善子「あ……」真姫「……あ」
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放課後 部室
善子「先に来ていたのね」
真姫「えぇ、まぁね」
善子「今日は一緒に練習……よろしく」
真姫「よろしく」
善子「あなた、一人だけ?」キョロキョロ
善子「虹ヶ咲の彼方さんはまだ来てないの?」
真姫「見ればわかるでしょ、まだ来ないわよ」
善子「そう……」ストン
善子「……」
真姫「……」
善子(……会話、終わっちゃった)
真姫(善子が来たのに静か、ね……)
善子「……」チラッ
真姫「……」チラッ
善子(いつも花丸やルビィといるからこんな静かなの初めて……)
善子(なんか、落ち着かないなぁ)
真姫(凛だったら鬱陶しく絡んできたり花陽が話しかけたりするから)
真姫(こういう雰囲気、なんだか変な感じするわね……)
善子「……」
真姫「……」
善子(どうしよう……この空気)
真姫(すごく……居心地悪いわ) せつ菜「おはようございます!!あれ!!?まだお二人だけですか!!!二人だけでは会話のネタが尽きて気まずくなることがありますよね!!!!私もそれでよく困るんですよ!!どうしたら誰とでも盛り上がれる話題を作れるんですかね!!!!!????」 善子「……」
真姫「……」
善子(あぁ〜もう限界‼なにか喋らないと、ある意味拷問だわこの沈黙は)
善子「あの……」
真姫「……!?」ピクッ
真姫「な、なに?」
善子「彼方さん、遅いわね」
真姫「……そうね」
善子「……」
真姫「……」
善子(ぬぁ〜またしても会話終了!!)
真姫(せっかく善子が話しかけてきたのに終わるの早すぎよ。て言うか、なんでその話題なのよ)
真姫「……あなたは、彼方と一緒に練習した事はあるの?」
善子「いや、今日が初めて」
真姫「ふぅん……」
善子(え?それだけ?もう少し話を膨らませなさいよ)
善子「……」
真姫「……」
善子(またこの沈黙……)
真姫(彼方……早く来なさいよ) 善子(こんな時は……えっと〜あ、そうだ)
善子「ま、真姫の……趣味ってなに?」
真姫「私?私は写真撮影と天体観測が好きね」
善子「へ、へぇ……なんか意外な趣味ね」
真姫「なによ意外って、失礼ね」
真姫「善子は、趣味あるの?」
善子「私は家でゲームをやったり動画配信をしたり……」
真姫「配信?あなた大勢の人が見てる前で話せるの?」
善子「別に目の前にいる訳じゃないから平気よ、その時はヨハネになるし」
真姫「ヨハネって、聖書に出てくる?」
善子「そうよ、今の私は仮りそめの姿。私の真の姿は堕天使ヨハネなのよ、ふっ」
真姫「なんだかにこちゃんと似てるわね……」
善子「な、なによその目は?」
真姫「別に、幸せな人ねあなたって」シラーッ
善子「バカを見るような目で見てんじゃないわよ‼」
善子(あ……なんか今)
真姫(いい調子で会話出来たわね……) 2人じゃ気まずいだろうから理亞ちゃんも連れてこよう 善子(趣味の話は我ながらいい振りだったわね)
善子(さて、次はどうしましょうか……)
真姫「……ねぇ」
善子「ひゃい!?な、なによ」
真姫「善子はAqoursでなにをしているの?」
善子「なにってアイドル」
真姫「そんなのわかってるわよ、役割よ役割。私みたいに作曲したりしてるの?」
善子「え、いやぁ……その……」
善子(作詞は千歌、作曲はリリー、衣装作りはルビィと曜。私は……私は……)
善子「私は……堕天使ヨハネとしてリトルデーモンを導いているのよ」ギランッ
真姫「またそれ?真面目に聞いてるんだけど」
善子「うっ……と、特になにもしてないわ」
真姫「そう、なにかやってるかと思ったんだけど」
善子「悪かったわね、なにもやってなくて」
真姫「あぁ、なにもやってないからって気を悪くしないで。ライブのパフォーマンスも大切な役割だから」
善子「それ、フォローのつもり?」
真姫「一応、ね」
善子「……ふん」
真姫(ちょっと話題を間違えたかしらね……)
真姫(やっぱり口下手は喋らない方がいいかしら) 真姫はともかく善子は引きこもりとはいえ配信者として大衆の前でペラペラ喋ってるしそこまでコミュ障ってわけでもなさそう モブにも津島さん面白いねって言われるほどのコミュ力だぞ 話すことが苦手なんじゃなくずっと話してたら堕天使が出ちゃうから避けてるような感じがする 善子「……」
真姫「……」
善子(また会話が途切れた……真姫から話しかけてくれたのに)
善子(もう少し、考えて話せばよかったかな)
真姫「……」スマホスッ
善子「!?」
真姫「……」ポチポチ
善子(真姫……スマホいじり始めた、私と喋るの飽きちゃったのかしら……?)ズーン
