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【戒め系SS】穂乃果「3000怖い」

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0001名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:32:38.53ID:MuvVLTUc
  3000
       sanzen  
さんぜん            三
      。      。゚      千
   3   ゚ リ ´Д`゚ )っ゚ サ
  0    (つ   /    ン
 0      |   (⌒)     ゼ
0       し⌒         ン
0002名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:33:01.69ID:MuvVLTUc
駆け足タッタッタッ……


穂乃果「こっ……」

   「怖いっっっっ!!!!」

   「怖いよぉぉぉぉ!!!!」

   「3000が怖いよぉぉぉぉ!!!!」

   「どこまで逃げても、3000が追っかけてくるよぉぉぉぉ!!!!」


3000の幻を追い払おうと、両腕ブンブンッ!!


穂乃果「くっ、来るなぁっ!!!!」

   「3000っ!!来るなぁぁぁぁっ!!!!」


(と、その時!!)
0003名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:33:26.97ID:MuvVLTUc
ガラガラガラガラッッッッ!!!!!!!!


穂乃果「ひぃっっっっ!!!!」


(突如、紫色の地面にヒビが入り、足下にポッカリ開いた無限の闇の中へ––––)


穂乃果「きゃああああああ!!!!!!!!」


(穂乃果は真っ逆さまに、ヒュウウッと転落していった––––)


––––––––––––––––––
––––––––––––
––––––––
––––
0004名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:33:50.65ID:MuvVLTUc
穂乃果「はっっっっ!!!!」


ガバッ!!


〜PM5:25、穂むら・穂乃果の自室〜


ことうみ「!!!!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん!!!!」

海未「やっと気がつきましたね!!!!」

穂乃果「ゼェ……ハァ……」両目剥き出し


寝汗ビッショリ……


穂乃果「…………」

   「…………え?」

   「ここは……私の部屋?」
0005名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:34:10.97ID:MuvVLTUc
(意識が回復した穂乃果が、ベッドの上で目を白黒させている)


穂乃果「あ、あれ?」

   「確か私たち、カラオケBOXにいたんだよね……?」

   「それがどうして、私の家に……」

ことり「なにも覚えてないの?」

海未「あなた、一曲歌い終わった後に、とつぜん意識を失ったんですよ?」

穂乃果「…………あ」


(混濁していた穂乃果の記憶が、徐々に鮮明さを取り戻し始めた––––)
0006名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:34:32.18ID:MuvVLTUc
海未「まったく……」

  「あの後、私たちがどれだけ迷惑を被ったか……」

ことり「穂乃果ちゃんのお家の人に連絡して、車で迎えに来てもらったんだよ」

海未「あなたを車まで搬送する間、野次馬たちの視線の痛かったこと……」恥辱に耐えてる



穂乃果「…………そうだったんだ」

   「…………ごめんね」

   「ふたりに迷惑掛けちゃって」疲弊した声

ことうみ「…………」
0007名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:34:58.68ID:MuvVLTUc
海未「それはそうと、穂乃果……」

穂乃果「?」


                      _, -──- 、.
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海未「なんですか?『サンゼン』って」

穂乃果「」ドキリッ
0008名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:35:23.17ID:MuvVLTUc
ことり「穂乃果ちゃんったら……」

   「気絶してる間、ずっとうなされてたんだよ」

   「『サンゼンこわい……サンゼンこわい……』って」

穂乃果「…………」目をそらす

海未「穂乃果っ!!!!」


穂乃果の両ほっぺグニュウウウウウ!!!!


穂乃果「いいいいいいっ!!!!」涙目

海未「私の両目を、よ〜〜〜〜く見なさい……」

穂乃果「う、うみひゃん……」

海未「これでもまだ、私たちに隠し事をしますか?」


瞬きもせずに、穂乃果を凝視する海未ちゃんアイ……


穂乃果「…………」
0009名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:35:49.99ID:MuvVLTUc
ことり「1人で抱え込んでないで、私たちに頼ってよぉ……」涙ポロポロ

穂乃果「…………」


(ついに観念した穂乃果が、事の真相を語り始めた)


穂乃果「じ、実は……」
0010名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:36:15.19ID:MuvVLTUc
    _
  〃 /  `ヽ
  j{ {ノ|ノヽリ    時を巻き戻すわね
.  〈八ト゚ ー゚ノ)〉
   /_if丞{つ
  ιくヒ士|>
      し'ノ
0011名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:36:40.18ID:MuvVLTUc
〜昨日の昼下がり、校舎・中庭にて〜


にこ「いくわよ!!穂乃果!!」

  「このセンタリングで、勝負を決めるのよ!!」


サッカーボールを宙高く蹴り上げる!!


穂乃果「…………にこちゃん!!」


飛んできたボールをトラップ!!


穂乃果「にこちゃんが繫いでくれた、この友情のパス……」

   「これを決めなきゃ、男じゃない!!」女です


ゴールキーパー凛「来るなら来いにゃ!!」


両手をめいっぱい広げて……


ゴールキーパー凛「何人たりとも、このゴールを割らせないよ!!」



穂乃果「喰らえっ!!南葛っ!!」

   「これが私の…………!!」
0012名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:36:58.98ID:MuvVLTUc
    ┏┓          ┏━━┓┏━━┓┏┳┓┏━┓┏┓┏┳┓        ┏┓   
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        ⊂リ`・ヮ・)
.         ヽ ⊂ )
ピキィィン!! (⌒)|
          Σ ○`J

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0013名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:37:19.01ID:MuvVLTUc
キィィィィィィィン……


穂乃果「あっ……アレッ!?」

にこ「ちょっと!!どこへ向かって蹴ってんのよ!!」

凛「ゴールを遥かに超えて、場外ホームランだにゃ〜〜!!」


_人人人人人人人人人人人人人人人_
> ガチャアアアアンッ!!!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


にこりん「」

穂乃果「あ…………」


(どうやら穂乃果の必殺シュートは、ゴールではなく、理事長室の窓ガラスを、文字通り割ってしまったようだ)


穂乃果「………………」

にこ「………………」

凛「………………」
0014名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:37:40.61ID:MuvVLTUc
    ☆現実逃避タイム・スタート☆


穂乃果「…………や」

   「やったよ!!にこちゃん!!」

   「試合終了1分前で、ついに逆転したよ!!」

   「コレで私も、スーパーヒーローだよ!!」



   ♪  _ _ _
  ♪  く7Z/ `ヽ
     ,| ,|ノノ^Y,}   
     リi|`・ᴗ・リ   ♪
    (( ( つ ヽ、  
      〉 とノ )))    
     (__ノ^(_)♪  

  ゴール名物・ホノダンス


にこ「でかしたわよ!!穂乃果!!」

  「未来のなでしこJAPANのエースストライカーは、あんたに決まりよ!!」
0015名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:38:03.48ID:MuvVLTUc
凛「くっ……くっそ〜〜〜〜!!!!」


地面をドンドンッ!!


凛「スーパーグレートゴールキーパー星空凛とあろう者が……」

 「最後の最後で……とんだ失態だにゃ……」歯ぎしり


穂乃果「今から祝勝会が、楽しみだなぁ〜〜!!」

にこ「見なさい、穂乃果!!」指差し

  「穂乃果に夢中なチャンバが、こっちに向かって走ってきて……」


理事長「誰がチャンバですってぇ〜〜〜〜!?」
               ↑ビブラート全開
  
三馬鹿「あ…………」
0016名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:38:22.34ID:MuvVLTUc
(現実逃避から目が覚めた3人の前に現れた理事長は、例えるならば、羅刹の鬼の化身と言ったところか)


理事長「ちょっと!!あなた達っ!!」尖り声

   「誰ですかっ!!窓ガラスを割ったのは!?」

凛「ランティス所属の鈴木愛奈って奴です」
0017名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:38:36.60ID:MuvVLTUc
 \                    /
   \  丶       i.   |      /     ./       /
    \  ヽ     i.   .|     /    /      /
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  ー
 __             げ   ん              --
     二                        = 二
   ̄.             こ   つ               ̄
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0018名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:38:53.01ID:MuvVLTUc
凛「いったいにゃあ〜〜〜〜……」涙目

理事長「今の時代、下手なジョークでも裁判沙汰になるんですよ!?物を考えて言いなさい!!」
0019名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:39:09.14ID:MuvVLTUc
    __ 
   '´ 、`ヽ
  i  人ヽリ)
  イw(´ヮ`ハ   それから?
   と) 芥)つ
   く/_i_i_>
    し'ノ
0020名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:39:26.21ID:MuvVLTUc
〜放課後・部室〜



                 /⌒ _..二.._\
                 xく⌒Iニニユ_}
.               /   ,、丶`     ``丶、
            .′ /            \
            :         )        `、
            | U      /\\   `、   `、
            | |    |/    - _-__ `、  `、
            | |    |⌒ニ- __   _≫x.   |{ \
              八     reシ⌒  reメA   |\
                  |{|i  {|〉V)ツ      V)ソ )〉 八  )
                  |八 {      __'_     〈∧ {
                  |/介トミ.     /: : : ;   ///\
               /八 込、  |_ : : _}   ′\
                  | | 介i  `¨ ¨´ イ{  
              ____| |个u  `¨¨´| 八
               /| 八 {i|  \  圦〕iト\.,,_
              / i:| |i \辷____〕i〔___|__| \\ト、
           /   i:| |i  ]≧=‐-:i〔i:i:i:i:i|  | | )、
.           ′  i:|.リ  ]ei:i:i:i:i八i:i:i:i〈__, | | /{
         }    i:|    `_i:i:i:i:i/ }〉i:i:i:i:/  ∨  {
           /   /     `_:i:i// /i:i:i:/    '.   {


絵里「まったく……」腕組み

  「とんでもないことをしてくれたわねぇ……」
0021名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:39:45.02ID:MuvVLTUc
海未「あんなに怒っている理事長は、初めて見ましたよ……」


軽蔑しきった表情で……


海未「そんなにサッカーがしたいのならば、そこらの少年サッカー団にでも入団すればどうですか?」

  「頭のレベルが小学生なあなた達には、さぞかしお似合いでしょうねぇ……」怖い笑顔

三馬鹿「…………」床に正座


  リ`・ _ ・)  J(*’ _ ’*)し (・ ω ・)    
  ( J J   ( J J   ( J J      
 ( 、_)_)  ( 、_)_) ( 、_)_)


(並の神経の持ち主ならば、これだけ威圧的なお説教を喰らえば、たちまち許しを請うに違いないだろう)

(だが、そこは叱られ慣れている三馬鹿である––––)
0022名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:40:22.70ID:MuvVLTUc
にこ「ほら、みなさいよ……」ヒソヒソ


膝で穂乃果をつっつき……


にこ「穂乃果が不吉な技名をつけるから、こんな結果に……」ヒソヒソ

穂乃果「え〜〜〜〜っ!?」ヒソヒソ

凛「ホント!!なにがノーエグジットだよ!!」ヒソヒソ

 「時代はもっと、パーシャルでポジティブで、単純明快な技名を求めてるんだよ!?」ヒソヒソ

穂乃果「わ、私が厨二病だとでも言いたいの!?」ヒソヒソ

   「にこちゃんの『ぴょんぴょこドリブル』や、凛ちゃんの『くるりんハンド』よりはセンスあるっしょ!?」ヒソヒソ


机バンッッッッッッッッッ!!!!!!!!
0023名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:40:46.45ID:MuvVLTUc
三馬鹿「ヒッ!!!!」身が縮む

絵里「全っ然反省してないようね!!あなた達!!」

  「この請求書、一体誰が責任を取るつもりなのよ!!」金切り声


3人の前に、ビシッと突きつけっ!!


      請求書

    窓ガラスの弁償代
     ¥9000円也

          理事長


穂乃果「きゅ……9000円!?」

海未「あなた達が割った、理事長室の窓ガラスの弁償代ですよ」

  「これでもまだ、事の重大さに気づかないというのですか?」

凛「凛、法律の授業を選択してないから分からないにゃ」
0024名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:41:07.56ID:MuvVLTUc
 \                    /
   \  丶       i.   |      /     ./       /
    \  ヽ     i.   .|     /    /      /
      \  ヽ    i  |     /   /     /
   \
                                  -‐
  ー
 __             げ   ん              --
     二                        = 二
   ̄.             こ   つ               ̄
    -‐                             ‐-

    /
            /               ヽ      \
    /                    丶     \
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 /    /    /       |    i,      丶     \
0025名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:41:29.43ID:MuvVLTUc
凛「さっ……さっきと同じ場所を殴られたぁ〜〜!!」涙目

にこ「底抜けのアホ……」ジト目


絵里「まったく……バカに付ける薬ってないものかしら?」腰に手を当て

海未「どうでしょう……絵里」


(突如、打って変わって柔和な口調になった海未が––––)


海未「この際……ガラスの弁償は、この3人に全額負担させるっていうのは」ニコニコ

穂乃果「えっ」
0026名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:41:48.81ID:MuvVLTUc
絵里「そうね……」

  「こんな馬鹿げた事に、私たちも巻き込まれたくないし……」ポニテかき上げ

にこ「ちょっと!!なに勝手に話を進めてるのよ!!」

  「弁償代は、部費で賄えばいいじゃない!!」

海未「はぁ?」

  「あなた達3人の尻ぬぐいに、どうして私たちの部費を使わなければならないのですか?」

絵里「こんな私的な事に部費を使うだなんて、ミトメラレナイワァ!!」

にこ「ぐぬぅ……」


(正論を言われては、口から先に生まれたような矢澤にこでさえも、為すすべもない)
0027名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:42:10.26ID:MuvVLTUc
海未「決まりですね」

  「たった今から、この請求書はあなた達3人のものです」

凛「あ、ゴメンね。海未ちゃん」

 「凛、事務所の検閲を通ったモノしか受け取らない方針だから」

海未「…………」


海未、「はぁ〜〜〜〜っ」と拳に息を吹きかける……


凛「わっ!!わかったからわかったから!!」

 「だからもう、げんこつはやめてよぉ!!」怯える
0028名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:42:29.64ID:MuvVLTUc
海未「では、1人3000円でお願いしますね」

凛「そ、そんなぁ〜〜」

 「凛、いま財布の中は、火の車だってのにぃ……」

にこ「にこだって……」弱りきる

  「いきなり3000円用意しろだなんて……」

海未「親に頼んで、おこづかいを前借りしてくることですね」

  「法に触れない手段で、明日までに耳をそろえてキッチリ用意してくださいよ」ドライな口調


穂乃果(ううっ……)

   (既におこづかいは、何ヶ月分も先の前借りをしちゃってるし……)

   (明日までに3000円だなんて、お母さんになんて言えば……)
0029名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:42:49.02ID:MuvVLTUc
   「´~'';;ー::..、,,___
   ヽ.  '''''''::;;;;;:O`'':::::..、__           ,_
     ヽ.     ''''''''::;;;;;;;;;;;`''::::..、__         |ト、
      ヽ.____    '''::;;;;;;;;;;`''::::..、__ ノノ l
それから? 从*´ ヮ`ル `ヽ.      '''''::;;;;;;;;;`:::':..、.|
        ヾ. ̄ ̄`ヽ〉          ''''::;;;;;;ヽ.
         ヽ        三三三彡     __,,,`:.,,________
          `ヽ.         ー―''''´'''''''''''''''''''''''''''''''''''''_/
           ,ノ ヽ.        - 、         _,,. -''´
         ,,/   .ヽ.        ヽ.    _,,. ‐''´;;;ヽ.
       ,,/       j`ヽ.       `ー''´      ;;;;l
     /_, --―――''´   `ヽ               ;;;;|
      ̄             `ヽ.            ;;;;|
0030名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:43:12.55ID:MuvVLTUc
(夕暮れの通学路を、ひとりトボトボと家路に向かう憂えた少女––––)


穂乃果「ああ……」

   「考えたくもない……」

   「どうやって明日までに、3000円を工面すればいいのか……」


〜穂むら〜


扉ガラララ……


穂乃果「ただいまぁ……」上の空

雪穂「あっ、お姉ちゃん」

穂乃果「ん〜〜?雪穂?」


(母の姿は店内にはなく、代わりに雪穂がカウンターに立っていた)
0031名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:43:38.12ID:MuvVLTUc
穂乃果「……お母さんは?」

雪穂「さっき居間で見かけたときは、家計簿を付けてたけど……」


穂乃果(うっわ〜〜……)

   (最悪のタイミングじゃん……)

   (お母さんって、いっつも家計簿を付けてるときは機嫌が悪いんだよね……)

   (そんな時に『3000円貸して』って言おうモンなら、親子の縁を切られるのは必至……)


(時機が悪いと見た穂乃果は、母への懇願を諦め、自室へ向かおうとしたが––––)


スタスタスタ……


(居間の前を横切る以上、否が応でも居間の様子が、穂乃果の視界に飛び込んでくる––––)
0032名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:44:08.13ID:MuvVLTUc
〜穂むら・居間〜


穂乃果「…………ん?」

   「お母さん、いないや……」


(テレビが付けっぱなしのままに放置されていた居間には、ついさっきまで誰かが居たような痕跡があった)


穂乃果「あ、家計簿……」


(テーブル上に散乱していた母の面影は、自室にむかうハズだった穂乃果を、磁石のように吸い寄せた)


穂乃果「お母さん……家計簿付けてるときは、いっつも頭が痛そうな顔をしてるけど……」

   「ひょっとして、ウチって貧乏なのかなぁ……」


(一抹の不安を感じた穂乃果が、こっそり家計簿を盗み見したところ––––)
0033名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:44:32.04ID:MuvVLTUc
穂乃果のお小遣い前借り分  4000円

穂乃果にたかられた分    2700円

穂乃果が店の商品を     1675円
盗み食いした損失分

穂乃果がキャリア支払いで  8000円
スクスタのガチャ回した分


穂乃果「ひぃっ…………」青ざめ

   「バレてないと思ってたけど、しっかりチェックされてた……」

   「娘がこんなに散財してたら、そりゃあ頭を抱えるよね……」



穂乃果「…………ごめんなさい、お母さん」

   「将来、私が大人になって小金持ちになったら、高級な老人ホームに入所させてあげるからね……」


持ってた家計簿を、テーブルに置き直し……
0034名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:45:08.65ID:MuvVLTUc
穂乃果「え〜〜っと、それから……」

   「テーブルには、大量のレシートと……」

   「…………」


(金策の事で頭がいっぱいだった穂乃果の目は、『それ』に釘付けとなった)


穂乃果「もうっ!お母さんったら!!」

   「財布を置きっぱなしにするなんて、不用心にも程があるよ!!」


(小洒落た根付をぶら下げた母の財布が、穂乃果に囁いた)

(この中には、大勢の福沢諭吉や野口英世が監禁されているぞ––––と)


穂乃果「………………」





穂乃果「ゴクリ……」


(魔に魅入られた穂乃果が、はたして財布の中を覗きこむと––––)
0035名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:45:24.88ID:MuvVLTUc
       ,,r'"´ ̄ ̄`""´´~`'‐、
      / ,. -‐'´  ̄ ̄ ̄`゙ヽ ゙、
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.     {!     ,{_  ,、      :iー'
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.      ヽ:::::::... ̄....     /:ト、
        ヽ::::::::::::::...... ,‐'´ ,イ ヽ、
.        _/fl:`' ‐--‐ '::::.. //   } `‐、
    _// |ト、:::::::::::::::::  //   l   l''‐-
    / イ   !!.ヽ::::   :::::://     .!  │

    福沢諭吉「やぁ」
0036名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:45:40.84ID:MuvVLTUc
        /三ンyイミ=-、__
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     野口英世A「やぁ」
0037名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:45:58.12ID:MuvVLTUc
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     野口英世B「やぁ」
0038名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:46:18.82ID:MuvVLTUc
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     野口英世C「やぁ」
0039名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:46:36.08ID:MuvVLTUc
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     野口英世D「やぁ」
0040名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:46:51.85ID:MuvVLTUc
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     野口英世E「やぁ」
0041名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:47:12.09ID:MuvVLTUc
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     野口英世F「やぁ」
0042名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:47:24.73ID:MuvVLTUc
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     野口英世G「やぁ」
0043名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:47:39.96ID:MuvVLTUc
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     野口英世H「やぁ」
0044名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:48:02.63ID:MuvVLTUc
穂乃果「わぁ……」息をのむ

   「英世がいっぱいだぁ……」


財布をもつ手プルプル……


穂乃果「た……例えばだよ?」

   「例えばの話だよ?」

   「これだけ英世がいたらさぁ……」


起伏のない顔で……


穂乃果「3人ぐらい行方不明になっても、気づかないよねぇ〜〜……」











スタスタスタ……


ほのママ「…………あれ?」

    「穂乃果、いないの?」
0045名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:48:21.87ID:MuvVLTUc
(既に穂乃果が去った後の居間の前で、立ち尽くすほのママ––––)


ほのママ「変ねぇ……」

    「さっき、穂乃果の声がしたような気がしたんだけど……」

    「何か、用事でもあったのかしら?」


(犯行は、母がトイレに行ってる約3分間の間に行われた)
0046名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:48:39.22ID:MuvVLTUc
〜その夜……夕食時〜


ほのママ「穂乃果〜〜!!」大声で

    「はやく降りて来なさ〜〜い!!」

    「ご飯が冷めちゃうじゃな〜〜い!!」

雪穂「寝てるのかなぁ?お姉ちゃん」

ほのパパ「…………」ご飯モグモグ
0047名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:48:55.80ID:MuvVLTUc
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0048名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:49:13.52ID:MuvVLTUc
〜穂乃果の部屋〜


(照明も付けずに、真っ暗闇な部屋の片隅でブルブルと震えているのは––––)


穂乃果「やった……」

   「やってしまった……」


(激しい自己嫌悪に陥っている穂乃果の手に握られているのは、汗で湿った千円札が3枚––––)


穂乃果「小学4年の時に、『ちゃお』の最新号が欲しくて、雪穂の貯金箱から500円玉を失敬した事があるけど……」

   「今回はそれを遙かに上回る、神をも恐れぬ大悪事だよ……」

   「…………はぁ〜〜」


溜め息混じりに……


穂乃果「なんて悪い子なんだろう……私って」
0049名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:49:31.70ID:MuvVLTUc
〜再び、居間〜


ほのママ「もぉ……」呆れ顔

    「いっぱしの有名人になっても、ぐうたらなのは直らないようね」

雪穂「お姉ちゃんにそこまで求めるのは、酷な注文だと思うよ」


頬杖をつく……


ほのママ「私にはどうしても理解できないわ」

    「あの子が受賞に値するだなんて……」

雪穂「??」

  「賞??」鳩豆顔

ほのママ「ウフフ……」

    「これはまだ、穂乃果には内緒なんだけどね……」

雪穂「え?」

ほのママ「実は明日の、PTA会議でね……」ニヤニヤ

ほのパパ「…………」味噌汁ズズーッ
0050名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:49:49.32ID:MuvVLTUc
  
  从*´ ヮ`ル  それから
   |   |      どうしたの?
   |   |
   |   |
   |   |
   |   |
   |   |
   |   |
  _| ⊃/(___
/ └-(____/
0051名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:50:05.88ID:MuvVLTUc
〜翌日・部室〜


絵里「にこ、穂乃果、凛……」

  「ちゃんと弁償代を持ってきたのでしょうね?」

穂乃果「…………」

ことり「大丈夫?穂乃果ちゃん」オロオロ

   「朝からずっと、顔色が優れてなかったけど……」

穂乃果「…………」
0052名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:50:24.67ID:MuvVLTUc
   |: : : :/丶、   / : : : : : : : : : : : : / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :‘,
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{: : {: : : : : :{   从 : : : : : ‘, \ ヒzzzソ  ∨: :N   弋zzzzソノ  : : /」}/: : : :∧
∨ ト  : : 从  .′: :、: : : : ‘,        \{           / : /,ノ : : : : : ∧
 V{ \ : : ハ {: : : : :\: : : : :、                 . : /: : : : : : : :} : ハ
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      ノイ    ∨: : : : : : : : : 个 .            . 个 : : : : : : : /: /   V}
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0053名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:50:46.63ID:MuvVLTUc
(この土壇場にきて、穂乃果の良心が最後の抵抗を見せていた)


穂乃果(…………できない)

   (やっぱり、私にはできないよ……)

   (こんな泥棒みたいなマネは……)

   (絵里ちゃんや海未ちゃんには、なんとか頼みこんで期限を延ばしてもらって……)

   (この3000円は、お母さんの財布の中に戻そう……)


(いまの穂乃果にとって、一縷の望みは––––)


穂乃果(そ、そうだよね……)

   (みんなで怒られれば、怖くないよね?)

   (昨日の様子からだと、にこちゃんや凛ちゃんだって、きっとお金を工面できなくて……)


凛「ふっふ〜〜ん!!」ふんぞり返り
0054名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:51:14.79ID:MuvVLTUc
海未「おや……?」

  「えらく得意げじゃないですか、凛」

絵里「その様子だと、期待していいのかしら?」

凛「お母さんへ素直に話して、お金を貰ってきたよ!!」


穂乃果(…………え?)


花陽「え、えらいよ!!凛ちゃん」

真姫「どうやら、取り越し苦労だったようね」

  「あなたの事だから、有耶無耶にするんじゃないかって危惧してたけど……」カミノケクルクル

凛「エヘヘ〜〜……」ニンマリ


(と、みんなから誉められて上機嫌な凛が、ブレザーのポケットから取りいだしたるは––––)


凛「はい!!絵里ちゃん!!」
0056名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:52:11.81ID:MuvVLTUc
絵里「プフッ!!」

凛「あ〜〜っ!!絵里ちゃんが笑ったにゃ〜〜!!」

絵里「〜〜〜〜〜〜〜〜」ツボった

希「エリち……」百年の恋も冷める

凛「この子、笑いのレベルが赤ちゃんなのぉ〜〜!!」雑なものまね

海未「凛!!それが高校生のやる事ですか!?」


目に角を立てて……


海未「お札に折り目を付けるだなんて、バチが当たりますよ!!」

凛「フンだっ!!せめてもの抵抗だよっ!!」
0057名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:52:36.70ID:MuvVLTUc
絵里「アハハハッ……」

海未「絵里も何ですか!?」

  「こんな子供だましなネタで笑うだなんて、程度が知れますよ!!」

絵里「ご、ごめんごめん……あはは」

凛「ねぇねぇ!!知ってる!?絵里ちゃん」

 「お札に印刷されてる、この捺印みたいなのに、おちんちんが隠されてるんだよ!!」指差し

希「はいはい、凛ちゃん……」


背後から凛の口を塞ぐ!!


希「お薬の時間やから、病室で静かにしてようね……」

凛「うぐっ、うぐうぅぅぅ……」モゴモゴ
0058名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:53:01.35ID:MuvVLTUc
穂乃果(クッ……)

   (まさか凛ちゃんが、約束を違わずに持ってきたのは想定外だったよ……)唇噛みしめ


顔をクルッと、にこへ向けて……


穂乃果(こうなりゃ後は、お金とは縁が薄い矢澤さんに、全幅の期待を寄せるしか……)


にこ「ほんと、バカよねぇ〜〜!!凛ったら」

  「素直に渡せばいいのに、変化球でいくから……」
0059名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:53:18.26ID:MuvVLTUc
絵里「そういうにこは、ちゃんと3000円持ってきたのかしら?」

希「無理そうだったら、月々300円の10回払いでもええんよ?」ニシシッ

にこ「ばっ、バカにしないでよっ!!!!」


(侮辱されて、顔を紅潮させたにこは––––)


バンッッッッ!!!!


(財布の中から千円札を3枚取り出し、机の上へ憎々しげに叩きつけた)


シーーーーン……


にこ「…………??」

  「ど、どうしたのよ?みんな……」
0060名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:53:36.39ID:MuvVLTUc
メンバー達「…………」

花陽「ねぇ、にこちゃん……」

  「正直に言ってよ」

にこ「へ?」

花陽「こうなる前に、どうして私たちに相談してくれなかったの?」目がウルウル

真姫「念のために聞くけど……にこちゃん」

  「このお金、どうやって『きれい』にしたの?」

にこ「ちょっ……あんた達……」

凛「とうとうヤッてくれたにゃ!!にこちゃん!!」

 「もうこのアイドルグループは終わりだ〜〜!!」

にこ「なっ!!何よっ!!」

  「みんなして、変な妄想を膨らませちゃって!!」

  「お小遣いを前借りしてきただけで、なんでこんなに疑われなきゃなんないのよっ!?」むくれる
0061名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:53:55.76ID:MuvVLTUc
穂乃果(う、嘘でしょ……?)

   (この2人のことだから、絶対踏み倒すと思ってたのに……)

   (これじゃあ、穂乃果ひとりだけ逃げるわけにはいかなくなったじゃん……)


海未「さて……」
0062名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:54:10.97ID:MuvVLTUc
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::穂乃果へ冷たい視線を飛ばす海未……:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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0063名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:54:34.05ID:MuvVLTUc
穂乃果「ひっ!!」背筋ゾクッ

海未「残るは、穂乃果だけですね」

絵里「まさか私たちのリーダーが、ガラス代を支払えないだなんて事はないでしょうねぇ?」皮肉な笑み


穂乃果「うっ…………」

ことり「まさか、穂乃果ちゃん……」

   「朝から様子がおかしかったのは、お金を用意できなかったから……」

穂乃果「い、いや……」

   「そ、そのぉ〜〜……」

海未「………………」

  「その様子では、どうやら弁償代を用意できなかったようですね……」

穂乃果「あわわわわ……」


脂汗タラタラ……
0064名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:54:54.25ID:MuvVLTUc
穂乃果「う、海未ちゃん!!せめて、次のおこづかいが入るまで待って……」

海未「あなた、おこづかいは当面先まで前借りしてるって、前に私に言ってましたよねぇ?」

穂乃果「うぐっ!!」

ことり「ねぇ、海未ちゃん……」助け船

   「支払いの期日は延ばせないの?」

海未「今日中までに支払うって、すでに理事長との約束を取り交わしてますから……」

ことり「そっか……」ションボリ

穂乃果(ちょっと!!簡単に諦めないでよ!!)

   (いつもの『おねがぁ〜〜い!!』を使って、海未ちゃんの考えを改めさせてよぉ!!)




海未「…………仕方がありませんね」

  「せめて、この手段だけは取りたくはなかったのですが……」

穂乃果「…………?」
0065名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:55:20.40ID:MuvVLTUc
(海未はヤレヤレといった面持ちで、携帯を取り出し––––)


絵里「ちょ、ちょっと海未?」

  「何をする気なの?」

海未「弁償代を取り立てに、これから穂むらへ向かいます」毅然

穂乃果「う、ウチへ!!??」

海未「ええ……ですから」

  「穂乃果の家の人へ、事前にアポイントメントだけは取っておこうと思って……」

穂乃果「は……はわわ……」愕然



穂乃果(や、やだよ……!!)

穂乃果(お母さんの3000円を、無断で使うのもイヤだけど……)

穂乃果(こんな形で、ガラスを割ったのを家族に知られるのは、もっとやだよ!!)
0066名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:55:43.39ID:MuvVLTUc
海未「じゃあ、電話をしますね」


(海未が慣れた手つきで、穂むらに電話を掛けようとしたところへ––––)


穂乃果「…………まっ」

   「待って!!!!」右手で制止をかけて


携帯を弄る手ピタッ!!


海未「…………え?」

穂乃果「おっ、お金なら……」

   「お金ならちゃんと……」



穂乃果「…………ここに」

海未「…………穂乃果?」


(きのう誘拐してきた野口英世3人を、ゴソゴソと財布から取り出した穂乃果は––––)
0067名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:56:00.11ID:MuvVLTUc
穂乃果「…………はい」


3000円差し出し……


穂乃果「これでいいんでしょ?」海未の目を見ずに

海未「…………」


(海未は穂乃果の震える手から、3000円を受け取った)


海未「…………確かに」

絵里「これで3人分合わせて、9000円……」

  「ガラスの弁償代が、ようやく支払えるわね」


お札の束を、テーブル上でトントンと整え……


絵里「じゃあ、このお金を納めに理事長室へ行ってくるわね」

海未「頼みましたよ、絵里」
0068名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:56:16.73ID:MuvVLTUc
穂乃果(ついに……)

   (ついにお母さんのお金を、使い込んじゃった……)

   (穂乃果、人の道を踏み外しちゃったよ……)


全身を駆け巡る悪寒……


穂乃果(もう、後戻りはできない……)
0069名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:56:32.32ID:MuvVLTUc
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          それから?  从*´ ヮ`ル
                       
0070名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:56:49.96ID:MuvVLTUc
〜通学路〜


(母のお金を横領した罪悪感の前には、さしもの穂乃果も抗いがたく––––)

(その後の練習でも、穂乃果の表情を覆った影が晴れることは無かったのである)

(そして、2年生組で下校中の事––––)


トボトボトボ…………


穂乃果「………………」死人の表情

ことり(かなり堪えてるね……穂乃果ちゃん)

   (練習の間も、全く一言も発しなかったし……)
0071名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:57:08.93ID:MuvVLTUc
海未「いい加減、過ぎたことは忘れなさい。穂乃果」

  「みんなの前では言えませんでしたが……」

  「………………」

  「その……」


言いづらそうに、頬をポリポリ……


海未「ちゃんと責任を取ったのは、立派でしたよ」

穂乃果「………………」心に響かず

海未(…………)

  (何か言って下さいよ、穂乃果……)

  (私だって、好き好んで憎まれ役をやったワケじゃないんですよ?)

  (ああでもしないと、グループの規律が守れないと思って、つい……)
0072名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:57:24.72ID:MuvVLTUc
ことり(もうっ!!海未ちゃんの鬼軍曹!!)

   (元はといえば、海未ちゃんが頭ごなしに責めるからじゃん!!)怒りプンプン

   (見かけによらず、打たれ弱いんだから!!穂乃果ちゃんって)


ことり(……よしっ!!)


(意気消沈な穂乃果を元気づけるべく、ことりは行動に移した)

(穂乃果の前へ、器用に回り込んで––––)


ことり「♪ほ〜〜のかちゃんっ!」甘々ボイス
0073名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:57:39.44ID:MuvVLTUc
   ,, ―'´ ̄`ヽ、 _
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0074名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:57:59.61ID:MuvVLTUc
穂乃果「……ことりちゃん?」

ことり「このまま家に帰ったって、沈みきった気分は晴れないと思うよ?」

   「それよりも、今から3人でどっか遊びに行こうよ!!」眩しい笑顔

穂乃果「遊び?」トロンとした目

海未「そ……そうですね!」

  「私もちょっと、昨日から穂乃果に辛く当たりすぎましたし……」

  「ここらで、手打ち式といきましょう!」


(やはり、穂乃果をここまで追い込んだ事に負い目を感じていたのか––––)

(いつもは寄り道を渋る海未が、珍しく即決で乗った)


穂乃果(…………そうだね)

   (延々と気に病んでるだなんて、私らしくないし……)

   (一番の特効薬は、何かに夢中になって、早く忘れる事だよね)
0075名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:58:20.86ID:MuvVLTUc
海未「久しぶりに3人で、山手線を一周しましょうか?」

ことり「もうっ!!海未ちゃんったらぁ〜」

   「前にそれやった時、リストラされて行く場のないリーマンみたいで、いたたまれなくなったじゃん!!」しらけ顔

   「JKが憂さ晴らしをする所といえば、カラオケが相場だよ!!」

海未「……そうですか」ちょっと残念


穂乃果「あ、でも……」

ことうみ「??」

ことり「どうしたの?穂乃果ちゃん」

穂乃果「穂乃果、豪遊できる程のお金を持ってないや……」シュン

ことり「………………」


(穂乃果の為なら何だってやる所が、南ことりという女の真骨頂なのだ)
0076名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:58:38.87ID:MuvVLTUc
ことり「大丈夫だよ!!穂乃果ちゃん」

   「穂乃果ちゃんの分は、海未ちゃんが奢ってくれるから!!」

海未「なっ!!!!????」ギョッ

  「私だって、月末で懐具合が……」


海未の左手の甲をツネツネッ!!


海未「いっっっっ!!」

ことり「誰のせいで、穂乃果ちゃんが落ちこんでると思ってるの?」海未の耳に囁き

海未「うっ……」タジタジ


(クールはピュアに弱い––––ラブライブ世界の常識を、垣間見た瞬間である)
0077名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:58:56.66ID:MuvVLTUc
ことり「よ〜〜〜〜しっ!!」

   「じゃあカラオケで、決定だね!!」

海未「はぁ……」左手をサスサス

  「ま、いいでしょう」

海未「穂乃果、駅前のカラオケBOXへ行きますよ」

穂乃果「…………」

   「海未ちゃん、ことりちゃん……」

ことうみ「??」



穂乃果「…………ありがとう」
0078名無しで叶える物語(しまむら)
垢版 |
2020/02/26(水) 19:59:11.97ID:MuvVLTUc
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        ‘, : :{: : :i{ rヘ リ: : : : :从 \z少    ‘,/   `ヽ/: : : ′
          ∧: ∨八 {う /{ : : : :{ .. .. ..       { x==ミ /: : : :{
         ∧: ∨: :\__ ‘, : :从          {__)ぅ} }′: : 从
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      人: : : :/ニニ从: /ニニ\\{: :`¨:¨´:/}: 八{
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   /ニニニニニニニニニニニニニニ/ニニニニニニニニニニニニ∧
0079名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:59:31.37ID:MuvVLTUc
(穂乃果の顔に、久しぶりに陽気が差し込み始めてきた)


ことり「そうそう!!」

   「やっぱ穂乃果ちゃんは、笑顔が一番だよ!!」

海未「その調子で、いっぱい歌って見せて下さいね」

穂乃果「うんっ!!」ニコニコ

   「よ〜〜しっ!!そうと決まれば、駅前まで競走だよっ!!」


ダッ!!!!


ことり「あっ!!穂乃果ちゃん」

海未「やれやれ……」

  「宥めるだけ宥めたら、今度は有頂天になって……」


両手を開いて、頭を振り……


海未「あまり元気づけるのも、考え物ですね」
0080名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 19:59:45.99ID:MuvVLTUc
(口では皮肉を叩きながらも、復活した穂乃果を見つめる海未の表情もまた、喜色に溢れている)


穂乃果「へっへ〜〜〜〜ん!!!!」

   「穂乃果が1番乗りしちゃうんだからねぇ〜〜〜〜!!!!」稚児の心持ち


(駅前へ向かって爆走する穂乃果の姿は、とても親の財布に手を付けたとは思えない程に、健康優良児に見えた)






(が––––)

(ふと、路傍の電柱に張られた広告を見たのがマズかった)
0082名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 20:00:19.48ID:MuvVLTUc
穂乃果「」


(広告に踊ってある『3000』の数字を見た瞬間––––)


心臓ズキンッ!!


(穂乃果の心臓は、まるで怪力漢に握り潰されたかのような、激しい痛みを覚えた)


海未「??」

  「どうしたのですか?穂乃果」


(苦悶の表情で胸を押さえ込み、立ち止まってる穂乃果の元へ、ふたりが駆けつけると––––)
0083名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 20:00:35.73ID:MuvVLTUc
ことり「…………!?」

   「どうしちゃったの!?」

   「すごい冷や汗だよ……」マジマジ

穂乃果「あ……」

   「な、何でもないよ!!何でも!!」

ことうみ「????」

穂乃果「ほらほらぁ!!グズグズしてると置いてっちゃうよ!!」


ダダダダダダダ……
0084名無しで叶える物語(しまむら)
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2020/02/26(水) 20:00:52.30ID:MuvVLTUc
穂乃果(忘れてやる……)

   (何が何でも、忘れてやる……)

   (3000円の嫌な記憶は、楽しい思い出で上書きしてやるんだ……)


(広告から一歩でも遠くへ逃れようと、穂乃果は一路、秋葉原駅前へ走り去った)
0089名無しで叶える物語(SB-Android)
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2020/02/26(水) 20:18:15.84ID:ffJkI9Lm
捺印みたいなのワロタw
こんな発想できんわ
0092名無しで叶える物語(四国地方)
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2020/02/26(水) 21:12:37.49ID:Wo3mPlx5
野口英世でレス数稼ぐのずるいわ
0094名無しで叶える物語(庭)
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2020/02/26(水) 21:28:07.56ID:3pSPy501
理事長「ちょっと!!あなた達っ!!」尖り声

   「誰ですかっ!!窓ガラスを割ったのは!?」

凛「ランティス所属の鈴木愛奈って奴です」
ここで愛奈ちゃんが出てきたのって元ネタあるんですか?
0096名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2020/02/27(木) 00:28:05.36ID:p0+97FXs
悪いことしたらすぐ態度に出る穂乃果ちゃんやっぱ天使
0099名無しで叶える物語(りんご)
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2020/02/27(木) 09:57:37.13ID:9x9P8fL9
クレしん作画のラブライブですねこれは…
0101名無しで叶える物語(茸)
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2020/02/27(木) 11:48:18.22ID:i6NXf/B3
老人ホームに入れるんか…
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