穂乃果「今日はバレンタインデーだよ‼」にこ「だからなによ」
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お昼休み
穂乃果「そんなの言わなくてもわかってるよね？」ｽｯ
にこ「……なにこの手は」
穂乃果「穂乃果、お弁当食べたら甘いもの欲しくなったな〜」
穂乃果「にこちゃんから甘〜いアレ、貰いたいなぁ〜」
にこ「今日はいつにも増して鬱陶しいわね……」
にこ「んなもんないわよ」
穂乃果「え〜私にチョコ持ってきてないの？」
にこ「なんであんたにあげる前提になってるのよ」
穂乃果「ほら、にこちゃん先輩でしょ。先輩なら後輩にチョコあげるのは常識だよ」
にこ「そんな常識私は知らないわ」
穂乃果「にこちゃんチョコちょうだい〜!!」ｽﾘｽﾘ
にこ「ぬぁっ!?もう、いい加減にしないさいよ‼」
にこ「あんたにはこの卵焼きをあげるわ‼」ｸﾞｲｯ
穂乃果「んぐっ!?」
穂乃果「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
穂乃果「……甘〜い」ﾎﾜﾜ〜ﾝ にこ「おいしいでしょ、うちの卵焼きは甘い味付けなのよ」
穂乃果「うん……にこちゃん家の卵焼き、おいしいねぇ〜」
にこ「満足したわね、それじゃ」ｻｯ
穂乃果「って、ちょっと待ったぁ‼」ｶﾞｼｯ
にこ「チッ……離しなさいよ‼」
穂乃果「確かに甘い卵焼きでおいしかったけどチョコじゃないよね」
穂乃果「穂乃果はにこちゃんのチョコが欲しいの!!早くちょうだい!!」
にこ「だから何回言わせるのよ‼チョコなんて持ってきてないって言ってんでしょ‼」
にこ「大体なんで私に言うのよ？他の娘達に言えばいいでしょ、絵里なんていっぱい持ってたわよ」
穂乃果「絵里ちゃんじゃなくてにこちゃんから貰いたいの〜」
穂乃果「にこちゃんじゃなきゃイヤなの穂乃果はぁ〜」
にこ「え……？」ﾄﾞｷｯ
にこ「な、なに言ってんのよあんたは」ｶｧｧ
にこ（も、もしかして私のことを……）
にこ「ー残念だけどないものはあげられないわ」
穂乃果「それじゃこれから買いに行こうよ」
にこ「えっ？これから？」
穂乃果「そう、まだお店にはたくさんチョコがあるはずだよ」
にこ「あんた……そこまでして……」
にこ「はぁ……わかったわよ、しょうがないわね」
穂乃果「やったぁ、それじゃ放課後街に出掛けようね」
にこ「はいはい、さっさと買ってさっさと帰るわよ」 放課後
穂乃果「にこちゃんと出掛けるの久し振りだね〜るんるん♪」
にこ「なにはしゃいでんのよ、フラフラしてると転ぶわよ」
穂乃果「それじゃ、しっかり掴まってないとね」ｷﾞｭｯ
にこ「ちょっと!?なんで私にしがみつくのよ‼」
穂乃果「だって、にこちゃんがフラフラして危ないって言うから」
にこ「だからってこんな事しなくても」
にこ（やだ、なんか穂乃果の事を変に意識しちゃう……）
穂乃果「どうしたの？」
にこ「な、なんでもないわよ」
にこ「それで、どこに行くの？」
穂乃果「そうだねぇ……」
穂乃果「あ、この前絵里ちゃんがおいしいチョコの専門店があるって言ってたんだ」
にこ「この近くなの？」
穂乃果「うん、場所も教えてもらったから。ここから歩いてすぐだよ」
にこ「じゃあ、とりあえずそこに行きましょうか」
にこ「……て言うか、いつまでそうしてるのよ」
穂乃果「今日は寒いし、ずっとこうしていたいな」
にこ「あっそ……もう好きにしなさい……」 チョコレート専門店
穂乃果「うわぁ、にこちゃん見て見て。チョコがいっぱい」
にこ「当たり前でしょ、専門店なんだから」
穂乃果「どれもおいしそ〜」
にこ「確かに……流石は専門店だけあって種類が豊富ね。ーって、げぇっ？」
にこ（なにこの値段……どれも高い……）
にこ（私のお小遣いで足りるかしら……）
穂乃果「女の子が『げぇっ』なんて言っちゃダメだよにこちゃん」
にこ「わ、悪かったよ……」
にこ「ところで、どれが欲しいの？」
にこ「あまり高いのは買えないわよ……」（小声）
穂乃果「う〜ん……あっ、これいいな〜」
穂乃果「チョコの本場ベルギーの生チョコだってさ」
にこ（値段は……ほっ、なんとか買えそうね）
にこ「いいわよ、それ買いましょ」
穂乃果「穂乃果も半分お金出すよ」
にこ「え？あんたが食べるのに？」
穂乃果「にこちゃんに買わせて私一人で食べるなんてしないよ。一緒に買って一緒に食べよ」
にこ「そう、別にそれでも構わないけど」
にこ（正直、助かったわ……） 穂乃果「いや〜いいお買い物が出来たね」
にこ「……えぇ、そうね」
にこ（穂乃果に半分出してもらっても財布の中がだいぶ寂しくなったわ……）
にこ（さぞかしおいしいチョコなんでしょうねこれ……）ｼﾞｯ
穂乃果「ねぇ、にこちゃん。お腹空かない？ご飯食べて行こうよ」
にこ「はぁ？チョコを買いに来ただけじゃないの？」
穂乃果「そのつもりだったんだけど、街に出て来たらそれだけじゃもったいなくなっちゃって」
にこ「ご飯、ねぇ……」
にこ（ご飯まで食べていったら間違いなく財布がすっからかんになるわね）
にこ（あぁ〜あらかじめわかってればこんな事には……）
穂乃果「にこちゃん、大丈夫？」
にこ（このまま帰るのも気がひけるわね）
にこ「大丈夫よ、ご飯食べて行きましょ」
にこ「その前に、ちょっとコンビニ寄らせて」
穂乃果「うん、いいよ」ﾆｺｯ
にこ（まったく、人の気も知らないでこの子は……） にこ「穂乃果、おまたせ」
穂乃果「用事終わった？」
にこ「終わったわ、行きましょ」
にこ（虎の子の貯金……本当は今月発売のグッズを買うのに取っておきたかったけど）
にこ（まぁ、グッズはいつでも買えるわね。またお金貯めればいいわ）
にこ「で？あんたはなに食べたいの？」
穂乃果「私、今日はステーキが食べたい気分なんだ〜」
にこ「ステーキ……いいじゃなぁい」ﾋｸｯ
にこ（ひぇ〜お金おろしておいてよかった）
にこ「ステーキなんてしばらく食べてないわね」
穂乃果「ならちょうどよかった、お父さんの友達がやってるお店があるんだ、そこに行こうよ」
にこ「いいわね、楽しみだわ」
にこ（こうなったらとことん付き合ってやるわよ） ステーキハウス
穂乃果「こんばんは〜」
店主「おや、穂乃果ちゃん。いらっしゃい」
店主「相変わらず元気だね、今日は友達と一緒？」
穂乃果「はい、学校の先輩です」
にこ「初めまして、いつも穂乃果がお世話になっています」ｷﾗｷﾗｷﾗ〜
店主「礼儀正しい娘だねぇ、おしとやかな美人さんじゃないか」
にこ「まぁ、美人だなんてとんでもない」ｷﾗｷﾗｷﾗ〜
穂乃果「にこちゃんいつもとキャラ違くなグフッ!?」
にこ「いやだわ穂乃果、私はいつもと変わらないでしょう？」ｷﾗｷﾗｷﾗ〜
穂乃果「そ、そうだね……」ﾅﾐﾀﾞﾒ
穂乃果（これ、にこちゃんの外面モードだ。なんてあざとい……） 穂乃果「ねぇにこちゃん」
にこ「なぁに、穂乃果？」ｷﾗｷﾗｷﾗ〜
穂乃果「いつまで続けるのそれ、いい加減気持ち悪いんだけど」
にこ「誰が気持ち悪いのよ‼」
にこ「ーはっ!?」
にこ「だ、誰がお気持ちが悪いのですって？」
穂乃果「もういいって、怒鳴った時おじさんこっち見てたし」
にこ「……見られたなら仕方ないわね」
穂乃果「そっちの方がにこちゃんらしくて私好きだよ」
穂乃果「ーさぁステーキ食べよ、なににしようかなぁ〜」
にこ「へぇ、随分いいお肉を使ってるのね」
にこ「おいしそ〜私これにしようかしら」
穂乃果「お、サイコロステーキ。いいねぇ」
穂乃果「私はハンバーグとステーキのセットにしようかな」
穂乃果「すいませーん、注文お願いしまーす」 穂乃果「お〜来た来た」
ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ ｼﾞｭｰｼﾞｭｰ
にこ「わぁ、これ絶対おいしいわよ」
穂乃果「さっそく食べよう、いただきま〜す」ﾊﾟｸｯ
穂乃果「う〜ん、柔らか……とろける〜」
にこ「それじゃ私も」ﾊﾟｸｯ
にこ「はぁ〜本当柔らかい……いいお肉って甘いのね〜」
にこ「たまにはステーキも悪くないわ」
穂乃果「でしょでしょ、にこちゃんも家族の皆連れてまたここにおいでよ」
にこ「そうね、お母さんのボーナスが入ったらお願いしてみようかしら」
穂乃果「ハンバーグもジューシーで肉汁あふれる〜」
穂乃果「にこちゃんも食べてみない？」
にこ「え？いいわよ別に、あんたが食べなさいよ」
穂乃果「いいからいいから、あ〜ん」ｽﾞﾎﾞｯ
にこ「ちょむぐっ!?」ｼﾛｸﾛ
にこ「あむ……あむ……」
穂乃果「ね、おいしいでしょ？」
にこ「んぐ……お、おいしい〜」
にこ「ーじゃなくて、なにするのよ!?喉に詰まるかと思ったじゃない‼」
穂乃果「卵焼きのお返しだよ」
にこ「あんたの方がタチ悪いわよ……」 穂乃果「はぁ〜お腹いっぱい、おいしかったねにこちゃん」
にこ「そうね、もうなにも入らないわ……」
穂乃果「穂乃果のど乾いた、なにか飲みに行こうよ」
にこ「……穂乃果って……本当自由よね」
にこ「あんただけ飲みなさい、私はいらないわ」
穂乃果「えぇ〜穂乃果一人で飲むの？にこちゃんもなにか飲みなよ」
にこ「私はなにも入らないってさっき言ったでしょ!!」
穂乃果「それじゃ少しでもお腹空かせる為に走ろう〜」ｸﾞｲｯ
にこ「うわっ、ちょ、なにするのよ〜!!」
ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ……
穂乃果「どう？お腹に隙間空いた？」
にこ「なんで食べたばかりでそんなに走れるのよあんたは……」ｾﾞｪｾﾞｪ
にこ「走りすぎてのど乾いた……」
穂乃果「ちょうどよかった、あそこにパーラーがあるよ。行こうにこちゃん」
にこ「この……あんた、あとで覚えてなさいよ……」 パーラー
穂乃果「ここは絞りたてのフルーツジュースがオススメみたいだね」
にこ「へぇ、果汁100％とか美容によさそうね」
穂乃果「にこちゃん流石、見るところが違う」
にこ「ふっ、当たり前よ。なんてったってアイドルなんだから」
穂乃果「他には……お、これすごいよ」
にこ「『バレンタインデー限定、二人一緒に飲める愛のストロベリージュース』？」
にこ「なによこれ、こんな恥ずかしいジュース頼む人なんて」
穂乃果「すいませーん、この『愛のストロベリージュース』くださーい」
にこ「ぬぁに注文してるのよ!!」
穂乃果「だって今日限定だよ、明日には飲めなくなるんだよ。飲んでみたいじゃない」
にこ「あんたみたいな子があほなセールスにひっかかるのよ」
にこ「私は飲まないからね」
穂乃果「そう言って飲むんでしょ、わかるわかる」
にこ「振りじゃないわよ‼」
穂乃果「んん〜」ﾁｭｰﾁｭｰ
にこ「……」ﾁｭｰﾁｭｰ
穂乃果「ほら、穂乃果の言った通り飲んでる」
にこ「あんたが駄々こねるからでしょうが‼」
穂乃果「なんだかんだ折れてくれるよね〜にこちゃんって」
にこ「……ふんっ」ﾁｭｰﾁｭｰ にこ「はぁ、あんたには参ったわ、お店の中で騒いであんな羞恥プレイまでさせられるなんて……」
にこ「絶対周りの人ににこ達の顔覚えられたわ……もうあそこには二度と行かない」
穂乃果「でも皆穂乃果達の事見てニコニコしてたよ」
にこ「あれは笑われてたのよ、『バカップルが騒いでるわ〜』ってね」
穂乃果「カップルだなんて、そんな……」ﾃﾚﾃﾚ
にこ「バカだと思われてたのよ、少しは恥ずかしいと思いなさいよまったく」
穂乃果「えっ？恥ずかしかったのあれ？」
にこ「当たり前じゃない、二人で一つの飲み物を飲むなんてバカップルのやる事よ」
穂乃果「私はにこちゃんと一緒に飲めて嬉しかったけどな〜」
にこ「馬の耳に念仏とはまさにこの事ね、あんたにはなにを言っても無駄だわ」
にこ「暗くなってきたし、そろそろ帰らない？」
穂乃果「まだチョコ食べてないよ」
にこ「あ〜そう言えば元々チョコを買いに来たんだっけね、他の事の方がインパクト強くて忘れてたわ」
にこ「チョコは穂乃果にあげるわよ、持って帰って食べなさい」
穂乃果「ダメだよ、二人でお金出し合ったんだからにこちゃんも食べないと」
穂乃果「ね、もうちょっとだけ付き合ってよ。次で最後にするから」
穂乃果「お願い……にこちゃん」
にこ「うっ……」ﾄﾞｷｯ
にこ「わ、わかったわよ。次で終わりだからね」
にこ（たまにすごくかわいい顔になるのよね……自覚はないんだろうけど） 穂乃果「にこちゃん、着いたよ」
にこ「なにここ、公園？」
にこ「あちこちにイルミネーションが飾ってある」
穂乃果「この公園、クリスマスから今日までイルミネーションを付けているんだよ」
穂乃果「いつかにこちゃんと来ようと思って覚えてたんだ」
にこ「こんな所があったなんて知らなかったわ……」
にこ「ーキレイ、ね」
穂乃果「せっかくならさ、ムードのある場所で食べた方がチョコもおいしいでしょ」
にこ「その為だけにここまで来たの？呆れたわね」
穂乃果「あはは……ちょっと遠かったね」
穂乃果「あそこにベンチがある、座ろう」
にこ「え、えぇ」 にこ「……」
にこ（イルミネーションのせいかわからないけど）
にこ（穂乃果の横顔、すごくキレイだな）
にこ（今日の私、なんかおかしいな。変に穂乃果を意識してばかりで）
穂乃果「イルミネーション、キレイだね」
にこ「そうね、とてもキレイ……穂乃果」
穂乃果「え？私？」
穂乃果「やだぁにこちゃんたら!!どうしちゃったのもぉ〜？」
にこ「ーはっ!?わ、私なにか変な事言った？」
穂乃果「穂乃果の事、キレイだって言ってくれたよ」
にこ「ななななんですって!?しまった心の声が出てたか〜」
穂乃果「ね？本当？私がキレイって……」
にこ「〜〜〜〜!!」ｶｧｧ
にこ「そうよ、今のあんたはすごくキレイだわ」
にこ「なんだか私、今日は変にあんたの事意識しちゃっておかしいのよ」
穂乃果「意識？どういう事？」ｷｮﾄﾝ
にこ「くっ……この朴念仁!!」
にこ「私は、穂乃果がかわいくて仕方ないって。そう言ってるのよ‼」 にこ「はぁ……はぁ……」
にこ「ここまで言えば……わかってくれるかしら」
穂乃果「……うん……わかったよ」
穂乃果「今日のにこちゃん、ずぅっと私のわがままに付き合ってくれたよね」
穂乃果「私を見る目が時々優しくなってたのはそのせいだったんだね」
穂乃果「私も……嬉しい」ｶﾞｻｶﾞｻ
穂乃果「ね、にこちゃん」
穂乃果「チョコ、私に食べさせて。私も、にこちゃんに食べさせてあげる」
にこ「二人一緒に？」
穂乃果「うん、ダメ……かな？」
にこ「それじゃまるでバカップルじゃない」
穂乃果「いいじゃんバカップル、穂乃果達にはお似合いだよ」
にこ「なに開き直ってんのよ」
にこ「……食べさせてあげる」
穂乃果「にこちゃんも口開けて」
にこ・穂乃果「「あ〜ん」」ﾊﾟｸｯ 穂乃果「あ〜チョコおいしかったね〜」
にこ「高いだけの事はあったわね、悪くなかったわ」
穂乃果「私からチョコ欲しいなんて言っておいてなんだけど」
穂乃果「今日はにこちゃんと一緒に過ごせた事が、１番嬉しかったな」
穂乃果「今日はありがとう、にこちゃん」
にこ「あんたに振り回されるのはもうごめんだけど……」
にこ「たまになら、その……」
にこ「また、付き合ってあげても……いいわ」ｶｧｧ
穂乃果「にこちゃぁ〜ん……」ｶﾞﾊﾞｯ
にこ「な、なによ急に‼」
穂乃果「えへへ、私にこちゃんの事大好きだよ〜」ｷﾞｭ〜
にこ「ぬぁ!?なに言ってんのよあんたは〜!!」
通行人A「ねぇねぇ見てよあれ」
通行人B「バカップルがイチャついてる、青春だね〜」
にこ「誰がバカップルよ‼」 これで終わりになります。前々からほのにこの話を書いてみたくてバレンタインの話を書いてみました。後半展開が強引でごめんなさい。支援してくださった方、最後まで読んでくださった方ありがとうございました。 穂乃果がちゃんとリードしてるのがいい
にこも可愛い後輩といった感じで微笑ましい ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
