あなた「何度目の朝だろう?」
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あなた「歩夢ちゃんッッ!!!」
あなた「ハァ……ハァ……」
あなた「歩夢……ちゃん……」
ガチャッ
歩夢「おはよう、あなたちゃん」
あなた「……へ?」 歩夢「ど、どうしたの? すごい汗だよ?」
あなた「歩夢ちゃん……さっき死んだはずじゃ」
歩夢「え? 私、死んじゃうの?」
あなた(……なんだ、夢か) 歩夢「私が……死んじゃう夢、見てたの?」
あなた「あはは……なんか、そうみたい」
歩夢「もー、勝手に殺さないでよ」
あなた「ごめんごめん。だいぶ汗かいちゃったから、シャツとか着替えてからご飯食べようかな」
歩夢「はーい。リビングで待ってるね」 〜〜〜
あなた(それにしても、すごいリアルな夢だったな)
あなた(大学の帰り道、私と歩夢ちゃんの2人で歩いてたら、突然黒い服の男の人が飛び出してきて、私にナイフを振りかざしてきて)
あなた(歩夢ちゃんが私を庇って、刺されて、そのまま……) 歩夢「ねえ、聞いてる?」
あなた「へ」
歩夢「私がした話」
あなた「……え?」
歩夢「期末試験の範囲がすごく広いから、今からあなたのお家で勉強しようって言ったでしょ」
あなた「あっ、うん!聞いてたよ!ちゃんと!」 歩夢「ふーん……じゃあ、どの科目のこと言ってるかわかる?」
あなた「民法だよね。いやーあの教授の授業って何だか眠くなっちゃうよね」
歩夢「ブー、憲法の話です。やっぱり、全然聞いてなかった」
あなた「うっ……ごめんって。えと、憲法ってそんなに大変だったっけ?」
歩夢「講義中、試験範囲のプリント配られたでしょ。もー、なんだかあなたらしくないよ」 あなた「ご、ごめんって。次からちゃんとするから!えと、私の家で勉強するんだよね。もちろん歓迎するよ」
歩夢「うん、ありがとう。えへへ、何だか久しぶりだね」
あなた「そうだっけ?」 歩夢「2人で大学祭の実行委員会に入ってから、お互い忙しくなっちゃったじゃない?こうして一緒に帰ることも少なくなって」
あなた「あー、確かにそうだね。忙しすぎて、なんかあんまり余裕なくてさ」
歩夢「期末試験が近くなって、実行委員会の活動も少なくなって……こうしてると、高校の時に戻ったみたい」
あなた「うん、私もそんな気がするよ」 〜〜〜
あなた「生存権……自由権……幸福追求権……」
歩夢「生存権は25条だよ。13条は生命権」
あなた「ホントだ!生命って書いてある!」
歩夢「答案で書き間違えたらダメだよ?」
あなた「うん、気を付けないと……」 プルルル…
あなた「ん?誰だろ……もしもし」
せつ菜『お久しぶりです』
あなた「え!せつ菜ちゃん!?急にどうしたの?」
せつ菜『次のライブの日時が決まったので……その、お暇であれば……えと、あなたに……来てほしい、と思ったのですが』
あなた「もちろんだよ!それっていつなの?」 せつ菜『今月の20日、17時からです!あの、関係者席でお呼びするので、全然チケットとかお金とかは気にしないでください』
あなた「あれ、20日?それって……」
歩夢「どうしたの?誰から?」 あなた「あ、えと、せつ菜ちゃんから」
歩夢「え!すごい久しぶりだね!」
あなた「今月の20日に、ライブがあるんだって。えと、その日ってさ」
歩夢「20日……憲法の期末試験の前日、だね」 あなた「どうしよう」
歩夢「憲法は必修科目だし、落とすわけにはいかないよ……直前まで勉強しないと」
あなた「でも、せっかくせつ菜ちゃんが……」
せつ菜『あの、空いていませんでしたか?……ごめんなさい、連絡が直前になってしまって』 あなた「いやいや!気にしなくていいよ!」
せつ菜『本当は、連絡するかどうか迷っていたんです』
あなた「どうして?」
せつ菜『私たちが虹ヶ咲学園を卒業して、同好会も無くなった今、アイドル活動を続けているのは、私だけですから』
あなた「そんなこと、全然気にしなくていいよ!みんなで決めたことなんだもん!」 せつ菜『っ……ありがとうございます。その、予定が空いていないようでしたら、また次の機会にお誘いしますね!無理なお願いをして、申し訳ありません』
あなた「あ……いや」
あなた(せつ菜ちゃん、絶対無理してる。きっと何かあったんだ。突然電話してきたのって、もしかしたら何か理由があるのかも)
あなた「せつ菜ちゃん?あのね、私……」 歩夢「ねえ、もしかして、ライブに行くつもりじゃないよね」
あなた「え?」
歩夢「もちろん、せつ菜ちゃんの誘いを断れないのは分かるんだけど……」
あなた「断れないっていうか……なんて言うんだろう。せつ菜ちゃん、何だか様子がおかしいんだ」
歩夢「様子……?」
あなた「もし、力になれることがあるのなら……手を貸してあげたいんだ」
歩夢「……フフッ、あなたらしいね」 あなた「せつ菜ちゃん、危なっかしいところあるから。私が、傍で見ていてあげないと」
歩夢「……」
あなた「どうしてこんなことになっちゃったんだろう。私、みんなのこと、ずっと助けてあげたいって、力になりたいって、そう思ってたのに」 あなた「私、みんなを見捨てたわけじゃないんだ。ううん、今でもみんなの力になりたいって思ってる。だから……だから……」
歩夢「あのね」
あなた「……!」
歩夢「あなたが、みんなを思う気持ちは、分かってるつもり。だって、ずっとあなたのこと見てたから」
あなた「歩夢ちゃん……」 歩夢「でも、だからこそ、今は自分のことを優先してほしいな」
あなた「えっ……どうして……私なんかのこと、優先したって……」
歩夢「そんなこと、言わないでよ」
あなた「えっ」
歩夢「私……私ね。万が一……万が一だけど、必修科目を落として、あなたが留年することになったら……すっごく、悲しいよ」 あなた「――え?」
せつ菜『無理なお願いをして、申し訳ありません』
歩夢『私、悲しいよ』
あなた(何、今の……デジャブ?) 歩夢『あなたならきっと大丈夫って、信じてる』
せつ菜『今日は無理を言って申し訳ありません』
せつ菜『あなたがいてくれたお陰で、今日はちゃんと歌う事ができました』
あなた(え、な、なに?なんなの、これ……) せつ菜『ありがとうございます』
せつ菜『私……私っ!ずっと、あなたのことが……!』
歩夢『ライブ、楽しかった?』
歩夢『どうしてって、あなたの力になりたくて』 歩夢『私、ちゃんとあなたと一緒に卒業したいんだ』
歩夢『逃げ、なきゃ……』
歩夢『――危ないッッッ!!!!!!!』
歩夢『逃げ……て……だい……す……き……』 あなた「――っ!」
あなた(これは、記憶だ)
あなた(デジャブとか、そんなんじゃない。私は、明確にそれを覚えている)
あなた(私は……前にも、同じことを経験している)
あなた(今日は、2回目なんだ) 歩夢「……どうしたの?」
あなた「へ?いやっ、何でも……ないよ」
歩夢「その……ね?別に、あなたのことを信用してないわけじゃないんだ。それでも、1パーセントでも、留年しちゃうような可能性があるんだったら……お願いだから、勉強を優先してほしいな」
あなた「歩夢ちゃん……」 あなた(今日は、2回目)
あなた(本当に、そうなのかな)
あなた(予知能力?今までこんなこと無かったのに)
あなた(いや、そんなこと考えたって仕方ないよ)
あなた(とにかく今は、今できることをしないと) あなた「ごめん、歩夢ちゃん」
歩夢「……!」
あなた「私、せつ菜ちゃんのライブ、どうしても行きたいんだ」
歩夢「……えへへ。あなたなら、きっとそう言うんじゃないかと思ってた」 あなた「せつ菜ちゃん?ごめんね、待たせちゃって」
せつ菜『……!いえ!全然気にしなくて大丈夫ですよ!』
あなた「えと、ライブの件だけど」
せつ菜『……はい!』
あなた「私、せつ菜ちゃんのライブ、絶対行きたい!だって、プロのアイドルとして活躍してるせつ菜ちゃんのこと、見逃す訳にはいかないから!!」
せつ菜『あ……あはは。まさか、あなたがそんなこと言ってくれるだなんて、思いもしませんでした』 あなた「そ、そうかな?」
せつ菜『そうですよ。高校生の時は、そんなこと一度も言ってくれなかったんですから』
あなた「あれ?そうだったっけ?」
せつ菜『そうです。私、あなたに期待、されてるのかなって……ちゃんと応えられてるのかなって……すごい不安だったんですよ?』
あなた「え……そうなんだ……ごめん、気づかなくて」 ぼくは生まれて初めてマジに心の底から神様にお祈りした…。「どうかこのぼくに人殺しをさせてください」……と。 せつ菜『だから、今、あなたがそんなことを言ってくれることが、何だかとっても嬉しくて』
あなた「せつ菜ちゃん……?」
せつ菜『……いえ。なんでもありません。そういえば、場所をまだ伝えてませんでした。当日は〇〇アリーナに来てください』
あなた「え!?そこ、すっごく大きい会場じゃなかった!?」
せつ菜『はいっ!事務所が押さえてくれたんです』
あなた「すごい……すごいよ!いつの間にそんな立派なアイドルに……!」 せつ菜『あっ……ごめんなさい。休憩時間が終わってしまったみたいで』
あなた『休憩時間?え……もしかして、練習してるの?だって、9時過ぎてるよ?せつ菜ちゃんのご両親は……』
せつ菜『もちろん許可は得ていますよ。心配しないで下さい。では、当日会えるのを楽しみにしていますね』
あなた「ちょっ、待っ……ううん。その、頑張ってね!応援してるよ!」
せつ菜『っ……ありがとうございます!……グスッ……』
プツッ…
あなた(切れちゃった……) 歩夢「……行くんだね、ライブ」
あなた「あ……えと、ごめん。色々考えてくれてたのに」
歩夢「ううん。あなたがすごく優しくて、頼みを断れない人だってこと、分かってるから」
あなた「うっ……あはは、ごめん……」
歩夢「だから、謝らなくていいの。大丈夫だよ。試験の前日に勉強できないなら、その前日までに試験勉強を終わらせておけばいいだけだもん」 あなた「そっ……そうだね!流石歩夢ちゃん!」
歩夢「えと、当たり前っていうか、普通……だと思うよ?」
あなた「うっ」
あなた(なんか、歩夢ちゃんがちょっと冷たい……まあそりゃそうだよね)
あなた「私、頑張るよ!実行委員の仕事に追われてて、全然勉強できてなかったのがちょっと心細いけど……」
歩夢「うん、分かってるよ。ずっと見てたもん。1年生なのに、すごい頑張ってるーって、先輩たちの間でも有名だよ?」
あなた「え、そうなんだ……」 歩夢「心配ではあるんだけど。私、あなたならきっと大丈夫だって、信じてるから」
あなた「っ……」
あなた(また、デジャブだ。いや、記憶と同じような言葉……頭が痛い)
歩夢「だ、大丈夫?どうかしたの?」
あなた「ううん……何でもないよ」 ジョジョ四部を読み返し終わったわしにタイムリーなスレ あなた「大丈夫。留年なんて絶対しないって」
歩夢「……」
あなた「その……信じていらっしゃらない?」
歩夢「もちろん信じてはいるよ?でも、本当に大丈夫かな……って」
あなた「えと、それってどういう……」
歩夢「はぁ……本当に何も覚えてないんだね、先輩の話」 あなた「え?」
歩夢「憲法の講義って、2つのクラスに分かれてるでしょ」
あなた「う、うん」
歩夢「片方は、すごく緩いって有名らしいんだけど。もう片方の、私たちのクラスはね……去年、受講者200中、40人弱しか、単位をもらえなかったんだって」
あなた「え……えぇーーー!!!??」 こういう話大好きなので期待してます!!
すでに色々伏線ありそうで楽しみ 〜〜〜
あなた「うぅ……目が滑る」
歩夢「ちゃんと教科書は読まないと。先生は教科書が大事って言ってたから」
あなた「それはわかってるんだけど」 歩夢「せつ菜ちゃんのライブの日までに、全部の範囲終わらせるって約束したでしょ?」
あなた「うん。大丈夫、徹夜してでも終わらせるから」
歩夢「……高校の時に連日の徹夜で倒れたのを忘れてないよね?」
あなた「うっ」
歩夢「何だか、また同じことが起きるんじゃないかって心配なんだ」 あなた「せつ菜ちゃんのせいじゃないよ」
歩夢「ううん、せつ菜ちゃんが悪いって言いたいんじゃなくて……もうあの時みたいに、あなたに無理してほしくないんだ」
あなた「歩夢ちゃん……えへへ、そうだね。そうだった。きっと歩夢ちゃんがいなかったら、私今頃過労死してたかもしれないよね」
歩夢「そうだよ」
あなた「懐かしいなあ。あれからもう1年以上経ってるんだ」 歩夢「同好会を廃部にしてくれた三船さんにも、感謝しないとね」
あなた「うん。今思い返せば、彼女は私の恩人だったよ」
歩夢「……いつかもう一度、三船さんと話した方がいいよ」
あなた「うん……機会があったら、ね」 歩夢「……って、ごめん、こんなこと話してる場合じゃなかったね。テストまであと2週間も無いんだし、勉強しなきゃだよ」
あなた「うぅ〜、現実に引き戻された。とはいっても、300頁もある本をあと2週間で読めって、それはいくら何でもキツすぎるよ……」
歩夢「無理、とは言わないんだね」 あなた「え?」
歩夢「ううん。あのね、実は取っておきがあるんだ」
あなた「とっておき?」
歩夢「じゃーん!」
あなた「へ?……これ、もしかして……もしかして!期末試験の過去問!?」
歩夢「そうだよ!先輩からもらったんだ!」 あなた「うそぉ!じゃあ、この問題の対策さえしておけば……!」
歩夢「まって。実は、毎年問題は変わってるらしくて……この問題だけ対策しても、意味がないみたいなの」
あなた「え……そうなんだ……」
歩夢「でも、絶対役に立つって思ったから……私、過去10年分の過去問をもらってきたんだよ!」 あなた「え……えぇ!?どうやって!?」
歩夢「先輩の先輩に、期末試験の過去問マニアな人がいたんだ。うちの学部の試験の過去問は、大体揃えてるみたい」
あなた「えぇ……物好きな人がいるもんだね」
歩夢「それで、私たちの先生の試験の過去問を見てみたんだけど……3年ごとに問題が入れ替わってるみたいなの。つまり、過去3年分をマスターすれば……」
あなた「解けない問題が出てくる可能性は、相当低くなるってこと!?」
歩夢「そういうこと!」 あなた「すごい!すごいよ歩夢ちゃん!!……でも、これ集めるの大変だったんじゃ?」
歩夢「えへへ。あなたのために何かしたいなって思って……他の大学だと、過去問ノートとか売ってる所があるみたいだけど、うちはそういうの無いから……ちょっと大変ではあったかな」
あなた「ちょっとどころじゃないよ!これは歩夢ちゃんの努力だから、私なんかが受け取っていいものじゃないよ!」 歩夢「……そんなこと、言うんだ」
あなた「へ?」
歩夢「せっかく、あなたのためにもらってきたのに……肝心のあなたが使ってくれなかったら、それこそ意味が無くなっちゃう」
あなた「あ……う……」
歩夢「気にしないで。これは、あなたへの恩返しだから」 あなた「恩、返し……?」
歩夢「私、スクールアイドルとしてステージに立つなんて、あなたがいなかったら絶対にできなかった。たった1年間だったけど、それでもあの時間は、私にとってかけがえのないものだったから」
あなた「歩夢ちゃん……」
歩夢「そんな経験をくれたあなたへの、恩返し。ダメ……かな?」 あなた「ううん……ダメなんかじゃない!本当に……ホントにありがとう!……グスッ……歩夢ちゃんっ、大好きっ!!」
歩夢「ふぇっ……ふぇぇぇ!??/////」
あなた「歩夢ちゃんっ!」ギュウウウッッ
歩夢「わわっ!!きゅ、急に抱きつくだなんて……恥ずかしいよぉ……!/////」 〜〜〜
歩夢「お邪魔しました」
あなた「うん、今日はありがとう」
歩夢「過去問、ちゃんと勉強するんだよ?」
あなた「もちろん!歩夢ちゃんの期待を裏切るわけにはいかないもん!」
歩夢「フフッ、よかった。じゃあ、また明日」
あなた「うん!またね!」 ガチャッ
あなた「……よし、頑張らなきゃね」
あなた「今は、23時……あと1時間は勉強できるよね」
あなた「高校の時は、終わらない〜終わらない〜って、3時までやろう、4時まで、5時まで……大丈夫、1時間は寝れる……30分は……なんて言ってるうちに、登校時間になっちゃって」
あなた「大変、だったなあ」
あなた「……さて、過去問の答案作らなくちゃ!」 〜〜〜
あなた「答案、こんな感じでいいかな」
あなた「全然知識も定着してないから、教科書と問題を行ったり来たり……過去問解くだけでも随分勉強になるんだよね」
あなた「ふぁ〜、もう寝なくちゃ……って、あれ?もう2時じゃん!」
あなた「うわー、歩夢ちゃんに怒られちゃうよ……」
あなた「まあでも、これをあと2回やればひとまずは安心できるんだよね」 あなた「……あれ?」
あなた「そういえば、これって2回目……なんだよね」
あなた「やらなくちゃいけないことばっかで、考える暇も無かったけど、こうして少し落ち着いてると、どうしても考えちゃう」
あなた「どうして、時間が巻き戻ったのか」 あなた「そもそも、本当に時間が遡ってるのかな?」
あなた「だって私、1回目のこと全然覚えてないよ」
あなた「いや……全然覚えてないわけじゃないのか」
あなた「歩夢ちゃんが殺されたことと……歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんとの会話が、それぞれフラッシュバックしたことから、2回目だって思ったんだ」 あなた「どうして、1回目の記憶が無いんだろう」
あなた「1回目は、今から遡ると、大体1ヶ月前……ってことになるんだよね」
あなた「1ヶ月前に起こった出来事を忘れたりなんて、普通はないよね」
あなた「同好会での出来事は今でも鮮明に覚えてるから……1ヶ月前の出来事を忘れちゃうなんて、ちょっと考えられない」 あなた「なら、どういうこと?」
あなた「私……期末試験の過去問を解いた記憶なんてないし」
あなた「ってことは、巻き戻った時に、大部分の記憶が抜け落ちちゃったってこと?」
あなた「だとしたら……嫌な想像だけど」
あなた「これが2回目だとは、限らないってこと……だよね」 プルルルル…
あなた「へ?」
あなた「こんな時間……もう2時過ぎなのに、誰だろう」
あなた「え……せつ菜、ちゃん?」 ピッ
あなた「もしもし」
せつ菜『……まさか、出てくれるだなんて、思いませんでした』
あなた「せつ菜ちゃん……こんな時間に、どうかしたの?」
せつ菜『いえ、その……なんといいますか。あなたの、声を聞きたくて』 あなた「ふぇ?な、なななな何言って……!///」
せつ菜『……本当は、待ち切れなかったんです。20日の、ライブの日まで』
あなた「な、なにが?」
せつ菜『あなたに、今、無性に会いたいんです』
あなた「え……ええ――!?////」 せつ菜『実は、その、驚かないで聞いてくださいね?』
あなた「う、うん」
せつ菜『私……あなたの、家の前に来ているんです』
あなた「うっ、うそ!?」
シャー
あなた(ほ、ホントだ……カーテン開けたら、いた。手、振ってる……可愛いな)
せつ菜『入れて、もらえますか?』
あなた「も、もちろんだよ!」 〜〜〜
せつ菜「……」
あなた「……」
あなた(き、気まずい)
あなた(せつ菜ちゃんと話すの、久しぶりだからかな)
せつ菜「あの」
あなた「ひゃいっ!」
あなた(変な声出た……!)
せつ菜「こんな時間に、ごめんなさい。非常識ですよね」
あなた「いやっ……いやいや、全然気にしなくていいよ!」 あなた「っていうか、せつ菜ちゃんこそ!こんな時間にどうしたの?アイドルが深夜に出歩いてたら、危ないよ?」
せつ菜「……今夜、泊まる家が無くて」
あなた「…………へ?」
せつ菜「家出、したんです」
あなた「家出……また、したの?」 あなた「まさか、両親とまた喧嘩して……」
せつ菜「いえ。すみません、確かに『家出』と言ったらそう聞こえてしまいますよね」
あなた「違うんだね……よかった」
せつ菜「……その方が、どれだけよかったことか」
あなた「へ?」
せつ菜「っ……いえ、すみません。今のは忘れてください」 あなた「どういうこと?なら、どうして家出なんて……」
せつ菜「あっ、あの。突然押しかけてしまって、本当にごめんなさい」
あなた「いやいや、気にしなくていいんだけど……今日は本当にどうしたの?」
せつ菜「その……レッスンが少し、長引いてしまって」
あなた「えぇ!?こんな時間までやってるの!?」
せつ菜「いえ、違うんです!今日はたまたま――」
あなた「絶対おかしいよ!せつ菜ちゃん、無理しすぎだって!!」
せつ菜「――っ」 あなた「だって、高校を卒業してまだ半年も経ってないんだよ?しかも未成年!」
せつ菜「それは……その……」
あなた「せつ菜ちゃん、絶対無理してるよ!この前の電話でわかったもん!」
せつ菜「えっ……」
あなた「私、抗議してくる!」 せつ菜「ちょ……ちょっと待ってください!」
ギュッ
あなた「え……せ、せつ菜ちゃん!?///」
あなた(急に抱きしめてきて……どうしちゃったの!?///)
あなた「だ、ダメだよせつ菜ちゃん!アイドルがこんなこと……!」
せつ菜「本当にっ!大丈夫ですから!」
あなた「せつ菜、ちゃん……?」 せつ菜「……はっ……えと、ごめんなさい。急に抱き着いちゃって……迷惑、でしたよね」
あなた「あっ……ううん、そんなこと、ないけど」
あなた(せつ菜ちゃん、離れちゃった。一瞬だったけど、柔らかかった……すっごく、いい匂いした……流石アイドルだよ……)
せつ菜「その、えっと……実は今、すごく元気なんです」
あなた「え……だって、さっきまであんなに意気消沈してたじゃない」
せつ菜「それはまあ、その通りなんですが……今日こうしてあなたに会って、元気を取り戻しましたから!」
あなた「え……えぇ!?///」 せつ菜「私、高校の時も、今とそんなに変わらないくらい大分無理してたと思いますけど……それでも頑張れたのは、きっと、あなたがいてくれたからです」
あなた「う……うぅ……///」
せつ菜「ど、どうしたんですか?顔、すっごく赤いです」
あなた「言わないでよぉ……恥ずかしい……///」
せつ菜「ええと、何か失礼なことを言ってしまいましたか?」 あなた「うっ、ううん!そんなことない!むしろ、すっごく……嬉しいよ」
せつ菜「え?」
あなた「私、ちゃんとせつ菜ちゃんの力になれてたんだって、そう思えたから」
せつ菜「……本当に、あなたという人は、どこまでもいい人なんですから」
あなた「そ、そんなこと……ないと思うけど」
せつ菜「いいえ。私、あなたほど優れた人柄の人には、出会った事がないと断言できますよ」
あなた「さ、流石にそれは言い過ぎじゃ……」
せつ菜「同好会であなたがみんなに頼られていた理由を、改めて感じました」 あなた「っ……そ、そんなことよりさ!」
せつ菜「はい?」
あなた「えと、なんていうかね……私、せつ菜ちゃんの力になりたいんだ」
せつ菜「え……」
あなた「それで……それで、ね。ほら、私って、同好会の時は9人のマネージャーをしてたじゃない?」
せつ菜「……はい」 あなた「だから、その経験を活かして……なんて、大それたこと言えないんだけど。プロのアイドルになったせつ菜ちゃんの、お手伝いができないかなって。えと……マネージャー、として」
せつ菜「っ……!!」
あなた「あっ、その、今もきっとマネージャーっているんだよね!?その人の邪魔になっちゃうか……あはは、じゃあ無理だよね……で、でもね、バイト代とか、そういうのタダで構わないんだ」
あなた「雑用でも、なんでもやるから……だから、せつ菜ちゃんの傍で……私に何か、できることってないかな?」
せつ菜「それ、は……」 あなた「ダメ……かな。ダメ、だよね。私みたいな一般人が、プロのアイドルのお手伝いなんて、そんな大それたこと……」
せつ菜「……いえ。違うんです」
あなた「え?」
せつ菜「本当なら……ホント、なら……今すぐ、あなたの手を借りたいんです」
あなた「えっ……!?」 せつ菜「私、高校の時……あなたに救われたんです。もしあなたがいてくれなかったら、きっと、今こうして大好きなアイドルとして活動するなんて、絶対に叶えられませんでした」
あなた「そんな……」
せつ菜「断言できます。私は、あなたに救われたんです」
あなた「大げさだよ……私は、誰かを救うなんて、そんな力持ってない」
せつ菜「私は、事実を言ったまでですよ。本当に……あなたは……あなた、は……」
あなた「せつ菜ちゃん……?どうして、泣いてるの?」 せつ菜「私……高校時代に、戻りたいです。いつも、あなたが傍にいてくれた世界に、戻りたいんです」
あなた「じゃ、じゃあ!」
せつ菜「――でも、ダメなんです。私は、あなたの力を借りるわけにはいきません」
あなた「どう、して……」
せつ菜「詳しいことは……ごめんなさい、話せません。もし、話してしまったら……」
せつ菜「あなたは、きっとまた、無理をしてしまうから」 あなた「……私、せつ菜ちゃんのことが、わからないよ」
せつ菜「……すみません」
あなた「ううん、せつ菜ちゃんを責めてるわけじゃないんだ。でも……なんて言うんだろ。急に、こうして私の家まできてくれて。私を頼ってくれてるんだって思ったら、どうもそうじゃないみたいだし」
せつ菜「ごめんなさい。あなたをがっかりさせたくてこんなことをしているわけではなくて……それは、わかってほしい、です」
あなた「あはは、もちろん……こっちこそ、ごめんね。今日はもう寝ちゃおっか!もう3時過ぎちゃってるしさ」 せつ菜「私は、明日……じゃなくて、今日はオフなので、問題はないのですが……あなたは?」
あなた「私は、特に予定はないよ」
せつ菜「ホントですか!じゃあ、その……ひとつお願いをしてもよろしいでしょうか?」
あなた「う……うん!もちろんだよ!」
せつ菜「では……コホン」
せつ菜「今日一日、私と……デートしてください!!」 あなた「で……でででデートおぉ!??///」
せつ菜「はい……ダメですか……?」
あなた「だっ……ダメじゃない……っていうか、こっちからお願いしたいくらいだけど」
せつ菜「そう、なんですか?」 あなた「はっ……ち、違くて!せつ菜ちゃん?ダメだよ、アイドルがそんなこと言ったら!」
あなた「アイドルがデートしてるところ見られでもしたら、せつ菜ちゃんの評判が下がっちゃうよ!」
せつ菜「どうしてですか?女の子同士ですよ?」
あなた「うっ……た、確かに……」 せつ菜「同性の友人とお出かけだなんて、むしろ好感度が上がるというものです!」
あなた「そ、そう……なんだ」
せつ菜「どうでしょうか?私とのお出かけが嫌ということでしたら……お気になさらず、断っていただいて構いませんよ」
あなた「そんなことない!すっごく嬉しいよ!誘ってくれてありがとう!」
あなた「是非行こう!2人で、デー……お、お出かけ!」
せつ菜「っ……!はい!」 あなた「じゃあ、今度こそ……寝ようか」
せつ菜「その、またひとつ、お願いがあるのですが」
あなた「う、うん」
せつ菜「今日は、一緒に寝ても……構いませんか?」
あなた「一緒に……ああ、一緒のベッドでってこと?もちろん、ベッドはひとつしかないから、せつ菜ちゃんさえ良ければそうしようかと思ってたよ」 せつ菜「いえ、そうではなく」
あなた「へ?」
せつ菜「あの……その……」
あなた(モジモジして、どうしたんだろう。初めて私の家に泊まって行った時も、確か同じベッドで寝たはずなんだけど)
せつ菜「……私のこと、だ……抱きしめて、もらえませんか……?///」
あなた「へっ……ふぇぇぇ!??///」 せつ菜「あっあの、違くて……これは違うんです!」
せつ菜「その、不安なんです……どうしても」
あなた「不安……?」
せつ菜「最近、眠れていないんです」
あなた「そう、なの?」 せつ菜「とっても眠くて、疲れているはずなんですが……目を閉じると、不安で不安で仕方がなくて」
せつ菜「もう、2週間はちゃんと眠れていません」
あなた「うそ……体は大丈夫?」
せつ菜「はい、一応。横にはなっているので、休むことはできています。ただ、精神的な疲労だけは、どうしてもダメで……」
あなた「それは、大変……だったね」 せつ菜「でも……あなたが傍にいると、何だかすっごく安心するんです」
あなた「わ、私が?」
せつ菜「だから、その……あなたが抱きしめてくれていたら、ちゃんと……眠れるかもしれないって、思って」
せつ菜「いっ、嫌でしたら、全然普通に寝てもらって構いませんから!隣にいてくれるなら、それだけで安心できますし!!」
あなた「あっ……いや、あの……嫌じゃないよ」
あなた(むしろ、喜んで抱きしめさせてください……なんて、言えるわけない……///) せつ菜「じゃ、じゃあ……よろしくお願いします……///」
あなた「こちらこそ……失礼して……///」
モゾモゾ…ギュウッ…
せつ菜「んっ……」
あなた「えっ、へ、変なところ触っちゃったかな!?」
せつ菜「い、いえ!大丈夫、です……」
あなた(やっば……せつ菜ちゃん、すごくいい匂い……柔らかい……最高すぎるよ……)
あなた(ヤバい、私の方が、眠れないかもしれない……興奮のせいで) せつ菜「……グスッ」
あなた「へ?せつ菜ちゃん……」
せつ菜「……」
あなた「……気のせいかな?」
あなた(泣いてるのかと、思ったんだけど)
せつ菜「……スー……スー……」
あなた(寝息が聞こえる。もう寝ちゃったんだ)
あなた(アイドルとして活動してる時は、同い年だと思えないくらい大人びて見てるのに)
あなた(こうしてると、何だか妹みたい) あなた(……やっぱり、気になる)
あなた(せつ菜ちゃんに、何があったのか)
あなた(一体何が、せつ菜ちゃんを不安にさせているのか)
あなた(せつ菜ちゃんはああ言ってたし、あんまり気が進まないけど)
あなた(やっぱり、せつ菜ちゃんの事務所に連絡してみよう) せつ菜ちゃん可愛過ぎる… 作者さん本当に頼みます… 面白そう
虹ヶ咲あんまり知らないんだけど、口調から想像するとアイドル好きな海未ちゃん、真面目なヨハネみたいな感じなのかな? 〜〜〜
あなた「ふぁ……ん……あれ?なんだろ、胸元がスースーする」
あなた「……っ!?」
あなた(パジャマのボタンもブラも外れて……って、なんでせつ菜ちゃんそんなとこに抱き着いてるのぉ!?///)
せつ菜「スー…スー……ムニャムニャ……」
あなた(か、可愛い……もうそれだけで全部許せるよ)
あなた「えと、今何時……えっ、もう10時!?」
あなた(いつもなら歩夢ちゃんが起こしに……って、今日は休日なんだから来るわけないか) あなた「せ、せつ菜ちゃーん……」
せつ菜「スー…スー…」
あなた(ダメだ、全然起きる気配ないよ)
あなた(せつ菜ちゃんが私に抱き着いてるから、身動きできないんだけど……どうしよ)
あなた(てかせつ菜ちゃん、私が寝付く前に眠っちゃってたよね?寝ながら私のブラとか外したってこと?)
あなた(恐るべし、現役アイドル……!) あなた(2週間もちゃんと眠れてないって言ってたし、起きれないのは当たり前か)
あなた(もうちょっとだけ、寝かせてあげようかな)
せつ菜「……好き……です」
あなた「……へっ!??」
あなた「せ、せつ菜ちゃん……!?」
せつ菜「スー…スー…」
あなた(寝てる……よね?) あなた(寝起きだからか、今まで意識してなかったけど)
せつ菜「スー…スー…」
あなた(せつ菜ちゃんの寝息が、私の胸元に直に当たってる)
せつ菜「……んっ」
あなた「あ……うっ……いや、ちょ……嘘でしょ……!?」 あなた(やっば……頭とろける……これ、せつ菜ちゃんが起きるまで我慢するの!??)
あなた(そんなの、む、無理……)
せつ菜「んん……スンスン……」
あなた「ひゃっ……!///せつ菜ちゃん!??なんで匂い嗅いで……そんなの、ダメ……だよ……///」
せつ菜「ハァ……ンッ……フウ……」
あなた(ほ、本当に寝てるのぉ!??) 〜〜〜
せつ菜「んっ……ふぁ……ぁ……」
せつ菜「……」ボー
せつ菜「……あれ」
せつ菜「あな……たは……」
あなた「ふぇ……ぇ……えへへ……」 せつ菜「え……ええぇぇぇ!?///どうしてそんな、えええエッチな格好をしているのですか!??///」
あなた「…………はい?」
せつ菜「は、早く服を着てくださいっ!!」
あなた「…………」
あなた「ふっ……フフッ……」
あなた「せーつーなーちゃん?」
せつ菜「……へ?」 あなた「とりゃっ!!」
せつ菜「わわっ、わあっ!!」
あなた「こちょこちょこちょこちょ!!」
せつ菜「ちょ、ま……ひゃっ……んんっ……///」
あなた「このっ!このこのっ!!無自覚主人公めl!」
せつ菜「ま……まって……待ってください……」 あなた「おりゃおりゃおりゃ!」
せつ菜「んっ……んんっ……///」
あなた(あ、あれ?なんかすっごくぷにぷにしてる……)
あなた(え、え?もし、かして……)
あなた(せつ菜ちゃん、ひょっとして……ブラつけて、いらっしゃらない?)
せつ菜「やぁ……だ……め……ぇ……」
あなた「っ……!!」 あなた「ま、まいったか……!私を困らせたらどうなるか……」
せつ菜「ハァ……ハァ……ん……///」
あなた「え……せ、せつ菜ちゃん?」
せつ菜「もう……バカぁ……ダメって、言ったのに……///」
あなた「っ……///」
あなた(や、やばい。ほんと、これはヤバい)
あなた(せつ菜ちゃんの、虜になっちゃう) 〜〜〜
せつ菜「……」ツーン
あなた「その、ごめん……調子乗った」
せつ菜「いくらあなたでも、やっていいことと悪いことがあります」
あなた(そ、それはブーメランなのでは……いや、別に嫌じゃなかったけど……)
せつ菜「なんですか、その反抗的な目は?通報しますよ?」
あなた「流石にそれはやめてくださいお願いします」 せつ菜「全く……あなたじゃなかったら本当に通報していましたよ……」
あなた「え?」
せつ菜「……いえ、何でもありません」
あなた「お腹、空いたよね?遅くなったけど、そろそろ朝ご飯にする?」
せつ菜「あ……その、朝ご飯は抜いているんです。私のことはお気になさらず、召し上がってください」 あなた「えぇ?そりゃあ、確かに一日二食健康法なんてのはあるけど……せつ菜ちゃんはまだまだ若いんだし、何よりダンスとかで動くんだから、三食きっちり食べないと!」
せつ菜「いえ、その……マネージャーさんが、体重管理に厳しくて」
あなた「なっ……」
せつ菜「だ、だから……これ以上体重を増やすわけには、いかないんです」
あなた「なにも、わかってなーい!!!」
せつ菜「えぇっ!?」 あなた「体重なんて数字じゃん!そんなのいくらでも誤魔化せるよ!!」
せつ菜「ちょ……!?」
あなた「実際男の子はそんなの気にしてないから!一番大事なのは体型なんだよ!」
あなた「体型の維持なんて同好会の時の筋トレを続けてれば余裕だから!せつ菜ちゃん、ちゃんと続けてるよね?」
せつ菜「あ、もちろん……あの時から欠かさず……」
あなた「だったら全然気にすることない!」 あなた「一日二食なんて、毎日歌って運動してるアイドルが実践したらあっというまにもやしっ子になっちゃう!そんなアイドル、男の子は求めてないんだよ!」
せつ菜「は、はぁ……」
あなた「求められてるのは元気であること!そのためには、せつ菜ちゃんはきちんと三食食べなきゃ!!」
せつ菜「あ……アハハ……」
あなた「せ、せつ菜ちゃん?」
せつ菜「フフッ……ハハハハハッ!!」
せつ菜「お、おかし……面白すぎます……!」
あなた(せつ菜ちゃんが……壊れちゃった?)
せつ菜「あなたのいうことは、今のマネージャーとまるで正反対で……それが、何だかとっても面白くて……」 あなせつ書いてくれる人ほとんど居ないからとても嬉しい。長すぎと言わず存分にやってくれたまえ あなた「あ、そうなんだ……っていうか、マネージャーなら当たり前のことだと思ってたけど」
せつ菜「いえ。きっと、当たり前ではないと思いますよ」
あなた「そう……なんだ」
せつ菜「あなたは、特別です。少なくとも、私にとっては」
あなた「っ……!///」
あなた「えと……ご飯にしよっか!何があったかな〜……」 あなた「……あれ?」
せつ菜「どうしたんですか?」
あなた「冷蔵庫にタッパーが……それに、鍋にみそ汁が作ってある」
せつ菜「ご両親が作り置きしてくださったんですね」
あなた「それは……有り得ないよ。だって、どっちもニューヨークに出張してて、今この家には、私1人しか住んでいないんだ」 せつ菜「あっ……そうだったんですか。では、これは一体誰が……?」
あなた「……むちゃん」
せつ菜「え?」
あなた「歩夢ちゃんしかいない。だって、家族の他に合鍵を持ってるのは、歩夢ちゃんしかいないから!」
せつ菜「えっ……えぇ!?」 〜〜〜
あなた「……ダメだ。ラインにも反応してくれないし、インターホン押しても出てくれなかった」
せつ菜「単に出かけているのではないでしょうか。ラインに反応する余裕がないくらい忙しいのだと思います」
あなた「だといいけど……」
せつ菜「それより、せっかく作ってもらったんですし、食べない方が失礼ですよ」
あなた「……うん、そうだね。私、お腹空いちゃったよ」 〜〜〜
せつ菜「では、いただきましょう」
あなた「そうだね」
あなせつ「「いただきます」」
あなた「モグモグ……やっぱ歩夢ちゃんだよ。玉子焼きの味でわかった」
せつ菜「確かに、味付けが絶妙ですね」
あなた「美味しかったって、ちゃんと言ってあげなきゃ」 せつ菜「……その、実はですね」
あなた「うん?」
せつ菜「私、料理の練習をしているんです」
あなた「……え」
せつ菜「仕事がオフで時間がある日には、自分で食材を買ってきて、両親に食べてもらったりしていて」
あなた「それで……ご両親は?」
せつ菜「これから、いっぱい練習しようね、って」
あなた「な、なるほど……ゴクリ」 せつ菜「もし、たくさん練習して、美味しく料理を作れるようになったら……あなたにご飯を作りたいなって」
あなた「へ?」
せつ菜「ダメ、ですか?」
あなた「ダメじゃない!っていうか、全然いつでも作ってくれて構わないよ!」
せつ菜「ほっ、ホントですか!?」
あなた「ほら、作ってるところ見てたら、色々アドバイスもできると思うし」
せつ菜「ありがとうございます……!やった。えへへ……嬉しいです」 こんな幸せ空間だけど行き着く先は何かしらの不幸なんですよねつらすぎます………!!! あなた「そういえば、今日のデートだけど」
せつ菜「あっ……はい」
あなた「どこか、行きたい所でもあるの?スクールアイドルのイベントがあるとか?」
せつ菜「いえ。今日は、ただ純粋に、あなたとデートがしたいです」
あなた「ふーん純粋にデートね……え?」
せつ菜「なんていうんでしょう……あ、アイドルって、そういうのも必要というか!」
あなた「そうなの!?」 せつ菜「恋愛経験があると、表現の幅が広がるというか!」
あなた「れっ恋愛経験んんん!??」
せつ菜「はっ……ち、違うんですぅ!」
あなた「ち、違うの……?」
せつ菜「う……違うんですけど、違わないんです!」
あなた「よくわかんなくなってきたよぉ……」 せつ菜「分からなくても問題ありませんから!とにかく、今日のデートは、だ……男女が、デートで行くようなところに行きたいんです……!!///」
あなた「男女……カップルってこと!?」
せつ菜「……///」コクリ
あなた「っ……!///」
あなた「わ……わかった!こうなったら覚悟決めるよ!」
あなた「行こう!2人で、デートスポット!!」
せつ菜「わぁっ……!ありがとうございます!!」 今更ですがスクスタのあなたと歩夢の家ってマンションなんですね
千歌たちみたいに一戸建てなのかと勘違いしてました
>>75とかは適当に読み替えてくださると助かります 細かい事はこっちの方で勝手に脳内変換するから気にせず書いてくれて構わないぞ 〜〜〜
あなた「というわけで……デックスビーチに来たわけだけど」
せつ菜「ワクワクしますね!」
あなた「そうなの?地元民だし、飽きちゃってるもんだと思ってたんだけど」
せつ菜「そんなことないですよ!距離的には近いですけど、私はあんまりここに来たことが無いんです」
あなた「あー、せつ菜ちゃん忙しそうだもんね」
せつ菜「そういうあなたは、何度も来ているんですか?」
あなた「ううん。お台場は広すぎて、今でもどこに何があるのか正直よくわかんないよ」
せつ菜「えへへ……一緒ですね」
あなた「一緒だねー、なんか頼りなくて申し訳なくなってくるよ」
せつ菜「そんなことないですよ!これから2人で知っていきましょう!」
あなた「うん!そうだね!」 〜〜〜
せつ菜「ここがかの有名なジョイポリスですか」
あなた「へー、色々なアトラクションがあるなあ」
せつ菜「何だかいっぱいあり過ぎて選べないです」
あなた「ここは定番のジェットコースターとか?」
せつ菜「音ゲー?ジェットコースターなのに?興味深いですね」
あなた「VRアトラクションだって!これもいいんじゃないかな?」 せつ菜「……生き人形の間?」
あなた「え?」
せつ菜「なんでしょう、名前が一際目立ってますね」
あなた「人形がたくさん展示してあるのかな」
せつ菜「ちょっと行ってみませんか?ジェットコースターだと、少し心の準備が必要ですし……」
あなた「そ、そうだね……心の準備は大事だよね!」 あなた「……これって」
せつ菜「入ってみましょう!面白そうです!」
あなた「……せつ菜ちゃんって怖いのいける方だっけ?」
せつ菜「へ?どうしてです?」
あなた「多分これ、お化け屋敷……だよ」
せつ菜「い、言われてみれば……確かにそんな感じがします」
あなた「ね、今日はやめとこ?また次の機会に」
せつ菜「いえ!なんだか今日はいけそうな感じがします!」
あなた「えぇ!?」 せつ菜「私、ホラー映画も嗜んでいるので!」
あなた「それとこれとは……えぇ……」
せつ菜「私の勘が、ここに入るべきだと叫んでいます!さあ行きましょう!!」
あなた「うぅ……そこまでいうなら……仕方ないなあ」
せつ菜「ブツブツ……怖がって私に抱き着いて……フフッ……」
あなた「……え?せつ菜ちゃん、何か言った?」
せつ菜「はっ!な、なにも言ってませんよ?」
あなた「そう?ならいいんだけど」 〜〜〜
『遂に人の道に反した邪道に手を染めて……』
あなた(だっ、ダメ!やめて!!)
『人形の材料に使って』
ジョキィッッッ!!!
あなた「ひゃあああああああああああああ!!!!」
あなた(も、もうダメ……帰らせて……) ギュッ
あなた(へ?)
ニギニギ
あなた(せ、せつ菜ちゃん?)
ギュウウッ
あなた(部屋が真っ暗で、ヘッドホンしてるから何も聞こえないけど)
あなた(せつ菜ちゃんが、私の手を握り締めてくれてるのはわかる)
あなた(うぅ……死ぬほど怖いけど、せつ菜ちゃんがいれば頑張れるかも……!)
せつ菜「助けて……誰か……お願いだからぁ……」ブルブル 生き人形の間って無くなっちゃったんですかね
面白かったのに残念
続きます スレタイを変更したいのでこのスレを落として立て直します スレタイ変更初めて見た
こっちのスレで誘導してくれると助かる 中々立てられないので書き終えたら立てたいと思います ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています