってるけどさ〜」
にこ「ほら、分かったなら休憩終わり! まずは腹筋100回!」
凛「えぇ〜!!」 にこ「えぇ〜じゃない! いーい? 体幹の安定がダンスのキレをねー」
〜〜♪
花陽「ん? なんだろ」スマホスッスッ
花陽「……えっ」
花陽「えぇ〜!! に、にこちゃん! 凛ちゃん!」
にこ「何?」
凛「どしたのかよちん?」
花陽「ら、ラブライブが……ラブライブの第二回大会が開催されるって……!」 カラカラカラ…ピシャ
希「にこっち達、練習頑張ってるみたいやね」
絵里「そうね。にこは強いわよね、羨ましくなるくらい」
希「……絵里ちは良かったの? スクールアイドル続けなくて」
絵里「何よ、それを言うなら希も同じでしょ?」フフッ
希「ウチは……」
絵里「カードが言ってる? 九人じゃなくちゃダメだって」
希「……ううん。ウチは、何だろう。やっぱりあの九人でいるのが、好きだったのかなぁ…」
絵里「それでいいんじゃない。半端な気持ちで続けても、にこに怒られるだけでしょう」
希「絵里ちは?」 絵里「私は元々廃校を止めるのが目的だったからね。役目は果たしたと思ってるわ」
希「あ、そういえば正式に決まったんだっけ」
絵里「ええ。理事長から教えて貰ったわ。今度の生徒総会で発表する予定」
希「そっか。……じゃあ特に思い残すこともないんだ」
絵里「最後のライブがああいう結果に終わったのは…心残りがないって言ったら嘘になるけど、あんな状況じゃ仕方なかったわ」
絵里「やれることは全部やったと思うし、受験も控えてるからね」
希「あー…憂鬱やなぁ」
絵里「……ま、今はそれより、別の考え事がね」
希「? なに?」 絵里「後任の生徒会長。誰を推薦しようかなって」
希「あー、もう引き継ぎの時期かぁ」
絵里「ええ。……最初はね、穂乃果を推薦しようかと思ってたの。リーダーシップは誰よりもあるでしょ?」
希「ん、ぐいぐい引っ張ってくれそうな感じやね。副会長に海未ちゃんがいればバランス取れそう」
絵里「でも、ことりが留学してからというもの、ずっと落ち込んでるでしょ。今任せてもいいものかと思って…」
希「んー、そこはちょっと考え所やね」
絵里「そうなのよねぇ…」ハァ… /⌒\__,、. -――- 、,、___/⌒\
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真姫「……」フー…
ガラッ
真姫「!」
海未「……」パチパチパチ
海未「いい演奏でした」
真姫「今のが?……まぁ、ありがと」
真姫「どうしたの、音楽室に何か用?」
海未「いえ、何となく足が向きまして」
真姫「そこは嘘でも私のピアノ聞きに来たとか言っとくものよ」
海未「では、そういうことにします」
真姫「はいはい。ありがとうございます」 真姫「……最近、穂乃果と話してる?」
海未「普通に話せてはいますよ」
真姫「どういう意味よ」
海未「普通です。当たり障りない会話、です」
真姫「…そう」
海未「ことりがいないとダメなんです、私も、穂乃果も」
海未「ことりがいてくれたから、私と穂乃果は好きなだけぶつかり合えたんだと思います」
真姫「それ、依存?」
海未「そうかもしれませんね」 真姫「でもいつまでもそういう訳にもいかないでしょ」
海未「……分かってはいるんですがね」
真姫「ていうか、ことりからは何の連絡もないわけ? 今時連絡手段なんか幾らでもあるでしょ」
海未「こちらからは何度も連絡しているんですが、ことりからは何も。理事長とはちゃんと連絡を取ってるようですが…」
真姫「っ……何なのよそれ。勝手に留学して、今度はだんまり決め込んでるってわけ?」
真姫「意味分かんないわよ、何なのよ、ホントに……私、もっとずっと九人で一緒に……」
海未「……」 真姫「……海未はさ、にこちゃん達用に歌詞書いたりしてるの?」
海未「いえ。手伝おうか聞いてはみましたが、断られました。そんな半端な形で関わって欲しくはない、と」
真姫「そう。私と同じね」
海未「にこ達は既存の曲を使うんでしょうか」
真姫「どうかしら。まぁ本来はJ-popの曲とか使うんだろうけど」
海未「真姫はやらないんですか、スクールアイドル」
真姫「それも海未と同じでしょ。私はμ'sだからやろうと思ったのよ」
海未「……そうですか」 海未「真姫はこれから何を?」
真姫「何を、って…μ's入る前に戻るだけよ。医学部目指して勉強勉強よ」
真姫「海未は弓道部一本になるのね」
海未「ええ。……何だか、寂しいような気持ちですね」
真姫「……もう、仕方のないことでしょ」 /⌒\__,、. -――- 、,、___/⌒\
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 ̄人 \ / `广¨´ スタスタスタ…
穂乃果「……」
穂乃果「部活がないと帰る時間早いなぁ」ボソッ
穂乃果「まぁ、元々帰宅部だったし、もう慣れたけど…」
ヒデコ「ほーのかっ!」
穂乃果「わっ…ひ、ヒデコ。フミコにミカも」
フミコ「一緒に帰らない?」
ミカ「帰宅部同盟揃い踏みだねっ」
穂乃果「…ふふ、なにそれ」 ヒュゥゥゥゥゥ…
ヒデコ「やー、寒くなってきたねぇ」
フミコ「冬が近づいてきてるって感じだね」
ミカ「これはそろそろコタツの準備が必要かなー?」
穂乃果「……」
ヒデコ「……ほのかっ」ペシッ
穂乃果「あぅ」
ヒデコ「いつまでそんな風に落ち込んでるの、穂乃果らしくないよ」
フミコ「うんうん」
ミカ「もっとうるさいくらい元気いっぱいじゃなきゃねー」
穂乃果「う、うるさいくらいって……」 ヒデコ「ことりちゃんはさ、自分で選んで決めたんだから。それで穂乃果が元気なくしてるの知ったら、自分を責めるんじゃないかな」
穂乃果「……分かってる。ただ、皆に申し訳なくて」
フミコ「申し訳ない?」
穂乃果「最後のライブがあんな終わり方になって、μ'sのメンバーにはもちろん、手伝ってくれたヒデコ達にも顔向けが…」
ミカ「わ、私達は好きで手伝ってたんだからいいんだよ!」
ヒデコ「そうだよ穂乃果。それにさ、聞いた話だと学校の廃校、正式に取り止めになったんだって!」
穂乃果「!……そうなんだ」
ヒデコ「うん。穂乃果がスクールアイドル始めたお陰だよ。だから謝ることなんか何もないんだよ」 ヒデコ「じゃーねー」
フミコ「また明日ー」
ミカ「元気出しなよー」
穂乃果「うん、ありがとー」フリフリ
スタスタスタ…
穂乃果「そっか……学校は守れたんだ。良かった…」
穂乃果(でも……それなら、私はーー)
穂乃果「残りの高校生活、何をすればいいのかな……」 /⌒\__,、. -――- 、,、___/⌒\
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 ̄人 \ / `广¨´ 何黙って見てんだお前進化前は人の真似すんの得意だったろはよ行け _人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> バーリバーリバリィ〜〜〜〜〜!! <
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 ̄人 \ / `广¨´ でも正直バリヤードがことりちゃんの真似してお願いして来たらブチ殺したくなると思うこのブサイク /⌒\__,、. -――- 、,、___/⌒\
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/' `⌒ヽ./ \ / ヽ _/⌒´ \|
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 ̄人 \ / `广¨´ 穂乃果(スクールアイドルはもう続けられない。……あんな失敗をしておいて、にこちゃんとはきっともう、元通りにはなれない)
穂乃果(別の部活に入る……二年の秋に……?)
穂乃果(来年には受験生だし、勉強に打ち込む……はは、考えるのも嫌だなぁ)
穂乃果「……考えてみると、私ってなーんにもないんだなぁ」
穂乃果「まぁ……いっか。別に何かをやらなきゃいけないって訳でもないんだし、帰宅部でも…」 ことり『……私は、必ず向こうで自分の夢を叶えるから』
ことり『穂乃果ちゃんも、変わらずにいてね』
穂乃果「変わらずに、か」
穂乃果「ねぇ、ことりちゃん。私らしいって何なのかな…」
穂乃果「……なんで、なんでことりちゃんは、何も連絡をくれないの……?」 ーーー
ーー
ー
キーンコーンカーンコーン
真姫「やっとお昼ね」
真姫「凛、花陽、一緒にお昼……」
花陽「はぐはぐはぐはぐ!」ムシャムシャムシャ
凛「もぐもぐもぐもぐ!」ムシャムシャムシャ
花陽・凛「「ごちそうさまでした!」」
真姫「はやっ」
凛「ごめんね真姫ちゃん! お昼休みも練習しなくちゃ! かよちん行こっ」ダッ
花陽「ゴクンッ。う、うん! ごめん真姫ちゃん、またね」ダッ
真姫「え、ええ。頑張って」 真姫「……最近忙しそうね、あの二人」
真姫「ま、私は一人で食べるの慣れてるし、別にいいけど」パカッ
真姫「…」モグモグモグモグ…
真姫(そう。別に寂しくも何ともない)
真姫(花陽や凛と知り合う前はいつも一人だったんだし、今更気にはならない)
真姫「…」モグモグモグモグ…
女子生徒「あの、西木野さん?」
真姫「? なに?」 女子生徒「良かったら、こっちで私と食べない?」
真姫「!……べ、別にいいけど?」
女子生徒「ほんと? よかったー。一度西木野さんと話してみたかったんだ」
真姫「そうだったの?」
女子生徒「うん。いつも星空さんと小泉さんと一緒だったから、なかなか機会がなくって」
女子生徒「もう部活はやめたんでしょ?」
真姫「まぁ…そうだけど」 女子生徒「じゃあこれからはお昼一緒に食べようよ。あの二人は忙しいみたいだし」
真姫「え、ええ」
女子生徒「西木野さんてさ……」ペラペラ
真姫(……私に興味持ってくれてる子がいたんだ)
真姫(うん。凛や花陽だけじゃなくて他の子とも友達になれるように、私も少しは社交性を身につけないとね) タッタッタッタッタッ
ガチャ
凛「はぁ……はぁ……」
花陽「はぁ……はぁ……」
にこ「二人とも遅いわよ。基礎練から始めるから、さっさとアップしなさい」
花陽「う、うん」
凛「了解にゃ」 グッグッグッ
凛「凛達もチャイムと同時にご飯食べ始めて走ってきたのに、にこちゃん早すぎるにゃ…」
花陽「それだけ気合いが入ってるってことだよね。もう二回目のラブライブ予選まで時間がないし」
凛「うぅ、A-RISEと当たるんだよね、なんか気後れしちゃうにゃ」
花陽「でもランキング形式じゃなくて、パフォーマンス次第で本選に行けるっていうのは、私達にとってはありがたいよね」
凛「そうなの?」
にこ「そうよ」 凛「うわ、にこちゃん急に話に入ってこないでよう」
にこ「ランキングの順位に結果が左右されないなら、エントリーして間もない私達でも本選出場のチャンスは充分あるの」
にこ「ネームバリューがほぼゼロだろうと、歌とダンスで勝負できるなら、勝機はあるわ」
凛「でも凛達、μ'sの元メンバーってことで注目されたりするんじゃないかなぁ」
花陽「り、凛ちゃん!」
にこ「……」ギロッ
凛「あっ……! な、何でもない!」アタフタ
にこ「……もっかい同じこと言ったらぶっとばすわよあんた」
凛「……ごめん……」 花陽「と、ところでにこちゃん! 曲とか衣装とか、本当にオリジナルでいくの?」
にこ「ええ。衣装はアイドル誌を参考にして、今の時代、曲だって楽器弾けなくてもPC使えば自作くらい出来るわよ」
凛「に、にこちゃん凄いにゃ」
花陽「でもそれじゃあ大変な作業量になるんじゃ…」
にこ「あんたがそんな心配しなくてもいーの。既存の衣装と曲そのままだと、目新しさが足りないのよ」
にこ「さーて、話は終わりね。基礎練始めるわよ」
フラッ… 凛「わっ! にこちゃん?」
花陽「だ、大丈夫?」
にこ「……ん。ちょっと立ちくらみしただけ」
にこ「じゃあ、まずは発声練習から……」 にこ(……作業量がどうとか、そんな泣き言言ってる暇なんかない)
にこ(元いたメンバーを頼れば楽になるんだろうけど、そんなことはしたくない)
にこ(私は『μ's』としてじゃなく、『にこりんぱな』としてラブライブに出場したい)
にこ(私にとって間違いなく最後になる大会を、本当に『スクールアイドル』をやりたいメンバーで、勝ちたい)
にこ(そう、三年間……ろくに活動できない時もあったけど、スクールアイドルやってきた私にとって、最後の……)
にこ(悔いが残らないように、全力でやってやる、たかが部活動を、全力で……) _人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> バーリバーリバリィ〜〜〜〜〜!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
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 ̄了イ ! { } { rく⌒ヽ
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 ̄人 \ / `广¨´ 絵里「…………で、そっちのファイルに入ってるのが各部活の部員名簿。今年度の予算内訳はそこの棚ね」
「は、はい」カチコチ
絵里「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。肩書きが重く感じるかもしれないけど、段々慣れてくるものだから」
希「ふふ、生徒会長就任の挨拶はちょーっとたどたどしかったけどね」
「あ、あぅぅ…すいません」
絵里「こら希、余計なこと言わないの。とにかくこれで引き継ぎは終わり。何かあったら遠慮なく聞きに来て」
「は、はい! ありがとうございます、失礼します!」
ガチャ、バタン 絵里「ん〜、これで私の役目も終わりね」ググッ
希「肩の荷が下りた感じ?」
絵里「そうね、自分で言うのも何だけど、廃校止めようと色々無理してたから」
希「お疲れ様、前生徒会長」
絵里「ふふっ、ええ、前副会長」
希「……けど結局、会長も副会長も生徒会役員の子達に任せることになったね」
絵里「……そうね。ねえ希」
希「ん?」 絵里「私の判断は間違ってたと思う?」
希「ううん。正しいと思うよ」
絵里「本当?」
希「今の穂乃果ちゃんが生徒会長の仕事をきっちりこなせるとは、ウチには思えないから……ちょっと嫌な言い方だけどね」
希「絵里ちは生徒会長なんだから、学校のためを思った人選をするのは、何も間違いじゃないよ」
絵里「……うん、ありがとう」
ガチャ 先生「ああ、いたいた。絢瀬さん、東條さん、ちょっといいかしら?」
絵里「? はい」
希「なんですか?」
先生「あなた達、矢澤さんと同じアイドル研究部だったわよね」
絵里「…いえ、先生」
希「私達はもう退部してます」
先生「あら、そうだったの? ええと、でも矢澤さんとは親しいわよね」
絵里「あの、にこがどうかしたんですか?」 先生「それがね……最近どの授業でもほとんど寝てるそうなのよ」
希「え……」
先生「三年生の秋ってすごく大事な時期でしょう? 周りの生徒の目もあるし……担任として何度も注意したんだけど、聞く耳持ってくれないのよ」
絵里「……私達から何を言えばいいんですか?」
先生「少し話してくれるだけでいいのよ、もしかすると何か悩んでるのかもしれないから」
先生「そういう時って、先生より友達の方が話しやすいでしょう?」
希「分かりました。今度話してみます」
先生「ごめんね。お願いするわね」
ガチャ、バタン 絵里「……希、知ってた?」
希「…」フルフル
絵里「そうよね。にことはクラス別で、μ'sが解散してから疎遠になってたし……」
希「にこっち、お世辞にも成績良い訳じゃないだろうに。何やってるんだか……」ハァ…
絵里「お昼休みはもうすぐ終わっちゃうから、放課後に会いに行ってみましょうか」
希「そうやね。凛ちゃんと花陽ちゃんも元気にやってるかな」 _人人人人人人人人人人人人人人人人人_
> バーリバーリバリィ〜〜〜〜〜!! <
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教師「…………となる訳です。では次の問題を、高坂さん」
穂乃果「……」ボーッ
教師「高坂さん?」
穂乃果「……え、あ、はい」
教師「聞いてましたか?」
穂乃果「……すいません、聞いてませんでした」
教師「もう。来年には受験もあるんですから、授業はしっかり聞いて下さいね」
穂乃果「はい、気をつけます」
教師「では、今日の授業はここまでです」
海未「……」 キーンコーンカーンコーン
カエロー カエリドコカヨッテコー
穂乃果「…」ゴソゴソ
海未「穂乃果」
穂乃果「海未ちゃん。なに?」
海未「もう帰り支度ですか」
穂乃果「うん、帰宅部だし」
海未「……少し時間をもらってもいいですか?」
穂乃果「え? 海未ちゃんは弓道部の練習あるでしょ?」
海未「すぐに済みますので」
穂乃果「まぁ、大丈夫だけど。何?」
海未「単刀直入に言います」 海未「穂乃果、あなた最近気が抜けてませんか?」
穂乃果「そう?」
海未「ええ。今日の授業もそうですし、遅刻も多くなっています」
穂乃果「はは、自分で言うのもなんだけど、前から遅刻はしてたと思うけど」
海未「……言い方を変えます」
海未「今の穂乃果は腑抜けています」
穂乃果「……」
海未「アイドル研究部を辞めてからというもの、まったく覇気が感じられません」
穂乃果「入る前に戻っただけだよ」 海未「いえ、以前とはまるで違います。以前のあなたなら、そんな弱々しい愛想笑いは浮かべていませんでした」
穂乃果「そうかなぁ」
海未「っ……穂乃果、私は別に穂乃果にもう一度スクールアイドルをやれと言っている訳ではありません」
海未「ですがいい加減気づいて下さい。ことりはもう音ノ木坂にはいない。自分の夢を追っているんです」
海未「連絡が取れない理由は分かりませんが、私はことりを応援しています。そして、ことりに負けないようにもっと頑張るつもりです」
穂乃果「弓道を?」
海未「弓道だけではなく、勉強も、生活の全てに全力で取り組みます」 海未「あなたもいつまでもぼんやり過ごしていないで、しっかりと……」
穂乃果「海未ちゃんてさ、本当は何をやりたいの?」
海未「え……?」
穂乃果「弓道で一番になりたいの? それとも勉強で? 立派になって家を継ぎたい?」
海未「……まだ分かりません。しかしいずれ見えてくると思っています」
穂乃果「とりあえずやってるんだ?」
海未「穂乃果……何が言いたいんですか?」
穂乃果「別に。ただ海未ちゃんが自分から何かやろうとしてるの、見たことないなって」
海未「……穂乃果、友人としての忠告です」 海未「あなたが私のことをどういう風に思っていようと構いませんが、高校生活は一度きりです。今のまま過ごしていれば、必ず後悔する事になりますよ」
海未「……時間を取らせてしまってすみませんでした。失礼し
ます」
スタスタスタ……
穂乃果「……」
穂乃果「……帰ろ」 穂乃果「そんなの分かってるよ……」
穂乃果「でも、もう分からないよ、私のやりたいこと……」 /⌒\__,、. -――- 、,、___/⌒\
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 ̄人 \ / `广¨´ このバリヤードiPhoneはいろんなSSスレに湧いてるし無視した方がいいかと
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