真姫「……」ポチポチ
真姫「……ん?なに落ち込んでるのよ?」
善子「お、落ち込んでなんかいないわよ」
善子「……なに、してるの?」
真姫「……べ、別にいいでしょ」
真姫「ーその、善子の好きな食べ物ってなに?」
善子「えっと……みかんとチョコレート」
真姫「へぇ、堕天使にしては随分人間臭い物が好きなのね」クスッ
善子「う、うるさいわね‼そういう真姫はなにが好きなのよ!?」
真姫「私は、トマト……」
善子「トマト?ぷっ……トマトが好きとか初めて聞いたんだけど、変わってるわねあなた」
真姫「わ、悪い!?トマトは体にいいんだから‼」
真姫「て言うかみかんが好きって私と正反対じゃない、あれのどこがおいしいのよ」
善子「んなっ!?みかんをナメるな‼静岡の名産なんだからね‼おいしいのよみかんは‼」
ギャーギャー
真姫のスマホ画面『会話の基本(質問から始まる会話)、好きな食べ物を聞いてみましょう』 (善子の好きな食べ物はいちごとチョコレートでみかんは嫌いなんですがそれは) 真姫ちゃんがプロフィール読み間違えてみかん好きな前提で話しかけてついそれに乗っちゃった設定で… 善子「まったく、みかんが嫌いとか。あなたとは相容れないようね」
真姫「相容れないくて結構よ、嫌いな物は嫌いなんだから」
善子「いつかあなたもみかんの虜にしてあげるわ」
真姫「そういうあなたにもトマトの素晴らしさを教えてあげるわよ」
善子・真姫「「……ふんっ」」
善子「……」
真姫「……」
善子「……」ジーッ
真姫「……?」
善子(真姫ってこうして椅子に座ってるだけでもキレイで絵になるわよね……)
真姫「……なに?さっきからじろじろ見て?」
善子「真姫って、美人だなって」
真姫「ヴェェ!?な、なによ急に!?」カァァ
善子「いや普通にそう思って」
真姫「わ、私が美人なのは当然でっしょー。私のチャームポイントはこの美貌なんだから」
善子「うわちょっと褒めたらなんか調子乗り出した、ウッザ」
真姫「なっ!?褒めるのかけなすのかどっちかにしなさいよ!!」
善子「私は褒めてるわよ‼真姫が自惚れるのが悪いんでしょ‼」
真姫「誰が自惚れ屋ですって〜!!」 真姫「はぁ……はぁ……」
真姫「そういう善子だって、キレイじゃない」
善子「へっ?わわわ私が!?」カァァ
真姫「背はすらりとして目鼻立ちもくっきりしてスタイルも悪くない、美人の条件に当てはまってるわよ」
真姫「Aqoursの中で、1番キレイだと思うわ」
善子「なななな……!!」
善子「……ふぅ」
善子「ま、まぁそれも当然ね。私の美しさは神に嫉妬されそれで人間界に堕天してきたのだから」
真姫「あなた、本当にその設定好きなのね」
善子「設定言うな‼私は堕天使なの‼」
真姫「ふふ、照れ隠しなのがバレバレよ」
善子「くっ……人間ごときが生意気な……」 善子「……」
真姫「……」
真姫「ねぇ、善子」
善子「なによ、て言うかその名前で呼ばないでよ」
真姫「どうして?」
善子「善子って名前、平凡で嫌いなのよ。私は堕天使なのにダサイ名前つけられちゃって」
善子「……真姫って、かっこいい名前よね。苗字も西木野なんて変わってるし」
善子「私は津島善子、おばさんかっての……」
真姫「あなたねぇ、そんな事言うもんじゃないわよ」
真姫「両親が一生懸命考えてせっかくつけてくれたのよ、いい名前じゃない善子って」
善子「そ、そうかしら……」
真姫「堕天使ヨハネよりはよっぽど素敵な名前だと思うわ」
善子「うっ……」
真姫「名前は一生付き合っていくものなんだから、もっと自分の名前を好きになれるよう努力しなさい」
善子「そうね……出来る限り努力してみるわ」
真姫「やけに素直ね、私の言葉が聞いたのかしら?」
善子「お説教が嫌いなだけよ……」
善子(自分の名前を好きになる、か)
善子(いつか、善子って名前を好きになれたら……いいな) 善子(最初よりは結構話せるようになってきたけど)
善子(やっぱり真姫って、どこか話かけ辛い雰囲気があるわよね)
善子「ねぇ……真姫は、友達っている?」
真姫「はぁ?なによそれ、失礼しちゃうわね」
真姫「友達くらいいるわよ」
善子「いるんだ……あなたあまり喋らないから一人が好きなのかと思ってたわ」
真姫「確かにあまりうるさいのは嫌いだし一人でいたって全然平気だけど」
真姫「私だって、一人より友達と一緒の方がいいって……思うわよ」
真姫「善子だって喋らないじゃない、あなたこそ友達いるの?」
善子「い、いるわよ‼私には忠実なリトルデーモン達が何百人と」
真姫「本当は?」
善子「……そ、それなりにいるわ」
善子「私は喋らない訳じゃないのよ、周りが私を理解してくれないだけ」
真姫「堕天使の設定を無くせばいいじゃない」
善子「それを無くしたら私じゃなくなるのよ‼」
真姫「はぁ……本当面倒ね、あなたって」
善子「うるさいわね‼仕方ないでしょずっとこうして来たんだから」
善子「大体、あなたに面倒とか言われたくないわよ」
真姫「わ、私のどこが面倒だって言うのよ」
善子「素直じゃないところとか」
真姫「それはお互い様でしょ‼」 それではよしまきで、
「ずるいよMagnetic today」 善子「それにしても、彼方さん本当来ないわね」
真姫「あの人、よくお昼寝してるんでしょ。どこかで居眠りでもしてるんじゃないの」
善子「それは大いにあり得るわね」
真姫「どうする?先に二人で練習始めちゃう?」
善子「そうね、このまま彼方さんを待ってたら夜になりそうだし準備体操くらいはしておきましょうか」
真姫「それじゃ、ストレッチから始めましょ」
真姫「ーふっ」ペタン
善子「すごっ、胸が床にくっついてる」
真姫「あなただってこれくらい出来るでしょ」
善子「いや、私柔軟は苦手で……」
真姫「情けないわね、背中押してあげるわ」
善子「えっ!?いいわよそんな」
真姫「いいからいくわよ、ーそれっ」グイッ
善子「痛たたたっ!!ギブギブギブ〜」
真姫「なによ、まだ半分くらいしか押してないわよ」
善子「もう無理よ‼やめて‼」
真姫「ダメよ、やらなきゃ体固いままよ」グイッ
善子「ぎゃあぁぁぁ〜」 善子「あぁ……ひどい目にあった」ナミダメ
真姫「これで少しは柔らかくなったでしょ」
善子「くっ、あとで覚えておきなさいよ」
真姫「柔軟くらいで大袈裟ね、体が固いとダンスの時にけがしやすくなるんだから今から柔らかくしておきなさい」
善子「そう言われるとなにも言い返せないわ……」
善子「今度は真姫の番よ、腕立て伏せをやって」
真姫「そんなの余裕ね」
真姫「15……16……17……18……19……20」
善子「見かけの割りに体力あるじゃない」
真姫「と……当然……でっしょー……」
善子「でも、どうして笑いながらやってるの?」
真姫「ヴェェ!?」バタッ
善子「なによ!?なんで倒れるのよ!?」
真姫「わ、私笑ってたの?」
善子「えぇ、ニヤニヤしながらやってたけど」
真姫(穂乃果に言われた『笑いながら腕立て伏せ』を無意識にやってたのね……あ〜恥ずかしい)カァァ
善子「今の、中々面白かったわねぇ」ニヤニヤ
善子「もう一回、笑いながらやってよ」
真姫「オコトワリシマス‼」 ガラッ
彼方「どうも〜遅くなってごめんよ〜」
善子「あ、彼方さん。やっと来た」
真姫「遅いわよ、もう先に始めてたわ」
彼方「結構結構、先にやっててもらってよかったよ」
彼方「彼方ちゃんも遅れた分頑張っちゃうよ〜」
善子「ーふぅ、今日のところはこんなもんかしらね」
真姫「彼方、意外といい動きしてたわね」
彼方「二人には迷惑かけちゃったからね、いつもより張り切ってみたよ」
彼方「なんだか二人の間に親密な空気があるね」
彼方「私が来るまでなにしてたの?」
善子「そ、それは……」
真姫「お喋り、とか……」
彼方「いいねいいね青春だね〜」
彼方「遅れちゃったお詫びも兼ねて、もっと仲良くなる為に、彼方ちゃんも一肌脱いじゃうよ」
彼方「これから私の家でご飯食べよう、同じ食卓を囲めば話も弾むよ〜」
善子「どうする?」
真姫「私は別にどっちでも」
彼方「それならOKって事で家に行こうそうしよう」
善子「彼方さん……料理上手らしいわよ」
真姫「へぇ、なら行っても損はないわね」
善子「もう話す話題が浮かばないけど……」
真姫「彼方がいればなんとかなるでしょ、料理の感想でも言えばいいのよ」
善子(彼方さんが遅れたおかげで……)
真姫(少しは……話せるようになったかしらね) 終わりです。善子のみかん好きは素で間違えました。ご指摘ありがとうございます。最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。 ひゃーーーー!!!!!!!まきちゃあああんヨハちゃああん!!!ヨハちゃんしあわせだね…わたしも幸せ!!!!!!こんな日が来るなんて( ´•ω•` )♡ 乙、よかったぞ
こういうものはいくらあっても足りないからな とても良かった
ナチュラルに呼び捨てするタイプの二人なのがまたなんとも、名前を呼んでるのを見てむずむずしてしまう
乙! なんの組み合わせだろうなあってちょっと考えちゃった こっからラブライブdaysの表紙のように仲良くなるんですね。よかった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています